JP2012115825A - メタクロレインおよびメタクリル酸製造用触媒、ならびにその製造方法 - Google Patents

メタクロレインおよびメタクリル酸製造用触媒、ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はイソブチレン及びt−ブチルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を、分子状酸素含有ガスを用いて気相接触酸化してメタクロレインを製造する際に用いられるモリブデン含有複合酸化物触媒に関し、高活性で、且つ高沸点化合物の副生が少なく、メタクロレインを安定に高い収率で与える触媒およびその製造方法を提供するものである。
【解決手段】モリブデン、ビスマスを含む複合酸化物触媒の製造方法において、(1)少なくともこれらの成分元素の供給源化合物の水性系での一体化工程において有機酸を添加し、触媒原料を含む溶液またはスラリーを調製する段階と、(2)前記溶液またはスラリーを乾燥、焼成する段階とを含む、アンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率が0.14以下であることを特徴とする複合酸化物触媒の製造方法
【選択図】なし

Description

本発明は、イソブチレン及びt−ブチルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を、分子状酸素含有ガスを用いて気相接触酸化してメタクロレインを製造する際に用いられるモリブデン含有複合酸化物触媒およびその製造方法に関する。
イソブチレン及びt−ブチルアルコ−ルから選ばれる少なくとも1種を気相接触酸化反応して、メタクリル酸を製造する場合には、いったんイソブチレン及びt−ブチルアルコ−ルから選ばれる少なくとも1種を接触気相酸化してメタクロレインに変換し(以下、この反応は「前段反応」とし、これに使用される触媒を「前段触媒」という)、ついで、このメタクロレインを接触気相酸化してメタクリル酸に変換する(以下、この反応を「後段反応とし、これに使用される触媒を「後段触媒」という)、いわゆる2段酸化反応が一般に採用されている。前段触媒に使用される触媒はモリブデン、ビスマス含有複合酸化物触媒が一般的である。イソブチレン及びt−ブチルアルコ−ルから選ばれる少なくとも1種を気相接触酸化反応して、メタクロレインを製造する際に用いられるモリブデン、ビスマス含有複合酸化物触媒に関しては数多くの提案がなされている。
一方、種々の添加物を加えることによっても目的酸化生成物収率向上の努力が続けられてきた。例えば、特許文献1には、触媒前駆体に硝酸塩、アンモニウム塩などの塩類を含有させる方法、特許文献2にはモリブデン含有スラリーにキレート剤を添加する方法、特許文献3には、モリブデン化合物及びビスマス化合物の一体化の際にアンモニア水を添加する方法が開示されている。また、特許文献4には多様な酸を利用して懸濁液製造時に金属沈殿を生じさせない方法が開示されている。しかし、前記方法は焼成工程で添加物が急激に分解されるため触媒の物性値及び性能が低下する問題がある。
このような問題を解決するために、特許文献5や非特許文献1には金属塩の水溶液を有機酸によりキレート化して完全溶解した後、乾燥調節添加剤を添加して真空乾燥及び粉砕する方法が開示されている。しかし、これらの従来方法で製造されたモリブデン、ビスマスを含む複合酸化物触媒は、工業的見地からは、目的とする酸化生成物収率は、更なる改良が望まれる。また、触媒製造時の簡便性や安全性、触媒製造における再現性、触媒の機械強度の面、さらには環境問題等の面では従来の触媒は未だ充分とは言えず、その改良も望まれていた。
また、イソブチレン及びt−ブチルアルコ−ルから選ばれる少なくとも1種を気相接触酸化反応した場合、主生成物のメタクロレインのほかに、マレイン酸やテレフタル酸等の比較的高沸点の化合物が副生し、同時に重合物やタール状物質が反応生成ガス中に含まれてくる。このような物質を含む反応生成ガスをそのまま後段反応に供すると、これらの物質は配管内や後段触媒充填層での閉塞を引き起し、圧力損失の増大や、触媒活性の低下、メタクリル酸への選択率の低下などの原因となる。このようなトラブルは、メタクリル酸の生産性を高めるためにイソブチレンおよび/またはt−ブチルアルコールの供給量を増やしたり、イソブチレンおよび/またはt−ブチルアルコール濃度を上げたりすると多く発生する。
このようなトラブルを防止するため一般に採用される方法としては、定期的に反応を停止して、後段触媒のガス入口側に触媒層での閉塞や触媒の活性低下を防止するために充填した不活性物質を抜き出して入れ替えたり、あるいは前段反応生成ガスからメタクロレインをいったん分離し、あらためてこの分離メタクロレインを後段反応に供給することで酸化反応の最適化プロセスを採用したり、さらには原料ガス濃度を必要以上に希釈して、副生成物濃度を下げて反応を行う方法が提案されている。特許文献6には前段および後段の反応の中間部での配管などの閉塞防止のために、その部分を無水マレイン酸の沸点以上の温度に保温する方法、ガス線速度を極めて大きくとるように工夫する方法、特許文献7には、後段反応に用いられる触媒の形状を特定して触媒間の空隙率を上げて前段反応器からの固形物の閉塞を押える方法等が提案されている。しかしながら、これらの方法もまた、工業的方法としては充分満足できるものではなく、高沸点物質の副生が少ない触媒の開発が望まれている。
特開2003−251183号公報 特開平2−214543号公報 特開2003−220335号公報 大韓民国特許公開2002−27023号公報 WO2005/079980号公報 特開昭50−126605号公報 特開昭61−221149号公報
Applied Catalsis A:General Vol.332 (2007)P.257−262
