JP2012137408A - 二次電池の残存容量演算装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電電圧の平坦領域が大きい二次電池の残存容量を、簡易で小型な構成にて高精度に検知すること。
【解決手段】充放電が行われる二次電池11aの残存容量を演算する二次電池11aのCPU21において、二次電池11aの残存容量に対応する充放電電圧Vに基づき電圧推定SOCvを推定して求め、二次電池11aの充放電電流Iの積算値に基づき電流積算SOCiを求め、二次電池11aの充放電電圧Vに対して、その電圧変化率dV/dtに応じて電圧推定SOCv又は電流積算SOCiで重み付けを行い、これら重み付け結果を合成して二次電池11aの残存容量を求める演算部22を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉛蓄電池、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、正極にオリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩を用いたリチウムイオン二次電池等の二次電池の残存容量を検知する二次電池の残存容量演算装置に関する。
従来、二次電池のエネルギー残量を示す残存容量(SOC)を検知するものとして特許文献1及び2に記載の装置等が有る。特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池は、理論電気容量を上限とした電気容量のうち全体の50%以上を占め、且つ、1Cの電流で当該リチウムイオン二次電池を充放電させたときに、端子間電圧の変動がいずれも0.2V以下である容量範囲をフラット充放電容量範囲とした場合に、フラット充放電容量範囲を確保できる特性を有する。これによって、リチウムイオン二次電池又は当該リチウムイオン二次電池を組み合わせた組電池において、リチウムイオン二次電池の内部抵抗の変化を小さくして充放電させ、出力変動の小さい安定した出力を得ることができるようになっている。なお、電圧変化の小さいオリビン材料を正極に、同様の特性を持つLTO(チタン酸リチウム)材料を負極に使うことで、電圧変化の小さい電池セルを構成している。
特許文献2の残存容量演算装置は、蓄電デバイスの充放電電流の積算値に基づいて第1の残存容量を算出し、蓄電デバイスの内部インピーダンスから推定した開放電圧に基づいて第2の残存容量を算出する。そして、第1の残存容量と第2の残存容量とを蓄電デバイスの使用状況に応じて設定したウェイトを用いて重み付け合成した第3の残存容量を、蓄電デバイスの最終的な残存容量として算出する。ここで、蓄電デバイスが基準温度以下で充電状態にあるとき、上記ウェイトの値を第1の残存容量の重みを大きくする方向に調整する。また、上記ウェイトを蓄電デバイスの充放電電流の電流変化率に基づいて設定するようになっている。
つまり、電流積算により演算された残存容量と電圧推定により演算された残存容量を重み付け合成して残存容量を演算している。この時、電圧推定による演算方法では、インピーダンスから推定した開放電圧(OCV)を用いる。また、セル温度Tと電流変化率ΔI/Δtをパラメータにし、一定温度以下で充電状態にあるとき電流積算による残存容量のウェイトを上げるようにしている。これによって、電流積算による残存容量と開放電圧に基づく残存容量との双方の利点を生かして精度高く残存容量を求めることを可能としている。
特開2009−129644号公報 特開2006−38494号公報
ところで、上記の特許文献1においては、オリビン材料を用いたリチウムイオン二次電池又は組電池の充放電制御を、主に電流積算によりSOCを求めるためのSOC演算を行うようになっている。しかし、その電流積算によるSOC演算は、フラット充放電容量範囲では、車両用途やHEMS(Home Energy Management System)用途などの高負荷継続時にSOCに対する充放電電圧の特性曲線が平坦であるため、その電圧からSOCを求める際の誤差が大きくなり、SOCを高精度に検知することができないという問題がある。
