JP2012115413A - 電子血圧計 - Google Patents

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知里 上坂
Yukiya Sawanoi
幸哉 澤野井
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Abstract

【課題】測定用の空気袋に注入される空気量が周囲環境によってばらつくことで測定に対する与える影響を抑え、測定精度を向上させることのできる電子血圧計を提供する。
【解決手段】電子血圧計では、測定用の空気袋を測定部位に巻付ける際に、巻付動作の開始直後に所定量の空気を空気袋に注入した後にその外側から圧迫して該空気袋の内圧変化に基づいて、その巻付け状態が適切であるか否かを判定する。電子血圧計では、巻付動作の開始時に該空気袋に空気を注入するためのポンプ周囲の気温Tを取得し(S101)、予め記憶されている気温と駆動量との対応関係を参照してその気温Tに応じた駆動量を決定する(S103)。そして、その駆動量でポンプを駆動させる(S107)ことで、巻付動作開始時に空気袋に注入される空気量を気温の影響を受けることなく一定量とすることができる。
【選択図】図8

Description

この発明は電子血圧計に関し、特に、測定部位に流体袋を内包した腕帯(カフ)を測定部位に巻付ける電子血圧計に関する。
血圧は循環器系疾患を解析する指標の一つであり、血圧に基づいてリスク解析を行なうことは、たとえば脳卒中や心不全や心筋梗塞などの心血管系の疾患の予防に有効である。
従来、通院時や健康診断時などの医療機関で測定される血圧(随時血圧)により診断が行なわれていた。しかしながら近年の研究により、家庭で測定する血圧(家庭血圧)が随時血圧より循環器系疾患の診断に有用であることが判明してきている。それに伴い、家庭で使用する血圧計が普及している。
家庭向けの血圧計の多くがオシロメトリック法またはマイクロホン法による血圧測定方法を採用している。オシロメトリック法による血圧測定は、流体袋を内包した腕帯(カフ)を上腕などの測定部位に巻付け、カフの内圧(カフ圧)を収縮期血圧より所定圧(たとえば30mmHg)だけ高く加圧し、その後、徐々にまたは段階的にカフ圧を減圧していく過程における動脈の容積変化をカフ圧に重畳した圧変化(圧脈波振幅)として検出し、この圧脈波振幅の変化より収縮期血圧および拡張期血圧を決定する方法である。オシロメトリック法では、カフ圧の加圧中に発生する圧脈波振幅を検出して血圧を測定することも可能である。
一方、マイクロホン法は、オシロメトリック法と同様にカフを上腕などの測定部位に巻付け、カフ圧を収縮血圧より所定圧だけ高く加圧する。その後、徐々にカフ圧を減圧していく過程で動脈より発生するコロトコフ音をカフ内に設けたマイクロホンにより検出し、コロトコフ音が発生したカフ圧を収縮期血圧、コロトコフ音が減弱または消滅したカフ圧を拡張期血圧として決定する方法である。
いずれの方法であっても、血圧計においてはカフが測定部位に適切に巻付けられていないと動脈にカフ圧が十分に伝達されず、測定精度が低下するという問題がある。たとえば、カフが測定部位に対し緩く巻かれている状態で測定した血圧値は真の血圧値より高く測定されることがある。
家庭用の血圧計の大半は測定者自身がカフを測定部位に巻付ける構造を有している。そのため、測定者ごとに、または、同一測定者でも測定する度に、カフの巻き方にバラツキが発生することがある。その結果、測定される血圧値にもバラツキが発生することがあった。
そこで、本願出願人は、特開2005−305028号公報(特許文献1)においてカフの巻付け度合いが適切か否かを判定する機能を保有した電子血圧計を開示している。具体的には、測定用の流体袋に測定部位を通し、測定開始時に所定量の流体を注入した後に、該流体袋を測定部位に対して巻付けるための機構(たとえば巻付け用の流体袋)の巻付け度合いを徐々に上げながら、そのときの測定用の流体袋の内圧変化を監視する。そして、その変化量がしきい値を超えたときに、該流体袋が測定部位に対して適切に巻付けられたと判断するものである。
特開2005−305028号公報
しかしながら、文献1の技術において測定の開始時に測定用流体袋に注入する流体の量がばらつくと、該流体袋の測定部位に対する巻付け具合の判断が正確になされなくなる。その結果、カフの巻付けにもバラツキが発生することになる。
さらに、この流体量のバラツキはオシロメトリック法による血圧の測定精度にも影響を与える。すなわち、動脈の容積変化による測定流体袋の容積変化を圧変化(以下、圧脈波)として検出している。そのため、測定流体袋内の流体量にバラツキがあると、同じ動脈容積変化が発生したとしても、検出される圧脈波にバラツキが発生する。たとえば、流体量が多い場合には検出される圧脈波は小さく、逆に流体量が少ないと検出される圧脈波は大きくなる。