本発明はイソブチレン及びt−ブチルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を、酸化触媒組成物の存在下に、分子状酸素含有ガスを用いて気相接触酸化してメタクロレインを製造する際に用いられるモリブデン含有複合酸化物触媒に関し、高活性で、且つ高沸点化合物の副生が少なく、メタクロレインを安定に高い収率で与える触媒およびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、イソブチレン及びt−ブチルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を、酸化触媒組成物の存在下に、分子状酸素含有ガスを用いて気相接触酸化してメタクロレインを製造する際に用いられるモリブデン、ビスマスを含む複合酸化物触媒を製造するに際し、モリブデン、ビスマスの供給源化合物の水性系での一体化工程において有機酸を添加して触媒を調製する方法を鋭意検討した。その結果、本発明の方法により製造されたモリブデン、ビスマスを含む複合酸化物触媒は、従来の触媒に比べ、高活性で、且つ高沸点化合物の副生が少なく、メタクロレインを安定に高い収率で製造できることを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、
(a)成分元素としてモリブデン、ビスマスを少なくとも含有する触媒であって、アンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率が0.14以下であることを特徴とするメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒
(b)成分元素としてモリブデン、ビスマスを少なくとも含有する供給源化合物の水性系での一体化工程において、有機酸を添加することを特徴とする(a)記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒
(c)前記アンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率が0.12以下であることを特徴とする(b)記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒
(d)前記アンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率が0.10以下であることを特徴とする(b)記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒
(e)前記有機酸の沸点が110℃以上である(b)から(d)いずれか記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒
(f)前記有機酸が脂肪酸である(b)から(e)いずれか記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒
(g)前記有機酸が炭素数1〜10の脂肪酸である(b)から(f)いずれか記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒
(h)前記有機酸が酢酸、プロピオン酸、酪酸、または吉草酸である(b)から(g)いずれか記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒
(i)該触媒が成形触媒であることを特徴とする(a)から(h)いずれか記載のメタクロレインおよびメタクリル酸製造用触媒
(j)前記有機酸の添加量がモリブデン原料100質量部に対して0.1〜20質量部の割合であることを特徴とする(a)から(i)いずれか記載のメタクロレインおよびメタクリル酸製造用触媒
(k)成分元素としてモリブデン、ビスマスを少なくとも含有するアンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率が0.14以下であることを特徴とする複合酸化物触媒の製造方法
(l)成分元素としてモリブデン、ビスマスを少なくとも含有する供給源化合物の水性系での一体化工程において、有機酸を添加することを特徴とする(k)記載の複合酸化物触媒の製造方法
に関する。
本発明の方法により製造されたモリブデン、ビスマスを含む複合酸化物触媒は、イソブチレン及びt−ブチルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を、分子状酸素含有ガスを用いて気相接触酸化してメタクロレインを製造する際に用いられる触媒として高活性であり、且つ高沸点化合物の副生が少なく、メタクロレインを安定に高収率で得ることができる。
本発明の製造方法が適用できるモリブデン、ビスマスを含む複合酸化物触媒は、イソブチレン及び、t−ブチルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を、分子状酸素含有ガスを用いて気相接触酸化してメタクロレイン及びメタクリル酸を製造するための触媒であれば特に制限はないが、下記一般式(1)で表される複合酸化物触媒が好ましい。
Mo Bi Fe (1)
(ここで、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Aはコバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも一種の元素、Bはナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる少なくとも一種の元素、Cはホウ素、リン、クロム、マンガン、亜鉛、ヒ素、ニオブ、スズ、アンチモン、テルル、セリウムおよび鉛から選ばれる少なくとも一種の元素、Dはシリコン、アルミニウム、チタニウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の元素、Eはアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種の元素、そしてOは酸素であり、a、b、c、d、e、f、g、hおよびxはそれぞれMo、Bi、Fe、A、B、C、D、EおよびOの原子比を表し、a=12の時、0.1≦b≦10、0.1≦c≦20、1≦d≦20、0.001≦e≦5、0≦f≦10、0≦g≦30、0≦h≦5であり、xはそれぞれの元素の酸化状態によって定まる数値である。)
