JP2012131908A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形品および成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、(B)(a)芳香族ビニル系単量体、(b)シアン化ビニル単量体、(c)メタクリル酸メチル単量体及び(d)共重合可能なその他の単量体から選ばれた単量体を(a)、(b)、(c)を必須成分としてグラフト共重合せしめたグラフト共重合体を1〜30質量部と、(C)アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン系(共)重合体を1〜20質量部と、(D)鉛筆硬度がFより高いアクリル系(共)重合体を10〜50質量部含有することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法による。
【選択図】なし
Description
しかし、芳香族ポリカーボネート樹脂単独の成形品類は、金属製やガラス製などの製品類に比べると表面硬度が低いため、耐擦傷性に劣り、布で拭いたり、手荒に扱った場合は、表面に傷が付き易い欠点を有している。
例えば、特許文献4では、シアン化ビニル化合物−芳香族ビニル化合物共重合体とメチルメタアクリレートを配合することが記載されている。また、特許文献5には、ポリエステル樹脂とABS樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリメチルメタアクリレートからなる樹脂組成物が記載されている。また、特許文献6には、(メタ)アルキルアクリレート−芳香族ビニル−ポリカーボネート樹脂と反応性のあるビニルモノマーからなる共重合体を配合することが記載されている。さらに、特許文献7では、ABS樹脂等のゴム変性グラフト共重合体とポリメチルメタアクリレート等のビニルモノマー共重合体を配合することが提案されている。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、(B)(a)芳香族ビニル系単量体、(b)シアン化ビニル単量体、(c)メタクリル酸メチル単量体及び(d)共重合可能なその他の単量体から選ばれた単量体を(a)、(b)、(c)を必須成分としてグラフト共重合せしめたグラフト共重合体を5〜30質量部と、(C)アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン系(共)重合体を1〜20質量部と、(D)鉛筆硬度がFより高いアクリル系(共)重合体を10〜50質量部含有することを特徴とする。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、その種類に制限は無く、また、1種のみを用いてもよく、2種以上を、任意の組み合わせ及び任意の比率で、併用してもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、一般式−(−O−X1−O−C(=O)−)−で示される炭酸結合を有する基本構造の重合体である。式中、X1は、一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたX1を用いてもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂とは、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素であるポリカーボネート樹脂をいう。芳香族ポリカーボネートは、各種ポリカーボネートのなかでも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、優れている。
2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて、具体的に説明する。
まず、芳香族ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによって芳香族ポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体は、前述のとおりである。なお、カーボネート前駆体のなかでもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限は無いが、通常、反応のアルカリ水溶液中のpHを10〜12にコントロールするために、5〜10質量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10〜12、好ましくは10〜11になるようにコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、なかでも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、なかでも1:2.5以下とすることが好ましい。
分子量調節剤の使用量は、ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、芳香族ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。なかでも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、ジフェニルカーボネートが特に好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし、芳香族ポリカーボネート樹脂及び芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
触媒失活剤の使用量は、前記のエステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。更には、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常1000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは600ppm以下である。これにより本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の滞留熱安定性及び色調をより向上させることができる。また、その下限は、特に溶融エステル交換法で製造された芳香族ポリカーボネート樹脂では、通常10ppm以上、好ましくは30ppm以上、より好ましくは40ppm以上である。これにより、分子量の低下を抑制し、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の機械的特性をより向上させることができる。
