JP2012174797A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストに関し、より詳しくは、グラビア印刷用導電性ペーストに関するものである。
携帯電話やデジタル機器に代表される電子機器では、年々、使用される電子部品の軽薄短小化が進んでおり、チップ部品である積層セラミックコンデンサ(MLCC)についても小型化、大容量化が進んでいる。
積層セラミックコンデンサの内部には、誘電体と内部電極が交互に重なった積層体が配置され、該積層体の外側に対向して外部電極が該積層セラミックコンデンサの両端部に取り付けられる。
誘電体としてはチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム等のペロブスカイト型酸化物が用いられる。前記積層体を形成するには、粉末化した誘電体をポリビニルブチラール、アクリル等の樹脂と溶剤からなる有機ビヒクル中に分散させスラリー状にし、ドクターブレード法によりPETフィルム上にシート状に形成して乾燥した後(一般にはグリーンシートと呼ばれる)、このグリーンシート表面に内部電極用金属ペーストを所定パターンでスクリーン印刷法にて転写し、乾燥させ、内部電極とグリーンシートとが交互に重なるよう所定の枚数を重ね、圧縮し、圧着した後、該熱圧着体を目的の大きさに切断する。電気炉、一般にはベルト炉に装入し、有機バインダー除去を目的として、通常、250〜330℃、空気雰囲気、窒素雰囲気、あるいは空気と窒素との混合雰囲気下で加熱して、有機ビヒクルを燃焼させる。
従来は、積層セラミックコンデンサの内部電極に、パラジウムや銀−パラジウム合金といった貴金属材料が使われてきたが、今日ではコストダウンのために、ニッケル、銅等の卑金属が用いられている。これら金属の内部電極を用いた積層セラミックコンデンサは、有機バインダー除去後、ニッケル、銅等が酸化されないように、中性ないしは還元雰囲気中で加熱し、引き続き850〜1350℃で焼成して内部電極、および誘電体を一体焼結させる。
ニッケル、銅等の内部電極が形成された積層体は、その両端の端面をバレル研磨にて研磨し、内部電極を露出させた後、外部電極用ペーストを前記研磨した端面に塗布、焼成して取り付け、表面にめっきを施して製品となる。
内部電極用ペーストは、導電成分としての卑金属粉末、焼結調整剤としての誘電体セラミック粉末、有機バインダーとしての樹脂とそれを溶解する溶剤、さらに分散剤からなる添加剤から構成され、スリーロールミルによって混練し、混合分散することにより製造される。言い換えると、内部電極用ペーストは、有機バインダーとなる樹脂を有機溶剤に溶解して得られた有機ビヒクル中に金属粉末を分散させ、粘度を有機溶剤によって調整したものである。
有機ビヒクル中の有機溶剤としては、一般にターピネオールがよく用いられている。また有機バインダーとしては、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂やブチルメタクリレート、メチルメタクリレート等のアクリル系樹脂が使用されている。
ところで、上記のMLCC用内部電極用導電性ペーストは、従来はスクリーン印刷用として使われる事が多かった。しかしコストダウンや生産性の向上の要求により、スクリーン印刷より印刷速度が高速で生産性の向上の見込めるグラビア印刷が注目され、グラビア印刷に使える導電性ペーストが求められてきている。
グラビア印刷の印刷速度がスクリーン印刷に比べ早いことから、その早さに対応して印刷するためにペーストの粘度をスクリーン印刷用ペーストよりも低くする必要がある。しかし、粘度が低くなると比重の異なる導電性粉末と焼結調整剤としての誘電体粉末の分離が発生しやすくなる。グラビア印刷で充分な特性を得るためには、低粘度で卑金属粉末と誘電体粉末が分離しない導電ペーストが必要である。
さらに、生産性向上のためにはスクリーン印刷用ペーストよりも乾燥スピードを早くすることも重要である。乾燥スピードを早くすることにより、印刷工程後の工程にスムーズに移行することができ、生産性を向上することができる。
従来のグラビア印刷用導電性ペーストとしては、スクリーン印刷用電極インキに代えてインキ粘度が極めて低く、チキソ性の発生を防止でき、低コストで高性能の積層セラミックコンデンサを初めとする積層圧電素子、積層バリスタ等の積層セラミック電子部品用のグラビア電極印刷用インキが有る。この例としては、ニッケルを主成分とする卑金属粉末を含んだグラビア印刷用電極インキであって、金属粉末100重量部に対して、樹脂が1重量部以上15重量部以下、有機溶剤が20重量部以上150重量部以下であり、粘度は10ポイズ以下で、10μm以上の凝集体が除去されているグラビア印刷用電極インキが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このインキはニッケルを主成分とすることで積層セラミックコンデンサをより安価に製造することができ、積層セラミックコンデンサをはじめとする積層セラミック電子部品の低コスト化、高信頼性化が可能になるとされている。
しかし、特許文献1に開示されたグラビア印刷用電極インキは、導電性グラビア印刷用ペーストとしては有効であるが、焼結調整剤としての誘電体粉末が含まれていないので、焼結時にデラミネーションやクラックの発生が起こりやすい欠点がある。
このインキはニッケルを主成分とすることで積層セラミックコンデンサをより安価に製造することができ、積層セラミックコンデンサをはじめとする積層セラミック電子部品の低コスト化、高信頼性化が可能になるとされている。
しかし、特許文献1に開示されたグラビア印刷用電極インキは、導電性グラビア印刷用ペーストとしては有効であるが、焼結調整剤としての誘電体粉末が含まれていないので、焼結時にデラミネーションやクラックの発生が起こりやすい欠点がある。
またグラビア印刷に適したものとするため、粘度を下げ、金属粉末の沈降が生ぜず、平滑性に優れた印刷塗膜が得られるグラビア印刷用導電性ペーストとして、金属粉末を含む固形成分と分散剤と溶剤成分とを混合・分散処理して第1スラリーとし、この第1スラリーにエトキシ基含有率49.6%以上のエチルセルロース樹脂成分と溶剤成分とを混合して分散処理をして第2スラリーとし、この第2スラリーから1.0μm以上の塊状物を除去した導電性グラビア印刷用ペーストが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
この導電性グラビア印刷用ペーストは、ずり速度0.1(s−1)での粘度η0.1が1Pa・s以上であり、ずり速度0.02(s−1)での粘度η0.02が、η0.1×1.2≦η0.02≦η0.1×3の範囲にあるチキソトロピー流体である。