特許文献2においては、インピーダンスにより開放電圧を推定した後、予め記録されているOCV−SOC特性を用いて残存容量を演算しているが、この方式では、演算回路へのインピーダンス測定装置の付加が必要となるため、残存容量演算装置が大型化するという問題がある。更に、インピーダンスは温度や電流レートにより変化するため低温域や大電流域ではSOCの演算精度が悪くなるが、その残存容量演算装置では、あるセル温度と電流変化率において電流積算による残存容量のウェイトを上げるといった電流積算によるSOC演算を主体としているので、高負荷継続時にSOCを検知する際の誤差が大きくなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、充放電電圧の平坦領域が大きい二次電池の残存容量を、簡易で小型な構成にて高精度に検知することができる二次電池の残存容量演算装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、充放電が行われる二次電池のエネルギー残量を示す残存容量を演算する二次電池の残存容量演算装置において、前記二次電池の残存容量に対応する充放電電圧に基づき第1残存容量を推定して求め、当該二次電池の充放電電流の積算値に基づき第2残存容量を求め、当該二次電池の充放電電圧に対して、その電圧変化率に応じて前記第1残存容量又は前記第2残存容量で重み付けを行い、これら重み付け結果を合成して当該二次電池の残存容量を求める演算手段を備えることを特徴とする。
この構成によれば、次のような作用効果がある。従来技術では、二次電池に接続された負荷装置が高負荷継続時には、二次電池の残存容量に対応する充放電電圧の特性曲線が平坦となるため、残存容量を高精度に検知することができない。しかし、本発明では、充放電電圧の電圧変化率に応じて、充放電電圧に基づき求めた第1残存容量又は充放電電流の積算値に基づき求めた第2残存容量で、残存容量に対応する充放電電圧に対して重み付けを行うようにした。つまり、充放電電圧の特性曲線が平坦となっている場合でも、充放電電圧に対して少なくとも、充放電電流の積算値に基づき求めた第2残存容量による重み付けが行われるので、充放電電圧の特性曲線に傾斜が付き、これによって高精度に二次電池の残存容量を求めることが出来る。しかも、本発明では従来のようなインピーダンス測定装置の付加は不要なので、残存容量演算装置が大型化するといったことが無くなる。つまり、本発明では、充放電電圧の平坦領域が大きい二次電池の残存容量を、簡易で小型な構成にて高精度に検知することができる。
請求項2に記載の発明は、前記演算手段は、前記第1残存容量を推定する際に、前記二次電池の閉路電圧である充放電電圧に基づき行うことを特徴とする。
この構成によれば、二次電池の閉路電圧そのものから第1残存容量を推定し、充放電電流の積算値に基づき求めた第2残存容量を更に用い、双方の残存容量で電圧変化率に応じて充放電電圧に重み付けを行い、二次電池の残存容量を求める。従来では、実使用上の閉路電圧は温度や充電速度が変化すると充放電電圧の特性曲線が変わるので、閉路電圧をインピーダンス装置を用いて一旦開路電圧に読み替えて残存容量を推定していた。しかし、本発明ではインピーダンス装置を用いた開路電圧への読み替えが不要となる。
請求項3に記載の発明は、前記演算手段は、前記第2残存容量を求める際に、前記充放電電流を時間的に積分し、この積分結果を前記二次電池の実際の電池容量で除した結果を、前回求めた第2残存容量に加算して求めることを特徴とする。
この構成によれば、二次電池が使用回数の増加に応じて実質的に電気を蓄積する容量が減少して行くが、その減少した実際の電池容量における第2残存容量を求めることが出来る。
請求項4に記載の発明は、前記第1残存容量の推定は、前記二次電池の閉路電圧に見かけ上の残存容量が対応付けられた第1テーブルを参照して当該二次電池の閉路電圧である充放電電圧を見かけ上の残存容量に変換し、次に、前記見かけ上の残存容量に実際の残存容量である実残存容量が対応付けられた第2テーブルを参照して、前記第1テーブルの参照で得られた見かけ上の残存容量を実残存容量に変換し、この変換された実残存容量を前記第1残存容量として行われることを特徴とする。
この構成によれば、予め作成された第1及び第2テーブルを参照して、二次電池の閉路電圧である充放電電圧を見かけ上の残存容量に変換した後、実残存容量に変換し、これを充放電電圧に係る第1残存容量とするので、第1残存容量の推定が容易となる。
請求項5に記載の発明は、前記演算手段での重み付けは、前記二次電池の充放電電圧に対して、その電圧変化率が所定の閾値以上であれば前記第1残存容量での重み付けを大きくし、前記閾値未満であれば前記第2残存容量での重み付けを大きくして行われることを特徴とする。
