JP2012116165A - 平版印刷版用捨て版原版、平版印刷版用捨て版原版集積体、及び、平版印刷版用捨て版の製版方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム支持体上に、非感光性層、親水性層とをこの順に有し、350〜550nmに吸収極大を有する着色剤を該非感光性層、及び/又は、該親水性層に含有し、マット剤を該親水性層に含有することを特徴とする平版印刷版用捨て版原版、前記捨て版原版を合紙を介さずに直接複数積層したことを特徴とする捨て版原版集積体、並びに、前記捨て版原版を用意する捨て版原版調製工程、及び、前記捨て版原版をアルカリ現像液で現像処理して捨て版とする現像工程、を含むことを特徴とする平版印刷版用捨て版の製版方法。
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、マット剤の保持性、耐キズ性、平版印刷版用捨て版原版同士の接着防止性、セッター搬送性に優れ、かつ良好なカラーセンサー適性を有し、現像後の残色が少ない平版印刷版用捨て版原版、及び、平版印刷版用捨て版原版集積体を提供すること、並びに、前記平版印刷版用捨て版原版を用いた平版印刷版用捨て版の製版方法を提供することである。
<1>アルミニウム支持体上に、非感光性層と、親水性層とを、この順に有し、350〜550nmに吸収極大を有する着色剤を、該非感光性層、及び/又は、該親水性層に含有し、マット剤を該親水性層に含有することを特徴とする平版印刷版用捨て版原版、
<2>該平版印刷用捨て版原版が、低分子酸性化合物を含有する下塗り層を支持体と非感光性層との間にさらに有する、<1>に記載の平版印刷版用捨て版原版、
<3>該着色剤を該親水性層に含有し、該非感光性層が低分子酸性化合物を含有する、<1>又は<2>に記載の平版印刷版用捨て版原版、
<4>該非感光性層が、水溶性バインダーポリマー又は水不溶性かつアルカリ可溶性のバインダーポリマーを含む、<1>〜<3>いずれか1つに記載の平版印刷版用捨て版原版、
<5>該親水性層が、親水性ポリマーを含む、<1>〜<4>いずれか1つに記載の平版印刷版用捨て版原版、
<6>該マット剤が、その表面をシリカで被覆したシリカ被覆有機樹脂粒子、及び/又は、親水性表面を有する有機樹脂粒子である、<1>〜<5>いずれか1つに記載の平版印刷版用捨て版原版、
<7>該支持体が、ブラシグレインによる疎面化処理、電解グレインによる疎面化処理、及び陽極酸化処理を行った表面を有するアルミニウム支持体である、<1>〜<6>いずれか1つに記載の平版印刷版用捨て版原版、
<8>さらにバックコート層を有する、<1>〜<7>いずれか1つに記載の平版印刷版用捨て版原版、
<9><1>〜<8>いずれか1つに記載の平版印刷版用捨て版原版を、合紙を介さずに直接複数積層したことを特徴とする平版印刷版用捨て版原版集積体、
<10><1>〜<8>いずれか1つに記載の平版印刷版用捨て版原版を用意する平版印刷版用捨て版原版調製工程、及び、該平版印刷版用捨て版原版をアルカリ現像液で現像処理して平版印刷版用捨て版とする現像工程、を含むことを特徴とする平版印刷版用捨て版の製版方法、
<11>さらに、該現像工程の前に、該平版印刷版用捨て版原版が露光機内を通過する搬送工程を含む、<10>に記載の平版印刷版用捨て版の製版方法、
<12>該搬送工程で、露光機がカラーセンサーを備え、該平版印刷版用捨て版原版と、感光性の平版印刷版原版とを識別する、<11>に記載の平版印刷版用捨て版の製版方法。
本発明の平版印刷版用捨て版原版は、アルミニウム支持体上に、非感光性層とマット剤を含む親水性層とをこの順に有し、非感光性層、及び/又は親水性層に、350〜550nmに吸収極大を有する着色剤を含有することを特徴とする。
また本発明の平版印刷版用捨て版原版は、350〜550nmに吸収極大を有する着色剤を含有する層よりも下層側の層に低分子酸性化合物を含有することを第二の特徴とする。
以下、本発明の平版印刷版用捨て版原版について詳細に説明する。なお、本明細書において、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」と同義であり、数値範囲の両端をその範囲内に含むものとする。
本発明の非感光性層、及び/又は、親水性層には含有される着色剤は、350〜550nmに吸収極大を有し、その吸収極大における吸光度Xが0.2以上であることが好ましい。これにより良好なカラーセンサー適性を付与することができる。
本発明の非感光性層、及び/又は、親水性層に含有される着色剤として用いられる染料としては、350〜550nmに吸収極大を有すものであれば公知の染料を使用可能である。その中でも特に、天然着色料として古くから知られている、特開2009−263638号、特許第3272256号に記載のクルクミノイドが有用に用いられる。クルクミノイドは、クルクミンとその類縁体であるデメトキシクルクミン及びビスデメトキシクルクミンを含む化合物の総称であり、ポリフェノールの一種でもある。尚、ここでクルクミノイドとは、クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、ヤクチノンA,ヤクチノンB等の直鎖状ジアリルヘプタノイドのほか、これら直鎖状ジアリルヘプタノイドの塩、エステル、並びにその他直鎖状ジアリルヘプタノイドの類縁化合物、たとえばクルクミンの重合物と呼ばれているカシュムニンA、カシュムニンB、及びカシュムニンCなどの総称である。
これら着色剤として用いられる染料又は顔料の中でも、非感光性層、及び/又は、親水性層に含有させた際に、350〜550nmの領域に吸光度0.20以上となる吸収を有するものが好ましい。より好ましくは0.30以上1.5以下であり、さらに好ましくは0.40以上1.0以下である。吸光度が0.20未満ではカラーセンサーによる判別が不安定であり、1.5以上では長期間保存した場合に残色となる場合がある。
なお、この吸光度は、着色剤の添加量で決定される。本発明における着色剤の極大吸収波長及び吸光度は、(株)島津製作所製、U−3010型分光光度計反射スペクトル測定装置により、非感光性層未塗布の支持体を基準として測定した。
本発明においては、350〜550nmに吸収極大を有する着色剤を含有する層よりも下層側の層に低分子酸性化合物を含有することが好ましい。すなわち、着色剤を親水性層に有する場合は、低分子酸性化合物は非感光性層、及び/又は、下塗り層に含有され、着色剤を非感光性層に有する場合には、低分子酸性化合物は下塗り層に含有されることが好ましい。
汚れの防止という観点から、低分子酸性化合物の重量平均分子量は、300以下が好ましく、250以下がより好ましい。
低分子酸性化合物は、リン酸・ホスホン酸系化合物、スルホン酸系化合物、カルボン酸系化合物など、酸基の種類で分類することができる。この低分子酸性化合物の酸基の種類によっては、着色剤の支持体吸着を抑制することによる現像後の残色発生防止効果、非感光性層へのアルカリ現像液の浸透促進による印刷時の汚れ発生防止効果への寄与率がそれぞれ異なるため、複数の種類の低分子酸性化合物を組み合わせて用いることが好ましい。 また、低分子酸性化合物における酸基は、塩構造を形成していてもよいが、フリーの酸性水素基である方が、着色剤が支持体表面に吸着することによる残色を発生し難くなり好ましい。
また、リン酸・ホスホン酸系化合物、スルホン酸系化合物、及びカルボン酸系化合物を、それぞれ1種ずつ組み合わせて使用することが好ましい。
本発明の平版印刷版用捨て版原版は、アルミニウム支持体を有し、アルミニウム支持体としては、親水化処理されたアルミニウム支持体が好ましい。