本発明の触媒を構成する各元素の出発原料としては特に制限されるものではないが、例えばモリブデン成分の原料としては三酸化モリブデンのようなモリブデン酸化物、モリブデン酸、パラモリブデン酸アンモニウム、メタモリブデン酸アンモニウムのようなモリブデン酸またはその塩、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸のようなモリブデンを含むヘテロポリ酸またはその塩などを用いることができる。
ビスマス成分の原料としては硝酸ビスマス、炭酸ビスマス、硫酸ビスマス、酢酸ビスマスのようなビスマス塩、三酸化ビスマス、金属ビスマスなどを用いることができる。これらの原料は固体のままあるいは水溶液や硝酸溶液、それらの水溶液から生じるビスマス化合物のスラリーとして用いることができるが、硝酸塩、あるいはその溶液、またはその溶液から生じるスラリーを用いることが好ましい。
その他の成分元素の出発原料としては、一般にこの種の触媒に使用される金属元素のアンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、硫酸塩、水酸化物、有機酸塩、酸化物またはこれらの混合物を組み合わせて用いればよいが、アンモニウム塩および硝酸塩が好適に用いられる。
上記各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化とは、各成分元素の供給源化合物の水溶液ないし水分散液を一括にあるいは段階的に混合又は熟成処理することを意味する。すなわち、(イ)上記の各供給源化合物を一括して混合する方法、(ロ)上記の各供給源化合物を一括して混合後、熟成処理する方法、(ハ)上記の各供給源化合物を段階的に混合する方法、(ニ)上記の各供給源化合物を段階的に混合・熟成処理を繰り返す方法、及び(イ)〜(ニ)を組み合わせた方法はいずれも上記各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化の概念に含まれる。ここで、上記熟成とは、「工業原料もしくは半製品を、一定時間、一定温度などの特定条件のもとに処理して、必要とする物理性、化学性の取得、上昇あるいは所定反応の進行などをはかる操作」のことをいう。なお、本発明において、上記の一定時間とは、5分〜24時間の範囲をいい、上記の一定温度とは室温〜水溶液ないし水分散液の沸点の範囲をいう。
添加した有機酸が熟成中に蒸発する可能性があることから、各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化工程において添加する有機酸としては、沸点110℃以上の有機酸が好ましい。例えば、酢酸、プロパン酸、ブチル酸、イソ酪酸、ペンタン酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、エタン二酸、プロパン二酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、桂皮酸、ピルビン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸などが挙げられる。
上記一体化工程において有機酸の添加量が多い場合、焼成工程で添加された有機酸が急激に分解されるため触媒の物性値及び性能が低下する可能性があることから、有機酸の添加量はモリブデン原料100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。
上記一体化工程において有機酸を添加する方法は特に限定されないが、例えば、各成分元素の供給源化合物を混合する前に溶媒中に添加する方法、各成分元素の供給源化合物を混合する前にいずれかの成分元素に添加する方法、各成分元素の供給源化合物と有機酸を一括混合する方法、各供給源化合物を段階的に混合するいずれかの段階で添加する方法、各供給源化合物を段階的に混合・熟成処理を繰り返すいずれかの段階で添加する方法が挙げられる。添加条件(時間、温度、圧力、pH等)については、特に限定されず、適宜決めればよい。
次いで、このようにして得られた全ての溶液またはスラリーを乾燥する。
乾燥方法としては、例えば、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、ドラム乾燥法、気流乾燥法などが挙げられるが、乾燥機の機種、乾燥時の温度、時間等の条件および触媒前駆体の形態については特に限定されず、適宜変えることができる。
上記のようにして得られた触媒前駆体を焼成することにより目的とする複合酸化物触媒が得られる。なお、触媒前駆体を、必要により粉砕した後、成形せずに焼成し、次いで成形してもよいし、成形した後に焼成してもよい。また、焼成後に成形したものを再度焼成してもよい。
成形は、シリカ等の担体に担持する担持成形と、担体を使用しない非担持成形のいずれの成形方法も採用できる。具体的な成形方法としては、例えば、打錠成形、プレス成形、押出成形、造粒成形等が挙げられる。成形品の形状としては、例えば、円柱状、リング状、球状等が運転条件を考慮して適宜選択可能であるが、球状担体、特にシリカやアルミナ等の不活性担体に触媒活性成分を担持した、粒径3〜8mmの担持触媒が好ましい。なお、成形に際しては、公知の添加剤、例えば、グラファイト、タルク等を少量添加してもよい。
焼成方法や焼成条件は特に限定されず、公知の処理方法および条件を適用することができる。焼成の最適条件は、用いる触媒原料、触媒組成、調製法等によって異なるが、通常、空気等の酸素含有ガス流通下または不活性ガス流通下で、200〜600℃、好ましくは300〜550℃で、0.5時間以上、好ましくは1〜40時間で行う。ここで、不活性ガスとは、触媒の反応活性を低下させない気体のことをいい、具体的には、窒素、炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
