JP2011237266A - セル電圧検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】セル電圧の算出精度向上を図ったセル電圧検出装置を提供する。
【解決手段】オペアンプ40の出力値がプラス側へ引き上げられるように基準電圧Vrefを印加する基準電圧回路50と、検出対象セルの電位差をオペアンプ40へ入力させている時のAD変換回路60の出力を対象電位差出力値Vobjとして取得する対象電位差出力値取得手段と、検出対象セルの負極をオペアンプ40へ入力させている時のAD変換回路60の出力を補正用出力値Vcomとして取得する補正用出力値取得手段と、取得した前記対象電位差出力値Vobj及び前記補正用出力値Vcomに基づき、検出対象セルのセル電圧Vcellを算出するセル電圧算出手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】オペアンプ40の出力値がプラス側へ引き上げられるように基準電圧Vrefを印加する基準電圧回路50と、検出対象セルの電位差をオペアンプ40へ入力させている時のAD変換回路60の出力を対象電位差出力値Vobjとして取得する対象電位差出力値取得手段と、検出対象セルの負極をオペアンプ40へ入力させている時のAD変換回路60の出力を補正用出力値Vcomとして取得する補正用出力値取得手段と、取得した前記対象電位差出力値Vobj及び前記補正用出力値Vcomに基づき、検出対象セルのセル電圧Vcellを算出するセル電圧算出手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、直列接続された複数の電池セルの各々についての正極と負極の電位差をセル電圧として検出するセル電圧検出装置に関する。
従来より、リチウム蓄電池等の電池セルを複数直列接続して1つのバッテリ装置を構成する旨が知られている。この場合には、各電池セルの電位差(セル電圧Vcell)を同一にするよう制御(均一化制御)したり、全ての電池セルが使用電圧範囲の上下限に収まるように制御(上下限電圧に対する保護制御)したりして、リチウム蓄電池の劣化抑制を図ることが要求される。そして、これらの制御を精度良く実施するためには、各々の電池セルのセル電圧Vcellを高精度で検出することが必要となってくる。
セル電圧Vcellを検出する装置は特許文献1等に開示されており、図9に例示されるように、オペアンプ40(差動増幅回路)、AD変換回路60及び切替手段20x,30xから構成される。
オペアンプ40は、自身の正極入力端子41と負極入力端子42に印加される電位差に応じたアナログ信号を出力する。AD変換回路60は、オペアンプ40から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。正極切替手段20xは、複数の電池セル11〜15の正極及び負極の中から選択した箇所(電位)を、オペアンプ40の正極入力端子41に接続させるよう切り替える。負極切替スイッチ30xは、複数の電池セル11〜15の正極及び負極の中から選択した箇所(電位)を、オペアンプ40の負極入力端子42に接続させるよう切り替える。
そして、検出対象となっている電池セル(検出対象セル)の正極を正極入力端子41に接続させるとともに、検出対象セルの負極を負極入力端子42に接続させ、その時のAD変換回路60の出力を対象電位差出力値Vobjとして取得する。
ここで、例えば第4電池セル14を検出対象セルとした場合において、第4電池セル14の正極V4及び負極V3を入力端子41,42に接続して得られた対象電位差出力値Vobjには、第1〜第3電池セルのセル電圧の合計Vn(同相電圧)に応じて生じる誤差(同相電圧誤差)が含まれている。そこで特許文献1では、両入力端子41,42に検出対象セルの負極を接続させ、その時のAD変換回路60の出力を補正用出力値Vcomとして取得しておき、VobjからVcomを減算することでセル電圧Vcellを算出している。これによれば、複数の電池セルの各々に対応して複数のオペアンプを設けることを不要にして、各電池セル11〜15のセル電圧Vcellを検出できる。
さらに、特許文献1記載のセル電圧検出装置では、オペアンプ40の出力値が正電圧となるように、オペアンプ40に接続されている負帰還抵抗等の抵抗R1〜R4の値を設定することで、正電圧のアナログ信号のみをAD変換可能な(つまりAD変換対象が正電圧に制限される安価な)AD変換回路60を採用できるようにしている。
しかし、このようにAD変換対象が正電圧に制限されたAD変換回路60の場合には、オペアンプ40の出力値がゼロ近傍の時にはAD変換精度が低下する。すると、補正用出力値Vcomを取得すべく両入力端子41,42に検出対象セルの負極を接続させた時には、オペアンプ40の出力値はゼロに近い微小電圧となるため、補正用出力値Vcomの検出精度が低下し、ひいてはセル電圧Vcellの算出精度が低下してしまう。
この問題に対し本発明者は、オペアンプ40の出力値をプラス側へ引き上げるように抵抗R1〜R4を設定することで、補正用出力値Vcomを取得する時のオペアンプ40の出力値を大きくすることを検討したが、この場合には以下の問題が生じることが分かった。
