JP2012145193A - 車両用変速装置 - Google Patents

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JP2012145193A JP2011005423A JP2011005423A JP2012145193A JP 2012145193 A JP2012145193 A JP 2012145193A JP 2011005423 A JP2011005423 A JP 2011005423A JP 2011005423 A JP2011005423 A JP 2011005423A JP 2012145193 A JP2012145193 A JP 2012145193A
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克信 武田
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Abstract

【課題】 簡単かつ低コストで、軽量コンパクトな構成でありながら、リバースギヤへの変速の際におけるギヤ鳴きや不快な振動などを抑制して円滑な変速動作を実現可能な車両用変速装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る車両用変速装置は前進用変速ギヤのためのシンクロ機構を備えており、後退ギヤへ変速を行う際に、第1アーム(101)が係合する可動部材を後退用の回転自在側変速ギヤに係合させる前に、第2アーム(104)に係合された可動部材を移動させてシンクロ機構を動作させると共に、第2アーム(104)に所定以上のトルクが作用するとトルク制限機構(105)によって、第2アーム(104)を回動軸(108)に対してフリーな状態として、第1アーム(101)が係合する可動部材を後退用の回転自在側変速ギヤに係合させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用の変速装置に関する。
従来、例えば、商用車(トラック、バスなど)などの車両に用いられる変速装置(変速機)では、後退速(リバースギヤ)にギヤチェンジをする場合、不快な音と振動(いわゆるギヤ鳴き)を伴うことがあった。
このようなギヤ鳴きは、例えば、図5の上側に示すような変速装置にあっては、インプットシャフト1からの回転入力が入力されるカウンターシャフト2に略一体的に支持される複数変速段の各変速ドライブギヤと、これらの各変速ドライブギヤにそれぞれ対応して噛合すると共にメインシャフト(アウトプットシャフト)3に回転自在に設けられる複数変速段の各変速ドリブンギヤと、が常時噛み合っていて(リバースギヤの場合はカウンターギヤを介して常時噛み合っている)、所望の変速段の変速ドリブンギヤをアウトプットシャフト3と一体的に回転させるように、アウトプットシャフト3と一体的に回転しているスリーブを、軸方向に移動させて所望の変速ドリブンギヤとスプライン機構などを介して係合させる変速操作の際に、回転速度差に伴うスプライン溝の相対的な位置ズレ(同期不足)により、前記スリーブが、所望の変速ドリブンギヤとの係合の際に弾かれることなどによって生じる。
そして、このようなギヤ鳴きなどの円滑でない変速操作を改善する技術としては、例えば、図5の下側に示したような構造例や、特許文献1に記載されているように、いわゆる同期機構(シンクロ機構)を設けるようにすることが一般的である。
ここで、かかるシンクロ機構においては、前進側の変速段間での変速操作では、変速操作の前後でアウトプットシャフト3の回転方向は同一であるため、シンクロさせるために必要な回転速度差が比較的小さいので、乗用車などに比べて、変速ドリブンギヤ延いては変速ドライブギヤやカウンターシャフトなどのサイズ及び慣性モーメントが大きく比較的大容量のシンクロ機構が必要な商用車においても、ギヤ鳴きなどは改善可能である。
しかしながら、後退速(リバース)への変速操作では、変速操作の前後でアウトプットシャフト3の回転方向が逆方向へ変わるため、シンクロさせるために必要な回転速度差が大きくなるので、従来のシンクロ機構を採用する場合、使用頻度の割には大容量化が必要となり、コストアップ、重量増、更には大容量のシンクロ機構を搭載することによる大幅な構造変更(場合によっては軸方向長さの変更)などが必要となるなど、デメリットが大きく、リバースギヤ専用のシンクロ機構を採用することは難しいといった実情がある。
