JP2012083579A - 光コネクタ用フェルールおよび光コネクタと光ケーブルの組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸線方向の大きさを小さくしつつ、製造コストを削減できる光コネクタ用フェルールの提供。
【解決手段】軸線方向に沿って先端から順に、相手方フェルールが係合する筒状の筒状係合部10と、この筒状係合部10に連なる、光ファイバがその径方向に位置決めされる光ファイバ位置決め孔20と、この光ファイバ位置決め孔20に連なる、光ファイバが接着固定される光ファイバ固定孔30と、が形成されるとともに、前記光ファイバ固定孔30の周面側に連なる接着剤注入孔40が、外周面において開口して形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】軸線方向に沿って先端から順に、相手方フェルールが係合する筒状の筒状係合部10と、この筒状係合部10に連なる、光ファイバがその径方向に位置決めされる光ファイバ位置決め孔20と、この光ファイバ位置決め孔20に連なる、光ファイバが接着固定される光ファイバ固定孔30と、が形成されるとともに、前記光ファイバ固定孔30の周面側に連なる接着剤注入孔40が、外周面において開口して形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、光コネクタ用フェルールおよび光コネクタと光ケーブルの組立体に関するものであり、詳しくは、相手方フェルールが係合する筒状係合部が形成された光コネクタ用フェルール、および、その光コネクタ用フェルールが配された光コネクタと光ケーブルの組立体に関するものである。
一般的に光ファイバを用いた光ケーブル(光ファイバケーブルともいう)は、多量の情報の高速通信が可能であることから、家庭用、産業用の情報通信に広く利用されている。また、例えば自動車には、各種電装品(例えば、カーナビゲーションシステム等)が装備されているが、それらの電装品の通信用途にも使用され始めている。このような光通信の発達に伴い、光ファイバの端末同士を光学的に接続(光信号を伝達可能に接続)したり、光ファイバと光電変換素子とを光学的に接続する光コネクタ(光ファイバコネクタともいう)が種々提案されている。
光コネクタには、光ファイバの端末を保持するフェルールが配される。光ファイバは、フェルールの先端面と面一になるようにフェルールに固定され、相手方の光コネクタに配されたフェルール(相手方フェルール)と先端面同士が突き合わされる。これにより、光ファイバの端末同士が光学的に接続される。
この種の光コネクタでは、例えば特許文献1に記載されるように、突き合わされるフェルール(光ファイバ)の軸ずれを抑制するため、割スリーブと称される筒状の部材が用いられる。図6(b)は、このような割スリーブを用いたフェルール同士の突き合わせ構造を示した概略図である。図示されるように、割スリーブ100は、一方のフェルール101の外周1011に取り付けられる。一方の光コネクタに、他方の光コネクタが嵌合すると、他方の光コネクタのフェルール90(点線で示す)が割スリーブ100内に入り込み、一方の光コネクタのフェルール101と突き合わされる。割スリーブ100には、その軸線方向に沿うスリットが形成されているため、割スリーブ100内に挿入された一方のフェルール101および他方のフェルール90は、それぞれ、弾性力で内側に締め付けられるように保持される。つまり、一方のフェルール101および他方のフェルール90は、割スリーブ100内でがたつくことなく保持されるから、突き合わされるフェルール(光ファイバ81)の軸ずれが抑えられる。
しかし、上記構成は、割スリーブ100がフェルール101の外周1011に取り付けられる構造であるため、その分フェルール101がその軸線方向(光コネクタの嵌合方向)に大きくなってしまうという問題があった。すなわち、フェルール101に、割スリーブ100を取り付けるための取付代(フェルールと割スリーブの接触代;図6(b)においてX4で示す)を確保する必要があるため、フェルール101が軸線方向に長くなり、光コネクタの小型化を阻害する一因となっていた。
また、割スリーブ100が装着されるフェルール101の外周1011の高い寸法精度(フェルール101の外周1011と光ファイバ81が固定される光ファイバ固定孔1012との高い同軸度や、フェルール101の外周1011の高い円筒度など)を確保するのが困難であり、金型コストなどの製造コストが嵩んでしまうという問題もあった。