すなわち、対象電位差出力値Vobjには、先述した同相電圧誤差の他に、オペアンプ40のオフセット電流に応じて生じる誤差(オフセット電流誤差)も含まれている。このオフセット電流誤差は、オペアンプ40自体が有する固有の誤差である。そして、上述の如くR1〜R4を設定すると、対象電位差出力値Vobjに含まれるオフセット電流誤差(オペアンプ固有誤差)が大きくなってしまい、セル電圧Vcellの算出精度低下を招くことが分かった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、セル電圧の算出精度向上を図ったセル電圧検出装置を提供することにある。また、セル電圧の算出処理負荷軽減を図ったセル電圧検出装置の提供を他の目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、直列接続された複数の電池セルの各々についての正極と負極の電位差をセル電圧として検出するセル電圧検出装置において、自身の正極入力端子と負極入力端子に印加される電位差に応じたアナログ信号を出力する差動増幅回路と、前記差動増幅回路から出力されたアナログ信号のうちプラス側の信号をデジタル信号に変換するAD変換回路と、複数の前記電池セルの正極及び負極の中から選択した箇所を、前記正極入力端子に接続させるよう切り替える正極切替手段と、複数の前記電池セルの正極及び負極の中から選択した箇所を、前記負極入力端子に接続させるよう切り替える負極切替手段と、を備えることを前提とする。
そして、前記差動増幅回路の出力値がプラス側へ引き上げられるように基準電圧を印加する基準電圧印加手段と、検出対象となっている前記電池セルの正極及び負極の一方を前記正極入力端子へ接続し、他方を前記負極入力端子に接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を対象電位差出力値として取得する対象電位差出力値取得手段と、検出対象となっている前記電池セルの負極を、前記正極入力端子及び前記負極入力端子のそれぞれに接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を補正用出力値として取得する補正用出力値取得手段と、前記対象電位差出力値及び前記補正用出力値に基づき、検出対象となっている前記電池セルの電位差であるセル電圧を算出するセル電圧算出手段と、を備えることを特徴とする。
これによれば、基準電圧印加手段を備えることにより、差動増幅回路の出力値が基準電圧の分だけプラス側へ引き上げられ、差動増幅回路の出力値がゼロに近い微小電圧となることを回避できる。よって、補正用出力値として取得すべく検出対象セルの負極を両前入力端子に接続させた時であっても、差動増幅回路の出力値が微少電圧になることを回避できる。よって、AD変換対象が正電圧に制限される安価なAD変換回路であっても、AD変換精度が低下することを抑制できる。
しかも、基準電圧印加手段により差動増幅回路の出力値を引き上げているので、対象電位差出力値に含まれるオフセット電流誤差(オペアンプ固有誤差)が増大するような抵抗の設定を不要にできる。
以上により、上記発明によれば、対象電位差出力値に含まれるオフセット電流誤差を増大させることなく、AD変換精度の高い補正用出力値を取得することができるので、セル電圧の算出精度向上を図ることができる。
請求項2記載の発明では、前記セル電圧算出手段は、前記対象電位差出力値Vobj(図3(b)参照)から前記補正用出力値Vcom(図3(a)参照)を減算して得られる値に基づき、検出対象となっている前記電池セルのセル電圧Vcellを算出することを特徴とする。
一方、請求項3記載の発明では、前記正極切替手段は、前記正極入力端子をグランドにも接続するよう切替可能に構成され、前記負極切替手段は、前記負極入力端子をグランドにも接続するよう切替可能に構成され、前記正極入力端子及び前記負極入力端子のそれぞれにグランドを接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を、前記差動増幅回路及び前記基準電圧印加手段が有する固有誤差Vgnd(図3(d)参照)として取得する固有誤差取得手段と、前記補正用出力値Vcom(図3(c)参照)から前記固有誤差Vgnd(=Verr2)を減算して得られた値を、検出対象となっている電池セルよりも低電位側に位置する電池セルのセル電圧に応じて生じる同相電圧誤差Verr1として取得する同相電圧誤差取得手段と、を備え、前記セル電圧算出手段は、前記同相電圧誤差Verr1及び前記固有誤差Vgnd(=Verr2)を前記対象電位差出力値Vobj(図3(e)参照)から減算して得られる値に基づき、検出対象となっている前記電池セルのセル電圧Vcellを算出することを特徴とする。
ここで、図2に示すように、差動増幅回路の出力電圧Voutには、本来得たい値(A)の他に以下に説明する各種誤差(B)〜(F)が少なくとも含まれている、との知見を本発明者は得た。すなわち、同相電圧Vnに応じて生じる同相電圧誤差(B)、オフセット電圧Vosに応じて生じるオフセット電圧誤差(C)、オフセット電流Iosに応じて生じるオフセット電流誤差(D)、バイアス電流Ibpに応じて生じるバイアス電流誤差(E)、基準電圧Vrefの機差ばらつきに応じて生じる基準電圧誤差(F)である。そして、図3に示すように、対象電位差出力値Vobjには上記(A)〜(F)の全てが含まれており、補正用出力値Vcomには、各種誤差(B)〜(F)の全てが含まれている。
この点を鑑みた上記請求項2記載の発明によれば、「Vobj−Vcom」に基づき検出対象セルのセル電圧Vcellを算出するので、各種誤差(B)〜(F)が除去された本来得たい値(A)、つまり検出対象セルのセル電圧Vcellを、高精度で算出できる。また、上記請求項3記載の発明によれば、「Vobj−Verr1−Verr2」に基づき検出対象セルのセル電圧Vcellを算出するので、各種誤差(B)〜(F)が除去された本来得たい値(A)を高精度で算出できる。
ここで、上記請求項2記載の手法では、検出対象セルが変わる度に、Vobj及びVcomの2つを取得する必要があるため、両切替手段の切替作動回数が多くなる。例えば電池セルが10個の場合には、Vobj取得のために10回切り替えることと、Vcom取得のために10回切り替えることを要するので、合計20回の切り替えを要する。すると、複数の電池セル全てについてセル電圧Vcellを算出するのに要する時間が長くなるので、セル電圧Vcell算出値の応答遅れが大きくなってしまう。すると、充放電によってセル電圧が過渡的に変化する場合に、全てのセルが使用電圧範囲の上下限に収まるようにするといった先述した制御(上下限電圧に対する保護制御)を高精度で実施できなくなり、電池セル劣化抑制の効果が十分に得られなくなることが懸念される。