同様に、流体量のバラツキによりカフの巻付けにバラツキが発生すると、コロトコフ音法による血圧の測定精度にも影響を与える。すなわち、カフの巻付けが適正より緩い状態となった場合、動脈の圧迫力が低下し、結果として血圧が高く測定されることになる。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、特に、測定部位に流体袋を内包した腕帯(カフ)の測定部位への巻き付け度合いが適切か否かを判定する機能を備えた電子血圧計において、流体袋に注入される流体量のバラツキを抑え、その結果、測定精度を向上させることのできる電子血圧計を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、電子血圧計は、被験者の測定部位に巻付けるための流体袋と、流体袋の内圧を検出するためのセンサと、流体袋に流体を注入/排出するための調整手段と、当該血圧計の周囲環境の情報を取得するための取得手段と、制御手段とを備える。制御手段は、測定動作が開始した直後に流体袋に所定量の流体を注入させるように調整手段を制御し、流体袋を測定部位に巻付けるときの内圧変化量に基づいて測定部位に対する巻付け強度を検出し、流体袋を測定部位に巻付けた後、流体袋の内圧を加圧または減圧する制御下での流体袋の内圧変化に基づいて被験者の血圧値を算出するための算出手段と、取得された周囲環境に応じて流体袋を測定部位に巻付けるときに流体袋に注入する流体の量が変化することによる影響を補正するための補正手段とを含む。
好ましくは、補正手段は、周囲環境の情報に基づいて、測定動作が開始した直後に流体袋に注入させる流体の量を決定する。
好ましくは、補正手段は、周囲環境の情報に基づいて、測定部位に対する巻付け度合いを検出する処理で用いられるしきい値を決定する。
好ましくは、補正手段は、周囲環境の情報に基づいて、被験者の血圧値を算出する処理で用いられるパラメータを決定する。
好ましくは、補正手段は、周囲環境の情報に基づいて、算出手段において算出された血圧値の補正量を決定し、血圧値を補正する。
好ましくは、取得手段は、周囲環境を測定するためのセンサを含む。
好ましくは、取得手段は他の装置と通信するための手段を含み、周囲環境を他の装置から取得する。
好ましくは、周囲環境は、調整手段の周囲の気温である。
この発明によると、電子血圧計の測定用の流体袋に注入される流体量が周囲環境によってばらつくことで測定に対する与える影響を抑えて、測定精度を向上させることができる。
以下、本実施例では流体を空気とし、流体袋を空気袋として説明する。
第1の実施の形態にかかる血圧測定装置(以下、血圧計)の外観の具体例を示す斜視図である。 血圧測定時の血圧計の断面概略図である。 第1の実施の形態にかかる血圧計の構成の具体例を示すブロック図である。 測定用空気袋に空気を注入するためのポンプへの印加電圧と該ポンプによって空気袋に注入される空気の流量(単位時間当たりの注入量)との関係に対する、周囲環境としての気温の影響を示す図である。 測定用空気袋に空気を注入するためのポンプへの印加電圧と該ポンプによって空気袋に注入される空気の流量との関係に対する、周囲環境としての気圧の影響を示す図である。 気温と測定用空気袋に空気を注入するためのポンプに印加する電圧との対応関係を規定するテーブルの具体例を示す図である。 第1の実施の形態にかかる血圧計の血圧測定動作を示すフローチャートである。 第1の実施の形態にかかる血圧計での巻付動作を示すフローチャートである。 巻付け状態の判定例を説明するための図である。 第2の実施の形態にかかる血圧計の構成の具体例を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかる血圧計での巻付動作を示すフローチャートである。 異なる被験者A,B,Cについて測定された、測定用空気袋に空気を注入するためのポンプの駆動時間と測定された脈波振幅の最大値との関係を表わす図である。 空気袋の内圧と測定される脈波振幅との関係を表わす図である。 第3の実施の形態にかかる血圧計の構成の具体例を示すブロック図である。 第3の実施の形態にかかる血圧計での血圧算出のための動作を示すフローチャートである。 第4の実施の形態にかかる血圧計の構成の具体例を示すブロック図である。 第4の実施の形態にかかる血圧計での血圧算出のための動作を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
[第1の実施の形態]
<装置構成>
図1は、第1の実施の形態にかかる血圧測定装置(以下、血圧計)1Aの外観の具体例を示す斜視図である。図1は、血圧測定装置の具体例として、測定用の空気袋が使用者の測定部位である上腕に自動的に巻付けられるタイプの血圧計を表わしている。しかしながら、本発明にかかる血圧測定装置はこのように自動的に空気袋が測定部位に巻付けられるタイプのものに限定されず、測定者が巻付けるタイプのものであってもよい。また、図1の例は、巻付け用の空気袋による空気圧によって自動的な巻付けを実現するタイプのものであるが、空気圧に替えてモータ等の他の動力によって巻付けを実現するタイプのものであってもよい。
図1を参照して、血圧計1Aは、主に、机等に載置される本体2と、測定部位である上腕を差込むための測定部5とを備える。本体2の上部には、電源スイッチ、測定スイッチ、停止スイッチ、および使用者選択スイッチなどが配置された操作部3と、表示部4と、肘置きとが備えられる。また、測定部5は本体2に対して角度が可変に取付けられており、略円筒状の機枠であるハウジング60と、ハウジング60の内周部に収納された生体圧迫固定装置とを備える。なお、図1に示されるように、通常の使用状態においてハウジング60の内周部に収納された生体圧迫固定装置は露出しておらず、カバー70によって覆われている。
図2は、血圧測定時の血圧計1Aの断面概略図である。図2を参照して、血圧測定の際には、ハウジング60の内部に上腕100を差込んで上記肘置きに肘を載置して、測定開始を指示する。上腕100は上記生体圧迫固定装置によって圧迫固定され、血圧が測定される。
生体圧迫固定装置は、カフに該当する、測定部位を圧迫して血圧を測定するための測定用流体袋である空気袋13と、空気袋13の外側に位置し、膨張することによっ空気袋13を内側に向かって押圧して空気袋13を生体の測定部位に押付けて固定するための流体袋である空気袋8とを備える。