こうして得られた複合酸化物触媒は、アンモニア昇温脱離法によるアンモニア吸着量から測定される酸の量につき特定の関係を満たす。すなわち、複合酸化物触媒につきアンモニア昇温脱離法にて酸量を測定すると、高温側(400〜800℃)と低温側(100〜400℃)で観察される2種類のピークがあり、該複合金属酸化物触媒では、高温側における触媒の酸量に対する低温側における触媒の酸量の比率が0.14以下、より好ましくは0.12以下となる。この比率を0.14以下にするには、添加する有機酸の種類、添加量は、触媒原料、調合液温度、pHなどの触媒調製条件に応じ、適宜選定/調整されるが、有機酸の添加量はモリブデン原料100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。
上記複合酸化物触媒のアンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率を0.14以下とすることにより触媒性能が向上する理由は明らかではないが、アンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量は目的化合物への酸化反応以外の副反応に寄与し、目的化合物以外の副生成物が減少する結果、触媒性能、特に目的化合物への選択性が向上するものと推察される。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例において、転化率、収率、選択率は以下の式に従って算出した。
原料転化率(%)=(反応したt−ブチルアルコールまたはイソブチレンのモル数)/(供給したt−ブチルアルコールまたはイソブチレンのモル数)*100
メタクロレイン収率(%)=(生成したメタクロレインのモル数)/(供給したt−ブチルアルコールまたはイソブチレンのモル数)*100
メタクリル酸収率(%)=(生成したメタクリル酸のモル数)/(供給したt−ブチルアルコールまたはイソブチレンのモル数)*100
有効選択率(%)=(メタクロレイン収率+メタクリル酸収率)/(原料転化率)*100
触媒の酸量はアンモニア昇温脱離装置を用いて測定した。触媒0.1gを正確に秤量後、測定管に充填し、ヘリウム雰囲気下にて処理温度500℃で1時間の触媒前処理を行い、アンモニアガスを吸着温度100℃で吸着させ、30分間真空排気し、600℃まで10℃/minの速度で昇温し、アンモニア脱離量を測定した。
触媒のアンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率は以下の方法で算出した。
L/H=(低温側における触媒の酸量)/(高温側における触媒の酸量)
すなわち、数値が小さいほど低温側における触媒の酸量の比率が小さい。
また、高沸点物質の定量は液体クロマトグラフィーを用いて行った。前記高沸点物質とは、テレフタル酸に代表される芳香族化合物である。実施例において、高沸点物質収率は以下の式に従って算出した。
高沸点物質収率(%)=(生成した高沸点物質のモル数)/(供給したターシャリーブタノールまたはイソブチレンのモル数)*100
(酸化反応試験)
熱媒体として溶融塩を循環させるためのジャケット及び触媒層温度を測定するための熱電対を管軸に設置した、内径23mmのステンレス製反応器に酸化触媒(E)を310cmになるように充填し、反応浴温度Tbを345℃にした。ここに原料モル比がイソブチレン:酸素:窒素:水=1:2:10:1.6となるようにt−ブチルアルコール、空気、窒素、水の供給量を設定したガスを空間速度1000h−1で酸化反応器内へ導入し、反応を行った。
実施例1
蒸留水12000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム3000gと硝酸セシウム55.2gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト2782g、硝酸第二鉄1144g、硝酸ニッケル412gを蒸留水2300mlに溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸292mlを加えて酸性にした蒸留水1215mlに硝酸ビスマス1167gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、最後に酢酸60gを添加し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=1.7、Fe=2.0、Co=6.75、Ni=1.0、Cs=0.20であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で担持した。
こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E1)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
実施例2
蒸留水2000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム450gと硝酸セシウム3.8gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト456g、硝酸第二鉄158gを蒸留水500mlに溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸48mlを加えて酸性にした蒸留水200mlに硝酸ビスマス190gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、最後にプロピオン酸35gを添加し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=13、Bi=2.0、Fe=2.0、Co=8.0、Cs=0.1であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して40質量%を占める割合で担持した。こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E2)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
実施例3
