JP2012019087A - リアクトル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リアクトルコイルから発せられた熱を効率的に放熱することができるリアクトル装置を提供すること。
【解決手段】リアクトルコア31は磁性粉末の充填率が異なる第1コア部311と第2コア部312から構成される。また、第1コア部311はリアクトルケース32を構成する端壁部322側に配置され、第2コア部312はリアクトルケース32の端壁部322と180度反対側の反端壁部側に配置される。ここで、第1コア部311の磁性粉末の充填率は第2コア部312の磁性粉末の充填率より小さい。そのため、リアクトルコイル15から発せられた熱は、磁性粉末の充填率が高い第2コア部312が配置されている方向へ伝導する。よって、リアクトルケース32を構成する端壁部322と180度反対側の反端壁部方向に対して、リアクトルコイル15から発せられた熱を積極的に放熱することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、通電により磁束を発生させるリアクトルコイルと、磁束の磁路となるリアクトルコアと、リアクトルコイルとリアクトルコアを収容するリアクトルケースとを備えたリアクトル装置に関する。
内燃機関と電気モータの両方を駆動源として有するハイブリッド車両や、電気モータを駆動源として備えた電気自動車等には、電池から供給される直流電流と電気モータへ出力する交流電流との間で双方向変換する電力変換装置が備えられている。このような電力変換装置として電源電圧を所定電圧に昇圧する機能を有するものが知られている。また、ハイブリッド車両や電気自動車等に用いられる電力変換装置は、電気モータから大きな駆動トルクを得る必要があるため大電流が流れるように構成されている。そのため、電力変換装置を構成し昇圧機能を発揮する為の構成部品であるリアクトル装置のリアクトルコイルからの発熱量が大きくなるという問題がある。
上記問題に対して特許文献1においては、リアクトルコイルを内蔵したリアクトルコアの外周面とリアクトルコアを収容する収容部の内側面とにそれぞれ連続した凹凸面を形成し、リアクトルコアの凹凸面と収容部の凹凸面とを互いに密着させるという構成を採用している。この構成により、リアクトルコアと収容部との接触面積を大きくすることができ、収容部を介して熱を外部に放熱することができる。よって、冷却性能を向上させることができると述べられている。
特開2008−198981号公報
ところで、リアクトルコイルはリアクトルコアに埋設されている。そして、リアクトルコイルから発生した熱はリアクトルコイルの軸線方向とリアクトルコイルの軸線方向と直交する方向に伝導する。そのため、リアクトルコイルの軸線方向とリアクトルコイルの軸線方向と直交する方向に対する高い放熱性能が望まれる。
ここで、特許文献1は、リアクトルコアの外周面とリアクトルコアを収容する収容部の内側面とにそれぞれ連続した凹凸面を形成し、リアクトルコアの凹凸面と収容部の凹凸面とを互いに密着させているため、リアクトルコイルの軸線方向と直交する方向に対して積極的に放熱する機構を備えている。
また、リアクトルコアは、電力変換装置のケースの底面に載置された状態で固定されている。ここで、電力変換装置のケースはアルミニウム等の熱伝導性に優れた部材を用いて構成されている。そのため、リアクトルコイルの軸線方向のうち、リアクトルコイルから電力変換装置のケースの底面方向に対して積極的に放熱することができる。しかし、リアクトルコイルの軸線方向のうち、電力変換装置のケースの底面方向と180度反対側に対して積極的に放熱する機構を備えておらず、放熱がほとんど行われていないという問題がある。
