JP2012175922A - プロセスチーズ類およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プロセスチーズ類の製造において、化学処理が施された加工デンプンのうち、酸化デンプンを使用し、溶融塩としてクエン酸塩、モノリン酸、ポリリン酸塩から選択されるいずれか1種以上を含有することによって、得られるプロセスチーズ類に良好な熱溶融性と糸引き性を付与することができる。
【選択図】なし
Description
プロセスチーズ類は、加熱溶融後に所望の形態に成型できるという特徴があり、ブロック型やスライス形状など、非常にバラエティに富んだ形状で市場に流通している。一方で、プロセスチーズ類は、原料となるナチュラルチーズの需給の影響を受けるため、国際的なナチュラルチーズ価格の高騰は、プロセスチーズ類の製造において大幅なコストアップ要因となる。このような背景の中、ナチュラルチーズの価格高騰時には、プロセスチーズ類の製造において、ナチュラルチーズの配合量を低減し、油脂や植物原料などを配合することによって、コスト高を吸収することが行われているが、ナチュラルチーズの配合量を減らすことによる風味や機能の悪化を十分には解消できていない。
(1)酸化デンプンと、溶融塩としてクエン酸塩、モノリン酸、ポリリン酸塩から選択されるいずれか1種以上を含有することを特徴とするプロセスチーズ類。
(2)前記溶融塩の配合量が、原料チーズ類の0.5%〜1.5%であることを特徴とする(1)記載のプロセスチーズ類。
(3)ポリリン酸塩の配合量が、原料チーズ類の1.0%未満であることを特徴とする(1)または(2)記載のプロセスチーズ類。
(4)前記酸化デンプンの配合量が0.5〜6.0%であることを特徴とする(1)または(2)または(3)記載のプロセスチーズ類。
本発明で用いる原料ナチュラルチーズとしては、通常、チーズ類の製造に使用される、ゴーダチーズ、チェダーチーズ等を例示することができ、特に限定されるものではないが、熟度指標については高すぎると充分な糸引き性を発現することができず、糸引き性は弱くなっていくため、20%以下、さらに望ましくは15%以下が望ましい。他の物性面、風味面については、最終的に得られるプロセスチーズ類において必要な要件を満たすよう設計、配合すれば良く、特に限定されるものではない。また2種類以上の原料ナチュラルチーズを混合して使用しても良い。なお、熟度指標は以下の式で計算する。
熟度指標(%)=(可溶性窒素量/全窒素量)×100
試料チーズ10gを秤量し、0.5Mクエン酸ナトリウム溶液40ml、温湯30mlを加え、均質化した。得られた溶液を200mlに定容したものを試料チーズ溶液とした。全窒素量については上記試料溶液をそのまま10mlを採取、可溶性窒素量については、上記試料溶液100mlを採取、1.41N塩酸10ml、水15mlを加えpH4.4とし、カゼインを沈殿させた上澄みをろ過し、ろ液10mlを試料溶液とし、それぞれケルダール法を用いて窒素量を定量した。
本発明における乳化処理は、通常、チーズ類の乳化に用いられる乳化剤や安定剤を適宜使用して、乳化機、例えば低速せん断乳化釜等を用いて、50〜200rpmの低速で撹拌すること、高速せん断乳化釜等を用いて、400〜1500rpmの中速から高速で撹拌すること等が挙げられるが、特に限定されるものではない。プロセスチーズ類の製造において、一般的に低速せん断乳化釜を用いた場合には、乳化が弱く大きな脂肪球が存在するため、熱や圧力に対して弱い組織となる傾向があり、高速せん断乳化釜を用いた場合には、乳化が強く小さな脂肪球を形成し、タンパク質によるネットワーク形成がなされるため、硬く熱に対して溶けにくい傾向があるため、本発明品が良好な熱溶融性と糸引き性を有するためには、低速せん断乳化機の使用が望ましい。また、一般的に水分が増加するほど、包材への付着性が高まる傾向があるが、本願発明では、加工デンプン、特に酸化デンプンを使用することによって、付着性を抑制できるものである。
(加熱時の糸引き性)
プロセスチーズ類15gを直径65mmのシャーレに採取し、500Wの電子レンジ(松下電器産業社製:NE-S1A)で30秒加熱した後、2mm規格のL字型六角レンチの短辺(16mm)がシャーレの底につくように溶融したプロセスチーズ類の中央部に入れて10cm/秒の速度で引き上げたときに、切断するまでにプロセスチーズ類が伸びた長さを測定した。その値が200mm以上を糸引き性が良好であるものとする。
なお、各原料の配合率については、原料チーズ配合率を100%とした時の外割%として配合率を記した。
