JP2012145844A - 偏光変換素子、偏光変換ユニット、投射装置、及び偏光変換素子の製造方法 - Google Patents

偏光変換素子、偏光変換ユニット、投射装置、及び偏光変換素子の製造方法 Download PDF

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衆方 小林
Takanori Miyazawa
貴則 宮澤
Mitsuru Miyahara
充 宮原
Makoto Sakurai
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Abstract

【課題】製造コストを低く抑えることができる偏光変換素子、偏光変換ユニット、投射装置、及び偏光変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明の偏光変換素子300は、透光性基板311と、透光性基板311の間の境界部に交互に設けられた偏光分離部312と、反射されたS偏光光を反射する反射部313と有する光学素子310と、光出射面310Eに配置され、P偏光をS偏光に変換して出射する位相差板320とを備える。位相差板320は、光学素子310の端縁部に偏光分離部312と反射部313とが交互に配置さられる方向に沿って接合された基部321と、基部321から延出され、光出射面310Eであって偏光分離部312の上部の領域に配置された位相差部322とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光変換素子、偏光変換ユニット、投射装置、及び偏光変換素子の製造方法に関する。
プロジェクターなどの投射装置においては、ランダム偏光光(互いに偏光面が直交するP偏光とS偏光や偏光面の方向がさまざまな直線偏光が混在した光)をP偏光光又はS偏光光の1種に統一して出射するために偏光変換素子が用いられている。偏光変換素子には、光学素子の光出射面側に位相差板が設けられている(特許文献1から10まで)。
このような位相差板は、有機系接着剤で接着する方法(特許文献4,7,8)、両面テープで接着する方法(特許文献6)、プラズマ重合法による分子接合で接合する方法(特許文献9,10)などにより光学素子に設けられている。
また、特許文献7,8の従来例では、位相差板の製造において、水晶基板にエッチングを施し、所定の間隔ごとに貫通孔を形成している。このようにして得られた位相差板は、環状枠部の内側に格子状の複数の位相差部と、これら位相差部の間に形成された開口部とを有している。
また、特許文献8の従来例では、水晶基板に開口部を形成するための第一エッチング工程と、位相差部をその周りの環状枠部よりも薄肉にするための第二エッチング工程とを実施している。
特開2000−298212号公報 特許第3309846号公報 特許第3610764号公報 特開2004−309853号公報 特開2009−103863号公報 特許第4329852号公報 特開2009−020139号公報 特開2009−008878号公報 特開2010−060770号公報 特開2010−113056号公報
しかしながら、特許文献1から6まで、9,10の従来例では、複数の短冊状の位相差板をそれぞれ光学素子の所定の位置に貼り付けなければならず煩雑な作業を要するため、量産コストが高くなるという問題がある。さらに、特許文献7,8の従来例では、開口部を形成するために、水晶基板の一部をエッチングにより除去し、位相差板として利用できないため廃棄している。従って、除去した分だけ水晶基板の利用効率が低下するため、コストが高くなるという問題がある。
また、開口部を形成するために、水晶基板が貫通するまでエッチングを行わなければならず、エッチング時間が長くかかる。また、開口部の面積は、光学素子の出射面に露出している偏光分離部の端縁部と反射部の端縁部との間に挟まれた面積にほぼ等しいため、開口部を形成するには多量なエッチング液を必要とする。そのため、製造コストの増加をさらに招いてしまうという問題がある。
また、特許文献8の従来例では、2度のエッチング工程を実施して、水晶基板に貫通孔を形成したり、位相差部を薄肉に形成しなければならないため、リードタイムが長くなり、それに伴って量産コストが高くなるという問題もある。
そこで、本発明の目的は、製造コストを低く抑えることができる偏光変換素子、偏光変換ユニット、投射装置、及び偏光変換素子の製造方法を提供することである。
[適用例1]
本適用例に係わる偏光変換素子は、互いに略平行な光入射面及び光出射面を有し、前記光入射面或いは前記光出射面に対して所定の傾斜角度を有した接合面によって接合された複数の透光性基板と、前記複数の前記透光性基板の間の境界部に交互に設けられ、前記光入射面に入射した光を偏光方向が互いに直交する異なる2種類の直線偏光に分離して一方の直線偏光を透過させ、他方の直線偏光を反射させる偏光分離部と、反射された前記他方の直線偏光を反射し、光路の向きをかえる反射部と、を有する光学素子と、前記光出射面に配置され、前記2種類の直線偏光のうち何れか一方の直線偏光の偏光面を回転させて他方の直線偏光の偏光面と平行な直線偏光に変換して出射する位相差板と、を備え、前記位相差板は、前記光学素子の端縁部に前記偏光分離部と前記反射部とが交互に配置さられる方向に沿って接合された基部と、当該基部から延出され、前記光出射面であって前記偏光分離部の上部の領域、又は前記反射部の上部の領域に配置された位相差部と、を有することを特徴とする。
この構成の本適用例では、位相差板がいわばすだれ状であるので、複屈折性を有する透光性基板を一対の櫛状に切断することにより、同時に二枚の位相差板を得ることができる。また、エッチングにより、透光性基板から開口部を形成するための領域を除去する場合と比較して、本適用例では、除去する部分を切断部のみとすることができる。従って、エッチング液の使用量を低減でき、環境負荷を低減した偏光変換素子とすることができる。
また、複屈折性を有する透光性基板の利用効率が向上し、コストの低減が図れ、切断に必要な時間を少なくできる。これにより、リードタイムを短縮でき量産コストを低減できる。
[適用例2]
本適用例に係わる偏光変換素子では、前記光学素子の前記光出射面と、前記光学素子の前記光出射面に対向する前記位相差板の光入射面との間に、隙間が設けられ、前記光学素子の前記光出射面と、前記位相差板の前記光入射面とには、それぞれ反射防止膜が設けられていることを特徴とする。
この構成の本適用例では、光が光学素子と位相差板とを透過する際に、光の反射を防止して、光の透過率の低下を抑制できる。
[適用例3]
本適用例に係わる偏光変換素子では、前記位相差板の前記基部が、接合膜により前記光学素子に接合されていることを特徴とする。
この構成の本適用例では、基部と光学素子とを接合するので、位相差部と光学素子とを接合することに伴う不具合を回避できる。例えば、下記プラズマ重合法又は原子拡散接合法により、光学素子と位相差部との間に接合膜を形成する場合では、接合膜を形成する過程で、光学素子の光出射面にほこりやゴミなどが付着する場合がある。その場合、接合膜の膜厚よりも付着物の高さのほうがはるかに高いため、付着物が付着している領域を中心として所定の領域で気泡などがその領域に入り込んでしまう。これにより、光学特性上大きな問題となる。さらに、接着剤を用いて接合する場合、耐光性や断熱性の低下という不具合が生じる。
