JP2012172015A - 発泡性樹脂粒子及び発泡成形体 - Google Patents

発泡性樹脂粒子及び発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、融着性が良好な発泡成形体を与える発泡性樹脂粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、ポリフェニレンエーテル系樹脂と、タルクと、炭化水素系発泡剤とを含み、前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とが、90〜50質量部と10〜50質量部の割合で含まれ、前記タルクと炭化水素系発泡剤とが、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100質量部に対して、0.05〜5質量部と3〜15質量部の割合で含まれることを特徴とする発泡性樹脂粒子。
【選択図】図1

Description

本発明は、発泡性樹脂粒子及び発泡成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、耐熱性に優れ、融着性が良好な発泡成形体を与える発泡性樹脂粒子及び、この発泡性樹脂粒子から得られた発泡成形体に関する。
ポリスチレン系樹脂からなる発泡成形体は、比較的安価・軽量であり、良好な緩衝性、断熱性、形状の自由性、軽量性、耐水性等の特性に優れるため、食品容器、緩衝材、断熱材として多く用いられる。
この発泡成形体は、例えば、次の方法により得られる。即ち、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含ませた発泡性樹脂粒子を、蒸気等により軟化点以上に加熱すると、独立気泡を有する粒子状の予備発泡粒子が得られる。この予備発泡粒子を小さな孔やスリットをもつ閉鎖型金型の中に充填してから更に蒸気等で内部を加熱する型内成形によって、予備発泡粒子が膨張し粒子間の隙間を埋めながら互いに融着することで発泡成形体を得ることができる。
しかしながら、ポリスチレン系樹脂からなる発泡成形体は、耐熱性に劣るため種々の改良が試みられている。その一例として、ポリフェニレンエーテル系樹脂を併用することが提案されている(例えば、特開平5−262909号公報:特許文献1、特開2004−244440号公報:特許文献2)。これら公報では、耐熱性に優れた発泡成形体が得られるとされている。
特開平5−262909号公報 特開2004−244440号公報
しかしながら、特許文献1では、比較的発泡剤量が少なく、そのため高倍の発泡成形体を得難いという課題があった。更に、融着性の更なる改善も望まれていた。
また、特許文献2では、発泡剤として炭酸ガスを使用しているため、ビーズライフが短い。よって、ビーズライフの長い発泡性樹脂粒子の提供が望まれていた。加えて、融着性の更なる改善も望まれていた。
かくして本発明によれば、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、ポリフェニレンエーテル系樹脂と、タルクと、炭化水素系発泡剤とを含み、
前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とが、90〜50質量部と10〜50質量部の割合で含まれ、
前記タルクと炭化水素系発泡剤とが、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100質量部に対して、0.05〜5質量部と3〜15質量部の割合で含まれることを特徴とする発泡性樹脂粒子が提供される。
更に、本発明によれば、上記発泡性樹脂粒子を用いた予備発泡及び発泡成形を経て得られた発泡成形体が提供される。
本発明によれば、耐熱性に優れ、融着性が良好な発泡成形体及び、その発泡成形体を与える発泡性樹脂粒子を提供できる。
また、炭化水素系発泡剤が、ブタン又はペンタンを含む場合、より耐熱性に優れ、融着性が良好な発泡成形体を与える発泡性樹脂粒子を提供できる。
更に、難燃剤を含む場合、耐熱性に優れ、融着性が良好であり、難燃性を兼ね備えた発泡成形体を与える発泡性樹脂粒子を提供できる。
また、可塑剤を含む場合、耐熱性に優れ、融着性が良好であり、優れた弾性を兼ね備えた発泡成形体を与える発泡性樹脂粒子を提供できる。
更に、タルクが、マスターバッチ混合物として、前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と前記ポリフェニレンエーテル系樹脂との混合物に添加されたものに由来する場合、タルクをより均一に発泡性樹脂粒子中で分散できるため、より耐熱性に優れ、融着性が良好な発泡成形体を与える発泡性樹脂粒子を提供できる。
また、発泡成形体が、0.02〜0.05g/cm3の密度を有する場合、耐熱性に優れ、融着性が良好であり、軽量な発泡成形体を提供できる。
更に、発泡成形体が、1.15未満のASTM D−3763に準拠するダイナタップ衝撃試験により測定された23℃の最大荷重を−20℃での最大荷重で除した比を有する場合、耐熱性に優れ、融着性が良好であり、低温での耐衝撃性に優れた発泡成形体を提供できる。
実施例1の発泡成形体の電子顕微鏡写真である。 比較例1の発泡成形体の電子顕微鏡写真である。
(発泡性樹脂粒子)
本発明の発泡性樹脂粒子は、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、ポリフェニレンエーテル系樹脂と、タルクと、炭化水素系発泡剤とを含む。
(1)耐衝撃性ポリスチレン系樹脂
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂成分とゴム成分とを含む樹脂である。
