JP2012177499A - 磁気式温度調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換効率を向上できるようにした磁気式温度調整装置を提供する。
【解決手段】高保磁力磁石、または、巻線が巻回された磁気コア、または、高保磁力磁石および巻線が巻回された磁気コアの両者を具備し所定ギャップに磁界を発生する磁界発生部と、前記磁界発生部による印加磁界の変化により温度変化する磁気熱量材が充填された断熱性の熱交換容器を備え当該熱交換容器内の磁気熱量材に媒体を流動させることにより熱交換する熱交換器とを備え、前記磁気熱量材は、前記熱交換容器を貫通して前記磁界発生部の前記所定ギャップ間を接続する板状または針状に形成されている磁気式温度調整装置を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、磁気熱量効果を利用して熱交換を行う磁気式温度調整装置に関する。
この種の磁気熱量効果を利用して熱交換を行い温度調整する技術が供されている。この技術は、磁場発生器を作動させて磁気熱量材に磁場を印加し磁気熱量材の磁気エントロピーを増減させることにより、磁気熱量材に放熱、吸熱させて磁気熱量効果を生じさせ、これに応じて磁気熱量材に媒体(例えば水)を通じて温度を調整する技術である。この技術を用いると、従来から問題となっているフロンや代替フロンによる冷媒気体の圧縮−膨張サイクルを用いることなく熱交換できるため、オゾン層保護や地球温暖化防止などに貢献できる。
この磁気熱量効果を利用して熱交換を行うときには、例えば鉄心に巻回された巻線または高保磁力永久磁石を組み合わせて磁気回路を構成し、磁気熱量材に印加する磁場の強弱を切り替え、そして磁気回路の切替に応じて磁気熱量材に接触して流動する媒体をポンプで流動させることで温熱と冷熱を分離できる。
しかし、磁気熱量材に対し効率的に磁界を印加できないと熱交換効率が劣ってしまう。また、磁気熱量材を充填する熱交換容器の材料によっては分離した熱が分散してしまい、冷熱と温熱とを効率良く分離できず熱交換効率が劣ってしまう。
特開2004−317040号公報 特開2010−112606号公報 米国特許7644588号明細書
熱交換効率を向上できるようにした磁気式温度調整装置を提供する。
実施形態は、高保磁力磁石、または、巻線が巻回された磁気コア、または、高保磁力磁石および巻線が巻回された磁気コアの両者を具備し所定ギャップに磁界を発生する磁界発生部と、前記磁界発生部による印加磁界の変化により温度変化する磁気熱量材が充填された断熱性の熱交換容器を備え当該熱交換容器内の磁気熱量材に媒体を流動させることにより熱交換する熱交換器とを備え、前記磁気熱量材は、前記熱交換容器を貫通して前記磁界発生部の前記所定ギャップ間を接続する板状または針状に形成されていることを特徴としている。
また、別の実施形態は、高保磁力磁石、または、巻線が巻回された磁気コア、または、高保磁力磁石および巻線が巻回された磁気コアの両者を具備し所定ギャップに磁界を発生する磁界発生部と、前記磁界発生部による印加磁界の変化により温度変化する磁気熱量材が充填された断熱性の熱交換容器を備え当該熱交換容器内の磁気熱量材に媒体を流動させることにより熱交換する熱交換器とを備え、前記熱交換容器は、そのほぼ全体が断熱性材料により構成されると共に前記磁界発生部に接触する部位に伝熱性の金属が配設され、前記磁気熱量材は、板状または針状に形成され、前記熱交換容器の伝熱性の金属と共に前記磁界発生部の所定ギャップを接続して形成されていることを特徴としている。
第1の実施形態の説明図((a)冷却装置の内部構造を概略的に示す全体図、(b)熱交換器の熱交換用媒体の流動経路を概略的に示す図) (a)は図1のA−A線に沿う断面構造を概略的に示す断面図、(b)は熱交換容器中の針状の磁気熱量材の配設状態を概略的に示す構造図、(c)は熱交換容器中の板状の磁気熱量材の配設状態を概略的に示す構造図 磁気回路を概略的に示す説明図 熱交換処理時の巻線に対する通電タイミングと磁気熱量材の印加磁場の時間的変化と熱輸送タイミングとを概略的に示すタイミングチャート 第2の実施形態について示す図2相当図 媒体の流動方向に沿って示す熱交換容器内の拡大図 第3の実施形態について示す磁気コアと磁気熱量材の接触部分の拡大図 第4の実施形態について示す熱輸送経路を模式的に表す説明図