しかし、特許文献2に開示された導電性グラビア印刷用ペーストは樹脂にエチルセルロースしか使用しておらず、本発明で使用したいグリーンシートが含有する樹脂を含まないので、グリーンシートとの密着強度が不足したものとなっている。
この導電性グラビア印刷用ペーストは、ずり速度0.1(s−1)での粘度η0.1が1Pa・s以上であり、ずり速度0.02(s−1)での粘度η0.02が、η0.1×1.2≦η0.02≦η0.1×3の範囲にあるチキソトロピー流体である。
しかし、特許文献2に開示された導電性グラビア印刷用ペーストは樹脂にエチルセルロースしか使用しておらず、本発明で使用したいグリーンシートが含有する樹脂を含まないので、グリーンシートとの密着強度が不足したものとなっている。
本発明の目的は、誘電体粉末を含み、セラミックグリーンシートに使用されている樹脂を含む導電性ペーストであって、グラビア印刷に適した粘度を有し、かつ乾燥性が良く、導電性粉末と誘電体粉末の分離の無いグラビア印刷用の積層セラミックコンデンサ内部電極用ペーストを提案するものである。
上記課題を解決するために本発明のグラビア印刷用導電ペーストは、導電性粉末(A)、有機樹脂(B)、及び有機溶剤(C)、添加剤(D)、及び誘電体粉末(E)を含む積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストであって、有機樹脂(B)が、数平均分子量が10000以上50000以下のポリビニルブチラールと、重量平均分子量が10000以上100000以下のエチルセルロースからなり、有機溶剤(C)がプロピレングリコールモノブチルエーテル、もしくはプロピレングリコールモノブチルエーテルとプロピレングリコールメチルエーテルアセテートの混合溶剤、又はプロピレングリコールモノブチルエーテルとミネラルスピリットの混合溶剤のいずれかからなり、添加剤(D)が分離抑制剤と分散剤からなり、該分離抑制剤としてポリカルボン酸ポリマーもしくはポリカルボン酸の塩を含む組成物からなるグラビア印刷用導電性ペーストとした。
本発明のグラビア印刷用導電性ペーストでは、導電性粉末(A)の含有率は、ペースト全量に対して30質量%以上70質量%以下であるのが好ましい。
また、有機樹脂(B)の含有率は、ペースト全量に対して1質量%以上5質量%以下であるのが好ましい。
また、添加剤(D)中の分離抑制剤の含有率は、導電性ペースト全量に対して0.4質量%以上1.2質量%以下であるのが好ましい。
添加剤(D)中の分散剤の含有率は、ペースト全量に対して0.1質量%以上2.0質量%以下であるのが好ましい。
また、前記誘電体粉末(E)として、BaTiO3を使用することができる。
さらに誘電体粉末(E)の含有率は、ペースト全量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
また、有機樹脂(B)の含有率は、ペースト全量に対して1質量%以上5質量%以下であるのが好ましい。
また、添加剤(D)中の分離抑制剤の含有率は、導電性ペースト全量に対して0.4質量%以上1.2質量%以下であるのが好ましい。
添加剤(D)中の分散剤の含有率は、ペースト全量に対して0.1質量%以上2.0質量%以下であるのが好ましい。
また、前記誘電体粉末(E)として、BaTiO3を使用することができる。
さらに誘電体粉末(E)の含有率は、ペースト全量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
本発明のグラビア印刷用導電性ペーストは、常温における粘度が0.05Pa・s以上0.3Pa・s以下であるのが好ましい。
また、120℃10分間における加熱減量が50%以上の乾燥速度を有することが好ましい。
また、120℃10分間における加熱減量が50%以上の乾燥速度を有することが好ましい。
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストは、上記のように構成されており、とりわけ適正な樹脂を用いたことにより、グラビア印刷に適した粘度が得られるので、印刷時にニジミやカスレが無く、ペーストの均一性・安定性が向上し常に導電性粉末と誘電体粉末の比率が一定の印刷を行うことができるようになり、グラビア印刷性が向上する。また乾燥性が良い溶剤を選択したことから、生産性の向上という効果も得られる。さらに添加剤として分散剤のほかに分離抑制剤を添加したので、導電性粉末と誘電体粉末の分離が無く、均一な印刷品質が得られる。
以下、本発明のグラビア印刷用積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト(以下、単に導電性ペーストという)を詳細に説明する。
グラビア印刷用導電性ペーストは、スクリーン印刷用導電性ペーストよりも粘度を低くしなければ印刷できない。そこで、従来スクリーン印刷に用いられていた導電性ペーストを基に、樹脂の分子量を下げることで粘度を下げることを試みた。また、スクリーン印刷よりも乾燥性を向上させるため、溶剤も樹脂との相溶性があり乾燥性の良い溶剤の選定を行った。これより、スクリーン印刷に適した粘度と乾燥性を持つ導電性ペーストを作製することができる。しかし、粘度を下げることにより、導電性粉末や誘電体粉末の比重の違いによる導電性粉末の分離という新たな問題が発生する。そこで、添加剤に分離抑制剤を用いることで、導電性粉末や誘電体粉末の分離を抑えることに成功した。
本発明の導電性ペーストは、以下の組成物で構成した。すなわち、導電性粉末(A)、有機樹脂(B)、及び有機溶剤(C)、添加剤(D)、及び誘電体粉末(E)を含む積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストであって、有機樹脂(B)が、数平均分子量が10000以上50000以下のポリビニルブチラールと重量平均分子量が10000以上100000以下のエチルセルロースからなり、有機溶剤(C)がプロピレングリコールモノブチルエーテル、もしくはプロピレングリコールモノブチルエーテルとプロピレングリコールメチルエーテルアセテートの混合溶剤、又はプロピレングリコールモノブチルエーテルとミネラルスピリットの混合溶剤のいずれかからなり、添加剤(D)が分離抑制剤(D−1)と分散剤(D−2)からなるグラビア印刷用導電性ペーストとした。
以下に各組成物について詳細に説明し、続いてペーストの製造方法について説明する。
以下に各組成物について詳細に説明し、続いてペーストの製造方法について説明する。
1.導電性粉末(A)
