JP2012177429A - ロールネック用円すいころ軸受 - Google Patents

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裕樹 坂口
Yoichi Matsumoto
洋一 松本
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直也 瀬野
Yasunobu Fujita
安伸 藤田
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Abstract

【課題】内部に水が浸入する可能性が高い環境下で使用される円すいころ軸受の長寿命化を図ることができるロールネック用円すいころ軸受を提供する。
【解決手段】ロールネック用円すいころ軸受10は、内周面に軌道面11a,12aが設けられる複数の外輪11,12と、外周面に軌道面13a,14aが設けられる複数の内輪13,14と、軌道面11a,12aと軌道面13a,14aとの間に配置される複数の円すいころ15と、を備え、円すいころ15の軸方向長さLと円すいころ15の大径側端部15aの直径Dとの関係が、L<Dに設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロールネック用円すいころ軸受に関し、より詳細には、鉄鋼設備の圧延機に好適に使用されるロールネック用円すいころ軸受に関する。
鉄鋼圧延機のロールネックに使用される円すいころ軸受は、温度変化が激しく、且つ水等の流体がかかる可能性がある厳しい環境下において使用されるため、軸受内部への水の浸入によって潤滑状態が低下し、その多くは、外輪が損傷を受けるなどによって軸受寿命が短くなる傾向がある。
そこで、従来、ロールネックに使用される円すいころ軸受としては、複列円すいころ軸受の内輪間座の外周に間座凹部を設け、内輪間座の外周側の空間に充填されるグリース量を増やすと共に、間座凹部と外輪の内周側との間に、グリース保持部材を配置して、軸受軌道面側に供給されるグリース量を抑制して、グリースを効率的に供給することによって、軸受の長寿命化を図ったものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、圧延機用ロールネック軸受の外輪間座の内周に、内径側に向かって延びる突出壁を設け、ポンプ作用によって外輪の小径側から大径側へ流れる潤滑剤を、突出壁にぶつけて内輪の大鍔部側へ戻して補給するようにした複列ころ軸受が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−240896号公報 特開2003−65344号公報
ところで、本願発明の発明者らは、鉄鋼圧延機のロールネックに使用される円すいころ軸受に関して、その潤滑状態が低下する具体的過程について鋭意研究を行った。その結果、本発明者らは、かかるロールネック用円すいころ軸受では、内輪の大鍔部が円すいころの大径側端部から高い接触面圧を受けながら円すいころを案内する状態でこの大鍔部に水がかかると、この接触面の摩擦係数が増加して、接触面の潤滑状態が不良となり発熱し、結果として軸受温度が上昇して、軸受寿命が短くなる傾向があることを見出した。
しかしながら、上記特許文献1,2に記載の円すいころ軸受では、軸受内部に水が浸入する可能性が高い環境下における上記潤滑不良による発熱についてはなんら考慮されていなかった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部に水が浸入する可能性が高い環境下で使用される円すいころ軸受の長寿命化を図ることができるロールネック用円すいころ軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)内周面に軌道面が設けられる複数の外輪と、外周面に軌道面が設けられる複数の内輪と、外輪の軌道面と内輪の軌道面との間に配置される複数の円すいころと、を備えるロールネック用円すいころ軸受であって、円すいころの軸方向長さLと円すいころの大径側端部の直径Dとの関係が、L<Dに設定されることを特徴とするロールネック用円すいころ軸受。