(第1の実施形態)
本実施形態は、高保磁力磁石および巻線が巻回された磁気コアの両者を具備し所定ギャップに磁界を発生する磁界発生部と、磁界発生部による印加磁界の変化により温度変化する磁気熱量材が充填された断熱性の熱交換容器を備え当該熱交換容器内に媒体を流動させることにより熱交換する熱交換器とを備え、磁気熱量材は、熱交換容器を貫通して磁界発生部の所定ギャップ間を接続する板状または針状に形成されている点を特徴としている。
以下、冷却装置に適用した第1の実施形態について図1ないし図4を参照しながら説明する。図1(a)は、冷却装置の全体図を概略的に示しており、図1(b)は、熱交換器の媒体の流動(移動)経路を概略的に示している。なお、図中のX方向、Y方向、Z方向は互いに3次元的に交差する方向(直交交差方向)を示しており、特に断らない限り図1(a)中の右方向をX方向の正方向、左方向をX方向の負方向、上方向をY方向の正方向、下方向をY方向の負方向と規定し、図面の掲載面の手前方向をZ方向の正方向、掲載面の奥行方向をZ方向の負方向と規定する。
この磁気式温度調整装置としての冷却装置1はAMR(蓄熱・再生型磁気冷凍法:Active Magnetic Refrigerator)サイクルを用いている。このAMRサイクルとは、磁気熱量材がその印加磁場の変化により繰り返し吸発熱し、それ自身が蓄熱器および再生器の役割を担うことにより1サイクルでの小さな温度変化を高温端および低温端において大きく拡大させる原理を用いたサイクルを示している。
図2(a)は、磁界発生部と磁気熱量材の配置関係を詳細に示すもので、図1(a)のA−A線に沿う断面図により示している。
図1(a)に示すように、冷却装置1は、ハウジング2内に配置された磁気コア3を主とした磁界発生部H、熱交換器4、ポンプ5、配管6等を備える。図2(a)に示すように、磁界発生部Hは、磁気コア3、高保磁力磁石7、低保磁力磁石8、巻線9、および当該巻線9に通電する電流印加回路10を備える。磁気コア3は、鉄、フェライトコアなどの磁性材料により構成されている。
低保磁力磁石8は、所定の保磁力を有する永久磁石(例えばアルニコ磁石)により構成されており、高保磁力磁石7は、例えば低保磁力磁石8よりも大きな保磁力(例えば2倍以上の保磁力)を備えた永久磁石(例えばFe(ネオジム)、Fe(鉄)、B(ホウ素)を原料としたネオジム磁石)により構成されている。
図2(a)の縦断面図に示すように、磁気コア3は、X方向に延伸した延伸部3aa、当該延伸部3aaのX方向両端に位置してZ方向の負方向に突設した突設部3ab、3adおよび当該突設部3ab、3ad間のX方向の中間部(例えば中央)に位置して突設部3ab、3adの突設方向と同一のZ方向に突設した突設部3acを備えたE型部3a、X方向に延伸したI型部3bを組み合わせて構成されている。E型部3aの中央の突設部3acには巻線9が巻回されている。
高保磁力磁石7、低保磁力磁石8、熱交換器4はこの順に所定の一方向(X方向)に互いに離間して配設されている。高保磁力磁石7、低保磁力磁石8の磁化方向は、Z方向の正方向(図3(a)参照)になるように設定されている。高保磁力磁石7の一端は突設部3abの突設端に磁気結合するように構造的に接続して構成されている。低保磁力磁石8の一端は突設部3acの突設端に磁気結合するように構造的に接続して構成されている。
高保磁力磁石7の他端は、磁気コア3のI型部3bの延伸部の一端3baと磁気結合するように構造的に接続して構成されている。低保磁力磁石8の磁化方向の他端は磁気コア3のI型部3bの延伸部の中央の中間部3bbと磁気結合するように構造的に接続して構成されている。
E型部3aの突設部3adの突設端とI型部3bの延伸部の他端3bcとの間の所定ギャップには、熱交換器4の一部をなすシリンダ11が熱交換容器として配設されている。このシリンダ11は多数の通孔を有するアクリルなどによって構成され,このシリンダ11内には磁気熱量材12が充填されている。
磁気熱量材12は、ガドリニウム(Gd)強磁性体、もしくは、ランタン−鉄−シリコン(La−Fe−Si)系化合物等の材料により構成される。これらの磁気熱量材12は、外部から磁界(磁場)を加えると温度が上昇し、磁界(磁場)を取り去るとその温度が下降する磁気熱量効果を有する材料である。
