JPH10279725A - 耐熱性発泡樹脂粒子およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性発泡樹脂粒子およびその製造方法

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JPH10279725A
JPH10279725A JP10256097A JP10256097A JPH10279725A JP H10279725 A JPH10279725 A JP H10279725A JP 10256097 A JP10256097 A JP 10256097A JP 10256097 A JP10256097 A JP 10256097A JP H10279725 A JPH10279725 A JP H10279725A
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resin particles
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foamed resin
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JP10256097A
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Naoki Nakayama
直樹 中山
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Original Assignee
Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】予備発泡された耐熱性発泡樹脂粒子について、
セル形成剤(気泡調整剤)を加えずともまた、熟成処理
を行なわずとも、製造直後より均一かつ良好なセル構造
を形成することができ、しかも、収縮せず、高い発泡倍
率を得ることができるところの耐熱性発泡樹脂粒子、並
びに、該粒子の製造法を提供する。 【解決手段】スチレン系樹脂60〜90重量部およびポ
リフェニレンエーテル系樹脂40〜10重量部よりなる
耐熱性樹脂と、該耐熱性樹脂100重量部に基いて3〜
20重量部の発泡剤を含有する耐熱性発泡樹脂粒子にお
いて、樹脂粒子の内部に含まれる水分量を0.03重量
%以下にする。内部水分量の減少は樹脂粒子を−10℃
〜+30℃の温度にて乾燥処理することにより、好まし
くは樹脂粒子を減圧下に置くこと、乾燥気体を樹脂粒子
の集団中に定流量で通すことあるいは樹脂粒子を乾燥剤
とともに保存しその後分別することにより可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂とスチレン系樹脂のブレンドまたは共重合
化物よりなる耐熱性の高い発泡性樹脂粒子およびその樹
脂粒子の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、
予備発泡過程で形成される発泡樹脂粒子について、セル
形成剤を加えずとも、また熟成処理を行なわずとも、製
造直後より均一かつ良好なセルを形成することができ、
しかも、収縮せず、高い発泡倍率を得ることができる耐
熱性発泡樹脂粒子に関し、また、かように優れた特性を
有する耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、発泡性スチレン系樹脂粒子は、
粒状のスチレン系重合体に発泡剤(ブタン、ペンタン
等)を含浸させた樹脂粒子であるが、その後、予備発泡
を含む発泡化処理を経て、発泡成形品(発泡スチロール
製品)に加工されている。最終的に生産された発泡成形
品は、家電製品用等の梱包材、建築用ボードおよび断熱
ブロック、魚箱等の断熱容器、並びに、即席食品カップ
等の広範な用途に利用されている。また、近年において
は、スチレン系発泡成形品は、道路等の土木工事におけ
る埋設ブロックとしても利用されている。かように発泡
成形品の用途は多岐にわたるが、蒸気管とか熱水管など
を被覆する断熱材もしくは保温材、および屋根裏等に配
設される断熱材などの用途にあっては、発泡成形品は耐
熱温度80〜120℃という高い耐熱性を有するもので
あることが要求される。また、これら用途の部材は、そ
のような高温条件下でさえ長期間の使用に耐えうるもの
でなければならない。
【0003】しかし、従来の発泡スチロール製品は、上
記用途での長期使用の間に著しく寸法収縮し、断熱・保
温効果を当初のまま維持できなくなることがあり、従っ
て、上記の耐熱性、特に経時的な耐熱性を改良すること
が求められていた。そこで、従来、発泡成形品の耐熱性
を改良するいくつかの試みがなされ、その中、有望な一
つの試みとして、特公昭 56-43054 号公報、特公昭 56-
43055 号公報などに記載されるように、発泡成形品の基
材樹脂として、スチレン系樹脂に代わりに、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂のブレンドまたは
共重合化物を使用する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発泡剤を含
浸する上述の基材樹脂(ポリフェニレンエーテル系樹脂
とスチレン系樹脂のブレンドまたは共重合化物)を予備
発泡させて得られる個々の発泡粒子のセル構造(セルサ
イズ)は、発泡成形品の種々の品質特性、特に耐熱性、
断熱性、硬さ、表面の光沢、並びに切断面の外観の性状
(見栄え)などを決定する大変重要な因子(パラメー
タ)である。このセルサイズの実際の値は、主に予備発
泡の過程で以て決定される。この場合、予備発泡粒子の
切断面について、10μmないし200μmの範囲のセ
ルサイズを有することが望まれる。しかし、単純な製造
手順に従い(つまり特別な処理加工を何ら施さない
で)、発泡剤を上記の基材樹脂(ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂とスチレン系樹脂のブレンドまたは共重合化
物)に含浸させ次いで予備発泡を行なうと、得られる個
々の発泡粒子は、セルサイズ200μmを越え、極めて
粗大で不均一なセル構造を有するものとなり、しかも、
発泡粒子が製造の後に著しく収縮するという不都合を生
じる。
【0005】このため、従来においては、発泡剤が含浸
された樹脂粒子を、例えば、特公平7-116316 号公報、
特にその明細書中の実施例の記載に示されるように、1
5℃の保冷庫の中で72時間の間保存し、これにより、
得られる予備発泡粒子のセル構造をより微細にかつより
