JP2012107962A - 干渉計およびそれを備えた分光器 - Google Patents

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Abstract

【課題】平板型のBS13を用いたときの2光束の光路差の補償を、光学部品の部品点数を増大させることなく行って、小型で組み立てが容易な構成を実現する。光学面の枚数を少なくして、BS13に対する入射光の強度が微弱な場合でも、干渉光を確実に得る。
【解決手段】干渉計2では、透明基板13aの片面が反射透過面である平板型のBS13で入射光を2光束に分離し、2光束を固定鏡15および移動鏡14でそれぞれ反射させた後、BS13で合成して干渉させる。固定鏡15および移動鏡14のどちらか一方は、裏面反射鏡で構成されている。この裏面反射鏡は、BS13の反射透過面で反射された一方の光束と上記反射透過面を透過した他方の光束とで、BS13で分離されてから合成されるまでに透明基板13aを通過する回数が異なることによって生ずる上記両光束の光路差を補償する平板15bの裏面に反射膜15aを一体的に形成して構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、マイケルソン型の干渉計と、その干渉計を備えた分光器とに関するものである。
マイケルソン型の干渉計を用いたフーリエ変換分光分析装置(以下、分光器と称する)では、光源からの入射光をビームスプリッタ(以下、BSとも称する)で2光束に分離し、各光束をそれぞれ移動鏡および反射鏡で反射させて光路を折り返し、再度BSに入射させて合成し、干渉させる。移動鏡の位置が変化すると、移動鏡で反射される光束と固定鏡で反射される光束とで光路差が生じ、入射光のうちで特定波長の光が干渉する。したがって、移動鏡の位置を変化させながら、干渉光の強度変化を光検出器で検出し、光検出器からの出力信号をフーリエ変換することにより、各波長ごとの強度を検知することができ、これによって入射光の分光分析を行うことができる。
ところで、マイケルソン型の干渉計では、上記のBSとして、反射透過膜を2つの透明基材で挟んだキューブ型のBSを用いれば、反射透過膜によって2つに分離された各光束は、BSの透明基材を同じ回数だけ透過した後、干渉するので、2光束でBSに起因する光路差はつかない。この場合、分光分析を行うにあたって、移動鏡の位置変化による2光束の光路差の変動だけを考えればよい。
しかし、上記したキューブ型のBSは、コストが高く、体積も大きく、重い。このため、干渉計を小型で構成する場合には、透明基板(平行平板)の片面に反射透過膜をコーティングした平板型のBSが用いられる場合が多い。図5は、平板型のBS101を用いた従来の干渉計の構成を模式的に示している。なお、平板型のBS101を用いる構成は、例えば特許文献1にも開示されている。
平板型のBS101を用いた場合、入射光がBS101の透明基板101aを透過し、反射透過膜101bによって2光束に分離される。このうち、一方の光束は、透明基板101aを透過した後、移動鏡102で反射され、再度透明基板101aを透過して反射透過膜101bに入射するのに対して、他方の光束は、固定鏡103で反射された後、反射透過膜101bに入射する。つまり、BS101で分離されて再度合成されるまでに、移動鏡102側の光束は透明基板101aを2回透過するのに対して、固定鏡103側の光束は透明基板101aを透過しない。したがって、平板型のBS101を用いた構成では、BS101で分離された2光束の間で、透明基板101aを透過する回数が異なることに起因する光路差が生ずる。
ここで、例えば移動鏡と固定鏡とのうちのどちらかを、移動鏡の静止状態で光路差ゼロとなる位置に設定することにより、平板型のBSを用いることによって生ずる上記の光路差を補償することができる。しかし、光源が大きさを持つ光学系では、BSに入射する光として、軸上光線のみならず軸外光線が存在するので、このような軸外光線の影響をさらに考慮する必要がある。すなわち、光源が大きさを持つ光学系では、どのようなコリメータを使っても、BSを透過する際に軸上光線に対して軸外光線が傾いて入射し、軸上光線と軸外光線とで光路差が生じてしまう。軸上光線と軸外光線との光路差が補償されていないと、移動鏡が移動するにつれて干渉性能の低下が起こる。しかも、以下の理由により、移動鏡が静止状態の位置からBS側に移動する場合と、BSとは反対側に移動する場合とで、干渉性能の低下が不均衡に起こる。