本発明において、導電性ペーストに用いられる導電性粉末としては、特に制限は無いが、積層セラミックコンデンサ等の積層部品の内部電極用として使用する、例えばニッケル、銅、金、銀、白金、パラジウム等の金属粉末や、その合金粉末を用いることができる。特に高容量化を目的として電極の積層数を多くした高積層の積層セラミックコンデンサの内部電極では、これらの中でもコスト的に有利なニッケル、銅の粉末の使用が好ましい。
本発明において、導電性ペーストに用いられる導電性粉末としては、特に制限は無いが、積層セラミックコンデンサ等の積層部品の内部電極用として使用する、例えばニッケル、銅、金、銀、白金、パラジウム等の金属粉末や、その合金粉末を用いることができる。特に高容量化を目的として電極の積層数を多くした高積層の積層セラミックコンデンサの内部電極では、これらの中でもコスト的に有利なニッケル、銅の粉末の使用が好ましい。
導電性粉末の粒径は特に制限されないが、高積層、高容量化の積層セラミックコンデンサの内部電極用として、これら金属粉末の平均粒径は0.05μm以上1.0μm以下が好ましい。この平均粒径は、走査電子顕微鏡(FE−SEM)写真より求められる値である。平均粒径が1.0μmを超えると積層セラミックコンデンサの薄層化が難しくなる。また、平均粒径が0.05μmを下回ると、金属粉の表面活性が高くなりすぎて、適正な粘度特性が得られないか、導電性ペーストの長期保存中に変質する恐れがある。
導電性ペースト中の導電性粉末の含有率は、ペースト全量に対して30質量%以上70質量%以下とすることが好ましい。その含有量が30質量%未満では焼成時に電極膜の形成能力が低く、所定のコンデンサ容量を得ることが難しい。70質量%を超えると電極膜の薄層化が困難となる。導電性粉末の含有率は、ペースト全量に対して40質量%以上60質量%以下とすることがより好ましい。
2.有機樹脂(B)
本発明において、有機樹脂はエチルセルロース(EC)とポリビニルブチラール(PVB)の混合系であることが好ましい。
エチルセルロース(EC)は、溶剤への溶解性・印刷性・燃焼分解性などが良いことから、導電性ペーストのバインダーとして一般的に用いられている。エチルセルロース(EC)だけでなくグリーンシートに用いられるポリビニルブチラール(PVB)を用いることで、グリーンシート膜と導電性ペースト乾燥膜の密着強度を上げることが出来る。
また、グラビア印刷に適した粘度のペーストを得るためにポリビニルブチラール(PVB)の数平均分子量が10000以上50000以下の範囲ものと、エチルセルロース(EC)の重量平均分子量が10000以上100000以下の範囲であることが好ましい。 グラビア印刷時にペーストにかかる高シェアレート領域の粘度は、ペースト中の固形分濃度が同じ場合には主に樹脂の重合度や分子量が影響する。そのため上記分子量の範囲より重合度の高い樹脂を用いると、粘度が高くなりすぎて印刷時にカスレなどの問題が起こり、上記分子量の範囲より低い重合度の樹脂を用いると、粘度が低くなりすぎて印刷時にニジミなどの問題が発生してしまう。
グラビア印刷に適した粘度は、レオメータによるシェアレート10000s−1の時の粘度が0.05Pa・s以上0.3Pa・s以下が適当である。
本発明において、有機樹脂はエチルセルロース(EC)とポリビニルブチラール(PVB)の混合系であることが好ましい。
エチルセルロース(EC)は、溶剤への溶解性・印刷性・燃焼分解性などが良いことから、導電性ペーストのバインダーとして一般的に用いられている。エチルセルロース(EC)だけでなくグリーンシートに用いられるポリビニルブチラール(PVB)を用いることで、グリーンシート膜と導電性ペースト乾燥膜の密着強度を上げることが出来る。
また、グラビア印刷に適した粘度のペーストを得るためにポリビニルブチラール(PVB)の数平均分子量が10000以上50000以下の範囲ものと、エチルセルロース(EC)の重量平均分子量が10000以上100000以下の範囲であることが好ましい。 グラビア印刷時にペーストにかかる高シェアレート領域の粘度は、ペースト中の固形分濃度が同じ場合には主に樹脂の重合度や分子量が影響する。そのため上記分子量の範囲より重合度の高い樹脂を用いると、粘度が高くなりすぎて印刷時にカスレなどの問題が起こり、上記分子量の範囲より低い重合度の樹脂を用いると、粘度が低くなりすぎて印刷時にニジミなどの問題が発生してしまう。
グラビア印刷に適した粘度は、レオメータによるシェアレート10000s−1の時の粘度が0.05Pa・s以上0.3Pa・s以下が適当である。
また、有機樹脂の導電性ペースト全量に対する含有量は、1質量%以上5質量%以下が好ましい。1質量%未満だと、乾燥膜の強度が低下したり、積層時にペーストの電極パターン部と誘電体シートとの密着性が悪くなり剥がれやすくなる。一方、5質量%を超えると樹脂の含有量が多くなることによる脱バインダー性の悪化があり、好ましくない。
そして、これらエチルセルロース樹脂とポリビニルブチラール樹脂を本発明に係る下記の溶剤に溶解して有機ビヒクルとする。
そして、これらエチルセルロース樹脂とポリビニルブチラール樹脂を本発明に係る下記の溶剤に溶解して有機ビヒクルとする。
3.有機溶剤(C)
本発明において、有機溶剤は、エチルセルロース樹脂及びポリビニルブチラール樹脂を溶解する機能を有する有機ビヒクルの必須成分であるが、誘電体グリーンシートに印刷したときシートアタックを回避しうるものでなければならない。シートアタックは、誘電体グリーンシートに内部電極用ペーストが接したとき、誘電体グリーンシートに使用されているポリビニルブチラール樹脂を内部電極用ペースト中の有機溶剤が溶解する為に生じる。
本発明において、有機溶剤は、エチルセルロース樹脂及びポリビニルブチラール樹脂を溶解する機能を有する有機ビヒクルの必須成分であるが、誘電体グリーンシートに印刷したときシートアタックを回避しうるものでなければならない。シートアタックは、誘電体グリーンシートに内部電極用ペーストが接したとき、誘電体グリーンシートに使用されているポリビニルブチラール樹脂を内部電極用ペースト中の有機溶剤が溶解する為に生じる。
そのため、導電性ペースト中にポリビニルブチラール樹脂を含有しないタイプのペーストでは、誘電体グリーンシートの有機バインダーに対する溶解性がほとんど無く、かつ内部電極用ペーストのエチルセルロース樹脂に対する溶解性を有する溶剤の選定を行う。
しかし本発明では、導電性ペースト中にポリビニルブチラール樹脂を含有しているため、上記手法を用いることが出来ない。
しかし本発明では、導電性ペースト中にポリビニルブチラール樹脂を含有しているため、上記手法を用いることが出来ない。