均一にするという熟成処理が、通常為されてきた。しか
し、このような熟成処理が施されたとしても、その後、
樹脂粒子を外気温が高い場所にて保管されると、得られ
る予備発泡粒子のセルサイズが熟成処理の無い場合と同
様に粗大化しまた不均一なものになる。従って、暑い季
節(夏季)にあっては、発泡剤が含浸された樹脂粒子を
低温倉庫等の中で保管する等、保管時の気温について細
心の注意を払うことが必要とされた。
【0006】そこで、熟成期間の短縮化等を目標とし
て、例えば特開平 8-100078 号公報に示されるように、
タルク等の無機物質の粉末をセル形成剤(気泡調整剤)
として添加することにより、得られる樹脂粒子について
セルサイズの適性化を図る方法なども提案されている。
しかし、この方法においても、5日間の熟成期間が必要
とされていた(上記公報の5欄49行ないし6欄1行
参照)。
【0007】本発明は、かかる背景に基づいてなされた
ものであって、その第一の課題は、予備発泡された耐熱
性発泡樹脂粒子(ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチ
レン系樹脂のブレンドまたは共重合化物の基材樹脂に発
泡剤が含浸された樹脂粒子)について、特別なセル形成
剤(気泡調整剤)を加えずとも、また、熟成処理を行な
わずとも、製造直後より均一かつ良好なセル構造(つま
り、10ないし200μmのセルサイズ)を形成するこ
とができ、しかも、収縮せず、高い発泡倍率を得ること
ができる耐熱性発泡樹脂粒子であって、さらに、予備発
泡粒子のセル構造について経時的な耐熱性が改良され、
耐熱性発泡樹脂粒子を高温(典型的には35℃〜50
℃)の下に放置しても、そのセル構造の均一性、セル寸
法等が実質的に変化しないところの耐熱性発泡樹脂粒子
を提供することにある。また、本発明の別の課題は、か
かる特性および利点を有する耐熱性発泡樹脂粒子を簡便
に生産することができる耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、耐熱性発泡
樹脂粒子の発泡過程においてセル構造が形成される機構
に関して鋭意研究し、その結果、セル構造の形成は耐熱
性発泡樹脂粒子の内部に含まれる水分の量と密接に関連
していることを見い出し、そして、さらに研究を重ねた
結果、耐熱性樹脂(スチレン系樹脂60〜90重量部お
よびポリフェニレンエーテル系樹脂40〜10重量部の
樹脂ブレンド)100重量部に基づいて3ないし20重
量部の発泡剤を含有する耐熱性発泡樹脂粒子について、
適当な乾燥処理を為すことにより耐熱性発泡樹脂粒子の
内部に含まれる水分量を0.03重量%以下に調節する
と、それより得られる予備発泡粒子について、セル形成
剤(気泡調整剤)を添加せずとも、また熟成処理を施さ
ずとも、均一でかつ良好なセル構造(10〜200μm
のセルサイズ)を形成することができ、しかも、該予備
発泡粒子は収縮せず、高い発泡倍率のものが得られ、さ
らに、得られた予備発泡粒子を高温(35℃〜50℃の
温度)の下に放置しても、そのセル構造の均一性および
各セルの大きさが実質的に変化しないことを見い出し、
ここに本発明を完成するに至った。
【0009】したがって、本発明は、明確には、スチレ
ン系樹脂60ないし90重量部およびポリフェニレンエ
ーテル系樹脂40ないし10重量部よりなる耐熱性樹脂
と、該耐熱性樹脂100重量部に基づいて3ないし20
重量部の発泡剤を含有する耐熱性発泡樹脂粒子におい
て、該樹脂粒子の内部に含まれる水分量が0.03重量
%以下であることを特徴とする、耐熱性発泡樹脂粒子に
関する。また、本発明は、上記の耐熱性発泡樹脂粒子で
あって、耐熱性樹脂のJISK7121に従う示差走査
熱量測定によって描かれるDSC曲線において、補外ガ
ラス転移開始温度Tigが105ないし140℃であると
いう物性上の特徴を有する耐熱性発泡樹脂粒子に関す
る。さらに、本発明のより好ましい態様は、耐熱性発泡
樹脂粒子を100℃の水蒸気により嵩倍率30倍に発泡
して得られる予備発泡粒子の断面セルが径10μmない
し径200μmの大きさを有することを特徴とする、上
記の耐熱性発泡樹脂粒子に関する。また、本発明は、本
発明に従う耐熱性発泡樹脂粒子を製造する方法に関す
る。即ち、本発明は、スチレン系樹脂60ないし90重
量部およびポリフェニレンエーテル系樹脂40ないし1
0重量部よりなる耐熱性樹脂と該耐熱性樹脂100重量
部に基づいて3ないし20重量部の発泡剤を含有する耐
熱性発泡樹脂粒子を、−10℃ないし+30℃の温度範
囲において乾燥処理することにより、該樹脂粒子の内部
に含まれる水分量を0.03重量%以下に調節すること
を特徴とする、耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法に関す
る。この製造方法は、より具体的な3つの態様を含む。
即ち、本発明は、第一の態様として、耐熱性発泡樹脂粒
子を減圧下に置くことにより、該樹脂粒子の内部に含ま
れる水分量を0.03重量%以下に調節することを特徴
とする、上記の耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法、第二の
態様として、湿度0〜50%の気体を耐熱性発泡樹脂粒
子の集団の中に同樹脂粒子1kg当り0.1ないし10
L/分の流量で通すことにより、該樹脂粒子の内部に含
まれる水分量を0.03重量%以下に調節することを特
徴とする、上記の耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法、そし
て、第三の態様として、耐熱性発泡樹脂粒子を乾燥剤と
ともに保存することにより、該樹脂粒子の内部に含まれ
る水分量を0.03重量%以下に調節し、その後、該樹
脂粒子と前記乾燥剤を分別することを特徴とする、上記
の耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法にそれぞれ関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の耐熱性発泡樹脂粒子は、
その基材樹脂(耐熱性樹脂)に、発泡剤を3ないし20
重量%含有する樹脂粒子である。耐熱性樹脂は、スチレ
ン系樹脂60ないし90重量部と、ポリフェニレンエー
テル系樹脂40ないし10重量部よりなる。そして、本
発明の樹脂粒子は、その内部に含まれる水分量が0.0
3重量%以下である点を特徴とするものである。
【0011】耐熱性発泡樹脂粒子は、その製造過程、つ
まり懸濁系において発泡剤を基材樹脂に含浸させる過程
で、一般に粒子全体で0.1ないし1.0重量%の水分
