以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
<検出装置での検出の概要>
図35に示されたように、空気中に浮遊する固体粒子のうちの生物由来の粒子には、アレルギーの原因となる物質(以下、アレルゲンとも称する)と微生物とが含まれ、さらに、アレルゲンには花粉およびダニの死骸・ふんが含まれ、微生物には細菌と真菌とが含まれる。
検出装置を用い、導入された空気中の微生物、ダニの死骸・ふん、および花粉の量をそれぞれ検出する。
微生物、ダニの死骸・ふん、および花粉について、粒子径および粒子密度をそれぞれ表1に示す。表1に示されたように、微生物、ダニの死骸・ふん、および花粉は、それぞれ、粒子径および粒子密度が異なる。
この特性を利用してそれぞれの粒子の量を測定するために、本実施の形態にかかる検出装置は分離器を含み、導入された空気から検出対象としない粒子を分離して除去した上で、分離後の空気から生物由来の粒子を検出してその量を測定する。しかしながら、分離器は後述するように分離粒子径よりも大きい粒子を空気中から除去し、その分離粒子径よりも小さい粒子を通過させるものであるため、上記3種類の粒子径の粒子をそれぞれ通過させて測定することが難しい。そこで、本実施の形態にかかる検出装置は、粒子径に応じて検出領域を設定し、検出領域ごとの検出結果の差分を利用して、上記3種類の粒子のそれぞれの量を測定する。
図1は、本実施の形態にかかる検出装置における検出原理を説明する図である。詳しくは図1を参照して、粒子径の検出領域を0〜5μmとした第1の測定、0〜15μmとした第2の測定、および0〜30μmとした第3の測定をそれぞれ行なう。第1の測定の場合には分離器での分離粒子径を5μmと設定し、第2の測定の場合には分離器での分離粒子径を15μmと設定し、第3の測定の場合には分離器での分離粒子径を30μmと設定する。第1の測定では粒子径が0〜5μm内にある微生物が検出され、第2の測定では微生物と0〜15μm内にある微生物およびダニの死骸・ふんが検出され、第3の測定では微生物と0〜30μm内にある微生物、ダニの死骸・ふん、および花粉が検出される。そこで、第2の測定結果から第1の測定結果を減じて第1の差分を得ることでダニの死骸・ふんの量を得ることができ、第3の測定結果から第2の測定結果を減じて第2の差分を得ることで花粉の量を得ることができる。
以降、この原理を用いて上記3種類の粒子の量を測定するための検出装置について、それぞれ説明する。
<装置の全体構成>
図2は、上記検出を行なうための、実施の形態にかかる検出装置1の構成の具体例を示す図である。
図2を参照して、検出装置1は、導入された空気中の生物由来の粒子を検出し、その量を測定するための検出器100と、検出器100とエア管500で接続された、導入された空気中の粒子からそのサイズに応じて検出対象としない粒子を分離して除去するための分離器700と、検出装置1に外部空気を導入するための吸気装置としてのファン400と、これらを制御するための制御部200とを含む。分離器700からエア管500を経て検出器100までが、連続した経路を形成する。
制御部200は、検出器100、ファン400、および分離器700と電気的に接続され、これらの駆動を制御する。詳しくは、制御部200は、検出器100での検出を制御するための機能である検出制御部201と、図示しないファンモータの動作を制御してファン400による検出装置1への空気の導入の開始/終了や流量を制御するための機能であるファン制御部202とを含む。ファン400が制御部200での制御に従って駆動されることで、検出装置1外の空気が図中の矢印で表わされた向きに、分離器700から装置内に導入し、エア管500を経て検出器100に導入される。これにより、上記経路が流路として機能する。なお、以降の説明において、上記流路の分離器700側を「上流」または「上流側」、および検出器100側を「下流」または「下流側」とも称する。
なお、図2においてファン400は検出器100の図示しない排出孔に接して設けられる例が示されているが、ファンの位置はこの位置に限定されず、分離器700からエア管500を経て検出器100に至るまでの流路のいずれかの位置の設置されていればよい。
<検出部の構成>
検出器100として、導入された空気から生物由来の粒子の量を検出する機能を有するあらゆる検出装置を採用することができる。
図3は、検出器100の構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、検出器100は、検出機構と捕集機構と加熱機構とを含む。詳しくは、図3を参照して、検出器100は孔5C’を有する区切り壁である壁5Cで隔てられた、捕集機構の少なくとも一部を含んだ捕集室5Aと、検出機構を含んだ検出室5Bとを備える。
捕集機構は、一例として、放電電極17、捕集治具12、および高圧電源2を含む。放電電極17は高圧電源2の負極に電気的に接続される。高圧電源2の正極は接地される。これにより、導入された空気中の浮遊粒子は放電電極17付近にて負に帯電される。
捕集治具12は、導電性の透明の皮膜3を有する、ガラス板などからなる支持基板4である。皮膜3は、接地される。これにより、放電電極17と捕集治具12と間に電位差が発生し、これらの間に図3の矢印Eに示される向きの電界が構成される。負に帯電された空気中の浮遊粒子は静電気力で捕集治具12の方向に移動して導電性の皮膜3に吸着され、捕集治具12上に捕集される。
ここで、放電電極17として針状電極を用いることによって、帯電した粒子を捕集治具12の放電電極17に対面する、(後述する)発光素子の照射領域15に対応したきわめて狭い範囲に吸着させることができる。これにより、後述する検出工程において、吸着された生物由来の粒子を効率的に検出することができる。
支持基板4は、ガラス板には限定されず、その他、セラミック、金属等であってもよい。また、支持基板4表面に形成される皮膜3は、透明に限定されない。他の例として、支持基板4は、金属皮膜をセラミック等の絶縁材料の上に形成して構成されてもよい。また、支持基板4が金属材料の場合は、その表面に皮膜を形成する必要もない。具体的には、支持基板4として、シリコン基板、SUS(Stainless Used Steel)基板、銅基板などが利用できる。
検出機構は、光源である発光素子6と、発光素子6の照射方向に備えられ、発光素子6からの光を平行光にする、または所定幅とするためのレンズ(またはレンズ群)7と、受光素子9と、受光素子9の受光方向に備えられ、捕集機構により捕集治具12上に捕集された浮遊微粒子に発光素子6から照射することにより生じる蛍光を受光素子9に集光するための集光レンズ(またはレンズ群)8とを含む。その他、発光素子6の照射方向に備えられ、発光素子6からの光を平行光にする、または所定幅とするためのレンズ(またはレンズ群)、アパーチャ、照射光が受光素子9に入り込むのを防ぐためのフィルタ(またはフィルタ群)などが含まれてもよい。これらの構成は、従来技術を応用できる。集光レンズ8は、プラスチック樹脂製またはガラス製でよい。
発光素子6は、半導体レーザまたはLED素子を含む。波長は、微生物を励起して蛍光を発させるものであれば、紫外または可視いずれの領域の波長でもよい。好ましくは、特表2008−508527号公報に開示されているように、微生物中に含まれ、蛍光を発するトリプトファン、NaDH、リボフラビン等が効率よく励起される300nmから450nmである。受光素子9は、従来用いられている、フォトダイオード、イメージセンサなどが用いられる。
受光素子9は制御部200に電気的に接続されて、受光量に比例した電流信号を信号処理部30に対して出力する。従って、導入された空気中に浮遊し、捕集治具12表面に捕集された粒子に発光素子6から光が照射されることによって該粒子から発光された蛍光は、受光素子9において受光され、制御部200においてその受光量が検出される。
レンズ7および集光レンズ8は、いずれも、プラスチック樹脂製またはガラス製でよい。レンズ7(またはレンズ7とアパーチャとの組み合わせ)により、発光素子6の発光は捕集治具12の表面に照射され、捕集治具12上に照射領域15を形成する。照射領域15の形状に限定はなく、円形、楕円形、四角形などであってよい。照射領域15は特定のサイズに限定されないが、好ましくは、円の直径または楕円の長軸方向の長さまたは四角形の1辺の長さが約0.05mmから50mmである。
上記フィルタが集光レンズ8または受光素子9の前に設置されてもよい。かかるフィルタは、単一または数種のフィルタの組み合わせで構成されるものでよい。これにより、捕集治具12で捕集された粒子からの蛍光と共に、発光素子6からの照射光が捕集治具12やケース5に反射した迷光が受光素子9に入射することを抑えることができる。
加熱機構は、制御部200に電気的に接続され、制御部200によって加熱量(加熱時間、加熱温度等)が制御されるヒータ91を含む。ヒータ91としては、好適にはセラミックヒータが用いられる。以降の説明ではヒータ91としてセラミックヒータが想定されているが、その他、遠赤外線ヒータや遠赤外線ランプなどであってもよい。
ヒータ91は、捕集治具12上に捕集された空気中の浮遊粒子を加熱し得る位置であって、少なくとも加熱時には発光素子6、受光素子9等のセンサ機器から何かによって隔てられる位置に配備される。好ましくは、図3に表わされたように、捕集治具12を間に挟んで発光素子6、受光素子9等のセンサ機器から遠い側に配備される。このようにすることにより加熱時にヒータ91は捕集治具12によって発光素子6、受光素子9等のセンサ機器から隔てられ、それにより発光素子6、受光素子9等への熱の影響を抑えることができる。より好ましくは、図4に示されるように、ヒータ91は周囲が断熱材で囲まれる。断熱材としては、好適にはガラスエポキシ樹脂が用いられる。このように構成することによって、セラミックヒータであるヒータ91が約2分で200℃に到達したときに断熱材を介してヒータ91に接続される部分(図示せず)の温度が30℃以下であったことを発明者が確認している。
捕集室5Aには、捕集機構として針状の放電電極17および捕集治具12が配備される。