この懸念に対し、上記請求項3記載の手法では、以下の理由により両切替手段の切替作動回数を少なくできる。すなわち、上述した各種誤差(B)〜(F)のうち、同相電圧誤差(B)は検出対象セルよりも低電位側に位置する電池セルのセル電圧に応じて変化するものであるのに対し、オフセット電圧誤差(C)、オフセット電流誤差(D)及びバイアス電流誤差(E)については、差動増幅回路自体が有する固有の誤差であるため、複数の電池セルのうち検出対象セルをいずれに選択しても、これらの誤差(C)〜(E)は同じ値となる筈である。また、基準電圧誤差(F)についても、基準電圧印加手段自体が有する固有の誤差であるため、検出対象セルをいずれに選択しても誤差(E)は同じ値となる筈である。
そして、複数の電池セルのうち最も低電位に位置する電池セルを初めに検出対象セルとしてセル電圧Vcell(1)を算出し、その後2番目に低電位のセル電圧Vcell(2)、その後3番目に低電位のセル電圧Vcell(3)と順次算出していけば、例えばセル電圧Vcell(3)を算出するにあたり、セル電圧Vcell(1),Vcell(2)に基づけばVcom(3)に含まれる同相電圧誤差(B)を把握できる。よって、Vcell(2)以降については、検出対象セルのVobjを取得するだけでセル電圧Vcellを算出できる。
以上により、上記請求項3記載の手法によれば、最も低電位に位置する電池セルを初めに検出対象セルとしてVobj,Vcom,Vgndの3つを取得しておけば、以降の検出対象セルについてはVobjを取得するだけでセル電圧Vcellを算出できるので、両切替手段の切替作動回数を少なくできる。例えば電池セルが10個の場合には、Vobj取得のために10回切り替えることと、Vcom,Vgnd取得のために2回切り替えることとの合計12回の切り替えで済む。よって、複数の電池セル全てについてセル電圧Vcellを算出するのに要する時間を短くできるので、セル電圧Vcell算出値の応答遅れを小さくでき、先述した上下限電圧に対する保護制御を高精度で実施できるようになる。
請求項4記載の発明では、直列接続された複数の電池セルの各々についての正極と負極の電位差をセル電圧として検出するセル電圧検出装置において、正極入力端子と負極入力端子の電位差に応じたアナログ信号を出力する差動増幅回路と、前記差動増幅回路から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路と、複数の前記電池セルの正極、負極及びグランドの中から選択した箇所を、前記正極入力端子に接続させるよう接続箇所を切り替える正極切替手段と、複数の前記電池セルの正極、負極及びグランドの中から選択した箇所を、前記負極入力端子に接続させるよう接続箇所を切り替える負極切替手段と、を備えることを前提とする。
そして、検出対象となっている前記電池セルの正極及び負極の一方を前記正極入力端子へ接続し、他方を前記負極入力端子に接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を対象電位差出力値として取得する対象電位差出力値取得手段と、検出対象となっている前記電池セルの負極を、前記正極入力端子及び前記負極入力端子のそれぞれに接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を補正用出力値として取得する補正用出力値取得手段と、前記正極入力端子及び前記負極入力端子のそれぞれにグランドを接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を、前記差動増幅回路が有する固有誤差として取得する固有誤差取得手段と、前記補正用出力値から前記固有誤差を減算して得られた値を、検出対象となっている電池セルよりも低電位側に位置する電池セルのセル電圧に応じて生じる同相電圧誤差として取得する同相電圧誤差取得手段と、前記同相電圧誤差及び前記固有誤差を前記対象電位差出力値から減算して得られる値に基づき、検出対象となっている前記電池セルのセル電圧を算出するセル電圧算出手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、図2に示すように、差動増幅回路の出力電圧Voutには、本来得たい値(A)の他に以下に説明する各種誤差(B)〜(E)が少なくとも含まれている、との知見を本発明者は得た。すなわち、同相電圧Vnに応じて生じる同相電圧誤差(B)、オフセット電圧Vosに応じて生じるオフセット電圧誤差(C)、オフセット電流Iosに応じて生じるオフセット電流誤差(D)、バイアス電流Ibpに応じて生じるバイアス電流誤差(E)である。そして、図3に示すように、対象電位差出力値Vobjには上記(A)〜(E)の全てが含まれており、補正用出力値Vcomには、各種誤差(B)〜(E)の全てが含まれている。
この点を鑑みた上記請求項4記載の発明では、「Vobj−Verr1−Verr2」に基づき検出対象セルのセル電圧Vcellを算出するので、各種誤差(B)〜(E)が除去された本来得たい値(A)を高精度で算出できる。
しかも、上記請求項4記載の発明によれば、以下の理由により両切替手段の切替作動回数を少なくできる。すなわち、上述した各種誤差(B)〜(E)のうち、同相電圧誤差(B)は検出対象セルよりも低電位側に位置する電池セルのセル電圧に応じて変化するものであるのに対し、オフセット電圧誤差(C)、オフセット電流誤差(D)及びバイアス電流誤差(E)については、差動増幅回路自体が有する固有の誤差であるため、複数の電池セルのうち検出対象セルをいずれに選択しても、これらの誤差(C)〜(E)は同じ値となる筈である。