そこで本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、リアクトルコイルから発せられた熱を効率的に放熱することができるリアクトル装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、通電により磁束を発生させるリアクトルコイルと、前記リアクトルコイルの内周及び外周に充填される磁性粉末と前記磁性粉末を分散した状態で内包する樹脂とから構成されるリアクトルコアと、前記リアクトルコイル及び前記リアクトルコアを内部に収容するリアクトルケースとを備えたリアクトル装置であって、前記リアクトルケースは、前記リアクトルコイルを囲む側壁部と、前記側壁部の端部に形成された端壁部とを備え、前記リアクトルコアは前記磁性粉末の充填率が異なる第1コア部と第2コア部から構成され、前記第1コア部の前記磁性粉末の充填率は前記第2コア部の前記磁性粉末の充填率より小さく、前記第1コア部は前記端壁部側に配置され、前記第2コア部は前記端壁部と180度反対側の反端壁部側に配置されることを特徴とする。
このように構成すれば、リアクトルコアは磁性粉末の充填率が異なる第1コア部と第2コア部から構成される。また、第1コア部はリアクトルケースを構成する端壁部側に配置され、第2コア部はリアクトルケースの端壁部と180度反対側の反端壁部側に配置される。ここで、第1コア部の磁性粉末の充填率は第2コア部の磁性粉末の充填率より小さい。そのため、リアクトルコイルから発せられた熱は、磁性粉末の充填率が高い第2コア部が配置されている方向へ伝導する。よって、本発明によれば、リアクトルケースを構成する端壁部と180度反対側の反端壁部方向に対して、リアクトルコイルから発せられた熱を積極的に放熱することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリアクトル装置であって、前記リアクトルコイルは、両端部に外部と接続するコイル端子部を備えており、前記第2コア部は前記コイル端子部が配置されている方向に配置されていることを特徴とする。
このように構成すれば、第2コア部は外部と接続するコイル端子部が配置されている方向に配置される。よって、発明によれば、外部と接続するコイル端子部が配置されている方向に対して、リアクトルコイルから発せられた熱を積極的に放熱することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のリアクトル装置であって、前記端壁部から前記反端壁部方向の前記リアクトルコイルの両端部間に、前記第1コア部と前記第2コア部との境界線が形成されていることを特徴とする。
このように構成すれば、リアクトルケースの端壁部から反端壁部方向のリアクトルコイルの両端部間に、第1コア部と第2コア部との境界線が形成される。そのため、磁性粉末の充填率が高い第2コア部が、熱を発するリアクトルコイルに接することになる。よって、本発明によれば、第2コア部が配置されている方向に対する放熱能力を向上させることができる。
また、磁性粉末の充填率の大きいリアクトルコアは磁性粉末の充填率の小さいリアクトルコアよりも硬くなる。そのため、磁性粉末の充填率が小さく第2コア部と比較して柔らかい第1コア部がリアクトルケースの端壁部方向に配置され、磁性粉末の充填率が大きく第1コア部と比較して硬い第2コア部が反端壁部方向に配置される。これにより、リアクトルコイルに電流が流れた際に生じるリアクトルコアの振動を第2コア部と比較して柔らかい第1コア部によって吸収することができる。よって、本発明によれば、リアクトルコアからリアクトルケースへ伝わる振動を低減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のリアクトル装置であって、前記反端壁部側の前記リアクトルコイルの端部より前記反端壁部側に前記第1コア部と前記第2コア部との境界面が形成されることを特徴とする。
このように構成すれば、反端壁部側のリアクトルコイルの端部より反端壁部側に第1コア部と第2コア部との境界面が形成される。そのため、第2コア部と比較して柔らかい第1コア部がリアクトルケースの端壁部方向に対して多く配置されることになる。よって、本発明によれば、リアクトルコアからリアクトルケースに伝わる振動を低減する性能を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、通電により磁束を発生させるリアクトルコイルと、前記リアクトルコイルの内周及び外周に充填される磁性粉末と前記磁性粉末を分散した状態で内包する樹脂とから構成されるリアクトルコアと、前記リアクトルコイル及び前記リアクトルコアを内部に収容するリアクトルケースとを備えたリアクトル装置の製造方法であって、前記リアクトルケースとは異なる成形型に前記磁性粉末及び前記樹脂を流し込み、前記磁性粉末の一部を沈殿させた状態で加熱、固定して前記磁性粉末の充填率が異なる前記リアクトルコアを成形する成形工程と、前記成形工程の後に、前記成形型から取り出した前記リアクトルコアを上下反転させ、前記リアクトルコアのうち前記磁性粉末の充填率が小さい側を前記リアクトルケースに載置する載置工程とを備えることを特徴とする。