すなわち、コリメータは正のパワーを持っているため、軸外光はマイナスの波面収差を持つ。このため、BSの反射透過膜で反射されて平行平板(透明基板)を通る側の光路長を短くすると、波面収差がプラス方向に変動し、干渉性が悪くなって性能低下が著しくなる。逆に、上記光路長を長くすると、波面収差はマイナスに変動するが、反射透過膜で反射されて平行平板を通る側では、反射透過膜を透過する側に比べて、元々波面収差が少しプラスになっているため、干渉性の低下は少ない。したがって、例えば、反射透過膜で反射されて平行平板を通る側に移動鏡があり、BSの反射透過膜を透過する側に固定鏡がある場合には、移動鏡がBSに近づくにつれて干渉性能が著しく低下し、BSから遠ざかる方向では干渉性能の低下は少ない。また、BSに対する移動鏡と固定鏡との位置関係が上記とは逆の場合には、移動鏡がBSから遠ざかるにつれて干渉性能が著しく低下し、BSに近づく方向では干渉性能の低下は少ない。
なお、大きさを持たない光源(点光源)は、実際には存在しない。点光源として扱えるくらい十分に小さな光源を使用することは可能であるが、干渉計を小型化した上に分光器としての精度を十分確保するためには、明るい光源が必要となる。大きさが小さいまま明るい光源というのは実際にはほとんど存在せず、明るくなるほど光源が大きくなってしまうのが通常である。なお、光源が干渉計の外部に位置している場合でも、BSに入射する光が軸上光線のみならず軸外光線を有している限り、事情は同じである。
上記した干渉性能の低下の問題を回避するためには、BS101の透明基板101aに相当する平板ガラスを補償板として用いて、BS101に起因する2光束の光路差を補償することが必要となる。図6は、平板型のBS101に補償板104を接合した従来の干渉計の構成を模式的に示している。補償板104は、BS101の透明基板101aと同じ材質、同じ厚さで構成されている。また、図7は、BS101とは独立して補償板104を光路中に配置した従来の干渉計の構成を模式的に示している。なお、補償板104を独立して配置した構成は、例えば特許文献2にも開示されている。
図6および図7のように、補償板104を光路中に設けることにより、移動鏡102側の光束と固定鏡103側の光束とで、材質の同じ部材(透明基板101a、補償板104)を透過する回数および光路長が同じになるので、BS101に起因する光路差を補償することができる。
特開昭61−227237号公報 特開平8−36105号公報
ところが、図6および図7の構成では、補償板104という独立した光学部品をBS101に接合するか、光路中に独立して配置する必要がある。このため、2光束の光路差の補償にあたって光学部品の部品点数が増大し、干渉計の大型化を招くとともに、干渉計の組み立てが複雑化する。
また、図6のように、補償板104をBS101に接合する構成では、接着剤の厚さを均一にして接合することが困難であり、互いの接合面が傾いて接合されることが多い。互いの接合面が傾くと、BS101での2光束の干渉性が低下する。
また、BS101にて分離されて反射鏡(移動鏡102または固定鏡103)で反射され、再度BS101に向かう光束が光学面を透過する回数が多いと、上記光束の透過率が低下したり、各光学面を複数波長の光が透過することによって生ずるゴーストの影響が無視できなくなる。特に、光源からBS101に入射する光の強度が微弱である場合には、干渉光の強度低下が上記光束の透過率の低下や上記ゴーストによって一層引き起こされるため、干渉光自体を得ることが困難となる。
この点、図7のように、BS101と補償板104とを離間させることにより、接着剤の不均一な厚さに起因するBS101での2光束の干渉性の低下を回避することはできる。しかし、補償板104の両面がそれぞれ、干渉計の中では他の光学面とは独立した光学面として機能し、光学面の枚数が多くなるので、光源からBS101に入射する光の強度が微弱である場合に、干渉光の強度低下によって干渉光自体を得ることが困難となる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、平板型のBSを用いたときの2光束の光路差の補償を、光学部品の部品点数を増大させることなく行うことができ、これによって、小型で組み立てが容易な構成を実現できるとともに、光学面の枚数を少なくして、BSに対する入射光の強度が微弱である場合でも、干渉光自体を確実に得ることができる干渉計と、その干渉計を備えた分光器とを提供することにある。
本発明の干渉計は、透明基板の片面が反射透過面である平板型のビームスプリッタで入射光を2光束に分離し、前記2光束を固定鏡および移動鏡でそれぞれ反射させた後、前記ビームスプリッタで合成して干渉させる干渉計であって、前記固定鏡および前記移動鏡のどちらか一方は、裏面反射鏡で構成されており、前記裏面反射鏡は、前記反射透過面で反射された一方の光束と前記反射透過面を透過した他方の光束とで、前記ビームスプリッタで分離されてから合成されるまでに前記透明基板を通過する回数が異なることによって生ずる前記両光束の光路差を補償する平板の裏面に反射膜を一体的に形成して構成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、固定鏡または移動鏡が、平板と反射膜とが一体形成された裏面反射鏡で構成されており、裏面反射鏡という単一の光学部品によって、入射光の反射と平板型のBSに起因する光路差の補償とが両方行われる。これにより、補償板という光学部品をBSに接合したり、光路中に独立して設ける構成に比べて、光学部品を1つ少なくして干渉計を構成することができ、小型で組み立てが容易な干渉計を実現することができる。