図3は、血圧計1Aの構成の具体例を示すブロック図である。
図3を参照して、血圧計1Aは空気袋13と空気袋8とを含み、それぞれ、測定用のエアー系20および圧迫固定用のエアー系30に接続されている。エアー系20には、空気袋13の内圧を測定するための圧力センサ23、空気袋13に対する給気/排気を行なうためのポンプ21、および弁22が、エアー系30には、空気袋8の内圧を測定するための圧力センサ33、空気袋8に対する給気/排気を行なうためのポンプ31、および弁32が含まれる。
空気袋13は、空気袋13の内圧変化を測定するための圧力センサ23、空気袋13に対する空気の注入/排出を行なうためのポンプ21、および弁22に接続される。空気袋8は、空気袋8の内圧変化を測定するための圧力センサ33、空気袋8に対する空気の注入/排出を行なうためのポンプ31、および弁32に接続される。
圧力センサ23,33、ポンプ21,31、および弁22,32は、それぞれ、発振回路28,38、駆動回路26,36、および駆動回路27,37に接続され、さらに、発振回路28,38、駆動回路26,36、および駆動回路27,37は、いずれも血圧計1A全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)40に接続される。
CPU40には、さらに、表示部4と、操作部3と、CPU40で実行されるプログラムを記憶したりプログラムを実行する際の作業領域となったりするメモリ6と、測定結果や制御、演算に必要な情報等を記憶するためのメモリ7と、外部装置と接続してデータを出入力するための外部インタフェース(I/F)80と、周囲環境の情報として気温を取得するための気温センサ85と、当該血圧計1Aに電力を供給するための電源90とが接続される。
なお、周囲環境は気温に限定されず、気圧や湿度などの他のパラメータであってもよいし、これらのうちの2以上のパラメータの組み合わせであってもよい。または、気温センサ85を含まず、周囲環境の情報を外部I/F80を通して他の装置から取得してもよい。
駆動回路26,36は、CPU40からの制御信号に従って、それぞれ、ポンプ21,31を駆動させる。これによって、空気袋13,8に空気が注入される。
駆動回路27,37は、CPU40からの制御信号に従って、それぞれ、弁22,32を駆動させる。これによって、弁22,32が開放/閉塞される。
圧力センサ23,33は静電容量型の圧力センサであり、それぞれ、空気袋13,8の内圧変化により静電容量値が変化する。圧力センサ23,33は、それぞれ発振回路28,38に接続され、発振回路28,38は、圧力センサ23,33の静電容量値に応じた発振周波数の信号に変換し、CPU40に入力する。
<周囲環境の影響について>
図4は、ポンプ21への印加電圧とポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量(単位時間当たりの注入量)との関係に対する、周囲環境としての気温の影響を示す図である。
図4を参照して、周囲環境としての気温に関わらずポンプ21への印加電圧が増加するほどポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量は増加するものであるが、気温が高いほどその増加率が高まり、気温が低いほど増加率が小さいことがわかる。よって、ポンプ21への印加電圧とポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量との関係は気温に依存するものであると言える。
図5は、ポンプ21への印加電圧とポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量との関係に対する、周囲環境としての気圧の影響を示す図である。
図5を参照して、周囲環境としての気圧に関わらずポンプ21への印加電圧が増加するほどポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量は増加するものであるが、気圧が低いほどその増加率が高まり、気圧が高いほど増加率が小さいことがわかる。よって、気温と同様に、ポンプ21への印加電圧とポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量との関係は気圧に依存するものであると言える。
後述するように、血圧計1Aでは空気袋13を測定部位に巻付ける動作の開始直後に予め規定した所定量の空気を空気袋13に注入して、圧迫用の空気袋8を加圧する過程における空気袋13のカフ圧の変化に応じて巻付け度合いが適切であるか否かを判断する。そのため、CPU40は巻付動作の開始直後に予め規定した所定量の空気を空気袋13に注入させるためにポンプ21に所定電圧を印加する。
しかしながら、図4や図5に示されたように、気温などの周囲環境はポンプ21への印加電圧とポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量との関係に影響を及ぼすものであるため、周囲環境によって巻付動作の開始直後に注入される空気量が異なることになる。これは、巻付動作時の、巻付け度合いが適切であるか否かの判断に影響を及ぼすことになる。よって、血圧計1Aでは、巻付動作の開始直後に注入する空気量が所定量となるように周囲環境に応じてポンプ21の駆動を制御する。
<機能構成>