しかしながら、この構成の本適用例では、位相差部と光学素子とを接合しないで済むので、上述したような気泡が入り込んで光学特性上の問題が起こるという不都合を回避でき、さらに、接着剤の使用に伴う不都合も回避できる。
また、接合膜により位相差板と光学素子とを接合するため、位相差板の押さえ治具が不要となり、部品点数を削減できる。
[適用例4]
本適用例に係わる偏光変換素子では、前記接合膜は、接着剤であることを特徴とする。
この構成の本適用例では、接合膜を接着剤により形成するため、下記のようなプラズマ重合法や原子拡散接合法により形成する場合と比較して簡単な作業で位相差板と光学素子とを接合できる。
[適用例5]
本適用例に係わる偏光変換素子では、前記接着剤は、変性アクリレート又は変性メタクリレートを主成分とすることを特徴とする。
この構成の本適用例では、このような接着剤を用いることにより、耐熱性及び耐光性に優れ、接合強度を確保できる。よって、長寿命の偏光変換素子とすることができる。
[適用例6]
本適用例に係わる偏光変換素子では、前記接合膜は、プラズマ重合法により設けられ、シロキサン(Si−O)結合を含み、結晶化度が45%以下であるSi骨格と、当該Si骨格に結合する脱離基とを含み、前記脱離基は、有機基で構成され、前記接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与したとき、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が前記Si骨格から脱離することにより、前記接合膜の表面の前記領域に、前記基部と前記光学素子との接着性が発現するものであることを特徴とする。
この構成の本適用例では、プラズマ重合法により接合膜を形成するため、耐熱性及び耐光性に優れるとともに、接合強度を確保できる。従って、偏光変換素子の長寿命化が図れる。
[適用例7]
本適用例に係わる偏光変換素子では、前記接合膜は、前記光学素子に設けられた微結晶連続膜と、前記基部に設けられた微結晶連続膜とを接触させて、前記光学素子の微結晶連続膜と前記基部の微結晶連続膜との接触界面及び結晶粒界に原子拡散を生じさせる原子拡散接合法により形成される、又は、前記光学素子及び前記基部のうちのいずれか一方に設けられた微結晶連続膜と、いずれか他方に設けられた微結晶構造とを接触させて、前記微結晶連続膜と前記微結晶構造との接触界面及び結晶粒界に原子拡散を生じさせる原子拡散接合法により形成されることを特徴とする。
この構成の本適用例では、原子拡散接合法により接合膜を形成するため、耐熱性及び耐光性に優れるとともに、接合強度を確保できる。
[適用例8]
本適用例に係わる偏光変換素子では、前記位相差板の材料が水晶であることを特徴とする。
この構成の本適用例では、耐熱性に優れた長寿命の偏光変換素子とすることができる。
[適用例9]
本適用例に係わる偏光変換素子では、前記位相差板が積層型の位相差板であることを特徴とする。
[適用例10]
上記適用例に係わる偏光変換素子では、前記積層型の位相差板は、第1の位相差板と第2の位相差板とを積層してなり、入射する直線偏光の偏光面と、各々の結晶光学軸とのなす角度を、光学軸方位角θ1、θ2とし、光の出射面側から見て、入射する直線偏光の光軸を中心として反時計回りの方向を正の値としたとき、前記光学軸方位角θ1とθ2は、θ1が40°以上50°以下、θ2が130°以上140°以下、或いは、θ1が17.5°以上27.5°以下、θ2が62.5°p以上72.5°以下、を満足することを特徴とする。
[適用例11]
上記適用例に係わる偏光変換素子では、前記第1の位相差板の位相差Γ1と前記第2の位相差板の位相差Γ2は、Γ1=180°+360°×N、Γ2=360°×N(但し、Nは正の整数)、或いは、Γ1=180°、Γ2=180°、或いは、Γ1=180°+n×360°、Γ2=180°+n×360°、(但し、nは正の整数)の何れかの組み合わせを満足することを特徴とする。
これらの構成の本適用例では、積層型の位相差板であるが、低コストの偏光変換素子を提供できる。
[適用例12]
本適用例に係る偏光変換ユニットは、上述の偏光変換素子と、当該偏光変換素子を固定する固定枠と、を備えることを特徴とする。
この構成の本適用例では、本発明の偏光変換素子を備えるため、低コストの偏光変換ユニットを提供できる。
[適用例13]
本適用例に係る投射装置は、光源と、上述の偏光変換ユニットと、当該偏光変換ユニットから出射された光を画像情報に基づいて変調する光変調装置と、当該光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とする。
この構成の本適用例では、本発明の偏光変換素子を備えるため、低コストの投射装置を提供できる。
[適用例14]
本適用例に係る偏光変換素子の製造方法は、上述の偏光変換素子の製造方法であって、複屈折性を有する透光性基板をブラストにより櫛状に切断することにより前記位相差板を得る切断工程と、前記位相差板を前記光学素子の前記光出射面に接合する接合工程と、を有することを特徴とする。
この構成の本適用例では、上述した低コストの偏光変換素子の製造方法を提供できる。また、上述したように、エッチング液の使用量を低減でき、環境負荷に配慮した製造方法とすることができる。
[適用例15]
本適用例に係る偏光変換素子の製造方法では、前記複屈折性を有する透光性基板の材料が水晶であることを特徴とする。
この構成の本適用例では、耐熱性に優れた偏光変換素子の製造方法を提供できる。また、上述したように、水晶の位相差板を製造する際に、除去する部分を少なくすることができるので、水晶の有効利用が図れ、環境負荷を低減できる。
[適用例16]
本適用例に係る偏光変換素子の製造方法では、前記ブラストにより前記位相差板の切断部に生じた加工変質層を除去する除去工程を有することを特徴とする。
ここで、位相差板に加工変質層が残っている場合、加工変質層に光が透過すると、光学特性上所望の位相差が得られないといった問題が生じる可能性がある。しかし、この構成の本適用例では、加工変質層を除去するため、位相差板を光が透過する際に、光学特性上の問題が生じてしまうことを回避できる。
[適用例17]
本適用例に係る偏光変換素子の製造方法では、前記切断工程は、前記複数の透光性基板の間の境界部に設けられた接合層の厚みと略同等となる幅で、前記複屈折性を有する透光性基板を切断することを特徴とする。
ここで、接合層の厚みよりも大きな幅で、複屈折性を有する透光性基板を切断し、得られた位相差板を光学素子に配置した場合、位相差部の幅が、偏光分離部と反射部との間の幅よりも狭くなる。その場合、反射部により反射された直線偏光、又は、偏光分離部を透過した直線偏光が位相差部を透過しなくなり、偏光変換効率が低下する可能性がある。
しかし、この構成の本適用例では、接合層の厚みと略同等となる幅で、複屈折性を有する透光性基板を切断するので、位相差部の幅を、偏光分離部と反射部との間の幅と略同等にすることができる。