また、固定鏡または移動鏡が、裏面反射鏡で構成されているので、BSにて分離されて固定鏡または移動鏡の反射面で反射され、再度BSに向かう光束が部材の光学面を透過する回数(透過する光学面の枚数)が、補償板を光路中に独立して設ける構成に比べて確実に減る。したがって、透過する光学面の枚数が減る分だけ、上記光束の透過率の低下を回避できるとともにゴーストの影響を低減することができる。その結果、BSへの入射光(測定光)の強度が微弱な場合でも、干渉強度の低下を回避して、干渉光を確実に得ることができる。
本発明の干渉計において、前記裏面反射鏡の前記平板は、前記ビームスプリッタの前記透明基板と同一材料、同一厚さで構成されていてもよい。
この場合、BSの透明基板を透過する側の光束と裏面反射鏡の平板を透過する側の光束とで、光路長が光学的に等しくなり、平板型のBSを用いることに起因する両光束の光路差を確実に無くすことができる。
本発明の干渉計において、前記固定鏡が、前記裏面反射鏡で構成されていることが望ましい。
移動鏡は、通常、駆動機構によって並進駆動されるため、移動鏡を裏面反射鏡で構成すると、移動鏡が重くなり、駆動機構の大型化、ひいては干渉計自体の大型化を招くおそれがある。固定鏡を裏面反射鏡で構成することにより、移動鏡の駆動機構ひいては干渉計の大型化を回避しながら、上述した本発明の効果を得ることができる。
本発明の分光器は、上述した本発明の干渉計と、前記干渉計から出力される干渉光の検知信号に基づいて、波長ごとの光の強度を示すスペクトルを生成するスペクトル生成部とを備えている構成であってもよい。
本発明の干渉計によれば、測定光の強度が微弱な場合でも、干渉強度の低下を回避できるので、その干渉計を分光器が備えていることにより、波長ごとの光の強度を示すスペクトルに基づく分光分析を精度よく行うことができる。
本発明によれば、裏面反射鏡という単一の光学部品によって、入射光の反射と光路差の補償とを行うことができ、反射鏡(固定鏡または移動鏡)と補償板とを別々に設ける構成に比べて、光学部品の点数を1つ少なくすることができる。これにより、小型で組み立てが容易な干渉計を実現することができる。
また、固定鏡または移動鏡が裏面反射鏡で構成されているので、光束が光学面を透過する回数が、補償板を光路中に独立して設ける構成に比べて1つ減る。したがって、光学面の枚数を減らせる分、上記光束の透過率の低下を回避できるとともにゴーストの影響を低減することができる。その結果、BSへの入射光の強度が微弱な場合でも、干渉強度の低下を回避して、干渉光を確実に得ることができる。
本発明の実施の一形態に係る分光器の概略の構成を模式的に示す説明図である。 上記分光器の干渉計が備える駆動機構の概略の構成を示す説明図である。 上記干渉計の主要部の構成を拡大して示す説明図である。 (a)は、上記干渉計における移動鏡側の光路およびその光路上に位置する光学部材を示しており、(b)は、上記干渉計における固定鏡側の光路およびその光路上に位置する光学部材を示している。 平板型のBSを用いた従来の干渉計の構成を模式的に示す説明図である。 従来の干渉計の他の構成であって、平板型のBSに補償板を接合した構成を模式的に示す説明図である。 従来の干渉計のさらに他の構成であって、BSとは独立して補償板を光路中に配置した構成を模式的に示す説明図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(干渉光学系および分光器について)
図1は、本実施形態の分光器の概略の構成を模式的に示す説明図である。分光器1は、フーリエ変換分光分析装置(FTIR;Fourier Transform Infrared Spectroscopy )であり、干渉計2と、演算部3と、出力部4とを有している。
演算部3は、干渉計2から出力される信号(干渉光の検知信号)をA/D変換およびフーリエ変換することにより、各波長(波数(=1/波長))の光の強度を示すスペクトルを生成するスペクトル生成部である。出力部4は、演算部3にて生成されたスペクトルを出力(例えば表示)する。
干渉計2は、マイケルソン型の干渉計で構成されており、光源11と、コリメート光学系12と、BS(ビームスプリッタ)13と、移動鏡14と、固定鏡15と、光検出器16と、駆動機構21(図2参照)とを備えている。なお、BS13と光検出器16との間の光路中に集光光学系が配置されていてもよい。また、移動鏡14と固定鏡15の位置関係は、逆であってもよい。
光源11は、例えば近赤外光(波長900〜2600nm)を出射する。コリメート光学系12は、光源11からの光を平行光に変換してBS13に導く光学系であり、例えば非球面単レンズで構成されている。なお、コリメート光学系12は、色収差を少なくした複数レンズからなるコリメータで構成されてもよいし、回転楕円鏡を用いたコリメータで構成されてもよい。