そして、複数の電池セルのうち最も低電位に位置する電池セルを初めに検出対象セルとしてセル電圧Vcell(1)を算出し、次に低電位のセル電圧Vcell(2)、次に低電位のセル電圧Vcell(3)と順次算出していけば、例えばセル電圧Vcell(3)を算出するにあたり、セル電圧Vcell(1),Vcell(2)に基づけばVcom(3)に含まれる同相電圧誤差(B)を把握できる。よって、Vcell(2)以降については、検出対象セルのVobjを取得するだけでセル電圧Vcellを算出できる。
以上により、上記請求項4記載の発明によれば、最も低電位に位置する電池セルを初めに検出対象セルとしてVobj,Vcom,Vgndの3つを取得しておけば、以降の検出対象セルについてはVobjを取得するだけでセル電圧Vcellを算出できるので、両切替手段の切替作動回数を少なくできる。例えば電池セルが10個の場合には、Vobj取得のために10回切り替えることと、Vcom,Vgnd取得のために2回切り替えることとの合計12回の切り替えで済む。よって、複数の電池セル全てについてセル電圧Vcellを算出するのに要する時間を短くできるので、セル電圧Vcell算出値の応答遅れを小さくでき、先述した上下限電圧に対する保護制御を高精度で実施できるようになる。
請求項5記載の発明では、対象電位差出力値取得手段は、検出対象となっている前記電池セルの負極を前記正極入力端子へ接続し、正極を前記負極入力端子に接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を対象電位差出力値として取得することを特徴とする。
これによれば、AD変換回路への入力電圧(差動増幅回路の出力電圧Vout)とAD変換回路からの出力電圧との関係を示す特性(図6参照)が、図6中の二点鎖線に示すように反転される。よって、図6中の実線に示すように基準電圧等により出力電圧Voutを引き上げておけば、補正用出力値として取得すべく検出対象セルの負極を両前入力端子に接続させた時であっても、差動増幅回路の出力電圧Voutが微少電圧になることを回避できる。しかも、図5中の実線に示すように反転させずに引き上げた場合に比べ、反転させた上で引き上げる本発明によれば、検出対象セルの負極を両前入力端子に接続させた時の出力電圧Voutを大きくできるので、AD変換対象が正電圧に制限される安価なAD変換回路である場合であっても、補正用出力値に対するAD変換精度を十分に確保できる。
以下、本発明にかかるセル電圧検出装置を車載バッテリ装置に適用した各実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるセル電圧検出装置、及びバッテリ装置10を示す回路図である。バッテリ装置10は、複数の電池セル11〜15を直列接続して構成されている。電池セル11〜15の具体例としては、リチウム蓄電池やニッケル蓄電池等の鉛蓄電池に比べて高出力・高エネルギ密度の蓄電池(高性能蓄電池)や、キャパシタ等が挙げられる。本実施形態の電池セル11〜15にはリチウム蓄電池が採用されている。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるセル電圧検出装置、及びバッテリ装置10を示す回路図である。バッテリ装置10は、複数の電池セル11〜15を直列接続して構成されている。電池セル11〜15の具体例としては、リチウム蓄電池やニッケル蓄電池等の鉛蓄電池に比べて高出力・高エネルギ密度の蓄電池(高性能蓄電池)や、キャパシタ等が挙げられる。本実施形態の電池セル11〜15にはリチウム蓄電池が採用されている。
特にリチウム蓄電池は、過充電により蓄電量が適正範囲より多くなったり、過放電により蓄電量が適正範囲より少なくなったりすると、劣化が著しく促進されてしまう。そこで、充電状態を表すSOC(State of charge:満充電時の充電量に対する実際の充電量の割合)が適正範囲となるように充放電状態を制御(SOC適正制御)する必要がある。但し、このようなSOC適正制御は、バッテリ装置10の端子電圧(つまり電池セル11〜15を合計した電圧)に基づき算出したSOCに基づき実施するのが一般的である。そのため、複数の電池セル11〜15の蓄電量のばらつきが大きくなっている場合には、個々の電池セル11〜15全てについてSOCを適正範囲に制御することが困難となり、劣化が促進されてしまう。
そこで本実施形態では、電池セル11〜15の個々のセル電圧を、図示しない均一化回路により均一化させる制御(均一化制御)を実施している。そして、以下に説明するセル電圧検出装置により、個々のセル電圧を高精度で検出することで、上記均一化制御を高精度で実施することを図り、電池セル11〜15の劣化抑制を図っている。
本実施形態にかかるセル電圧検出装置は、以下に説明する正極切替手段20、負極切替手段30、オペアンプ40(差動増幅回路)、オペアンプ40に接続されている抵抗R1〜R4及び基準電圧回路50(基準電圧印加手段)、AD変換回路60、マイクロコンピュータ(マイコン70)等から構成されている。
正極切替手段20は、マイコン70により制御される複数のスイッチ21〜27を有して構成されており、複数の電池セル11〜15の正極及び負極とグランドの中から選択した箇所を、オペアンプ40の正極入力端子41に接続させるよう切り替える。
負極切替手段30は、マイコン70により制御される複数のスイッチ31〜37を有して構成されており、複数の電池セル11〜15の正極及び負極とグランドの中から選択した箇所を、オペアンプ40の負極入力端子42に接続させるよう切り替える。
オペアンプ40は、差動増幅回路を構成するICチップであり、両入力端子41,42に入力された電位差の信号を、負帰還抵抗として機能する抵抗R1〜R4に応じたゲインで増幅して出力する。
基準電圧回路50は、既知の電圧である基準電圧Vrefを、抵抗R4を介して正極入力端子41へ印加する。これにより、オペアンプ40の出力電圧Voutは、基準電圧Vrefに相当する分だけプラス側に引き上げられることとなる。