従って、反射部により反射された直線偏光、又は、偏光分離部を透過した直線偏光が位相差部を確実に透過するので、偏光変換効率に優れた偏光変換素子の製造方法を提供できる。
本発明に係る偏光変換素子の第一実施形態を示す分解斜視図。 前記偏光変換素子の断面の一部分を拡大して示した断面図。 (A)(B)前記偏光変換素子の本体製造工程における透光性部材を接合する前後工程を示す図。 (A)前記本体製造工程における接合層を形成する工程、(B)前記本体製造工程において接合された透光性部材を切断する工程を示す図。 前記切断された光学素子を示す図。 前記光学素子の切断面を研磨する工程を示す図。 (A)前記光学素子の端部を切断する工程、(B)端部が切断された2つの光学素子を接合する工程を示す図。 (A)(B)前記偏光変換素子の製造方法における切断工程を示す図。 (A)(B)前記切断工程の第一サンドブラスト工程及び第二サンドブラスト工程を示す図。 前記切断工程により分離された一対の位相差板を示す図。 第二実施形態の偏光変換素子の断面の一部分を拡大して示した断面図。 (A)(B)第三実施形態及び第四実施形態の偏光変換素子の製造方法を示す図。 第四実施形態における第一位相差板の位相差部と第二位相差板の位相差部との結晶光学軸の関係を示す分解斜視図。 第五実施形態の偏光変換素子の製造方法を示す図。 本発明の投射装置に係る実施形態を示す概略構成図。 前記投射装置に設けられた偏光変換ユニットを示す概略分解斜視図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここで、各実施形態において、同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
[第一実施形態]
本発明に係る偏光変換素子の第一実施形態について、図1,2を用いて詳細に説明する。図1は、例えば、プロジェクターに搭載される偏光変換素子の分解斜視図である。図2は、偏光変換素子の断面の一部分を拡大して示した断面図である。
<偏光変換素子の構成>
第一実施形態の偏光変換素子300は、図1,2に示すように、光学素子310と、光学素子310に接合され、1/2波長板として機能し、入射した直線偏光の偏光面を90°回転させて出射する水晶製の位相差板320とを備える。
光学素子310は、略直方体形状であり、2つの光学素子310A,310Bが向かい合う長手方向の端部同士を互いに接合し、接合面310Cに対して対称関係となっている。この光学素子310は、互いに略平行な光入射面310Dと光出射面310Eとを有する。また、光学素子310は、複数の透光性基板311の間に、長手方向に沿って交互に並んで配置された偏光分離部312と反射部313とを有する。
複数の透光性基板311は、それぞれ光入射面310D或いは光出射面310Eに対して所定の傾斜角度を有した接合面311Aによって接合されている。
偏光分離部312と反射部313とは、複数の透光性基板311の間の境界部311A1に交互に設けられている。
偏光分離部312は、光入射面310Dに入射した光を偏光方向が互いに直交する異なる2種類の直線偏光に分離して一方の直線偏光を透過させ、他方の直線偏光を反射させる。本実施形態では、偏光分離部312は、光入射面310Dに入射したランダム偏光光のうちP偏光光を選択的に透過させ、S偏光光を反射させる。
反射部313は、偏光分離部312により反射された他方の直線偏光を反射し、光路の向きを変える。即ち、反射部313は、偏光分離部312にて反射されたS偏光光を光出射面310Eに向けて反射させる。
光学素子310は、図2に示すように、境界部311A1に設けられた接合層314を有する。接合層314は、複数の透光性基板311を互いに接合する。ここで、接合層314は、紫外線硬化型等の光学系接着剤を用いることができる。紫外線硬化型の接着剤を用いた場合、粘度が高く、接合層314の厚みはおよそ10μm以上20μm以下程度となる。更に、変性アクリレート又は変性メタクリレートを主成分とする紫外線硬化型の接着剤を用いると、接合層314の厚みは5μm以上10μm以下と薄くできる。変性アクリレート又は変性メタクリレートを主成分とする紫外線硬化型の接着剤としては、例えば、UT20、HR154(商品名、株式会社アーデル製)などが挙げられる。更に、接合層314としては、プラズマ重合法により形成されたものであってもよい。このようなプラズマ重合法により形成された接合層314は、シロキサン(Si−O)結合を含み、結晶化度が45%以下であるSi骨格と、当該Si骨格に結合する脱離基とを含んでいる。そして、前記脱離基が有機基で構成され、接合層314は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与したとき、接合層314の表面付近に存在する前記脱離基が前記Si骨格から脱離することにより、接合層314の表面の前記領域に、透光性基板311と偏光分離部312又は反射部313との接着性が発現するものである。この接合層314は、所定の厚さW1を有する。
位相差板320(320A,320B)は、2つの光学素子310A、310Bの光出射面310Eにそれぞれ配置されている。
位相差板320は、偏光分離部312を透過したP偏光光に180°の位相差を生じさせて当該P偏光光の偏光面を90°回転させるので、反射部313により反射されたS偏光光の偏光面と平行な直線偏光、即ちS偏光光に変換して出射する。
位相差板320は、櫛状(すだれ状)であり、板厚tを有する。この位相差板320は、光学素子310に接合され光が透過しない基部321と、この基部321から延在され、光が透過する位相差部322とを有する。即ち、基部321は、光学素子310の光学領域である有効エリア(E)の外に配置されている。
基部321は、光学素子310の長手方向、即ち、偏光分離部312と反射部313とが交互に並べられた方向に沿って接合されている。
そして、一方の位相差板320Aの基部321Aは、光学素子310における長手方向に平行な端縁部のうち一方の端縁部310Fに接合され、他方の位相差板320Bの基部321Bは、光学素子310における長手方向に平行な端縁部のうち他方の端縁部310Gに接合されている。
即ち、一方の位相差板320Aの基部321Aは、他方の位相差板320Bにおける位相差部322の先端部322A2に接近しており、他方の位相差板320Bの基部321Bは、一方の位相差板320Aにおける位相差部322Aの先端部322A2に接近している。
基部321は、その主平面が長尺の矩形状であり、その幅は、例えば、3mmから4mm程度である。
基部321は、光学素子310に、図示しない接合膜により接合されている。この接合膜は、接合層314と同様に、紫外線硬化型等の光学系接着剤やプラズマ重合膜により設けられている。接合膜は、光路上に配置されない、光学領域である有効エリアEの外側に配置されることが好ましいため、基部321と光学素子310の長手方向に平行な端縁部310F、310Gとの間にのみ形成されていることが好ましい。