なお、図5において、符号1はインプットシャフト、符号2はカウンターシャフト、符号3はメインシャフト(アウトプットシャフト)、符号4はリバース用フォーク、符号5はリバースドリブンギヤ、符号6はリバース用スリーブ、符号7はリバース用シンクロコーン、符号8はリバース用シンクロリング、符号9はシンクロキー、符号10はシンクロヘッド、符号11はスプリング、符号12はインナーレバー、符号13はリバース用シフターヘッドである。
リバースギヤへの変速の際のギヤ鳴きを抑制するための他の方法としては、リバースギヤ専用のシンクロ機構を設けることなく、他の変速ギヤのためのシンクロ機構をリバースギヤへの変速時に一時的に利用してインプットシャフト1(カウンターシャフト2)の回転速度を低下させることで同期を図ろうとした技術が、例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7などに記載されている。
特開平6−129533号公報 特開昭58−170952号公報 特開昭61−278646号公報 特開平7−229555号公報 特開平7−269660号公報 特開2003−14114号公報 実開平1−115048号公報
しかしながら、特許文献2〜特許文献6に記載されているものは、リバースギヤへの変速操作の際に、リバースギヤ以外の変速ギヤのための同期装置を構成しているシンクロリングを、リバースギヤへの変速操作に連動させてシンクロコーン方向へ所定ストローク量だけ移動させることでシンクロ動作を行わせ、所定ストロークを越えたら当該変速ギヤへ実際の変速が行われないようにシンクロリングを解放して原位置へ復帰させるといった構成である。
このため、リバースギヤへの変速操作に連動させて他の変速ギヤのシフトフォークを所定ストローク量だけ動かし、それを越えるとそれまでの連動を解放するといった特殊な連動・解放機構(カム機構やリンク機構など)が必要となるため、複雑で精度の高いストローク制御が可能な比較的高コストな構成が要求されるといった実情がある。
また、シンクロリングなどの同期機構は摩耗する部品から構成されているため、このようなシフトフォーク延いてはシンクロリングの移動量(ストローク量)を制御する構成の場合には、シンクロリングの当接面等の摩耗量の程度に応じて圧着力延いてはシンクロ能力(同期能力)が変化するため、経時的なシンクロ能力延いてはギヤ鳴きの抑制効果の低下が比較的大きくなるとともに、新品においては製品間におけるシンクロ能力延いてはギヤ鳴きの抑制効果のバラツキが大きくなって一定の品質を維持することが難しいといったことが想定され得る。
なお、特許文献7に記載されている手動変速機における後退操作時のギヤ鳴き防止装置では、変速レバーに連動するシフタアームの下端部に、リターン用ねじりばねによって所定のトルクを付加されたカムを回転自在に取り付け、第3速および第4速用シフタレールの後端部に、シフタアームを5速および後退用シフタレールの凹部にセレクトされたときのみ前記カムの先端部が係合する係止爪部を形成し、シフタアームをリバース側にシフトしたとき、前記カムの所定トルク内で第3速および第4速用シフタレールを移動させて、第4速用シンクロメッシュ装置を動作させて、メインドライブ軸の慣性回転を低下させるようにしている。
かかる特許文献7に記載されている方法によれば、シンクロリングの移動量(ストローク量)の制御に代えて、トルク(シンクロリングの押し付け力)を制御するため、シンクロ能力のバラツキが少なく経時的な低下も少ないといった利点がある。
しかしながら、特許文献7のものは、シフターヘッドやシフトフォーク以外に専用レバーやカム機構等を設ける必要があるため、比較的大きなスペースを必要とすると共に、取り付け部品が多く組み立てが煩雑化し、重量やコストが嵩むおそれがある。
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ低コストで、軽量コンパクトな構成でありながら、リバースギヤへの変速の際におけるギヤ鳴きや不快な振動などを抑制して円滑な変速動作を実現可能な車両用変速装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る車両用変速装置は、
入力軸或いは出力軸の一方に対して回転連結されると共に軸方向に並んで配設される複数の回転連結側変速ギヤと、対応する回転連結側変速ギヤに各々噛合されると共に入力軸或いは出力軸の他方に対して同軸的かつ回転自在に配設される複数の回転自在側変速ギヤと、を備え、前記複数の回転自在側変速ギヤのうちから選択される一つに、前記他方と一体的に回転連結されつつ軸方向に移動可能に構成される可動部材を移動させて係合させることにより、所定の変速比で前記一方と前記他方とを回転連結するようにした車両用変速装置であって、