導入孔10および排出孔11は、それぞれ、捕集室5Aの放電電極17側および捕集治具12に設けられる。図3に示されるように、導入孔10にはフィルタ(プレフィルタ)10Bが設けられてもよい。さらに、導入孔10および排出孔11には、捕集室5A内への空気の出入りは可能として外部光の入射を遮断するための構成が備えられてもよい。
検出室5Bには、検出機構として発光素子6、受光素子9、および集光レンズ8が配備される。
検出室5Bは、好ましくは、少なくとも内部に、黒色塗料の塗布または、黒色アルマイト処理等が施される。これにより、迷光の原因となる内部壁面での光の反射が抑えられる。捕集室5Aおよび検出室5B筐体の材質は特定の材質に限定されないが、好ましくは、プラスチック樹脂、アルミもしくはステンレスなどの金属、またはそれらの組み合わせが用いられる。導入孔10および排出孔11は、直径が1mmから50mmの円形である。導入孔10および排出孔11の形状は円形に限定されず、楕円形、四角形など他の形状であってもよい。
検出室5B内の、捕集治具12表面に触れる位置には、捕集治具12表面をリフレッシュするためのブラシ60が設けられる。ブラシ60は、検出処理部40によって制御される図示しない移動機構に接続され、図中の両側矢印Bに示されるように、すなわち、捕集治具12上を往復するように移動する。これにより、捕集治具12表面に付着した埃や微生物が取り除かれる。
捕集治具12とヒータ91とは、ユニットを構成する。このユニットを以降の説明において捕集ユニット12Aと称する。捕集ユニット12Aにおいて、ヒータ91は、好ましくは、図3に表わされたように、捕集治具12の放電電極17から遠い側の面に配備される。捕集ユニット12Aは制御部200によって制御される図示しない移動機構に機械的に接続され、図中の両側矢印Aに示されるように、すなわち、捕集室5Aから検出室5Bへ、検出室5Bから捕集室5Aへ、壁5Cに設けられた孔5C’を通って移動する。
なお、上述のように、ヒータ91は、捕集治具12上に捕集された空気中の浮遊粒子を加熱し得る位置であって、少なくとも加熱時には発光素子6、受光素子9等のセンサ機器から何かによって隔てられる位置に配備されればよいため、捕集ユニット12Aに含まれず、他の位置に備えられてもよい。後述するように加熱動作が捕集室5Aで行なわれる場合、ヒータ91は捕集ユニット12Aに含まれず、捕集室5Aの、捕集ユニット12Aがセットされる位置であって、捕集治具12の、発光素子6、受光素子9等のセンサ機器と反対側に固定されていてもよい。このようにすることよっても加熱時にはヒータ91は捕集治具12によって発光素子6、受光素子9等のセンサ機器から隔てられ、それにより発光素子6、受光素子9等への熱の影響を抑えることができる。この場合、捕集ユニット12Aには少なくとも捕集治具12が含まれていればよい。
図5は、捕集ユニット12Aの動作を説明する図である。図5に示されるように、捕集ユニット12Aの壁5Cから最も遠い側の端部には、上下に突起を有したカバー65Aが備えられる。壁5Cの捕集室5A側の面であって、孔5C’の周囲には、カバー65Aに対応したアダプタ65Bが備えられる。アダプタ65Bには、カバー65Aの上記突起に嵌合する凹部が設けられ、これによりカバー65Aとアダプタ65Bとが完全に接合され、孔5C’を覆うことになる。すなわち、捕集ユニット12Aが図5中の矢印A’の方向に、孔5C’を通って捕集室5Aから検出室5Bへ移動し、捕集ユニット12Aが完全に検出室5Bに入った時点で、カバー65Aがアダプタ65Bに接合されて孔5C’が完全に覆われ、検出室5B内が遮光される。これにより、検出室5Bで検出動作が行なわれている間には検出室5B内への入射が遮断される。
なお、以上の例は、図2、図3に表わされたように、検出器100が捕集するための機構と検出するための機構とを分離した構成である例である。しかしながら、検出器100の構成は図2、図3に表わされた構成に限定されず、他の例として、捕集するための機構と検出するための機構とを一体とした構成であってもよい。
図6は、検出器100の構成の他の例を示す図である。図6を参照して、他の例として検出器100は、導入孔10および排出孔11が設けられたケース5を有し、その内部に、検出機構と捕集機構と加熱機構とが含まれる。
発光素子6およびレンズ7と、受光素子9および集光レンズ8とは、図6での上面から見て直角または略直角に設けられる。発光素子6から照射された光のうちの捕集治具12表面に形成される照射領域15からの反射光は、照射領域15への入射に対応した方向に向かう。そのため、この構成とすることで、反射光が直接受光素子9に入らない。なお、捕集治具12表面からの蛍光は等方的に発光するので、反射光および迷光の受光素子9への入射を抑えられる配置であれば、図示された配置には限定されない。
より好ましくは、捕集治具12は、照射領域15に対応する表面に捕集した粒子からの蛍光を受光素子9に集めるための構成の一例として、照射領域15に球面状の窪みが形成されてもよい。さらに、捕集治具12は、好ましくは、受光素子9に捕集治具12表面が相対するよう、受光素子9に向かう方向に所定角度だけ傾けて設けられてもよい。この構成により、球面状の窪み内の粒子から等方的に発光した蛍光が球面表面で反射して受光素子9方向に集められる効果があり、受光信号を大きくできるメリットがある。窪みの大きさは限定されないが、好ましくは、照射領域15よりも大きい。
この構成の場合、導入孔10および排出孔11には、それぞれ、シャッタ16A,16Bが設置される。シャッタ16A,16Bは、それぞれ制御部200に電気的に接続され、その開閉が制御される。シャッタ16A,16Bが閉塞されることでケース5内への空気の流入および外部光の入射が遮断される。制御部200は、蛍光を測定する際にはシャッタ16A,16Bを閉塞し、ケース5内への空気の流入および外部光の入射を遮断する。これにより、蛍光の測定時には捕集機構での浮遊粒子の捕集が中断される。また、蛍光の測定時に外部光のケース5内への入射が遮断されることで、ケース5内の迷光が抑えられる。なお、シャッタ16A,16Bのうちのいずれか一方、たとえば、少なくとも排出孔11のシャッタ16Bのみが備えられてもよい。
<検出器での検出原理>
ここで、検出器100における検出原理について説明する。
特表2008−508527号公報にも開示されているように、空気中に浮遊する生物由来の粒子は、紫外光または青色光が照射されることで蛍光を発することは従来から知られている。しかし、空気中には化学繊維の埃など同様に蛍光を発するものが浮遊しており、蛍光を検出するのみでは、生物由来の粒子からのものであるか化学繊維の埃などからのものであるかが区別されない。
そこで、発明者は、生物由来の粒子と化学繊維の埃などとのそれぞれに対して加熱処理を施し、加熱の前後における蛍光の変化を測定した。発明者による、具体的な測定結果が図7〜図16に示されている。測定の結果より、発明者は、埃は加熱処理によって蛍光強度が変化しないのに対して、生物由来の粒子は加熱処理によって蛍光強度が増加することを見出した。
具体的に、図7は、生物由来の粒子としての大腸菌を200℃にて5分間加熱処理したときの、加熱処理前(曲線79)および加熱処理後(曲線72)の蛍光スペクトルの測定結果である。図7に表わされた測定結果より、加熱処理を施すことによって大腸菌からの蛍光強度が大幅に増加していることが分かった。また、図8(A)に示された加熱処理前の蛍光顕微鏡写真と、図8(B)に示された加熱処理後の蛍光顕微鏡写真との比較によっても、加熱処理を施すことによって大腸菌からの蛍光強度が大幅に増加していることが明らかとなっている。
同様に、図9は、生物由来の粒子としてのバチルス菌を200℃にて5分間加熱処理したときの加熱処理前(曲線73)および加熱処理後(曲線74)の蛍光スペクトルの測定結果であり、図10(A)が加熱処理前、図10(B)が加熱処理後の蛍光顕微鏡写真である。また、図11は、生物由来の粒子としてのアオカビ菌を200℃にて5分間加熱処理したときの加熱処理前(曲線75)および加熱処理後(曲線76)の蛍光スペクトルの測定結果であり、図12(A)が加熱処理前、図12(B)が加熱処理後の蛍光顕微鏡写真である。また、生物由来の粒子としてのスギ花粉を200℃にて5分間加熱処理したときの、図13(A)が加熱処理前、図13(B)が加熱処理後の蛍光顕微鏡写真である。これらに示されるように、他の生物由来の粒子でも大腸菌と同様に加熱処理によって蛍光強度が大幅に増加することが分かった。
これに対して、図14(A)および図14(B)は、それぞれ、蛍光を発する埃を200℃にて5分間加熱処理したときの加熱処理前(曲線77)および加熱処理後(曲線78)の蛍光スペクトルの測定結果であり、図15(A)が加熱処理前、図15(B)が加熱処理後の蛍光顕微鏡写真である。図14(A)に示された蛍光スペクトルと図14(B)に示された蛍光スペクトルとを重ねると図16に示されるように、これらはほぼ重なることが検証された。すなわち、図16の結果や図14(A)と図14(B)との比較に示されるように、埃からの蛍光強度は加熱処理の前後において変化がないことが分かった。
検出器100における検出原理として、発明者の検証した上述の現象が応用される。すなわち、空気中では、埃と、生物由来の粒子が付着した埃と、生物由来の粒子とが混合されている。上述の現象を基にすると、捕集した粒子に蛍光を発する埃が混ざっている場合、加熱処理前に測定される蛍光スペクトルには、生物由来の粒子からの蛍光と蛍光を発する埃からの蛍光とが含まれ、生物由来の粒子を化学繊維の埃などから区別して検出することができない。しかしながら、加熱処理を施すことで生物由来の粒子だけが蛍光強度が増加し、蛍光を発する埃の蛍光強度は変化しない。そのため、加熱処理前の蛍光強度と所定の加熱処理後の蛍光強度との差を測定することで、生物由来の粒子の量を求めることができる。
<分離器の構成1>
分離器700は、導入された空気中から所定サイズの粒子径よりも大きい粒子径の粒子を分離して除去するものであれ、かつ、分離する粒子径を変更することが可能なものであれば、あらゆるものが採用され得る。好適には、遠心力を利用したサイクロンや慣性力を利用したバーチャルインパクタが用いられる。