が含まれる。また、耐熱性発泡樹脂粒子は、一般に、発
泡剤の含浸処理に続いて、例えば遠心分離機およびロー
タリードライヤーまたは流動層ドライヤーを用いての強
制的な脱水・乾燥処理に供される。この乾燥処理は、短
時間の熱風の吹き付けにより、耐熱性発泡樹脂粒子の表
面に付着している水分を該表面より除去するというもの
であり、かかる処理によっては、耐熱性発泡樹脂粒子の
内部に含まれる水分を十分に除去することができない。
これに対して、本発明に係る耐熱性発泡樹脂粒子は、粒
子内部に含まれる水分量を0.03重量%以下にまで、
より好ましくは0.01重量%以下にまで減少したもの
であり、粒子表面の水分について除去処理が為された従
来の耐熱性発泡樹脂粒子とは明確に異なる。耐熱性発泡
樹脂粒子が0.03重量%を超える内部水分量を有する
と、該樹脂粒子の熟成処理に必要な期間がより長くなる
だけでなく、特に、35℃〜45℃の高温の下で例えば
数日間放置保管したとき、得られる予備発泡粒子のセル
サイズはより粗大化し、またより不均一なものになる。
その上、該予備発泡粒子は、収縮が生じ易く、高い発泡
倍率のものが得られない。なお、耐熱性発泡樹脂粒子の
内部に含まれる水分の量は、一般に、表面付着水の除去
のため、最初に、耐熱性発泡樹脂粒子をメタノールで洗
浄し、次いで、吸引濾過に続いて風乾し、その後、カー
ル フィッシャー( Karl Fischer )の方法に従い、定
量するという手順で、測定される。
【0012】また、従来より通常、耐熱性発泡樹脂粒子
は、上記のドライヤーを用いた乾燥処理を行なった後、
ブレンド剤(例えば滑剤)を混合し、その後、これを一
般に百kg単位でドラム缶内に密封するかまたは数百kg単
位でフレキシブルコンテナーパックに密封することによ
り、梱包される。すなわち、耐熱性発泡樹脂粒子の梱包
形態にあっては、該樹脂粒子の内部に含まれる水分が粒
子表面に移行して外気の中へ発散しずらい状態に維持さ
れる。従って、本発明に従い耐熱性発泡樹脂粒子の内部
水分量を減少する処理は、該樹脂粒子が乾燥処理の後、
梱包されるまでの過程において行なうのがより望ましい
であろう。
【0013】次に、耐熱性発泡樹脂粒子の内部水分量を
減少する処理法を説明する。耐熱性発泡樹脂粒子の内部
に含まれる水分量を減少して0.03重量%以下に調節
するには、一般に、常法に従って製造された耐熱性発泡
樹脂粒子に対して、−10℃ないし+30℃の温度範囲
において、より好ましくは0℃ないし+25℃の温度範
囲において適当な乾燥処理(下記の態様の処理)を行な
うとよい。−10℃未満の低い温度にて乾燥処理を行な
うと、耐熱性発泡樹脂粒子の内部から表面への水分の移
行並びに該樹脂粒子の表面から大気への水分の発散がい
たって緩慢になり、該樹脂粒子の内部に含まれる水分が
除去されるのに要する時間が大変長くなるので、そのよ
うな処理は生産性(生産効率)の面において好ましくな
い。一方、+30℃を超える高い温度にて乾燥処理を行
なうと、その処理の間における発泡剤の逸散が頻繁で激
しいものとなり、耐熱性発泡樹脂粒子の発泡力が相当に
低下し、不良製品の発生をひき起こすという新たに製品
品質面の問題を生じてくる。これに対して、−10℃な
いし+30℃の温度範囲において乾燥処理を為すと、耐
熱性発泡樹脂粒子の内部に含まれる水分が効率よく除去
され、かつ、発泡剤の逸散による発泡力の低下という問
題も生じない。したがって、本発明は、スチレン系樹脂
60ないし90重量部およびポリフェニレンエーテル系
樹脂40ないし10重量部よりなる耐熱性樹脂と該耐熱
性樹脂100重量部に基づいて3ないし20重量部の発
泡剤を含有する耐熱性発泡樹脂粒子を、−10℃ないし
+30℃の温度範囲において乾燥処理することにより、
該樹脂粒子の内部に含まれる水分量を0.03重量%以
下に調節することを特徴とする、耐熱性発泡樹脂粒子の
製造方法の製造方法を主題とする。
【0014】本発明に従う上記の乾燥処理を為すための
具体的な方法は、基本的には任意であるが、より好まし
い態様の乾燥処理法としては、耐熱性発泡樹脂粒子を減
圧下に置く方法、乾燥した気体を耐熱性発泡樹脂粒子の
集団の中に一定の流量で通す方法、そして、耐熱性発泡
樹脂粒子を乾燥剤とともに保存しその後該樹脂粒子と前
記乾燥剤を分別する方法が挙げられる。最初の方法は、
耐熱性発泡樹脂粒子を減圧可能な容器の中に入れ、真空
ポンプ等を用いて容器内の空気を除去して、該樹脂粒子
を減圧下におくという方法、いわば真空乾燥法である。
この方法において、脱気により樹脂粒子が装入された容
器の内部を乾燥処理の間常に10 mmHg 以下の真空に維
持すると、樹脂粒子の内部の水分をより効率良く除去す
ることができる。従って、本発明は、耐熱性発泡樹脂粒
子を減圧下に置くことにより、該樹脂粒子の内部に含ま
れる水分量を0.03重量%以下に調節することを特徴
とする、本発明の耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法をも、
主題とする。
【0015】二番目の方法は、より具体的には、湿度0
〜25%の気体、より好ましくは湿度0〜10%に調湿
された気体を、耐熱性発泡樹脂粒子の集団の中に、同樹
脂粒子1kg当り、0.1ないし10L/分の流量で、
より好ましくは1ないし5L/分の流量で通す方法であ
る。この方法に用いうる気体としては、N2 、空気、A
r 等が挙げられるが、経済的見地から乾燥空気の使用が
より好都合である。しかし、湿度25%を超える気体を
使用すると、耐熱性発泡樹脂粒子の内部に含まれる水分
量を減少する効果が十分得られないので、そのような気
体の使用は適当でない。また、耐熱性発泡樹脂粒子の集
団の中を通過する気体の流量を、同樹脂粒子1kg当り
0.1L/分未満の少ない流量に設定すると、耐熱性発
泡樹脂粒子の内部水分が粒子表面より大気に発散するの
が緩慢になり、内部水分の除去に要する時間が大変長く
なるので、そのような少流量の通気は生産効率の面で好
ましくない。一方、気体が通過する流量を耐熱性発泡樹
脂粒子1kg当り10L/分を超える流量に設定して
も、該樹脂粒子の内部水分が除去される速度がそれ以上
速まるわけでないので、そのような過剰に多い流量の通
気は経済的でなく、好ましいものとは言えない。これに
対して、耐熱性発泡樹脂粒子の集団の中を通過する気体
の流量を同樹脂粒子1kg当り0.1ないし10L/分
の流量に設定すると、該樹脂粒子の内部に含まれる水分
が効率よく除去される。したがって、本発明は、湿度0
〜50%の気体を耐熱性発泡樹脂粒子の集団の中に同樹
脂粒子1kg当り0.1ないし10L/分の流量で通す
ことにより、該樹脂粒子の内部に含まれる水分量を0.