位相差部322は、いわば短冊状であり、その厚さは、基部321と同じである。位相差部322は、基部321から延出され、光出射面310Eにおける偏光分離部312の上部の領域に配置されている。隣り合う複数の位相差部322は、互いに所定幅の隙間W2をもって配置されており、前記隙間W2には、反射部313で反射されたS偏光光がそのまま通過する。
位相差部322は、図2に示すように、それぞれ光学素子310の光出射面310Eに対向する光入射面322A2を有する。
この位相差部322の光入射面322A2と、光学素子310の光出射面310Eとの間には、わずかな隙間W3が設けられている。そのため、位相差部322の光入射面322A1と光学素子310の光出射面310Eとには、それぞれ図示しない反射防止膜が形成されていることが好ましい。
<偏光変換素子の製造方法>
次に、第一実施形態の偏光変換素子の製造方法を図3から10までを参照して説明する。
図3は、(A)(B)前記偏光変換素子の本体製造工程における透光性部材を接合する前後工程を示す図である。図4は、(A)前記本体製造工程における接合層を形成する工程を示す図であり、(B)前記本体製造工程において接合された透光性部材を切断する工程を示す図である。図5は、前記切断された光学素子を示す図である。図6は、前記光学素子の切断面を研磨する工程を示す図である。図7は、(A)前記光学素子の端部を切断する工程を示す図であり、(B)端部が切断された2つの光学素子を接合する工程を示す図である。図8(A)(B)は、偏光変換素子の製造方法における切断工程を示す図であり、図9(A)(B)は、切断工程の第一サンドブラスト工程及び第二サンドブラスト工程を示す図であり、図10は、切断工程により分離された一対の位相差板を示す図である。
第一実施形態の偏光変換素子の製造方法は、本体製造工程と、切断工程と、除去工程と、接合工程とを有する。
(本体製造工程)
本体製造工程では、特開2000−298212号公報に記載の方法と同様の方法で光学素子310が製造される。まず、図3(A)に示すように、複数の第一の板状の透光性部材311B1及び複数の第二の板状の透光性部材311B2が用意される。そして、図3(B)に示すように、第一の板状の透光性部材311B1の一方の主面に、偏光分離部312が形成され、他方の主面に反射部313が形成される。この第一の板状の透光性部材311B1と、第二の板状の透光性部材311B2とが接合層314により交互に接合される。ここで、図4(A)に示すように、接合層314は、UV光の照射により、硬化される。
そして、図4(B)に示すように、複数交互に積層されてなる積層光学ブロック311B3が第一、第二の板状の透光性部材311B1,311B2の主表面に対して所定の傾斜角度(例えば、約45°)の方向に沿って所定の間隔ごとに切断される。これにより、図5に示すような光学素子ブロック310Hが得られる。その後、図6(A)に示すように、切断された光学素子ブロック310Hの切断面310H1を光学研磨する。そして、図7(A)に示すように、光学素子ブロック310Hの端部を切断することによって、偏光ビームスプリッターアレイを得ることができる。これにより、複数の光学素子310(偏光ビームスプリッターアレイ)が得られる。図7(B)に示すように、このうち2つの光学素子310(310A,310B)が互いに接合されて一体とされる。ここで、2つの光学素子310は、接合面310Cに対して対称関係になっている。
(切断工程)
切断工程では、第一マスク工程と、第一サンドブラスト工程と、第二マスク工程と、第二サンドブラスト工程とが実施される。
第一マスク工程では、図8(A)に示すように、水晶であり、複屈折性を有する透光性基板400が用意される。この透光性基板400は、その厚みがtである。そして、図8(B)に示すように、一対の櫛状の保護膜401が形成されるとともに、それぞれの保護膜401の間に蛇行した切代部402も形成される。なお、この保護膜401の形成には、公知の方法を採用できる。ここで、切代部402の幅Lは接合層314の厚さW1と略同等であることが好ましい。
図9(A)に示すように、第一サンドブラスト工程では、透光性基板400の切代部402にサンドブラストが実施される。これにより、貫通孔403が形成される。
この貫通孔403は、保護膜401から離れるに従って幅が狭くなるように形成される。即ち、隣り合う位相差部322と位相差部322との対向する側壁には、それぞれ傾斜部404が形成される。それぞれの傾斜部404は、保護膜401から最も離れた先端が互いに近づく傾斜面404Aを有する。傾斜部404の傾斜面404Aは、透光性基板400の平面400Aに対して傾斜角度θが約70°である。その後、第一マスク工程で形成された保護膜401が除去される。
第二マスク工程では、透光性基板400が裏返されて、第一マスク工程と同様にして、一対の櫛状の保護膜401が形成される(図8(B)参照)。
そして、図9(B)に示すように、第二サンドブラスト工程では、第一サンドブラスト工程で形成された貫通孔403に対して、サンドブラストが実施される。ここで、第二サンドブラスト工程では、図9(B)に示すように、第一サンドブラスト工程で形成された傾斜部404の先端が削られる。これにより、透光性基板400の側壁には、その厚さ方向の略中央で、突出幅Dで突出した突出部405が形成される。
ここで、隣り合う一方の位相差部322の突出部405と、他方の位相差部322の突出部405との間の幅は、仕上げ幅Hである。この仕上げ幅は、光が突出部405を透過しないように設定されている。
そして、第ニマスク工程で形成された保護膜401が除去される。この切断工程により、図10に示すように、一対の櫛状の位相差板320が形成される。ここで、サンドブラストの条件としては、例えば、砥粒径:25μm、噴射圧力:0.30MPa以上0.40MPa以下、レート:1.5μm/min以上2.5μm/min以下である。
(除去工程及び接合工程)
切断工程では、各位相差部322の切断部である突出部405に図示しない加工変質層が形成される場合がある。
そこで、除去工程では、加工変質層をフッ素等を用いたライト・エッチングにより除去する。
接合工程では、光学素子310の光出射面310Eに位相差板320が接合膜を用いて接合される。ここで、接合膜は、光学素子310と位相差板320の基部321との間にのみ形成される。
一方、光学素子310と位相差板320との間にはエア・ギャップとしての隙間W3が形成される。そのため、光学素子310の光出射面310Eと位相差部322の光入射面322A1とには、それぞれ反射防止膜が形成されることが好ましい(図2参照)。
そして、得られた位相差板320は、その主面(光の入射面或いは出射面)法線方向と結晶光学軸(Z軸)とのなす角度αが90°(所謂、Yカット或いはXカットの水晶基板)であり、入射する直線偏光(P偏光)の偏光面と結晶光学軸とのなす角度、即ち、光学軸方位角θが45°である。
第一実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)位相差板320が基部321と位相差部322とを有するすだれ状であるので、透光性基板400を一対の櫛状に切断することにより、同時に二枚を得ることができる。また、位相差板320を製造する際には、除去する部分が切代部402のみであるため、透光性基板400の利用効率が向上し、コストの低減が図れ、切断に必要な時間を少なくできる。これにより、リードタイムを短くすることができ、量産コストの低減も図れる。