再度図3を参照して、上記制御を実現するために、血圧計1AのCPU40は、気温センサ85からの周囲環境の情報としての気温の入力を受け付けるための入力部41と、空気袋13に注入する空気量が周囲環境によって変化することによる測定結果への影響を補正するための補正部42と、圧力センサ23からの圧力信号に基づいて血圧値を算出するための算出部43と、測定結果等を表示部4に表示させる制御を行なうための表示制御部44と、巻付動作時の空気袋13の内圧に基づいて空気袋13が測定部位に適切に巻付けられているか否かの巻付け状態を判定するための判定部45とを含む。これらは、CPU40が操作部3から入力される操作信号に基づいてメモリ6に記憶されている所定のプログラムを実行することで、CPU40に形成される。
第1の実施の形態にかかる血圧計1AのCUP40では、補正部42に、周囲環境の情報に基づいてポンプ21の駆動量を決定してその駆動量に基づいて制御信号を出力してポンプ21を制御するための駆動制御部421がさらに含まれる。
血圧計1Aのメモリ7には、予め、ポンプ21の周囲の気温と印加電圧とによる流量特性が記憶されている。記憶される流量特定は、流量を表わす、気温と印加電圧とを変数とした関数であってもよいし、図6に表わされたようなテーブルであってもよい。
図6は、気温とポンプ21に印加する電圧との対応関係を規定するテーブルの具体例を示す図である。ポンプ21への印加電圧とポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量との関係に対する気温の影響は図4に示された関係である。そのため、メモリ7には、図6に示されたように、気温に関わらずポンプ21への印加電圧が増加するほどポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量が増加し、かつ、気温が高いほど同じ印加電圧でも空気袋13に注入される空気の流量が増加する特性が記憶されている。
駆動制御部421は、巻付動作時にメモリ7に記憶されている流量特性を参照し、入力された気温において、巻付け動作の開始直後に予め規定された量の空気を空気袋13に注入するための、ポンプ21に印加する電圧およびポンプ21の駆動時間を算出する。そして、その算出結果にしたがった制御信号を駆動回路26に出力することで、ポンプ21の駆動を制御する。
<測定動作>
図7は、血圧計1Aの血圧測定動作を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示される血圧測定動作は、CPU40が空気袋13の減圧過程における内圧変化に基づいて血圧値を算出する場合の動作である。この動作は、操作部3の電源スイッチが押下されたことによってCPU40が操作信号を受信することによって開始され、CPU40がメモリ6に記憶されるプログラムを読出して実行し、図3に示される各部を制御することで実現される。
図7を参照して、始めに、ステップS11において初期化が実行された後に、使用者選択スイッチおよび測定スイッチの押下を待機する。
次に、使用者選択スイッチが押下されたことによる操作信号、続いて、測定スイッチが押下されたことによる操作信号をCPU40が受信すると(ステップS13でYES、かつステップS15でYES)、ステップS17でCPU40は、空気袋13を測定部位である使用者の上腕に適切に巻付けるための動作である巻付動作を実行する。ここでの動作については、後にフローチャートを挙げて説明する。
次に、CPU40はステップS19で測定用の空気袋13の内圧を所定の内圧となるまで加圧するための加圧動作を実行する。その間、CPU40は圧力センサ23から得られる空気袋13の内圧を監視し、予め設定された所定の圧力となっているか否かを判定する。ここでの所定圧力は、血管を圧閉するのに十分高い圧力であればよい。または、選択された使用者の測定結果がメモリ7に記憶されている場合、該使用者の収縮期血圧値に所定の値を加えて得られる圧力としてもよい。
そして、空気袋13の内圧が上記所定の圧力に達したと判定されると(ステップS21でYES)、CPU40はステップS23で空気袋13,8の減圧を開始するための減圧動作を実行する。減圧動作は、後述の血圧算出(S25)が完了するまで継続される。
CPU40はステップS25において、ステップS23での空気袋13の減圧動作中における空気袋13の内圧変化に基づいて血圧値を算出する。この血圧値の算出が完了し、血圧値が決定されると(ステップS27でYES)、CPU40はステップS23の減圧動作を終了し、ステップS29で空気袋13,8の内圧を急速に減圧させ、生体の圧迫を解放する。そして、CPU40はステップS31で表示部4に測定結果として算出された血圧値を表示させるための動作を実行する。
以上で、一連の動作を終了する。
<巻付動作>
図8は、ステップS17の巻付動作を示すフローチャートである。図8を参照して、巻付動作が開始すると、ステップS101でCPU40は、気温センサ85からの入力を受け付けて、ポンプ21の周囲の気温を取得する。
そして、ステップS103でCPU40は、取得した気温を基に、予め規定された所定量の空気を空気袋13に注入させるためのポンプ21の駆動量、つまりポンプ21への印加電圧および/または駆動時間を図6の流量特性に基づいて算出する。一例として、印加電圧を予め規定する電圧に固定する場合には、上記所定の量をポンプ21の周囲の気温における該電圧での流量で除してポンプ21の駆動時間を算出する。また他の例として、駆動時間を予め規定する時間に固定する場合には、ポンプ21の周囲の気温における各印加電圧での流量のうち上記所定の量を駆動時間で除して得られる流量に最も近い印加電圧を特定する。