そこで本発明では、有機溶剤として、ポリビニルブチラール樹脂やエチルセルロース樹脂との相溶性があり、なおかつスクリーン印刷に用いられる溶剤よりも乾燥性が良い溶剤を用いることを見出した。スクリーン印刷に用いられる有機溶剤に比べ乾燥性の良い有機溶剤を用いることで、ポリビニルブチラール樹脂を有機バインダーとして含有する誘電体グリーンシート上に導電性ペーストを印刷した時に、特性に問題ない範囲のシートアタックしか起こさずに印刷することを可能にした。
ここで、グラビア印刷に適した乾燥性とは120℃15分の乾燥における乾燥減量が80%以上が好ましい。
また、上記の乾燥性を達成するには、以下のようにして乾燥速度を調整する。すなわち
(1) プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)だけでなく、
(2) プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)との混合物や
(3) プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)の混合物を用いる、
ことで乾燥速度を調整することができる。
ここで、グラビア印刷に適した乾燥性とは120℃15分の乾燥における乾燥減量が80%以上が好ましい。
また、上記の乾燥性を達成するには、以下のようにして乾燥速度を調整する。すなわち
(1) プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)だけでなく、
(2) プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)との混合物や
(3) プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)の混合物を用いる、
ことで乾燥速度を調整することができる。
図1は120℃における各種溶剤の熱重量分析結果を示すグラフであり、これら溶剤の乾燥性を示すものである。図中曲線aはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)を、曲線bはプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)との7:3の混合物を、曲線cはミネラルスピリット(MS)を、曲線dはプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)との7:3の混合物を、曲線eはプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)を、曲線fはターピネオール(TPO)を、曲線gはターピネオール(TPO)と0号ソルベントM(0号M)との7:3の混合物を、曲線hは0号ソルベントM(0号M)を、それぞれ表している。
溶剤単独ではPMA(図1の曲線a)、MS(図1の曲線c)、PNB(図1の曲線e)の順で乾燥性が良く、従って、混合溶剤とすることで上記(2)(図1の曲線b)、(3)(図1の曲線d)、(1)(図1の)曲線e)の順で乾燥性が良くなり、乾燥速度が適度に調整された優れた乾燥性を得ることができる。
またプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)の混合比は適宜調整できるが、PMAの混合比が高過ぎると乾燥速度が早すぎるため、ペースト製造中の揮発量が多く、ペーストの固形成分と溶剤成分の経時的な組成ズレが発生しやすい。プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)の混合比は適宜調整できるが、MSの混合比が高過ぎると相溶性の悪化が現われ、ペースト中に凝集物の発生が生じる。
溶剤単独ではPMA(図1の曲線a)、MS(図1の曲線c)、PNB(図1の曲線e)の順で乾燥性が良く、従って、混合溶剤とすることで上記(2)(図1の曲線b)、(3)(図1の曲線d)、(1)(図1の)曲線e)の順で乾燥性が良くなり、乾燥速度が適度に調整された優れた乾燥性を得ることができる。
またプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)の混合比は適宜調整できるが、PMAの混合比が高過ぎると乾燥速度が早すぎるため、ペースト製造中の揮発量が多く、ペーストの固形成分と溶剤成分の経時的な組成ズレが発生しやすい。プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)の混合比は適宜調整できるが、MSの混合比が高過ぎると相溶性の悪化が現われ、ペースト中に凝集物の発生が生じる。
4.添加剤(D)
従来技術では、粉体の凝集防止の為の分散剤が用いられてきた。本発明では更に、導電粉末と誘電体粉末の分離を抑制する為に、分離抑制剤も使用した。
分離抑制剤(D−1)として具体的には、ポリカルボン酸ポリマーもしくはポリカルボン酸の塩を含む組成の添加剤を用いる。
ここで、分離抑制効果を有するポリカルボン酸ポリマーを含む分離抑制剤としては、ビックケミー社製BYK−P104、同BYK−P105等が挙げられ、ポリカルボン酸の塩を含む分離抑制剤としてはビックケミー社製ANTI−TERRA204、同ANTI−TERRA205等が挙げられる。
分離抑制剤はいずれも共通してカルボン酸同士の水素結合により、ペースト中で粉末粒子の分散をある程度抑えることで、初期に均一攪拌された導電性粉末と誘電体粉末の距離を一定に保持することが出来る。
また、カルボン酸同士の水素結合により、定常状態(静止した状態)でのペーストの粘度を上昇させることができるので、これにより導電性粉末と誘電体粉末の比重の違いによる分離を抑えることが出来る。しかも、カルボン酸同士の水素結合の結合力は弱いため、低シェアレートの力をかけるだけで結合を切ることができるので、グラビア印刷で重要となる高シェアレートでの粘度には変化がない。そのためグラビア印刷用の添加剤として有効である。
従来技術では、粉体の凝集防止の為の分散剤が用いられてきた。本発明では更に、導電粉末と誘電体粉末の分離を抑制する為に、分離抑制剤も使用した。
分離抑制剤(D−1)として具体的には、ポリカルボン酸ポリマーもしくはポリカルボン酸の塩を含む組成の添加剤を用いる。
ここで、分離抑制効果を有するポリカルボン酸ポリマーを含む分離抑制剤としては、ビックケミー社製BYK−P104、同BYK−P105等が挙げられ、ポリカルボン酸の塩を含む分離抑制剤としてはビックケミー社製ANTI−TERRA204、同ANTI−TERRA205等が挙げられる。
分離抑制剤はいずれも共通してカルボン酸同士の水素結合により、ペースト中で粉末粒子の分散をある程度抑えることで、初期に均一攪拌された導電性粉末と誘電体粉末の距離を一定に保持することが出来る。