この構成によれば、充放電電圧の電圧変化率が所定の閾値以上の場合、つまり充放電電圧の特性曲線が所定の傾斜角度となっている場合は、充放電電圧に対して、充放電電圧に基づき求めた第1残存容量による重み付けを第2残存容量での重み付けよりも大きくすることで、高精度に二次電池の残存容量を求めることが出来る。一方、充放電電圧の電圧変化率が所定の閾値未満の場合、つまり充放電電圧の特性曲線が平坦となっている場合は、従来技術ではその平坦な特性曲線から充放電電圧に対応する残存容量を求めるため、残存容量が高精度に検知できなかった。しかし、本発明では、充放電電圧に対して、充放電電流の積算値に基づき求めた第2残存容量による重み付けを第1残存容量での重み付けよりも大きくするようにしたので、高精度に二次電池の残存容量を求めることが出来る。
請求項6に記載の発明は、前記演算手段は、前記二次電池の温度が変化しても前記電圧変化率が前記閾値以上で且つ所定残存容量幅にある変極点においては、当該二次電池の残存容量を予め定められた規定残存容量とする補正を行うことを特徴とする。
この構成によれば、二次電池の温度が変化しても変極点では、二次電池の残存容量が予め定められた規定残存容量とされる。これは、例えば二次電池が20Ahで満充電に設定されていた場合、規定残存容量が変極点の部分である74%に定められていた場合、その74%の残存容量は14.8Ahとなる。この場合、その後、二次電池の劣化で満充電が例えば16Ahとなった場合でも、規定残存容量は初期設定値の14.8Ahのままとなる。つまり、満充電16Ahの本来の規定残存容量74%は11.84Ahとならなければならないが、14.8Ahのままの不適切な状態となってしまう。そこで、その満充電16Ahの場合に変極点で強制的に規定残存容量74%に補正すれば、満充電16Ahを100%とした場合の適正な規定残存容量74%となる。
請求項7に記載の発明は、前記閾値は、前記電圧変化率が3×10−5であることを特徴とする。
この構成によれば、電圧変化率を3×10−5以上と3×10−5未満で明確に切り分けることが出来る。
請求項8に記載の発明は、前記二次電池の充放電電圧の曲線は(1/3)・C充放電電圧曲線であり、この(1/3)・C充放電電圧曲線は、前記二次電池の残存容量が10%〜50%間と60%〜90%間であって、少なくとも3×10−5以上の電圧変化率を有することを特徴とする。
この構成によれば、(1/3)・C充放電電圧曲線を有する二次電池が、リチウムイオン二次電池であると限定することができ、このリチウムイオン二次電池において上述の請求項1〜7と同様の作用効果を得ることが出来る。
本発明の実施形態に係る二次電池の残存容量演算装置を用いた電池システムの構成を示すブロック図である。 リチウムイオン二次電池の充放電電圧曲線VL、電圧変化率曲線ΔV及び所定の閾値Vthを表す図である。 (a)二次電池の各温度T、各温度TにおけるCCV、各CCV時の見かけ上のSOCを関係付けたテーブルである第1LUT、(b)二次電池の各温度Tと、各温度Tにおいて第1LUTで求められる見かけ上のSOCと実SOCとを関係付けたテーブルである第2LUTを示す図である。 図2に示す充放電電圧曲線VLにおける各領域A〜Dでの重み付けの簡易例を示す図である。 図2に示す充放電電圧曲線VLにおける電圧変化率dV/dt、閾値(3×10−5)、電流積算SOCi値、電流積算SOCiの重み付けを示す図である。 リチウムイオン二次電池の残存容量演算を行う場合の処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書中の全図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適時省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る二次電池の残存容量演算装置を用いた電池システムの構成を示すブロック図である。
図1に示す電池システム10は、直列接続された複数の二次電池11a,11b,…,11m,11n及び、各二次電池11a〜11nのセル温度を検出する各温度センサ12a,12b,…,12m,12nを備えて成る組電池11と、二次電池11a〜11nの残存容量演算装置としての処理機能を有するCPU(Central Processing Unit)21と、組電池11への充電電流及び組電池11からの放電電流である充放電電流Iを検出する電流検出部31と、充放電制御部41とを備えて構成され、充放電制御部41が負荷装置51に接続されると共に、商用電源52に着脱自在に接続されている。