ステップS105でCPU40は弁32を閉塞させた上で、ステップS107で駆動回路26に対してステップS103で算出された印加電圧および/または駆動時間でポンプ21を駆動させるように制御信号を出力する。これによって、空気袋13に予め規定された所定量の空気が注入される。
ステップS109でCPU40は、ステップS107で所定量の空気が注入された後に空気袋8への空気の注入を開始して、その際の空気袋13の内圧を巻付け強度として取得する。そして、その巻付け強度に基づいて、空気袋13の測定部位への巻付け状態が適切であるか否かを判定する。
ステップS109での判定方法は、たとえば本願出願人による特開2005−305028号公報に開示された方法を用いることができる。すなわち、一例として、CPU40は巻付動作中に空気袋8を加圧しながら空気袋13の内圧を取得し、その内圧が、予めたとえば実験的に求められている適切な巻付け状態を示す圧力レベルを示すしきい値に達したか否かを判定し、達した時点で、適切な巻付け状態となったものとして巻付動作を終了する。
<第1の実施の形態の効果>
血圧計1Aでこのような動作が行なわれることによって、巻付動作の開始直後に空気袋13に注入する空気量に対する周囲環境の影響を補正することができる。これにより、周囲環境に関わらず巻付動作時に空気袋13に予め規定された所定量の空気が注入されることになる。それによって、巻付動作時に行なわれる適切な巻付け状態となっているか否かの判定を周囲環境の影響を抑えて精度よく行なうことができ、適切な巻付け状態とすることができる。これにより、周囲環境の測定精度への影響を抑えることができ、測定精度を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態にかかる血圧計1Bの装置構成は第1の実施の形態にかかる血圧計1Aのそれと同様である。
<周囲環境の影響について>
上述のように、ポンプ21への印加電圧とポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量との関係は気温等の周囲環境に依存するものであるため、予め規定の電圧をポンプ21に印加して規定された時間駆動させると、巻付動作時に空気袋13に注入される空気量は周囲環境の影響を受けることになる。
血圧計1Aは、巻付動作の開始直後に空気袋13に空気を注入するためのポンプ21の駆動量を気温に基づいて補正することによって、巻付動作の開始直後に空気袋13に注入する空気量に対する周囲環境の影響を排するものである。これに対して、血圧計1Bは、空気袋13の内圧に基づいて巻付け状態を判定する際に用いるしきい値を周囲環境に応じて補正することで、判定に対する周囲環境の影響を排する。
具体的に、血圧計1Bでは、巻付け状態を判定する方法として、特開2005−305028号公報に開示された、空気袋8の加圧過程における空気袋13の内圧の相対的な変化量に基づいて巻付け状態を判定する方法を採用する。これは、測定部位の周長(腕周)に関わらず判定する方法である。
詳しくは、血圧計1Bでは、巻付動作開始直後に空気袋13に所定量の空気を注入した後、空気袋8の加圧を開始する。加圧の過程において空気袋13の内圧が所定の圧力に達すると、さらに空気袋13の内圧変化(所定時間における変化量)を算出して、その変化量が判定しきい値FIT2を超える状態が所定の判定時間DT分継続するか否かが監視される。そして、その状態が判定時間DT分継続した場合に、適切な巻付け状態になったと判定される。
図9は、特開2005−305028号公報に開示された巻付け状態の判定を説明するための図である。図9の縦軸は空気袋13の所定時間における内圧の変化量を表わしており、横軸は時間経過を表わしている。図9を参照して、時刻Tにおいて空気袋13の所定時間における内圧の変化量が判定しきい値FIT2に達し、それから判定時間DTの間、判定しきい値FIT2以上の変化量が継続している。したがって、時刻Tから判定時間DTが経過した時点で、適切な巻付け状態になったと判定されることになる。
このとき、図6に示された関係より、ポンプ21の周囲の気温が高い場合には同じ印加電圧のときのポンプ流量が多くなるため、空気袋13に注入される空気量が気温が低い場合よりも多くなる。よって、ポンプ21の周囲の気温が高い場合には、通常の場合よりも空気袋13の内圧が高くなる。また、ポンプ21の周囲の気温が低い場合には、通常の場合よりも空気袋13の内圧が低くなる。
そこで、血圧計1Bでは、ポンプ21の周囲の気温が高い場合には、基準気温である場合の判定しきい値FIT2よりも高い判定しきい値FIT3を用いて巻付け状態を判定し、ポンプ21の周囲の気温が低い場合には、判定しきい値FIT2よりも低い判定しきい値FIT4を用いて巻付け状態を判定する。
<機能構成>
図10は、第2の実施の形態にかかる血圧計1Bの構成の具体例を示すブロック図である。図10を参照して、上記制御を実現するための血圧計1BのCPU40には、補正部42に、巻付け状態の判定に用いる判定しきい値を周囲環境の情報に基づいて決定するための第1の決定部422が含まれる。決定された判定しきい値は判定部45での判定に用いられる。
血圧計1Bのメモリ7には、予め、ポンプ21の周囲の気温と巻付け状態の判定に用いる上述の判定しきい値FITとの対応関係が記憶されている。記憶される対応関係は、気温を変数とした判定しきい値FITを表わす関数であってもよいし、気温の範囲と判定しきい値FITとの対応を規定するテーブルであってもよい。具体的には、メモリ7は、図9に表わされたように、基準気温に対しては判定しきい値FIT2、基準気温よりも高い気温に対しては判定しきい値FIT2よりも高い判定しきい値FIT3、基準気温よりも低い気温に対しては判定しきい値FIT2よりも低い判定しきい値FIT4を記憶している。