図17は、サイクロンを採用した分離器700の構成の概略図である。図17(A)は、分離器700を、左側に外部空気を導入するための導入孔70、上側に分離器700内の空気を排出するための排出孔71とした方向で見た図、図17(B)は、排出孔71側から見た図である。図17(A)で表わされた面を分離器700の正面とし、図17(B)で表わされた面を分離器700の上面とする。
サイクロンを採用した分離器700は、上記流路に対して延伸し、延伸方向の上下が閉じられた円筒(外筒)に、それよりも直径が小さい円筒(内筒)が、延伸方向の上部の円の中心を外筒と同じくする位置から下向きに差し込まれた形状を有する。内筒の上部は開放されて排出孔71を形成している。図17において、直径Dcは外筒の直径を指し、直径Ddは内筒の直径、つまり排出孔71の直径を指し、高さhはサイクロン分離室としての、外筒の高さを指す。
サイクロンを採用した分離器700の外形は上記外筒に限定されず、上面が直径Dcの円形であって、上面から下面に向けた側面にテーパーを有した円錐形であってもよい。または、上面から所定厚み分が筒状であって、それより下が円錐形であってもよい。
上記外筒または円錐形の外形の上部には、インレットとも呼ばれる、外部空気を導入するための筒状の導入管が、断面の円形の接線方向に挿入された形状を有する。導入管は両端が開放し、分離器700と反対側の端部が導入孔70を形成している。図17において、面積Aiは導入孔70の断面積を指す。
<分離器の原理>
流路に設けられたファン400が回転することによって、分離器700には導入孔70から外部空気が導入される。導入孔70は外筒の断面の接線方向に導入された導入管の開放口であるため、ファン400の吸引力によってその方向に外部空気が一定の流速viで導入されることによって、導入された空気は、外筒の内側に沿って回転し、回転中心に向かう気流が生じる。
導入された空気に粒子が含まれると、該粒子には、回転による遠心力が生じると共に、流体抵抗力(抗力)が作用する。遠心力が勝ると粒子は外筒内壁側に移動し、抗力が勝ると内筒側に移動する。さらに、遠心力で外筒内壁に接触することで外筒内壁との間の摩擦が作用する。摩擦によって該粒子の回転速度が徐々に落ち、該粒子自身の重力がファン400の吸引力に勝ると、該粒子は外筒内壁に沿って落下する。
すなわち、導入孔70から導入された空気中の粒子のうち、粒子径が所定の長さ(分離粒子径)よりも大きい粒子が図6で点線の矢印に示されるように分離器700の下部に、小さい粒子が図6で実線の矢印に示されるように上部に分離される。そして、上部に分離された分離粒子径Dpcよりも小さい粒子が、ファン400の吸引力によって生じる上昇気流により排出孔71から排出され、エア管500を経て検出器100へ到達する。
導入される空気の速度(流速vi)が速いほど、また外筒の直径Dcが小さく回転半径が小さいほど、粒子に作用する遠心力は大きくなる。一方、同じ密度の粒子で同じ回転速度で回転する粒子径を比較すると、粒子径が大きいほど該粒子に作用する遠心力が大きくなり、落下、すなわち空気から分離されやすくなる。この原理によって得られる、サイクロンにおける分離粒子径Dpcは、以下の式(1)で規定されている。
ただし、Dpcは分離粒子径(m)、ρpは粒子の密度(kg/m3)、ρは流体の密度(kg/m3)、μは空気粘度(Pa・s)、viは導入される空気の導入孔70での流速(m/s)、Aiは導入孔70の断面積(m2)、Ddはサイクロン内筒径(m)、Dcはサイクロン外筒径(m)、およびhはサイクロン分離室高さ(m)を指す。
<検出領域の設定>
検出装置1では、分離器700で分離粒子径Dpcよりも粒子径の大きな粒子が導入された空気から分離されて除去され、分離粒子径Dpcよりも粒子径の小さな粒子が検出器100での検出対象となる。すなわち、分離器700における分離粒子径Dpcに応じて検出器100での粒子径の検出領域が決定される。そのため、分離器700における分離粒子径Dpcを設定する検出領域に応じて切り替える必要がある。
上記式(1)より、サイクロンを利用した分離器700の各箇所のサイズ、特に、断面積Ai、外筒径Dc、内筒径Dd、および流量Qiが分離粒子径Dpcに影響することがわかる。そこで、発明者は、断面積Ai、外筒径Dc、および内筒径Ddと、流量Qiとを異ならせて実験を行ない、分離器700の具体的な形状および流量を確認した。
図18は、式(1)から得られる、分離粒子径Dpcと流量Qiとの関係を示す図であって、図18の曲線Aが分離器700の形状を第1の形状としたときの関係、曲線Bが第2の形状としたときの関係を示している。第1の形状は、外筒径Dc=40mm、内筒径Dd=10mm、および断面積Ai=1.2cm2であり、第2の形状は、外筒径Dc=40mm、内筒径Dd=21mm、および断面積Ai=0.5cm2であり、共に高さhは同じである(h=10mm)。図18においては、曲線A,Bよりも上の粒子径の粒子が、当該分離器700において導入された空気から分離して除去され、曲線A,Bよりも下の粒子径の粒子が、当該分離器700を通過してエア管500を経て検出器100に到達することを表わしている。
なお、図18において、分離粒子径30μm付近のハッチングされた領域はアレルゲンである花粉の属する粒子径の領域を表わし、10〜15μmのハッチングされた領域はアレルゲンであるダニの死骸・ふんの属する粒子径の領域を表わし、分離粒子径5μmより下のハッチングされた領域は微生物の属する粒子径の領域を表わしている。
発明者は、検出装置1に対して、実際に第1の形状の分離器700または第2の形状の分離器700を用い、分離器700を通過した粒子を検出器100の捕集治具12上に集塵させて、分離捕集能を評価する実験を行なった。分離捕集能を評価するために、検出装置1を、サイクロンである分離器700を含む状態と含まない状態との2種類の状態とし、分離器700を含む状態での捕集量の、分離器700を含まない状態での捕集量に対する比率を、分離捕集能として算出した。分離捕集能の0%は、サイクロンである分離器700にて対象のサイズの粒子が導入された空気中から分離して除去されたことを表わし、分離捕集能の100%は該粒子が分離器700では分離されずに通過し、エア管500を経て検出器100に到達したことを表わす。
詳しくは、検出装置1全体を容積1m3の測定チェンバに入れ、微生物に相当する粒子として直径3μmのポリスチレン粒子、またはアレルゲンとしての花粉(直径25μm)をチェンバ内に噴霧した後、検出器100の高圧電源2での印加電圧を−5kVとし、5分間、検出装置1を稼動させた。
各形状の分離器700には、図示しないファンモータによって駆動されるファン400で外部空気が導入されるように設定した。ファンモータは、2〜20L(リットル)/minの流量で運転できることを確認し、サイクロン運転時は風切り音の発生のないことを確認した。
さらに、発明者は、分離器700に導入される空気の流量Qiを、各実験条件に応じて変化させた。そして、それぞれの条件下で捕集治具12上の粒子数をカウントし、1Lあたりの捕集量を分離器700を含む状態と含まない状態とで比較して分離捕集能を算出した。
実験条件として、図18の丸印が付された、それぞれ次の条件1〜条件4で表わされた計4条件を採用した:
条件1…第1の形状の分離器700を用い、流量Qi=1.6L/minとした条件、すなわち、この場合の分離粒子径Dpcは上記式(1)より26μm、
条件2…第1の形状の分離器700を用い、流量Qi=10L/minとした条件、すなわち、この場合の分離粒子径Dpcは上記式(1)より11μm、
条件3…第1の形状の分離器700を用い、流量Qi=20L/minとした条件、すなわち、この場合の分離粒子径Dpcは上記式(1)より7.5μm、
条件4…第2の形状の分離器700を用い、流量Qi=20L/minとした条件、すなわち、この場合の分離粒子径Dpcは上記式(1)より4.5μm。
発明者は、第1の実験として、微生物に相当する粒子および花粉をそれぞれ別個に、単一のサイズの粒子をチェンバ内に噴霧して、上記実験条件1〜4のそれぞれで上述の実験を行なって、分離捕集能を算出した。図19〜図22は、それぞれ、第1の実験で得られた微生物に相当する粒子および花粉についてのそれぞれの分離捕集能を、上記実験条件1〜4について示す図である。
図19で表わされた実験結果より、実験条件1である場合には、分離器700を微生物に相当する粒子および花粉のいずれもが通過することがわかった。図20、図21に表わされた実験結果より、実験条件2、3である場合には、実験条件1の場合よりも分離器700で花粉を分離して除去する比率が徐々に高くなることがわかった。すなわち、同じ形状である場合、導入される空気の流量Qiが大きいほど(つまり、流速viが速いほど)花粉が分離して除去される比率が高くなることがわかった。これは、上記式(1)および図18に示された関係より、同じ形状である場合には流量Qiが大きいほど分離粒子径Dpcが小さくなり、より広範囲の粒子径の粒子が除去されることになるからと考察される。
さらに、図22に表わされた実験結果より、この実験条件の中では、実験条件4の場合に、分離器700で花粉を分離して除去する比率が最も高くなることがわかった。これは、上記式(1)および図18に示された関係より、同じ流量Qiの場合であっても形状によって分離粒子径Dpcが異なるためと考察される。
なお、発明者は、様々な粒子径の粒子が混合されている実際の空気でも同様に高精度で分離されることを確認するために、第2の実験として、微生物に相当する粒子と花粉とを混合してチェンバ内に噴霧し、上記実験条件4で上述の実験を行なって、分離捕集能を算出した。図23は、第2の実験で得られた微生物に相当する粒子および花粉についてのそれぞれの分離捕集能を示す図である。
図23で表わされた実験結果より、微生物に相当する粒子と花粉とが混合された空気が導入された場合であっても、単一の粒子径である場合と同様に、高い精度で分離器700で花粉が分離して除去されることがわかった。
