JP2012121983A - 顔料分散剤、顔料組成物、顔料着色剤およびカラーフィルター用着色剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に至った。特に、顔料濃度が高いカラーフィルター用着色剤(塗布液)の調製に際して生じる従来技術の課題を解決し、カラーフィルター用塗布液の色品位の向上および低粘度化を可能にする顔料分散剤を開発すべく鋭意研究した結果、本発明者らは、下記のことを見いだした。すなわち、本発明で規定する特定の構造を有する縮合アゾ化合物は、より少ない量で優れた顔料の分散剤として作用し、カラーフィルター用塗布液の低粘度化を達成でき、かつ、貯蔵時の該塗布液の増粘やゲル化を防止するとともに、カラーフィルター作製時の塗膜中の異物発生を防止し、カラーフィルターとして最も重要な着色画素の透明性も向上させることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の顔料分散剤は、下記一般式(1)で表される構造の縮合アゾ化合物であることに特徴がある。かかる特徴を有する本発明の顔料分散剤は、種々の顔料に対する優れた親和性を有しており、有機顔料、無機顔料を問わず広範囲の顔料に使用可能である。また、本発明の顔料分散剤は、優れた顔料分散効果を有していることより、種々の用途において使用される着色剤の製造に使用することができる。
本発明の顔料組成物は、上述した顔料分散剤を含有してなることを特徴とするが、該顔料分散剤により顔料を分散させることで得られる。
本発明の顔料組成物は、顔料100質量部に対して、顔料分散剤を0.05〜40質量部の割合で配合するのが好ましい。さらに好ましい顔料分散剤の配合割合としては、0.1〜10質量部程度である。顔料分散剤の配合割合が少なすぎると、目的とする分散剤の効果が充分に得られにくくなる場合があるので好ましくない。一方、顔料分散剤の配合割合が多すぎると、多く用いただけの効果が得られず経済性に劣るばかりか、逆に、その結果、得られた顔料組成物を使用した塗料やインキのビヒクルの諸物性の低下をもたらす場合や、さらには、顔料分散剤自体の持つ色によって分散させるべき顔料の色相が大きく変化してしまう場合もあるので好ましくない。
(1)顔料と顔料分散剤とを予め公知の方法で混合し、得られた顔料組成物をビヒクルなどに添加してビヒクル中に分散させる、
(2)ビヒクルなどに顔料を分散させる際、ビヒクルなどに顔料と顔料分散剤を所定の割合で別々に添加しビヒクル中に分散させる、
(3)顔料と顔料分散剤をそれぞれビヒクルなどに別々に分散させた後、得られた各分散液を所定の割合で混合し、分散する、
(4)ビヒクルなどに顔料を分散させて得られた分散液に、顔料分散剤を所定の割合で添加して顔料を分散させる、
などの方法があり、いずれの方法においても目的とする顔料分散効果が得られる。
本発明の顔料着色剤は、上記のようにして得た顔料組成物と、樹脂などの皮膜形成材料とを含有してなることを特徴とする。以下、本発明の顔料着色剤の製造方法および用途について説明する。本発明の顔料着色剤は、例えば、上記の微細化した本発明の顔料組成物と、(共)重合体、オリゴマーおよび/またはモノマーなどの皮膜形成材料を含有させることで得られる。このような本発明の顔料着色剤は、画像表示用、画像記録用、印刷インキ用、筆記用インキ用、プラスチック用、顔料捺染用、塗料用などの着色剤として広範に使用することができる。特に、着色画素の透明性が問題となる画像表示材料としてのカラーフィルター用着色剤にも使用できる。勿論、画像記録剤、例えば、インクジェットインク或いは電着記録液、電子写真方式現像剤の形成材料としても有用であり、これらは、それぞれインクジェット記録方法或いは電着記録方式、電子写真方式などの画像記録方法に使用され、高品位な画像の提供を可能にする。
カラーフィルター用分散液(着色剤)を調製する場合、まず、本発明の顔料組成物を、皮膜形成材料として機能し得る適当な樹脂を含む有機溶剤などの溶液に添加してプレミキシングし、分散処理する。具体的には、下記の方法などが挙げられる。例えば、上記顔料組成物を、縦型媒体分散機、横型媒体分散機、ボールミルなどの分散機械で均一に混合磨砕した後、皮膜形成性能を有する(皮膜形成性)重合体を含む液中に添加混合する方法や、硫酸などに、顔料、本発明の顔料分散剤を溶解した後に、該硫酸溶液を水中に析出させ、顔料と顔料分散剤とを固溶体ないし共析体として分離し、得られた顔料組成物を上記と同様に、皮膜形成性重合体、カチオン系の高分子分散剤などを含む液中に添加混合し、ダイノミルなどの横型湿式媒体分散機(ビーズミル)にて磨砕分散する方法などである。
<実施例1>