AD変換回路60は、オペアンプ40から出力された出力電圧Vout(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。但し、本実施形態にかかるAD変換回路60には、入力されるアナログ信号がマイナスの電圧である場合にはAD変換することができないもの(つまり、AD変換対象が正電圧に制限された安価なもの)である。例えば図5に示す例では、AD変換可能なAD変換回路60への入力電圧の範囲は0〜5Vであり、この入力電圧0〜5Vのレンジに対応した0〜4Vのデジタル信号を出力する。
マイコン70は、AD変換回路60から出力される各種出力値(後に詳述する対象電位差出力値Vobj及び補正用出力値Vcom)に基づき、各電池セル11〜15のセル電圧Vcellを算出する。
次に、マイコン70によりセル電圧Vcellを精度良く算出する手法について、図2及び図3(a)(b)を用いて説明する。
図2(b)に示すように、オペアンプ40の出力電圧Voutには、本来得たい値(A)の他に以下に説明する各種誤差(B)〜(F)が少なくとも含まれている。
先ず、同相電圧誤差(B)について説明する。例えば第5電池セル15を検出対象セルとした場合において、第5電池セル15の正極V5及び負極V4を入力端子41,42に接続した時の出力電圧Voutには、第1〜第4電池セルのセル電圧の合計(同相電圧Vn)に応じて生じる誤差(同相電圧誤差)が含まれている。
次に、オフセット電圧誤差(C)について説明する。理想的なオペアンプであれば、両入力端子41,42に同一の電圧を印加させれば、出力電圧Voutはゼロとなる筈である。しかし実際には出力電圧Voutはゼロとはならずオフセット電圧が生じる。換言すれば、図中の符号Vosに示す電圧が常時印加されていると言える。そして、このようなオフセット電圧Vosに応じた誤差(オフセット電圧誤差)が出力電圧Voutには含まれている。
次に、オフセット電流誤差(D)及びバイアス電流誤差(E)について説明する。図2(a)中の一点鎖線に示すように、理想的なオペアンプには、入力端子に電圧を印加しても電流は流れない。しかし実際には、図中の符号Ibp,Ibmに示すように電流が流れてしまう。この電流をバイアス電流と言い、バイアス電流Ibp,Ibmの差Iosに応じた誤差(オフセット電流誤差)、及びバイアス電流Ibpに応じた誤差(バイアス電流誤差)が出力電圧Voutには含まれている。
また、基準電圧回路50には機差ばらつきが生じているので、基準電圧Vrefの設計値に対する実値のばらつきに応じた誤差(基準電圧誤差)が出力電圧Voutには含まれている。ちなみに、抵抗R1〜R4が理想的な抵抗であれば、同相電圧誤差(B)及びオフセット電流誤差(D)は計算上ゼロになる筈であるが、実際の抵抗R1〜R4には機差ばらつきが生じているので、同相電圧誤差(B)及びオフセット電流誤差(D)は生じている。
図3(a)(b)は、本実施形態の手法により、第5セル15を検出対象セルとした場合におけるセル電圧Vcellの算出例を示しており、図3(a)に示されるAD変換回路60の測定値Vcomは、両入力端子41,42に第5セルの負極V4が接続されるよう両切替手段20,30を作動させた時の測定値である。具体的には、スイッチ26及びスイッチ36をオンにして他のスイッチを全てオフにした時の測定値である。したがって、この時の測定値Vcomには、本来得たい値(A)に対応するセル電圧Vcellは含まれておらず、上述した各種誤差(B)〜(F)に対応する誤差Verrのみが含まれることとなる。
また、図3(b)に示されるAD変換回路60の測定値Vobjは、正極入力端子41に第5セルの正極V5が接続されるよう正極切替手段20を作動させるとともに、負極入力端子42に第5セルの負極V4が接続されるよう負極切替手段30を作動させた時の測定値である。具体的には、スイッチ27及びスイッチ36をオンにして他のスイッチを全てオフにした時の測定値である。したがって、この時の測定値Vobjには、本来得たい値(A)に対応するセル電圧Vcellと、各種誤差(B)〜(F)に対応する誤差Verrの両方が含まれることとなる。
したがって、VobjからVcomを減算して得られる値は、誤差Verrが除去された状態のセル電圧Vcellを表している。よって、検出対象セルの正極と負極をオペアンプ40へ入力させた時に得られたAD変換回路60の測定値Vobjを取得するとともに、検出対象セルの負極を両入力端子41,42へ入力させた時に得られたAD変換回路60の測定値Vcomを取得すれば、マイコン70により「Vcell=Vobj−Vcom」との演算をすることにより検出対象セルのセル電圧Vcellを算出することができる。
図4は、マイコン70による上記算出の処理手順を示すフローチャートであり、当該処理は、所定周期(例えばマイコン70の演算周期)で繰り返し実行される。
先ず、図4に示すステップS10において、両入力端子41,42への入力が検出対象セルの負極となるよう、両切替手段20,30の作動を制御する。続くステップS11(補正用出力値取得手段)では、AD変換回路60から出力される測定値Vcomを取得する。続くステップS12では、ステップS11で取得した測定値Vcomを誤差Verrとして設定する。
続くステップS13では、正極入力端子41への入力が検出対象セルの正極、負極入力端子42への入力が検出対象セルの負極となるよう、両切替手段20,30の作動を制御する。続くステップS14(対象電位差出力値取得手段)では、AD変換回路60から出力される測定値Vobjを取得する。続くステップS15では、ステップS14で取得した測定値Vobjから、ステップS12で設定した誤差Verrを減算して得られた値を、検出対象セルのセル電圧Vcellとして算出する。