上記実情に鑑み、本発明は、軸線方向(コネクタの嵌合方向)の大きさを小さくしつつ、製造コストを削減できる光コネクタ用フェルール、および、このような光コネクタ用フェルールが配された光コネクタと光ケーブルの組立体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる光コネクタ用フェルールは、一体成形されてなる光コネクタ用フェルールであって、軸線方向に沿って先端から順に、相手方フェルールが係合する筒状の筒状係合部と、この筒状係合部の内側の空間に連なる、光ファイバがその径方向に位置決めされる光ファイバ位置決め孔と、この光ファイバ位置決め孔に連なる、光ファイバが接着固定される光ファイバ固定孔と、が形成されるとともに、前記光ファイバ固定孔の周面側に連なり、かつ、外周面において開口する接着剤注入孔が形成されていることを要旨とする。
なお、上記本発明における「筒状」には、断面が円形である構成以外のものも含まれる。例えば、断面が矩形や三角形であるいわゆる角筒状のものや、断面が楕円形であるものなど、中空である形状全てを含む。
この場合、前記筒状係合部には、その軸線方向にスリットが形成されていればよく、このスリットは、周方向に二カ所以上形成されていてもよい。
また、本発明にかかる光コネクタと光ケーブルの組立体は、上記いずれかの光コネクタ用フェルールが配された光コネクタに、光ケーブルが組付けられたものであって、前記光ケーブルは、光ファイバを有し、この光ファイバが、前記光コネクタに配された光コネクタ用フェルールに固定されていることを要旨とする。
本発明にかかる光コネクタ用フェルールは、相手方フェルールが係合する筒状係合部が、光ファイバを位置決めする光ファイバ位置決め孔や、光ファイバを固定する光ファイバ固定孔と一体成形されたものである。すなわち、従来であれば「割スリーブ」が果たしていた、相手方フェルールとの軸ずれを抑制する構成を、フェルール自体に形成したものである。したがって、従来のように、フェルールに割スリーブを取り付けるための取付代(フェルールと割スリーブの接触代)を確保する必要がない、換言すれば、突き合わせ面より先端側には、係合する相手方フェルールが傾いたりしないような長さの筒状係合部のみを形成すればよいから、軸線方向(コネクタの嵌合方向)における大きさを小さくできる。したがって、この光コネクタ用フェルールが配される光コネクタの軸線方向における大きさも小さくできる。
また、相手方フェルールが係合する筒状係合部がフェルール自体に構成されているため、製造コストを低減することができる。すなわち、従来のような割スリーブがフェルールに取り付けられる構成ではなく、かつ、二部材であったものが一部材で構成されているため、製造コストが低減される。
さらに、本発明では、上記筒状係合部を形成するため、相手方フェルールとの突き合わせ面が、筒状係合部の内底面となる。したがって、相手方フェルールとの突き合わせ面を研磨(鏡面仕上げ)するとなると、筒状係合部の筒状部分が邪魔になり、研磨作業が困難(不可能)となる。例えば、接着剤をフェルール内に注入した後、光ファイバがフェルール内に挿入されて接着固定される(接着剤が先入れされる)構成であれば、光ファイバの先端面に必ず接着剤が付着するため、相手方フェルールとの突き合わせ面の研磨は必須の作業となる。これに対し、本発明では、フェルールの外周面において開口した接着剤注入孔が形成されているため、相手方フェルールとの突き合わせ面を研磨する必要がない。すなわち、ファイバ固定孔およびファイバ位置決め孔を通じて、相手方フェルールとの突き合わせ面と先端が面一となる位置まで光ファイバを挿入しておき、その後、接着剤注入孔から注入された接着剤によって光ファイバをフェルール固定孔内に接着固定することができる(接着剤の後入れが可能となる)から、相手方フェルールとの突き合わせ面の研磨が不要である。つまり、本発明では、筒状係合部を形成したことによる不具合の発生が、フェルールの外周面において開口した接着剤注入孔によって防止されている。
そして、上記筒状係合部にスリットを形成し、筒状係合部に係合する相手方フェルールが当該スリットを押し拡げるように係合させるようにすれば、係合する相手方フェルールが筒状係合部の弾性力によって内側に締め付けられるから、突き合わされるフェルール(光ファイバ)の軸ずれ抑制効果が高い。また、一体成形によってフェルール自体に形成される筒状係合部は、その肉厚を自在に設定することができる。つまり、スリットが形成されても容易に破損、変形しない強度を確保することができる。
また、筒状係合部は、一体成形によってフェルール自体に形成されるため、周方向に二カ所以上形成することができる。例えば、従来の割スリーブであれば、スリットを二カ所以上形成すれば、割スリーブ自体が二以上に分割されてしまうことになるため、一カ所にしかスリットを形成することができない。これに対し本発明では、筒状係合部は、光ファイバ位置決め孔や光ファイバ固定孔が形成された部分と繋がっているため、二カ所以上のスリットを形成しても筒状係合部が分割されてしまうことがない。つまり、スリットの数を調整することによって、筒状係合部に相手方フェルールを強固に係合させることも選択できるし、緩く係合させること(抜き差ししやすくすること)も選択できる。