また、カルボン酸同士の水素結合により、定常状態(静止した状態)でのペーストの粘度を上昇させることができるので、これにより導電性粉末と誘電体粉末の比重の違いによる分離を抑えることが出来る。しかも、カルボン酸同士の水素結合の結合力は弱いため、低シェアレートの力をかけるだけで結合を切ることができるので、グラビア印刷で重要となる高シェアレートでの粘度には変化がない。そのためグラビア印刷用の添加剤として有効である。
しかし、分離抑制剤を単体で用いると、ペースト全体としての分散性が悪くなり、導電性粉末や誘電体粉末の凝集物が発生してしまう。そこで、導電性粉末や誘電体粉末の分散性を改善する目的で、種々の分散剤(D−2)を配合する必要がある。
分散剤(D−2)には通常スクリーン印刷でも用いられるカチオン系分散剤、アニオン系分散剤などがあげられる。
分散剤(D−2)には通常スクリーン印刷でも用いられるカチオン系分散剤、アニオン系分散剤などがあげられる。
また導電性ペースト全量に対する添加剤量は、分離抑制剤(D−1)が有効成分で0.4質量%以上1.2質量%以下、分散剤(D−2)が0.1質量%以上で2.0質量%以下が好ましい。分離抑制剤の添加量が0.4質量%未満であると導電性粉末と誘電体粉末の分離抑制効果が充分に得られず分離が発生してしまう。分離が発生すると、グラビア印刷時に槽にペーストを溜めている間に分離が進行し、槽上部と下部で導電性粉末と誘電体粉末の濃度が異なり、均一な印刷物を得られなくなる。1.2質量%を超えると、導電性粉末や誘電体粉末の凝集が発生し、ペースト全体の分散性の問題や脱バインダーへの影響が出てくる可能性がある。
また分散剤の添加量が0.1質量%未満であるとペーストの分散性向上の効果が充分でなく、2.0質量%を超えても一定以上の分散性の向上は見られず、さらに脱バインダーへの影響が出る可能性がある。
また分散剤の添加量が0.1質量%未満であるとペーストの分散性向上の効果が充分でなく、2.0質量%を超えても一定以上の分散性の向上は見られず、さらに脱バインダーへの影響が出る可能性がある。
5.誘電体粉末(E)
積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペーストでは、焼成時に内部電極の焼結収縮をセラミックシートの焼結収縮挙動に合わせる目的で無機添加剤が配合される。通常、無機添加剤は共材とも言われ、例えば、市販のBaTiO3 、BaTixZr1−xO3(xは0.8)等や、グリーンシートを構成しているセラミックと同様の組成物等、その他無機酸化物等を適量配合することができる。
本発明の導電性ペーストにおいて、誘電体粉末、例えばBaTiO3 の平均粒径は、特 に制限されないが、高積層、高容量の積層セラミックコンデンサ内部電極に用いるのであれば、0.01μm以上0.1μm以下が好ましい。平均粒径は、走査電子顕微鏡(FE−SEM)写真より求められ、この範囲を外れると焼成後の抵抗値が上昇したり、電極膜形成が不充分で作成した積層コンデンサの静電容量が得られなくなることがある。
また、誘電体粉末の含有量は、特に制限されるわけではないが、ペースト中で1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。含有量が1質量%未満であると、導電性ペーストと誘電体シートとの同時焼成時の焼結収縮差が生じ、焼結体にクラックが生じやすくなり、また、含有量が30質量%を超えると、導電性が低下し、静電容量が得られなくなる。
積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペーストでは、焼成時に内部電極の焼結収縮をセラミックシートの焼結収縮挙動に合わせる目的で無機添加剤が配合される。通常、無機添加剤は共材とも言われ、例えば、市販のBaTiO3 、BaTixZr1−xO3(xは0.8)等や、グリーンシートを構成しているセラミックと同様の組成物等、その他無機酸化物等を適量配合することができる。
本発明の導電性ペーストにおいて、誘電体粉末、例えばBaTiO3 の平均粒径は、特 に制限されないが、高積層、高容量の積層セラミックコンデンサ内部電極に用いるのであれば、0.01μm以上0.1μm以下が好ましい。平均粒径は、走査電子顕微鏡(FE−SEM)写真より求められ、この範囲を外れると焼成後の抵抗値が上昇したり、電極膜形成が不充分で作成した積層コンデンサの静電容量が得られなくなることがある。
また、誘電体粉末の含有量は、特に制限されるわけではないが、ペースト中で1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。含有量が1質量%未満であると、導電性ペーストと誘電体シートとの同時焼成時の焼結収縮差が生じ、焼結体にクラックが生じやすくなり、また、含有量が30質量%を超えると、導電性が低下し、静電容量が得られなくなる。
6.導電性ペーストの製造
以下、本発明の導電性ペーストを作製する手順を説明する。本発明の導電性ペーストは、まず、有機樹脂を有機溶剤に溶解して有機ビヒクルを調製し、次に、導電性粉末、分離抑制剤や分散剤の添加剤、誘電体粉末を添加し、有機ビヒクル中に分散させる。
以下、本発明の導電性ペーストを作製する手順を説明する。本発明の導電性ペーストは、まず、有機樹脂を有機溶剤に溶解して有機ビヒクルを調製し、次に、導電性粉末、分離抑制剤や分散剤の添加剤、誘電体粉末を添加し、有機ビヒクル中に分散させる。
まず有機ビヒクルの作製である。エチルセルロースとプロピレングリコールモノブチルエーテルを用意する。溶剤を50〜60℃に加温した恒温槽の中で、エチルセルロースを徐々に加え、引き続き樹脂が溶解するまで攪拌しながら加熱する。ここで、ポリビニルブチラールのビヒクルも同様の方法で作製することができる。
次に、導電性粉末、誘電体粉末、作製した種々の有機ビヒクルの所定量を秤量し、ミキサーに投入してその他添加剤を所定量加えて攪拌した後、スリーロールミルによって、導電性粉末と添加剤と誘電体粉末を有機ビヒクル中に均一分散混合させる。
ペースト中の組成をまとめて記載すると、導電性粉末は、ペースト全量に対して30質量%以上70質量%以下、添加剤はペースト全量に対して0.5質量%以上3.2質量%以下、誘電体粉末はペースト全量に対して1質量%以上30質量%以下とすることが好ましい。また、有機ビヒクル中の樹脂は、ペースト全量に対して1質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
これにより、グラビア印刷に適した粘度であり、導電性粉末と誘電体粉末の分離が無く、乾燥性が良い、本発明の導電性ペーストを得ることが出来る。
以下に、本発明の実施例、比較例を示して詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら制限されることはない。
