JP2012170165A - ワイヤハーネス用のグロメット - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤハーネスに取り付けるグロメットを車体パネルの貫通穴に挿入係止するのに、グロメットの挿入力の低減を図る。
【解決手段】ワイヤハーネスの小径筒部の一端に連続した拡径筒部の大径側の外周面に車体係止凹部を環状に設けると共に、該拡径筒部の外周面から潤滑剤塗布用の環状の鍔部を突設し、該記鍔部は拡径筒部の大径側外周面に重なるように倒した状態で外周面となる一面に潤滑剤を塗布しておき、前記貫通穴への拡径筒部の小径側からの挿通時に、該貫通穴の内周面による押圧で前記鍔部を前記車体係止凹部に達するまでの大径側に向けて倒し、該鍔部の潤滑剤塗布面に前記貫通穴の内周面を摺接させる構成としている。
【選択図】図2

Description

本発明はワイヤハーネス用のグロメットに関し、詳しくは、自動車に配索されるワイヤハーネスが車体パネルの貫通穴を挿通する箇所で、ワイヤハーネスに外嵌して防水、防音、防塵を図るものである。
この種のグロメットは、作業者が車体パネルの貫通穴にグロメットを押し込み、該グロメットの外周面に環状に設けられた車体係止凹部を貫通穴の周縁に係止して取り付けている。該グロメットの装着作業時に作業者の負担を低減するため、グロメットの挿入力を低下させることが求められている。
そのため、ゴムまたはエラストマーから成形されるグロメットの外周面を貫通穴の内周面に沿って滑りやすくするため、グロメットの外周面に潤滑剤を塗布しておく場合がある。
しかしながら、潤滑剤をグロメットの外周面に直接に塗布した場合は、グロメットの車体係止凹部にも潤滑剤が付着し、貫通穴に一旦係止されたグロメットが抜けやすくなる問題がある。
また、特開2009−54355号公報に記載されたグロメットでは、図3に示すように、グロメット100の拡径筒部101の外周面に薄肉部102で覆われた環状の小室103を突設し、該小室103に潤滑剤104を封入している。車体パネル120の貫通穴121へグロメット100を押し込む時に薄肉部102を破って潤滑剤104を吐出させている。
特開2009−54355号公報
前記特許文献1のグロメットでは、薄肉部102で覆われた小室103に潤滑剤104を封入する作業が難作業になる。また、薄肉部102が破れて潤滑剤104が飛散した状態でグロメットの外周面に均等に潤滑剤が塗布されるか否かが不明であり、飛散する潤滑剤が偏在分布して滑りにくい箇所が発生する恐れがある。
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、車体パネルの貫通穴へのグロメット挿入時に、グロメットの挿入力を低下できるように潤滑剤の塗布部を容易に設けると共に、該潤滑剤による抜けが発生しないようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、車両に配索されるワイヤハーネスに外装し、車体パネルの貫通穴に装着するゴムまたはエラストマーからなるグロメットであり、
小径筒部の一端に連続した拡径筒部の大径側の外周面に車体係止凹部を環状に設けると共に、該拡径筒部の外周面から潤滑剤塗布用の環状の鍔部を突設し、
前記鍔部は拡径筒部の大径側外周面に重なるように倒した状態で外周面となる一面に潤滑剤を塗布しておき、前記貫通穴への拡径筒部の小径側からの挿通時に、該貫通穴の内周面による押圧で前記鍔部を前記車体係止凹部に達するまでの大径側に向けて倒し、該鍔部の潤滑剤塗布面に前記貫通穴の内周面を摺接させる構成としているワイヤハーネス用のグロメットを提供している。
本発明のグロメットでは、前記のように車体パネルの貫通穴にグロメットを挿入する時、グロメットの拡径筒部の外周面から突設した鍔部が貫通穴との接触時に大径側外周面に重なるように押し倒され、この押し倒された状態で、潤滑剤が塗布された面が外周面となるため挿入力を低減できる。かつ、潤滑剤は鍔部に塗布しているだけであるため、車体係止凹部に潤滑剤が付着して、取り付けたグロメットが抜けやすくなるのを防止できる。