これら光コネクタ用フェルールは、あらゆる用途の光コネクタに適用することができるが、最も好適な用途としては、マルチモード光ファイバを接続する車載用光コネクタが挙げられる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、先端(前)側とは光コネクタ用フェルール1における相手方フェルールとの突き合わせ面1s側(図1から図3における左側)をいい、後端側とはその反対側をいうものとする。また、単に軸線方向とは、光コネクタ用フェルール1に保持される光ファイバ81の軸線方向(図1から図3における左右方向)を、上下方向とは図2における上下方向を、幅方向とは図1における上下方向(軸線方向および上下方向に直交する方向)をいう。
また、本実施形態において、「光ファイバ」とは、光信号が伝搬する部分である「コア」と、このコアの外側に形成される「クラッド」とから構成されるものをいう。一方、かかる「コア」と「クラッド」が被覆材によって被覆されたものを「光ファイバ素線」という。すなわち、「光ファイバ素線」は「光ファイバ」を含む概念である。
図1から図3に示す本発明の一実施形態にかかる光コネクタ用フェルール1は、合成樹脂材料によって一体成形されてなる。かかる光コネクタ用フェルール1には、最も先端側に位置する筒状係合部10と、この筒状係合部10の後端側に位置する光ファイバ位置決め孔20と、この光ファイバ位置決め孔20の後端側に位置する光ファイバ固定孔30と、外周面において開口した(軸線方向と直交する方向に向かって開口した)接着剤注入孔40と、が形成されている。なお、図2および図3には、参考として、光コネクタ用フェルール1に固定される光ファイバ81(光ファイバ素線82)および相手方フェルール90を点線で示している。
筒状係合部10は、内側に相手方フェルール90が係合する筒状の部分である。詳しくは、相手方フェルール90との突き合わせ面1sの周縁から先端側に延びる、断面が円形である筒状の側壁11が形成された部分である(換言すれば、筒状係合部10の内底面が、相手方フェルール90との突き合わせ面1sとなる)。
筒状係合部10の側壁11には、軸線方向に延びるスリット111が形成されている。したがって、軸線方向と直交する平面で筒状係合部10を切断した断面は、略「C」形状となる(図4参照)。このスリット111により、筒状係合部10の側壁11は外側に拡がりやすくなる。筒状係合部10の内周は、筒状係合部10に係合される相手方フェルール90の直径よりもわずかに小さく形成されており、相手方フェルール90が挿入されることによって筒状係合部10の側壁11はわずかに押し拡げられる。したがって、挿入された相手方フェルール90は、筒状係合部10の側壁11の弾性力によって内側に締め付けられ、筒状係合部10の内側でがたつくことなく保持される。この状態で相手方フェルール90の突き合わせ面(先端面)が、本実施形態にかかる光コネクタ用フェルール1の突き合わせ面1sに突き合わされるから、相手方フェルール90に固定された光ファイバ(図示せず)と、光コネクタ用フェルール1に固定された光ファイバ81との軸ずれが抑えられる。
このスリット111は、例えば図5に示すように、筒状係合部10の周方向に二つ以上形成されていてもよい(図4では三つのスリット111が形成されている)。形成するスリット111数は、筒状係合部10に相手方フェルール90を強固に係合させる場合は少なくすればよいし、緩く係合させる(抜き差ししやすくする)場合は多くすればよい。また、一の筒状係合部10に、二以上のスリット111が形成される場合、図示されるように、各スリット111は筒状係合部10の周方向に等間隔に形成されていればよい。筒状係合部10に挿入される相手方フェルール90によって、筒状係合部10の側壁11が周方向に均等に押し拡げられるようにするため(相手方フェルール90に対し周方向に均等な圧力が掛かるようにするため)である。
なお、上記本実施形態における「筒状」には、断面が円形である構成以外のものも含まれる。例えば、断面が矩形や三角形であるいわゆる角筒状のものや、断面が楕円形であるものなど、中空である形状全てを含む。