このように構成すれば、成形工程において成形型に磁性粉末の一部を沈殿させた状態で加熱、固定するため、磁性粉末の充填率が異なるリアクトルコアを形成することができる。また、載置工程において成形型から取り出したリアクトルコアを上下反転させ、磁性粉末の充填率が小さい側をリアクトルケースに載置する。よって、本発明によれば、成形したリアクトルコアのうち磁性粉末の充填率が小さい側をリアクトルケースに載置したリアクトル装置を製造することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のリアクトル装置の製造方法であって、前記磁性粉末は、質量密度の異なる複数の磁性粉末を備え、前記成形工程は、前記リアクトルケースとは異なる成形型に質量密度の異なる複数の磁性粉末及び前記樹脂を流し込み、質量密度の大きい前記磁性粉末を沈殿させた状態で加熱、固定して前記磁性粉末の充填率が異なる前記リアクトルコアを成形することを特徴とする。
このように構成すれば、成形工程において質量密度の異なる複数の磁性粉末を成形型に流し込むことができる。ここで、成形型に流し込んだ磁性粉末のうち質量密度の大きい磁性粉末は質量密度の小さい磁性粉末より沈殿しやすい。よって、本発明によれば、成形工程において1種類の磁性粉末を用いる場合と比較して、磁性粉末の沈殿量の調整を容易に行うことができる。
本実施例における電力変換装置を示す回路図。 電力変換装置を構成する半導体冷却器の平面図。 (a)は実施例1におけるリアクトル装置の平面図、(b)は(a)のA−A断面図。 実施例1におけるリアクトル装置の製造方法を示す説明図であり、(a)〜(c)はリアクトルコアの成形工程の説明図、(d)〜(f)はリアクトルコアの載置工程の説明図。 (a)は実施例2におけるリアクトル装置の平面図、(b)は(a)のA−A断面図。 (a)は中芯を備えるリアクトル装置の平面図、(b)は(a)のA−A断面図。 実施例1に示す半導体冷却器の変形例の平面図。 (a)は実施例1に示すリアクトル装置の変形例の平面図、(b)は(a)のA−A断面図。
(実施例1)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、図1以降の説明において同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図1は、リアクトル装置30が適用される電力変換装置1の回路図を示す図である。図1に示す電力変換装置1は、昇圧コンバータ部(DC−DCコンバータ)10とインバータ部11とを有する自動車用インバータである。電力変換装置1は、電気自動車やハイブリッド自動車等の動力源である交流モータ12に通電する駆動電流の生成に用いられる。
昇圧コンバータ部10は外部電源13に接続され、昇圧コンバータ部10と外部電源13との間には、フィルタコンデンサ14が接続されている。フィルタコンデンサ14は、直流の外部電源13から昇圧コンバータ部10に入力される電源電流に含まれるリップル電流を吸収して、電源電流を安定化する。
昇圧コンバータ部10は、リアクトルコイル15とIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子161A(半導体素子)及びダイオード162Aを内蔵した2個の半導体モジュール16Aとを備え、入力電圧を昇圧する。リアクトルコイル15は、外部電源13側に接続されている。昇圧コンバータ部10のIGBT素子161Aはリアクトルコイル15の交流モータ12側に接続され、各IGBT素子161Aにダイオード162Aが一対として接続されている。IGBT素子161Aは、制御部(不図示)による制御によりスイッチング動作を行う。