磁気熱量材12は、針状(一次元棒状)または板状(2次元平板状)に成形されている。図2(b)は、磁気熱量材12が針状に成形された例を示している。この図2(b)に示す例では、針状の磁気熱量材12は筒状に成形されており、その長手方向の両端部がシリンダ11の外壁面まで露出した状態でシリンダ11をZ方向に貫通して埋設される。
図2(c)は、磁気熱量材12が板状に成形された例を示している。図2(c)に示すように、板状の磁気熱量材12は二次元板状に成形されており、その板の長手方向の両端部がシリンダ11の外壁面まで露出した状態でシリンダ11をZ方向に貫通して埋設される。この板状の磁気熱量材12は例えば媒体13の流動方向(Y方向)に沿って平板状に形成されており、互いに所定間隔だけ離間して配設されている。
図1(a)に示すように、熱交換器4は、シリンダ11をY方向に配管6でポンプ5に接続して構成されている。図1(b)に示すように、この配管6の流通経路にはシリンダ11の一端側に冷熱部14が設けられており、シリンダ11の他端側に温熱部15が設けられている。ポンプ5は配管6を通じて媒体13を流通し、冷熱部14、温熱部15に流動し当該冷熱部14、温熱部15において熱交換する。媒体13は例えば水、不凍液などの液体であり多数の磁気熱量材12に接触しながらシリンダ11内を流動(流入/流出)する。
前述したように、磁気コア3の一部には巻線9が巻回されており、この巻線9には電流を通電する電流印加回路10が接続されている。電流印加回路10が低保磁力磁石8の残留磁化を変更することで、シリンダ11内の磁気熱量材12に印加する磁界を変更できる。図3は、このときの磁気回路の構成を概略的に示している。
電流印加回路10が巻線9に通電することで低保磁力磁石8をZ方向の正方向に磁化したときには、図3(a)の矢印に示すように磁気回路が構成される。すなわち、高保磁力磁石7がZ方向の正方向に磁界を発生すると共に、低保磁力磁石8もZ方向の正方向に磁界を発生する。このとき、これらの磁界はシリンダ11に対してZ方向の負方向に強められて当該シリンダ11内部の磁気熱量材12に与えられる。
逆に、電流印加回路10が巻線9に通電することで低保磁力磁石8をZ方向の負方向に磁化したときには、図3(b)の矢印に示すように磁気回路が構成される。すなわち、高保磁力磁石7がZ方向の正方向に磁界を発生すると共に、低保磁力磁石8がZ方向の負方向に磁界を発生する。このとき、これらの磁界はシリンダ11に対してはZ方向に互いに弱められることになり磁気熱量材12にはほとんど磁界が与えられない。すなわち、印加磁界をほぼ0とすることができる。
なお、高保磁力磁石7、低保磁力磁石8の残留磁化は、その厚さ、大きさ、材質などに応じて変更可能であり、当該パラメータを適宜変更して構成すると良い。また、巻線9の巻数は、シリンダ11内の印加磁界を変更するのに必要なアンペア・ターン数から適宜決定すると良い。
上記構成の動作について説明する。電流印加回路10が巻線9に適切な電流を通電することで、低保磁力磁石8周辺の磁界をZ方向の正方向に発生させることができるため、低保磁力磁石8のみ磁化方向を変更することができる。
図4は、熱交換処理時における磁気熱量材12の印加磁場の時間的変化と、熱輸送タイミングとを概略的に示している。この図4に示すように、電流印加回路10が巻線9にパルス状に通電し磁場を変化させると、磁気熱量材12には強い磁界が印加される。このとき電流印加回路10が通電を停止したとしても低保磁力磁石8の残留磁化は変化しないため、強い磁界がシリンダ11内の磁気熱量材12に与え続けられる。したがって、閉磁路を常時形成できるため、巻線9に常時電流を印加する構成に比較して消費電力を低減できる。
このとき、磁気熱量材12は、その粒子の格子系の電子スピンが磁場の方向にそろった状態になるため磁気エントロピーが小さくなり、エネルギーが格子系に与えられるようになり格子振動が激しくなり磁気熱量材12の温度が上昇することで温熱を発生する。その後、ポンプ5は、配管6を通じて媒体13をシリンダ11の通孔から磁気熱量材12の充填領域内に流通させることにより、磁気熱量材12に生じる温熱を温熱部15に輸送する。
その後、電流印加回路10が巻線9に対し逆方向にパルス状に通電し磁場を変化させると、低保磁力磁石8と高保磁力磁石7の磁界が打ち消されることになり、磁気熱量材12の印加磁界が弱められシリンダ11中に磁界は生じなくなる。