負荷装置51は、車両用のモータやハイブリッドモータ、家庭や商業用のエアコン、動力源等の電力負荷を消費する装置であり、充放電制御部41を介して供給される組電池11からの電力に応じて所定の動作を行う。
充放電制御部41は、CPU21の充放電命令に応じて、組電池11から負荷装置51へ電力を供給(放電)すると共に、商用電源52からの電力を組電池11へ出力する。この出力により組電池11が充電される。或いは、負荷装置51が車両用のハイブリッドモータのような発電機能を伴う装置であれば、その装置からの電力が組電池11に充電されるように制御を行う。
各二次電池11a〜11nは、本例では正極にオリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩を用いたリチウムイオン二次電池であるとするが、この他、鉛蓄電池、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池などの二次電池であっても良い。また、各二次電池11a〜11nは、各々の出力電圧Va,Vb,…,Vm,Vnと、各温度センサ12a〜12nで検出された温度情報としてのセル温度Ta,Tb,…,Tm,TnとをCPU21へ出力する。
CPU21は、各二次電池11a〜11nからの出力電圧Va〜Vnと各温度センサ12a〜12nからのセル温度Ta〜Tn、並びに電流検出部31からの充放電電流Iに応じて、後述する二次電池11a〜11nの残存容量(SOC)の演算などを行う演算部22と、後述する第1LUT(Look Up Table)23及び(b)に示す第2LUT24を記憶するメモリ部25とを備える。
演算部22は、図2に示すリチウムイオン二次電池の各特性値等を用いて、次のように残存容量演算を行う。但し、図2は、縦軸の左側に組電池11の1つのリチウムイオン二次電池(例えば11a)における出力電圧Va(V)、右側にその電圧変化率dV/dt、横軸にSOC(%)を示し、曲線VLでリチウムイオン二次電池の(1/3)×C充放電時におけるSOCに対する電圧(以降、単に充放電電圧という)を表し、曲線ΔVでSOCに対する電圧変化率(dV/dt)を表し、更に直線Vthで所定の閾値を表したものである。閾値Vthは、残存容量演算の際に用いられる電圧変化率dV/dtの閾値であり、ここでは、3×10−5であるとする。また、VLは充放電電圧曲線、ΔVは電圧変化率曲線という。
なお、組電池11を構成するn個の全リチウムイオン二次電池11a〜11nを想定する場合は、各々が直列接続されているので、1つのリチウムイオン二次電池11aの出力電圧Va(V)をn倍すればよい。セル温度Ta〜Tnはそれらの平均値が温度情報とされる。
残存容量演算は、充放電電圧曲線VLにおいて電圧変化率曲線ΔVで示される電圧変化率dV/dtが閾値Vth以上の部分を後述の電圧推定で得た実SOCvでの重み付けを大きくし、閾値Vth未満の部分を後述の電流積算で得たSOCiでの重み付けを大きくする演算を行い、この演算で求められた実SOCvでの重み付け結果と、SOCiでの重み付け結果とを合成(加算)して、二次電池11aのSOC(n)を求めるものである。以降、電圧推定で得た実SOCvを電圧推定SOCv、電流積算で得たSOCiを電流積算SOCiとも称す。
ここで、電流積算は次式(1)によって行われ、これによって電流積算SOCiが求められる。
SOCi=SOC(n−1)+Σ(I×t)/Cp …(1)
但し、SOC(n−1)は前回の残存容量演算にて求められた二次電池11aの残存容量であり、Iは二次電池11aの充放電電流、tは時間、Cpは温度別の実電池容量である。例えば、前回の残存容量がSOC(n−1)=40%の場合に、今回の電流積算による残存容量Σ(I×t)/Cp=20%、つまり充放電電流Iを時間的に積分し、この結果を実電池容量Cpで除した結果が20%であれば、電流積算SOCiは60%となる。なお、今回の電流積算において、Σ(I×t)を実電池容量Cpで除算するのは、二次電池が使用回数の増加に応じて実質的に電気を蓄積する容量が減少して行くためである。