以上の実験結果より、発明者は、検出装置1においてサイクロンを採用した分離器700を用いて検出領域外の粒子径の粒子を導入された空気から分離して除去する際に分離器700に導入される空気の流量Qi、または分離器700の形状を切り替えることで、設定される検出領域に対応した分離粒子径Dpcに切り替えることが可能と考察した。
<分離器の構成2>
なお、上述のように分離器700はサイクロンには限定されず、他の例としてバーチャルインパクタが用いられてもよい。
図24は、バーチャルインパクタを採用した分離器700の構成の概略図である。図24(A)は、分離器700を、左側に分離器700内の空気を排出するための排出孔71、上側に外部空気を導入するための導入孔70とした方向で見た図、図24(B)は、導入孔70側から見た図である。図24(A)で表わされた面を分離器700の正面とし、図24(B)で表わされた面を分離器700の上面とする。すなわち、図24によると、分離器700の上面に設けられた導入孔70から外部空気が導入され、左側に設けられた排出孔71から分離器700内の空気が排出される。
バーチャルインパクタを採用した分離器700は、上記流路に対して延伸し、延伸方向の上下が閉じられた円筒(外筒)に、それよりも直径が小さく、先端がノズル形状となった噴出ノズルが、延伸方向の上部の円の中心を外筒と同じくする位置から下向きに差し込まれた形状を有する。噴出ノズルの上部は開放されて導入孔70を形成している。噴出ノズルは、外筒の高さ方向のほぼ中央付近までの高さであって、その位置から、導入された空気が分離器700内部に噴出する。
さらに外筒には、その下方から、噴出ノズルのノズル形状の先端から所定距離離れた位置をノズルの先端とした対向ノズルが上向きに差し込まれた形状を有する。図24において、直径Dcは対向ノズルのノズル径を指す。噴出ノズルと対向ノズルとの間の距離は特定の距離に限定されないが、好適には4mm程度とする。
対向ノズルの下方は開放されて排出口を形成している。排出口の先には吸引ポンプが設置されている。吸引ポンプとしては、好適には、ダイヤフラムポンプや偏心ロータポンプなどが用いられる。吸引ポンプが稼動することで、噴出ノズルから対向ノズルに向かう気流が生じる。噴出ノズルから対向ノズルに向かう気流は副流とも称する。
外筒の、噴出ノズルのノズル形状部分よりも下方の側面にエア管500に接続される排出孔71が設けられる。エア管500の先にはファン400が設置されるため、ファン400が回転することで、噴出ノズルから排出孔71に向かう気流が生じる。噴出ノズルから排出孔71に向かう気流は主流とも称する。
吸引ポンプの吸引力は所定の吸引力に限定されないが、後述する原理によって分離粒子径Dpcよりも大きい粒子と小さい粒子とを分離するために、好適には、副流の流量が主流の流量の1/9程度となるような吸引力とする。
<分離器の原理>
流路に設けられたファン400が回転することによって、分離器700には導入孔70からファン400の回転に応じた流速で外部空気が導入される。噴出ノズル内では吸引ポンプの吸引力によって加速されて、噴出ノズルから対向ノズルへ向かう方向に流速Vで噴出ノズルから噴出される。噴出された空気中の粒子には噴出ノズルから対向ノズルに向かう方向に慣性力が作用する。
一方、ファン400の回転によって生じた気流の向きは噴出ノズルから対向ノズルへ向かう方向とは異なる向きであるため、噴出された空気中の粒子にはその気流による排出孔71へ向かう吸引力が生じる。
そして、噴出された空気中の粒子のうち、ファン400の吸引力よりも慣性力が勝る粒子は対向ノズルに進んで排出口から排出され、慣性力よりもファン400の吸引力が勝る粒子は排出孔71から排出される。
すなわち、導入孔70から導入された空気中の粒子のうち、粒子径が所定の長さ(分離粒子径)よりも大きい粒子が図24で点線の矢印に示されるように対向ノズルから排出口に、小さい粒子が図24で実線の矢印に示されるように噴出ノズルから排出孔71へ分離される。そして、分離粒子径Dpcよりも小さい粒子が、ファン400の吸引力によって排出孔71から排出され、エア管500を経て検出器100へ到達する。
慣性力の作用に着目すると、噴出ノズル内の粒子に吸引ポンプによって同じ加速度が作用する場合、慣性力は粒子の質量が大きいほど大きくなる。すなわち、粒子径や粒子密度が大きいほど大きな慣性力が作用する。そのため、対向ノズルに到達しやすい、すなわち、空気から分離されやすくなる。また、粒子の質量が同じである場合、噴出ノズルから噴出される速度が大きいほど大きな慣性力が作用する。そのため、対向ノズルに到達しやすい、すなわち、空気から分離されやすくなる。逆に、分離する対象である流体の粘性が大きいほど慣性力を受けた粒子に対する反作用が大きくなるので、慣性力の方向に作用する力は徐々に小さくなる。そのため、対向ノズルに到達しにくい、すなわち、空気から分離されにくくなる。また、形状に着目すると、対向ノズルのノズル径が大きいほど、対向ノズルに到達しやすくなる。すなわち、空気から分離されやすくなる。この原理によって得られる、バーチャルインパクタにおける分離粒子径Dpcは、以下の式(2)で規定されている。なお、以下の式(2)では、分離粒子径Dpcとして、50%粒子径を規定している。
ただし、Dp50は50%分離粒子径(m)、hは空気の粘性係数(Pa・s)、Dcは対向ノズルのノズル径(m)ψ50は慣性パラメータ、Ccはカニンガムのスリップ補正係数、ρpは粒子の密度(kg/m3)、Vはノズル噴出速度(m/s)を指す。
<検出領域の設定>
上記式(2)より、バーチャルインパクタを利用した分離器700でも、分離器700を用いて検出領域外の粒子径の粒子を導入された空気から分離して除去する際に分離器700に導入される空気の流量Qi、または分離器700の形状を切り替えることで、設定される検出領域に対応した分離粒子径Dpcに切り替えることが可能とわかる。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では制御部200において、検出領域に対応してファン400によって分離器700へ導入される空気の流量Qiを制御する。
第1の実施の形態にかかる検出装置1Aの構成は、図2に示された構成と同様である。
<機能構成>
制御部200は、図示しない検出動作の開始の指示の操作を受け付けるためのスイッチに電気的に接続されて、該スイッチからの操作信号に応じて検出動作を開始する。図示しないスイッチには、上記3種類の粒子のうち、検出対象とする粒子の選択を受け付けるためのスイッチが含まれる。制御部200は該スイッチからの操作信号の入力を受け付けて、検出対象とする粒子を特定し、その粒子の空気中の量を測定するための検出動作を実行する。
図2に示されたように、制御部200は、検出制御部201とファン制御部202とを含む。
具体的に、検出制御部201は、上記スイッチからの操作信号に基づいて検出対象とする粒子を特定し、特定された粒子の種類に基づき、上記検出の概要に説明された第1の測定〜第3の測定のうちの、必要な測定を特定する。そして、検出器100に特定された測定に必要な検出動作を実行させると共に、検出器100からの検出信号に基づいて各測定での測定結果を算出する。さらに、各測定結果を用いて、選択された種類の粒子の空気中の量を算出する。ファン制御部202は、検出装置1Aに導入される空気の流量が検出制御部201で特定された測定に応じた流量となるようファンモータを駆動させる。
図25は、制御部200の検出制御部201の構成の具体例を示す図である。図25は、検出制御部201の機能の一部が主に電気回路であるハードウェア構成で実現される例が示されている。しかしながら、制御部200の機能のすべてが、制御部200に含まれる図示しないCPUが所定のプログラムを実行することによって実現される、ソフトウェア構成であってもよいし、制御部200の機能のすべてが主に電気回路であるハードウェア構成で実現されてもよい。
図25を参照して、検出制御部201は、大きくは、受光素子9からの信号を処理するための信号処理部30と、検出器100の制御や算出処理などを行なうための検出処理部40とから構成される。
信号処理部30は、受光素子9に接続される電流−電圧変換回路34と、電流−電圧変換回路34に接続される増幅回路35とを含む。
検出処理部40は、記憶部42、クロック発生部47、および制御部49を含む。さらに、検出処理部40は図示しない検出動作の開始の指示を入力するためのスイッチからの入力信号を受け付けるための入力部44と、ヒータ91や図示しない捕集ユニット12Aの移動機構を駆動させるための駆動部48とを含む。
捕集治具12上に捕集された粒子に対して発光素子6から照射されることで、照射領域15にある当該粒子からの蛍光が、受光素子9に集光される。受光素子9から、受光量に応じた電流信号が信号処理部30に対して出力される。電流信号は、電流−電圧変換回路34に入力される。
電流−電圧変換回路34は、受光素子9から入力された電流信号より蛍光強度を表わすピーク電流値Hを検出し、電圧値Ehに変換する。電圧値Ehは増幅回路35で予め設定した増幅率に増幅され、検出処理部40に対して出力される。検出処理部40の検出制御部201は信号処理部30から電圧値Ehの入力を受け付けて、順次、記憶部42に記憶させる。
クロック発生部47はクロック信号を発生させ、制御部49に対して出力する。制御部49は、クロック信号に基づいたタイミングでヒータ91のNO/OFFを行なったり、捕集ユニット12Aを移動させたりするための制御信号を駆動部48に対して出力する。また、それに同期させてファン制御部202に対してファンモータの駆動タイミングを通知する。
検出器100が図6に示される構成である場合には、シャッタ16A,16Bを開閉させるための制御信号を駆動部48に対して出力して、シャッタ16A,16Bの開閉を制御する。また、制御部49は発光素子6および受光素子9と電気的に接続され、それらのON/OFFを制御する。
制御部49は算出部41および設定部43を含む。
設定部43は図示しないスイッチからの操作信号に基づいて検出対象とする粒子の種類を特定し、予め記憶している対応関係に基づいて、検出対象とする粒子の種類に応じて行なう測定を設定する。そして、その信号をファン制御部202に対して出力する。