ポリスチレン系樹脂成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン(2官能性単量体)等のスチレン系単量体の単独重合体又はこれら単量体を2種以上組み合わせた共重合体、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、アルキレングリコールジメタクリレート(2官能性単量体)等のスチレン系単量体以外の単量体とスチレン系単量体との共重合体等が挙げられる。
ゴム成分としては、ブタジエンゴム、スチレンとブタジエンとの共重合体等が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂成分とゴム成分との含有割合は、80〜98質量%:20〜2質量%の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、発泡成形体に良好な耐衝撃性を付与できる。より好ましい含有割合は、85〜95質量%:15〜5質量%である。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の分子量は、GPC法による重量平均分子量で10万〜40万であるのが好ましい。10万を下回ると、発泡成形体の強度が低下することがある。40万を上回ると、十分な発泡性を得難いことがある。より好ましい分子量は15万〜35万である
(2)ポリフェニレンエーテル系樹脂
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、特に限定されず、下記一般式で表されるポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルにスチレン系単量体をグラフト共重合してなる変性ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂は1種のみ使用してもよく、複数種組み合わせて使用してもよい。
上記式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4個のアルキル基であることが好ましい。nは重合度を表している。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。炭素数1〜4個のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが挙げられる。これらR1及びR2の内、メチル基が好ましい。
nは、10〜5000であることが好ましい。5000を超えると、均一な発泡成形体が得られ難いことがあり、10未満では、目的の耐熱性を有する発泡成形体が得られ難いことがある。より好ましいnは300〜4000である。
ポリフェニレンエーテル系樹脂の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロロフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジブロモフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−メチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イソプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジ−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−ブロモ−6−メチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−ブロモフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル))等が挙げられる。
また、上記変性ポリフェニレンエーテル製造時のスチレン系単量体としては、上記項目(1)のポリスチレン系樹脂成分の説明の欄で挙げたスチレン系単量体をいずれも使用できる。また、製造時(グラフト共重合時)に、ポリフェニレンエーテル系樹脂とグラフト共重合可能及び/又はスチレン系単量体と共重合可能なビニル化合物(例えばメチルメタアクリレート、アクリロニトリル、ブタジエン等)を共重合させてもよい。
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂の中でも、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)を用いることが好ましい。
(3)耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との含有割合
含有割合は、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が90〜50質量部、ポリフェニレンエーテル系樹脂が10〜50質量部とできる。耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の含有割合が90質量部より多い場合、耐熱性が不十分となり、加熱寸法変化率を所定の範囲内にできない場合がある。一方、50質量部より少ない場合、十分な発泡性を得ることが難しいことがある。より好ましい含有割合は、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が60〜80質量部、ポリフェニレンエーテル系樹脂が40〜20質量部である。
(4)その他樹脂
必要に応じて、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂以外の他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂としては、ゴム成分を含まないポリスチレン系樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。他の樹脂の含有割合は、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂の合計100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましい。