電圧推定は、二次電池11aのCCV(閉路電圧)である充放電電圧Vと、充放電電流Iと、温度Tとを用い、これらを図3(a)に示す第1LUT23に当て嵌め、この当て嵌めにより得られる見かけ上のSOC(%)を、更に図3(b)に示す第2LUT24に当て嵌めて行われる。
第1LUT23は、二次電池11aが例えば−10℃〜30℃までの5℃置きと40℃の各温度Tと、これら温度Tにおいて測定した静的状態でのCCV{例えば2.781〜3.600又は2.745〜3.600(V)}と、これらのCCV時の見かけ上のSOC(0〜100%)とを関係付けたテーブルであり、充放電毎、充放電電流毎に作成される。同時に第2LUT24も作成される。第2LUT24は、各温度Tと、各温度Tにおいて第1LUT23で求められる見かけ上のSOC(88〜100%又は80〜100%)と、実際のSOCである実SOC(80〜100%)とを関係付けたテーブルである。
演算部22が、それらの第1LUT23及び第2LPF33cを用いて電圧推定を行う場合、例えば、第1LUT23において、温度T=−5℃で、充放電電流I=7Aの時に、CCV=3.409Vでは、見かけ上のSOCは90%となるので、これを第2LUT24に嵌め、実SOC{=電圧推定SOCv}を82%と求める。
このように求められた電圧推定SOCvと電流積算SOCiとで、充放電電圧曲線VLに重み付けを行い、これら重み付け結果を合成して二次電池11aのSOC(%)を求める。その重み付けは、例えば図2に示す各領域A〜Eにおいて簡易的に図4の表に示すように行われる。この図4を参照して最初に重み付けの概念を説明する。
即ち、図2の領域Aでは電圧変化率dV/dtが電圧変化率曲線ΔVで示すように閾値Vthを大きく超えているので、図4に示すように電圧推定SOCvが100%で重み付けされる。領域Bでは電圧変化率dV/dtが閾値Vth以上となっている部分が約50%で、閾値Vth未満となっている部分が約50%なので、電圧推定SOCvが50%、電流積算SOCiが50%で重み付けされる。領域Cでは電圧変化率dV/dtが閾値Vth未満となっているので、電流積算SOCiが100%で重み付けされる。領域Dでは電圧変化率dV/dtが閾値Vth以上となっている部分が約50%で、閾値Vth未満となっている部分が約50%なので、電圧推定SOCvが50%、電流積算SOCiが50%で重み付けされる。領域Eでは電圧変化率dV/dtが閾値Vthを大きく超えているので、電圧推定SOCvが100%で重み付けされる。
演算部22は、上述のように、電圧推定SOCvと電流積算SOCiを重み付けした結果をSOC(n)とする。
また、充放電電圧曲線VLにおいて温度Tが変化しても電圧変化率dV/dtが所定値以上で且つ所定SOC幅にある変極点となる部分においては、二次電池のSOCを予め定められた規定残存容量(例えば74%)とする補正を行う。図2に示す充放電電圧曲線VLにおける電圧変化率dV/dt、閾値Vth、電流積算SOCi値の重み付けを示す図5で説明すると、電圧変化率dV/dtが閾値Vth=3×10−5以上で、尚且つ電流積算SOCiが予め定められたSOC70〜80(%)である変極点の場合、SOCを無条件に所定の規定残存容量74%とする補正Rを行う。
図5では、電圧変化率dV/dtが閾値Vth=3×10−5以上の場合に、電流積算SOCiが0%であれば、図2の領域Aの部分なので、図5の電流積算SOCiでの重み付けWiは、0.00(0%)となり、この際の図示せぬ電圧推定SOCvでの重み付けは100%となっている。同様に電流積算SOCiが10〜30%では、領域Bの部分なので、電流積算SOCiでの重み付けWiは、0.10(10%)、0.00(0%)、0.15(15%)となり、この際の電圧推定SOCvでの重み付けは90%、100%、85%となっている。更に電流積算SOCiが40〜60%では、領域Cの部分なので、電流積算SOCiでの重み付けWiは、1.00(100%)、1.00(100%)、0.91(91%)となり、この際の電圧推定SOCvでの重み付けは0%、0%、9%となっている。電流積算SOCiが70〜80%では、上述の通りSOCを無条件に規定残存容量の74%とする補正Rが行われる。そして、電流積算SOCiが90〜100%では、領域Eの部分なので、電流積算SOCiでの重み付けWiは、0.15(15%)、0.00(0%)となり、この際の電圧推定SOCvでの重み付けは85%、100%となっている。