また、昇圧コンバータ部10のIGBT素子161Aとインバータ部11との間には、平滑コンデンサ17が接続されている。平滑コンデンサ17は、断続電流となる昇圧コンバータ部10の出力電流を平滑化して、安定した直流電流をインバータ部11に入力させる。
インバータ部11は、IGBT素子161B(半導体素子)及びダイオード162Bを内蔵した6個の半導体モジュール16Bとスナバコンデンサ18とを備えている。インバータ部11のIGBT素子161Bは平滑コンデンサ17に接続され、各IGBT素子161Bにダイオード162Bが一対となって接続されている。IGBT素子161Bは制御部(不図示)による制御によりスイッチング動作を行う。スナバコンデンサ18は、IGBT素子161Bに接続され、IGBT素子161Bの動作時に発生する電圧サージを抑制して、過電圧によるIGBT素子161Bの破損を防止している。
また、インバータ部11には、三相の交流モータ12が接続されており、インバータ部11によって生成された駆動電流を交流モータ12に供給する。
図2は、電力変換装置1を構成する半導体冷却器2の平面図を示している。
半導体冷却器2は、図2に示すように、冷却管3、半導体モジュール16A、16B、リアクトル装置30、連結管4、冷媒導入管5、及び冷媒排出管6から構成されている。
半導体冷却器2は、交流モータ12を駆動する電力変換装置1としてのインバータの一部を構成している。図2に示すように、冷却管3は半導体モジュール16A、16Bを両面から挟持するように配置されている。そして、全体的には、冷却管3と半導体モジュール16A、16Bの列とを交互に積層している。これにより、全ての半導体モジュール16A、16Bは、その両面を冷却管3により挟持された状態となる。また、積層方向に隣り合う複数の冷却管3は、その長手方向の両端部にそれぞれ設けた冷媒導入口(不図示)及び冷媒排出口(不図示)を互いに連結管4によって連結されている。積層方向の一端に配置される冷却管3には、冷却管3の積層体全体に冷却媒体を導入するための冷媒導入管5と、積層体全体から冷却媒体を排出するための冷媒排出管6とが配置されている。また、リアクトル装置30は、冷媒導入管5と冷媒排出管6との間であって、積層体の一端に配置された冷却管3と密着配置されている。リアクトル装置30が配置されている方向と180度反対側の積層方向の一端に配される冷却管3は片側にのみ半導体モジュール16A、16Bが密着配置される放熱面21を備えている。積層方向の一端に配された冷却管3以外の冷却管3は、図1に示したように両側に放熱面21を備えている。
このように構成することにより、冷媒導入管5から導入された冷却媒体は、複数の冷却管3に分配される。冷却媒体は各冷却管3における冷媒導入口(不図示)から導入されて、各冷却管3における冷媒排出口(不図示)の方向へ流通する。このとき、冷却媒体は、各冷却管3の放熱面21に密着配置された半導体モジュール16A、16B及びリアクトル装置20との間で熱交換を行う。熱交換を行った後の冷却媒体は、各冷却管3における冷媒排出口(不図示)から、連結管4を介して冷媒排出管6に達し排出される。
冷却媒体としては、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等の冷媒等を用いることができる。
次に、上記電力変換装置1に配置されたリアクトルコイル15を含むリアクトル装置30の具体的構成について説明する。
図3(a)は実施例1におけるリアクトル装置30の平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図を示している。
リアクトル装置30は、リアクトルコイル15、リアクトルコア31、及びリアクトルケース32から構成されている。
リアクトルケース32は、四角形状の外形を備えている。リアクトルケース32は、リアクトルコア31の側面全周を覆う側壁部321と、側壁部321の端部に形成され、リアクトルコア31の端面を覆う端壁部322とを備えている。また、リアクトルケース32は、端壁部322と180度反対側に開放部33を備えている。リアクトルケース32は、側壁部321と端壁部322によって囲まれた空間によってリアクトルコイル15及びリアクトルコア31を内部に収容する凹形状が形成されている。また、リアクトルケース32は、熱伝導率が高いアルミニウムによって形成されている。