具体的には、アルミニウム及びアルミニウム被覆された複合支持体が好ましく、さらに、鉄を0.1〜0.5重量%、ケイ素を0.03〜0.3重量%、銅を0.001〜0.03重量%、さらにチタンを0.002〜0.1重量%含有する1Sアルミニウム板であることがより好ましい。
エッチング浴には、アルミニウムイオンをアルカリの5分の1程度加えてもよい。次いで、10〜30重量%硝酸又は硫酸水溶液に20〜70℃の温度で5〜25秒間浸漬して、アルカリエッチング後の中和及びスマット除去を行う。
粗面化処理に電解エッチングが用いられる際の電解浴としては、酸、アルカリ又はそれらの塩を含む水溶液あるいは有機溶剤を含む水性溶液が用いられ、これらの中でも、特に、塩酸、硝酸又はそれらの塩を含む電解液が好ましい。ブラシ研磨には、パミストン−水懸濁液とナイロンブラシとを用いるのが好ましく、平均表面粗さを0.25〜0.9μmとすることが好ましい。
また、この電解液には必要に応じて硝酸塩、塩化物、モノアミン類、ジアミン類、アルデヒド類、リン酸、クロム酸、ホウ酸、シュウ酸アンモニウム塩等の腐蝕抑制材(又は安定化剤)、砂目の均一化剤などを加えることができる。また、電解液中には、適当量(1〜10g/リットル)のアルミニウムイオンを含んでいてもよい。
電解エッチング処理は、通常10〜60℃の電解液の温度で行われる。この際に使用される交流電流は、正負の極性が交互に交換されたものであれば、矩形波、台形波、正弦波いずれのものも用いることができ、通常の商用交流の単相及び三相交流電流を用いることができる。また電流密度は、5〜100A/dm2で、10〜300秒間処理することが望ましい。
本発明における支持体表面の親水化処理としては、例えば、アルカリ金属珪酸塩により処理(例えば、珪酸ナトリウム水溶液による処理)や、水溶性樹脂を用いた処理等が挙げられる。このような親水化処理は、組み合わせて適用されてもよい。
水溶性樹脂を用いた親水化処理としては、水溶性樹脂を溶解した液に支持体基板を浸漬する処理方法が挙げられる。親水化処理は、前記粗面化処理や所望により行われる陽極酸化処理の後に施されるものである。
本発明の平版印刷版用捨て版原版は、非感光性層を有する。
非感光性層は、水溶性バインダーポリマー又は水不溶性且つアルカリ可溶性のバインダーポリマー(以下、「バインダーポリマー」ともいう。)を含むことが好ましい。また、非感光性層は、350〜550nmに吸収極大を有する着色剤、及び、低分子酸性化合物を含有することができる。
本発明における非感光性層では、バインダーポリマーとして、水溶性バインダーポリマー又は水不溶性且つアルカリ可溶性のバインダーポリマーが用いられる。これらの中でも、水溶性のバインダーポリマーはプレート同士が接着し易い傾向があるため、水不溶性且つアルカリ可溶性のバインダーポリマーの方が好ましい。
式(II)中、R2は水素原子又は炭化水素基を表す。R2としては、好ましくは、水素原子、炭素数1〜8個の無置換のアルキル基、炭素数6〜15個の無置換のアリール基が挙げられる。
式(II)、式(III)中、R3、R4、R5は、それぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表す。二価の連結基としては例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜20個の無置換のアルキレン基、炭素数6〜15個の無置換のアリーレン基が挙げられ、さらに好ましいものとしては炭素数1〜8個の無置換のアルキレン基が挙げられる。
式(III)中、Arは三価の芳香族炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族炭化水素基を示す。
なお、R1〜R5、及びArは前記イソシアネート基と反応しない置換基を有していてもよい。
使用するジイソシアネート及びジオール化合物のモル比は、好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理し、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
本発明における非感光性層には、前記各成分の他に、種々の添加剤を併用することができる。その他の添加剤としては、例えば、溶解促進のための可塑剤、フッ素系界面活性剤等の塗布面質改良剤などが挙げられる。
非感光性層の膜pHとしては、着色剤の吸着防止及び支持体に施される陽極酸化皮膜の腐食防止の観点から、2.5〜5.5が好ましく、特に3.0〜5.2が好ましい。なお、膜pHは、400cm2の平版印刷版用捨て版原版を、2−メトキシエタノール100gに浸漬・溶解し、純水を30cc加え、pH測定を行った値である。
本発明における非感光性層は、非感光性層を形成するための各成分を、公知の種々の塗布溶剤に溶解して非感光性層形成用塗布液を調製し、支持体上に、塗布、乾燥することにより形成することができる。
塗布する際の非感光性層形成用塗布液中の固形分濃度は、1.0〜50重量%が適当であり、好ましくは2.0〜30重量%である。
非感光性層形成用塗布液が塗布された支持体は、好ましくは50〜150℃で乾燥される。乾燥方法は、初め温度を低くして予備乾燥した後、高温で乾燥させてもよいし、直接高温で乾燥させてもよい。
非感光性層の乾燥塗布重量は、キズつき防止能力及び現像時の溶解除去性能の観点から、0.2〜1.5g/m2であることが好ましく、0.3〜1.0g/m2であることがより好ましい。
本発明の平版印刷版用捨て版原版は、マット剤を含む親水性層を有する。親水性層は、親水性ポリマーを含むことが好ましい。また350〜550nmの吸収極大を有する着色剤を含有することができる。
親水性層は、マット剤を含む。このような、マット剤として働く粒子に望まれる基本的特性は、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、空気中の湿分や、温度によって、軟化したり、ベトついたりすることがない樹脂であって、最上部の親水性層に添加することで、その表面に適当な凹凸を付与し、接触面積を減少させるものが好ましい。
こすりキズ抑制の観点からは、マット剤は、硬いアルミニウム支持体表面とこすれた時に生じる応力を緩和できるものが好ましい。さらに、マット剤は親水性層のバインダーとなる親水性ポリマー、好ましくは、親水性層に汎用のポリビニルアルコールと親和性が高く、膜中によく混練され、且つ、皮膜形成後においても、膜表面から脱離し難いものが好ましい。
マット剤としては、基本的特性を満たすものであれば公知のものを用いることができ、限定されないが、本発明においては、その表面をシリカで被覆したシリカ被覆有機樹脂粒子、及び/又は、親水性表面を有する有機樹脂粒子が好ましい。
シリカ被覆有機樹脂粒子は、有機樹脂からなる粒子をシリカで表面被覆してなる。シリカ被覆有機樹脂粒子は、平版印刷版用捨て版原版の親水性層表面と隣接する平版印刷版用捨て版原版のアルミニウム支持体裏面との接着、及び、親水性層表面とアルミニウム支持体裏面との間で生じるこすりキズを抑制するため好ましい。
シリカは必ずしも有機樹脂粒子表面全域を被覆している必要はなく、少なくとも有機樹脂粒子に対し、0.5重量%以上の量で表面被覆していれば本発明の効果を得ることができる。即ち、有機樹脂粒子の表面の少なくとも一部にシリカが存在することで、有機粒子表面におけるポリビニルアルコール等の親水性ポリマーとの親和性向上が達成され、外部応力を受けた場合でもマット剤の脱落が抑制され、優れた耐キズ性、耐接着性を維持することができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、有機樹脂粒子表面を被覆するシリカ層をさらに有機樹脂で被覆していてもよい。