(2)円すいころ軸受は、4列円すいころ軸受であることを特徴とする(1)に記載のロールネック用円すいころ軸受。
(3)鉄鋼圧延機のロールネックに装着されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のロールネック用円すいころ軸受。
本発明によれば、円すいころの軸方向長さLと円すいころの大径側端部の直径Dとの関係が、L<Dに設定されるため、円すいころの大径側端部の直径Dを円すいころの軸方向長さLよりも大きくして、軸受内部に浸入した水から内輪の大鍔部を遠ざけることができる。これにより、内輪の大鍔部と円すいころとの間の潤滑状態を良好に保つことができるので、円すいころ軸受の長寿命化を図ることができる。また、単純に円すいころのころ径のみを大きくすると、軸受の動定格荷重が大きくなり、逆に発熱が大きくなってしまうが、円すいころの軸方向長さLを円すいころの大径側端部の直径Dよりも小さくすることで、発熱を抑制することができる。
本発明に係るロールネック用円すいころ軸受の一実施形態を説明する要部断面図である。 図1に示すa列の円すいころの周辺の拡大断面図である。 比較試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明に係るロールネック用円すいころ軸受の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態のロールネック用円すいころ軸受(以下、「円すいころ軸受」とも言う)10は、図1に示すように、4列円すいころ軸受であり、一対の外輪11及び複列外輪(外輪)12と、一対の複列内輪(内輪)13,14と、各外輪11,12の軌道面11a,12aと各内輪13,14の軌道面13a,14aとの間にそれぞれ配置され、保持器16によって回動自在に保持される複数の円すいころ15と、を備える。
また、軸方向中央に配置される複列外輪12と、その軸方向両側に配置される外輪11との間には、外輪間座17がそれぞれ配置されており、一対の外輪11及び複列外輪12の軸方向の位置決めが行われている。
また、複列内輪13,14の中央部には大鍔部21がそれぞれ形成されており、複列内輪13,14の両端部には小鍔部13c,13d,14c,14dがそれぞれ形成されている。そして、軸受使用時においては、円すいころ15は、小鍔部13c,13d,14c,14dと大鍔部21に案内されながら各軌道面11a,12a,13a,14a上を転動する。
なお、複列外輪12は、単列の外輪を2個使用してもよい。また、外輪間座17は、外輪11,12の幅を広くすることより設けなくてもよい。また、円すいころ軸受10の素材は、軸受鋼や浸炭鋼など、焼入れが可能であれば、使用される鋼類は限定されない。そして、複列内輪13,14と、外輪11及び複列外輪12と、円すいころ15は、素材を旋削加工して仕上げ寸法に取りしろを含める寸法に切り出され、その後、これら素材を熱処理により硬さを付与して軸受に必要な強度とし、引き続き研削加工により最終寸法に仕上げるとよい。さらに、保持器16は、熱間圧延鋼板を深絞り加工した後に、複数の円すいころ15がそれぞれ配置される不図示の複数のポケット部が周方向に亘って形成される。また、円すいころ軸受10の潤滑は、軸受内空間に所定量充填されるグリースで行われる。
そして、本実施形態の円すいころ軸受10では、a列〜d列の各列において、図2に示すように、円すいころ15の軸方向長さLと円すいころ15の大径側端部15aの直径Dとの関係が、L<Dに設定されている。
以上説明したように、本実施形態のロールネック用円すいころ軸受10によれば、円すいころ15の軸方向長さLと円すいころ15の大径側端部15aの直径Dとの関係が、L<Dに設定されるため、円すいころ15の大径側端部15aの直径Dを円すいころ15の軸方向長さLよりも大きくして、軸受内部に浸入した水から内輪13,14の大鍔部21を遠ざけることができる。これにより、内輪13,14の大鍔部21と円すいころ15との間の潤滑状態を良好に保つことができるので、円すいころ軸受10の長寿命化を図ることができる。また、単純に円すいころ15のころ径のみを大きくすると、軸受の動定格荷重が大きくなり、逆に発熱が大きくなってしまうが、円すいころ15の軸方向長さLを円すいころ15の大径側端部15aの直径Dよりも小さくすることで、発熱を抑制することができる。