熟度25%のチェダーチーズ6kgおよび熟度8%のゴーダチーズ4kgを原料ナチュラルチーズとして用い、粉砕、混合した。混合チーズ10kgを低速せん断乳化釜に投入し、これに溶融塩としてクエン酸ナトリウム50g(0.5%)、ポリリン酸ナトリウム20g(0.2%)、加工デンプンとしてファリネックスVA70C(松谷化学工業社)を50g(0.5%)、300g(3%)、600g(6%)添加した後、最終の水分含量が45重量%となるように水を添加し、80rpmで80℃まで加熱攪拌した。酸化デンプンの水和時間を考慮し、80rpm、80℃にて2分間保持した。加熱したチーズについては、350gカートンに充填し、5℃冷蔵庫で24時間以上冷却し、プロセスチーズを得た。
実施例1、比較例1で得られたプロセスチーズ類の乳化仕上がり時の状態、冷却後の剥離性評価について、以下の方法で試験を行った。
(1) 乳化仕上り時の粘度
乳化時の加熱攪拌、保持後の粘度を測定した。粘度測定は高粘度用のビスコテスター(VT−04)を使用し、回転数は62.5rpm、2号ローターを用い、乳化、保持後の温度である約80℃で測定した。
(2) 冷却後の剥離性
冷却後のプロセスチーズを切り出し、サンプルチーズとカートン内フィルムとの剥離性について評価した。
(3) 糸引き性評価
プロセスチーズ類15gを直径65mmのシャーレに採取し、500Wの電子レンジ(松下電器産業社製:NE−S1A)で30秒加熱した後、2mm規格のL字型六角レンチの短辺(16mm)がシャーレの底につくように溶融したプロセスチーズ類の中央部に入れて10cm/秒の速度で引き上げたときに、切断するまでにプロセスチーズ類が伸びた長さを測定した。その値が200mm以上を糸引き性が良好であるものとする。その結果を表1に示す。
熟度25%のチェダーチーズ6kgおよび熟度8%のゴーダチーズ4kgを原料ナチュラルチーズとして用い、粉砕、混合した。混合チーズ10kgを低速せん断乳化釜に投入し、これに溶融塩としてクエン酸ナトリウム50g(0.5%)、ポリリン酸ナトリウム150g(1.5%)、酸化デンプンとしてとり粉梅SM(松谷化学工業社)を300g(3%)添加した後、最終の水分含量が47重量%となるように水を添加し、80rpmで80℃まで加熱攪拌した。酸化デンプンの水和時間を考慮し、80rpm、80℃にて2分間保持した。加熱したチーズについては、350gカートンに充填し、5℃冷蔵庫で24時間以上冷却し、プロセスチーズを得た。
実施例2、比較例2で得られたプロセスチーズ類の乳化仕上がり時の状態、冷却後の剥離性評価について、試験例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。
熟度25%のチェダーチーズ6kgおよび熟度8%のゴーダチーズ4kgを原料ナチュラルチーズとして用い、粉砕、混合した。混合チーズ10kgを低速せん断乳化釜に投入し、これに溶融塩としてクエン酸ナトリウム20g(0.2%)、200g(2.0%)、酸化デンプンとしてとり粉梅SM(松谷化学工業社)を300g(3%)添加した後、最終の水分含量が47重量%となるように水を添加し、80rpmで80℃まで加熱攪拌した。酸化デンプンの水和時間を考慮し、80rpm、80℃にて2分間保持した。加熱したチーズについては、350gカートンに充填し、5℃冷蔵庫で24時間以上冷却し、プロセスチーズを得た。
実施例3、比較例3で得られたプロセスチーズ類の乳化仕上がり時の状態、冷却後の剥離性評価について、試験例1と同様に実施した。結果を表3に示す。
熟度25%のチェダーチーズ6kgおよび熟度8%のゴーダチーズ4kgを原料ナチュラルチーズとして用い、粉砕、混合した。混合チーズ10kgを低速せん断乳化釜に投入し、これに溶融塩としてモノリン酸ナトリウム20g(0.2%)、200g(2.0%)、酸化デンプンとしてとり粉梅SM(松谷化学工業社)を300g(3%)添加した後、最終の水分含量が47重量%となるように水を添加し、80rpmで80℃まで加熱攪拌した。酸化デンプンの水和時間を考慮し、80rpm、80℃にて2分間保持した。加熱したチーズについては、350gカートンに充填し、5℃冷蔵庫で24時間以上冷却し、プロセスチーズを得た。
実施例4、比較例4で得られたプロセスチーズ類の乳化仕上がり時の状態、冷却後の剥離性評価について、試験例1と同様に実施した。結果を表4に示す。
Claims (4)
- 酸化デンプンと、溶融塩としてクエン酸塩、モノリン酸塩、ポリリン酸塩から選択されるいずれか1種以上を含有することを特徴とするプロセスチーズ類。
- 前記溶融塩の配合量が、原料チーズ類の0.5%〜1.5%以下であることを特徴とする請求項1記載のプロセスチーズ類。
- 前記ポリリン酸塩の配合量が、原料チーズ類の1.0%未満であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプロセスチーズ類。
- 前記酸化デンプンの配合量が0.5〜6.0%であることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のプロセスチーズ類。
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