シリカの表面被覆状態は、透過型電子顕微鏡(TEM)等による形態観察により確認することができ、また、シリカの被覆量は、蛍光X線分析などの元素分析によりSi原子を検知し、そこに存在するシリカの量を算出することで確認することができる。
このように、懸濁重合、あるいは懸濁架橋の際に条件を制御して所望の大きさの樹脂を得ることもできるが、このような制御を厳密に行うことなくシリカ付着有機樹脂粒子を生成した後、メッシュ濾過法により所望の大きさのシリカ被覆粒子を得ることもできる。
好ましい重量平均粒子径は1〜30μmφであり、1.5〜20μmφがより好ましく、2〜15μmφがさらに好ましい。この範囲において十分なスペーサー機能、マット性能を発現することができ、親水性層表面への固定化が容易で、外部からの接触応力に対しても優れた保持機能を有する。
また、親水性層全体に対するシリカ被覆有機樹脂粒子の添加量は、親水性層全固形分に対して0.5〜95重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ましく、2〜20重量%がさらに好ましい。
親水性層を形成するバインダーとしては、均一な皮膜を形成し得るものであれば特に制限はないが、除去性の観点から親水性であることを要し、さらに、以下に詳述する観点から、親水性ポリマーであることが好ましい。しかしながらこれに限定されるわけではなく、水不溶性ポリマーを本発明の効果を損なわない限りにおいて適宜選択して併用することも可能である。
このような観点から、親水性層のバインダー成分としては親水性ポリマーの中でも水溶性ポリマーが好ましく、特に、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが好ましい。ポリビニルアルコールは優れた皮膜形成性と低接着性の表面を有する。また、ポリビニルアルコールとカルボキシエチルセルロース等のセルロース誘導体とを併用することが好ましい。
本発明に係る親水性層は、例えば、ケン化度が91モル%以上のポリビニルアルコールを主成分とすることが好ましい。
本発明に係る特定親水性層の形成に好適に用いうる酸変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、(株)クラレ製の、KL−118、KM−618、KM−118、SK−5102、MP−102、R−2105、日本合成化学工業(株)製の、ゴーセランL−3266、ゴーセナールCKS−50、T−HS−1、T−215、T−350、T−330、T−330H、日本酢ビ・ポバール(株)製の、AF−17、AT−17等が挙げられる。
親水性層を形成する親水性ポリマーは1種のみを用いてもよく、目的に応じて複数種を併用してもよい。複数種の水溶性ポリマーを用いる場合においても、それらの総含有量が上記の重量範囲であることが好ましい。
親水性層中のポリビニルアルコールの塗布量等は、現像除去性、接着性・耐傷性を考慮して選択される。
親水性層の形成にあたっては、マット剤を親水性ポリマー等を含む水溶液中に直接添加してもよく、予めマット剤を水等の溶媒中に分散させた後に、親水性ポリマー等を含む水溶液中に分散させてもよい。分散方法としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、ボールミル、ペイントシェーカーなどの公知の簡易な分散機により分散する方法をとればよい。
親水性層には、前記各成分の他、本発明の効果を損なわない範囲において、界面活性剤等の種々の添加剤を目的に応じて添加することができる。
本発明の平版印刷版用捨て版原版における親水性層は単層構造であっても、複数の層を有する積層構造であってもよい。複数の層を有する場合には、最上層にマット剤を含有することが好ましく、マット剤を含有する上層とマット剤を含有しない下層とをあわせた親水性層がより好ましい。
親水性層には、雲母化合物を添加することが、耐キズ性向上の観点から好ましい。雲母化合物を併用する場合、雲母化合物は親水性層を構成する層のうち、いずれか一層に含まれていればよい。例えば、単層構造の親水性層の場合、これが最上層となるので、該親水性層には、マット剤、親水性ポリマーに加え、雲母化合物を添加することが好ましく、積層構造の親水性層の場合には、その最上層はマット剤と親水性ポリマーとを含有することが好ましく、雲母化合物は最上層に含まれていても、記録層近傍側の他の層中にバインダー、好ましくは水溶性ポリマーとともに含まれていてもよい。
シリカ被覆粒子に対し、上記範囲において、分散性向上効果及びアルミニウム支持体裏面と擦り合わせた時の耐キズ性の向上を両立することができる。複数種の雲母化合物を併用した場合でも、これらの雲母化合物の合計の量が上記の重量比であることが好ましい。また、積層構造を有する親水性層の場合、複数ある層のいずれかに雲母化合物を用いればよいが、当該層がシリカ被覆粒子を含まない層である場合には、水溶性ポリマー100重量部に対して、雲母化合物を5〜50重量部の割合で添加することが好ましい。
本発明における親水性層は、マット剤を分散させた分散液と所望により併用される雲母化合物を分散させた分散液とを撹拌混合し、その分散液と、ポリビニルアルコールを含むバインダー成分(又は、ポリビニルアルコールを含むバインダー成分を溶解した水溶液)と、を配合してなる親水性層形成用塗布液を、非感光性層上に塗布することで形成することができる。なお、親水性層形成用塗布液の調製時におけるマット剤、雲母化合物及び親水性ポリマーの配合順序は、目的に応じて適宜変更することも可能である。具体的には、例えば、既述の如く、粉体で供給される粒子成分を、親水性ポリマー溶液中に直接添加して分散させることもできる。また、予め調製された粒子分散液に併用する他の粒子を直接添加して分散させることもできる。
なお、複数の層構成を有する親水性層であって、雲母化合物が最上層ではなく、より記録層の近傍に存在する層に添加される場合には、当該層には、マット剤を配合する必要がないことから、最上層の親水性層形成用塗布液は既述のように調製し、雲母化合物を含む層は、以下に詳述する方法により雲母化合物を分散させた塗布液を用いて形成すればよい。
この分散物を用いて親水性層形成用塗布液を調製する際には、マット剤水分散物とを混合し、充分撹拌した後、ポリビニルアルコールを含むバインダー成分(又は、特定ポリビニルアルコールを含むバインダー成分を溶解した水溶液)と配合して調製するのが好ましい。同一層においてマット剤などと共存しない場合には、この分散物とバインダー成分とを配合して調製すればよい。
水溶性の可塑剤としては、例えば、プロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーを加えることもできる。さらに、この塗布液には、記録層との密着性、塗布液の経時安定性を向上するための公知の添加剤を加えてもよい。
親水性層が積層構造を有する場合、マット剤を含有する最上層の塗布量は、0.1〜3.0g/m2が好ましく、0.5〜2.0g/m2がより好ましい。最上層と非感光性層との間に設けられる親水性層の塗布量は、0.1〜2.0g/m2が好ましく、0.2〜1.0g/m2がより好ましい。
親水性層が積層構造を有する場合、最上層と記録層との間に設けられる層には、親水性ポリマーと雲母化合物とを含有することが、耐キズ性向上という観点から好ましい。