前進段における変速の際に、対応する可動部材を係合させる前に、可動部材の移動に連動して、該当の前進用の回転自在側変速ギヤと、前記他方の軸と、の間で同期を図るシンクロ機構を備えたものにおいて、
変速操作に応じて回動される回動軸に取り付けられ、後退ギヤへの変速の際に、後退用の回転自在側変速ギヤとの係合のために対応する可動部材を移動させるための第1アームと、
前記回動軸に同軸的に設けられ、後退ギヤへの変速の際に、前進用の回転自在側変速ギヤの一つに対応する可動部材と係合する第2アームと、
第2アームと、前記回動軸と、の間に設けられ、第2アームに所定以上のトルクが作用したときに、第2アームを回動軸の回動方向にフリーな状態とするトルク制限機構と、
を備え、
回動軸を回動させて後退ギヤへ変速を行う際に、
第1アームが係合する可動部材を後退用の回転自在側変速ギヤに係合させる前に、第2アームに係合された可動部材を移動させてシンクロ機構を動作させると共に、第2アームに所定以上のトルクが作用すると前記トルク制限機構によって、第2アームを回動軸に対してフリーな状態として、第1アームが係合する可動部材を後退用の回転自在側変速ギヤに係合させる
ことを特徴とする。
本発明において、
前記トルク制限機構は、
第2アームの基部を回動軸方向に弾性力により押し付けるための押付要素と、
押付要素に弾性力を付与する弾性要素と、
を含んで構成され、
第2アームに作用するトルクが前記弾性要素の弾性力による押付力に打ち勝って、第2アームがフリーな状態となることを特徴とすることができる。
本発明において、第2アームの基部と、押付要素と、の当接部が、くの字形状の凹凸形状により形成されていることを特徴とすることができる。
本発明によれば、簡単かつ低コストで、軽量コンパクトな構成でありながら、リバースギヤへの変速の際におけるギヤ鳴きや不快な振動などを抑制して円滑な変速動作を実現可能な車両用変速装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る車両用変速装置のシフトセレクト機構を概略的に示す図である。 同上実施形態に係る車両用変速装置における第2インナーアーム及びラチェット機構の一例を説明するフローチャートである。 同上実施形態に係る車両用変速装置におけるリバースギヤへの変速動作を説明する図である。 同上実施形態に係る車両用変速装置におけるラチェット機構のトルク設定等に関する検討結果及びラチャット機構の凹凸部の詳細形状の一例を示す図である。 従来の車両用変速装置及びリバースギヤ用シンクロ機構の一例を示すである。
以下に、本発明に係る車両用変速装置の一実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施形態により、本発明が限定されるものではない。
本実施形態に係る車両用変速装置の基本的な構成は、従来同様で、図5の上側に示したものと同様、インプットシャフト1からの回転入力が入力されるカウンターシャフト2に略一体的に支持される複数変速段の各変速ドライブギヤ(本発明に係る回転連結側変速ギヤ)と、これらの各変速ドライブギヤにそれぞれ対応して噛合すると共にメインシャフト(アウトプットシャフト)3に回転自在に設けられる複数変速段の各変速ドリブンギヤ(本発明に係る回転自在側変速ギヤ)と、が常時噛み合っていて(リバースギヤの場合はカウンターギヤを介して常時噛み合っている)、所望の変速段の変速ドリブンギヤをアウトプットシャフト3と一体的に回転させるように、アウトプットシャフト3と一体的に回転しているスリーブ(本発明に係る可動部材に相当)を、軸方向に移動させて所望の変速ドリブンギヤとスプライン機構などを介して係合させることによって変速が行われる。
なお、変速の際に、スリーブと変速ドリブンギヤとが円滑に係合できるように、前進段においては、従来同様に、各変速段毎にシンクロコーンが変速ドリブンギヤと略一体回転するように設けられ、シンクロコーンに対応するシンクロリングが軸方向に移動可能にアウトプットシャフト3上に略一体回転するように設けられ、シフトフォークによりスリーブが移動される際に、スリーブがシンクロリングをシンクロコーンに押し付けることで、同期が図られるようになっている。
ここで、本実施形態に係る車両用変速装置は、図1に示すように、第1インナーレバー101が、シフトセレクト時に手動或いはエア等のアシストなどを受けて図1中左右方向へ移動されるシフトセレクトシャフト108に、スプライン係合などを介して略一体的に取り付けられている。