光ファイバ位置決め孔20は、筒状係合部10の内側の空間に連なって形成された貫通孔である。詳しくは、筒状係合部10の内底面(突き合わせ面1s)の中央から軸線方向後端側に向けて形成されており、筒状係合部10と同軸線上に位置する(筒状係合部10と光ファイバ位置決め孔20の中心軸は同じである)。すなわち、光ファイバ位置決め孔20の先端側開口は、筒状係合部10の内側の空間に臨む。光ファイバ位置決め孔20の直径は、光コネクタ用フェルール1に固定される光ファイバ81の直径よりわずかに大きく形成されている。具体的には、光ファイバ位置決め孔20の後端側から容易に光ファイバ81を挿入することができ、かつ、挿入された光ファイバ81が光ファイバ位置決め孔20内でがたつかないような孔径(いわゆる「すきまばめ」となるような孔径)である。また、光ファイバ位置決め孔20の後端には、光ファイバ固定孔30に向かって拡径した、光ファイバ81を挿入しやすくするためのテーパ部21が形成されている。光ファイバ81は、この光ファイバ位置決め孔20に挿入されることによって径方向に位置決めされる。
光ファイバ固定孔30は、光ファイバ位置決め孔20に連なって形成された貫通孔である。詳しくは、光ファイバ位置決め孔20のテーパ部21と同径で軸線方向後端側に向けて形成されており、筒状係合部10および光ファイバ位置決め孔20と同軸線上に位置する(筒状係合部10および光ファイバ位置決め孔20と光ファイバ固定孔30の中心軸は同じである)。光ファイバ固定孔30は、光コネクタ用フェルール1の後端面で開口している。かかる開口から、光ファイバ81が光ファイバ位置決め孔20まで(光ファイバ81の先端が突き合わせ面1sと面一となるまで)挿入される。なお、後述するように、本実施形態では、この光ファイバ固定孔30内には、被覆材によって被覆された状態の光ファイバ素線82が位置する。したがって、光ファイバ固定孔30は、光ファイバ素線82が挿通可能な直径に形成されている。
接着剤注入孔40は、光コネクタ用フェルール1の外周面(上側面)において開口し、この開口41の反対側が光ファイバ固定孔30の周面側に連なって形成された接着剤注入用の孔である。具体的には、接着剤注入孔40の中心線(軸線)は、光コネクタ用フェルール1の軸線(筒状係合部10、光ファイバ位置決め孔20、および、光ファイバ固定孔30の中心線)と直交する。接着剤注入孔40の開口41は、接着剤を注入しやすくするため、その大きさが外側に向かって拡がるようなテーパ状に形成されている。かかる接着剤注入孔40から注入された接着剤により、光ファイバ81を含む光ファイバ素線82が光ファイバ固定孔30内で接着固定される。すなわち、光ファイバ81(光ファイバ素線82)を光ファイバ固定孔30より挿入し、光ファイバ81が光ファイバ位置決め孔20によってその径方向に位置決めされた状態(光ファイバ81の先端が突き合わせ面1sと面一となった状態)、かつ、光ファイバ素線82を光ファイバ固定孔30内に位置させた状態で、接着剤注入孔40より接着剤を注入することで光ファイバ81(光ファイバ素線82)が所定位置で光コネクタ用フェルール1に接着固定される。なお、この際、光ファイバ位置決め孔20の先端側開口を塞ぐような壁となる部材を筒状係合部10の内底面(突き合わせ面1s)に接触させた状態で、光ファイバ81を光ファイバ位置決め孔20に挿入すれば、光ファイバ81の先端と突き合わせ面1sとを面一にすることができる。
このように、本実施形態では、光ファイバ81を光コネクタ用フェルール1内に挿入した後、接着剤を注入することで光ファイバ81を固定することができる。つまり、「接着剤の後入れ」が可能である。
なお、このような光コネクタ用フェルール1に対する光ファイバ81の固定は、必ずしも光ファイバ素線82の状態で光ファイバ固定孔30内に接着固定しなければならないわけではなく、被覆材が剥離された光ファイバ81の状態で接着固定される構成を採用してもよい。つまり、少なくとも「光ファイバ」(被覆材の有無は問わない)が、光ファイバ固定孔30内で光コネクタ用フェルール1に接着固定される構成であればよい。また、必ずしも上記接着剤注入孔40の中心線と、光コネクタ用フェルール1の軸線とが直交している必要はない。接着剤を光コネクタ用フェルール1の外周面側から注入できるよう、接着剤注入孔40の開口41が光コネクタ用フェルール1の外周面に形成されていれば(軸線方向と交差する方向に向かって開口して形成されていれば)よい。
以上説明した本発明の一実施形態にかかる光コネクタ用フェルール1によれば、次のような作用効果が奏される。
本実施形態にかかる光コネクタ用フェルール1は、相手方フェルール90が係合する筒状係合部10が、光ファイバ81を位置決めする光ファイバ位置決め孔20や、光ファイバ81を固定する光ファイバ固定孔30と一体成形されたものである。すなわち、従来であれば「割スリーブ」が果たしていた、相手方フェルール90との軸ずれを抑制する構成を、フェルール自体に筒状係合部10として形成したものであるから、軸線方向におけるフェルール全体の大きさを小さくできる。