BS13は、光源11からコリメート光学系12を介して入射する光を2光束に分離し、それぞれを移動鏡14および固定鏡15に導くとともに、移動鏡14および固定鏡15にて反射された各光を合成し、干渉させるビームスプリッタである。このBS13は、平板型のビームスプリッタで構成されているが、その詳細については後述する。移動鏡14および固定鏡15は、BS13で分離された各光束を反射させる反射鏡であり、移動鏡14は駆動機構21によって並進駆動され、固定鏡15は固定されている。固定鏡15は、本実施形態では、裏面反射鏡で構成されているが、その詳細については後述する。光検出器16は、BS13から出射される干渉光を受光して検出し、演算部3に出力する。
駆動機構21は、BS13と移動鏡14との間の光路長が変化するように移動鏡14を平行移動させる機構である。図2は、駆動機構21の概略の構成を示す説明図である。駆動機構21は、2つの板ばね22・23を剛体24・25を介して平行に配置し、一方の板ばね22上に形成した圧電素子26の伸縮によって共振する平行板ばねで構成されている。移動鏡14は、例えば板ばね22上に形成されており、駆動機構21による共振によって並進駆動される。例えば、水平方向に伸びるような電圧を圧電素子26に印加することにより、板ばね22・23は同図の実線のように変形し、その結果、移動鏡14は下方に(BS13から遠ざかる方向に)変位する。一方、水平方向に縮むような電圧を圧電素子26に印加することにより、板ばね22・23は同図の破線のように変形し、その結果、移動鏡14は上方に(BS13に近づく方向に)変位する。
このように、圧電素子26の伸縮によって共振する平行板ばねで駆動機構21を構成することにより、圧電素子26を駆動する際の駆動電圧が小さくても、小型の構成で移動鏡14を大きく変位させることができ、干渉計2の分解能を向上させる点で有利となる。
なお、駆動機構21は、VCM(ボイスコイルモータ)や静電アクチュエータを用いて、移動鏡14を並進駆動する構成であってもよい。また、定常状態(静止状態)が移動ストロークの中点付近にある別の駆動方法(レールによる平行移動など)を用いてもよい。さらに、4本のばねを用いて移動鏡14を共振させる構成であってもよい。
上記の構成において、光源11から出射された光は、コリメート光学系12によって平行光に変換された後、BS13での透過および反射によって2光束に分離される。分離された一方の光束は移動鏡14で反射され、他方の光束は固定鏡15で反射され、それぞれ元の光路を逆戻りしてBS13で重ね合わせられ、干渉光として試料(図示せず)に照射される。このとき、駆動機構21によって移動鏡14を連続的に移動させながら試料に光が照射されるが、BS13から各反射鏡(移動鏡14、固定鏡15)までの光路長の差が波長の整数倍のときは、重ね合わされた光の強度は最大となる。一方、移動鏡14の移動によって2つの光路長に差が生じている場合には、重ね合わされた光の強度に変化が生じる。試料を透過した光は、光検出器16に入射し、そこで時間的インターフェログラムとして検出される。
干渉計2の光検出器16から出力される信号は、演算部3にてA/D変換およびフーリエ変換され、スペクトルとして出力部4で出力される。したがって、このスペクトルに基づき、試料の特性(材料、構造、成分量など)を知ることができる。また、試料を配置せず、光源11から出射される光自体を分光分析の対象とすることもできる。また、干渉計2は、光源11を内蔵している必要は必ずしもなく、光源11は干渉計2の外部にあってよい。つまり、BS13に入射する光は、干渉計2の内部の光源から入射する光であってもよいし、外部の光源から入射する光であってもよい。
(BSおよび固定鏡の詳細について)
次に、上述したBS13および固定鏡15の詳細について説明する。図3は、本実施形態の干渉計2の主要部の構成を拡大して示す説明図である。同図に示すように、BS13は、平行平板である透明基板13aの片面に反射透過膜13bを形成して構成されており、透明基板13aの片面が反射透過面となっている。
透明基板13aは、例えばガラス(BK7)で構成されているが、樹脂で構成されてもよい。反射透過膜13bは、透明基板13aの固定鏡15側の面に形成されており、入射光をほぼ50:50の割合で透過光と反射光とに分離する。BS13は、光入射面(BS13における反射透過膜13bの形成面とは反対側の面)の法線と、光源11(図1参照)から出射されてBS13に入射する光束の中心光線とのなす角度が例えば30度となるように配置されているが、他の角度(例えば45度)となるように配置されていてもよい。
固定鏡15は、上述したように、裏面反射鏡で構成されている。この裏面反射鏡は、BS13の反射透過面(反射透過膜13b)で反射された一方の光束(例えば移動鏡14側の光束)と、上記反射透過面を透過した他方の光束(例えば固定鏡15側の光束)とで、BS13で分離されてから合成されるまでにBS13の透明基板13aを通過する回数が異なることによって生ずる両光束の光路差を補償するものである。