そして、エッチングにより除去する部分を、透光部を形成するための掘削部のみとすることができるので、エッチング液の使用量を低減でき、環境負荷を低減した偏光変換素子とすることができる。
(2)位相差部322の光入射面322A2と光学素子(偏光ビームスプリッターアレイ)310の光出射面310Eとに反射防止膜を形成することにより、光が光学素子310と位相差板320とを透過する際に、光の反射を防止して、光の透過率の低下を抑制できる。
(3)位相差部322と光学素子310とを接合しないので、位相差部322と光学素子310とを接合する場合に生じやすい光の透過率が低下する等の不都合を回避できる。
(4)さらに、接合膜により位相差板320と光学素子310とを接合するため、位相差板320の押さえ治具が不要となり、部品点数を削減できる。
(5)接合層314等を変性アクリレート又は変性メタクリレートを主成分とする紫外線硬化型の接着剤を用いることにより、耐熱性及び耐光性に優れ、接合強度を確保できる。従って、偏光変換素子300の長寿命化が図れる。
(6)接合層314と接合膜とをプラズマ重合法により形成することにより、耐熱性及び耐光性に優れ、接合強度を確保できる。従って、偏光変換素子300のさらなる長寿命化が図れる。
(7)切断工程は、サンドブラストにより、透光性基板400を一対の櫛状に切断するため、同時に二枚の位相差板320を得ることができ、低コストの偏光変換素子300の製造方法を提供できる。
(8)除去工程は、ライト・エッチングにより、位相差部322に形成された加工変質層を容易に除去できるため、エッチング溶液の使用量が少なくて済み経済的である。
(9)第一実施形態の製造方法では、加工変質層を除去するため、位相差板320を光が透過する際に、光学特性上の問題が生じてしまうことを回避できる。
(10)切断工程は、接合層314の厚みW1と略同等となる幅Lで、切代部402を切断するので、位相差部322の幅を広くすることができる。そのため、偏光分離部312を透過した光が位相差部322を確実に透過する。よって、偏光変換効率に優れた偏光変換素子300の製造方法を提供できる。
(11)また、上述したように、エッチング液の使用量を低減でき、環境負荷に配慮した製造方法とすることができる。さらに、水晶の透光性基板400から位相差板320を製造する際に、除去する部分を少なくすることができるので、水晶の有効利用が図れ、環境負荷を低減できる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態の偏光変換素子について図11を用いて説明する。
図11は、本発明の偏光変換素子に係る第二実施形態の断面の一部分を拡大して示した図である。
第二実施形態では、位相差部の幅が第一実施形態よりも長くなる点が異なる。
すなわち、第一実施形態では、位相差部の両端縁が隣り合う2つの接合層の間に配置されていたが、第二実施形態では、図11に示すように、位相差部322Cの両端縁が偏光分離部312と、反射部313との間に配置されている点が異なる。それ以外の構成については、前記第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
なお、第二実施形態の位相差板320を製造する際にも、複屈折性を有する透光性基板を切断するための切代部は、境界部311A1(偏光分離部312および反射部313)上で確保する。
(12)第二実施形態では、上述の効果に加えて以下の効果を奏することができる。即ち、位相差部322Cの幅を第一実施形態の場合よりも長くすることができるので、光学領域を大きく稼ぐことができる。これにより、さらに偏光変換効率の優れた偏光変換素子を実現できる。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る第五実施形態の偏光変換素子について図12を用いて説明する。
図12(A)(B)は、第三実施形態の偏光変換素子の製造方法を示す図である。
第一実施形態では、位相差板は1枚からなる単層型であったが、第二実施形態では、2枚からなる積層型である。なお、位相差板の積層枚数は3枚以上でもよい。
第三実施形態の位相差板500は、光の入射方向から順に接合された第一位相差板501と第二位相差板502とを有する。この位相差板500は、第一実施形態と同様に1/2波長板として機能する。なお、第一位相差板501と、第二位相差板502との対向するそれぞれの主面には反射防止膜が形成されている。
次に、第三実施形態の偏光変換素子の製造方法について図12を用いて説明する。
第三実施形態の偏光変換素子の製造方法では、切断工程の前に積層工程が新たに実施され、かつ、切断工程が異なる以外は、第一実施形態と同様である。従って、本体製造工程、除去工程、接合工程については説明を省略又は簡略にし、積層工程及び切断工程について具体的に説明する。
(積層工程)
積層工程では、第一透光性基板510Aと、第二透光性基板510Bとが用意される。そして、位相差板の基部に対応する部分同士が互いに図示しない積層接合膜により接合される。これにより、積層型の透光性基板510が得られる。ここで、積層接合膜は、上述の接合膜と同様である。
(切断工程)
そして、切断工程では、第一透光性基板510Aと第二透光性基板510Bとが積層された状態で第一マスク工程と、第一サンドブラスト工程と、第二マスク工程と、第二サンドブラスト工程とが実施される。
第一マスク工程では、第一実施形態と同様に、積層型の透光性基板510の表面に一対の櫛状の保護膜511が形成され、第一サンドブラスト工程が実施される。これにより、第一実施形態と同様の貫通孔512と、傾斜部513とが形成される。
次に、第二マスク工程と、第二サンドブラスト工程とが実施される。これにより、図6(B)に示すように、積層型の透光性基板510の側壁には、突出部514が形成される。この突出部514は、第一透光性基板510Aと第二透光性基板510Bとに連続するようにそれぞれ形成される。
(13)このような第三実施形態では、上述した効果の他にも以下の効果を奏する。即ち、第一透光性基板510Aと第二透光性基板510Bとを予め接合することにより、積層した状態の位相差板を2枚同時に得ることができる。
[第四実施形態]
第四実施形態では、第二実施形態の位相差板の構成について、具体例を挙げて詳細に説明する。
図13は、第一位相差板の位相差部と第二位相差板の位相差部とにおける各々の結晶光学軸の関係を示す分解斜視図である。
なお、光学軸方位角θ1、θ2は、積層型の位相差板に入射する直線偏光の偏光面と、各々の結晶光学軸とのなす角度であって、積層型の位相差板の光の出射面側から見て、入射する光の光軸を中心として反時計回りの方向を正の値と定義する。
(位相差板の第一の構成)