この点について、図6を参照して詳しく説明する。図6は、本実施形態にかかる光コネクタ用フェルール1と、従来のような割スリーブを用いた構成(割スリーブ100およびフェルール101を用いた構成。以下、単に従来構成と称することもある)の軸線方向における長さを比較する図である。なお、図6には、参考として、図2および図3と同様に、光ファイバ81(光ファイバ素線82)および相手方フェルール90を点線で示している。両構成において、相手方フェルール90が係合する相手方フェルール係合代X1(光コネクタ用フェルール1においては筒状係合部10の長さ)、光ファイバ81を径方向に位置決めするための光ファイバ位置決め代X2(光コネクタ用フェルール1においては光ファイバ位置決め孔20の長さ)、および、光ファイバ81をフェルールに固定するための光ファイバ固定代X3(光コネクタ用フェルール1においては光ファイバ固定孔30の長さ)は、全て同じ長さに設定されているとする。また、従来構成において、フェルール101が割スリーブ100に挿入される長さは、相手方フェルール90が割スリーブ100に挿入される長さと同一に設定されるのが通常である。すなわち、フェルール101に割スリーブ100を取り付けるための取付代(接触代)X4は、相手方フェルール90が係合する相手方フェルール係合代X1と同じ長さに設定される。
図6(a)に示すように、本実施形態にかかる光コネクタ用フェルール1の軸線方向における長さは「X1+X2+X3」となる。一方、図6(b)に示すように、従来構成の軸線方向における長さは「X1+X2+X3+X4」となる。つまり、従来構成の方が、割スリーブ100を取り付けるための取付代X4の分だけ軸線方向に長い。このように、本実施形態にかかる光コネクタ用フェルール1によれば、割スリーブ100を取り付けるための取付代を確保する必要がないから、軸線方向における長さを小さくできる。
なお、従来構成において、割スリーブ100の取付代X4の領域を、光ファイバ位置決め代X2の領域と兼ねるように設計することも可能である。しかし、取付代X4は、安定した状態で(傾いたりしないように)割スリーブ100をフェルール101に取り付ける長さが必要であるのに対し、光ファイバ位置決め代X2は、光ファイバ81の先端を突き合わせ面の中央に位置させることができる長さであればよい(比較的長さを小さく設定することが可能である)ことから、割スリーブ100の取付代X4の方を光ファイバ位置決め代X2よりも長く設定しなければならないのが通常である。つまり、取付代X4の領域を、光ファイバ位置決め代X2の領域と兼ねるように設計したとしても、従来構成の方が軸線方向に長くなってしまうことに変わりはない。
そして、本実施形態において、上記のように筒状係合部10をフェルール自体に構成できるのは、光コネクタ用フェルール1の外周面において開口する接着剤注入孔40が形成されているためである。具体的には次の通りである。筒状係合部10を形成すると、相手方フェルール90との突き合わせ面1sが、筒状係合部10の内底面となる。したがって、筒状係合部10の側壁11が邪魔になり、相手方フェルール90との突き合わせ面1sを研磨(鏡面仕上げ)研磨する作業が困難(不可能)となる。例えば、接着剤をフェルール内に注入した後、光ファイバがフェルール内に挿入されて接着固定される(接着剤が先入れされる)構成であれば、後から挿入される光ファイバの先端面に必ず接着剤が付着するため、相手方フェルールとの突き合わせ面1sの研磨は必須の作業となる。したがって、筒状係合部10の存在による、研磨作業の困難性が問題となる。
これに対し、本実施形態では、光コネクタ用フェルール1の外周面に開口41が位置する接着剤注入孔40が形成されているため、相手方フェルール90との突き合わせ面1sを研磨する必要がない。すなわち、光ファイバ固定孔30および光ファイバ位置決め孔20を通じて、光ファイバ81の先端が相手方フェルール90との突き合わせ面1sと面一となる位置まで光ファイバ81を挿入しておき、その後、接着剤注入孔40から注入された接着剤によって光ファイバ81をフェルール固定孔内に接着固定することができる(接着剤の後入れが可能となる)から、相手方フェルール90との突き合わせ面1sの研磨が不要である。つまり、本実施形態では、光コネクタ用フェルール1の外周面において開口する接着剤注入孔40を形成することによって、筒状係合部10を形成したことによる不具合の発生が防止されている。
また、本実施形態によれば、相手方フェルール90が係合する筒状係合部10がフェルール自体に構成されている(一体成形された構成である)ため、割スリーブなどは必要なく、部品加工の容易化、部品点数の削減につながる。すなわち、製造コスト削減につながる。