本願が課題とする導電性ペーストの、グラビア印刷に適した粘度、生産性を高める乾燥性、印刷品質を保つ導電性粉末と誘電体粉末の分離抑制、のそれぞれの特性を左右すると考えられる樹脂の選択、溶剤の選択、分離抑制剤の選択に関する判断基準は上記の説明の通りであるが、以下に実施例・比較例によって、その判断の当否を確認した。
導電性ペーストの製造は上記の導電性ペーストの製造で説明した概要に従い、ペースト評価として粘度、乾燥性、分離性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
ここで表1では、エチルセルロースをEC、ポリビニルブチラールをPVB、プロピレングリコールモノブチルエーテルをPNB、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートをPMA、ミネラルスピリットをMS、ターピネオールをTPO、0号ソルベントMを0号Mと表記する。
また、以下に実施例、比較例で用いたペースト組成と特性評価について説明する。
導電性ペーストの製造は上記の導電性ペーストの製造で説明した概要に従い、ペースト評価として粘度、乾燥性、分離性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
ここで表1では、エチルセルロースをEC、ポリビニルブチラールをPVB、プロピレングリコールモノブチルエーテルをPNB、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートをPMA、ミネラルスピリットをMS、ターピネオールをTPO、0号ソルベントMを0号Mと表記する。
また、以下に実施例、比較例で用いたペースト組成と特性評価について説明する。
(1)ペースト組成
導電性粉末(A)として、平均粒経0.3μmのNiの球状粉を50.0質量%用い、有機樹脂(B)としてエチルセルロース(重量平均分子量:40000)とポリビニルブチラール(数平均分子量:20000)を1対1の割合で混合したものを2.5質量%、添加剤(D)のうち分離抑制剤(D−1)として、BYK−P105をペースト全量に対して0.4質量%、添加剤(D)のうち分散剤(D−2)としてDISPERBYK−102とオレイルアミンを0.8質量%(それぞれ0.2質量%と0.6質量%)、誘電体粉末(E)として、平均粒経70nmのBaTiO3の球状粉を12.5質量%用い、残部に有機溶剤(C)としてプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)を7:3の割合で混合したものを加えて試料を調整して試験を行った。ペースト成分の一覧を表1に示す。
導電性粉末(A)として、平均粒経0.3μmのNiの球状粉を50.0質量%用い、有機樹脂(B)としてエチルセルロース(重量平均分子量:40000)とポリビニルブチラール(数平均分子量:20000)を1対1の割合で混合したものを2.5質量%、添加剤(D)のうち分離抑制剤(D−1)として、BYK−P105をペースト全量に対して0.4質量%、添加剤(D)のうち分散剤(D−2)としてDISPERBYK−102とオレイルアミンを0.8質量%(それぞれ0.2質量%と0.6質量%)、誘電体粉末(E)として、平均粒経70nmのBaTiO3の球状粉を12.5質量%用い、残部に有機溶剤(C)としてプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)を7:3の割合で混合したものを加えて試料を調整して試験を行った。ペースト成分の一覧を表1に示す。
(2)粘度の測定
ペーストの粘度測定は低シェアレートから高シェアレートの粘度を連続的に測定するために、レオメータ(測定器はAnton Paar社製MCR301もしくはTAインスツルメント社製AR−G2)を用いて行った。シェアレート10000s−1の時の粘度が0.05Pa・s以上0.3Pa・s以下を○、0.05Pa・s未満および0.3Pa・sを超える粘度を△と判定した。
ペーストの粘度測定は低シェアレートから高シェアレートの粘度を連続的に測定するために、レオメータ(測定器はAnton Paar社製MCR301もしくはTAインスツルメント社製AR−G2)を用いて行った。シェアレート10000s−1の時の粘度が0.05Pa・s以上0.3Pa・s以下を○、0.05Pa・s未満および0.3Pa・sを超える粘度を△と判定した。
(3)乾燥性の測定
乾燥性は120℃で乾燥させた時の乾燥スピードをTG−DTA(測定器はエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製TG/DTA6300)にて測定した。
溶剤にTPOと0号Mを用いたスクリーン印刷用ペーストを基準とし、スクリーン印刷用ペーストよりも乾燥スピードが早いペーストを○、スクリーン印刷用ペーストと同等の乾燥スピードのペーストを△と判定した。
乾燥性は120℃で乾燥させた時の乾燥スピードをTG−DTA(測定器はエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製TG/DTA6300)にて測定した。
溶剤にTPOと0号Mを用いたスクリーン印刷用ペーストを基準とし、スクリーン印刷用ペーストよりも乾燥スピードが早いペーストを○、スクリーン印刷用ペーストと同等の乾燥スピードのペーストを△と判定した。
(4)分離性の評価
分離性はペーストサンプルをガラス瓶中に1日放置し、導電性粉末と誘電体粉末の分離があるかどうかを目視にて確認した。誘電体粉末の分離が確認できない(白い上澄み部分が存在しない)状態を○、誘電体粉末の分離が確認できる(白い上澄み部分が存在する)状態を×と判定した。
実施例1の粘度、乾燥性および分離性の評価結果をまとめて表1に示す。
分離性はペーストサンプルをガラス瓶中に1日放置し、導電性粉末と誘電体粉末の分離があるかどうかを目視にて確認した。誘電体粉末の分離が確認できない(白い上澄み部分が存在しない)状態を○、誘電体粉末の分離が確認できる(白い上澄み部分が存在する)状態を×と判定した。
実施例1の粘度、乾燥性および分離性の評価結果をまとめて表1に示す。
添加剤(D)のうち分離抑制剤(D−1)として、BYK−P−105を使用した代わりにANTI−TERRA−205を1.2%使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
有機樹脂(B)のうち重量平均分子量:40000のエチルセルロース(EC)のものを使用した代わりに重量平均分子量:100000のエチルセルロース(EC)を使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