磁気熱量材12に与えられる磁束密度が減少する(例えば0T)ため、磁気熱量材12はその粒子の格子系の電子スピンがランダムな向きの状態をとり磁気エントロピーが大きくなり、磁気熱量材12は吸熱することで冷却される。その後、ポンプ5は、配管6を通じて媒体13をシリンダ11の通孔から排出することにより磁気熱量材12に生じる冷熱を冷熱部14に輸送できる。このような温熱輸送/冷熱輸送の熱サイクルが所定時間(例えば約1秒程度)毎に繰り返されることで温熱/冷熱を効率よく輸送することができる。
さて、前述の図2(b)に示したように、針状の磁気熱量材12がシリンダ11を貫通して埋設されていたとしても、または図2(c)に示したように板状の磁気熱量材12がシリンダ11を貫通して埋設されていたとしても、その磁気熱量材12の長手方向の両端部がシリンダ11の外壁面まで露出した状態でシリンダ11に固着して形成されているため、磁気熱量材12は磁界発生部を構成する磁気コア3の鉄心端部に直接接触する。したがって、磁気コア3と磁気熱量材12との間に他の常磁性材料(シリンダ11の材料であるアクリル)などが介在することがなくなり、シリンダ11内に磁界を印加したときには、磁気熱量材12の印加磁界をより強めることができる。
発明者らのシミュレーション結果によれば、シリンダ11の材料であるアクリルを介在して磁気熱量材12に磁界を印加した場合と、本実施形態の構造で磁界を印加した場合とを比較すると、磁気熱量材12のZ方向中心部分において磁束密度が1.35倍に高められることが確認されている。
したがって、シリンダ11中の印加磁界を従来と同一とした場合であっても、従来に比較して磁気熱量材12に印加する磁界を強めることができる。磁気熱量材12の印加磁界が強められると粒子の格子系の電子スピンが磁場の方向により揃うため磁気エントロピーがより小さくなり、より格子振動が激しくなる。したがって、温熱の発生効率が向上する。これにより、1サイクルの温熱/吸熱の温度差を向上でき、これにより熱交換効率を向上できる。
本実施形態によれば、磁気熱量材12が、シリンダ11の外壁を貫通して磁界発生部Hの磁気コア3に直接接触して接続する針状または板状に形成されているため、磁気熱量材12に対する印加磁界を高めることができ、これにより熱交換効率を向上できる。
(第2の実施形態)
図5および図6は、第2の実施形態を示している。本実施形態においては、熱交換容器は、そのほぼ全体が断熱性材料により構成されると共に磁界発生部に接触する部分に強磁性体が一体に配設され、磁気熱量材は、板状または針状に形成され、熱交換容器に一体の強磁性体と共に磁界発生部の所定ギャップを接続して形成されているところに特徴を備えている。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
図5(a)〜図5(c)に示すように、熱交換容器としてのシリンダ11に代わるシリンダ16は、ほぼ全体がアクリルなどの常磁性体により構成され、シリンダ16内には前述実施形態と同様に磁気熱量材12が充填されている。シリンダ16は、その一部に高伝熱性の強磁性体17が貫通して配設された構造となっている。この強磁性体17は例えば鉄により構成され、シリンダ16の外壁と内壁の間に一体に埋設され当該外壁および内壁間を貫通してシリンダ16の一部を構成している。磁気熱量材12は、前述実施形態と同様に針状(図5(b)参照)または板状(図5(c)参照)に成形されている。なお、図6は、媒体の流動方向(Y方向)に沿う拡大断面図を示している。
図5(b)に示すように、磁気熱量材12が複数の針状に成形されているときには、これらの複数の針状の磁気熱量材12は、その両端部が強磁性体17の内端と接触した構造となっている。また、図5(c)に示すように、磁気熱量材12が複数の板状に成形されているときには、これらの複数の板状の磁気熱量材12は、その両端部が強磁性体17の内端と接触した構造となっている。すると、従来構造と比較しても前述実施形態の図2の構造に比較しても磁気熱量材12に対する印加磁界を強めることができる。
発明者らのシミュレーション結果によれば、シリンダ11の材料であるアクリルを介在して磁気熱量材12に磁界を印加した場合と、本実施形態の構造で磁界を印加した場合とを比較すると、磁気熱量材12のZ方向中心部分において磁束密度が1.60倍に高められることが確認されている。