<巻付動作>
血圧計1BのCPU40は、図7に示された血圧計1AのCPU40と概ね同様の測定動作を行なう。血圧計1Bでは、ステップS17の巻付動作が少し異なる。
図11は、血圧計1Bでの巻付動作を示すフローチャートである。図11を参照して、血圧計1BのCPU40は、図8に示された血圧計1Aでの巻付動作のステップS103、ステップS107、およびステップS109の動作に替えて、ステップS103’、ステップS107’、およびステップS109’の動作を行なう。詳しくは、ステップS103’でCPU40は、取得した気温を基に、巻付け状態の判定に用いる上述の判定しきい値FITを決定する。ステップS107’では、CPU40は、予め規定された駆動量でポンプ21を駆動させる。これにより、その駆動量に応じた量の空気が空気袋13に注入される。そして、ステップS109’でCPU40は空気袋8への空気の注入を開始して、その際の空気袋13の内圧および所定時間での内圧の変化量を巻付け強度として取得する。そして、その巻付け強度とステップS103’で決定された判定しきい値とに基づいて巻付け状態が適切であるか否かを判定する。
<第2の実施の形態の効果>
血圧計1Bでこのような動作が行なわれることによって、周囲環境に応じて巻付動作の開始直後に空気袋13に注入される空気量が変化した場合であっても、巻付け状態の判定に用いられる判定しきい値が周囲環境に応じて補正される。それによって、巻付動作時に行なわれる適切な巻付け状態となっているか否かの判定を周囲環境の影響を抑えて精度よく行なうことができ、適切な巻付け状態とすることができる。これにより、周囲環境の測定精度への影響を抑えることができ、測定精度を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態にかかる血圧計1Cの装置構成は第1の実施の形態にかかる血圧計1Aのそれと同様である。
<周囲環境の影響について>
上述のように、ポンプ21への印加電圧とポンプ21によって空気袋13に注入される空気の流量との関係は気温等の周囲環境に依存するものであるため、予め規定の電圧をポンプ21に印加して規定された時間駆動させると、血圧測定時に空気袋13に注入される空気量は周囲環境の影響を受けることになる。
図12は、異なる被験者A,B,Cについて測定された、ポンプ21の駆動時間と測定された脈波振幅の最大値との関係を表わす図である。横軸に表わされたポンプ21の駆動時間は、空気袋13に注入された空気量を表わしている。
図12に示されるように、被験者自体の特性に関わらず、ポンプ21の駆動時間が長いほど、つまり空気袋13に注入される空気量が多いほど脈波振幅の最大値が小さくなる傾向であることがわかる。
図13は、空気袋13の内圧と測定される脈波振幅との関係を表わす図である。図13は、空気袋13の内圧ごとに測定される脈波振幅をスムーズに結んだものであり、以後包絡線と呼ぶ。図13に示されるように、空気袋13に注入される空気量が異なることで空気袋13の内圧が異なることによって測定される脈波振幅が影響を受けることがわかる。詳しくは、空気袋13に注入された空気量が少ないほど、多い場合と比較して測定される脈波振幅は全体的に大きくなる。
従来より、収縮期血圧値は、脈波振幅の最大値AmpMaxが測定されると、脈波振幅の最大値AmpMaxの所定割合αに予め規定したオフセット量γを加えた振幅値を算出し、該振幅値と包絡線とが交差する点の空気袋13の内圧で求められていた。同様に、拡張期血圧値は、脈波振幅の最大値AmpMaxの所定割合βに予め規定したオフセット量ηを加えた振幅値が算出され、該振幅値と包絡線とが交差する点の空気袋13の内圧で求められていた。所定割合α,βおよびオフセット量γ,ηは、予め実験により決定される。なお、以降の説明において、上述の算出される振幅値を「振幅パラメータ」とも称する。
しかしながら、図13に示されるように、空気袋13に注入された空気量が少ないと脈波振幅は大きく測定され、逆に多いと小さく測定される。そのため、脈波振幅の最大値が空気袋13内の空気量によって異なる。しかしながら、上述のとおり振幅パラメータを算出するためのオフセット量γ,ηは脈波振幅の最大値に依存せず一定値のため、算出される振幅パラメータは空気袋13内の空気量によって異なる。その結果、振幅パラメータと包絡線との交点における空気袋13の内圧で得られる血圧値も異なる。すなわち、予め規定の電圧をポンプ21に印加して規定された時間駆動させることで空気袋13に注入される空気量は周囲環境の影響を受け、それによって算出される血圧値も周囲環境の影響を受けることになる。
そこで、血圧計1Cは、振幅パラメータを算出するための用いる上述のオフセット量γ,ηを周囲環境に応じて補正することで、算出される振幅パラメータに対する周囲環境の影響を排除する。
<機能構成>
図14は、第3の実施の形態にかかる血圧計1Cの構成の具体例を示すブロック図である。図14を参照して、上記制御を実現するための血圧計1CのCPU40には、補正部42に、周囲環境の情報に基づいて上記オフセット量γ,ηを決定するための第2の決定部423が含まれる。決定されたオフセット量γ,ηは算出部43での血圧値の算出に用いられる。