また、筒状係合部10には、突き合わされる相手方フェルール90との軸ずれを抑制するためのスリット111が形成されているが、一体成形によって構成される筒状係合部10はその肉厚を自在に設定することができるから、容易に破損、変形しない強度を確保することができる。
また、筒状係合部10は、一体成形によってフェルール自体に形成されるため、周方向に二カ所以上形成することができる。例えば、従来構成で用いられる割スリーブであれば、スリットを二カ所以上形成すれば、割スリーブ自体が二以上に分割されてしまうことになるため、一カ所にしかスリットを形成することができない。これに対し本実施形態では、筒状係合部10は、光ファイバ位置決め孔20や光ファイバ固定孔30が形成された部分と繋がっているため、二カ所以上のスリット111を形成しても筒状係合部10が分割されてしまうことがない。つまり、スリット111の数を調整することによって、筒状係合部10に相手方フェルール90を強固に係合させることも選択できるし、緩く係合させること(抜き差ししやすくすること)も選択できる。
次に、上記光コネクタ用フェルール1の適用例について説明する。図7は、上記光コネクタ用フェルール1が適用された車載用光コネクタと光ケーブルの組立体2(本発明の一実施形態にかかる光コネクタと光ケーブルの組立体)の概略を示した図(断面図)である。
図7に示した車載用光コネクタと光ケーブルの組立体2は、車載用光コネクタ50に、光ケーブル60が組付けられてなる。車載用光コネクタ50は、コネクタハウジング51と、そのコネクタハウジング51内に配された光コネクタ用フェルール1とを備える。この車載用光コネクタ50は、自動車に装備されている各種電装品の光通信用コネクタとして用いられる。
光ケーブル60は、光ファイバ61と、その光ファイバを覆うシース62とを備える。なお、シース62内には、光ケーブル60を補強する補強部材(例えばアラミド繊維など)が配されるのが一般的である。光ケーブル60が有する光ファイバ61は、いわゆるマルチモード光ファイバである。このマルチモード光ファイバ61が、上述したように接着剤によって光コネクタ用フェルール1に接着固定されている。光ケーブル60は、引っ張っても抜けないようにコネクタハウジング51に取り付けられている。その取付方法としては特に限定されるものではない。取付方法の一例としては、図7に示すように、シース62に固定された係合部材621を介してコネクタハウジング51に取り付けられた構成が挙げられる。
一般的に、車載用光コネクタは、一旦光コネクタ同士が嵌合されれば、修理など特段の事情がない限り、その嵌合が解消されることがない。すなわち、コネクタの抜き差し回数が少ない。また、マルチモード光ファイバは、シングルモード光ファイバよりもコア径が大きく、ファイバ同士の接続が容易である。上記詳細を説明した光コネクタ用フェルール1は、このような条件下で用いられる場合に特に有効である。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、図8は本発明の別の実施形態を示す例であり、一の光コネクタ用フェルール1aに、筒状係合部10a、光ファイバ位置決め孔20a、および、光ファイバ固定孔30aが幅方向に二つ形成されたものである。すなわち、図8に示した光コネクタ用フェルール1aは、二つの光ファイバを一度に接続することができる二心フェルールである。光通信は送信用および受信用の二心ペアで使用される場合が多く、このような二心フェルールを用いることにより、部品点数の削減が図れる。なお、かかる構成において、接着剤注入孔40aは、図8に示すように二つのファイバ固定孔30aのそれぞれと連なるものを二つ形成してもよいし、二つのファイバ固定孔30aの両方に連なるものを一つ形成してもよい。
1 光コネクタ用フェルール
2 車載用光コネクタと光ケーブルの組立体
10 筒状係合部
111 スリット
20 光ファイバ位置決め孔
30 光ファイバ固定孔
40 接着剤注入孔
50 車載用光コネクタ
60 光ケーブル
61 光ファイバ
81 光ファイバ
90 相手方フェルール
2 車載用光コネクタと光ケーブルの組立体
10 筒状係合部
111 スリット
20 光ファイバ位置決め孔
30 光ファイバ固定孔
40 接着剤注入孔
50 車載用光コネクタ
60 光ケーブル
61 光ファイバ
81 光ファイバ
90 相手方フェルール
Claims (4)
- 一体成形されてなる光コネクタ用フェルールであって、
軸線方向に沿って先端から順に、
相手方フェルールが係合する筒状の筒状係合部と、
この筒状係合部の内側の空間に連なる、光ファイバがその径方向に位置決めされる光ファイバ位置決め孔と、
この光ファイバ位置決め孔に連なる、光ファイバが接着固定される光ファイバ固定孔と、が形成されるとともに、