より具体的には、固定鏡15は、上記両光束の光路差を補償する平板15bの裏面(BS13とは反対側)に反射膜15aが一体的に形成された単一の光学部品で構成されている。平板15bは、BS13の透明基板13aと同一材料(例えばBK7)、同一厚さで構成された平行平板であり、反射膜15aに対してBS13側に位置している。これにより、BS13を透過して固定鏡15に入射した光束は、平板15bを透過して反射膜15aで反射された後、再度平板15bを透過してBS13に入射し、そこで移動鏡14側の光束と合成され、干渉することになる。
移動鏡14側の光束は、BS13の反射透過膜13bで反射されて移動鏡14で反射された後、再度BS13の反射透過膜13bに入射するまでに、透明基板13aを2回透過する。また、固定鏡15側の光束は、BS13の反射透過膜13bを透過して固定鏡15の反射膜15aで反射された後、再度BS13の反射透過膜13bに入射するまでに、平板15bを2回透過する。このとき、固定鏡15の平板15bは、BS13の透明基板13aと同一材料、同一厚さで構成されているため、平板15bを透過する光の光路長と、透明基板13aを透過する光の光路長とは、光学的に等しい。したがって、平板型のBS13を用いることによって生ずる2光束の光路差は、裏面反射鏡からなる固定鏡15を用いることによって補償される。
このように、固定鏡15が、裏面反射鏡で構成されていることにより、入射光の反射と平板型のBS13に起因する光路差の補償とを単一の光学部品で行うことができる。これにより、固定鏡15とは別に補償板を設けるとともに、その補償板をBS13に接合したり、光路中に独立して設ける構成に比べて、光学部品を1つ少なくして干渉計2を構成することができる。したがって、小型で組み立てが容易な干渉計2を実現することができる。
また、図7で示した、補償板104を光路中に独立して設ける従来の構成では、BS101で分離されて固定鏡103で反射され、再度BS101に向かう光束が部材(補償板104)の光学面を透過する回数が、往復合わせて4回である(補償板104のBS101側の面、固定鏡103側の面をそれぞれ2回ずつ透過)。しかも、BS101での合成後、光検出器に向かうまでに、干渉光は補償板104をさらに通過するため、光学面を透過する回数は全体でさらに増える(補償板104の表面および裏面の計2回)。これに対して、固定鏡15が裏面反射鏡で構成された本実施形態の構成では、図3に示すように、BS13で分離されて固定鏡15の反射膜15aで反射され、再度BS13に向かう光束が部材(平板15b)の光学面を透過する回数が、往復合わせて2回である(平板15bのBS13側の面を往復で1回ずつ透過)。しかも、BS13と光検出器16との間には光学部材が存在しないため、BS13から光検出器16に向かう干渉光は、光学面を透過しなくて済む。
このように、固定鏡15が裏面反射鏡で構成されることにより、補償板を光路中に独立して設ける従来の構成(図7の構成)に比べて、光束が光学面を透過する枚数が確実に減るので、その分、光束の透過率の低下を回避できるとともに、入射光が波長幅を持つ場合のゴーストの影響を低減できる。その結果、BS13への入射光(測定光)の強度が微弱な場合でも、干渉強度の低下を回避して、干渉光を確実に生じさせることができる。よって、分光器1においては、測定光が微弱であっても分光分析を精度よく行うことができる。
また、固定鏡15の平板15bは、BS13の透明基板13aと同一材料、同一厚さで構成されているので、透明基板13aを透過する光の光路長と、平板15bを透過する光の光路長とが光学的に等しくなり、平板型のBS13を用いることに起因する、移動鏡14側の光束と固定鏡15側の光束との光路差を確実に無くすことができる。
ところで、本実施形態では、固定鏡15を裏面反射鏡で構成した例について説明したが、移動鏡14を裏面反射鏡で構成してもよく、その場合でも、本実施形態と同様の効果を得ることができる。ただし、移動鏡14を裏面反射鏡で構成すると、移動鏡14が光路差の補償のための平板を含む分だけ重くなり、移動鏡14の駆動機構21の大型化や干渉計2の大型化を招くおそれがある。移動鏡14を裏面反射鏡で構成しても、従来のように補償板を独立して光路中に設ける構成に比べて、干渉計2の大型化は回避できるが、本実施形態のように、固定鏡15を裏面反射鏡で構成することで、駆動機構21や干渉計2の大型化を容易にかつ確実に回避することができる。
なお、本実施形態では、白色光に対応するため、固定鏡15の平板15bを、BS13の透明基板13aと同じ材料で構成するとともに、反射側光束(移動鏡14側の光束)が軸上でBS13を通過する距離と同じ厚みとなるように構成している。しかし、干渉計2に導入する入射光(測定光)の波長範囲が狭い場合には、平板15bを透明基板13aとは異なる材質で構成し、主波長の光路長に相当する厚みで平板15bを構成してもよい。