本発明に係る平版印刷版用捨て版原版には、非感光性層の現像性や汚れ性を改善する目的で、非感光性層と支持体との間に下塗り層を設けてもよい。このような下塗り層の具体例としては、特公昭50−7481号、特開昭54−72104号、特開昭59−101651号、特開昭60−149491号、特開昭60−232998号、特開平3−56177号、特開平4−282637号、特開平5−16558号、特開平5−246171号、特開平7−159983号、特開平7−314937号、特開平8−202025号、特開平8−320551号、特開平9−34104号、特開平9−236911号、特開平9−269593号、特開平10−69092号、特開平10−115931号、特開平10−161317号、特開平10−260536号、特開平10−282682号、特開平11−84674号、特開平11−38635号、特開平11−38629号、特開平10−282645号、特開平10−301262号、特開平11−24277号、特開平11−109641号、特開平10−319600号、特開平11−84674号、特開平11−327152号、特開2000−10292号、特開2000−235254号、特開2000−352854号、特開2001−209170号等に記載のものを挙げることができる。
また下塗り層には、前述の低分子酸性化合物を含有することができる。
この低分子酸性化合物を下塗り層に添加する場合には、着色剤の現像後の残色防止という観点から、低分子酸性化合物は、重量平均分子量250以下のリン酸・ホスホン酸系化合物、スルホン酸系化合物、カルボン酸系化合物が好ましく、この中でもリン酸が最も好ましい。
下塗り層中のこの低分子酸性化合物の添加量は、0.5〜20mg/m2であることが好ましく、1〜10mg/m2であることがより好ましく、3〜8mg/m2であることが最も好ましい。
本発明の平版印刷版用捨て版原版は、感光性平版印刷版原版の感光性層に替えて、非感光性層を有する。非感光性層には、バインダーポリマーとして、水不溶性且つアルカリ可溶性のバインダーポリマーが好ましく用いられる。非感光性層の塗布量(固形分)は、0.2〜1.5g/m2であることが好ましい。
本発明の平版印刷用捨て版原版は、上記非感光性層の上に親水性層を保護層として有する。親水性層には、親水性バインダーポリマーが好ましく用いられ、非感光性層との密着性に優れ、現像工程で容易に除去できるポリビニルアルコールのような水溶性バインダーポリマーがより好ましく用いられる。親水性層は、マット剤を含有し、単層でも複数の層でもよい。複数の層の場合には、最外層にマット剤を含有することが好ましい。ここで最外層とは、支持体から最も離れた層のことである。親水性層の塗布量(固形分)は、0.2〜5.0g/m2であることが好ましい。
本発明の平版印刷用捨て版原版において、支持体と非感光性層との間に下塗り層を設けてもよい。下塗り層は、非感光性層の支持体との密着性の向上や、非感光性層の現像性や汚れ性を改善する目的で設けられる。下塗り層には、低分子酸性化合物及び下塗り層に好ましいバインダー等が用いられる。下塗り層の塗布量(固形分)は、1〜100mg/m2であることが好ましい。
支持体に表面処理を施した後、又は、下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコート層を設けることができる。
バックコート層としては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4等のケイ素のアルコキシ化合物を用いることが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
本発明の平版印刷版用捨て版原版集積体は、本発明の平版印刷版用捨て版原版を合紙を介さずに直接複数積層したことを特徴とする。
本発明の平版印刷版用捨て版原版は、親水性層にマット剤を含有するため、平版印刷版用捨て版原版同士の接着防止性に優れる。従って、平版印刷版用捨て版原版を積層する際に、1つの平版印刷版用捨て版原版ともう1つの平版印刷版用捨て版原版との間に合紙がなくても接着することがない。また、親水性層にマット剤を含有することで、耐キズ性に優れた平版印刷版用捨て版原版及びその集積体を提供することができる。
本発明の平版印刷版用捨て版の製版方法は、本発明の平版印刷版用捨て版原版を用意する平版印刷版用捨て版原版調製工程、及び、前記平版印刷版用捨て版原版をアルカリ現像液で現像処理して平版印刷版用捨て版とする現像工程、を含むことを特徴とし、好ましくは、前記現像工程の前に、前記平版印刷版用捨て版原版が露光機内を通過する工程を含む。なお、平版印刷版用捨て版原版は、合紙を介さずに直接複数積層した平版印刷版用捨て版原版集積体から取り出したものが好ましい。以下、本発明の平版印刷版用捨て版の製版方法について詳細に説明する。
また、本発明においては、平版印刷版用捨て版原版が350〜800nmの領域に吸光度が0.20以上である吸収極大を複数有する場合には、そのうち1つの吸収極大において、平版印刷版用捨て版原版の吸光度Xと感光性平版印刷版原版の吸光度Yとの間に±0.10以上の差があればよい。このように、平版印刷版用捨て版原版の有する、ある極大吸収波長において、平版印刷版用捨て版原版と感光性平版印刷版原版との吸光度に上記のような差があることから、カラーセンサー等により両版の識別が可能となる。
まず、本発明におけるCTP(Computer to plate)製版システムについて説明する。本発明におけるCTP製版システムは、好ましくは感光性平版印刷版原版及び平版印刷版用捨て版原版を、レーザー光照射による露光処理を行う露光処理部と、現像処理を行う現像処理部と、をこの順に備える。
以下、本発明におけるCTP製版システムの例示的一態様について、図面を参照して詳細に説明する。ここで、図1は、本発明に係るCTP製版システムの例示的一態様の概略構成を示す斜視図である。
また、処理する版が感光性平版印刷版原版か平版印刷版用捨て版原版のいずれかであるかを、制御装置95から送信された識別信号によって、プレートセッター10内の制御部が検知するようになっている。なお、本発明の平版印刷版用捨て版原版は、親水性層にマット剤を含み、合紙がなくても版同士で接着することがなく、また、耐キズ性が高い。従って、本発明においては、プレートセッターには、合紙を剥がすための手段や、合紙用のゴミ箱を必要としない。
以上のプレートセッター10として、市販装置では、例えば、CreoScitex社製TrenndsetterNews200、KPG社製NewssetterTH180、富士フイルム(株)製Luxel T−9000CTP、Krause社製LaserStar170T、大日本スクリーン製造(株)製HS、松下電送(株)製サーマルセッターGX9900、NEC社製サーマルセッター Amzisetter、(株)Creo製サーマルセッター等が挙げられる。
まず、プレート収納カセットに収納された感光性平版印刷版原版及び平版印刷版用捨て版原版の表面に合紙が装着されている場合は、自動合紙取り機構によって合紙が剥離除去される。そして、合紙が除去された版が感光性平版印刷版原版の場合は、露光部の露光用ドラムに装着されて、レーザー光源によるレーザー光照射によって画像露光される。そして、露光処理を終えた露光用ドラム上の印刷版原版は、露光用ドラムから剥離され、次工程へと搬出される。一方、合紙が除去された版が平版印刷版用捨て版原版の場合は、露光処理されずに、次工程へと搬出される。
具体的には、加熱オーブン40は、図2に示すように、版に所定の加熱を行うための加熱手段42を有する加熱ゾーン43と、加熱処理後の版を冷却するファン44等を有する空冷ゾーン45と、これら加熱ゾーン43と空冷ゾーン45とに版を順次搬送するための金属製の搬送ベルトを有する搬送手段としての搬送コンベヤ46と、該搬送コンベヤ46の搬送ベルトを懸架する搬送ローラ47を駆動するモータ駆動部48と、少なくともこのモータ駆動部48の動作を制御する制御部51と、を備えた構成である。この構成によれば、モータ駆動部48が搬送ローラ47の少なくともいずれかを駆動することで搬送コンベヤ46の搬送ベルトが移動して、搬送ベルト上に載置された版を、プレートセッター10側から加熱ゾーン43、空冷ゾーン45を通過して、自動現像機60側に搬出するようになる。