そして、上記処理S10〜S15により検出対象セルのセル電圧Vcellの算出が済めば、検出対象セルを他のセルに替えて、上記処理S10〜S15を同様に実施する。そして、複数の電池セル11〜15の各々についてS10〜S15の処理を所定周期で繰り返し実行する。
図5は、AD変換回路60への入力電圧(オペアンプ40の出力電圧Vout)とAD変換回路60からの出力電圧(測定値)との関係を示す特性図である。本実施形態によれば、基準電圧回路50を備えるので、オペアンプ40の出力電圧Voutは基準電圧Vrefに相当する分だけプラス側に引き上げられることとなる。つまり、図5中の一点鎖線に示す特性が実線に示す特性に引き上げられる。
そのため、ステップS10の如く切り替えた時の出力電圧Voutがゼロに近い微小電圧となることを回避できる。よって、ステップS11で取得される測定値VcomのAD変換精度が低下することを抑制できる。しかも、抵抗R1〜R4を調整して出力電圧Voutを引き上げるのではなく、基準電圧回路50により出力電圧Voutを引き上げているので、ステップS14で取得される測定値Vobjに含まれるオフセット電流誤差が増大することを回避できる。
以上により、本実施形態によれば、測定値Vobjに含まれるオフセット電流誤差を増大させることなく、AD変換精度の高い測定値Vcomを取得することができるので、セル電圧の算出精度を向上できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、図4のステップS13において、正極入力端子41への入力が検出対象セルの正極、負極入力端子42への入力が検出対象セルの負極となるように制御している。これに対し本実施形態では、正極入力端子41への入力が検出対象セルの負極、負極入力端子42への入力が検出対象セルの正極となるよう、正極と負極を反転させている。
上記第1実施形態では、図4のステップS13において、正極入力端子41への入力が検出対象セルの正極、負極入力端子42への入力が検出対象セルの負極となるように制御している。これに対し本実施形態では、正極入力端子41への入力が検出対象セルの負極、負極入力端子42への入力が検出対象セルの正極となるよう、正極と負極を反転させている。
したがって、図6中の一点鎖線に示す特性が二点鎖線に示すように反転することとなる。そして、基準電圧回路50によりプラス側へ引き上げられることにより、図6中の実線に示す特性となる。
以上により、本実施形態によれば、AD変換回路60への入力電圧(オペアンプ40の出力電圧Vout)とAD変換回路60からの出力電圧(測定値)との関係を示す特性を、図6の実線に示す態様にできる。そのため、第1実施形態の如く反転させていない場合に比べて、基準電圧Vrefの値を大きく設定することができる。よって、ステップS10の如く切り替えた時の出力電圧Voutをより一層大きい値にすることができるので、ステップS11で取得される測定値VcomのAD変換精度を向上できる。
しかも、抵抗R1〜R4を調整して出力電圧Voutを引き上げるのではなく、基準電圧回路50により出力電圧Voutを引き上げているので、ステップS14で取得される測定値Vobjに含まれるオフセット電流誤差が増大することを回避できる。
以上により、本実施形態によれば、測定値Vobjに含まれるオフセット電流誤差を増大させることなく、AD変換精度の高い測定値Vcomを取得することをさらに促進できるので、セル電圧の算出精度をより一層向上できる。
(第3実施形態)
図3(c)(d)(e)は、本実施形態の手法により、第5セル15を検出対象セルとした場合におけるセル電圧Vcellの算出例を示しており、図3(c)に示されるAD変換回路60の測定値Vcomは、両入力端子41,42に第5セルの負極V4が接続されるよう両切替手段20,30を作動させた時の測定値であり、図3(a)と同じである。但し、同相電圧誤差に対応する誤差を符号Verr1で表し、他の誤差を符号Verr2で表している。
図3(c)(d)(e)は、本実施形態の手法により、第5セル15を検出対象セルとした場合におけるセル電圧Vcellの算出例を示しており、図3(c)に示されるAD変換回路60の測定値Vcomは、両入力端子41,42に第5セルの負極V4が接続されるよう両切替手段20,30を作動させた時の測定値であり、図3(a)と同じである。但し、同相電圧誤差に対応する誤差を符号Verr1で表し、他の誤差を符号Verr2で表している。
また、図3(d)に示されるAD変換回路60の測定値Vgndは、両入力端子41,42にグランドが接続されるよう両切替手段20,30を作動させた時の測定値である。具体的には、スイッチ21及びスイッチ31をオンにして他のスイッチを全てオフにした時の測定値である。したがって、この時の測定値Vgndには、本来得たい値(A)に対応するセル電圧Vcell及び同相電圧誤差Verr1が含まれておらず、それ以外の各種誤差(C)〜(F)に対応する誤差Verr2のみが含まれることとなる。
また、図3(e)に示されるAD変換回路60の測定値Vobjは、正極入力端子41に第5セルの正極V5が接続されるよう正極切替手段20を作動させるとともに、負極入力端子42に第5セルの負極V4が接続されるよう負極切替手段30を作動させた時の測定値であり、図3(b)と同じである。
よって、検出対象セルの正極と負極をオペアンプ40へ入力させた時に得られたAD変換回路60の測定値Vobjと、グランドをオペアンプ40へ入力させた時に得られたAD変換回路60の測定値Vgnd(=Verr2)と、検出対象セルの負極を両入力端子41,42へ入力させた時に得られたAD変換回路60の測定値Vcomと、を取得すれば、マイコン70により「Verr1=Vcom−Verr2」との演算をすることにより同相電圧誤差Verr1を算出することができる。そして、「Vcell=Vobj−Verr1−Verr2」との演算をすることにより検出対象セルのセル電圧Vcellを算出することができる。