(実施例について)
次に、上述した干渉計2の実施例について説明する。実施例1は、図1の光学系に対応した数値実施例であり、そのコンストラクションデータは以下の通りである。なお、説明の理解をしやすくするために、移動鏡14側の光路と固定鏡15側の光路とで、コンストラクションデータを分けて記載する。図4(a)は、干渉計2における移動鏡14側の光路およびその光路上に位置する光学部材を示しており、図4(b)は、固定鏡15側の光路およびその光路上に位置する光学部材を示している。
以下のコンストラクションデータにおいて、Si(i=0、1、2、・・・)は物体側から数えてi番目の面を指す。
具体的には、移動鏡14側の光路では、S0は光源11の発光面、S1およびS2はコリメート光学系12の光入射面および光出射面、S3は仮想絞り面(STO)、S4はBS13の透過面、S5はBS13の反射透過面、S6はS5と同じ面、S7はS4と同じ面、S8はS9と同じ面、S9は移動鏡14の反射面、S10はS8と同じ面、S11はS7と同じ面、S12はS5と同じ面、S13は固定鏡15側と光学距離を合わせるためのダミー面、S14はS15と同じ面、S15は仮想干渉面をそれぞれ指す。なお、S13は、S5から1mm離れた位置にS5と平行に位置している。
一方、固定鏡15側の光路では、S0は光源11の発光面、S1およびS2はコリメート光学系12の光入射面および光出射面、S3は仮想絞り面(STO)、S4はBS13の透過面、S5はBS13の反射透過面、S6はS5と同じ面、S7は移動鏡14側と面数を合わせるためのダミー面、S8は固定鏡15の平板15bの透過面、S9は固定鏡15の反射面、S10はS8と同じ面、S11はS7と同じ面、S12はS5と同じ面、S13は移動鏡14側と面数を合わせるためのダミー面、S14はS15と同じ面、S15は仮想干渉面をそれぞれ指す。なお、S7およびS11は、両側が空気で機能を持たない面であり、S4と同じ位置にある。
なお、コンストラクションデータにおいて、特に部品名の表記をしていない面は、偏芯データを入力するためのダミー面である。
また、RMDは面の特性を指し、REFLであれば反射面を、表記がない場合は屈折面を指す。また、屈折率の記載がないところは空気であることを指す。曲率半径および軸上面間隔の単位はmmである。
ASPは、以下のXY多項式で表される非球面のデータを指す。XY多項式は、光源11から光検出器16に向かう光束の中心光線が進行する軸を光軸としたとき、その光軸方向をZ軸、メリディオナル断面内でZ軸に垂直な方向をY軸、サジタル断面内でZ軸に垂直な方向をX軸として、面頂点からの距離を以下のように表したものである。
z=(C*h)/[1+{1−(1+k)*C*h1/2
+A*h+B*h+C*h+D*h10
ここで、zは面のローカルなZ軸方向の面頂点からの位置、Cは近軸の曲率で曲率半径の逆数(1/mm)、kは円錐定数、hはZ軸からの高さ(h=x+y)、Aは4次の非球面係数、Bは6次の非球面係数、Cは8次の非球面係数、Dは10次の非球面係数である。なお、非球面データにおいて、E−n=×10−nを指す。
また、XDEはX方向の平行偏芯、YDEはY方向の平行偏芯、ZDEはZ方向の平行偏芯の各量(mm)をそれぞれ指し、ADEはX軸周りの回転、BDEはY軸周りの回転、CDEはZ軸周りの回転の角度(°)をそれぞれ指す。GLB GiはSi面を基準とするグローバル偏芯(表記がなければローカルな偏芯)であることを指す。回転中心の座標は、入射光束の中央位置を原点としたときの位置である。なお、BS13は、X軸周りに回転するものとする。
また、図4(a)(b)において、最初の光線は、左から右に向かって進行し(+Z軸方向)、反射面があれば光線は右から左に向かって進むものとする(計算の便宜上、角度が付いていても同じように考える)。そして、軸上面間隔および屈折率は、光線が左から右に進むときにはプラスとし、右から左に進むときにはマイナスとする。光線が右から左に進むとき、再び反射面があれば光線は左から右に進み、軸上面間隔および屈折率はプラスとなる。
したがって、例えば、移動鏡側光路においては、S5は反射面であるので、これ以降の軸上面間隔および屈折率はマイナスとなる。また、S9も反射面(移動鏡14)なので、これ以降の軸上面間隔および屈折率は再びプラスとなる。また、固定鏡側光路においては、S5は透過面となるので、これ以降の軸上面間隔および屈折率はプラスのままである。S9は反射面(固定鏡15)であるため、これ以降の軸上面間隔および屈折率はマイナスとなる。S12は反射面となるので、これ以降の軸上面間隔および屈折率は再びプラスとなる。
波長900nmにおけるBK7_SCHOTTの屈折率は1.508997である。また、実施例1では、光源11からの光は、BS13に対して入射角30°で入射しているものとする。
<実施例1>
[移動鏡側光路]
曲率半径 軸上面間隔 RMD 屈折率