グロメットの前記車体係止凹部の底面を挟む両側壁のうち小径側の一方側壁の先端部にテーパ状切欠を設け、前記倒れた状態の鍔部の先端が前記テーパ状切欠の端縁の直前に位置する設定としていることが好ましい。
このように、潤滑剤を塗布した鍔部が、グロメット挿入時に拡径筒部の外周面に重なるように倒れた状態で、車体係止凹部に達する直前位置に配置する形状とすると、挿入力を最大とする位置での潤滑性を高めて、挿入力の低減を有効に図ることができる。
本発明のグロメットは、前記車体パネルの貫通穴がバーリング付きである場合に特に好適に用いられる。すなわち、該バーリング付きの貫通穴への挿入時に、該バーリングが前記車体係止凹部に挿入した時に前記鍔部はバーリングから外れて弾性復帰し径方向に突出するものとしている。
前記鍔部に塗布する潤滑剤としては、高粘度の界面活性剤等からなる潤滑剤、フッ素水溶液等からなる潤滑剤が好適に用いられ、鍔部に塗布された状態で塗布位置から流動したり、ベタ付きが生じないものを用いている。
前記のように、本発明のグロメットでは、グロメットの拡径筒部から突設した鍔部の一面に潤滑剤を塗布している。よって、グロメットを拡径筒部の小径側から押し込んでいくと、鍔部が大径側外周面に重なるように押し倒され、外面側に潤滑剤塗布面が現れ、潤滑剤が貫通穴の内周面に摺接するため、グロメットの挿入力の低減を図ることができる。また、挿入力を低減できるため、車体係止凹部の側壁の高さが大となるように拡径筒部の外径を大とでき、車体係止凹部への貫通穴の周縁の引っ掛かり寸法を大きくでき、グロメットの係止力を高めることができる。
さらに、車体パネルの貫通穴の内周面が鍔部を過ぎると挿入抵抗が一気に抜け、この時に車体係止凹部に貫通穴の周縁が落ち込むため、節度感よくグロメットを貫通穴に係止できる。
本発明の実施形態のグロメットを示す断面図である。 ワイヤハーネスに取り付けたグロメットを車体パネルの貫通穴に挿通する状態を示す断面図である。 従来例を示す図面である。
以下、本発明のグロメットの実施形態を図1および図2を参照して説明する。
グロメット1はゴムまたはエラストマーからなり、本実施形態ではEPDMで成形している。グロメット1は小径筒部2の一端に拡径筒部3が連続し、該拡径筒部3の大径側外周面に車体係止凹部4を環状に設けている。
前記拡径筒部3の小径端側の外径は、グロメット1を通す車体パネルPの貫通穴Hの内径より小さくしており、該貫通穴Hの内径と略一致する外径となる拡径筒部3の外周面に外径方向に突出する環状の鍔部5を突設している。該鍔部5は、前記のようにEPDMからなる弾性材で形成しているため、貫通穴Hの内周面に接して押し込まれると大径側に倒れていき、貫通穴Hの内周面から外れると弾性復帰して外径方向へと突出する。
鍔部5の突出寸法L1は、鍔部5を拡径筒部3の大径側に倒して外周面に重ねた状態で前記車体係止凹部4の直前まで位置するように設定している。
鍔部5を前記のように大径側へ倒した状態で、外周面に面する一面5b(すなわち、倒されていない状態で小径側の面)にフッ素水溶液からなる潤滑剤6を塗布している。よって、水溶液は自然乾燥し、潤滑剤6は塗布状態で垂れ落ちたりベタつきが生じないものとしている。
前記車体係止凹部4は底面4aを小径側の一方側壁4bと大径側の他方側壁4cとの両側壁で挟んでおり、小径側の一方側壁4bの突出側にテーパ状切欠4dを設けている。前記倒れた状態の鍔部5の先端5aが前記テーパ状切欠4dの端縁に略連続するような設定としている。
前記形状としたグロメット1は、小径筒部2を拡げ治具(図示せず)で広げながらワイヤハーネス20を貫通し、貫通後に小径筒部2の端部からワイヤハーネス20の外周面に粘着テープ21を巻き付けて固着するようにしている。このようにワイヤハーネス20に取り付けたグロメット1に対して、その鍔部5の一面5bの全体に前記のように潤滑剤6を塗布している。