また、鉄鋼圧延機のロールネック用円すいころ軸受は、温度変化が激しく、且つ水等の流体がかかる厳しい環境下において使用されるため、軸受内部への水の浸入によって潤滑状態が低下し、軸受寿命が短くなる傾向があるが、本実施形態の円すいころ軸受10を適用することにより、前述のように、水の浸入の影響を受け難くして、潤滑状態を良好に保つことができ、軸受の長寿命化を図ることができる。
また、本実施形態のロールネック用円すいころ軸受10によれば、円すいころ軸受10が4列円すいころ軸受であるため、鉄鋼圧延機のロールネックに好適に使用することができ、圧延作業を効率的に行うことができる。
本発明の効果を確認するために、各種軸受仕様の4列円すいころ軸受を試作し、本発明の実施例と比較例との比較試験を行った。実施例及び比較例で用いた試験軸受の素材は、同じ溶解チャージ、同素材形状で製造した。即ち、素材は、電炉で溶解、2次精錬後、連続鋳造機で鋳造して圧延された材料を使用した。また、実施例及び比較例の円すいころの寸法は、素材を旋削加工する際に所望の寸法とした。さらに、試験機の軸受ハウジングと軸は、圧延機実機で使用されるクリアランスに合わせて外輪、内輪ともにすきま嵌めとした。そして、本試験で使用する軸受の基本動定格荷重はいずれも一定値とした。
21個の4列円すいころ軸受(No.1〜No.21)を試作して、比較試験を行なった。No.1〜No.16は本発明の実施例であり、No.17〜No.21は比較例である。そして、この比較試験で用いた各軸受の共通軸受仕様は、下記の通りであり、各軸受の個別の軸受仕様を表1に示す。なお、表1には、円すいころの大径側端部の直径(以下、「ころ径」とも言う)D、円すいころの軸方向長さ(以下、「ころ長さ」とも言う)L、ころ径ところ長さとの比L/D、動定格荷重、ころ径と断面高さとの比D/H、及び後述する各軸受の試験結果である定格疲れ寿命比が示されている。
[共通軸受仕様]
呼び番号:343KV4555
外輪外径:φ457.098mm
内輪内径:φ343.052mm
断面高さ(H):57.023mm{(外輪外径−内輪内径)/2}
ころPCD:412mm
材料:軌道輪、ころ共に、SAE9315(C:0.13〜0.18wt%、Si:0.15〜0.35wt%、Mn:0.45〜0.65wt%、Ni:3.00〜3.50wt%、Cr:1.00〜1.40wt%、Mo:0.08〜0.15wt%)
熱処理:軌道輪、ころ共に、浸炭焼入れ
表面硬さ:HRC60〜64
表面粗さ:軌道輪0.15μRa、ころ0.20μRa
基本動定格荷重:2170000N
Figure 2012177429
また、比較試験は、下記に示す試験条件で回転させ各々1個ずつ行った。また、各軸受の効果検証は、外輪軌道面のフレーキングの異常判定により行なった。具体的には、外輪軌道面のフレーキングによる試験終了の判定を軸受ハウジングに配置した検出振動が初期値の2倍となる時点とし、この時点で試験を中断する。そして、その後、外輪軌道面のフレーキングの有無の判断を目視で確認し、異常判定を行なった。このように異常判定した試験結果を表1及び図3に示す。図3には、ころ長さLところ径Dとの比L/Dと定格疲れ寿命比との関係が示される。なお、各軸受とも、内輪及び円すいころのフレーキングは発生しなかった。
[試験条件]
ラジアル荷重Fr:650000N
内輪回転数:1,000min−1
潤滑油:パルマックスRBG(協同油脂株式会社製、比重:0.92g/cm
グリース量:1300g
軸受内部への注水量:360cc/h
次に、比較試験の結果について考察する。比較試験では、軸受の基本動定格荷重を一定にしているため、図3の破線で示すように、良好な潤滑状態での転がり疲れ寿命(定格疲れ寿命)は常に一定値を示すはずである。しかしながら、ロールネック用円すいころ軸受は、水が浸入する可能性が高い環境下で使用されるので、基本動定格荷重と良好な潤滑状態での転がり疲れ寿命とは相関しない。