S0 INFINITY 7.389570

S1 93.21306 3.324607 1.508997
(コリメータ光入射面)
ASP:
K: 0.000000
A:-0.265511E-02 B:0.206250E-03 C:-0.232303E-04 D:0.000000E+00

S2 -4.99769 27.857015
(コリメータ光出射面)
ASP:
K: 0.000000
A:-0.443198E-03 B:0.436195E-04 C:-0.195884E-05 D:-0.170634E-06

S3 INFINITY 0.000000
(STO)

S4 INFINITY 1.154701 1.508997
(BS透過面)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: -1.154701 GLB G3
ADE: 30.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S5 INFINITY 0.000000 REFL -1.508997
(BS反射透過面)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: 0.000000 GLB G3
ADE: 30.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S6 INFINITY -1.000000 -1.508997
(S5と一致)

S7 INFINITY -9.000000
(S4と一致)

S8 INFINITY 0.000000
(S9と一致)
XDE: 0.000000 YDE: -8.660254 ZDE: -5.000000 GLB G3
ADE: 60.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S9 INFINITY 0.000000 REFL 1.508997
(移動鏡反射面)

S10 INFINITY 9.000000
(89と一致)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: 0.000000 GLB G8
ADE: 0.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S11 INFINITY 1.000000 1.508997
(S7と一致)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: 0.000000 GLB G7
ADE: 0.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S12 INFINITY 1.000000
(S5と一致)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: 0.000000 GLB G5
ADE: 0.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S13 INFINITY 9.000000

S14 INFINITY 0.000000
(S15と一致)
XDE: 0.000000 YDE: 8.660254 ZDE: 5.000000 GLB G3
ADE: 60.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S15 INFINITY 0.000000
(仮想干渉面)
[固定鏡側光路]
曲率半径 軸上面間隔 RMD 屈折率

S0 INFINITY 7.389570

S1 93.21306 3.324607 1.508997
(コリメータ光入射面)
ASP:
K: 0.000000
A:-0.265511E-02 B:0.206250E-03 C:-0.232303E-04 D:0.000000E+00

S2 -4.99769 27.857015
(コリメータ光出射面)
ASP:
K: 0.000000
A:-0.443198E-03 B:0.436195E-04 C:-0.195884E-05 D:-0.170634E-06

S3 INFINITY 0.000000
(STO)