顔料分散剤(A)を合成した。まず、常法により、ニトロベンゼン400部中で、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸56.5部を、塩化チオニル40部を用いて酸クロライド化した後、1,4−フェニレンジアミン16.2部、ピリジン2部を加え、130〜135℃で5時間加熱した。これを冷却後、メタノール200部を加え、ろ過し、メタノール、次いで水で洗浄した後、乾燥し、反応物64部を得た。得られた反応物に、メタノール2,400部、水酸化ナトリウムを46部加えて下漬液とした。次に、p−アセチルアミノスルホニルクロリドを70.1部と、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン39.1部とを、常法により、トルエン250部中、75〜80℃で2時間反応させた。その後、35%塩酸125部を加えて加水分解した反応物をジアゾ化した後、これを、上記で得た下漬液にカップリングさせた。その後、ろ過し、メタノール、次いで水で洗浄、乾燥し、顔料分散剤(A)134部を得た。得られた顔料分散剤(A)について元素分析を行って、C、H、N及びSをそれぞれ測定し、顔料分散剤(A)を構成する各元素の組成を求めた。使用した原材料及び元素分析の結果から、上記で得られた顔料分散剤(A)は、以下の構造であると推定された。元素分析の結果と、以下の構造とした場合の理論値を表1に示した。表1の記載から明らかなように、よい一致を示していた。
実施例1で使用した1,4−フェニレンジアミン16.2部の代わりに、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレンジアミン26.6部を使用した以外は、実施例1と同様にして、顔料分散剤(B)143部を得た。そして、顔料分散剤(A)と同様にして、顔料分散剤(B)の同定を行った。表2に、元素分析の結果及び下記の構造とした場合の理論値を示した。顔料分散剤(B)は、以下の構造であると推定された。
実施例1で使用したN,N−ジエチルアミノプロピルアミン39.1部の代わりに、ビス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アミン56.2部を使用した以外は、実施例1と同様にして、顔料分散剤(C)156部を得た。そして、顔料分散剤(A)と同様にして、顔料分散剤(C)の同定を行った。表3に、元素分析の結果及び下記の構造とした場合の理論値を示した。顔料分散剤(C)は、以下の構造であると推定された。
実施例1で使用した1,4−フェニレンジアミン16.2部の代わりに、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレンジアミン26.6部を用い、さらに、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン39.1部の代わりに、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)56.2部を使用した以外は、実施例1と同様にして、顔料分散剤(D)158部を得た。そして、顔料分散剤(A)と同様にして、顔料分散剤(D)の同定を行った。表3に、元素分析の結果及び下記の構造とした場合の理論値を示した。顔料分散剤(D)は、以下の構造であると推定された。
下記のようにして顔料分散剤(E)を合成した。まず、常法により、2,5−ジクロロアニリン48.6部をジアゾ化し、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸56.5部とカップリングさせた後、洗浄、乾燥した。そして、得られた反応物をニトロベンゼン2,000部中、塩化チオニル40部を用いて酸クロライド化した後、N−(4−アミノフェニル)−3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボアミド83.5部、ピリジン4部を加え130〜135℃で5時間加熱した。これを冷却後、メタノール200部を加え、ろ過し、メタノール、次いで水で洗浄、乾燥して、反応物177部を得た。得られた反応物に、メタノール2,400部と、水酸化ナトリウム46部とを加えて下漬液とした。次に、p−アセチルアミノスルホニルクロリド70.1部と、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン39.1部を常法により、トルエン250部中、75〜80℃で2時間反応させ、35%塩酸125部を加えて加水分解した反応物をジアゾ化し、上記下漬液にカップリングさせた。その後、ろ過し、メタノール、次いで水で洗浄、乾燥し、顔料分散剤(E)235部を得た。得られた顔料分散剤(E)について元素分析を行って、C、H、N、S及びClをそれぞれ測定し、顔料分散剤(E)を構成する各元素の組成を求めた。使用した原材料及び元素分析の結果から、上記で得た顔料分散剤(E)は、以下の構造であると推定された。元素分析の結果と、以下の構造とした場合の理論値を表5に示した。表5の記載から明らかなように、よい一致を示していた。
実施例5で使用したN,N−ジエチルアミノプロピルアミン39.1部の代わりに、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)56.2部を使用した以外は、実施例5と同様にして、顔料分散剤(F)250部を得た。そして、顔料分散剤(E)と同様にして、顔料分散剤(F)の同定を行った。表6に、元素分析の結果及び下記の構造とした場合の理論値を示した。顔料分散剤(F)は、以下の構造であると推定された。
実施例5で使用した2,5−ジクロロアニリン48.6部の代わりに、2−クロロ−5−トリフルオロメチルアニリン58.7部を使用した以外は、実施例5と同様にして、顔料分散剤(G)244部を得た。そして、顔料分散剤(E)と同様にして、顔料分散剤(G)の同定を行った。表7に、元素分析の結果及び下記の構造とした場合の理論値を示した。顔料分散剤(G)は、以下の構造であると推定された。