リアクトルケース32内には、リアクトルコイル15とリアクトルコア31が収容されている。リアクトルコイル15は、銅線からなる平板導体線を螺旋状に巻回し円筒形状となるように構成されている。また、リアクトルコイル15の両端部のコイル端子部151は、開放部33を通じてリアクトル装置30の外に引き出され、外部と接続している。リアクトルコイル15はリアクトルコア31により全体が囲まれており、リアクトルコア31はリアクトルケース32の側壁部321と端壁部322に密着している。また、リアクトルコイル15はリアクトルケース32内で磁路を確保する為に、リアクトルケースの側壁部321及び端壁部322から離間している。
リアクトルコア31はリアクトルケース32の側壁部321と端壁部322に密着している。リアクトルコア31には、磁性粉末と磁性鉄粉を分散した状態で内包する樹脂とを混入したダストコアが用いられている。ダストコアは、リアクトルコイル15の内周および外周に充填され、硬化されてリアクトルケース32の側壁部321と端壁部322に密着している。ダストコアに用いられる磁性粉末としては、軟磁性を示す鉄、鉄・シリコン、鉄・ニッケル、鉄・コバルト合金、鉄・アルミ、ソフトフェライト粉末、還元鉄粉、アトマズ鉄粉、珪素合金鉄粉等を用いることができる。樹脂としては、耐熱性や絶縁性、密着性に優れるエポキシ樹脂の他、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が用いられる。
後述するリアクトル装置30の製造時に使用する成形型40は、リアクトルケース32と略同一形状を備えている。そして、成形型40の側壁部401と端壁部402によって囲まれた空間により形成された凹形状は、リアクトルケース32の凹部形状より僅かに小さく形成されている。また、成形型40の端壁部402は、後述するリアクトル装置30の製造時にリアクトルコイル15のコイル端子部151を引き出す孔部41を備えている。
次に、本実施例の要部について説明する。
リアクトルコア31は、磁性粉末の充填率が異なる第1コア部311と第2コア部312から構成されている。実施例1においては、第1コア部311の磁性粉末の充填率は第2コア部312の磁性粉末の充填率より小さく構成されている。そのため、第1コア部311は第2コア部312と比較して、ダストコアを構成する磁性粉末の割合が樹脂の割合より小さい。そのため、第1コア部311の熱伝導率は第2コア部322より小さくなる。
また、リアクトルコア31の硬さは、リアクトルコア31を構成する磁性粉末の充填率により定まり、磁性粉末の充填率が大きいほど硬く形成され、磁性粉末の充填率が小さいほど柔らかく形成される。そのため、第1コア部311は第2コア部312より相対的に柔らかく形成されている。
図3(a)、(b)に示すように、リアクトルコイル15の軸線方向から見たときに形成される第1コア部311と第2コア部312の投影形状は同一である。第1コア部311と第2コア部312はリアクトルコイル15の軸線方向における長さが異なっている。実施例1において、リアクトルコイル15の軸線方向における第1コア部311の長さL1は、第2コア部322の長さL2とL1>L2という関係を備えている。
また、第1コア部311はリアクトルケース32の端壁部322側に配置され、第2コア部312はリアクトルケース32の端壁部322と180度反対側の反端壁部方向、つまり、コイル端子部151が配置されている方向に配置されている。そのため、第1コア部311と第2コア部312とによって、リアクトルコイル15の軸線方向と直交する方向と並行する境界線50が形成されている。実施例1においては、リアクトルケース32の端壁部322方向から反端壁部方向、つまり、リアクトルコイル15の軸線方向のリアクトルコイル15の両端部間に、第1コア部311と第2コア部312との境界線50が形成されている。
次に、実施例1におけるリアクトル装置30の製造方法について、図4を用いて説明する。リアクトル装置30の製造方法は、以下の成形工程と載置工程からなる。