03重量%以下に調節することを特徴とする、本発明の
耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法をも、主題とする。
【0016】また、最後の方法は、乾燥剤、より好まし
くは耐熱性発泡樹脂粒子と粒径の異なる粒状乾燥剤(と
りわけシリカゲル)を耐熱性発泡樹脂粒子中に例えば該
樹脂粒子1kg当り10gないし100g程度混合し、
そして耐熱性発泡樹脂粒子を該乾燥剤とともに、該樹脂
粒子の内部に含まれる水分量が0.03重量%以下に調
節されるまでの期間、例えば10ないし24時間の間保
存し、そしてその後、耐熱性発泡樹脂粒子と粒状乾燥剤
を分別するという方法である。これら両者の分別は、粒
状乾燥剤(シリカゲル)が耐熱性発泡樹脂粒子に比して
格段に大きい粒径の薬剤であるので、篩分けにより容易
に為すことができる。なお、分別回収された粒状乾燥剤
は、再処理により、再利用することができる。また、シ
リカゲルは水分の吸着効率が4℃前後の低温において最
も高いので、上記の方法は、寒い冬季における好ましい
方法である。したがって、本発明は、耐熱性発泡樹脂粒
子を乾燥剤とともに保存することにより、該樹脂粒子の
内部に含まれる水分量を0.03重量%以下に調節し、
その後、該樹脂粒子と前記乾燥剤を分別することを特徴
とする、本発明の耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法をも、
主題とする。
【0017】上述したように、本発明に係る耐熱性発泡
樹脂粒子は一定範囲の温度下での乾燥処理により内部水
分量が0.03重量%以下に調節されたものである。長
期間の自然放置または保管によって、耐熱性発泡樹脂粒
子の内部に含まれる水分量を緩やかに0.03重量%以
下に減少することができる。また30℃を超える高い温
度下での乾燥(例えば45℃でのオーブン乾燥)によっ
ても、耐熱性発泡樹脂粒子の内部に含まれる水分量を
0.03重量%以下に減少することができる。しかし、
長期間放置、保管された耐熱性発泡樹脂粒子にあって
は、放置の間に発泡剤の逸散量が徐々に増加するので、
発泡力が次第に低下し、好ましくない。さらに45℃で
保管を行なうと、予備発泡粒子のセル構造に悪影響を与
え、大変不均一なものになる。また、30℃を超えて急
速に高温乾燥された耐熱性発泡樹脂粒子にあっては、発
泡剤の逸散が著しくなり、この結果発泡倍率の低下とと
もに、予備発泡粒子のセル構造が全体に粗大になるの
で、好ましくない。したがって、これらの耐熱性発泡樹
脂粒子は、本発明の範囲より除かれる。
【0018】また、本発明の耐熱性発泡樹脂粒子は、物
性上の特徴からも、特定することができる。本発明者
は、耐熱性発泡樹脂粒子の熱流速示差走査熱量測定(熱
流速DSC)を行ない、そのガラス転移挙動をいろいろ
と調べたところ、従来の耐熱性発泡樹脂粒子に用いる一
般のスチレン系樹脂の場合と対比して異なる特徴を示す
こと、つまり補外ガラス転移開始温度Tigが相当により
高くなるという事実を見出し、ここに物性面からも本発
明を特定するに至った。すなわち、本発明は、内部水分
量が0.03重量%以下である耐熱性発泡樹脂粒子(耐
熱性樹脂つまりスチレン系樹脂60〜90重量部とポリ
フェニレンエーテル系樹脂40〜10重量部の樹脂ブレ
ンドに、発泡剤を3〜20重量%含有する樹脂粒子)で
あって、耐熱性樹脂のJIS K7121に従う示差走
査熱量測定によって描かれるDSC曲線において、補外
ガラス転移開始温度Tigが105ないし140℃である
ことを特徴とする、耐熱性発泡樹脂粒子に関する。上記
の示差走査熱量測定は、試験片および基準物質の温度
を、調整されたプログラムに従って変化させながら、そ
の試験片と基準物質との温度差を温度の関数として測定
する方法であり、一般に、本発明に係る耐熱性樹脂約5
ないし約10mgを採取し、この試験片を示差走査熱量
計において例えば昇温速度10℃/分で加熱し、200
℃あるいはそれ以上の温度まで上昇させながら温度差
(ΔT)の測定を行なう。補外ガラス転移開始温度Tig
とは、上記の測定によって描かれる示差走査熱量曲線
(DSC曲線、縦軸:ΔT、横軸:温度)から導かれる
パラメータであり、DSC曲線の低温側のベースライン
を高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部
分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との
交点の温度を指す。従来の発泡性スチレン系樹脂粒子に
あっては、補外ガラス転移開始温度Tigが102℃前後
であるのに対して、本発明の耐熱性発泡樹脂粒子にあっ
ては、補外ガラス転移開始温度Tigについて105ない
し140℃というより高い値が測定される点に特徴があ
る。
【0019】また、本発明の耐熱性発泡樹脂粒子は、そ
れより得られる予備発泡粒子のセル構造上の特徴から、
特定することもできる。本発明者は、耐熱性発泡樹脂粒
子を100℃の水蒸気により嵩倍率30倍となるように
発泡したところ、得られる予備発泡粒子について、均一
でかつ良好なセル構造を形成するとともに、その断面セ
ルが径10μmないし径200μmの大きさを有すると
いう事実を見出し、ここに、予備発泡粒子の形態から
も、本発明を特定するに至った。従って、本発明は、耐
熱性発泡樹脂粒子を100℃の水蒸気により嵩倍率30
倍に発泡して得られる予備発泡粒子の断面セルが径10
μmないし径200μmの大きさを有することを特徴と
する、上記の耐熱性発泡樹脂粒子にも関する。また、本
発明は、耐熱性樹脂の2種の樹脂成分の比および耐熱性
発泡樹脂粒子の内部水分量を除いて、その他の組成、物
性、特徴など、例えば耐熱性発泡樹脂粒子の各種の添加