この第1インナーレバー101は、シフトセレクト操作により、シフトセレクトシャフト108が図1中左右方向にスライドされ、第1インナーレバー101の先端は、選択された変速段のシフターヘッド(図2ではリバースシフターヘッド102)との係合位置へ移動される。
リバースシフターヘッド102は、図1平面に略直交する方向に延在するリバースシフターロッド103に沿って摺動自在に支持されている。
また、前記シフトセレクトシャフト108の外周には、第2インナーレバー104が第1インナーレバー101と同軸的に並設されている。なお。第2インナーレバー104は、トルク制限機構であるラチェット機構105を介して、シフトセレクトシャフト108の外周に取り付けられている。
ここで、第1インナーレバー101が本発明に係る第1アームに相当し、第2インナーレバー104が本発明に係る第2アームに相当し、シフトセレクトシャフト108が本発明に係る回動軸に相当する。
本実施形態に係るトルク制限機構としてのラチェット機構105は、例えば、所定以上のトルクが第2インナーレバー104のアーム部に作用したときに、第2インナーレバー104がシフトセレクトシャフト108から解放されてフリーな状態とすることができる機構であれば採用可能である。
本実施形態に係るラチェット機構105の具体的な一例としては、例えば、図2に示すように、第2インナーレバー104のアーム部104Aと略一体でシフトセレクトレバー108の外周に回転自在に支持される基部104Bに対して、回転方向に対して所定トルクを付与しつつ支持するように構成されている。
すなわち、本実施形態に係るラチェット機構105は、例えば、基部104Bの側面に形成されている凹凸に係合する凹凸が形成された押付要素105Aと、この押付要素105Aを基部104B側へ弾性付勢する弾性要素105Bと、弾性要素105Bを支持すると共にシフトセレクトシャフト108に取り付けられる支持要素105Cと、を含んで構成されている。
なお、基部104Bは、シフトセレクトシャフト108に対して回転自在に支持されているが、シフトセレクトシャフト108の長手方向における位置決めのために、リテーナリング等の位置決めリング等によって第1インナーレバー101方向への所定以上の移動は制限されている。
これにより、基部104Bは、位置決めリング等によって規制される所定位置に、弾性要素105Bの弾性力により付勢され、第2インナーレバー104のアーム部104Aに所定以上のトルクが作用すると、基部104Bの凹凸と、押付要素105Aの凹凸と、の係合がズレ(係合位置が回転方向においてズレ)ることによって、第2インナーレバー104のアーム部104Aに所定トルク以上のトルクが作用しないような構造となっている。
なお、シフトセレクト操作によって、第1インナーレバー101と連動して、第2インナーレバー104は図1中左右方向へスライドされるが、リバースギヤ(後退ギヤ)が選択され、第1インナーレバー101の先端がリバースシフターヘッド102との係合位置へ移動したときにのみ、第2インナーレバー104の先端が、2−3速シフターヘッド106との係合位置へ移動するように構成され、リバースギヤ(後退ギヤ)が選択されない場合には、いずれのシフターヘッドとも第2インナーレバー104の先端は係合しないように構成されている。
ここで、2−3速シフターヘッド106は、前記リバースシフターロッド103と平行(図1平面に略直交する方向)に延在される2−3速シフターロッド107に沿って摺動自在に支持されている。
また、2−3速シフターヘッド106には、2−3速用シフトフォークが接続されていて、2−3速シフターヘッド106の2−3速シフターロッド107に沿ったスライドにより、2−3速用シフトフォークを介して、そのスライドの方向に応じて、2速用シンクロリング或いは3速用シンクロリングが、対応する2速用シンクロコーン或いは3速用シンクロコーンに押圧されて、アウトプットシャフト3の回転に対して、2速ギヤ或いは3速ギヤの回転がシンクロされるようになっている。
すなわち、シフトセレクトの際に2速或いは3速が選択された場合には、図示しない2−3速用インナーレバーが、2−3速シフターヘッド106に係合され、当該2−3速用インナーレバーによって、2−3速シフターヘッド106が2−3速シフターロッド107に沿ってスライドされることで、2−3速用シフトフォークを介して、アウトプットシャフト3の回転に対して、2速ギヤ或いは3速ギヤの回転がシンクロされるように構成されている。
本実施形態では、リバースギヤ(後退ギヤ)が選択された時に、この2−3速シフターヘッド106に、第2インナーレバー104を一時的に係合させて、2−3速用のシンクロ機構を利用してインプットシャフト1(カウンターシャフト2)の回転速度を低下させることで、リバースギヤへの変速の際におけるギヤ鳴きなどを抑制して円滑な変速動作を実現可能としている。