なお、搬送コンベヤ46による搬送速度が可変となるように、モータ駆動部48は、回転速度が増減可能なモータ駆動回路を採用していてもよい。制御部51は、制御装置95から送信された識別信号によって、処理する版が感光性平版印刷版原版又は平版印刷版用捨て版原版のいずれであるかを検知して、検知した版の種類に応じて、モータ駆動部48を制御することで、加熱オーブン40内での版の通過速度を切り換える。従って、制御部51が搬送速度の速度切り換え手段として機能する。つまり、平版印刷版用捨て版原版の場合は、印刷版原版のように露光した感光層がないので、感光性平版印刷版原版と同じ加熱は必要がない。そこで、平版印刷版用捨て版原版の場合は、感光性平版印刷版原版の場合よりも通過速度を高め、高速搬送するように設定することが好ましい。
この加熱オーブン40としては、市販品では、例えば、Wisconsin社Oven SPCシリーズ、Unigraph社Oven CPOシリーズに、版の種類に応じて版の通過速度を変更する手段を追加することで、これを使用することができる。
そして、現像部61の挿入口70には、版の搬入を検知するセンサ68が装備されていて、該センサ68によって版の搬入が検出されると、搬送手段72によって、現像部61、水洗部63、フィニッシャー部65、乾燥部67に順に送られて、排出口74から排出される。なお、場合により、加熱オーブン40の代わりに現像部61の前段にプレヒート部を設けてもよく、加熱部分がなくてもよい。
現像槽81には、版の処理等に応じたアルカリ現像液82の劣化・消耗を補うために、現像補充原液(濃縮現像液)や薄め液(通常は、蒸留水)を適時補充する。また、図示はしていないが、現像槽81内のアルカリ現像液82は、ヒータやクーラーによって温度制御される。
前記自動現像機60及び自動現像機1において、感光性平版印刷版原版と平版印刷版用捨て版原版との両方を効率よく現像する観点から、下記に示す各成分を含有する現像液を用いることが好ましい。なお、この現像液は、現像補充液(現像補充原液)として用いることもできる。かかる現像液としては、芳香族アニオン界面活性剤を含有していることが好ましい。
本発明における現像液に用いられる芳香族アニオン界面活性剤は、現像促進効果、感光性平版印刷版原版の感光層成分及び平版印刷版用捨て版原版の非感光性層の現像液中での分散安定化効果がある。本発明に用いられる芳香族アニオン界面活性剤としては、特開2005−283676号公報の段落0043〜0050に記載された芳香族アニオン界面活性剤を好ましく用いることができる。これら芳香族アニオン界面活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
芳香族アニオン界面活性剤の添加量は、現像液中における芳香族アニオン界面活性剤の濃度が1.0〜10重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは2〜10重量%の範囲とすることが効果的である。
現像液には、例えば、硬水に含まれるカルシウムイオンなどによる影響を抑制する目的で、2価金属に対するキレート剤を含有させることが好ましい。2価金属に対するキレート剤としては、例えば、Na2P2O7、Na5P3O3、Na3P3O9、Na2O4P(NaO3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;2−ホスホノブタノントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2、2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類を挙げることができ、中でも、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩、;ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩が好ましい。
このようなキレート剤の最適量は使用される硬水の硬度及びその使用量に応じて変化するが、使用時の現像液中に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲で含有させる。
現像液には、消泡剤として、アセチレンアルコール及びアセチレングリコールから選択される少なくとも1種の化合物を添加することが好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、双方を併用してもよい。アセチレンアルコールとは、分子内にアセチレン結合(三重結合)をもつ不飽和アルコールである。また、アセチレングリコールとは、アルキンジオールとも呼ばれ、分子内にアセチレン結合(三重結合)をもつ不飽和グリコールである。具体的には、特開2005−283676号公報の段落0052〜0057に記載されたアセチレンアルコール及びアセチレングリコールを好ましく用いることができる。
現像液中の消泡剤の添加量は、消泡効果及び耐刷性の観点から、0.0001重量%以上であることが好ましく、特に好ましくは、0.0005〜0.1重量%である。
現像液に用いられるアルカリ剤としては、例えば、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、及び同リチウムなどの無機アルカリ剤及び、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤等が挙げられる。本発明においては、これらを単独で用いてもよいし、若しくは2種以上を組み合わせて混合して用いてもよい。
また、上記以外のアルカリ剤として、アルカリ珪酸塩を挙げることができる。アルカリ珪酸塩は塩基と組み合わせて使用してもよい。使用するアルカリ珪酸塩としては、水に溶解したときにアルカリ性を示すものであって、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウムなどがある。これらのアルカリ珪酸塩は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、現像液中のアルカリ珪酸塩の濃度としては、支持体の陽極酸化皮膜の溶解(エッチング)抑制効果、現像性、沈殿や結晶生成の抑制効果、及び廃液時における中和の際のゲル化防止効果などの観点から、現像液の重量に対して、SiO2量として、0.01〜1mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜0.8mol/Lの範囲で使用される。
以上に示したCTP製版システム100は、概略的には次のように動作する。ここで、図5は製版装置の処理の流れを概略的に示したブロック図である。
まず、感光性平版印刷版原版集積体と平版印刷版用捨て版原版集積体とを、プレートセッター10のプレート収納カセットに予め収納しておく。
そして、制御装置95に接続されたキーボード等の入力部97から、装置の製版開始スイッチが押下されると、製版データ等の上位システムからの指示に応じて、制御装置95がプレートセッター10に感光性平版印刷版原版に対する露光データを送信する一方、現像処理する版が平版印刷版原版か平版印刷版用捨て版原版のいずれであるかを判別するための識別信号や現像する版の処理面積情報等を自動現像機60に通知する。なお、入力部97は、プレートセッター10、加熱オーブン40、自動現像機60に設けたセンサであってもよく、このセンサにより感光性平版印刷版原版か平版印刷版用捨て版原版かを判定して識別信号を出力する構成としてもよい。センサーはカラーセンサーであることが好ましい。