剤成分の種類およびその配合量に関して、特に限定する
ものでない。また、本発明は、耐熱性発泡樹脂粒子の内
部水分を除去する方法を除く、耐熱性発泡樹脂粒子の製
造プロセス全般に関して、特に限定するものでない。
【0020】本発明でいうスチレン系樹脂とは、スチレ
ン系単量体の単独重合体に限らず、他の単量体との共重
合体(スチレン系単量体を50%以上の割合で使用して
作られる)をも含む。スチレン系単量体には、単独のス
チレンの他に、α−メチルスチレン、エチルスチレン、
p−クロロスチレン等の置換スチレンが含まれる。ま
た、共重合体の相手方の単量体には、メチルメタクリレ
ート、メチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブ
チルアクリレート等の(メタ)アクリレート、並びに、
アクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルカルバゾー
ル等のビニル系単量体などが挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上のものを併用してもよい。従
って、本発明に用いるスチレン系樹脂としては、ポリス
チレンの他、ポリα−メチルスチレン、ポリp−クロロ
スチレン等のポリ置換スチレンの他、スチレンと置換ス
チレン(例えばα−メチルスチレン等)との共重合体、
あるいは、スチレンとビニル系単量体(例えばアクリロ
ニトリル)との共重合体などが挙げられる。より好まし
いものには、ポリスチレン、ポリスチレン−ブタジエン
共重合体、ポリスチレン−無水マレイン酸共重合体、ポ
リスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンのグ
ラフト共重合体などが挙げられる。
【0021】スチレン系樹脂は、一般に、水性媒体中で
のスチレン系単量体等の懸濁重合により製造される。こ
の懸濁重合は、ラジカル開始剤、分散剤および分散助剤
などを含む懸濁系の中で進められる。ラジカル開始剤と
しては、一般的なラジカル重合に使用される重合開始
剤、例えば、過酸化ベンゾイル、過安息香酸ブチル、t
−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、あ
るいはアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙
げられる。また、分散剤としては、例えば、リン酸三カ
ルシウム、リン酸マグネシウム、ハイドロキシアパタイ
ト等の難水溶性無機塩、または、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の有機
高分子が挙げられる。さらに、分散剤と組み合せて使用
される分散助剤としては、ドデシルフェニルオキサイド
ジスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等のアニオン
界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等のノニ
オン界面活性剤が挙げられる。
【0022】また、本発明でいうポリフェニレンエーテ
ル樹脂とは、次式I
【化1】 (式中、R1 およびR2 は、互いに独立して炭素原子数
1ないし4のアルキル基またはハロゲン原子を表し、n
は、重合度を表す。)で表されるポリフェニレンエーテ
ル樹脂をいい、その具体的な例としては、ポリ(2,6
−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ
(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、
ポリ(2,6−ジクロロフェニレン−1,4−エーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,
4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−メチルフェニ
レン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イ
ソプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ
(2,6−ジ−n−プロピルフェニレン−1,4−エー
テル)、ポリ(2−ブロモ−6−メチルフェニレン−
1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−ブロモフ
ェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6
−エチルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げられ
る。重合度nは、10〜5000であればよく、500
0を越えると、均一な耐熱発泡体が得られにくく、10
未満では、目的の耐熱性を有する発泡体が得られにく
い。
【0023】耐熱性樹脂は、上記のスチレン系樹脂とポ
リフェニレンエーテル樹脂との樹脂ブレンドであって、
さらに、必要に応じて、着色剤、難燃剤、熱安定剤、滑
剤等を適当量配合することができる。スチレン系樹脂と
ポリフェニレンエーテル樹脂の配合比に関して、本発明
においては、スチレン系樹脂60〜90重量部およびポ
リフェニレンエーテル系樹脂40〜10重量部よりな
り、より好ましくは、スチレン系樹脂70〜90重量部
およびポリフェニレンエーテル系樹脂30〜10重量部
よりなる。スチレン系樹脂が90重量部を越えると(つ
まり、ポリフェニレンエーテル系樹脂が10重量部未満
であると)、ポリフェニレンエーテル系樹脂のブレンド
による効果が実質的に減少し、耐熱性発泡樹脂粒子は所