まず、成形工程においては、図4(a)に示すように、リアクトルケース32とは異なる成形型40を用意する。成形型40の端壁部402には、リアクトルコイル15の位置を決定するコイル位置決め台60を配置する。コイル位置決め台60は予め直方体形状に形成したダストコアであり、後述する第2コア部312と同じ磁性粉末の充填率を備えている。次いで、図4(b)に示すように、コイル端子部151を成形型40の孔部41より外側に突出させた状態で、リアクトルコイル15をコイル位置決め台60に載置する。そして、成形型40の開放部33からダストコアとなる磁性粉末及び樹脂を流し込む。次いで、図4(c)に示すように、流し込んだ磁性粉末の一部を沈殿させた状態で所定加熱温度にて所定時間保持し、磁性粉末及び樹脂を固化させ、磁性粉末の充填率が異なるリアクトルコア31を成形する。実施例1においては、磁性粉末の一部が沈殿し、磁性粉末の充填率が大きい部位がコイル位置決め台60として用いたダストコアを含めて第2コア部312となる。また、第2コア部312より磁性粉末の充填率が小さい部位が第1コア部311となる。
ここで、磁性粉末の一部を沈殿させる方法として、成形型40に磁性粉末及び樹脂を流し込み、所定時間経過させる。これにより、磁性粉末の一部が成形型40の端壁部402側に沈殿した状態で磁性粉末及び樹脂を固化させることができる。よって、磁性粉末の充填率が異なる第1コア部311及び第2コア部312から構成されるリアクトルコア31が形成される。
また、磁性粉末の一部を沈殿させる別の方法として、成形工程において、質量密度の異なる2種類の磁性粉末及び樹脂を成形器40に流し込む。これにより、質量密度に大きい磁性粉末を成形器40の端壁部402側に沈殿させることができ、磁性粉末の充填率の異なる第1コア部311及び第2コア部312から構成されるリアクトルコア31が形成される。
そして、載置工程においては、図4(d)に示すように、成形型40から成形したリアクトルコア31を取り出す。次いで、図4(e)に示すように、取り出したリアクトルコア31を上下反転させ、リアクトルコア31のうち磁性粉末の充填率が小さい第1コア部311側をリアクトルケース32に載置する。次いで、図4(f)に示すようにリアクトルコア31をリアクトルケース32に固定する。
次に、実施例1の作用効果について説明する。
実施例1において、リアクトルコア31は磁性粉末の充填率が異なる第1コア部311と第2コア部312から構成される。また、第1コア部311はリアクトルケース32の端壁部322側に配置され、第2コア部312はリアクトルケース32の端壁部322と180度反対側の反端壁部側、つまり、外部と接続するコイル端子部151が配置されている方向に配置される。ここで、第1コア部311の磁性粉末の充填率は第2コア部312の磁性粉末の充填率より小さい。そのため、リアクトルコイル15から発せられた熱は、磁性粉末の充填率が高い第2コア部312が配置されている方向へ伝導する。よって、リアクトルケース32の端壁部322と180度反対側の反端壁部方向、つまり、コイル端子部151が配置されている方向に対してリアクトルコイル15から発せられた熱を積極的に放熱することができる。
また、リアクトルケース32の端壁部322から反端壁部方向のリアクトルコイル15の両端部間に、第1コア部311と第2コア部312との境界線50が形成される。そのため、磁性粉末の充填率が高い第2コア部312が、熱を発するリアクトルコイル15に接することになる。よって、第2コア部312が配置されている方向に対する放熱能力を向上させることができる。
また、磁性粉末の充填率が小さく第2コア部312と比較して柔らかい第1コア部311がリアクトルケース32の端壁部322方向に配置され、磁性粉末の充填率が大きく第1コア部311と比較して硬い第2コア部312が反端壁部方向に配置される。これにより、リアクトルコイル15に電流が流れた際に生じるリアクトルコア32の振動を第2コア部312と比較して柔らかい第1コア部311によって吸収することができる。よって、リアクトルコア31からリアクトルケース32へ伝わる振動を低減することができる。