前記ワイヤハーネス20は、図2に示すように、自動車の車体パネルPの貫通穴Hに通して配索し、ワイヤハーネス20に取り付けたグロメット1を貫通穴Hに装着している。該貫通穴Hは周縁よりバーリングBが突出した貫通穴である。
前記バーリング付きの貫通穴Hに対してグロメット1は小径筒部2から挿入し、つづいて、拡径筒部3を小径側から挿入する。貫通穴Hの内径が拡径筒部3の外径と略同等となった位置で鍔部5の根元部分に貫通穴Hの内縁が接触し、グロメット1の挿入にしたがって鍔部5を拡径筒部3の大径側へと押し倒す。
この状態で、鍔部5の一面5bが外面となり、潤滑剤6の塗布面が外面に現れる。この潤滑剤6が貫通穴Hの内周面およびバーリングBの内周面と接触し、摩擦を低減してグロメットの挿入力を軽減する。
潤滑剤6を塗布した鍔部5の一面5bは車体係止凹部4に達する位置まで延在するため、貫通穴Hの内周から突出したバーリングBが車体係止凹部4に落ち込む位置まで摩擦力が低減した状態で挿入できる。
貫通穴Hの内周縁が鍔部5の先端から外れ、車体係止凹部4のテーパ状切欠4dに達すると、挿入抵抗が一気に低下し、節度感が生じる。その後、続いて、強い力で押し込まなくとも、バーリングBの全体が車体係止凹部4に挿入し、グロメット1は貫通穴Hに係止される。鍔部5はバーリングBが外れた時点で、弾性復帰して図1に示すように外方へと突出する。
前記のように、グロメットに鍔部5を突出させて形成し、該鍔部の一面5bに潤滑剤6を塗布するだけであるために、グロメットの形状は簡単であり容易に成形でき、かつ、突設した鍔部の一面に潤滑剤6を塗布するだけであるため、該潤滑剤の付着も容易にできる。さらに、潤滑剤6を車体パネルPの貫通穴Hの内周面に接触させることも、グロメットの挿入工程を利用してできるため、特別な操作等を必要とせず、挿入時に自動的になされる。しかも、鍔部5はグロメット1を貫通穴Hに取り付けた時点で元の位置に弾性復帰して車体係止凹部4から離れるため、車体係止凹部4に潤滑剤6が付着することもなく、一旦係止したグロメットが貫通穴Hから抜け出ることも確実に防止できる。
1 グロメット
2 小径筒部
3 拡径筒部
4 車体係止凹部
5 鍔部
6 潤滑剤
20 ワイヤハーネス
P 車体パネル
H 貫通穴
B バーリング

Claims (3)

  1. 車両に配索されるワイヤハーネスに外装し、車体パネルの貫通穴に装着するゴムまたはエラストマーからなるグロメットであり、
    小径筒部の一端に連続した拡径筒部の大径側の外周面に車体係止凹部を環状に設けると共に、該拡径筒部の外周面から潤滑剤塗布用の環状の鍔部を突設し、
    前記鍔部は拡径筒部の大径側外周面に重なるように倒した状態で外周面となる一面に潤滑剤を塗布しておき、前記貫通穴への拡径筒部の小径側からの挿通時に、該貫通穴の内周面による押圧で前記鍔部を前記車体係止凹部に達するまでの大径側に向けて倒し、該鍔部の潤滑剤塗布面に前記貫通穴の内周面を摺接させる構成としているワイヤハーネス用のグロメット。
  2. 前記車体係止凹部の底面を挟む両側壁のうち小径側の一方側壁の先端部にテーパ状切欠を設け、前記倒れた状態の鍔部の先端が前記テーパ状切欠の端縁の直前に位置する設定としている請求項1に記載のワイヤハーネス用のグロメット。
  3. 前記車体パネルの貫通穴がバーリング付きであり、該バーリングが前記車体係止凹部に挿入した時に前記鍔部はバーリングから外れて弾性復帰し径方向に突出するものとしている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用のグロメット。
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