ここで、上述した各種誤差(B)〜(F)のうち、同相電圧誤差(B)は検出対象セルよりも低電位側に位置する電池セルのセル電圧に応じて変化するものであるのに対し、オフセット電圧誤差(C)、オフセット電流誤差(D)及びバイアス電流誤差(E)については、オペアンプ40自体が有する固有の誤差であるため、複数の電池セル11〜15のいずれを検出対象セルとして選択しても、これらの誤差(C)〜(E)は同じ値となる筈である。また、基準電圧誤差(F)についても、基準電圧回路50自体が有する固有の誤差であるため、検出対象セルをいずれに選択しても誤差(E)は同じ値となる筈である。
そして、複数の電池セル11〜15のうち最も低電位に位置する電池セル11を初めに検出対象セルとしてセル電圧Vcell(1)を算出し、その後2番目に低電位のセル電圧Vcell(2)、その後3番目の低電位のセル電圧Vcell(3)と順次算出していけば、例えばセル電圧Vcell(3)を算出するにあたり、セル電圧Vcell(1),Vcell(2)に基づけばVcom(3)に含まれる同相電圧誤差(B)を把握できる。よって、Vcell(2)以降については、検出対象セルのVobjを取得するだけでセル電圧Vcellを算出できる。
以上により、最も低電位に位置する電池セル11を初めに検出対象セルとしてVobj,Vcom,Vgndの3つを取得しておけば、以降の検出対象セルについてはVobjを取得するだけでセル電圧Vcellを算出できるので、両切替手段20,30の切替作動回数を少なくできる。
図7は、マイコン70による上記「Verr1=Vcom−Verr2」の算出処理手順を示すフローチャートであり、当該処理は、所定周期(例えばマイコン70の演算周期)で繰り返し実行される。
先ず、図7に示すステップS20において、両入力端子41,42への入力が検出対象セルの負極となるよう、両切替手段20,30の作動を制御する。続くステップS21(同相電圧誤差取得手段(補正用出力値取得手段))では、AD変換回路60から出力される測定値Vcomを取得する。
続くステップS22では、両入力端子41,42への入力がグランドとなるよう、両切替手段20,30の作動を制御する。続くステップS23(固有誤差取得手段(補正用出力値取得手段))では、AD変換回路60から出力される測定値Vgndを取得する。続くステップS24では、ステップS11で取得した測定値Vcomを誤差Verr2として設定する。
続くステップS25では、ステップS21で取得した測定値Vcomから、ステップS24で設定した誤差Verr2を減算して得られた値を、同相電圧誤差Verr1として算出する。より詳細には、図3(e)中のVerr1に示す項の同相電圧Vnに対するゲインG3の値を算出する。以上により、固有誤差Verr2及び同相電圧誤差Verr1を取得できる。
図8は、マイコン70による上記「Vcell=Vobj−Verr1−Verr2」の算出処理手順を示すフローチャートであり、当該処理は、所定周期(例えばマイコン70の演算周期)で繰り返し実行される。
先ず、図8のステップS13,S14では、図4と同様の処理を実施して測定値Vobjを取得する。続くステップS15aでは、ステップS14で取得した測定値Vobjから、図7の処理で産SY通した同相電圧誤差Verr1及び固有誤差Verr2を減算して得られた値を、検出対象セルのセル電圧Vcellとして算出する。
そして、上記処理S13〜S15aにより検出対象セルのセル電圧Vcellの算出が済めば、検出対象セルを他のセルに替えて、上記処理S13〜S15aを同様に実施する。但し、複数の電池セル11〜15のうち最も低電位に位置する第1電池セル11を初めに検出対象セルとして図7及び図8の処理を実施する。そして、第1電池セル11のセル電圧Vcell(1)の算出が終了した後には、次の検出対象セルを2番目に低電位の第2電池セル12に設定し、当該第2電池セル12に対して図8の処理を実施する。この時、図7の処理は実施せず、図8のステップS15aで用いる同相電圧誤差Verr1は次のように算出する。
すなわち、第1電池セル11を検出セルとして実行した図8のステップS15aで取得したセル電圧Vcell(1)は、第2電池セル11を検出セルとした時の同相電圧V0に概ね相当するので、第1電池セル11を検出セルとして実行した図7のステップS21で取得したゲインG3に、セル電圧Vcell(1)を乗算して得られた値を、同相電圧誤差Verr1としてステップS15aで用いればよい。
そして、第2電池セル12のセル電圧Vcell(2)の算出が終了した後には、次の検出対象セルを3番目に低電位の第3電池セル13に設定して、図8の処理を実施する。おっして、第4電池セル14、第5電池セル15を順次検出対象セルに設定していき、図8の処理により各々のセル電圧Vcell(1)〜Vcell(5)を算出する。
以上により、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。また、上述の如く両切替手段20,30の切替作動回数を少なくできるので、以下の効果も発揮される。
すなわち、切替作動回数を少なくできるので、複数の電池セル11〜15全てについてセル電圧Vcell(1)〜Vcell(5)を算出するのに要する時間を短くできるので、セル電圧Vcell算出値の応答遅れを小さくでき、先述した上下限電圧に対する保護制御を高精度で実施できるようになる。
また、セル電圧の検出時には僅かながら電力が消費されてしまうが、本実施形態によれば切替作動回数を少なくできるので、複数の電池セル11〜15全てについてセル電圧を検出するにあたり、その検出に要する消費電力を少なくできる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記実施形態では電池セル11〜15リチウム蓄電池を採用しているが、ニッケル蓄電池、鉛蓄電池、キャパシタ等に本発明を適用させてもよい。