なお、末端水酸基濃度の単位は、芳香族ポリカーボネート樹脂の重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものである。その測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)にて行われる。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、(a)芳香族ビニル系単量体、(b)シアン化ビニル単量体、(c)メタクリル酸メチル単量体及び(d)共重合可能なその他の単量体から選ばれた単量体を(a)、(b)、(c)を必須成分としてグラフト共重合せしめたグラフト共重合体(B)(以下、重合体(B)または(B)成分もしくは成分(B)ということがある。)を、上記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、1〜30質量部含有する。
(b)シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等が挙げられる。また、これらの単量体は単独で用いるだけでなく、2種以上を併用して用いることができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、アクリルニトリル−エチレンプロピレン−スチレン系(共)重合体(C)(以下、重合体(C)または(C)成分もしくは成分(C)ということがある。)を、上記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、1〜20質量部含有する。
このような重合体(C)を、前記のグラフト共重合体(B)及び後記するアクリル系(共)重合体(D)と共に、このような量で配合することで、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の優れた硬度と光沢を維持した高耐衝撃性のバランスを達成することができる。
アクリルニトリル−エチレンプロピレン−スチレン系(共)重合体(C)は、さらに他のビニル単量体を使用しても良く、他に使用するビニル単量体としては、メタクリロニトリル等の他のシアン化ビニル、1−ブテン等のオレフィン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン等のスチレン誘導体、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン、(メタ)アクリレート化合物が挙げられ、これらは、2種以上を追加混合して使用することもできる。
これらのうち、メタアクリル酸メチル、すなわちメチルメタアクリレートを使用したアクリルニトリル−エチレンプロピレン−スチレン−メチルメタアクリレート系(共)重合体が特に好ましい。
アクリルニトリル−エチレンプロピレン−スチレン系(共)重合体(C)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、1〜20質量部であり、好ましくは3〜10質量部である。含有量が1質量部未満の場合は、ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性を維持する効果が充分に得られず、使用割合が20質量部を超える場合は、ポリカーボネート樹脂の硬度が低下する傾向にあるため好ましくない。
アクリル系(共)重合体(D)(以下、重合体(D)または(D)成分もしくは成分(D)ということがある。)としては、アクリル系モノマーを使用した重合体または共重合体であって、上記した重合体(C)と同じもの以外であり、鉛筆硬度がFより高いものであれば、いずれも使用できる。
(共)重合体成分(D)は、アクリル系単量体を主な構成単位として有するものであり、具体的には、アルキル基の炭素数が通常1〜18のメタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルの単独重合、両者の共重合、メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能なビニル系単量体とを共重合してなるものが好ましい。アルキル基の炭素数が19以上であると、共重合反応が難しくなる。
重合体(D)の鉛筆硬度は、好ましくはF以上であり、H以上であることがより好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが特に好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、その他の成分としてエラストマー(E)を含有することが好ましい。エラストマーを含有することで、ポリカーボネート樹脂組成物の耐衝撃性を改良することができる。
本発明の組成物には、紫外線吸収剤(F)を配合するのが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらのうち、有機紫外線吸収剤が好ましく、中でもベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の透明性や機械物性が良好なものになる。
紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、耐候性の改良効果が不十分となる可能性があり、紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、モールドデボジット等が生じ、金型汚染を引き起こす可能性がある。なお、紫外線吸収剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明の組成物には、縮合リン酸エステル(G)を配合するのが好ましい。縮合リン酸エステル(G)は、下記の一般式で表されるものであるのが好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリフルオロエチレン(H)を含有することも好ましい。ポリテトラフルオロエチレンとしては、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好ましい。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)製のテフロン(登録商標)6Jや、ダイキン化学工業(株)製のポリフロンF201L、FA500B、FA500Cが挙げられる。また、ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液として、ダイキン化学工業(株)製のフルオンD−1や、ビニル系単量体を重合してなる多層構造を有するポリテトラフルオロエチレン化合物が挙げられる。いずれのタイプも本発明の樹脂組成物に用いることができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、ガラスビーズ(I)を含有することも好ましい。使用するガラスビーズ(I)としては、通常、平均粒径が3〜100μmの球状のものである。ガラスビーズの配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部あたり、10〜40質量部であることが好ましい。