算出部41は、記憶部42に記憶された電圧値Ehを用いて、導入された空気中の微生物量を算出するための動作が行なわれる。
ファン制御部202は、予め上記検出の概要に説明された第1の測定〜第3の測定のそれぞれについて、ファン400の回転によって導入される空気の流量が流量1〜3となるような、図示しないファンモータの駆動量を記憶しておく。たとえば分離器700がサイクロンである場合、第1の測定に対しては流量が20Lmpとなるようなファンモータの駆動量を記憶し、第2の測定に対しては流量が10L/minとなるようなファンモータの駆動量を記憶し、第3の測定に対しては流量が2L/minとなるようなファンモータの駆動量を記憶しているものとする。そして、ファン制御部202は、必要なタイミングで、設定された回転数でファン400を回転させる。
<検出動作1>
図示しないスイッチなどによって検出装置1での検出開始が指示されると、該信号の入力を受け付けた制御部200によって検出動作が開始される。
図26は、検出動作の流れを示すフローチャートである。図26のフローチャートに示された動作は、制御部200の図示しないCPUが図示しないメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行し、図25の各部を制御することによって実現される。
図26を参照して、図示しないスイッチから検出動作の開始を指示する操作信号および測定対象の粒子の種類を特定する操作信号が入力されると、S21で、特定された粒子の種類に対応して実行する測定動作が決定される。そして、S23で、実行する測定動作に対応付けられたファンモータの駆動量が設定される。その後、捕集動作が開始される。
S31で、予め規定されている捕集時間である時間△T1の間、捕集室5Aでの捕集動作が行なわれる。S31での具体的な動作としては、ファン制御部202はファン400をS23で設定された駆動量で駆動させて、分離器700およびエア管500を経て捕集室5A内に検出装置1外の空気を取り込む。また、検出制御部201は、検出器100の放電電極17に所定の電圧を印加させる。
分離器700に導入された空気からは、S23で設定された駆動量に応じた分離粒子径Dpcよりも大きい粒子が分離されて除去され、除去された後の空気がエア管500を経て検出器100に到達する。
検出器100の捕集室5A内に導入された空気中の粒子は、放電電極17により負電荷に帯電され、ファン400による空気の流れと放電電極17および捕集治具12表面の皮膜3の間で形成される電界とにより、捕集治具12表面の照射領域15に対応した狭い範囲に捕集される。
捕集時間△T1が経過するとファン制御部202はファン400の駆動を終了、すなわち、捕集動作を終了させる。
これにより、時間△T1の間、分離器700によって分離粒子径Dpcよりも大きい粒子が除去された空気が捕集室5A内に導入孔10を通じて導入され、その空気中の粒子が、捕集治具12表面に捕集される。
次に、S33で検出制御部201は捕集ユニット12Aを移動させるための機構を稼動させて、捕集ユニット12Aを捕集室5Aから検出室5Bに移動させる。移動が完了すると、S35で検出動作が行なわれる。S35では、検出制御部201は発光素子6に発光させ、規定の測定時間△T2の間、受光素子9により蛍光を受光させる。発光素子6からの光は、捕集治具12の表面の照射領域15に照射され、捕集された粒子から蛍光が発光される。その蛍光強度F1に応じた電圧値が検出処理部40に入力されて記憶部42に記憶される。これにより、加熱前の蛍光量S31が測定される。
なお、上記測定時間△T2は検出制御部201に予め設定されているものであってもよいし、図示しないスイッチの操作などによって入力、変更されるものであってもよい。
このとき、別途設けたLED等の発光素子(図示せず)からの発光の、捕集治具12表面の粒子が捕集されない反射領域(図示せず)からの反射光を、別途設けた受光素子(図示せず)で受光し、その受光量を参照値I0として用いてF1/I0を記憶部42に記憶してもよい。参照値I0に対する比率を算出することで、発光素子や受光素子の温度、湿度等の環境条件や劣化等による特性変動に起因する蛍光強度の変動を補償することができるという利点が生じる。
S35の測定動作が終了すると、S37で検出制御部201は捕集ユニット12Aを移動させるための機構を稼動させて、捕集ユニット12Aを検出室5Bから捕集室5Aに移動させる。移動が完了すると、S39で加熱動作が行なわれる。S39で検出制御部201は予め規定した加熱処理時間である時間△T3の間、ヒータ91に加熱を行なわせる。このときの加熱温度は予め規定されている。
加熱動作後、S41で冷却動作が行なわれる。S41では、ファン制御部202は所定の冷却時間、ファン400を逆回転させる。捕集ユニット12Aに外部の空気を触れさせることで冷却する。加熱処理時間△T3、加熱温度、および冷却時間も、検出制御部201に予め設定されているものであってもよいし、図示しないスイッチの操作によって入力、変更されるものであってもよい。
S37で捕集ユニット12Aを捕集室5Aに移動させた後に捕集室5A内で加熱動作および冷却動作が行なわれ、冷却後に捕集ユニット12Aが検出室5Bに移動することで、加熱時にヒータ91は発光素子6、受光素子9等のセンサ機器から隔てられた距離に位置し、また、壁5C等によっても隔てられ、それにより発光素子6、受光素子9等への熱の影響を抑えることができる。なお、このように加熱時にヒータ91は発光素子6、受光素子9等のセンサ機器とは壁5C等によっても隔てられた捕集室5A内にあることから、ヒータ91は捕集ユニット12A内の必ずしも放電電極17から遠い側の面、すなわち検出室5Bに捕集ユニット12Aが移動したときに発光素子6、受光素子9等から遠い側の面になくてもよく、たとえば放電電極17から近い側の面にあってもよい。
S39の加熱動作およびS41の冷却動作が終了すると、S43で検出制御部201は捕集ユニット12Aを移動させるための機構を稼動させて、捕集ユニット12Aを捕集室5Aから検出室5Bに移動させる。移動が完了すると、S45で再度検出動作が行なわれる。S45の検出動作はS35での検出動作と同じである。ここでの蛍光強度F2に応じた電圧値が検出処理部40に入力されて記憶部42に記憶される。これにより、加熱後の蛍光量S2が測定される。
S45で加熱後の蛍光量S2が測定されると、S47で捕集ユニット12Aのリフレッシュ動作が行なわれる。S47で検出制御部201はブラシ60を移動させるための機構を稼動させて、捕集ユニット12A表面でブラシ60を所定回数往復移動させる。このリフレッシュ動作が完了すると、S49で検出制御部201は捕集ユニット12Aを移動させるための機構を稼動させて、捕集ユニット12Aを検出室5Bから捕集室5Aに移動させる。これにより、開始の指示を受けると直ちに次の捕集動作(S31)を開始することができる。
S51で算出部41は、記憶された蛍光強度F1と蛍光強度F2とを用いて、検出された生物由来の粒子の量を算出する。詳しくは、算出部41は、記憶された蛍光強度F1と蛍光強度F2との差分を増大量△Fとして算出する。上述のように、増大量△Fは生物由来の粒子量(粒子数または濃度等)に関連している。算出部41は、予め、図27に表わされたような、増大量△Fと生物由来の粒子量(濃度)との対応関係を記憶しておく。そして、算出部41は、算出された増大量△Fと該対応関係とを用いて得られる濃度を、ケース5内に時間△T1の間に導入された空気中の生物由来の粒子の濃度として算出する。
増大量△Fと生物由来の粒子の濃度との対応関係は、予め実験的に決められる。たとえば、1m3の大きさの容器内に、大腸菌やバチルス菌やカビ菌などの微生物の一種を、ネブライザを利用して噴霧し、微生物濃度をN個/m3に維持して、検出器100を用いて、上述の検出方法により時間△T1の間微生物を捕集する。そして、所定加熱量(加熱時間△T3、所定の加熱温度)で捕集した微生物に対してヒータ91によって加熱処理を施し、所定時間△T4の冷却の後、加熱前後の蛍光強度の増大量△Fを測定する。種々の微生物濃度について同様の測定がなされることで、図27に示された増大量△Fと濃度(個/m3)との関係が得られる。
増大量△Fと生物由来の粒子の濃度との対応関係は、図示しないスイッチの操作などによって入力されることで算出部41に記憶されてもよい。また、いったん算出部41に記憶された該対応関係が検出制御部201により更新されてもよい。
算出部41は、増大量△Fが差分△F1と算出された場合、図27の対応関係から増大量△F1に対応する値を特定することで生物由来の粒子の濃度N1(個/m3)を算出する。
ただし、増大量△Fと生物由来の粒子の濃度との対応関係は、粒子の種類(たとえば菌種)によって異なる可能性がある。そこで、算出部41は、いずれかの生物由来の粒子を標準と規定して、増大量△Fと当該生物由来の粒子の濃度との対応関係を記憶する。これにより、様々な環境における生物由来の粒子の濃度が、標準を基準として換算された生物由来の粒子の濃度として算出される。その結果、様々な環境を比較することが可能となり、環境管理が容易となる。
なお、上述の例では増大量△Fには、所定の加熱量(所定の加熱温度、加熱時間△T3)の加熱処理の前後の蛍光強度の差分が用いられているが、これらの比率が用いられてもよい。
以上の、S31〜S51で表わされた測定動作は、上記S21で決定された測定動作ごとに行なわれる。すなわち、上記S21では、上述の第1の測定〜第3の測定のうち、測定対象とされた粒子の種類に応じて行なうべき測定動作が決定され、決定された測定動作ごとにS31〜S51の測定動作が繰り返される。
<検出動作2>
なお、検出器100が図6に示される構成である場合、すなわち、捕集するための機構と検出するための機構とが一体とされた構成である場合についての検出装置1での検出動作についても説明する。
図28は、検出器100が図5に示される構成である場合の、上記S31〜S49の測定動作に対応した、制御部200での制御の流れを示すタイムチャートである。図28に示された制御は、制御部200の図示しないCPUが図示しないメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行し、図25の各部を制御することによって実現される。