図13(A)に示すように、位相差板Aは、第一位相差板501の位相差部501Aにおける光学軸方位角θ1が135°であり、第二位相差板502の位相差部502Aにおける光学軸方位角θ2が45°である。即ち、第一位相差板501と、第二位相差板502との結晶光学軸501B,502Bは互いに90°の角度で交差している。そして、第一位相差板501の結晶光学軸501Bと第二位相差板502の結晶光学軸502Bとは、それぞれ厚み方向に傾いておらず、それらの平面方向に平行である。
この位相差板Aは、第一位相差板501の位相差が180°+N×360°であり、第二位相差板502の位相差がN×360°で表される。なお、Nは正の整数である。
例えば、第一位相差板501の位相差をΓ1とし、第二位相差板502の位相差をΓ2としたとき、
Γ1=180°+360°×5=1980°
Γ2=360°×5=1800°
N=5
である。
従って、位相差板Aの位相差δは、
δ=Γ1−Γ2=1980°−1800°=180°
である。
第一位相差板501及び第二位相差板502を構成する水晶の切断角度、即ち、水晶の結晶光学軸501B,502Bに対して第一位相差板501及び第二位相差板502の主表面の法線がなす角度は、それぞれ90°である。このような第一位相差板501及び第二位相差板502は、所謂、Yカット或いはXカットの水晶基板である。
(位相差板の第二の構成)
図13(B)に示すように、位相差板Bは、第一位相差板501の位相差部501Aにおける光学軸方位角θ1が67.5°であり、第二位相差板502の位相差部502Aにおける光学軸方位角θ2が22.5°である。即ち、第一位相差板501と、第二位相差板502との結晶光学軸501B,502Bは互いに45°の角度で交差している。また、第一位相差板501と第二位相差板502との位相差がそれぞれ180°である。
そして、第一位相差板501と第二位相差板502とは、仕様に応じてそれぞれ結晶光学軸501B,502Bに対して、第一位相差板501及び第二位相差板502の主表面の法線がなす角度が0°を除く角度α、即ち、0°<α≦90°を有するようにすればよい。
ここでは、第一位相差板501及び第二位相差板502を構成する水晶の切断角度、即ち、水晶の結晶光学軸501B,502Bに対して第一位相差板501及び第二位相差板502の主表面の法線がなす角度αを、それぞれ90°に設定した。このような第一位相差板501及び第二位相差板502は、所謂、Yカット或いはXカットの水晶基板であり、このような第一位相差板501及び第二位相差板502を用いていると、入射角度依存性に優れた広帯域1/2波長板が得られる。
(位相差板の第三の構成)
図13(B)に示すように、位相差板Cは、位相差板Bと同様に、第一位相差板501の位相差部501Aにおける光学軸方位角θ1が67.5°であり、第二位相差板502の位相差部502Aにおける光学軸方位角θ2が22.5°である。また、第一位相差板501と第二位相差板502との位相差がそれぞれ180°+n×360°(nは、1以上の整数)である。
ここで、第一位相差板501及び第二位相差板502を構成する水晶の切断角度、即ち、水晶の結晶光学軸501B,502Bに対して第一位相差板501及び第二位相差板502の主表面の法線がなす角度はそれぞれ90°である。このような第一位相差板501及び第二位相差板502は、所謂、Yカット或いはXカットの水晶基板である。こうすることにより入射角度依存性に優れた波長選択型の1/2波長板が得られる。例えば、B(青)帯域,G(緑)帯域,R(赤)帯域の波長に帯において位相差が180°となる1/2波長板を実現できる。
なお、上記位相差板A,B,Cにおいて、光学軸方位角θ1、θ2の範囲は、要求仕様に応じて或いは許容誤差として、設定角度から±5°の範囲で有効である。
このような第三実施形態の位相差板A,B,Cは、上述した第三実施形態の製造方法により製造できる。具体的には、表1に示す厚み(t)等の条件下で製造される。表1中の厚みは、第一透光性基板510Aと第二透光性基板510Bとのそれぞれの厚みである。また、表1に示す数値の単位は、「mm」である。
Figure 2012145844
[第五実施形態]
次に、本発明に係る第五実施形態の位相差板について図14を用いて説明する。図14は、第五実施形態の位相差板の製造方法を説明するための図である。
第五実施形態の偏光変換素子の製造方法では、第一実施形態の位相差板と切断工程のみ異なり、得られる偏光変換素子は、第一実施形態と同様である。従って、図14を用いて切断工程のみを説明する。
(切断工程)
切断工程では、第一実施形態で用いた透光性基板よりも大判の複屈折性を有する透光性基板600が用意される。この大判の透光性基板600から一対の位相差板が9組、即ち、18枚の位相差板が製造される。
切断工程の第一マスク工程では、図14に示すように、一対の櫛状となる保護膜601が9組形成される。この一対の櫛状の保護膜601の間には、第一実施形態と同様の切代部602が形成される。
また、第三実施形態の偏光変換素子の製造方法では、互いに隣接する一対の位相差板と、一対の位相差板との間の境界にも境界切代部603が形成される。
次に、第一サンドブラスト工程では、切代部602と境界切代部603に、サンドブラストが実施される。これにより、貫通孔が形成され、18枚の位相差板が分離される。
その後、18枚の位相差板が裏返されて第二マスク工程により保護膜が形成される。そして、第二サンドブラスト工程では、第一サンドブラスト工程で形成された貫通孔に対して、サンドブラストが実施される(図9参照)。
そして、得られた18枚の位相差板に、除去工程、接合工程が実施され、それぞれの位相差板が光学素子に接合される。
(14)第五実施形態の製造方法では、第一実施形態で説明したほかに、切代部602と境界切代部603との切断をサンドブラストで共通化できるという効果を奏する。これにより、切断作業を容易にできる。
[第六実施形態]
第六実施形態では、本発明に係る偏光変換素子を備えた投射装置として液晶プロジェクターを例示して説明する。図15はプロジェクターの概略構成図である。図16は、プロジェクターに設けられた偏光変換ユニットの分解斜視図である。
図15において、プロジェクター100は、インテグレーター照明光学系110と、色分離光学系120と、リレー光学系130と、光変調装置140と、投射光学装置150とを備える。
インテグレーター照明光学系110は、光源111と、第1レンズアレイ112と、偏光変換ユニット200と、重畳レンズ113とを備える。
インテグレーター照明光学系110は、光源111の光を略平行光線として第1レンズアレイ112へと射出する。
偏光変換ユニット200は、第1レンズアレイ112から出射された光を1種類の直線偏光光に変換する。図10に示すように、この偏光変換ユニット200は、第2レンズアレイ210と、遮光板220と、偏光変換素子300と、固定枠230と、固定具240とを備える。
第2レンズアレイ210は、偏光変換素子300の光入射側に配置され、重畳レンズ113とともに、第1レンズアレイ112の各小レンズの像を透過型液晶パネル141R,141G,141B上に結像させる。