一方、電圧変化率dV/dtが閾値Vth=3×10−5以下の場合は、0〜100%での電流積算SOCiでの重み付けWiは、図5に示すように、1.00(100%)、0.90(90%)〜0.90(90%)、1.00(100%)と大きくなる。
次に、このような構成の電池システム10においてCPU21によってリチウムイオン二次電池の残存容量演算を行う場合の処理を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS1において、CPU21の演算部22で残存容量演算に必要な情報が取得される。即ち、例えば組電池11における二次電池11aからのCCVである充放電電圧Va(Vaを単にVとも記載する)と、その二次電池11aの温度センサ12aからのセル温度Ta(Tとする)と、電流検出部31からの充放電電流Iとが取得され、充放電電圧Vaから時間経過に応じて変化する電圧変化率dV/dtが求められる。また、セル温度Taにおける実電池容量Cpが求められる。更に、演算部22は図示せぬ自己の記憶手段に前回の残存容量演算で求めたSOC(n−1)を記憶している。
次に、ステップS2において、演算部22で電流積算でSOCiが演算される。これは、上式(1)によって行われる。即ち、前回の残存容量がSOC(n−1)=40%の場合に、今回の電流積算による残存容量がΣ(I×t)/Cp=20%であれば、電流積算SOCiが60%であることが演算される。
次に、ステップS3において、演算部22により電圧推定で実SOCvが演算される。これは、二次電池11aのCCVである充放電電圧Vと、充放電電流Iと、セル温度Tとが用いられ、これらが図3(a)に示す第1LUT23に当て嵌められる。例えば、セル温度T=−5°Cで、充放電電流I=7Aの時に、CCV=3.409Vであるとすると、図3に示す第1LUT23では、見かけ上のSOCの90%が求められる。次に、その90%が第2LUT24に当て嵌められ、実SOC{=電圧推定SOCv}の82%が求められる。
次に、ステップS4において、演算部22で、その求められた電圧推定SOCvと電流積算SOCiとで、充放電電圧曲線VLに重み付けが行われる。例えば、図2の領域Aのように電圧変化率曲線ΔVで示す電圧変化率dV/dtが閾値Vthを大きく超えているとすると、図4に示すように充放電電圧曲線VLに電圧推定SOCvが100%で重み付けされる。領域Bのように電圧変化率dV/dtが閾値Vth以上の部分と、閾値Vth未満の部分とが約50%ずつの場合は、電圧推定SOCvが50%、電流積算SOCiが50%で重み付けされる。以降、領域C〜Eにおいて図4のように重み付けされる。
次に、ステップS5において、演算部22で、電圧推定SOCvでの重み付け結果と電流積算SOCiでの重み付け結果とが加算されて今回のSOC(n)%が求められる。この今回のSOC(n)は演算部22の記憶手段に上書きされる。
一方、上記ステップS4での重み付け処理において、充放電電圧曲線VLが、例えば図5に示すように電圧変化率dV/dtが閾値Vth=3×10−5以上で、尚且つ電流積算SOCiが予め定められたSOC70〜80(%)である場合は、ステップS5で今回のSOC(n)%を、無条件に所定の規定残存容量74%とする補正Rが行われる。
このように本実施形態の二次電池の残存容量演算装置としてのCPU21の特徴は、二次電池11aの残存容量に対応する充放電電圧Vに基づき第1残存容量としての電圧推定SOCvを推定して求め、二次電池11aの充放電電流Iの積算値に基づき第2残存容量としての電流積算SOCiを求め、二次電池11aの充放電電圧Vに対して、その電圧変化率dV/dtに応じて電圧推定SOCv又は電流積算SOCiで重み付けを行い、これら重み付け結果を合成して二次電池11aの残存容量を求める演算手段としての演算部22を備えたことにある。
この構成によって、次のような作用効果がある。従来で技術では、二次電池11aに接続された負荷装置が高負荷継続時には、二次電池11aの残存容量に対応する充放電電圧Vの特性曲線VLが平坦となるため、残存容量を高精度に検知することができない。しかし、本実施形態では、充放電電圧Vの電圧変化率dV/dtに応じて、充放電電圧Vに基づき求めた電圧推定SOCv又は充放電電流Iの積算値に基づき求めた電流積算SOCiで、残存容量に対応する充放電電圧Vに対して重み付けを行うようにした。つまり、充放電電圧Vの特性曲線VLが平坦となっている場合でも、充放電電圧Vに対して少なくとも、充放電電流Iの積算値に基づき求めた電流積算SOCiによる重み付けが行われるので、充放電電圧Vの特性曲線VLに傾斜が付き、これによって高精度に二次電池11aの残存容量を求めることが出来る。しかも、本実施形態では従来のようなインピーダンス測定装置の付加は不要なので、残存容量演算装置が大型化するといったことが無くなる。つまり、本実施形態では、充放電電圧Vの平坦領域が大きい二次電池11aの残存容量を、簡易で小型な構成にて高精度に検知することができる。