まず、現像処理する版が感光性平版印刷版原版であることを示す識別信号が上位のシステム(コンピュータ)から送信されたか否かを判定し(ステップ21、以降はS21と略記する。)、版が感光性平版印刷版原版であることを示す識別信号があった場合には、下記の表1から、感光性平版印刷版原版の処理時に対する加熱オーブン40及び自動現像機60における搬送処理を設定したテーブルIを搬送速度条件として選択する(S22)。 そして、プレートセッター10に露光処理を実行するための指令とデータとを送信すると共に(S23)、加熱オーブン40及び自動現像機60にはそれぞれ通常の感光性平版印刷版原版用の搬送速度指令を送信する(S24,S25)。また、S25では、同時に、自動現像機60に、通常の感光性平版印刷版原版用の液補充量であることの制御指令を送信する。
一方、S31で、版が平版印刷版用捨て版原版であることを示す識別信号がないと判定された場合には、平版印刷版原版及び平版印刷版用捨て版原版のいずれも処理していないことを意味する。この場合には、処理を終了する。
印刷時、版上の汚れ除去のため使用するプレートクリーナーとしては、従来より知られているPS版用プレートクリーナーが使用され、例えば、CL−1、CL−2、CP、CN−4、CN、CG−1、PC−1、SR、IC(富士フイルム(株)製)等が挙げられる。
<支持体S−1の作製>
アルミニウム板は、下記のものをそれぞれ使用した。
厚さ0.30mmのアルミニウム版(Si:0.09重量%、Fe:0.30重量%、Cu:0.013重量%、Mn:0.001重量%、Mg:0.001重量%、Zn:0.001重量%、Ti:0.027重量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金)
表面処理は、以下の(a)〜(k)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後には、ニップローラで液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図7において、21はアルミニウム板、22及び24はローラ状ブラシ、23は研磨スラリー液、25、26、27及び28は支持ローラである。研磨剤の重量平均粒子径は30μm、最大粒子径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板を苛性ソーダ濃度2.6重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007重量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図8に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15重量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源の波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の炬形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電極部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1重量%水溶液の処理槽中へ、10秒間、浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行い、表面シリケート親水化処理された支持体を得た。
上記(a)、(e)〜(g)工程を省略し、(b)工程のアルミニウム板溶解量を5g/m2、(c)工程の硝酸水溶液温度を37℃、(d)工程の硝酸水溶液を10.0g/L、液温37℃、電流密度を35A/dm2、電気量を250C/dm2、(h)工程の苛性ソーダ濃度を26重量%、アルミニウムイオン濃度を7.5重量%、温度を35℃、アルミニウム板溶解量を0.2g/m2、としたアルミニウム板を支持体S−2とした。
また、上記(a)〜(d)工程を省略し、(e)工程のカセイソーダ濃度を27重量%、温度を70℃で行い、アルミニウム板溶解量を1.0g/m2、(g)工程の交流電圧を50Hz、電解液を塩酸14.0g/L水溶液、温度30℃、電流密度を75A/dm2、電気量を450C/dm2、(h)工程の温度を35℃としたアルミニウム板を支持体S−3とした。
各支持体の中心線平均粗さ(JIS B0601によるRa表示)を直径2μmの針を用いて測定したところ、支持体S−1、S−3は0.50μm、支持体S−2は0.30μmであった。
<下塗り層用塗布液U−1>
・下記ポリマー 0.3部
・純水 60.0部
・メタノール 939.7部
・ポリビニルホスホン酸 0.017部
・メタノール 9.00部
・水 1.00部
・上記ポリマー 8.0部
・リン酸 1.2部
・純水 60.0部
・メタノール 930.8部
<非感光性層形成用塗布液M−1>
・バインダーポリマーA 2.465部
・リン酸(85重量%水溶液) 0.08部
・スルホフタル酸(50重量%水溶液) 0.017部
・トリカルバリル酸 0.017部
・着色剤(VPB−Naps(ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩):保土ヶ谷化学(株)製) 0.0014部
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−780−F:大日本インキ化学工業(株)、MEKの30重量%溶液) 0.009部
・メチルエチルケトン(MEK) 7.93部
・メタノール 6.28部
・1−メトキシ−2−プロパノール(MFG) 2.01部
なお、前記バインダーポリマーAは、MFG/MEK=1/1の16重量%溶液、重量平均分子量85,000、酸含有量1.64meq/g、下記(1)〜(4)の4種類のモノマーの縮合反応物である。
(1)4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート 37.5モル%
(2)ヘキサメチレンジイソシアネート 12.5モル%
(3)2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸 32.5モル%
(4)テトラエチレングリコール 17.5モル%
・バインダーポリマーB 0.70部
・リン酸(85重量%水溶液) 0.08部
・スルホフタル酸(50重量%水溶液) 0.05部
・トリカルバリル酸 0.025部
・着色剤(VPB−Naps(ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩):保土ヶ谷化学(株)製) 0.0014部
・着色剤 クルクミン メタノール中の吸収極大波長(λmax)430nm
0.027部
・下記可塑剤A 0.115部
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−780−F:大日本インキ化学工業(株)、MEKの30重量%溶液) 0.009部
・メチルエチルケトン(MEK) 7.10部
・メタノール 5.65部
・1−メトキシ−2−プロパノール(MFG) 1.80部
なお、前記バインダーポリマーBは、MFG/MEK=1/1の16重量%溶液、重量平均分子量75,000、酸含有量1.58meq/g、下記(1)〜(5)の5種類のモノマーの縮合反応物である。
(1)4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート 42.5モル%