プロピオン酸40gを溶解した蒸留水3000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム500gと硝酸セシウム10.2gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト485g、硝酸第二鉄190g、硝酸ニッケル72gを蒸留水395mlに溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸50mlを加えて酸性にした蒸留水206mlに硝酸ビスマス196gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=1.8、Fe=2.0、Co=7.75、Ni=1.5、Cs=0.30であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で担持した。
こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E3)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
実施例4
蒸留水2500mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム450gと硝酸セシウム8.2gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト482g、硝酸第二鉄103g、硝酸ニッケル74gを蒸留水341mlに溶解して水溶液(B)を、またプロピオン酸42gと濃硝酸32mlを加えて酸性にした蒸留水182mlに硝酸ビスマス103gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=1.0、Fe=1.2、Co=7.80、Ni=1.2、Cs=0.20であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で担持した。
こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E4)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
実施例5
蒸留水2000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム450gと硝酸セシウム12.4gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、プロピオン酸35gを溶解した蒸留水341mlに、硝酸コバルト417g、硝酸第二鉄128gを溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸52mlを加えて酸性にした蒸留水182mlに硝酸ビスマス206gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=2.0、Fe=1.5、Co=6.75、Cs=0.3であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して40質量%を占める割合で担持した。こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E5)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
実施例6
蒸留水2000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム500gと硝酸セシウム12.4gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト390g、硝酸第二鉄189g、硝酸ニッケル68gを蒸留水341mlに溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸47mlを加えて酸性にした蒸留水182mlに硝酸ビスマス185gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)にプロピオン酸40g、(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=1.8、Fe=2.2、Co=6.3、Ni=1.1、Cs=0.30であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で担持した。
こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E6)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
実施例7
蒸留水2500mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム450gと硝酸セシウム8.2gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト482g、硝酸第二鉄103g、硝酸ニッケル74gを蒸留水341mlに溶解して水溶液(B)を、また酪酸52gと濃硝酸32mlを加えて酸性にした蒸留水182mlに硝酸ビスマス103gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=1.0、Fe=1.2、Co=7.80、Ni=1.2、Cs=0.20であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で担持した。
こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E7)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
実施例8