実施例5で使用した2,5−ジクロロアニリン48.6部の代わりに、2−クロロ−5−トリフルオロメチルアニリン58.7部を用い、さらに、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン39.1部の代わりに、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)56.2部を使用した以外は、実施例5と同様にして、顔料分散剤(H)259部を得た。そして、顔料分散剤(E)と同様にして、顔料分散剤(H)の同定を行った。表8に、元素分析の結果及び下記の構造とした場合の理論値を示した。顔料分散剤(H)は、以下の構造であると推定された。
<実施例9>(顔料組成物(1)の調製)
まず、PR254のプレスケーキ(固形分26%)を顔料分が100部になるように秤量し、水2,000部を加えて充分にリスラリー化した。得られたスラリーに、実施例1で作製した顔料分散剤(A)の5%希酢酸溶液100部を加え、1時間攪拌した。さらに該撹拌物に、5%炭酸ナトリウム水溶液をpHが9〜10になるまで徐々に滴下し、その後ろ過し、充分に水洗し、80℃で乾燥した。これによって、105部のPR254の顔料組成物(1)を得た。
実施例9で使用した顔料分散剤(A)の代わりに、実施例2〜8で得られた顔料分散剤(B)〜(H)をそれぞれに用いた以外は、実施例9と同様の操作を行なって、顔料組成物(2)〜(8)をそれぞれ得た。
実施例9で顔料として使用したPR254のプレスケーキの代わりに、PR242のプレスケーキ(固形分24%)を用いた以外は同様の操作を行ない、PR242の顔料組成物(9)を得た。また、先に得た顔料分散剤(B)〜(H)をそれぞれに使用した以外は上記と同様にして、PR242の顔料組成物(10)〜(16)を得た。
実施例9で顔料として使用したPR254のプレスケーキの代わりに、PR177のプレスケーキ(固形分23%)を用いた以外は同様の操作を行ない、PR177の顔料組成物(17)を得た。また、先に得た顔料分散剤(B)〜(H)をそれぞれに使用した以外は上記と同様にして、PR177の顔料組成物(17)〜(24)を得た。
<実施例33>(顔料分散液の実施例)
メタクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエルアクリレートを、25/50/15/10のモル比で共重合させて得た、分子量が12,000、固形分が40%のアクリル樹脂ワニスを用い、以下の方法で顔料分散液を調製した。上記で得たアクリル樹脂ワニスを50部、実施例9の顔料組成物(1)20部、溶剤としてプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(以下、PGMAcと略す)を20部配合し、プレミキシングの後、横型ビーズミルで分散処理して、赤色顔料分散液を得た。
実施例33で用いた顔料組成物(1)の代わりに、先に得た顔料組成物(2)〜(24)をそれぞれに使用した以外は、実施例33と同様にして、実施例34〜56の赤色顔料分散液をそれぞれ得た。
実施例33で用いた顔料組成物(1)20部の代わりに、顔料分散剤で処理していないPR254を20部使用した以外は、実施例33と同様の操作を行なって、顔料分散剤を用いていないPR254を含むカラーフィルター用着色剤を作製した。
実施例33で用いた顔料組成物(1)20部の代わりに、顔料分散剤で処理していないPR242を20部使用した以外は、実施例33と同様の操作を行なって、顔料分散剤を用いていないPR242を含むカラーフィルター用着色剤を作製した。
実施例33で用いた顔料組成物(1)20部の代わりに、顔料分散剤で処理していないPR177を20部使用した以外は、実施例33と同様の操作を行なって、顔料分散剤を用いていないPR177を含むカラーフィルター用着色剤を作製した。
上記で得た実施例33〜56および比較例1〜3のカラーフィルター用着色剤について、その流動性、展色面のグロスおよび塗膜中の異物の有無を比較した。着色剤の流動性、展色面のグロスおよび塗膜中の異物の有無は下記の方法に従って測定し、比較例のものとの相対評価を行なった。結果は、表10にまとめて示した。
実施例及び比較例のそれぞれの着色剤をそれぞれ、E型粘度計を用いて、室温(25℃)/ローターの回転数6rpmの測定条件で、作製直後と、25℃で1ヶ月間放置した後の粘度(mPa・s)を測定した。そして、得られた測定値を用いて、各着色剤の流動性を評価した。
実施例及び比較例のそれぞれの着色剤をそれぞれ、バーコーター(巻線の太さ0.45mm)を使用して、ポリプロピレンフィルムに展色し、得られた展色面のグロスを、目視およびグロスメーターにて比較して評価した。なお、グロスの高いものを良好とし、結果は、○:良好、×:不良、の指標でそれぞれ表記した。
実施例及び比較例のそれぞれの着色剤をそれぞれ、スピンナーでガラス基板に塗布し、90℃で2分間乾燥後、さらに270℃で30分間加熱した。得られた塗布面について、顕微鏡を用いて200倍で異物の有無を観察し、評価した。なお、○:異物なし、×:異物あり、の指標で表示した。
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