(5)タルク
タルクは、市販されているものをいずれも使用できる。
また、タルクは、0.1〜30μmの平均粒子径を有していることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満の場合、気泡径を微細化する効果が乏しくなることがある。更に、押出機内で溶融樹脂と混練した場合に二次凝集が起こりやすくなるために二軸押出機等で予め予備混練しておく必要が生じる場合があり、生産性が低下することがある。一方、平均粒子径が30μmより大きい場合、押出機のスクリーンや金型での目詰まりを引き起こす原因となることに加え、気泡膜の破れによる発泡性の低下に繋がることがある。より好ましい平均粒子径は、1〜15μmである。
更に、タルクの最長辺と最短辺との比であるL/Dは、0.05〜20の範囲であることが好ましい。
なお、発明者は、原料としてのタルクと、発泡性樹脂粒子及び発泡成形体中のタルクとは、それらの平均粒子径及びL/Dがほぼ変化しないことを確認している。
タルクは、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲で含まれていることが好ましい。タルクの含有量が0.05質量部より少ない場合、核剤効果が乏しく気泡が粗くなることがある。一方、5質量部より多い場合、気泡膜の破れが増えたり融着性が悪くなることがある。より好ましいタルクの含有量は、0.2〜3質量部の範囲である。
(6)炭化水素系発泡剤
炭化水素系発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等が挙げられる。この内、脂肪族炭化水素が好ましく、ブタン及びペンタンがより好ましい。ブタン、ペンタン及びヘキサンは、それぞれ構造異性体の混合物であってもよい。
炭化水素系発泡剤は、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100質量部に対して、3〜15質量部の範囲で含まれていることが好ましい。炭化水素系発泡剤の含有量が3質量部より少ない場合、発泡性が乏しくなり発泡成形体の密度が重くなることがある。一方、15質量部より多い場合、発泡成形体中に残る発泡剤の量が多くなり、加熱寸法安定性が劣ることがある。より好ましい炭化水素系発泡剤の含有量は、6〜12質量部の範囲である。
(7)発泡性樹脂粒子の形状
発泡性樹脂粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。発泡性粒子の粒子径は、用途に応じて適宜選択でき、例えば、0.2〜5mmの粒径のものを使用できる。
(8)発泡性樹脂粒子の製法
発泡性樹脂粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより製造できる。
樹脂粒子は次のように形成することが好ましい。まず、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、ポリフェニレンエーテル系樹脂と、タルクとを混合する。次いで、この混合物を押出機に入れて加熱するとともに混合する。得られた混合物を紐状(ストランド状)に押し出し、これを短い粒状に切断することで樹脂粒子を得ることができる。
このとき、タルクは、予め樹脂と混合させて得られたマスターバッチとして、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との混合物に添加してもよい。マスターバッチとして添加することで、樹脂粒子中でのタルクの分散性を向上できる。
マスターバッチに含まれる樹脂としては、樹脂粒子中でのタルクの分散性を向上することができさえすれば特に限定されない。樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂は、耐衝撃性の樹脂であっても、なくてもよい。これら樹脂の内、ポリスチレン系樹脂がマスターバッチの製造容易性の観点から好ましい。
上記混合物中に難燃剤、難燃助剤及び可塑剤を加えてもよい。
難燃剤としては、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスジブロモプロピルホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモ,2メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)等の難燃剤が挙げられる。難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの有機過酸化物が挙げられる。可塑剤としては、フタル酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリステアレート、ジアセチル化グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ジイソブチルアジペートのようなアジピン酸エステル等が挙げられる。
難燃剤の含有量は、0.5〜1.5質量%であることが好ましい。発泡性樹脂粒子中における難燃剤の含有量が少ない場合、発泡性樹脂粒子を用いて得られる発泡成形体の難燃性が不充分となることがある。一方、多い場合、発泡性樹脂粒子の成形性が低下することがある。
また、難燃助剤の含有量は、0.05〜0.5質量%が好ましい。発泡性樹脂粒子中における難燃助剤の含有量が少ない場合、難燃助剤を添加した効果が発現しないことがある。一方、多い場合、発泡性樹脂粒子の発泡成形性が低下することがある。
更に、可塑剤の含有量は、0.3〜5質量%であることが好ましい。発泡性樹脂粒子中における可塑剤の含有量が少ない場合、可塑化効果が小さく、5質量%を越えると可塑剤量が増加し発泡成形体の収縮・変形が大きくなることに加え、発泡成形体の耐熱性が低下することがある。