乳酸15gを溶解した蒸留水3000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム500gと硝酸セシウム10.2gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト485g、硝酸第二鉄190g、硝酸ニッケル72gを蒸留水395mlに溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸50mlを加えて酸性にした蒸留水206mlに硝酸ビスマス196gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=1.8、Fe=2.0、Co=7.75、Ni=1.5、Cs=0.30であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で担持した。
こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E8)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
比較例1
蒸留水12000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム3000gと硝酸セシウム55.2gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト2782g、硝酸第二鉄1144g、硝酸ニッケル412gを蒸留水2300mlに溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸292mlを加えて酸性にした蒸留水1215mlに硝酸ビスマス1167gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=1.7、Fe=2.0、Co=6.75、Ni=1.0、Cs=0.20であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で担持した。
こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E9)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
比較例2
蒸留水2000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム450gと硝酸セシウム12.4gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、蒸留水341mlに、硝酸コバルト417g、硝酸第二鉄128gを溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸52mlを加えて酸性にした蒸留水182mlに硝酸ビスマス206gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=2.0、Fe=1.5、Co=6.75、Cs=0.3であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して40質量%を占める割合で担持した。こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E10)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
比較例3
蒸留水2500mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム450gと硝酸セシウム8.2gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト482g、硝酸第二鉄103g、硝酸ニッケル74gを蒸留水341mlに溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸32mlを加えて酸性にした蒸留水182mlに硝酸ビスマス103gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=1.0、Fe=1.2、Co=7.80、Ni=1.2、Cs=0.20であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で担持した。
こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E11)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
実施例1〜8及び比較例1〜3の有機酸添加条件とアンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率(L/H)を表1に示した。また、実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた触媒の酸化反応試験の結果を表2に示した。
Figure 2012115825
Figure 2012115825
実施例9
蒸留水2000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム450gと硝酸セシウム3.8gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト456g、硝酸第二鉄158gを蒸留水500mlに溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸48mlを加えて酸性にした蒸留水200mlに硝酸ビスマス190gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、最後にシュウ酸43gを添加し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=13、Bi=2.0、Fe=2.0、Co=8.0、Cs=0.1であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(アルミナ、粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で、担持した。こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E12)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