・上記第1実施形態の場合には、グランドに接続するためのスイッチ21,31を廃止してもよい。
・上記第3実施形態の場合には、基準電圧回路50を廃止してもよい。
20…正極切替手段、30…負極切替手段、40…オペアンプ(差動増幅回路)、60…AD変換回路、50…基準電圧回路(基準電圧印加手段)、S11…補正用出力値取得手段、S14…対象電位差出力値取得手段、S15,S15a…セル電圧算出手段、S21…同相電圧誤差取得手段(補正用出力値取得手段)、S23…固有誤差取得手段(補正用出力値取得手段)。
Claims (5)
- 直列接続された複数の電池セルの各々についての正極と負極の電位差をセル電圧として検出するセル電圧検出装置において、
自身の正極入力端子と負極入力端子に印加される電位差に応じたアナログ信号を出力する差動増幅回路と、
前記差動増幅回路から出力されたアナログ信号のうちプラス側の信号をデジタル信号に変換するAD変換回路と、
複数の前記電池セルの正極及び負極の中から選択した箇所を、前記正極入力端子に接続させるよう切り替える正極切替手段と、
複数の前記電池セルの正極及び負極の中から選択した箇所を、前記負極入力端子に接続させるよう切り替える負極切替手段と、
前記差動増幅回路の出力値がプラス側へ引き上げられるように基準電圧を印加する基準電圧印加手段と、
検出対象となっている前記電池セルの正極及び負極の一方を前記正極入力端子へ接続し、他方を前記負極入力端子に接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を対象電位差出力値として取得する対象電位差出力値取得手段と、
検出対象となっている前記電池セルの負極を、前記正極入力端子及び前記負極入力端子のそれぞれに接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を補正用出力値として取得する補正用出力値取得手段と、
前記対象電位差出力値及び前記補正用出力値に基づき、検出対象となっている前記電池セルの電位差であるセル電圧を算出するセル電圧算出手段と、
を備えることを特徴とするセル電圧検出装置。 - 前記セル電圧算出手段は、前記対象電位差出力値から前記補正用出力値を減算して得られる値に基づき、検出対象となっている前記電池セルのセル電圧を算出することを特徴とする請求項1に記載のセル電圧検出装置。
- 前記正極切替手段は、前記正極入力端子をグランドにも接続するよう切替可能に構成され、
前記負極切替手段は、前記負極入力端子をグランドにも接続するよう切替可能に構成され、
前記正極入力端子及び前記負極入力端子のそれぞれにグランドを接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を、前記差動増幅回路及び前記基準電圧印加手段が有する固有誤差として取得する固有誤差取得手段と、
前記補正用出力値から前記固有誤差を減算して得られた値を、検出対象となっている電池セルよりも低電位側に位置する電池セルのセル電圧に応じて生じる同相電圧誤差として取得する同相電圧誤差取得手段と、
を備え、
前記セル電圧算出手段は、前記同相電圧誤差及び前記固有誤差を前記対象電位差出力値から減算して得られる値に基づき、検出対象となっている前記電池セルのセル電圧を算出することを特徴とする請求項1に記載のセル電圧検出装置。 - 直列接続された複数の電池セルの各々についての正極と負極の電位差をセル電圧として検出するセル電圧検出装置において、
正極入力端子と負極入力端子の電位差に応じたアナログ信号を出力する差動増幅回路と、
前記差動増幅回路から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路と、
複数の前記電池セルの正極、負極及びグランドの中から選択した箇所を、前記正極入力端子に接続させるよう接続箇所を切り替える正極切替手段と、
複数の前記電池セルの正極、負極及びグランドの中から選択した箇所を、前記負極入力端子に接続させるよう接続箇所を切り替える負極切替手段と、
検出対象となっている前記電池セルの正極及び負極の一方を前記正極入力端子へ接続し、他方を前記負極入力端子に接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を対象電位差出力値として取得する対象電位差出力値取得手段と、
検出対象となっている前記電池セルの負極を、前記正極入力端子及び前記負極入力端子のそれぞれに接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を補正用出力値として取得する補正用出力値取得手段と、
前記正極入力端子及び前記負極入力端子のそれぞれにグランドを接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を、前記差動増幅回路が有する固有誤差として取得する固有誤差取得手段と、
前記補正用出力値から前記固有誤差を減算して得られた値を、検出対象となっている電池セルよりも低電位側に位置する電池セルのセル電圧に応じて生じる同相電圧誤差として取得する同相電圧誤差取得手段と、
前記同相電圧誤差及び前記固有誤差を前記対象電位差出力値から減算して得られる値に基づき、検出対象となっている前記電池セルのセル電圧を算出するセル電圧算出手段と、
を備えることを特徴とするセル電圧検出装置。 - 対象電位差出力値取得手段は、検出対象となっている前記電池セルの負極を前記正極入力端子へ接続し、正極を前記負極入力端子に接続させるよう前記正極切替手段及び前記負極切替手段を作動させ、その時の前記AD変換回路の出力を対象電位差出力値として取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のセル電圧検出装置。
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