難燃剤、難燃助剤及び可塑剤以外に上記混合物中に種々の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、滑剤、結合防止剤、成形時の融着促進剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、着色剤、帯電防止剤等が挙げられる。
滑剤としては、パラフィンワックス、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
結合防止剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、ステアリン酸亜鉛、水酸化アルミニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カルシウム、ジメチルシリコン等が挙げられる。
融着促進剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル等が挙げられる。
気泡調整剤としては、メタクリル酸エステル系共重合ポリマー、エチレンビスステアリン酸アミド、ポリエチレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
上記難燃剤、難燃助剤、可塑剤及び添加剤は、単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。
また、上記難燃剤、難燃助剤、可塑剤及び添加剤は、樹脂粒子を形成した後に、粒子の表面に被覆するようにしてもよい。
次に、樹脂粒子に炭化水素系発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得ることができる。炭化水素系発泡剤の含浸は、その種類に応じて、水性媒体中で含浸させる方法(湿式含浸法)、又は媒体非存在下で含浸させる方法(乾式含浸法)により行うことができる。また、必要に応じて、加熱及び/又は加圧下で含浸を行うことができる。
(発泡成形体)
発泡成形体は、上記発泡性樹脂粒子を予備発泡させて予備発泡粒子を得、予備発泡粒子を発泡成形させることにより得ることができる。
発泡成形体は、0.02〜0.05g/cm3の範囲の密度を有することが好ましい。このような低密度の発泡成形体は、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とを基材樹脂として含む系において、従来、得難かった成形体である。
発泡成形体は、1.15未満のASTM D−3763に準拠するダイナタップ衝撃試験により測定された23℃の最大荷重を−20℃での最大荷重で除した比を有することが好ましい。この比は、1に近いほど常温と低温での耐衝撃性の差が小さいことを意味するが、本発明では比が1.15未満であるため、低温での耐衝撃性に優れた発泡成形体を得ることができている。
発泡成形体は、耐熱性が望まれる部材であればいかなる部材にも使用できる。例えば、自動車部品、建築用資材等が挙げられる。
(1)予備発泡粒子の製法
発泡性樹脂粒子は、予備発泡機で水蒸気等を用いて予備発泡されて多数の小孔を有する予備発泡粒子とされる。予備発泡粒子の嵩密度は、0.02〜0.05g/cm3の範囲であることが好ましい。予備発泡粒子の嵩密度が0.02g/cm3より大きい場合、得られる発泡成形体に収縮が発生して外観性が低下することがある。加えて発泡成形体の断熱性能及び機械的強度が低下することがある。一方、嵩密度が0.05g/cm3未満の場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。
(2)発泡成形体の製法
予備発泡粒子を多数の小孔を有する閉鎖金型内に充填し、再び加圧水蒸気等で加熱発泡させ、予備発泡粒子間の空隙を埋めると共に、予備発泡粒子を相互に融着させることにより、発泡成形体を製造できる。その際、発泡成形体の密度は、例えば、金型内への予備発泡粒子の充填量を調製する等して調製できる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されることはない。
まず、実施例及び比較例中の各種評価方法を以下に示す。
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、下記の要領で測定されたスチレン換算重量平均分子量をいう。
即ち、スチレン系樹脂30mgをクロロホルム10ミリリットルで溶解する。得られた溶液を、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過した後、クロマトグラフを用いて平均分子量を下記条件にて測定する。
ガスクロマトグラフ:Water社製商品名「Detector 484,Pump 510」
カラム:昭和電工社製
商品名「Shodex GPC K−806L(φ8.0×300mm)」2本
カラム温度:40℃
キャリアーガス:クロロホルム
キャリアーガス流量:1.2ミリリットル/分
注入・ポンプ温度:室温
検出:UV254nm
注入量:50マイクロリットル
検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製商品名「shodex」重量平均分子量:1030000及び東ソー社製の重量平均分子量:5480000,3840000,355000,102000,37900,9100,2630,495のポリスチレン
(予備発泡粒子の嵩密度)
予備発泡粒子の嵩密度は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定する。具体的は、まず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させる。メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定する。Wg及びVcm3を下記式に代入することで、予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