比較例4
蒸留水12000mlを加熱攪拌しながらモリブデン酸アンモニウム3000gと硝酸セシウム55.2gを溶解して水溶液(A)を得た。別に、硝酸コバルト2782g、硝酸第二鉄1144g、硝酸ニッケル412gを蒸留水2300mlに溶解して水溶液(B)を、また濃硝酸292mlを加えて酸性にした蒸留水1215mlに硝酸ビスマス1167gを溶解して水溶液(C)をそれぞれ調製した。上記水溶液(A)に(B)、(C)を順次、激しく攪拌しながら混合し、最後にクエン酸3000gを添加し、生成した懸濁液をスプレードライヤーを用いて乾燥し、460℃で5時間焼成し予備焼成粉末(D)を得た。このときの触媒活性成分の酸素を除いた組成比は原子比でMo=12、Bi=1.7、Fe=2.0、Co=6.75、Ni=1.0、Cs=0.20であった。
その後、予備焼成粉末(D)100質量部に結晶性セルロース5質量部を混合した粉末を不活性担体(粒径4.0mm)に成型後の触媒に対して45質量%を占める割合で担持した。こうして得た成型物を520℃で5時間焼成し酸化触媒(E13)を得た。得られた触媒のアンモニア昇温脱離スペクトルを測定したところ、100〜400℃の範囲に1つのピークを有しており、400℃以上の範囲に1つのピークを有していた。100〜400℃の範囲のピークの頂点は200℃付近に存在し、400℃以上の範囲のピークの頂点は600℃付近に存在していた。
実施例9及び比較例4の有機酸添加条件とアンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率(L/H)を表3に示した。また、実施例9及び比較例4で得られた触媒の酸化反応試験の結果を表4に示した。
Figure 2012115825
Figure 2012115825
試験例
実施例1及び比較例1で得られた触媒の酸化反応試験により得られた反応生成物に含まれる高沸点物質を定量した。実施例1で得られた触媒の高沸点物質収率は0.05%であったのに対し、比較例1で得られた触媒の高沸点物質収率は0.12%であった。
また、実施例6および実施例7で得られた触媒の高沸点物質収率は0.04%と0.05%であった。
本発明の方法により製造されたモリブデン、ビスマスを含む複合酸化物触媒は、イソブチレン及びt−ブチルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を、酸化触媒組成物の存在下に、分子状酸素含有ガスを用いて気相接触酸化してメタクロレインを製造する際に用いられる触媒として高活性であり、且つ高沸点化合物の副生が少なく、メタクロレインを安定に高収率で得ることができる。

Claims (12)

  1. 成分元素としてモリブデン、ビスマスを少なくとも含有する触媒であって、アンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率が0.14以下であることを特徴とするメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒。
  2. 成分元素としてモリブデン、ビスマスを少なくとも含有する供給源化合物の水性系での一体化工程において、有機酸を添加することを特徴とする請求項1記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒。
  3. 前記アンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率が0.12以下であることを特徴とする請求項2記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒。
  4. 前記アンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率が0.10以下であることを特徴とする請求項2記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒。
  5. 前記有機酸の沸点が110℃以上である請求項2から4のいずれか1項に記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒。
  6. 前記有機酸が脂肪酸である請求項2から5のいずれか1項に記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒。
  7. 前記有機酸が炭素数1〜10の脂肪酸である請求項2から6のいずれか1項に記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒。
  8. 前記有機酸が酢酸、プロピオン酸、酪酸、または吉草酸である請求項2から7のいずれか1項に記載のメタクロレインおよび/またはメタクリル酸製造用触媒。
  9. 該触媒が成形触媒であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のメタクロレインおよびメタクリル酸製造用触媒。
  10. 前記有機酸の添加量がモリブデン原料100質量部に対して0.1〜20質量部の割合であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のメタクロレインおよびメタクリル酸製造用触媒。
  11. 成分元素としてモリブデン、ビスマスを少なくとも含有するアンモニア昇温脱離法による高温側における触媒の酸量に対するアンモニア昇温脱離法による低温側における触媒の酸量の比率が0.14以下であることを特徴とする複合酸化物触媒の製造方法。
  12. 成分元素としてモリブデン、ビスマスを少なくとも含有する供給源化合物の水性系での一体化工程において、有機酸を添加することを特徴とする請求項11記載の複合酸化物触媒の製造方法。
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