有機樹脂(B)のうち数平均分子量:20000のポリビニルブチラール(PVB)のものを使用した代わりに数平均分子量:40000のポリビニルブチラール(PVB)を使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
有機溶剤(C)のうちプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)を7:3の割合で混合したものを使用した代わりにプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)のみを使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
有機溶剤(C)のうちプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)を7:3の割合で混合したものを使用した代わりにプロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)を7:3の割合で混合したものを使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
添加剤(D)のうち分離抑制剤(D−1)として、BYK−P−105を使用した代わりにANTI−TERRA−204を1.2%使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
添加剤(D)のうち分散剤(D−2)として、DISPERBYK−102を使用した代わりにオレイン酸を使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
(比較例1、2)
実施例1で添加剤(D)のうち分離抑制剤(D−1)として、BYK−P−105をペースト全量に対して0.4質量%使用したのに対して、比較例1では0.2質量%使用にとどめた。そのほかは実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
また、実施例2で添加剤(D)のうち分離抑制剤(D−1)として、ANTI−TERRA−205を1.2%使用したのに対して、比較例2では0.2質量%の使用にとどめた以外は、実施例2と同様にして試料を作製した。このようにして粉末の分離性等を評価した。
実施例1で添加剤(D)のうち分離抑制剤(D−1)として、BYK−P−105をペースト全量に対して0.4質量%使用したのに対して、比較例1では0.2質量%使用にとどめた。そのほかは実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
また、実施例2で添加剤(D)のうち分離抑制剤(D−1)として、ANTI−TERRA−205を1.2%使用したのに対して、比較例2では0.2質量%の使用にとどめた以外は、実施例2と同様にして試料を作製した。このようにして粉末の分離性等を評価した。
(比較例3、4)
実施例1では溶剤としてPNBとMSを7:3の質量比で混合した溶剤を用いたのに対し、比較例3では、ターピネオール(TPO)と0号ソルベントM(0号M)を7:3の質量比で混合した溶剤を用いたもの使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
また、実施例1では有機樹脂(B)として重量平均分子量:40000のエチルセルロース(EC)と数平均分子量:20000のポリビニルブチラール(PVB)を1対1の割合で混合したものを2.5質量%使用したのに対して、比較例4では有機樹脂(B)として重量平均分子量:135000のエチルセルロース(EC)と数平均分子量:52000のポリビニルブチラール(PVB)を混合したものを使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製した。このようにしてペーストの粘度とペーストの乾燥性を比較した。
実施例2〜8及び比較例1〜4のペースト組成と評価結果をまとめて表1に示す。
実施例1では溶剤としてPNBとMSを7:3の質量比で混合した溶剤を用いたのに対し、比較例3では、ターピネオール(TPO)と0号ソルベントM(0号M)を7:3の質量比で混合した溶剤を用いたもの使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
また、実施例1では有機樹脂(B)として重量平均分子量:40000のエチルセルロース(EC)と数平均分子量:20000のポリビニルブチラール(PVB)を1対1の割合で混合したものを2.5質量%使用したのに対して、比較例4では有機樹脂(B)として重量平均分子量:135000のエチルセルロース(EC)と数平均分子量:52000のポリビニルブチラール(PVB)を混合したものを使用した以外は、実施例1と同様にして試料を作製した。このようにしてペーストの粘度とペーストの乾燥性を比較した。
実施例2〜8及び比較例1〜4のペースト組成と評価結果をまとめて表1に示す。
これらの試験において、樹脂として使用したエチルセルロースとポリビニルブチラールの重量平均分子量と数平均分子量については、実施例1、2、比較例1、2、3では、重量平均分子量が40000のエチルセルロースと、数平均分子量が20000のポリビニルブチラールを混合したのに対し、比較例4では重量平均分子量が135000のエチルセルロースと、数平均分子量が52000のポリビニルブチラールを混合したものを採用し、ペーストの粘度を比較した。
また、溶剤の種類に関しては、実施例1、2、比較例1、2、4ではPNBとMSを7:3の質量比で混合した溶剤を用いたのに対し、比較例3では、TPOと0号Mを7:3の質量比で混合した溶剤を用いたものを採用して、ペーストの乾燥性を比較した。
また、溶剤の種類に関しては、実施例1、2、比較例1、2、4ではPNBとMSを7:3の質量比で混合した溶剤を用いたのに対し、比較例3では、TPOと0号Mを7:3の質量比で混合した溶剤を用いたものを採用して、ペーストの乾燥性を比較した。
表1に記載した評価結果からわかるように、樹脂の重量平均分子量が40000のエチルセルロースと、数平均分子量が20000のポリビニルブチラールを混合した実施例1、2、比較例1、2、3はグラビア印刷に適した良好な粘度が得られているが、重量平均分子量が135000のエチルセルロースと、数平均分子量が52000のポリビニルブチラールを混合した比較例4では分子量が大きいため、シェアレート10000s-1での粘度が0.3Pa・sより高くなりグラビア印刷の最適な粘度からはずれた。