遮光板220は、スリット状の複数の孔221を有し、これらの孔221が偏光変換素子300の偏光分離部312に対応するように配置される。これにより、遮光板220は、偏光変換素子300の偏光分離部312に対応する光入射面310Dにのみ光を入射させることができる。なお、図10では、孔221と偏光分離部312との対応関係は、概略的に示されている。
固定具240は、第2レンズアレイ210と、遮光板220と、偏光変換素子300とを固定枠230に固定する。
偏光変換ユニット200を組み立てる際には、固定枠230の一方の開口面(図10では下面)側から2つの偏光変換素子300が挿入され、もう一方の開口面(図10では上面)側から遮光板220と第2レンズアレイ210とがこの順に挿入される。これらの第2レンズアレイ210と、遮光板220と、上記偏光変換素子300とは、固定枠230に収納された状態で、4つの固定具240で上下2方向から挟持される。固定具240は、その一端部が第2レンズアレイ210と係合し、他端部が偏光変換素子300の位相差板320と係合する。
図9に示すように、色分離光学系120は、2枚のダイクロイックミラー121,122と、反射ミラー123とを備える。
リレー光学系130は、入射側レンズ131と、リレーレンズ133と、反射ミラー132,134とを備える。
色分離光学系120と、リレー光学系130とは、インテグレーター照明光学系110から射出された複数の光を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離し、各色光を、フィールドレンズ142を通して透過型液晶パネル141B、141G,141Rに到達させる。
光変調装置140は、透過型液晶パネル141R,141G,141Bと、フィールドレンズ142と、クロスダイクロイックプリズム143とを備え、入射した光を画像情報に応じて変調してカラーの光学像を形成する。投射光学装置150は、光変調装置140で変調された光を投射する。
(15)第一実施形態で説明したように、位相差板の基部が3mmから4mm程度の幅を有するので、固定具240により位相差板を固定枠230に良好に固定できる。即ち、従来の使用していた固定枠230や固定具240のサイズを変えることなく、位相差板を固定できる。このことから、本発明の位相差板は、汎用性が高いと言える。
(16)プロジェクター100および偏光変換ユニット200は、上記偏光変換素子300を備えるため、低コストのプロジェクター100および偏光変換ユニット200を提供できる。
(変形例)
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第一実施形態では、位相差部は、光出射面における偏光分離部の上部の領域に配置される構成を説明したが、反射部の上部の領域に配置されていてもよい。こうすることにより、偏光変換ユニットに入射したランダム光をP偏光の光束に統一して出射させることができる。
第三実施形態では、境界切代部にサンドブラストが実施されることにより、位相差基板が切断される構成を例示したが、砥石を用いたダイシングにより切断される構成でもよい。
また、第三実施形態では、第一サンドブラスト工程にて18枚の位相差板が分離する構成を説明したが、18枚の位相差板が分離しないように粘着シートを用いてそれぞれの位相差板を貼り付けるようにしてもよい。
この場合、まず、第一マスク工程において、一対の櫛状の保護膜が形成されるとともに、境界切代部にも保護膜が形成される。第一サンドブラスト工程では、蛇行した切代部のみにサンドブラストが実施される。ここで、境界切代部にサンドブラストが実施されないので、互いに隣接する一対の位相差板と、一対の位相差板とは分離されていない。
続けて、第二マスク工程と、第二サンドブラスト工程が実施される。
その後、境界切代部にダイシングによりV溝が形成される。そして、透光性基板の一方の面のみに粘着シートが貼り付けられる。続けて、このシートの上からハンマーで衝撃が加えられて、V溝に沿って互いに隣接する一対の位相差板と、一対の位相差板とが分割される。このように粘着シート上に透光性基板を貼り付けた状態で、ハンマーで境界切代部を分離することにより、それぞれの位相差板が分散してしまうことを防止できる。
また、接合層と接合層と積層接合膜とがそれぞれプラズマ重合法により設けられる構成を説明したが、原子拡散接合法により設けられてもよい。
ここで、原子拡散接合法では、まず、真空容器内においてスパッタリングやイオンプレーティング等の真空成膜により真空中で光学素子及び位相差板にそれぞれ微結晶連続薄膜が成膜される。そして、微結晶連続薄膜同士が成膜中又は成膜後に重ね合わされて、接合界面及び結晶粒界において原子拡散が生じることにより光学素子及び位相差板の間で接合する。
なお、微結晶連続薄膜同士が重ね合わさる場合だけでなく、光学素子と、位相差板とのいずれか一方に微結晶連続薄膜が形成され、いずれか他方に微結晶構造が形成されるようにしてもよい。そして、これら微結晶連続薄膜と微結晶構造とが重ね合わされて、原子拡散接合が実施されるようにしてもよい。
そして、第一実施形態では、接合膜が光学素子と基部との間のみに形成される構成を説明したが、光学素子と位相差部との間にも形成されてもよい。
また、接合膜と接合層と積層接合膜とは、耐光性を有する接着剤により形成されてもよい。
本発明は、例えば、プロジェクターなどの投射装置に組み込まれる偏光変換素子及びその製造方法として利用できる。
100…プロジェクター(投射装置)、111…光源、140…光変調装置、150…投射光学装置、200…偏光変換ユニット、230…固定枠、300…偏光変換素子、310…光学素子(偏光ビームスプリッターアレイ)、310D、322A2…光入射面、310E…光出射面、311…透光性基板、311A…接合部、311A1…境界部、312…偏光分離部、313…反射部、314…接合層、320,500…位相差板、321、321A,321B…基部、322、322A、322B、501A、502A…位相差部、400,510,600…複屈屈折性を有する透光性基板、405,514…突出部(切断部)、501…第一位相差板、502…第二位相差板、510A…第一透光性基板、510B…第二透光性基板

Claims (17)

  1. 互いに略平行な光入射面及び光出射面を有し、
    前記光入射面或いは前記光出射面に対して所定の傾斜角度を有した接合面によって接合された複数の透光性基板と、
    前記複数の前記透光性基板の間の境界部に交互に設けられ、
    前記光入射面に入射した光を偏光方向が互いに直交する異なる2種類の直線偏光に分離して一方の直線偏光を透過させ、他方の直線偏光を反射させる偏光分離部と、
    反射された前記他方の直線偏光を反射し、光路の向きを変える反射部と、
    を有する光学素子と、
    前記光出射面に配置され、前記2種類の直線偏光のうち何れか一方の直線偏光の偏光面を回転させて他方の直線偏光の偏光面と平行な直線偏光に変換して出射する位相差板と、
    を備え、
    前記位相差板は、
    前記光学素子の端縁部に前記偏光分離部と前記反射部とが交互に配置される方向に沿って接合された基部と、
    当該基部から延出され、前記光出射面であって前記偏光分離部の上部の領域、又は前記反射部の上部の領域に配置された位相差部と、