ガラスビーズの配合量が10質量部未満では、表面光沢と耐傷付き性の改良効果、剛性の向上、補強効果が不十分であり、40質量部を超えると分子量が低く溶融粘度の低いポリカーボネート樹脂を使用しても流動性が悪く成形性が悪化し、また難燃性に難が生じるので好ましくない。ガラスビーズのより好ましい配合量は、15〜35質量部である。
ガラスビーズは、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の特性を損なわない限り、ポリカーボネート樹脂との親和性を向上させるために、例えばシラン化合物、エポキシ系化合物などで表面処理をしたものであってもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、安定剤、酸化防止剤、離型剤、染顔料、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。
安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第10族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5,000以下である。
染顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料;群青などの珪酸塩系顔料;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料;紺青などのフェロシアン系顔料などが挙げられる。
なお、染顔料は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。また、染顔料は、押出時のハンドリング性改良、樹脂組成物中への分散性改良の目的のために、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂とマスターバッチ化されたものも用いてもよい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)及びグラフト共重合体(B)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン系(共)重合体(C)、アクリル系(共)重合体(D)、並びに、必要に応じて配合される上記したその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、ペレタイズしたペレットを各種の成形法で成形して成形品を製造することができる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、シートやフィルム、異型押出成形品、ブロー成形品あるいは射出成形品等にすることもできる。
成形方法の例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。成形品の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形品の用途に応じて任意に設定すればよい。
金型表面の加熱は、金型のキャビティ表面のみを加熱すればよく、金型全体を加熱する必要はない。このような加熱方法としては、金型内部のキャビティ表面近傍に伝熱ヒーターを組み込み加熱する方法、雌雄金型が開いた状態でキャビティ側にヒーターを挿入して赤外線加熱等での加熱をする方法、あるいは、雌雄両金型の間に高温のスチームを注入して加熱する方法等が挙げられる。
樹脂充填直前の金型表面の温度は、芳香族ポリカーボネート樹脂単独のガラス転移温度ではなく、樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)以上とする。ポリカーボネート樹脂組成物のガラス転移温度は、周知のとおり、示差熱分析装置(DSC)で測定されるが、本発明の上記した組成物は、本発明者の検討する限り、単一の吸熱ピークを示すので、そのピーク温度から決定される。
また、金型キャビティ表面以外の金型温度は、そのポリカーボネート樹脂組成物を射出成形する際の最適な金型温度、通常40℃〜120℃程度とするのが好ましい。
充填直前の金型表面温度を樹脂組成物のTg以上に高くすることにより、射出注入時に金型表面へのガラスパールの浮きが抑制され、表面光沢と耐傷付き性に優れた成形品が得られる。金型温度が高すぎると金型表面と密着しやすくなって、離型不良や離型後の変形を起こしやすいというのが、射出成形分野での常識であるが、本発明においては、射出充填時の温度は金型表面のみ高く保持するが、その他は通常の温度であるので、充填後は通常どおり金型は冷却され、成形品は取り出される。
本発明の組成物を成形した好ましい成形品は、高硬度かつ高光沢で、耐衝撃性、難燃性のバランスに優れた樹脂組成物であるので、カーナビゲーションやカーオディオの筐体、インストルメントパネル、コンソールボックス、センタークラスター、メータークラスターなどの自動車内装部品、フラットディプレイパネル、パソコン、PDA、テレビ、ビデオ、カメラ、プリンター、FAX等の電気・電子・OA機器筐体として好適に使用することができる。
なお、実施例及び比較例で用いた測定・評価法は、以下のとおりである。
[1.流動性評価]
後述の製造方法で得られたペレットを80℃で4時間以上乾燥した後、高荷式フローテスターを用いて、240℃、荷重160kgfの条件下で組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:×10−2cc/sec)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。なお、表中、「流動性」と表記する。
耐衝撃性(アイゾット衝撃強度)(単位:J/m):