期の耐熱性が十分に得られなくなり、一方、スチレン系
樹脂が60重量部未満であると(つまり、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂が40重量部を越えると)、耐熱性発
泡樹脂粒子からの発泡剤の逸散が迅速で激しいものとな
り、十分に高い発泡倍率が得られなくなる。
【0024】耐熱性発泡樹脂粒子は、発泡剤を上記の耐
熱性樹脂に含浸させることにより、より具体的には、耐
熱性樹脂の粒子(粒状、ペレット状もしくは球状等の形
態をなす)を水性懸濁系の中で分散させ、続いて、発泡
剤を懸濁系内に圧入し、適宜加熱することにより、作ら
れる。発泡剤としては、例えばプロパン、ブタン、n−
ペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水
素、または、塩化メチル、フレオン等のハロゲン化炭化
水素が利用される。これら発泡剤は、単独で使用しても
よく、また二種以上の組合せで使用してもよい。しかし
ながら、耐熱性発泡樹脂粒子の内部に含まれる水分を除
去する際、発泡剤の逸散がより少ないという観点から、
発泡剤としては、ブタンまたはペンタンがより好まし
く、ペンタンが最も好ましい。本発明の耐熱性発泡樹脂
粒子は、かかる発泡剤を3ないし20重量%、より好ま
しくは4ないし15重量%、更に好ましくは5ないし1
0重量%、含有するものである。
【0025】本発明の耐熱性発泡樹脂粒子は、上記の他
に、所望により、耐熱性を損なわない程度の量のその他
の添加剤、例えば発泡助剤、可塑剤、難燃化剤などを含
有することができる。適する発泡助剤としては、トルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン等、溶剤が挙げられる。
また、適する可塑剤としては、DOP、DOA、DB
P、ヤシ油、パーム油等が挙げられる。さらに、適する
難燃化剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、テト
ラブロモビスフェノールA、ペンタブロモモノクロルシ
クロヘキサン等が挙げられる。本発明は、従来より慣用
されているセル形成剤の添加が不要になるという利点を
有するものであるが、もっとも、そのようなセル形成剤
を添加することは何ら差し支えない。適するセル形成剤
としては、例えばタルクなどの無機物質粉末が挙げられ
る。また、発泡剤の含浸時の水性懸濁系に使用される分
散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マ
グネシウム、ハイドロキシアパタイト等の難水溶性無機
塩、または、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、メチルセルロース等の有機高分子が挙げられる。
また、分散剤と組み合せて使用される分散助剤として
は、ドデシルフェニルオキサイドジスルホン酸塩、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンス
ルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオク
チルフェノールエーテル等のノニオン界面活性剤が挙げ
られる。
【0026】而して、本発明に係る、つまり本発明の方
法に従い乾燥処理された耐熱性発泡樹脂粒子は、必要に
より任意の見かけ比重にまで予備発泡し、次いで、常法
に従い、予備発泡粒子を金型等の成形型内に充填し、そ
して蒸気を用いて加熱発泡することにより、予備発泡粒
子を相互に融着させて、所望の形状(寸法)の発泡成形
品を作ることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を、最良と思われる形
態を含めて、説明する。
【0028】−耐熱性発泡樹脂粒子の製造− 主原料のポリスチレン樹脂75重量部およびポリフェニ
レンエーテル樹脂25重量部、並びにその他の添加剤を
一緒に、押出し機内に投入し、これを、加熱による溶融
そしてスクリューによる混練に続いて、ストランドの形
態にて押出し、その後、そのストランドをロータリー式
ペレタイザーにおいて切断し、ペレット化した。得られ
た耐熱性樹脂のペレット1500gを5Lのオートクレ
ーブ中に入れ、さらにイオン交換水2500g、リン酸
三カルシウム15gおよびアルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム0.15gをオートクレーブ内に投入し、続
いて、攪拌しながら、発泡剤のn−ペンタン150g、
発泡助剤のトルエン7.5gおよび可塑剤のDOP(フ
タル酸ジオクチル)7.5gを圧入した。次いで、オー
トクレーブ内の水性懸濁系を130℃に昇温し、その状
態を6時間保持することにより、発泡剤を耐熱性樹脂の
ペレットに含浸せしめた。この処理の後、水性懸濁系を
室温まで冷却し、生成した耐熱性発泡樹脂粒子をオート
クレーブより取り出した。その後、遠心分離機を用い、
得られた耐熱性発泡樹脂粒子を遠心分離し、次いで、ド
ライヤーを用い、脱水された耐熱性発泡樹脂粒子を熱風
により乾燥することにより、耐熱性発泡樹脂粒子の表面
に存在する水分を強制的に除去した。しかる後、得られ
た粒径1.0〜1.2mmの耐熱性発泡樹脂粒子を以下
の処理に供する。
【0029】−耐熱性発泡樹脂粒子の内部に含まれる水
分の除去− 処理1 粒径1.0〜1.2mmの耐熱性発泡樹脂粒子を真空乾
燥機の中に入れ、そしてこの装置を用いて、25℃にお
いて耐熱性発泡樹脂粒子を5 mmHg 以下の減圧下に置く
ことにより、該粒子の真空乾燥をそれぞれ異なる時間の
間行なった。 処理2 比較のため、押出しの際、セル形成剤としてタルク0.