本発明では、ころ径Dを大きくし、且つころ長さLところ径Dとの関係をL<Dに設定するので、軸受内部に浸入した水から内輪の大鍔部を遠ざけることができる。これにより、表1及び図3に示すように、内輪の大鍔部と円すいころとの間の潤滑状態を良好に保ち、軸受の発熱を抑制することができるので、円すいころ軸受の長寿命化を図ることができるとわかった。
そして、本発明の実施例(No.1〜No.16)では、ころ長さLところ径Dとの関係をL≦D、即ち、L/D≦1.0に設定されるため、比較例(No.17〜No.21)と比較して明らかに長寿命であることが確認できた。また、図3に示すように、本発明の効果が発揮されるL/Dの設定範囲としては、L/D≦0.95が好ましく、L/D≦0.85がより好ましいことがわかった。また、例えば、No.16の軸受はL/D=0.69に設定されるが、この値よりL/Dが小さく設定されると、極端にころ径Dが大きく、ころ長さLが短くなり、円すいころの製造が困難になることから、L/Dの下限値は0.69であることが好ましい。
また、本発明では、ころ径Dところ長さLの関係をL<Dに設定するが、ころ径Dところ長さLの関係を維持しつつ、ころ径Dを際限なく大きくすれば良いというわけではなく、実施例の軸受No.1〜No.16のように、軸受の断面高さHところ径Dの比(D/H)に対して、0.57≦D/H≦0.76を満足することが好ましい。D/H<0.57に設定されると、必要動定格荷重とL<Dの関係の両方を満足することができない。一方、D/H>0.76に設定されると、今度は軌道輪が薄くなり、軸受使用中に変形してしまう可能性がある。
一方、比較例の軸受No.17〜No.21は、図3に示すように、ころ長さLところ径Dとの関係が、L<Dの関係を満足していないため、軸受寿命は定格疲れ寿命を満足しなかった。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では、円すいころ軸受10は、4列円すいころ軸受として説明したが、これに限定されず、2列円すいころ軸受、6列円すいころ軸受、あるいは8列円すいころ軸受などの複列円すいころ軸受であればよく、同様の効果を奏する。
また、上記実施形態では、本発明の円すいころ軸受10を鉄鋼圧延機に適用する場合を例示したが、これに限定されず、大量の水がかかる厳しい環境下で使用される各種装置に本発明の円すいころ軸受を適用してもよい。
10 ロールネック用円すいころ軸受
11 外輪
11a 軌道面
12 複列外輪(外輪)
12a 軌道面
13 複列内輪(内輪)
13a 軌道面
14 複列内輪(内輪)
14a 軌道面
15 円すいころ
15a 円すいころの大径側端部
L 円すいころの軸方向長さ
D 円すいころの大径側端部の直径

Claims (3)

  1. 内周面に軌道面が設けられる複数の外輪と、外周面に軌道面が設けられる複数の内輪と、前記外輪の前記軌道面と前記内輪の前記軌道面との間に配置される複数の円すいころと、を備えるロールネック用円すいころ軸受であって、
    前記円すいころの軸方向長さLと前記円すいころの大径側端部の直径Dとの関係が、L<Dに設定されることを特徴とするロールネック用円すいころ軸受。
  2. 前記円すいころ軸受は、4列円すいころ軸受であることを特徴とする請求項1に記載のロールネック用円すいころ軸受。
  3. 鉄鋼圧延機のロールネックに装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載のロールネック用円すいころ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014211230A (ja) * 2012-12-25 2014-11-13 日本精工株式会社 円錐ころ軸受
US9995341B2 (en) 2013-04-04 2018-06-12 Nsk Ltd. Resin cage for tapered roller bearing and tapered roller bearing including the resin cage
US10302131B2 (en) 2012-12-25 2019-05-28 Nsk Ltd. Tapered roller bearing

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