したがって、磁気コア3が発生する磁界を従来と同一とした場合であっても、従来に比較して磁気熱量材12の印加磁界を強めることができ、前述実施形態と同一作用によって熱交換効率を向上できる。
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態を示している。第1または第2の実施形態と異なるところは、本実施形態では、磁界発生部は、その磁界発生方向に向けて突起した突起部を備え、当該突起部が磁気熱量材と接触した構造をなしているところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
本実施形態では第1の実施形態の変形例と第2の実施形態の変形例の2つの例を示す。
<第1の実施形態の変形例>
第1の実施形態では、磁気熱量材12がシリンダ11を貫通して配置されている実施形態を示しているが、当該第1の実施形態では、磁気コア3の端面が平坦面に形成されており、磁気コア3はこの平坦面にて全ての磁気熱量材12と接触するように構成されている。本実施形態の一例ではこの接触構造に代えて図7(a)に示す構造を適用している。
図7(a)に示すように、磁気コア3の突設部3adはその先端に複数の突起部3zを一体に備えている。磁気熱量材12はそれぞれシリンダ11を貫通した構造をなしているが、磁気コア3の先端の突起部3zが磁気熱量材12の長手方向の端部と接触して構成されている。このような構造を適用すると、磁気コア3の突設部3adを通じた印加磁界が突起部3zに集中するようになり、磁気熱量材12に磁界が導かれやすくなる。したがって、磁気熱量材12に与えられる印加磁界をより強めることができる。
<第2の実施形態の変形例>
また、第2の実施形態では、強磁性体17がシリンダ16の内壁および外壁間を貫通した構造を示しているが、当該第2の実施形態では、磁気コア3の端面が平坦面に形成されており、磁気コア3はこの平坦面にて全ての磁気熱量材12と接触するように構成されている。本実施形態ではこの接触構造に代えて図7(b)に示す構造を適用している。
図7(b)に示すように、磁気コア3の突設部3adは複数の突起部3zを一体に備えており、これらの突起部3zが強磁性体17に代えて設けられている。すなわち、磁気コア3の突起部3zはシリンダ16の内壁および外壁間を貫通した構造をなし、突起部3zの端部はシリンダ16の内壁に面一な構造となっている。磁気熱量材12の長手方向の端部が磁気コア3の突起部3zと接触するように構成されている。
このような構造を適用しても、磁気コア3を通じて発生する印加磁界が突起部3zに集中するようになり、磁気熱量材12に磁界が導かれやすくなる。したがって、磁気熱量材12の印加磁界をより強めることができる。したがって、前述実施形態とほぼ同様の作用効果が得られると共により強い磁界を磁気熱量材12に印加することができる。これにより、前述実施形態と同様に熱交換効率を向上できる。
(第4の実施形態)
図8(a)〜図8(c)は、第4の実施形態を示している。本実施形態では、熱交換容器が、媒体の移動方向に沿う少なくとも一部が断熱材により構成され、熱交換容器に対する磁界印加位置に強磁性体を設けた実施形態を示す。
前述実施形態に示したように、温熱/冷熱を分離するときには、媒体13を互いに逆方向に流動させて冷熱と温熱を分離する。この場合、温熱/冷熱の分離効率が熱変換処理における重要なパラメータとなる。本実施形態では、温熱/冷熱の分離効率を向上させたシリンダの構造を示す。
図8(b)、図8(c)は比較対象構造を示しているが、例えば図8(b)に示すように、磁気熱量材12が充填されるシリンダ18が例えば鉄(Fe)などの強磁性体により構成されていれば、磁気熱量材12に対するZ方向の外部印加磁界を強めることができると考えられる。この場合、シリンダ18の全体が媒体13の流動方向に沿って強磁性体19により構成されていると、媒体13がシリンダ18内を流動するときには当該シリンダ18を構成する強磁性体19が熱伝動性の高い材質であるため、たとえ冷熱/温熱を互いに逆方向に分離したとしても強磁性体19を伝わり均熱化される。逆に図8(c)に示すように、シリンダ20の全体が断熱材21により構成されていると、媒体13の移動方向に均熱化されにくくなるが、Z方向の印加磁界が弱められる。