S4 INFINITY 1.154701 1.508997
(BS透過面)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: -1.154701 GLB G3
ADE: 30.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S5 INFINITY 0.000000 1.508997
(BS反射透過面)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: 0.000000 GLB G3
ADE: 30.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S6 INFINITY 1.000000
(S5と一致)

S7 INFINITY 9.000000

S8 INFINITY 1.154770 1.508997
(固定鏡の平板の透過面)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: 8.815183 GLB G3
ADE: 0.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S9 INFINITY -1.154701 REFL -1.508997
(固定鏡の反射面)

S10 INFINITY -9.000000
(S8と一致)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: 0.000000 GLB G8
ADE: 0.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S11 INFINITY -1.000000
(S7と一致)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: 0.000000 GLB G7
ADE: 0.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S12 INFINITY 1.000000 REFL
(S5と一致)
XDE: 0.000000 YDE: 0.000000 ZDE: 0.000000 GLB G5
ADE: 0.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S13 INFINITY 9.000000

S14 INFINITY 0.000000
(S15と一致)
XDE: 0.000000 YDE: 8.660254 ZDE: 5.000000 GLB G3
ADE: 60.000000 BDE: 0.000000 CDE: 0.000000

S15 INFINITY 0.000000
(仮想絞り面)
[スペック]
入射瞳(STO)直径 2.62827mm
設計波長 900.00nm
表1は、移動鏡14の位置に対する干渉光のコントラストの変化を、本実施形態の構成(裏面反射鏡あり)と、光路中に補償板を設けずに、移動鏡4の静止状態で2光束の光路差がゼロとなるように移動鏡14および固定鏡15を設置した構成(補償板なし)とで比較して示している。なお、コントラストは、最も干渉強度の高い状態を1とする相対値で示している。
Figure 2012107962
移動鏡14は、静止状態の位置を基準にして、BS13に近づく側に1.5mm変位し(基準位置から−1.5mm変位し)、BS13から遠ざかる側に1.5mm変位する(基準位置から+1.5mm変位する)。このとき、補償板なしの構成では、移動鏡14の基準位置に対してBS13に近づく側とBS13から遠ざかる側とでコントラストが非対称に変化し、BS13に近い側ではコントラストの低下が大きく起こっている。これは、前述したように、光源11の射出面が大きさを持つことによって軸上光線と軸外光線とが存在し、コリメート光学系によって軸外光はマイナスの波面収差を持つため、BS13の反射透過膜13bで反射されて透明基板13aを通る側の光路長が短くなる方向に移動鏡14が移動すると、波面収差がプラス方向に変動し、干渉性が悪くなって性能低下が著しくなるからである。
これに対して、本実施形態の構成では、移動鏡14の基準位置に対してBS13に近づく側とBS13から遠ざかる側とでコントラストがほぼ対称に変化しており、移動鏡14の変位が最大のときのコントラストの低下も、補償板なしの構成に比べるとかなり抑えられていることがわかる。したがって、固定鏡15を裏面反射鏡で構成することにより、軸外光束を考慮して、平板型のBS13に起因する光路差を補償することができると言える。
本発明の干渉計は、例えばフーリエ変換分光分析装置に利用可能である。
1 分光器
2 干渉計
3 演算部(スペクトル生成部)
11 光源
13 BS(ビームスプリッタ)
13a 透明基板
14 移動鏡
15 固定鏡(裏面反射鏡)
15a 反射膜
15b 平板

Claims (4)

  1. 透明基板の片面が反射透過面である平板型のビームスプリッタで入射光を2光束に分離し、前記2光束を固定鏡および移動鏡でそれぞれ反射させた後、前記ビームスプリッタで合成して干渉させる干渉計であって、
    前記固定鏡および前記移動鏡のどちらか一方は、裏面反射鏡で構成されており、
    前記裏面反射鏡は、前記反射透過面で反射された一方の光束と前記反射透過面を透過した他方の光束とで、前記ビームスプリッタで分離されてから合成されるまでに前記透明基板を通過する回数が異なることによって生ずる前記両光束の光路差を補償する平板の裏面に反射膜を一体的に形成して構成されていることを特徴とする干渉計。
  2. 前記裏面反射鏡の前記平板は、前記ビームスプリッタの前記透明基板と同一材料、同一厚さで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の干渉計。
  3. 前記固定鏡が、前記裏面反射鏡で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の干渉計。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の干渉計と、
    前記干渉計から出力される干渉光の検知信号に基づいて、波長ごとの光の強度を示すスペクトルを生成するスペクトル生成部とを備えていることを特徴とする分光器。
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