また、成形工程と載置工程を行うことによりリアクトル装置30を製造する。成形工程においては、成形型40に磁性粉末の一部を沈殿させた状態で加熱、固定するため、磁性粉末の充填率が異なる第1コア部311と第2コア部312から構成されるリアクトルコア31を形成することができる。また、載置工程において成形型40から取り出したリアクトルコア31を上下反転させ、磁性粉末の充填率が小さい第1コア部311側をリアクトルケース32に載置する。よって、成形したリアクトルコア31のうち磁性粉末の充填率が小さい第1コア部311をリアクトルケース32の端壁部322側に配置し、磁性粉末の充填率が大きい第2コア部312をリアクトルケース32の端壁部322側と180度反対側の反端壁部側に配置したリアクトル装置30を製造することができる。
また、成形工程において質量密度の異なる複数の磁性粉末を成形型40に流し込む。ここで、成形型40に流し込んだ磁性粉末のうち質量密度の大きい磁性粉末は質量密度の小さい磁性粉末より沈殿しやすい。よって、成形工程において1種類の磁性粉末を用いる場合と比較して、磁性粉末の沈殿量の調整を容易に行うことができる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。
図5(a)は実施例2におけるリアクトル装置の平面図、図5(b)は図5(a)のA−A断面図を示している。
実施例2においては図5(b)に示すように、第1コア部311と第2コア部312との境界線50が反端壁部側のリアクトルコイル15の端部より反端壁部側、つまり、リアクトルケース32の開放部33側に形成されている点が実施例1と異なる。
なお、上記以外の構成は実施例1と同様である。
次に、実施例2の作用効果について説明する。
実施例2において、反端壁部側のリアクトルコイル15の端部より反端壁部側、つまり、リアクトルケース32の開放部33側に第1コア部311と第2コア部312との境界面50が形成される。そのため、第2コア部312と比較して柔らかい第1コア部311がリアクトルケース32の端壁部322方向に対して多く配置されることになる。よって、リアクトルコア31からリアクトルケース32に伝わる振動を低減する性能を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されることはなく、本発明の技術的範囲に存在する限り、以下のように変形させてもよい。
・上記実施例においてリアクトルケース32は、電力変換装置1と別体となるように構成されているが、リアクトルコイル15及びリアクトルコア31の配置位置を電力変換装置1内に設け、リアクトルケース32を電力変換装置1の一部で構成してもよい。
・上記実施例においてリアクトルケース32はアルミニウムによって形成されているが、鉄、銅等、熱伝導率が高い部材から形成してもよい。
・上記実施例において、リアクトルケース32、成形型40は四角柱形状であるが、円筒形状であってもよい。
・上記実施例において図6に示すように、リアクトルコイル15の内側に配置され、リアクトルケース32の端壁部322からリアクトルコイル15の軸線方向を向く中芯61を配置してもよい。
・上記実施例において、リアクトルコイル15は平板導体線により形成されているが、丸形状や多角形の導体線によりリアクトルコイル15を形成してもよい。
・上記実施例において図2に示すように、リアクトル装置30は、冷媒導入管5と冷媒排出管6との間であって、積層体の一端に配置された冷却管3に密着配置されているが、図7に示すように、冷媒導入管5と冷媒排出管6の配置位置と180度反対側の積層体の一端に配置してもよい。
・上記実施例において、リアクトルケース32の端壁部322側と対向するリアクトルコイル15の端部よりリアクトルケース32の端壁部322側に第1コア部311と第2コア部312との境界線50を形成してもよい。
・上記実施例において、質量密度の異なる2種類の磁性粉末を成形型40に流し込んでいるが、質量密度の異なる3種類以上の磁性粉末を成形型40に流し込んでもよい。
・上記実施例において、第1コア部311と第2コア部312との境界線50は、リアクトルコイル15の軸線方向と直交する方向と並行に形成されているが、図8に示すように、第2コア部312の一部を第1コア部311に突出させてもよい。