3重量部を予め添加したことを除いて、上記のプロセス
に従い、耐熱性発泡樹脂粒子を生成した。これにより、
乾燥処理が為されていない粒径1.0〜1.2mmの耐
熱性発泡樹脂粒子を得た。 処理3 まず、底部に網が張られた直径約5cmの塩化ビニル管
を準備し、粒径1.0〜1.2mmの耐熱性発泡樹脂粒
子をこの管の中に充填する。次に、コンプレッサを用
い、湿度のそれぞれ異なる空気を塩化ビニル管の下部よ
り導入し、充填された耐熱性発泡樹脂粒子の中に、それ
ぞれ異なる流量で、通すことにより、耐熱性発泡樹脂粒
子の乾燥処理を行なった。尚、外気温は20〜25℃の
間の温度であった。 処理4 粒状シリカゲル(6メッシュ)を耐熱性発泡樹脂粒子5
00gに添加混合し、それらをポリエチレン袋の中に入
れて密封し、こうして耐熱性発泡樹脂粒子をシリカゲル
とともに保存することにより、その樹脂粒子の乾燥処理
を、シリカゲルの量、保存温度および乾燥(保存)時間
をそれぞれ変えて、行なった。その後、この混合物を篩
分けにより分級して、粒径1.0〜1.2mmの耐熱性
発泡樹脂粒子を分別し、かつ使用されたシリカゲルを回
収した。尚、回収されたシリカゲルは、150℃で加熱
処理することにより再利用に供された。
【0030】−耐熱性発泡樹脂粒子の内部に含まれる水
分量の定量− 各実施例の乾燥処理の前およびその後における、耐熱性
発泡樹脂粒子の内部に含まれる水分量を以下の手順に従
い定量した。まず、粒子表面に付着する水分を除去する
ために、所定量の耐熱性発泡樹脂粒子をメタノールで処
理し、次いで、吸引濾過器を用いて該粒子を吸引濾過
し、続いて直ちに乾燥空気(乾燥N2 でもよい。)を室
温にて3分間の間、耐熱性発泡樹脂粒子の集団の中に吹
き込み、該粒子の表面のみを乾燥させる。この風乾の条
件は、粒子内部の水分が揮発しない条件である。その
後、カール フィッシャー水分計(MKC−210、京
都電子工業株式会社製)を用いて、風乾された耐熱性発
泡樹脂粒子の内部水分量を次の手順に従い測定した。試
料約1gを精秤し、水分気化装置において、試料を19
0℃にて15分間加熱し、その間に発生する水分の量を
計量する。
【0031】−耐熱性発泡樹脂粒子に含有される発泡剤
の量の測定− 耐熱性発泡樹脂粒子をトルエン等の溶剤に溶解し、続い
て、ガスクロマトグラフィー装置を用いて、その溶液中
の発泡剤の量を定量した。
【0032】−耐熱性発泡樹脂粒子の熟成および高温保
管− 乾燥処理(内部水分の除去処理)等が為された粒径1.
0〜1.2mmの耐熱性発泡樹脂粒子について、20℃
での熟成処理および/または45℃での保管処理をそれ
ぞれ異なる時間の間行なった。
【0033】−予備発泡粒子の製造とセル構造の評価− 耐熱性発泡樹脂粒子を100℃の水蒸気により嵩倍率3
0倍に発泡して、予備発泡粒子を得た。そして、得られ
た予備発泡粒子の切断面を電子顕微鏡により観察し、そ
のセルの均一性を評価するとともに、その切断面を写真
撮影することにより、予備発泡粒子の平均セルサイズを
決定した。また、かかる予備発泡を10分間の間行な
い、その時点で得られる発泡粒子について発泡倍率をも
求めた。
【0034】−熱流束示差走査熱量測定(DSC)− 処理1ないし4が為された耐熱性発泡樹脂粒子の基材樹
脂、つまり耐熱性樹脂の示差走査熱量測定(DSC)を
それぞれJIS K7121に従って行ない、そして、
その測定により描かれるDSC曲線から、補外ガラス転
移開始温度Tigを求めた。示差走査熱量測定(DSC)
は、より具体的には、試料の耐熱性樹脂5〜10mgを
採取し、この試験片を示差走査熱量計において昇温速度
10℃/分にて加熱し、230℃の温度まで上昇させな
がら、計測された温度差ΔTを該熱量計のチャート用紙
に自動記録させるという方法により、行なった。そし
て、上記の示差走査熱量計は、測定によって描かれる示
差走査熱量(DSC)曲線から、補外ガラス転移開始温
度Tigを自動的に算出した。つまり、本測定に使用され
た装置は、DSC曲線の低温側のベースラインを高温側
に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線
の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点を定
め、その交点における温度を補外ガラス転移開始温度T
igとしてチャート用紙に表示するという性能を有する。
【0035】処理1ないし4が為された耐熱性発泡樹脂
粒子について、各々の結果を以下の表および図に示す。
表1および表2は、処理1に従い乾燥処理された耐熱性
発泡樹脂粒子に関する結果をまとめたものであり、粒子
内部の水分量、発泡剤量と予備発泡粒子のセルサイズ、
セルの均一性との関係などを示す。 表2より、例1(1-1〜1-3)および例2(2-1〜2-3)にあっ
ては、つまり内部水分量が0.03重量%を超える耐熱
性発泡樹脂粒子にあっては、熟成が完了するまでの一定
の時間が必要とされ、かつ、45℃の高温で保管する
と、予備発泡粒子のセルが粗大になることがわかる。一
方、例3(3-1〜3-2)および例4(4-1〜4-2)にあっては、
つまり内部水分量が0.03重量%以下である耐熱性発
泡樹脂粒子にあっては、熟成のための時間が不要にな
り、かつ、これを45℃の高温で保管しても、予備発泡
粒子のセルが粗大にならない。
【0036】表3は、処理2に従い得られた耐熱性発泡
樹脂粒子に関する結果をまとめたものであり、粒子内部
の水分量、発泡剤量と予備発泡粒子のセルサイズ、セル
の均一性との関係などを示す。 表3より、例5(5-1〜5-3)にあっては、セル形成剤(タ
ルク)の添加により、セル構造の安定性は、セル形成剤
(タルク)を添加しない場合の表2の例1(1-1〜1-3)と
比較して、少し改良されるが、その改良効果は、耐熱性
発泡樹脂粒子の内部水分量を0.03重量%以下に減少
した場合と比べて、著しく小さいことがわかる。また、
45℃での保管を行うと、予備発泡粒子のセルが粗大化
し、不均一なものになることが確認された。
【0037】表4は、処理3に従い乾燥処理された耐熱
性発泡樹脂粒子に関する結果をまとめたものであり、粒
子内部の水分量、発泡剤量と、通気する空気の湿度、流
量および通気時間との関係を示す。 表4より、通気される空気の湿度が50%を超えると、