以下に、リバースギヤ(後退ギヤ)の選択時における変速動作について詳細に説明する。
(1)図1に示したように、第1インナーレバー101は、シフトセレクトシャフト108にスプライン係合されており、第2インナーレバー104は、ラチェット機構105を介してシフトセレクトシャフト108に取り付けられていて、シフトセレクトシャフト8の図1左右方向へのスライドにより、任意の変速段が選択される。
(2)図1は、リバースギヤ(後退ギヤ)が選択された状態を示しており、第1インナーレバー101がリバースシフターヘッド102との係合位置へ移動されると共に、第2インナーレバー104が2−3速シフターヘッド106との係合位置に移動される。
(3)(2)の状態から変速動作が進み、シフトセレクトシャフト108が、図3(A)平面に略直交するその回転軸廻りに回転を始めると、図3(A)に示したように、2−3速シフターヘッド106は、第2インナーレバー104によって押されて、2−3速シフターロッド107上を図3(A)の右方向にスライドされ、ラチェット機構105の設定トルク値に達するまで、2−3速シフターヘッド106に接続されている2速用シンクロリング(図示せず)を2速用シンクロコーン(図示せず)側へ押し続ける。
これにより、インプットシャフト1(カウンターシャフト2)の回転が低下されることになる。
なお、このとき、第1インナーレバー101の先端部は、リバースシフターヘッド102との係合位置にはあるが、未だリバースシフターヘッド102の係合部(凹部)と接触しないようにその隙間などが調整されて構成されている。
(4)シフトセレクトシャフト108延いては第2インナーレバー104の回転軸廻りの回転が進み、(3)の状態からラチェット機構105の設定トルク値へ達すると、ラチェット機構105の押付要素105Aと基部104Bとの間で回転方向におけるズレ(滑り)が生じて、第2インナーレバー104の基部104Bはフリーな状態となり、図3(B)に示すように、2−3速シフターヘッド106に付与される復元力(例えばロックボール力など)によって、第2インナーレバー104は2−3速シフターヘッド106と共に原位置へ戻される。
(5)第2インナーレバー104がフリーな状態になって原位置へ戻されると同時に、図3(C)に示すように、第1インナーレバー101の先端が、リバースシフターヘッド102との係合部(凹部)との接触が開始される。
(6)更にシフトセレクトシャフト108延いては第1インナーレバー101の回転軸廻りの回転が進むと、リバースシフターヘッド102が図3(D)右方向にスライドされ、リバースシフターヘッド102に接続されているリバースギヤ用シフトフォークがスライドしてリバースギヤ(後退ギヤ)への変速が完了される。
(7)リバースギヤ(後退ギヤ)からギヤ(スリーブ)を抜く際は、第2インナーレバー104はラチェット機構105によってフリーな状態となっており回転しないため、2−3速シフターヘッド106もスライドしない。従って、第1インナーレバー101の回転によりリバースシフターヘッド102のみがスライドして、リバースギヤ(後退ギヤ)のギヤ(スリーブ)抜きが行われる。
このように、本実施形態に係る変速装置によれば、リバースギヤへの変速の際に、前進段の変速ギヤ用のシンクロ機構(シンクロリングやシンクロコーンなど)を一時的に利用して、インプットシャフト1(カウンターシャフト2)の慣性回転を低下させることができるので、リバースギヤ用のシンクロ機構を設けなくてもリバースギヤへの変速を円滑に行わせることができるため、簡単かつ低コストな構成でありながら、ギヤ鳴りや不快な振動などの発生しない円滑なリバースギヤへの変速を実現することができる。
また、本実施形態に係る変速装置は、通常備わる第1インナーレバー101と同軸的に、ラチェット機構105を介してシフトセレクトシャフト108に第2インナーレバー104を取り付けるといった簡単かつ低コストで、設置場所も取らないコンパクトな構成によって、リバースギヤへの変速を円滑なものとすることができるため、採用に当たっては変速装置の全長等に影響を与えるような大幅な設計変更などを行う必要がなく、採用が容易であり有益である。
なお、図4に、図2で示したラチェット機構を採用した場合における設定トルクに対するバネ(弾性要素105B)の仕様、ラチェット斜面角θなどについての検討結果を記載しておく。