図28を参照して、測定動作が開始されると、検出制御部201は、クロック発生部47からのクロック信号に基づいた時刻T1に、シャッタ16A,16Bの駆動機構に対して開放(ON)させるための制御信号を出力する。その後、時刻T1から時間△T1経過後の時刻T2に、検出制御部201は、シャッタ16A,16Bを閉塞させるための制御信号を出力する。
これにより、時刻T1から時間△T1の間、シャッタ16A,16Bが開放され、ファン400の駆動により外部空気が分離器700に導入される。導入された空気からは検出対象の粒子の粒子径よりも大きい粒子が分離されて除去され、除去された後の空気がエア管500を経て検出器100に導入される。ケース5内に導入された空気中の粒子は、放電電極17により負電荷に帯電され、空気の流れと放電電極17および捕集治具12表面の皮膜3の間で形成される電界とにより、捕集治具12表面に時間△T1の間、捕集される。
また、時刻T2にシャッタ16A,16Bが閉塞され、ケース5内の空気の流れが止まる。これにより、捕集治具12での浮遊粒子の捕集が終了する。また、これにより、外部からの迷光が遮光される。
検出制御部201は、シャッタ16A,16Bが閉塞した時刻T2に、受光素子9に受光を開始(ON)させるための制御信号を出力する。さらに、それと同時(時刻T2)または時刻T2から少し遅れた時刻T3に、発光素子6に発光を開始(ON)させるための制御信号を出力する。その後、時刻T3から蛍光強度を測定するための予め規定した測定時間である時間△T2経過後の時刻T4に、検出制御部201は、受光素子9に受光を終了(OFF)させるための制御信号、および発光素子6に発光を終了(OFF)させるための制御信号を出力する。なお、上記測定時間は検出制御部201に予め設定されているものであってもよいし、図示しないスイッチの操作などによって入力、変更されるものであってもよい。
これにより、時刻T3(または時刻T2)より発光素子6からの照射が開始される。発光素子6からの光は、捕集治具12の表面の照射領域15に照射され、捕集された粒子から蛍光が発光される。時刻T3から規定の測定時間△T2分の蛍光が受光素子9により受光され、その蛍光強度F1に応じた電圧値が検出処理部40に入力されて記憶部42に記憶される。
検出制御部201は、発光素子6の発光および受光素子9の受光を終了させた時刻T4(または時刻T4から少し遅れた時刻)に、ヒータ91に加熱を開始(ON)させるための制御信号を出力する。そして、ヒータ91の加熱開始(時刻T4または時刻T4から少し遅れた時刻)から加熱処理のための予め規定した加熱処理時間である時間△T3経過後の時刻T5に、検出制御部201はヒータ91に加熱を終了(OFF)させるための制御信号を出力する。
これにより、時刻T4(または時刻T4から少し遅れた時刻)から加熱処理時間△T3の間、ヒータ91によって捕集治具12表面の照射領域15に捕集した粒子に対して加熱処理が施される。このときの加熱温度は予め規定されている。時間△T3の間加熱処理されることで、捕集治具12表面に捕集された粒子に対して所定の加熱量が加えられることになる。なお、加熱処理時間△T3(すなわち加熱量)もまた、上記測定時間と同様に、検出制御部201に予め設定されているものであってもよいし、図示しないスイッチの操作などによって入力、変更されるものであってもよい。
その後、時間△T4の間、加熱した粒子が冷却処理される。冷却処理にはファン400が用いられてもよく、この場合、別途HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタを設けた導入口(図示せず)から外部空気が取り込まれてもよい。または、別途ペルチェ素子等の冷却機構が用いられてもよい。
その後、ファン制御部202はファン400の動作を終了させるための制御信号を出力し、検出制御部201は時刻T6に受光素子9に受光を開始(ON)させるための制御信号を出力する。さらに、それと同時(時刻T6)または時刻T6から少し遅れた時刻T7に、発光素子6に発光を開始(ON)させるための制御信号を出力する。その後、時刻T7から測定時間△T2経過後の時刻T8に、検出制御部201は、受光素子9に受光を終了(OFF)させるための制御信号、および発光素子6に発光を終了(OFF)させるための制御信号を出力する。
これにより、発光素子6から捕集治具12表面の照射領域15に捕集した粒子に対して時間△T3の間加熱処理された後の、測定時間△T2分の蛍光が受光素子9により受光される。その蛍光強度F2に応じた電圧値は検出処理部40に入力されて記憶部42に記憶される。
算出部41は、記憶された蛍光強度F1と蛍光強度F2との差分を増大量△Fとして算出する。そして、上述と同様にして、算出された増大量△Fと、予め記憶している増大量△Fと微生物量(濃度)との対応関係(図25)とを用いて得られる生物由来の粒子の濃度を、捕集室5A内に時間△T1の間に導入された空気中の生物由来の粒子の濃度として算出する。
<測定動作の選択と算出方法>
図29のフローチャートを用いて、検出装置1Aでの測定動作の選択と算出方法とについて具体的に説明する。
以降の説明において、粒子径5μm以下の微生物の量を測定するための第1の測定動作では分離粒子径Dpcを5μmに切り替えるためにファン400の流量を流量1(たとえば20L/min)に切り替え、粒子径10μm以下の微生物およびダニの死骸・ふんの量を測定するための第2の測定動作では分離粒子径Dpcを10μmに切り替えるためにファン400の流量を流量2(たとえば10L/min)に切り替え、粒子径30μm以下の微生物、ダニの死骸・ふん、および花粉の量を測定するための第3の測定動作では分離粒子径Dpcを30μmに切り替えるためにファン400の流量を流量3(たとえば2L/min)に切り替えるものとする。
図29を参照して、検出動作が開始されると、S101で制御部200は、ファン400の流量を流量1(たとえば20L/min)に切り替え、上述の捕集動作を開始する。つまり、第1の測定を開始する。そして、上述の捕集時間△T1の経過の後、S103で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。測定対象の粒子が微生物である場合(S105でYES)、制御部200は他の測定動作を行なうことなく、S109でS103で測定された蛍光量から算出された粒子の量を微生物の測定結果として出力する。
測定対象の粒子が微生物でない場合(S105でNO)、S109で制御部200は、ファン400の流量を流量2(たとえば10L/min)に切り替え、上述の捕集動作を開始する。つまり、第2の測定を開始する。そして、上述の捕集時間△T1の経過の後、S111で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。測定対象の粒子がダニの死骸・ふんである場合(S113でYES)、制御部200は他の測定動作を行なうことなく、S115で、上記S103で測定された蛍光量から算出された粒子の量と上記S111で測定された蛍光量から算出された粒子の量との差分を算出し、その差分で表わされた粒子の量をダニの死骸・ふんの測定結果として出力する。
測定対象の粒子がダニの死骸・ふんでない場合(S113でNO)、つまり、測定対象の粒子が花粉である場合、S117で制御部200は、ファン400の流量を流量3(たとえば2L/min)に切り替え、上述の捕集動作を開始する。つまり、第3の測定を開始する。そして、上述の捕集時間△T1の経過の後、S119で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。そして、S121で制御部200は、上記S111で測定された蛍光量から算出された粒子の量と上記S119で測定された蛍光量から算出された粒子の量との差分を算出し、その差分で表わされた粒子の量を花粉の測定結果として出力する。なお、検出動作の開始時に検出対象の粒子が花粉と特定されている場合には、上記S101〜S107の第1の測定動作を行なう必要がないため、S109から動作を開始するようにしてもよい。
<第1の実施の形態の効果>
検出装置1Aでは、本実施の形態にかかる検出装置1が図1に表わされたように分離器700と検出器100とを含んで構成され、分離器700が上述の形状とされることによって、分離器700において空気中の浮遊粒子から検出対象外の粒子が高精度で除去され後に検出器100での検出が行なわれることになる。これにより、検出精度を向上させることができる。
また、検出器100が上述のように生物由来の粒子からの蛍光と蛍光を発する埃からの蛍光との加熱処理による性質の差を利用する構成であることで、検出器100まで到達した空気中に蛍光を発する埃が含まれている場合であっても、リアルタイムに、かつ精度よく、微生物を蛍光を発する埃から分離して検出することができる。
さらに、検出装置1Aでは、装置構成を変えることなくファンモータの駆動量を切り替えるという容易な制御によって分離粒子径Dpcを設定し分けることが可能になる。そして、複数の検出領域に切り替えてそれぞれ検出を行なってその差分を用いることで、上記3種類の粒子のそれぞれの粒子量を容易に得ることができる。すなわち、検出装置1Aでは3種類の流量に切り替えてしてそれぞれの測定動作を行ない、その差分を用いることで、上記3種類の粒子のそれぞれの粒子量を容易に得ることができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では制御部200において、検出領域に対応してファン400によって分離器700へ導入される空気の流量Qiおよび流路を制御する。
ここで、検出対象の3種類の粒子のうちの花粉の粒子径は30μm以上のものも含まれるため、花粉を含む粒子を検出する場合に導入された空気から30μmより大きい粒子径の粒子を分離して除去することを行なわなくてもよい。