また、通気される空気の流量が0.1L/分以下である
と、耐熱性発泡樹脂粒子の乾燥処理が緩慢になり、粒子
の内部水分量を0.03重量%以下に減じるのに極めて
長い時間が必要とされ、効率が大変悪くなることがわか
る。一方、通気される空気の流量が10L/分を超えて
も、耐熱性発泡樹脂粒子の内部水分を除去するための乾
燥処理の時間はもはやそれほど短縮されない。
【0038】表5は、処理4に従い乾燥処理された耐熱
性発泡樹脂粒子に関する結果をまとめたものであり、粒
子内部の水分量、発泡剤量と、乾燥剤(シリカゲル)の
量、温度および乾燥時間との関係を示す。 表5より、所要量の乾燥剤(シリカゲル)とともに耐熱
性発泡樹脂粒子を保存すると、該粒子の内部水分量を
0.03重量%以下に調節することができ、しかも、5
℃のような低温においても、その内部水分量の減少作用
は十分に発揮され得ることがわかる。
【0039】図1および図2は、乾燥処理された実施例
の耐熱性発泡樹脂粒子に関する熱流束示差走査熱量測定
によって描かれたDSC曲線の一部を示す。図1は、耐
熱性樹脂がポリスチレン樹脂75重量部およびポリフェ
ニレンエーテル樹脂25重量部よりなる試料についての
DSC曲線を示し、そして、補外ガラス転移開始温度T
igが116.9℃であったことを示している。また、図
2は、耐熱性樹脂がポリスチレン樹脂85重量部および
ポリフェニレンエーテル樹脂15重量部よりなる試料に
ついてのDSC曲線を示し、そして、補外ガラス転移開
始温度Tigが108.3℃であったことを示している。
そして、これらの例だけでなく、実施例の耐熱性発泡樹
脂粒子にあっては、いずれも、補外ガラス転移開始温度
Tigが105℃以上であるという結果が得られた。一
方、従来の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の場合には、
その基材樹脂の補外ガラス転移開始温度Tigは一般に約
102℃である。従って、実施例の耐熱性発泡樹脂粒子
は、この物性の面でも一つの特徴を有することが確認さ
れた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
予備発泡された耐熱性発泡樹脂粒子について、セル形成
剤(気泡調整剤)を添加せずとも、また、熟成処理を施
さずとも、製造直後より均一でかつ良好なセル構造を形
成することができ、しかも該予備発泡粒子は経時的に殆
ど収縮せず、高い発泡倍率を得ることができるという効
果が得られる。さらに、本発明によれば、セル構造の経
時的な耐熱性が改良され、耐熱性発泡樹脂粒子を35℃
〜50℃のような高温下に放置しても、予備発泡粒子の
セルの均一性が維持されかつセル寸法が実質的に変化し
ないという効果も得られる。また、本発明の方法によれ
ば、かかる特性および利点を有する耐熱性発泡樹脂粒子
を簡便に生産することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の耐熱性発泡樹脂粒子(ポリス
チレン樹脂75重量部、ポリフェニレンエーテル樹脂2
5重量部)の基材樹脂についての示差走査熱量測定によ
って描かれるDSC曲線を示す。
【図2】他の実施例の耐熱性発泡樹脂粒子(ポリスチレ
ン樹脂85重量部、ポリフェニレンエーテル樹脂15重
量部)の基材樹脂についての示差走査熱量測定によって
描かれるDSC曲線を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系樹脂60ないし90重量部およ
    びポリフェニレンエーテル系樹脂40ないし10重量部
    よりなる耐熱性樹脂と、該耐熱性樹脂100重量部に基
    づいて3ないし20重量部の発泡剤を含有する耐熱性発
    泡樹脂粒子において、該樹脂粒子の内部に含まれる水分
    量が0.03重量%以下であることを特徴とする、耐熱
    性発泡樹脂粒子。
  2. 【請求項2】耐熱性樹脂のJIS K7121に従う示
    差走査熱量測定によって描かれるDSC曲線において、
    補外ガラス転移開始温度Tigが105ないし140℃で
    あることを特徴とする、請求項1記載の耐熱性発泡樹脂
    粒子。
  3. 【請求項3】耐熱性発泡樹脂粒子を100℃の水蒸気に
    より嵩倍率30倍に発泡して得られる予備発泡粒子の断
    面セルが径10μmないし径200μmの大きさを有す
    ることを特徴とする、請求項1記載の耐熱性発泡樹脂粒
    子。
  4. 【請求項4】スチレン系樹脂60ないし90重量部およ
    びポリフェニレンエーテル系樹脂40ないし10重量部
    よりなる耐熱性樹脂と該耐熱性樹脂100重量部に基づ
    いて3ないし20重量部の発泡剤を含有する耐熱性発泡
    樹脂粒子を、−10℃ないし+30℃の温度範囲におい
    て乾燥処理することにより、該樹脂粒子の内部に含まれ
    る水分量を0.03重量%以下に調節することを特徴と
    する、耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】耐熱性発泡樹脂粒子を減圧下に置くことに
    より、該樹脂粒子の内部に含まれる水分量を0.03重
    量%以下に調節することを特徴とする、請求項4記載の
    耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】湿度0〜50%の気体を耐熱性発泡樹脂粒
    子の集団の中に同樹脂粒子1kg当り0.1ないし10
    L/分の流量で通すことにより、該樹脂粒子の内部に含
    まれる水分量を0.03重量%以下に調節することを特
    徴とする、請求項4記載の耐熱性発泡樹脂粒子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】耐熱性発泡樹脂粒子を乾燥剤とともに保存
    することにより、該樹脂粒子の内部に含まれる水分量を
    0.03重量%以下に調節し、その後、該樹脂粒子と前
    記乾燥剤を分別することを特徴とする、請求項4記載の
    耐熱性発泡樹脂粒子の製造方法。
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