また、演算部22が、電圧推定SOCvを推定する際に、二次電池11aの閉路電圧である充放電電圧Vに基づき行うようにした。
この構成によって、二次電池11aの閉路電圧そのものから電圧推定SOCvを推定し、充放電電流Iの積算値に基づき求めた電流積算SOCiを更に用い、双方の残存容量で電圧変化率dV/dtに応じて充放電電圧Vに重み付けを行い、二次電池11aの残存容量を求める。従来技術では、実使用上の閉路電圧は温度や充電量が変化すると充放電電圧Vの特性曲線VLが変わるので、閉路電圧をインピーダンス装置を用いて一旦開路電圧に読み替えて残存容量を推定していた。しかし、本実施形態ではインピーダンス装置を用いた開路電圧への読み替えが不要となる。
また、演算部22が、電流積算SOCiを求める際に、充放電電流Iを時間的に積分し、この積分結果を二次電池11aの実際の電池容量で除した結果を、前回求めた電流積算SOCiに加算して求めるようにした。
この構成によって、二次電池11aが使用回数の増加に応じて実質的に電気を蓄積する容量が減少して行くが、その減少した実際の電池容量における電流積算SOCiを求めることが出来る。
また、演算部22による電圧推定SOCvの推定は、二次電池11aの閉路電圧に見かけ上の残存容量が対応付けられた第1テーブルとしての第1LUT23を参照して二次電池11aの閉路電圧である充放電電圧Vを見かけ上の残存容量に変換し、次に、見かけ上の残存容量に実際の残存容量である実残存容量が対応付けられた第2テーブルとしての第2LUT24を参照して、第1LUT23の参照で得られた見かけ上の残存容量を実残存容量に変換し、この変換された実残存容量を電圧推定SOCvとして行われるようにした。
この構成によって、予め作成された第1及び第2LUT24を参照して、二次電池11aの閉路電圧である充放電電圧Vを見かけ上の残存容量に変換した後、実残存容量に変換し、これを充放電電圧Vに係る電圧推定SOCvとするので、電圧推定SOCvの推定が容易となる。
また、演算部22での重み付けは、二次電池11aの充放電電圧Vに対して、その電圧変化率dV/dtが所定の閾値以上であれば電圧推定SOCvでの重み付けを大きくし、閾値未満であれば電流積算SOCiでの重み付けを大きくして行われるようにした。
この構成によって、充放電電圧Vの電圧変化率dV/dtが所定の閾値以上の場合、つまり充放電電圧Vの特性曲線VLが所定の傾斜角度となっている場合は、充放電電圧Vに対して、充放電電圧Vに基づき求めた電圧推定SOCvによる重み付けを電流積算SOCiでの重み付けよりも大きくすることで、高精度に二次電池11aの残存容量を求めることが出来る。一方、充放電電圧Vの電圧変化率dV/dtが所定の閾値未満の場合、つまり充放電電圧Vの特性曲線VLが平坦となっている場合は、従来技術ではその平坦な特性曲線VLブから充放電電圧Vに対応する残存容量を求めるため、残存容量が高精度に検知できなかった。しかし、本実施形態では、充放電電圧Vに対して、充放電電流Iの積算値に基づき求めた電流積算SOCiによる重み付けを電圧推定SOCvでの重み付けよりも大きくするようにしたので、高精度に二次電池11aの残存容量を求めることが出来る。
また、演算部22が、二次電池11aの温度が変化しても電圧変化率dV/dtが閾値以上で且つ所定残存容量幅にある変極点においては、二次電池11aの残存容量を予め定められた規定残存容量とする補正を行うようにした。
この構成によって、二次電池11aの温度が変化しても変極点では、二次電池11aの残存容量が予め定められた規定残存容量とされる。これは、例えば二次電池11aが20Ahで満充電に設定されていた場合、規定残存容量が変極点の部分である74%に定められていた場合、その74%の残存容量は14.8Ahとなる。この場合、その後、二次電池11aの劣化で満充電が例えば16Ahとなった場合でも、規定残存容量は初期設定値の14.8Ahのままとなる。つまり、満充電16Ahの本来の規定残存容量74%は11.84Ahとならなければならないが、14.8Ahのままの不適切な状態となってしまう。そこで、その満充電16Ahの場合に変極点で強制的に規定残存容量74%に補正すれば、満充電16Ahを100%とした場合の適正な規定残存容量74%となる。