    を有する
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  2. 請求項1に記載の偏光変換素子であって、
    前記光学素子の前記光出射面と、前記光学素子の前記光出射面に対向する前記位相差板の光入射面との間に、隙間が設けられ、
    前記光学素子の前記光出射面と、前記位相差板の前記光入射面とには、それぞれ反射防止膜が設けられている
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  3. 請求項1又は2に記載の偏光変換素子であって、
    前記位相差板の前記基部が、接合膜により前記光学素子に接合されている
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  4. 請求項3に記載の偏光変換素子であって、
    前記接合膜は、接着剤である
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  5. 請求項4に記載の偏光変換素子であって、
    前記接着剤は、変性アクリレート又は変性メタクリレートを主成分とする
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  6. 請求項3に記載の偏光変換素子であって、
    前記接合膜は、プラズマ重合法により設けられ、シロキサン(Si−O)結合を含み、結晶化度が45%以下であるSi骨格と、当該Si骨格に結合する脱離基とを含み、前記脱離基は、有機基で構成され、前記接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与したとき、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が前記Si骨格から脱離することにより、前記接合膜の表面の前記領域に、前記基部と前記光学素子との接着性が発現するものである
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  7. 請求項3に記載の偏光変換素子であって、
    前記接合膜は、前記光学素子に設けられた微結晶連続膜と、前記基部に設けられた微結晶連続膜とを接触させて、前記光学素子の微結晶連続膜と前記基部の微結晶連続膜との接触界面及び結晶粒界に原子拡散を生じさせる原子拡散接合法により形成される、
    又は、前記光学素子及び前記基部のうちのいずれか一方に設けられた微結晶連続膜と、いずれか他方に設けられた微結晶構造とを接触させて、前記微結晶連続膜と前記微結晶構造との接触界面及び結晶粒界に原子拡散を生じさせる原子拡散接合法により形成される
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の偏光変換素子であって、
    前記位相差板の材料が水晶である
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  9. 請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載の偏光変換素子であって、
    前記位相差板が積層型の位相差板である
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  10. 請求項9に記載の偏光変換素子であって、
    前記積層型の位相差板は、第1の位相差板と第2の位相差板とを積層してなり、
    入射する直線偏光の偏光面と、各々の結晶光学軸とのなす角度を、光学軸方位角θ1、θ2とし、
    光の出射面側から見て、入射する直線偏光の光軸を中心として反時計回りの方向を正の値としたとき、
    前記光学軸方位角θ1とθ2は、
    θ1が40°以上50°以下、θ2が130°以上140°以下、
    或いは、
    θ1が17.5°以上27.5°以下、θ2が62.5°以上72.5°以下、
    を満足する
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  11. 請求項10に記載の偏光変換素子であって、
    前記第1の位相差板の位相差Γ1と前記第2の位相差板の位相差Γ2は、
    Γ1=180°+360°×N
    Γ2=360°×N
    (但し、Nは正の整数)
    或いは、
    Γ1=180°
    Γ2=180°
    或いは、
    Γ1=180°+n×360°
    Γ2=180°+n×360°
    (但し、nは正の整数)
    の何れかの組み合わせを満足する
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  12. 請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の偏光変換素子と、
    当該偏光変換素子を固定する固定枠と、
    を備える
    ことを特徴とする偏光変換ユニット。
  13. 光源と、
    請求項12に記載の偏光変換ユニットと、
    当該偏光変換ユニットから出射された光を画像情報に基づいて変調する光変調装置と、
    当該光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、
    を備える
    ことを特徴とする投射装置。
  14. 請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の偏光変換素子の製造方法であって、
    複屈折性を有する透光性基板をブラストにより櫛状に切断することにより前記位相差板を得る切断工程と、
    前記位相差板を前記光学素子の前記光出射面に接合する接合工程と、
    を有する
    ことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
  15. 請求項14に記載の偏光変換素子の製造方法であって、
    前記複屈折性を有する透光性基板の材料が水晶である
    ことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
  16. 請求項14又は15に記載の偏光変換素子の製造方法であって、
    前記ブラストにより前記位相差板の切断部に生じた加工変質層を除去する除去工程を有する
    ことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
  17. 請求項14乃至16のうちいずれか一項に記載の偏光変換素子の製造方法であって、
    前記切断工程は、前記複数の透光性基板の間の境界部に設けられた接合層の厚みと略同等となる幅で、前記複屈折性を有する透光性基板を切断する
    ことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
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