血圧計1Cのメモリ7には、予め、ポンプ21の周囲の気温とオフセット量γ,ηとの対応関係が記憶されている。記憶される対応関係は、気温Tを変数としたオフセット量γ,ηを表わす関数であってもよいし、気温Tの範囲とオフセット量γ,ηとの対応を規定するテーブルであってもよい。一例として、ポンプ21の周囲の気温とオフセット量γ,ηとの対応関係を、気温Tを変数としたオフセット量γ,ηを表わす関数として記憶される場合、メモリ7は、ポンプ21の周囲の気温をT、オフセット量γ,ηを決定したときの気温(基準気温とも称する)をTOとすると、補正後のオフセット量γ’,η’を表わす関数として、γ’=γ×(TO/T)、η’=η×(TO/T)を記憶していてもよい。
あるいは、ポンプ21の周囲の気温とオフセット量γ,ηとの対応関係を、気温Tの範囲とオフセット量γ,ηとの対応を規定するテーブルとして記憶される場合、メモリ7は、基準気温よりも高い気温に対してはオフセット量γ,ηよりも低いオフセット量γ’,η’、基準気温よりも低い気温に対してはオフセット量γ,ηよりも高いオフセット量γ’,η’を記憶している。
<血圧算出>
血圧計1CのCPU40は、図7に示された血圧計1AのCPU40と概ね同様の測定動作を行なう。血圧計1Cでは、ステップS25の血圧算出のための動作が少し異なる。
図15は、血圧計1Cでの血圧算出のための動作を示すフローチャートである。図15を参照して、血圧算出のための動作が開始すると、ステップS201で血圧計1CのCPU40は、気温センサ85からの入力を受け付けて、ポンプ21の周囲の気温Tを取得する。
そして、ステップS203でCPU40は、取得した気温を基に、メモリ7に記憶されているポンプ21の周囲の気温とオフセット量との対応関係を参照して、取得した気温Tに対応したオフセット量γ’,η’を決定する。
CPU40は空気袋13の内圧を監視して、該圧力変化に重畳する脈波振幅を取得する。ステップS205でその最大値(AmpMax)を取得すると、ステップS207でCPU40は、AmpMax×α+γ’およびAmpMax×β+η’の演算を行なって振幅パラメータを算出する。そして、ステップS209でCPIU40は、空気袋13の内圧変化と測定された脈波振幅とで得られる包絡線と振幅パラメータとの交点における空気袋13の内圧を、それぞれ、収縮期血圧値、拡張期血圧値として取得する。
<他の例>
なお、血圧値の算出方法の他の例として、収縮期血圧値を脈波振幅の最大値AmpMaxの所定割合αに予め規定した係数γを乗じて得られる振幅パラメータと包絡線とが交差する点の空気袋13の内圧、拡張期血圧値を脈波振幅の最大値AmpMaxの所定割合βに予め規定した係数ηを乗じて得られる振幅パラメータと包絡線とが交差する点の空気袋13の内圧として得る方法もある。この場合、メモリ7にはポンプ21の周囲の気温と係数との対応関係として、補正後の係数γ’,η’を表わす関数としてのγ’=γ×T、η’=η×Tが記憶されていてもよい。
この場合でも、図15に表わされた動作と概ね同様の動作でCPU40はポンプ21の周囲の気温Tに応じた係数γ’,η’を決定し、血圧値を算出する。
<第3の実施の形態の効果>
血圧計1Cでこのような動作が行なわれることによって、周囲環境に応じて血圧測定の際に空気袋13に注入される空気量が変化した場合であっても、血圧値を算出するために用いる振幅パラメータを得るためのオフセット量または係数が周囲環境に応じて補正される。それによって、振幅パラメータに対する周囲環境の影響が抑えられるために、算出される血圧値に対する周囲環境の影響が抑えられる。これにより、周囲環境の測定精度への影響を抑えることができ、測定精度を向上させることができる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態にかかる血圧計1Dの装置構成は第1の実施の形態にかかる血圧計1Aのそれと同様である。
<周囲環境の影響について>
血圧計1Cは、血圧値を算出するために用いる振幅パラメータを得るためのオフセット量を周囲環境に応じて補正することによって、血圧測定時に空気袋13に注入される空気量が受ける周囲環境の影響を排するものである。これに対して、血圧計1Dは、算出された血圧値を周囲環境に応じて補正することで、測定結果に対する周囲環境の影響を排する。
具体的に、図13を再度参照して、ポンプ21の周囲の気温が高く空気袋13に注入された空気量が多いほど測定される脈波振幅は全体的に小さくなり、ポンプ21の周囲の気温が低く空気袋13に注入された空気量が少ないほど脈波振幅は全体的に大きくなる。したがって、同じオフセット量γ,ηを用いて振幅パラメータを算出すると、脈波振幅の最大値の小さい方、すなわち空気袋13に注入された空気量が多いほど振幅パラメータの脈波振幅の最大値に対する比率が大きくなる。そのため、上述の方法では、空気袋13に注入された空気量が多いほど血圧値は小さく算出されることになる。
そこで、血圧計1Dでは、ポンプ21の周囲の気温が高い場合には算出された血圧値Pを高くするような補正量△Pを用いて補正し、ポンプ21の周囲の気温が低い場合には算出された血圧値Pを低くするような補正量△Pを用いて補正し、収縮期血圧値SYSおよび拡張期血圧値DIAを得る。
<機能構成>
図16は、第4の実施の形態にかかる血圧計1Dの構成の具体例を示すブロック図である。図16を参照して、上記制御を実現するための血圧計1DのCPU40には、補正部42に、算出された血圧値Pの補正量△Pを周囲環境の情報に基づいて決定するための第3の決定部424が含まれる。そして、補正部42は、算出部43で算出された血圧値Pを該補正量△Pで補正して、測定結果とする。