(発泡成形体の密度)
発泡成形体の密度は下記の要領で測定する。
JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定する。
50cm3以上(半硬質及び軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出する。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3
なお、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%又は27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
(耐熱性)
耐熱性の指標として加熱寸法変化率を用いる。加熱寸法変化率はJIS K 6767:1999K「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」記載のB法にて測定する。
試験片は150×150×原厚み(mm)として、その中央部に縦及び横方向にそれぞれ互いに平行に3本の直線を50mm間隔になるよう記入し、80℃の熱風循環式乾燥機の中に22時間置いた後に取出し、標準状態の場所に1時間放置後、縦及び横線の寸法を下記式によって測定する。
S=(L1−L0)/L0×100
式中、Sは加熱寸法変化率(%)、L1は加熱後の平均寸法(mm)、L0は初めの平均寸法(mm)をそれぞれ表す。なお、試験片の寸法は、縦方向、横方向及び高さ方向の寸法の相加平均値とする。
(耐衝撃性)
発泡成形体の耐衝撃性を穿孔衝撃試験ASTM D−3763(Standard Test Method for Puncture Properties of Plastics Using Load and Displacement Sensors)に準拠して測定する。
具体的には、発泡成形体から幅100mm、長さ100mm、発泡成形体の表皮から20mm厚みとなる試験片を切り出す。この試験片の全吸収エネルギー(J)をダイナタップ衝撃試験装置(General Research Corp社製商品名「GRC8250」)を用いて、試験荷重3.17kg、試験片支持スパンφ76mm、試験速度を3.61m/秒、試験温度23℃及び−20℃の条件下にて測定する。そのときの最大荷重を耐衝撃性の指標とする。
(圧縮永久歪み)
発泡成形体の圧縮永久歪みをJIS K6767に準拠して測定する。具体的には、発泡成形体から幅50mm、長さ50mm、発泡成形体の表皮から25mm厚みとなる試験片を切り出す。この試験片を圧縮永久歪み試験機FCS−1型(高分子計器社製)にて25%の圧縮割合で22時間放置した後、取り出し後24時間放置し、下記式によって測定する。
圧縮永久歪み(%)=
(初めの厚さ(mm)−試験後の厚さ(mm))/初めの厚さ×100
(曲げ弾性率)
発泡成形体の曲げ弾性率をJIS K7221−2に準拠して測定する。具体的には、発泡成形体から幅75mm、長さ300mm、発泡成形体の表皮から25mm厚みとなる試験片を切り出す。この試験片をテンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)にて試験速度10mm/minにて表皮側から加圧して測定する。
(圧縮弾性率)
発泡成形体の圧縮弾性率をJIS K7220に準拠して測定する。具体的には、発泡成形体から幅50mm、長さ50mm、発泡成形体の表皮から25mm厚みとなる試験片を切り出す。この試験片をテンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)にて試験速度10mm/minにて表皮側から加圧して測定する。
(内部融着率)
長さ400mm、幅300mm、厚み16mmの発泡成形体の表面に一対の長辺の中心同士を結ぶ直線に沿ってカッターナイフで深さ約3mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って発泡成形体を手で2分割し、その破断面における発泡粒子について、粒子内で破断している粒子の数(a)と粒子同士の界面で破断している粒子の数(b)とを数え、
式[(a)/((a)+(b))]×100
に代入して得られた値を内部融着率(%)とする。
実施例1
耐衝撃性ポリスチレン樹脂(E641N、東洋スチレン社製、ポリスチレン成分94質量%、ゴム成分6質量%、ゴム成分の平均粒子径2.5μm、重量平均分子量23万)80質量部、ポリフェニレンエーテル系樹脂(ノリルEFN4230、サビック社製、ポリスチレン成分70質量%とポリフェニレンエーテル成分30質量%との混合物)20質量部の割合に対し、気泡核剤としてタルクマスターバッチ(タルク40質量%、ポリスチレン60質量%含有)を0.5質量部添加してドライブレンドした。ブレンド物を、口径30mmの二軸押出機(L/D=30)に投入して溶融混錬した。この後、口径1mm、孔数12個のダイスから5kg/時間の吐出量でストランド状に押し出した。次いで、長さ2mの冷却水槽中の30℃の水に通すことでストランドを冷却し、ペレタイザーにてストランドをカットすることで直径0.9mm、長さ1.2mmとなる樹脂粒子を得た。