前記光ファイバ固定孔の周面側に連なり、かつ、外周面において開口する接着剤注入孔が形成されていることを特徴とする光コネクタ用フェルール。 - 前記筒状係合部には、軸線方向にスリットが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ用フェルール。
- 前記スリットは、前記筒状係合部の周方向に二カ所以上形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ用フェルール。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光コネクタ用フェルールが配された光コネクタに、光ケーブルが組付けられた光コネクタと光ケーブルの組立体であって、
前記光ケーブルは、光ファイバを有し、
この光ファイバが、前記光コネクタに配された光コネクタ用フェルールに固定されていることを特徴とする光コネクタと光ケーブルの組立体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2010230181A JP2012083579A (ja) | 2010-10-13 | 2010-10-13 | 光コネクタ用フェルールおよび光コネクタと光ケーブルの組立体 |
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| JP2010230181A JP2012083579A (ja) | 2010-10-13 | 2010-10-13 | 光コネクタ用フェルールおよび光コネクタと光ケーブルの組立体 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2012083579A true JP2012083579A (ja) | 2012-04-26 |
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ID=46242509
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| JP2010230181A Pending JP2012083579A (ja) | 2010-10-13 | 2010-10-13 | 光コネクタ用フェルールおよび光コネクタと光ケーブルの組立体 |
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| Country | Link |
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| JP (1) | JP2012083579A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020196627A1 (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 古河電気工業株式会社 | 光ファイババンドル構造、光コネクタ、光ファイバ接続構造、及び光ファイババンドル構造の製造方法 |
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| JP2006078676A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Hakusan Mfg Co Ltd | 現場付け光コネクタ |
| JP2007171515A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-07-05 | Sumiden High Precision Co Ltd | 光接続用スリーブおよびこれを用いた光レセプタクル |
-
2010
- 2010-10-13 JP JP2010230181A patent/JP2012083579A/ja active Pending
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| US12222541B2 (en) | 2019-03-27 | 2025-02-11 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Optical fiber bundle structure, optical connector, optical fiber connection structure, and method of manufacturing optical fiber bundle structure |
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