そこで、第2の実施の形態にかかる検出装置1Bでは、上記検出の概要に説明された第1の測定〜第3の測定のうちの第3の測定に替えて、分離器700での分離を行なわずに検出器100で検出を行なう、第4の測定を行なう。なお、第4の測定は分離器700での分離粒子径Dpcを考慮するものではないので、好ましくは、ファン400による流量は検出器100での検出に適した流量とする。より好ましくは、ファンモータの制御を容易とするため、上記第1の測定および第2の測定のうちのいずれかの測定動作でのファン400による流量と同じとする。
図30は、第2の実施の形態にかかる検出装置1Bの構成の具体例を示す図である。図30を参照して、検出装置1Bは、検出器100にはエア管500Aとエア管500Bとが接続され、検出器100の導入孔10とエア管500Aまたはエア管500Bとの接続を切り替えるための切替部501が含まれる。切替部501は制御部200に電気的に接続され、その制御で切替動作を行なう。切替動作によって、導入孔10とエア管500Aとが接続された状態と、導入孔10とエア管500Bとが接続された状態とが切り替わる。切替部501はたとえばそれぞれの接続部に設けられる弁が該当し、切替動作として、一方の側の弁を開放して他方の側の弁を閉塞した状態と、反対の状態とを切り替える動作が該当する。
検出器100はエア管500Aで分離器700に接続されている。エア管500Bの検出器100とは逆側の端部は開放されている。
そのため、切替部501によって検出器100の導入孔10とエア管500Aとが接続されると、検出装置1B外の空気が分離器700から導入されてエア管500Aを経て検出器100に導入される。切替部501によって検出器100の導入孔10とエア管500Bとが接続されると、検出装置1B外の空気がエア管500Bの開放口から導入されてエア管500Bを経て検出器100に導入される。つまり、後者の接続状態の場合、検出器100に導入された空気は分離器700を経由していないため、分離が行なわれていない。
なお、第2の実施の形態にかかる検出装置1Bは、分離器700を経て検出器100に外部空気が導入される状態と分離器700を経ずに検出器100に外部空気が導入される状態とが切替可能な構成であればよいので、必ずしも図30の構成には限定されない。他の例として、図31の構成が挙げられる。すなわち、図31を参照して、検出装置1Bの構成の他の例として、検出器100と分離器700とを接続するエア管500Aがその途中でエア管500Bに分岐し、その分岐位置に切替部501が設けられる構成であってもよい。この構成であっても、制御部200の制御で切替部501が切替動作を行ない、切替動作によって、検出器100にエア管500Aが接続されて分離器700に接続された状態と、検出器100にエア管500Bが接続されて検出器100が開放された状態とが切り替えられる。
<機能構成>
検出装置1Bの制御部200の機能構成は図25に示された検出装置1Aの機能構成と同様である。ただし、検出装置1Bの制御部200では、駆動部48が、さらに上記切替部501の切替動作を制御し、設定部43で特定された測定に対応した接続状態となるよう、検出器100に接続されるエア管を切り替える。
<測定動作の選択と算出方法>
検出装置1Bにおいても、図26または図28に表わされた検出動作と同様の動作が行なわれる。そこで、図32のフローチャートを用いて、検出装置1Bでの測定動作の選択と算出方法とについて具体的に説明する。
以降の説明において、粒子径5μm以下の微生物の量を測定するための第1の測定動作では分離粒子径Dpcを5μmに切り替えるためにファン400の流量を流量1(たとえば20L/min)に切り替え、粒子径10μm以下の微生物およびダニの死骸・ふんの量を測定するための第2の測定動作では分離粒子径Dpcを10μmに切り替えるためにファン400の流量を流量2(たとえば10L/min)に切り替え、外部空気を直接用いて微生物、ダニの死骸・ふん、および花粉の量を測定するための第4の測定動作ではファン400の流量が流量1と同じ流量(たとえば20L/min)に切り替えるものとする。
図32を参照して、検出動作が開始されると、S201で制御部200は、ファン400の流量を流量1(たとえば20L/min)に切り替え、さらに検出器100にエア管500Aが接続されるように接続状態を切り替え、上述の捕集動作を開始する。つまり、第1の測定を開始する。そして、上述の捕集時間△T1の経過の後、S203で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。測定対象の粒子が微生物である場合(S205でYES)、制御部200は他の測定動作を行なうことなく、S207でS203で測定された蛍光量から算出された粒子の量を微生物の測定結果として出力する。
測定対象の粒子が微生物でない場合(S205でNO)、S209で制御部200は、ファン400の流量を流量2(たとえば10L/min)に切り替え、上述の捕集動作を開始する。つまり、第2の測定を開始する。そして、上述の捕集時間△T1の経過の後、S211で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。測定対象の粒子がダニの死骸・ふんである場合(S213でYES)、制御部200は他の測定動作を行なうことなく、S215で、上記S203で測定された蛍光量から算出された粒子の量と上記S211で測定された蛍光量から算出された粒子の量との差分を算出し、その差分で表わされた粒子の量をダニの死骸・ふんの測定結果として出力する。
測定対象の粒子がダニの死骸・ふんでない場合(S213でNO)、つまり、測定対象の粒子が花粉である場合、S217で制御部200は、ファン400の流量を流量1(たとえば20L/min)と切り替え、さらに検出器100にエア管500Bが接続されるように接続状態を切り替え、上述の捕集動作を開始する。つまり、検出器100に直接外部空気を導入し、上記第4の測定を開始する。そして、上述の捕集時間△T1の経過の後、S219で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。そして、S221で制御部200は、上記S211で測定された蛍光量から算出された粒子の量と上記S219で測定された蛍光量から算出された粒子の量との差分を算出し、その差分で表わされた粒子の量を花粉の測定結果として出力する。なお、検出動作の開始時に検出対象の粒子が花粉と特定されている場合には、上記S201〜S207の第1の測定動作を行なう必要がないため、S209から動作を開始するようにしてもよい。
<第2の実施の形態の効果>
検出装置1Bでは、花粉を含んだ粒子を検出する際に、分離器700での分離を行なうことなく外部空気を直接検出器100に導入して検出動作を行なうようにしている。そのため、検出装置1Aで必要であった上記第3の測定のためのファンモータの制御が不要となり、たとえば第1の測定のためのファンモータの制御や第2の測定のためのファンモータの制御と同様にすることができる。このため、制御部200での制御をより簡易にすることができる。
<第2の実施の形態の変形例1>
図36は、第2の実施の形態の変形例にかかる検出装置の構成の具体例を示す図である。第2の実施の形態の変形例として、検出装置のエア管500Bの開放された端部(検出器100と逆側の端部)には、フィルタ500B’が設けられてもよい。
同様に、上述の図31に示された構成であっても、図37に示されるように、エア管500Bの開放された端部にフィルタ500B’が設けられてもよい。
フィルタ500B’の孔のサイズは検出対象である微生物およびダニの死骸・ふん、および花粉を通過させ、粒子径がそれら以上に大きい粒子を通過させないサイズである。好ましくは、孔のサイズ35μm程度である。
切替部501によって検出器100の導入孔10とエア管500Bとが接続されると、外気がフィルタ500B’を通ってエア管500Bから検出器100内に導入される。
このようなフィルタ500B’がエア管500Bの開放された端部に設けられることで、エア管500Bから検出器100内に導入される外気中の粒子から大きな塵埃がカットされる。そのため、このような大きな塵埃等が捕集治具12表面に付着することを防止できる。それにより、捕集治具12表面のクリーニングを容易にすることができ、繰り返し検出が可能となる。
なお、ここでは、第2の実施の形態にかかる検出装置1Bの変形例としてフィルタ500B’が設けられるとしているが、後述する、第3の実施の形態にかかる検出装置1Cでも、同様にエア管500Bの開放端にフィルタ500B’を設けてもよい。
<第2の実施の形態の変形例2>
図38は、第2の実施の形態の変形例にかかる検出装置1Bでの測定動作を表わすフローチャートである。変形例にかかる検出装置1Bでは、図32に説明された測定動作に先立って、エア管500Bから検出器100内に外気を導入して、その外気中の粒子から生物由来の粒子を検出する動作を行なう。つまり、変形例にかかる検出装置1Bでは、図32の上記ステップS201での捕集の開始よりも以前に、流路をエア管500Bから検出器100内に外気が導入される流路(流路2)となるように接続状態を切り替えて捕集動作を行ない、蛍光を測定する。そして、その測定結果に基づいて、図32の動作を行なうか、測定動作を終了するか分岐する。
詳しくは、図38を参照して、変形例にかかる検出装置1Bでは、検出動作が開始されると、S401で制御部200は、ファン400の流量を流量1(たとえば20L/min)に切り替え、検出器100にエア管500Bが接続されるように接続状態を切り替え、上述の捕集動作を開始する。これは、上の説明での第4の測定に該当するものである。このとき、外気がフィルタ500B’を通ってエア管500Bから検出器100内に導入される。
そして、所定の捕集時間の経過の後、S403で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。S405で制御部200はS403で測定された加熱前後の蛍光量の差分から生物由来の粒子の量を測定結果として算出する。
S407で制御部200は、算出された生物由来の粒子の量と予め記憶しているしきい値とを比較し、生物由来の粒子の量がしきい値よりも少ないか否かを判断する。