なお、図4に拡大して示したように、ラチェット斜面に作用する面圧(すなわち、基部104Bと押付要素105Aとの間において凹凸が滑り始めるトルク)を確保できる接触面積を確保したうえで、予め角部をR形状或いは面取り形状などとすることで、基部104Bと押付要素105Aとの間において凹凸が滑る際に角部が摩耗し、接触面積が変化し延いては凹凸が滑り始めるトルクが変動し、以ってシンクロ能力が変動するようなおそれを抑制することができる。
すなわち、製品バラツキが少なく、長期に亘って安定したシンクロ能力延いてはギヤ鳴りなどのないリバースギヤへの変速を円滑なものとすることができる。
なお、凹凸形状は、図4に示したような「くの字形状」に限定されるものではなく、例えば波形形状などとすることもできる。
ところで、本実施の形態は、形式を問わずシンクロ機構を備えた変速装置であれば、手動式変速装置に限定されるものではなく、電子制御などを用いて自動的に変速操作を行う自動変速装置にも適用可能である。
また、本実施形態では、リバースギヤへの変速の際に、第2インナーレバー104を2−3速シフターヘッド106と一時的に係合させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2インナーレバー104を他の前進段用のシフターヘッドと一時的に係合させる構成とすることができるものである。
以上で説明した実施形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
1 インプットシャフト
2 カウンターシャフト
3 メインシャフト(アウトプットシャフト)
101 第1インナーレバー(第1アーム)
102 リバースシフターヘッド
103 リバースシフターロッド
104 第2インナーレバー(第2アーム)
104A アーム部
104B 基部
105 ラチェット機構(トルク制限機構)
105A 押付要素
105B 弾性要素
105C 支持要素
106 2−3速シフターヘッド
107 2−3速シフターロッド
108 シフトセレクトシャフト(回動軸)

Claims (3)

  1. 入力軸或いは出力軸の一方に対して回転連結されると共に軸方向に並んで配設される複数の回転連結側変速ギヤと、対応する回転連結側変速ギヤに各々噛合されると共に入力軸或いは出力軸の他方に対して同軸的かつ回転自在に配設される複数の回転自在側変速ギヤと、を備え、前記複数の回転自在側変速ギヤのうちから選択される一つに、前記他方と一体的に回転連結されつつ軸方向に移動可能に構成される可動部材を移動させて係合させることにより、所定の変速比で前記一方と前記他方とを回転連結するようにした車両用変速装置であって、
    前進段における変速の際に、対応する可動部材を係合させる前に、可動部材の移動に連動して、該当の前進用の回転自在側変速ギヤと、前記他方の軸と、の間で同期を図るシンクロ機構を備えたものにおいて、
    変速操作に応じて回動される回動軸に取り付けられ、後退ギヤへの変速の際に、後退用の回転自在側変速ギヤとの係合のために対応する可動部材を移動させるための第1アームと、
    前記回動軸に同軸的に設けられ、後退ギヤへの変速の際に、前進用の回転自在側変速ギヤの一つに対応する可動部材と係合する第2アームと、
    第2アームと、前記回動軸と、の間に設けられ、第2アームに所定以上のトルクが作用したときに、第2アームを回動軸の回動方向にフリーな状態とするトルク制限機構と、
    を備え、
    回動軸を回動させて後退ギヤへ変速を行う際に、
    第1アームが係合する可動部材を後退用の回転自在側変速ギヤに係合させる前に、第2アームに係合された可動部材を移動させてシンクロ機構を動作させると共に、第2アームに所定以上のトルクが作用すると前記トルク制限機構によって、第2アームを回動軸に対してフリーな状態として、第1アームが係合する可動部材を後退用の回転自在側変速ギヤに係合させる
    ことを特徴とする車両用変速装置。
  2. 前記トルク制限機構は、
    第2アームの基部を回動軸方向に弾性力により押し付けるための押付要素と、
    押付要素に弾性力を付与する弾性要素と、
    を含んで構成され、
    第2アームに作用するトルクが前記弾性要素の弾性力による押付力に打ち勝って、第2アームがフリーな状態となることを特徴とする請求項1に記載の車両用変速装置。
  3. 第2アームの基部と、押付要素と、の当接部が、くの字形状の凹凸形状により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用変速装置。
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