攪拌機付き内容積5リットルの耐圧密閉容器内にイオン交換水3リットル、ピロリン酸ナトリウム8.9g、硫酸マグネシウム16.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.12gを加えて水性媒体とした。次に、得られた樹脂粒子1500gを投入し、攪拌速度300rpmにて攪拌しながら100℃まで昇温後、ブタン165gを窒素にて圧入した。そのまま2時間保持した後、30℃以下になるまで冷却し、発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水、乾燥後、18メッシュ残で分級した。次いで、発泡後の気泡状態を均一化させるために3日間熟成期間を置いた後、発泡性樹脂粒子100質量%に対して0.05質量%のステアリン酸亜鉛で表面を被覆した。次に、発泡性樹脂粒子を攪拌機付き内容積100リットルのバッチ発泡機に投入し、スチームを吹き込むことで、嵩密度0.035g/cm3の予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子を24時間放置した後、該粒子を閉鎖し得るが密閉しえない金型内に充填した。次いで、予備発泡粒子を、発泡成形機(ラボプラスチックマシナリー社製EPM−7454)を用いて、スチーム圧力0.15MPaにて加熱し、水冷、真空放冷することにより、密度0.035g/cm3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体は、予備発泡粒子の融着に優れ、収縮のない外観の良好なものであった。
得られた発泡成形体について、耐衝撃性、耐熱性、圧縮永久歪、曲げ弾性率、圧縮弾性率及び内部融着率を求めた。結果を表1に示す。発泡成形体の断面の電子顕微鏡写真を図1に示す。
実施例2
耐衝撃性ポリスチレン樹脂を70質量部、ポリフェニレンエーテル系樹脂を30質量部使用すること以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体について、耐衝撃性、耐熱性、圧縮永久歪、曲げ弾性率、圧縮弾性率及び内部融着率を求めた。結果を表1に示す。
実施例3
耐衝撃性ポリスチレン樹脂を40質量部、ポリフェニレンエーテル系樹脂を60質量部使用すること以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体について、耐衝撃性、耐熱性、圧縮永久歪、曲げ弾性率、圧縮弾性率及び内部融着率を求めた。結果を表1に示す。
実施例4
更に、可塑剤(トルエン)を4質量部耐圧密閉容器内に加え、発泡成形体を得るためのスチーム圧力を0.09MPaとすること以外は実施例2と同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体について、耐衝撃性、耐熱性、圧縮永久歪、曲げ弾性率、圧縮弾性率及び内部融着率を求めた。結果を表1に示す。
比較例1
タルクに代えてエチレンビスステアリルアマイドを使用すること以外は実施例2と同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体について、耐衝撃性、加熱寸法変化率、圧縮永久歪、曲げ弾性率、圧縮弾性率及び内部融着率を求めた。結果を表1に示す。発泡成形体の断面の電子顕微鏡写真を図2に示す。
比較例2
ポリフェニレンエーテル系樹脂を使用せず、耐衝撃性ポリスチレン樹脂のみを使用し、発泡成形体を得るためのスチーム圧力を0.09MPaとすること以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体について、耐衝撃性、耐熱性、圧縮永久歪、曲げ弾性率、圧縮弾性率及び内部融着率を求めた。結果を表1に示す。
比較例3
懸濁重合法によって得られた平均粒子径が0.8mm、重量平均分子量が30万となるポリスチレン樹脂粒子を用い、発泡成形体を得るためのスチーム圧力を0.09MPaとすること以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
表1及び図1から、実施例で得られたタルクを含む発泡成形体は、予備発泡粒子の融着性が優れていることがわかる。これに対して、表1及び図2から、比較例で得られたタルクを含まない発泡成形体は、予備発泡粒子の融着性が劣っていることがわかる。
また、実施例2と比較例1とから、実施例で得られた発泡成形体は、23℃と−20℃での耐衝撃性の変化が抑制されていることがわかる。

Claims (8)

  1. 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と、ポリフェニレンエーテル系樹脂と、タルクと、炭化水素系発泡剤とを含み、
    前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とが、90〜50質量部と10〜50質量部の割合で含まれ、
    前記タルクと炭化水素系発泡剤とが、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100質量部に対して、0.05〜5質量部と3〜15質量部の割合で含まれることを特徴とする発泡性樹脂粒子。
  2. 前記炭化水素系発泡剤が、ブタン又はペンタンを含む請求項1に記載の発泡性樹脂粒子。
  3. 更に、難燃剤を含む請求項1又は2に記載の発泡性樹脂粒子。
  4. 更に、可塑剤を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡性樹脂粒子。
  5. 前記タルクが、マスターバッチ混合物として、前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂と前記ポリフェニレンエーテル系樹脂との混合物に添加されたものに由来する請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡性樹脂粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の発泡性樹脂粒子を用いた予備発泡及び発泡成形を経て得られた発泡成形体。
  7. 前記発泡成形体が、0.02〜0.05g/cm3の密度を有する請求項6に記載に発泡成形体。
  8. 発泡成形体が、1.15未満のASTM D−3763に準拠するダイナタップ衝撃試験により測定された23℃の最大荷重を−20℃での最大荷重で除した比を有する請求項6又は7に記載の発泡成形体。
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