(2)ヘキサメチレンジイソシアネート 7.5モル%
(3)2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸 30.0モル%
(4)メタクリロイロキシメチルエチレングリコール 17.5モル%
(5)ポリエチレングリコール 2.5モル%
<オプトビーズ6500M水分散物の調製>
純水74部中に、分散安定性向上を目的として、ノニオン界面活性剤(日本乳化剤(株)製、エマレックス710)を3.0部とカルボキシメチルセルロース(第一工業製薬(株)セロゲンPR)を3.0部添加溶解する。この水溶液に、シリカ複合架橋メラミン樹脂粒子(日産化学工業(株)製、オプトビーズ6500M)20.0部を加え、(株)日本精機製作所製エースホモジナイザーで、10,000rpmで、15分間分散し、オプトビーズ6500M水分散物を得た。
・エマレックス710:ノニオン界面活性剤(日本乳化剤(株)製)
・セロゲンPR:カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬(株))
・オプトビーズ6500M:シリカ複合架橋メラミン樹脂粒子(日産化学工業(株)製)・アートパールJ−7P:シリカ複合架橋アクリル樹脂粒子(根上工業(株)製)
・アートパールU−800T:シリカ複合架橋ウレタン樹脂粒子(根上工業(株)製)
<親水性層形成用塗布液O−1の調製>
・合成雲母(ソマシフME−100、8%水分散液、コープケミカル(株)製)94部
・ポリビニルアルコール(CKS−50:ケン化度99モル%、重合度300、日本合成化学工業(株)製) 58部
・カルボキシメチルセルロース(セロゲンPR、第一工業製薬(株)製) 24部
・界面活性剤−1(BASF社製、プルロニックP−84) 2.5部
・界面活性剤−2(日本エマルジョン(株)製、エマレックス710) 5部
・シリカ複合有機樹脂粒子水分散物(オプトビーズ6500M水分散物) 15部
・純水 1,364部
表3に示す組成に変更した以外は、親水性層形成用塗布液O−1と同様にして、親水性層形成用塗布液O−2〜O−7を調製した。またO−1〜O−7の塗布液組成それぞれに、クルクミンを1.6部添加してO−11〜O−17の親水性層形成用塗布液を調製した。
・合成雲母:ソマシフME−100(8%水分散液、コープケミカル(株)製)
・ポリビニルアルコール:CKS−50(ケン化度99モル%、重合度300、日本合成化学工業(株)製)
・セロゲンPR:カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬(株)製)
・プルロニックP−84:界面活性剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(35E.O.)(40P.O.)、(株)ADEKA製)
・エマレックス710:界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、日本エマルジョン(株)製)
<バックコート層形成用塗布液>
・テトラエチルシリケート 50.0部
・純水 21.6部
・メタノール 10.8部
・硝酸 0.05部
上記成分を混合し撹拌すると5分で発熱した。そのまま10分間反応させた後メタノールを700部加え、これをバックコート層形成用塗布液とした。
(実施例1)
<平版印刷版用捨て版原版の調製>
調製した支持体S−1に対して、下塗り層用塗布液(U−1)を使用し、乾燥後の塗布量が1.5mg/m2になるように支持体上に塗布して、乾燥した。
非感光性層形成用塗布液M−1を、ワイヤーバーを用いて乾燥重量が0.7g/m2となるように塗布した。乾燥は、温風式乾燥装置にて90℃で27秒間乾燥させた。
非感光性層の表面に、前記親水性層形成用塗布液O−11をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させて親水性層を形成した。この親水性層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は1.8g/m2であった。
次に、表面処理しなかった支持体面に、前記バックコート層形成用塗布液をバーコーターで塗布したあと100℃で25秒乾燥し、乾燥後の塗布量が50mg/m2のバックコート層を設け、実施例1の平版印刷版用捨て版原版を得た。
本試料を、(株)島津製作所製U−3010型分光高度計反射スペクトル測定装置により測定したところ、430nmにクルクミンの吸収極大波長が観察された。
得られた平版印刷版用捨て版原版(縦30cm×横10cm)をエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDMゴム)にて、接触面積10cm2、荷重1kgで縦方向に擦るように移動させた。その後、EPDMゴムに透明なテープを貼り付けて剥がした。テープをスライドガラスに貼った後、マイクロスコープ(キーエンス製VHX−100F)にて600倍の倍率で観察し、脱落しているマット剤の数を数えた。
0〜20個を5点、21〜50個を4点、51〜100個を3点、101〜300個を2点、301個以上を1点とした。
得られた平版印刷版用捨て版原版20枚の間に合紙を挟むことなく積層して積層体を形成した。この積層体を、既にカセットにセットしてある平版印刷版用捨て版原版積層体の上にエッジから5cmずらして(積層した20枚の版材がカセット内の版材のエッジから5cm外側へ飛び出した状態で)重ねた後、飛び出した20枚の版材のエッジを水平方向に押し込んで、積層した20枚の一番下の版の裏面アルミニウム支持体が、カセット中の最上の平版印刷版用捨て版原版の親水性層表面をこするようにしながら、カセット内へ設置した。
この親水性層表面を、アルミニウム支持体裏面でこすられた版材を、耐キズ性の評価用版材とした。この版材をセッティング部分からオートローダーにて、Creo社製Trendsetter3244に搬送し、次いで、富士フイルム(株)製自動現像機LP−1310NewsIIを用い搬送速度(ライン速度)2m/分、現像温度30℃で現像処理した。なお、現像液は富士フイルム(株)製HN−Dの1:4水希釈液を用い、現像補充液はFCT−421の1:1.4水希釈、フィニッシャーは富士フイルム(株)製HN−GVの1:1水希釈液を用いた。得られた平版印刷版用捨て版に発生したキズの有無を目視評価した。
耐キズ性の評価基準は下記の通りである。評価は1〜5の官能評価で行い、3が実用下限レベル、2以下は実用上不可レベルとした。
また、オートローダーでの搬送性もあわせて評価した。100版中に何版搬送不良が発生したかで評価した。
カラーセンサー適性については、上記セッター内に搬送されたときに、製版システムが版の種類すなわち印刷版原版か捨て版かを誤認識し、誤って露光された版が何版発生したかで評価した。カラーセンサーの検出光の光源としては、460nmの波長のLEDを用い、反射光強度で版の種類の判別を行った。
更に現像後の本サンプルで非画像部の残色も併せて評価した。非画像部残色の評価基準は下記の通りである。評価は1〜5の官能評価で行い、3が実用下限レベル、2以下は実用上不可レベルとした。
得られた平版印刷版用捨て版原版(10×10cm)3枚を、25℃75%RHの環境下で2時間調湿後、3枚の原版を同方向に合紙の挟み込みのない状態で順次重ねて積層体を得た。この積層体を、アルミニウムラミネート層を有するクラフト紙で密閉包装し、4kgの荷重をかけた状態で、30℃環境下5日間放置した。その後の積層体について、平版印刷版用捨て版原版の非感光性層側表面(親水性層側表面)と隣接する平版印刷版用捨て版原版の支持体側表面との接着状態を評価した。