ASTM D256に準拠して、後述の方法で成形した厚さ3.2mmのノッチ付き試験片について、23℃の温度でアイゾット衝撃強度(単位:J/m)を測定した。数値が大きいほど、耐衝撃性が優れていることを意味する。なお、表中、「Izod」と表記する。
DTUL(荷重たわみ温度):
後述の方法で成形したISO多目的試験片を用い、ISO75−1&2に従い、荷重1.80MPaの条件(A法)にて測定を行った。なお、表中、「DTUL」と表記する。
鉛筆硬度:
後述の方法で成形した3mm厚の平板試験片に、JIS K5400に準じ、5回の引掻き試験を行い硬度の評価を行った。なお、表中、「鉛筆硬度」と表記する。
表面外観:
後述の方法で成形した3mm厚の平板試験片を、目視にて以下の基準で判定し、外観の評価を行った。
○: 良好
△: シルバーの発生、層剥離の発生が少し見られる。
×: シルバーの発生、層剥離の発生があり光沢性に劣る。
各ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性の評価は、後述の方法で得られたUL試験用試験片を、温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、V−0、V−1及びV−2の難燃性を有するためには、以下の表1に示す基準を満たすことが必要となる。
後述する各材料を後記各表の含有量(特に明記しない場合は全て質量部)で、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製二軸押出機(TEX30XCT)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度260℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂組成物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを、80℃で5時間乾燥後、射出成形機(名機製作所製「M150AII−SJ」)にて、シリンダー温度260℃、金型温度75℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、3.2mm厚のアイゾット衝撃試験片、および50×90×3mm厚の平板試験片を作製した。
さらに、得られたペレットを80℃、5時間乾燥後、射出成形機(住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75T)にて、シリンダー温度260℃、金型温度75℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片を作製し、DTUL(耐熱性)評価に用いた。
また燃焼性の試験においては、得られたペレットを80℃、5時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製「J50−EP」)にて、シリンダー温度260℃、金型温度75℃、成形サイクル30秒の条件で射出成形し、長さ125mm、幅13mm、厚さ2mmのUL試験用試験片を成形した。
これら試験片に対する測定結果を、後記表2〜4に示した。
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂:
(A−1)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製商品名「ユーピロン(登録商標)S−3000」、粘度平均分子量 22,000、鉛筆硬度 2B
(A−2)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製商品名「ユーピロン(登録商標)E−2000」、粘度平均分子量 28,000、鉛筆硬度 2B
ユーエムジー・エービーエス(株)製商品名「S900N」
(C)アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体:
ユーエムジー・エービーエス(株)製商品名「E700N」
(B+C)アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体33質量%、アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体17質量%、アクリル系共重合体50質量%を含有する混合物。鉛筆硬度 2H
(D)メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体:
三菱レイヨン(株)製商品名「アクリペットVH001」、鉛筆硬度 2H
(E−1)アクリル酸アルキル重合体(コア)/メタクリル酸アルキル重合体(シェル)から成るコア/シェル型共重合体:
ローム・アンド・ハース(株)製商品名「パラロイドEXL−2315」
(E−2)ブタジエン重合体(コア)/アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体(シェル)から成るコア/シェル型共重合体:
ローム・アンド・ハース(株)製商品名「パラロイドEXL−2633」
(E−3)ジメチルシロキサン重合体とアクリル酸アルキル重合体から成る複合ゴム(コア)/メタクリル酸アルキル重合体(シェル)から成るコア/シェル型共重合体:
三菱レイヨン(株)製商品名「メタブレンS−2001」
2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール シプロ化成(株)製商品名「シーソーブ709」
(G)難燃剤:
縮合リン酸エステル:レゾルシノール(ジキシレニルホスフェート)
大八化学(株)製商品名「PX200」
ダイキン工業(株)製商品名「ポリフロンF−201L」
(I)ガラスビーズ:
ポッターズ・バロティーニ(株)製商品名「EGB731B」平均粒子径20μm
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト
旭電化工業(株)製商品名「アデカスタブ2112」
(K)フェノール系酸化防止剤:
ペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製、「商品名:イルガノックス1010」
(L)離型剤:
ペンタエリスリトールテトラステアレート
コグニスジャパン(株)商品名「ロキシオールVPG861」
(M)着色剤:カーボンブラック
三菱化学(株)製商品名「#900」
(N−1)メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体:
電気化学工業(株)製商品名「デンカTPポリマー TH−23」、鉛筆硬度 3B
(N−2)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体:
旭化成(株)製商品名「スタイラック(登録商標)T9701」、鉛筆硬度 2H
後記表3に示したガラスビーズを含む各材料を表3に示す割合で配合して、実施例1〜8と同様にして、ペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを、SEIKO Instrument社製の示差熱分析(DSC)装置にて、ガラス転移温度(Tg)の測定を行った。測定はキャリアーガスが60ml/minの窒素ガスで、測定温度変化が30℃(20℃/min)→250℃、3分間ホールド(20℃/min)→30℃、3分間ホールド(20℃/min)→250℃の条件で実施した。各ペレットのTgは、105℃(実施例9)、120℃(実施例10)であった。
なお、金型の加熱は、開放状態の雌雄金型間に、高周波電磁誘導加熱装置の高周波誘導コイルを挿入し、雌型のキャビティ面に、周波数20KHz、出力15KWにて、キャビティ表面を加熱することで行った。金型表面温度の調節は、照射時間を1秒〜20秒の間で調整することによって行った。
誘導コイルを直ちに抜き出し、金型を所定のクリアランスまで閉じ、金型キャビティ内に溶融状態の樹脂組成物を直ちに射出充填し、金型が80℃に冷えるまで水冷を行った。
冷却終了後、型開きして成形品を取り出した。
評価結果を表3に示す。
実施例1〜5(表2)は、(B)、(C)、(D)成分の配合比率を本発明の規定の範囲内で変更したものであるが、いずれも表面硬度はF、HBであり、これらを処方していない比較例3〜4(表4)の表面硬度2Bに比べ、格段に高上しており、また衝撃強度も外観にも優れていることが分かる。実施例2〜3は、エラストマーの種類を変えたものであるが、硬度はやや低下したものの耐衝撃性が向上している。
実施例6〜10(表3)は、難燃剤を処方したものであるが、ULはV−0と非常に高い難燃性を示しながら硬度はF〜2Hと高く、強度・外観にも優れる。実施例9〜10は、ガラスビーズを配合した場合、金型表面加熱により外観の悪化は△と抑制でき、硬度は格段に向上した。
したがって、上記の実施例及び比較例から、高硬度かつ高光沢で、流動性、耐衝撃性、難燃性のバランスに優れた樹脂組成物あるいは成形品は、本発明の構成によりはじめて得られるものであることが確認された。
Claims (13)
- (A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、(B)(a)芳香族ビニル系単量体、(b)シアン化ビニル単量体、(c)メタクリル酸メチル単量体及び(d)共重合可能なその他の単量体から選ばれた単量体を(a)、(b)、(c)を必須成分としてグラフト共重合せしめたグラフト共重合体を1〜30質量部と、(C)アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン系(共)重合体を1〜20質量部と、(D)鉛筆硬度がFより高いアクリル系(共)重合体を10〜50質量部含有することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記(D)アクリル系(共)重合体が、ポリメチルメタアクリレート系(共)重合体であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記(C)アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン系(共)重合体が、アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン−メチルメタアクリレート系(共)重合体であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- (E)エラストマーを、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、1〜10質量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- (E)エラストマーが、コア/シェル型グラフト共重合体であることを特徴とする請求項4に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- (F)紫外線吸収剤を、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.1〜1質量部含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- (G)縮合リン酸エステル系難燃剤を、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、5〜40質量部含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- (H)ポリテトラフルオロエチレンを、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.5〜2質量部含有することを特徴とする請求項7に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- (I)平均粒径10〜30μmのガラスビーズを、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、10〜40質量部含有することを特徴とする請求項7または8に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物から得られたポリカーボネート樹脂成形品。
- 成形品が筐体であることを特徴とする請求項10に記載のポリカーボネート樹脂成形品。
- 溶融樹脂充填直前の金型表面を樹脂組成物のガラス転移温度以上に加熱して、射出成形することを特徴とする請求項10または11に記載のポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
- 金型表面の加熱を高周波電磁誘導加熱により行うことを特徴とする請求項12に記載のポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
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