また、上述の閾値を、3×10−5と定めてもよい。これによって、電圧変化率dV/dtを3×10−5以上と3×10−5未満で明確に切り分けることが出来る。
更に、二次電池11aの充放電電圧Vの特性曲線は(1/3)・C充放電電圧V曲線であり、この(1/3)・C充放電電圧V曲線は、二次電池11aの残存容量が10%〜50%間と60%〜90%間であって、少なくとも3×10−5以上の電圧変化率dV/dtを有するようにしても良い。
この構成によって、(1/3)・C充放電電圧Vの特性曲線を有する二次電池11aが、リチウムイオン二次電池11aであると限定することができ、このリチウムイオン二次電池11aにおいて上述したと同様の作用効果を得ることが出来る。
10 電池システム
11 組電池
11a〜11n 二次電池
12a〜12n 各二次電池のセル温度
21 CPU
22 演算部
23 第1LUT
24 第2LUT
25 メモリ部
31 電流検出部
41 充放電制御部
51 負荷装置
52 商用電源

Claims (8)

  1. 充放電が行われる二次電池のエネルギー残量を示す残存容量を演算する二次電池の残存容量演算装置において、
    前記二次電池の残存容量に対応する充放電電圧に基づき第1残存容量を推定して求め、当該二次電池の充放電電流の積算値に基づき第2残存容量を求め、当該二次電池の充放電電圧に対して、その電圧変化率に応じて前記第1残存容量又は前記第2残存容量で重み付けを行い、これら重み付け結果を合成して当該二次電池の残存容量を求める演算手段
    を備えることを特徴とする二次電池の残存容量演算装置。
  2. 前記演算手段は、前記第1残存容量を推定する際に、前記二次電池の閉路電圧である充放電電圧に基づき行うことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の残存容量演算装置。
  3. 前記演算手段は、前記第2残存容量を求める際に、前記充放電電流を時間的に積分し、この積分結果を前記二次電池の実際の電池容量で除した結果を、前回求めた第2残存容量に加算して求めることを特徴とする請求項1に記載の二次電池の残存容量演算装置。
  4. 前記第1残存容量の推定は、前記二次電池の閉路電圧に見かけ上の残存容量が対応付けられた第1テーブルを参照して当該二次電池の閉路電圧である充放電電圧を見かけ上の残存容量に変換し、次に、前記見かけ上の残存容量に実際の残存容量である実残存容量が対応付けられた第2テーブルを参照して、前記第1テーブルの参照で得られた見かけ上の残存容量を実残存容量に変換し、この変換された実残存容量を前記第1残存容量として行われることを特徴とする請求項2に記載の二次電池の残存容量演算装置。
  5. 前記演算手段での重み付けは、前記二次電池の充放電電圧に対して、その電圧変化率が所定の閾値以上であれば前記第1残存容量での重み付けを大きくし、前記閾値未満であれば前記第2残存容量での重み付けを大きくして行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池の残存容量演算装置。
  6. 前記演算手段は、前記二次電池の温度が変化しても前記電圧変化率が前記閾値以上で且つ所定残存容量幅にある変極点においては、当該二次電池の残存容量を予め定められた規定残存容量とする補正を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池の残存容量演算装置。
  7. 前記閾値は、前記電圧変化率が3×10−5であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の二次電池の残存容量演算装置。
  8. 前記二次電池の充放電電圧の曲線は(1/3)・C充放電電圧曲線であり、この(1/3)・C充放電電圧曲線は、前記二次電池の残存容量が10%〜50%間と60%〜90%間であって、少なくとも3×10−5以上の電圧変化率を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の二次電池の残存容量演算装置。
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