ここでのしきい値は、以降の測定動作で微生物や花粉、ダニなどを検出し得るほど生物由来の粒子が外気中に存在するか否かを判断するためのしきい値である。
比較の結果、しきい値で表わされている量よりも上記S405で算出された生物由来の粒子の量が少ない場合には(S407でNO)、後続の測定動作を行なっても有意な結果が得られないとして、測定動作を終了する。このとき、S409で制御部200は、上記S403で算出された粒子の量を、外気中の生物由来の粒子の測定結果として出力する。
しきい値で表わされている量よりも上記S405で算出された生物由来の粒子の量が多い場合には(S407でYES)、その外気から微生物や花粉、ダニなどを検出することが可能として、測定動作を継続する。すなわち、この場合、図32に表わされたS201以降の動作を行なう。
このように動作することで、図32に表わされた検出動作の以前に外気中に生物由来の粒子が微生物や花粉、ダニなどを検出することが可能な程度含まれているか否かを確認することができ、効率的に検出を行なうことができる。
なお、ここでは、第2の実施の形態にかかる検出動作に先立ってこの判断を行なうものとして説明を行なっているが、後述する、第3の実施の形態にかかる検出動作でも同様に行なうことができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、流量Qiを一定として分離器700の形状を変更することで分離粒子径Dpcを切り替えて、上記検出の概要に説明された第1の測定〜第3の測定を行なう。すなわち、先に説明した分離器700における分離粒子径Dpcの式(式(1)、式(2))および実験により、分離器700の形状を変化させることによっても分離粒子径Dpcの切替が可能であることがわかる。
<装置構成>
図33は、第3の実施の形態にかかる検出装置1Cの構成の具体例を示す図である。図33を参照して、検出装置1Cは、分離器700として2つの分離器700A,700Bを含む。分離器700A,700Bはそれぞれ、エア管500A,500Cで検出器100と接続される。さらに、検出器100には、第2の実施の形態と同様に、他端が開放されたエア管500Bが接続される。
そして、検出装置1Cには、検出器100の導入孔10とエア管500A、エア管500Bまたはエア管500Cとの接続を切り替えるための切替部501が含まれる。切替部501は制御部200に電気的に接続され、その制御で切替動作を行なう。切替動作によって、導入孔10とエア管500Aとが接続された状態と、導入孔10とエア管500Bとが接続された状態と、導入孔10とエア管500Cとが接続された状態とが切り替わる。切替部501はたとえばそれぞれの接続部に設けられる弁が該当し、切替動作として、一つの側の弁を開放して他の2つの側の弁を閉塞した状態とをそれぞれ切り替える動作が該当する。
分離器700Aは、流量Qiを予め規定された値として、上記検出の概要に説明された第1の測定〜第3の測定のうちの第1の測定に対応した分離粒子径Dpcとなる形状を有する。たとえば、分離器700Aがサイクロンである場合、上記式(1)に予め規定された流量Qiを代入することで得られる、第1の測定での測定対象とする粒子径に該当した50μmの分離粒子径Dpcとなる形状を有する。
分離器700Bは、流量Qiを上記予め規定された値として、上記検出の概要に説明された第1の測定〜第3の測定のうちの第2の測定に対応した分離粒子径Dpcとなる形状を有する。たとえば、分離器700Bがサイクロンである場合、上記式(1)に上記予め規定された流量Qiを代入することで得られる、第2の測定での測定対象とする粒子径に該当した15μmの分離粒子径Dpcとなる形状を有する。
従って、切替部501が導入孔10とエア管500Aとを接続するよう切替動作を行なった場合、検出器100が分離器700Aとエア管500Aで接続され、その状態で検出動作が行なわれることで、上記第1の測定が行なわれることになる。また、切替部501が導入孔10とエア管500Cとを接続するよう切替動作を行なった場合、検出器100が分離器700Bとエア管500Cで接続され、その状態で検出動作が行なわれることで、上記第2の測定が行なわれることになる。
切替部501が導入孔10とエア管500Bとを接続するよう切替動作を行なった場合、検出器100はいずれの分離器とも接続されず、その状態で検出動作が行なわれることで、検出器100に外部空気が導入され、外部空気から生物由来の粒子が検出されることになる。これは、検出装置1Cは、第2の実施の形態において説明した、花粉を含む粒子を検出する場合に導入された空気から30μmより大きい粒子径の粒子を分離して除去することを行なわなくてもよい、という考え方に基づくものである。すなわち、第2の実施の形態と同様に、上記検出の概要に説明された第1の測定〜第3の測定のうちの第3の測定に替えて分離器700での分離を行なわずに検出器100で検出を行なう第4の測定を行なうものである。
なお、検出装置1Cではこの考え方には基づかず、第1の実施の形態と同様に、上記検出の概要に説明された第1の測定〜第3の測定のうちの第3の測定を行なうようにしてもよい。すなわち、分離粒子径Dpcを30μmとして分離器で分離を行なって導入された外部空気から30μmよりも粒子径の大きい粒子を分離して除去して検出器100で生物由来の粒子を検出する測定動作をさらに行なってもよい。
この場合、検出装置1Cには、上記式(1)上記予め規定された流量Qiを代入することで得られる、第3の測定での測定対象とする粒子径に該当した30μmの分離粒子径Dpcとなる形状を有した、第3の分離器が含まれ、その第3の分離器がさらに異なるエア管で検出器100に接続される。そして、その接続が切替部501で切り替えられる。
<機能構成>
検出装置1Cの制御部200の機能構成は図25に示された検出装置1Aの機能構成と同様である。ただし、検出装置1Cの制御部200では、駆動部48が、さらに上記切替部501の切替動作を制御し、設定部43で特定された測定に対応した接続状態となるよう、検出器100に接続されるエア管を切り替える。さらに、検出装置1Cではファン400による流量Qiを切り替えず、予め規定された一定の値とするため、ファン制御部202は上記規定された値を予め記憶し、検出制御部201からの信号に応じてその値に基づいたファンモータの制御を行なう。
<測定動作の選択と算出方法>
検出装置1Cにおいても、図26または図28に表わされた検出動作と同様の動作が行なわれる。そこで、図34のフローチャートを用いて、検出装置1Cでの測定動作の選択
と算出方法とについて具体的に説明する。
以降の説明において、粒子径5μm以下の微生物の量を測定するための第1の測定動作では分離粒子径Dpcを5μmに切り替えるために検出器100の導入孔10に接続されるエア管をエア管500Aに切り替えて流路1とし、粒子径10μm以下の微生物およびダニの死骸・ふんの量を測定するための第2の測定動作では分離粒子径Dpcを10μmに切り替えるために検出器100の導入孔10に接続されるエア管をエア管500Cに切り替えて流路2とし、外部空気を直接用いて微生物、ダニの死骸・ふん、および花粉の量を測定するための第4の測定動作では検出器100の導入孔10に接続されるエア管をエア管500Bに切り替えて流路3とするものとする。
図34を参照して、検出動作が開始されると、S301で制御部200は、ファン400の流量を予め規定された流量とし、検出器100にエア管500Aが接続されるように接続状態を切り替え、上述の捕集動作を開始する。つまり、第1の測定を開始する。そして、上述の捕集時間△T1の経過の後、S303で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。測定対象の粒子が微生物である場合(S305でYES)、制御部200は他の測定動作を行なうことなく、S307でS303で測定された蛍光量から算出された粒子の量を微生物の測定結果として出力する。
測定対象の粒子が微生物でない場合(S305でNO)、S309で制御部200は、検出器100にエア管500Cが接続されるように接続状態を切り替え、上述の捕集動作を開始する。つまり、第2の測定を開始する。そして、上述の捕集時間△T1の経過の後、S311で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。測定対象の粒子がダニの死骸・ふんである場合(S313でYES)、制御部200は他の測定動作を行なうことなく、S315で、上記S303で測定された蛍光量から算出された粒子の量と上記S311で測定された蛍光量から算出された粒子の量との差分を算出し、その差分で表わされた粒子の量をダニの死骸・ふんの測定結果として出力する。
測定対象の粒子がダニの死骸・ふんでない場合(S313でNO)、つまり、測定対象の粒子が花粉である場合、S317で制御部200は、検出器100にエア管500Bが接続されるように接続状態を切り替え、上述の捕集動作を開始する。つまり、検出器100に直接外部空気を導入し、上記第4の測定を開始する。そして、上述の捕集時間△T1の経過の後、S319で制御部200は捕集を終了して、捕集治具12表面からの加熱前後の蛍光量を測定する。そして、S321で制御部200は、上記S311で測定された蛍光量から算出された粒子の量と上記S319で測定された蛍光量から算出された粒子の量との差分を算出し、その差分で表わされた粒子の量を花粉の測定結果として出力する。なお、検出動作の開始時に検出対象の粒子が花粉と特定されている場合には、上記S301〜S307の第1の測定動作を行なう必要がないため、S309から動作を開始するようにしてもよい。
<第3の実施の形態の効果>
検出装置1Cでは、ファン400によって導入される空気の流量を切り替えることなく、検出器100と異なる形状の分離器との接続状態を切り替えることで分離粒子径Dpcの切り替えを実現するものである。そのため、検出装置1Aや検出装置1Bで必要であったファン400の回転数の切替が不要となり、ファンモータの制御を容易にすることができる。このため、制御部200での制御をより簡易にすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。