PNBとMSを7:3の質量比で混合した溶剤を用いた実施例1、2、比較例1、2、4ではスクリーン印刷に用いられるペーストよりも乾燥速度が早かったが、TPOと0号Mを7:3の質量比で混合した溶剤を用いた比較例3では、溶剤の乾燥速度がPNB、MS、PMAに比べて遅いため、スクリーン印刷に用いられるペーストと同等の乾燥速度であった。
図1及び表1に示した通り、スクリーン印刷用導電性ペーストに用いられるTPOや0号M又はTPOと0号Mを質量比7:3で混合した溶剤は120℃で30分の乾燥では完全に蒸発していないことがわかる。しかし、今回選択したPNBは120℃で約13分で完全に蒸発しており乾燥性が良いことがわかる。また、PNBとMSAを質量比7:3で混合した溶剤やPNBとPMAを質量比7:3で混合した溶剤はPNBより更に乾燥速度を早めることができ、2種類の溶剤を混合することで単体で使用する場合よりも乾燥速度の調整を行えることがわかる。
導電性粉末と誘電体粉末の分離抑制に関して、実施例1、比較例3、4ではBYK−P105をペースト全量に対する質量比でそれぞれ0.4%使用し、実施例2ではANT1−TERRA−205を同1.2%使用したのに対し、比較例1、2ではそれぞれBYK−P105を同0.2%、ANTI−TERRA−205を同じく0.2%使用して比較した。
分離抑制剤の添加量が0.4質量%以上1.2質量%以下である実施例1、2、比較例3、4では導電性粉末と誘電体粉末の分離が発生せず、ペーストの安定性が良好であったのに対し、分離抑制剤の添加量が0.2質量%の比較例1、2では分離抑制剤の効果が不十分であり、導電性粉末と誘電体粉末の分離が発生し、ペーストの安定性が悪いという結果が得られた。
分離抑制剤の添加量が0.4質量%以上1.2質量%以下である実施例1、2、比較例3、4では導電性粉末と誘電体粉末の分離が発生せず、ペーストの安定性が良好であったのに対し、分離抑制剤の添加量が0.2質量%の比較例1、2では分離抑制剤の効果が不十分であり、導電性粉末と誘電体粉末の分離が発生し、ペーストの安定性が悪いという結果が得られた。
図2に粉体粒子の分離有の比較例1のペースト(a)と分離無(b)の実施例1のペーストの例を示す。図2(a)の分離有のペーストでは、全体に白い部分が確認でき、上部には白い誘電体の分離が上澄み部分として確認できる、図2(b)の分離無のペーストでは全体が黒く、導電性粉末と誘電体粉末の分離が確認されない。
本発明は、導電性ペーストに限らず、粉末粒子を含むグラビア印刷用組成物に広く応用できる技術である。
曲線a:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)
曲線b:プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)との7:3の混合物
曲線c:ミネラルスピリット(MS)
曲線d:プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)との7:3の混合物
曲線e:プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)
曲線f:ターピネオール(TPO)
曲線g:ターピネオール(TPO)と0号ソルベントM(0号M)との7:3の混合物
曲線h:0号ソルベントM(0号M)
曲線b:プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)との7:3の混合物
曲線c:ミネラルスピリット(MS)
曲線d:プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)とミネラルスピリット(MS)との7:3の混合物
曲線e:プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)
曲線f:ターピネオール(TPO)
曲線g:ターピネオール(TPO)と0号ソルベントM(0号M)との7:3の混合物
曲線h:0号ソルベントM(0号M)
Claims (9)
- 導電性粉末(A)、有機樹脂(B)、及び有機溶剤(C)、添加剤(D)、及び誘電体粉末(E)を含む積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストであって、有機樹脂(B)が、数平均分子量が10000以上50000以下のポリビニルブチラールと、重量平均分子量が10000以上100000以下のエチルセルロースからなり、有機溶剤(C)がプロピレングリコールモノブチルエーテル、もしくはプロピレングリコールモノブチルエーテルとプロピレングリコールメチルエーテルアセテートの混合溶剤、又はプロピレングリコールモノブチルエーテルとミネラルスピリットの混合溶剤のいずれかからなり、添加剤(D)が分離抑制剤と分散剤からなり、該分離抑制剤としてポリカルボン酸ポリマーもしくはポリカルボン酸の塩を含む組成物からなることを特徴とするグラビア印刷用導電性ペースト。
- 前記導電性粉末(A)の含有率が、ペースト全量に対して30質量%以上70質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
- 前記有機樹脂(B)の導電性ペースト全体に対する含有率が、1質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
- 前記添加剤(D)中の分離抑制剤の含有率が、導電性ペースト全量に対して0.4質
量%以上1.2質量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。 - 前記添加剤(D)中の分散剤の含有率が、ペースト全量に対して0.1質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
- 前記誘電体粉末(E)が、BaTiO3 であることを特徴とする請求項1から請求項5 のいずれか1項に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
- 前記誘電体粉末(E)の含有率が、ペースト全量に対して1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
- 常温における粘度が0.05Pa・s以上0.3Pa・s以下であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
- 120℃10分間における加熱減量が50%以上の乾燥速度を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
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