平版印刷版用捨て版原版同士の接着は、1〜5の官能評価で行い、3が実用下限レベル、2以下は実用上不可レベルとした。接着性の評価基準は下記の通りである。
表4に示すように、支持体、下塗り層形成用塗布液、非感光性層形成用塗布液、及び、親水性層形成用塗布液の種類及び塗布量を変更した以外は、実施例1の平版印刷版用捨て版原版と同様にして、実施例2〜12、実施例15〜17、及び、実施例20〜28、並びに、比較例1〜3の平版印刷版用捨て版原版を調製した。また、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表4に示した。
実施例13は上層と下層の2層からなる親水性層を有する平版印刷版用捨て版原版である。
実施例4と同様にして非感光性層形成用塗布液M−1を用いて形成した非感光性層の表面に、前記親水性層形成用塗布液O−5をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させて親水性層(下層)を形成した。この親水性層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
さらに、親水性層形成用塗布液O−16をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させて親水性層(上層)を形成した。この親水性層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は1.2g/m2であった。
次に、表面処理しなかった支持体面に、前記バックコート層形成用塗布液をバーコーターで塗布したあと100℃で25秒乾燥し、乾燥後の塗布量が50mg/m2のバックコート層を設け、実施例13の平版印刷版用捨て版原版を得た。
また、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表4に示した。
親水性層形成用塗布液O−5を親水性層形成用塗布液O−15へ、及びO−16をO−7に変更した以外は、実施例13と同様にして実施例14の平版印刷版用捨て版原版を調製した。
また、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表4に示した。
実施例18は上層と下層の2層からなる親水性層を有する平版印刷版用捨て版原版である。
実施例15と同様にして非感光性層形成用塗布液M−1を用いて形成した非感光性層の表面に、前記親水性層形成用塗布液O−15をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させて親水性層(下層)を形成した。この親水性層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
さらに、親水性層形成用塗布液O−6をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させて親水性層(上層)を形成した。この親水性層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は1.2g/m2であった。
次に、表面処理しなかった支持体面に、前記バックコート層形成用塗布液をバーコーターで塗布したあと100℃で25秒乾燥し、乾燥後の塗布量が50mg/m2のバックコート層を設け、実施例18の平版印刷版用捨て版原版を得た。
また、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表4に示した。
親水性層形成用塗布液O−15を親水性層形成用塗布液O−5へ、及びO−6をO−17に変更した以外は、実施例18と同様にして実施例19の平版印刷版用捨て版原版を調製した。
また、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表4に示した。
11 加熱部
12 プレ水洗槽
13 現像槽
14 水洗槽
15 ガム槽
16 乾燥部
21 アルミニウム板
22、24 ローラ状ブラシ
23 研磨スラリー液
25、26、27、28 支持ローラ
40 加熱オーブン
42 加熱手段
43 加熱ゾーン
44 ファン
45 空冷ゾーン
46 搬送コンベヤ
47 搬送ローラ
48 モータ駆動部
51 制御部
1、60 自動現像機
61 現像部
63 水洗部
64 モルトンローラ又はブラシローラ
65 フィニッシャー部
67 乾燥部
68 センサ
70 挿入口
72 搬送手段
74 排出口
76 搬送ローラ
78 モータ駆動部
80 制御部
81 現像槽
82 アルカリ現像液
83 水洗槽
84 ノズル
85 ガム
86 ガム貯留槽
91 乾燥手段
95 制御装置
97 入力部
100 CTP製版システム
Claims (12)
- アルミニウム支持体上に、
非感光性層と、
親水性層とを、この順に有し、
350〜550nmに吸収極大を有する着色剤を、該非感光性層、及び/又は、該親水性層に含有し、マット剤を該親水性層に含有することを特徴とする
平版印刷版用捨て版原版。 - 該平版印刷用捨て版原版が、低分子酸性化合物を含有する下塗り層を支持体と非感光性層との間にさらに有する、請求項1に記載の平版印刷版用捨て版原版。
- 該着色剤を該親水性層に含有し、該非感光性層が低分子酸性化合物を含有する、請求項1又は2に記載の平版印刷版用捨て版原版。
- 該非感光性層が、水溶性バインダーポリマー又は水不溶性かつアルカリ可溶性のバインダーポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の平版印刷版用捨て版原版。
- 該親水性層が、親水性ポリマーを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の平版印刷版用捨て版原版。
- 該マット剤が、その表面をシリカで被覆したシリカ被覆有機樹脂粒子、及び/又は、親水性表面を有する有機樹脂粒子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の平版印刷版用捨て版原版。
- 該支持体が、ブラシグレインによる疎面化処理、電解グレインによる疎面化処理、及び陽極酸化処理を行った表面を有するアルミニウム支持体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の平版印刷版用捨て版原版。
- さらにバックコート層を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の平版印刷版用捨て版原版。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の平版印刷版用捨て版原版を、合紙を介さずに直接複数積層したことを特徴とする
平版印刷版用捨て版原版集積体。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の平版印刷版用捨て版原版を用意する平版印刷版用捨て版原版調製工程、及び、
該平版印刷版用捨て版原版をアルカリ現像液で現像処理して平版印刷版用捨て版とする現像工程、を含むことを特徴とする
平版印刷版用捨て版の製版方法。 - さらに、該現像工程の前に、該平版印刷版用捨て版原版が露光機内を通過する搬送工程を含む、請求項10に記載の平版印刷版用捨て版の製版方法。
- 該搬送工程で、露光機がカラーセンサーを備え、該平版印刷版用捨て版原版と、感光性の平版印刷版原版とを識別する、請求項11に記載の平版印刷版用捨て版の製版方法。
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