血圧計1Dのメモリ7には、予め、ポンプ21の周囲の気温と補正量△Pとの対応関係が記憶されている。記憶される対応関係は、気温Tを変数とした補正量△Pを表わす関数であってもよいし、気温Tの範囲と補正量△Pとの対応を規定するテーブルであってもよい。具体的には、メモリ7は、基準気温よりも高い気温に対しては算出された血圧値Pを高くするような補正量△P、基準気温よりも低い気温に対しては算出された血圧値Pを低くするような補正量△Pを記憶している。
<血圧算出>
血圧計1DのCPU40は、図7に示された血圧計1AのCPU40と概ね同様の測定動作を行なう。血圧計1Dでは、ステップS25の血圧算出のための動作が少し異なる。
図17は、血圧計1Dでの血圧算出のための動作を示すフローチャートである。図17を参照して、血圧計1DのCPU40は、図15に示された血圧計1Cでの血圧算出のための動作のステップS203,S207の動作に替えて、ステップS203’,S207’の動作を行ない、さらに、ステップS210の動作を行なう。詳しくは、ステップS203’でCPU40は、取得した気温を基に、メモリ7に記憶されているポンプ21の周囲の気温と補正量との対応関係を参照して、取得した気温Tに対応した収縮期血圧値を補正するための補正量△P1および拡張期血圧値を補正するための補正量△P2を決定する。ステップS207’でCPU40は、AmpMax×α+γおよびAmpMax×β+ηなどの通常の演算を行なって振幅パラメータを算出し、ステップS209で空気袋13の内圧変化と測定された脈波振幅とで得られる包絡線と振幅パラメータとの交点における空気袋13の内圧P1,P2を得る。
ステップS210でCPU40は、得られた内圧P1,P2をそれぞれ補正量△P1,△P2を用いて補正し、収縮期血圧値SYSおよび拡張期血圧値DIAを得る。
<第4の実施の形態の効果>
血圧計1Dでこのような動作が行なわれることによって、周囲環境に応じて血圧測定の際に空気袋13に注入される空気量が変化した場合であっても、算出された血圧値が周囲環境に応じて補正される。それによって、算出される血圧値に対する周囲環境の影響が抑えられる。これにより、周囲環境の測定精度への影響を抑えることができ、測定精度を向上させることができる。
[変形例]
上述の第1の実施の形態〜第4の実施の形態は、それぞれ別個に行なわれるものであってもよいし、第1の実施の形態と第2の実施の形態とのうちのいずれか一方の補正と、第3の実施の形態と第4の実施の形態とのうちのいずれか一方の補正とを組み合わせてもよい。これらを組み合わせることで、巻付け状態の判定の精度も算出された血圧値の精度も向上させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B,1C,1D 血圧計、2 本体、3 操作部、4 表示部、5 測定部、6,7 メモリ、8,13 空気袋、20,30 エアー系、21,31 ポンプ、22,32 弁、23,33 圧力センサ、26,27,36,37 駆動回路、28,38 発振回路、41 入力部、42 補正部、43 算出部、44 表示制御部、45 判定部、60 ハウジング、70 カバー、85 気温センサ、90 電源、100 上腕、421 駆動制御部、422 第1の決定部、423 第2の決定部、424 第3の決定部。

Claims (8)

  1. 被験者の測定部位に巻付けるための流体袋と、
    前記流体袋の内圧を検出するためのセンサと、
    前記流体袋に流体を注入/排出するための調整手段と、
    当該血圧計の周囲環境の情報を取得するための取得手段と、
    制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    測定動作が開始した直後に前記流体袋に所定量の流体を注入させるように前記調整手段を制御し、前記流体袋を前記測定部位に巻付けるときの内圧変化量に基づいて前記測定部位に対する巻付け強度を検出し、前記流体袋を前記測定部位に巻付けた後、前記流体袋の内圧を加圧または減圧する制御下での前記流体袋の内圧変化に基づいて前記被験者の血圧値を算出するための算出手段と、
    取得された前記周囲環境に応じて前記流体袋を前記測定部位に巻付けるときに前記流体袋に注入する流体の量が変化することによる影響を補正するための補正手段とを含む、電子血圧計。
  2. 前記補正手段は、前記周囲環境の情報に基づいて、前記測定動作が開始した直後に前記流体袋に注入させる流体の量を決定する、請求項1に記載の電子血圧計。
  3. 前記補正手段は、前記周囲環境の情報に基づいて、前記測定部位に対する巻付け度合いを検出する処理で用いられるしきい値を決定する、請求項1に記載の電子血圧計。
  4. 前記補正手段は、前記周囲環境の情報に基づいて、前記被験者の血圧値を算出する処理で用いられるパラメータを決定する、請求項1に記載の電子血圧計。
  5. 前記補正手段は、前記周囲環境の情報に基づいて、前記算出手段において算出された前記血圧値の補正量を決定し、前記血圧値を補正する、請求項1に記載の電子血圧計。
  6. 前記取得手段は、前記周囲環境を測定するためのセンサを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の電子血圧計。
  7. 前記取得手段は他の装置と通信するための手段を含み、前記周囲環境を前記他の装置から取得する、請求項1〜5のいずれかに記載の電子血圧計。
  8. 前記周囲環境は、前記調整手段の周囲の気温である、請求項1〜7のいずれかに記載の電子血圧計。
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