1 電力変換装置
15 リアクトルコイル
151 コイル端子部
30 リアクトル装置
31 リアクトルコア
311 第1コア部
312 第2コア部
32 リアクトルケース
321、401 側壁部
322、402 端壁部
33 開放部
40 成形型
41 孔部
50 境界線

Claims (6)

  1. 通電により磁束を発生させるリアクトルコイル(15)と、
    前記リアクトルコイル(15)の内周及び外周に充填される磁性粉末と前記磁性粉末を分散した状態で内包する樹脂とから構成されるリアクトルコア(31)と、
    前記リアクトルコイル(15)及び前記リアクトルコア(31)を内部に収容するリアクトルケース(32)とを備えたリアクトル装置(30)であって、
    前記リアクトルケース(32)は、前記リアクトルコイル(15)を囲む側壁部(321)と、前記側壁部(321)の端部に形成された端壁部(322)とを備え、
    前記リアクトルコア(31)は前記磁性粉末の充填率が異なる第1コア部(311)と第2コア部(312)から構成され、
    前記第1コア部(311)の前記磁性粉末の充填率は前記第2コア部(312)の前記磁性粉末の充填率より小さく、
    前記第1コア部(311)は前記端壁部(322)側に配置され、前記第2コア部(312)は前記端壁部(322)と180度反対側の反端壁部側に配置されること、
    を特徴とするリアクトル装置(30)。
  2. 前記リアクトルコイル(15)は、両端部に外部と接続するコイル端子部(151)を備えており、
    前記第2コア部(312)は前記コイル端子部(151)が配置されている方向に配置されていること、
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル装置(30)。
  3. 前記端壁部(322)から前記反端壁部方向の前記リアクトルコイル(15)の両端部間に、前記第1コア部(311)と前記第2コア部(312)との境界線(50)が形成されていること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル装置(30)。
  4. 前記反端壁部側の前記リアクトルコイル(15)の端部より前記反端壁部側に前記第1コア部(311)と前記第2コア部(312)との境界面が形成されること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル装置(30)。
  5. 通電により磁束を発生させるリアクトルコイル(15)と、
    前記リアクトルコイル(15)の内周及び外周に充填される磁性粉末と前記磁性粉末を分散した状態で内包する樹脂とから構成されるリアクトルコア(31)と、
    前記リアクトルコイル(15)及び前記リアクトルコア(31)を内部に収容するリアクトルケース(32)とを備えたリアクトル装置(30)の製造方法であって、
    前記リアクトルケース(32)とは異なる成形型(40)に前記磁性粉末及び前記樹脂を流し込み、前記磁性粉末の一部を沈殿させた状態で加熱、固定して前記磁性粉末の充填率が異なる前記リアクトルコア(31)を成形する成形工程と、
    前記成形工程の後に、前記成形型(40)から取り出した前記リアクトルコア(31)を上下反転させ、前記リアクトルコア(31)のうち前記磁性粉末の充填率が小さい側を前記リアクトルケース(32)に載置する載置工程とを備えること、
    を特徴とするリアクトル装置(30)の製造方法。
  6. 前記磁性粉末は、質量密度の異なる複数の磁性粉末を備え、
    前記成形工程は、前記リアクトルケース(32)とは異なる成形型(40)に質量密度の異なる複数の磁性粉末及び前記樹脂を流し込み、質量密度の大きい前記磁性粉末を沈殿させた状態で加熱、固定して前記磁性粉末の充填率が異なる前記リアクトルコア(31)を成形すること、
    を特徴とする請求項5に記載のリアクトル装置(30)の製造方法。
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