そこで、図8(a)に示すように、シリンダ22が強磁性体(伝熱性の金属)19とアクリルなどの断熱材21と交互に配設された構造によって構成されていると、断熱材21の作用によりY方向に熱伝動しにくくなり均熱化されにくくなる。しかも、強磁性体19がシリンダ22の内壁および外壁を貫通して配設されているため、外部印加磁界を強めることもでき、熱交換効率を向上できる。
したがって、シリンダ22の構造としては、媒体12の移動方向に沿って少なくとも一部に断熱材21を設け、その他の部分に強磁性体19を設けた構造を適用すると良い。なお、実用性を考慮すると、特に、シリンダ22が強磁性体19と断熱材21の交互配設構造により構成されていると良い。すると、温熱/冷熱を分離した熱の均熱化が抑制できると共に、熱交換効率を向上できるという相乗効果を奏する。
(他の実施形態)
前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
前述実施形態では、磁気コア3と高保磁力磁石7と低保磁力磁石8とを組み合わせることで、シリンダ11内の磁気熱量材12に磁界を印加する実施形態を示したが、磁界発生部Hは必要な磁力を確保できれば巻線9が巻回された磁性コア3のみで構成しても良く、また、低保磁力磁石8を設けずに高保磁力磁石7により磁気熱量材12に磁界を印加し、当該高保磁力磁石7を機械的に移動して磁界を印加したり消去したりする態様に適用しても良い。すなわち、磁界発生部Hが所定ギャップに高磁界を印加したり消去したりできれば何れの態様で構成しても良い。
媒体13としては、水が最も比熱が高く安価であるため適している。なお、0℃以下の温度では鉱油またはシリコン等のオイル系の媒体、不凍液、エチレングリコール等のアルコール類などの溶剤系媒体を適用できる。また、熱交換サイクルの動作温度領域に合わせて、オイル系の媒体、溶剤系の媒体、水やこれらの混合液などを適宜選択できる。
冷却装置1に適用した実施形態を示したが、暖房装置、冷暖房装置、例えば家庭用冷蔵庫、漁船用冷凍庫、家庭用空調機、産業用冷凍冷蔵庫、大型冷凍冷蔵倉庫、液化ガス貯蔵・運搬用冷凍庫、家庭用空調機、産業用空調機等に適用できる。それぞれ、適用場所に応じて必要な冷凍能力や制御温度領域が異なり、磁気熱量材12の使用量に応じて冷凍能力を可変させることができる。さらに、制御温度領域については、磁気熱量材12の材質を制御することで磁気転移温度を可変させることができるため、特定の温度域に合わせることができる。
磁気熱量効果を有する磁気熱量材12の材質は特に限られるものではない。例えばガドリニウム(Gd)、ランタン−鉄−シリコン(La−Fe−Si)系化合物等の材料に限定されるものではなく、ガドリニウム(Gd)に各種元素を混合したガドリニウム(Gd)化合物、各種希土類元素と遷移金属元素からなる金属間化合物などの磁気熱量材を適用しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、各実施形態に示した構成、各種条件に限定されることはなく、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は冷凍装置(磁気式温度調整装置)、3は磁気コア、3zは突起部、4は熱交換器、9は巻線、11、16、18、20、22はシリンダ(熱交換容器)、12は磁気熱量材、13は媒体、19は強磁性体、21は断熱材、Hは磁界発生部を示す。

Claims (5)

  1. 高保磁力磁石、または、巻線が巻回された磁気コア、または、高保磁力磁石および巻線が巻回された磁気コアの両者を具備し所定ギャップに磁界を発生する磁界発生部と、
    前記磁界発生部による印加磁界の変化により温度変化する磁気熱量材が充填された断熱性の熱交換容器を備え当該熱交換容器内に媒体を流動させることにより熱交換する熱交換器とを備え、
    前記磁気熱量材は、前記熱交換容器を貫通して前記磁界発生部の前記所定ギャップ間を接続する板状または針状に形成されていることを特徴とする磁気式温度調整装置。
  2. 高保磁力磁石、または、巻線が巻回された磁気コア、または、高保磁力磁石および巻線が巻回された磁気コアの両者を具備し所定ギャップに磁界を発生する磁界発生部と、
    前記磁界発生部による印加磁界の変化により温度変化する磁気熱量材が充填された断熱性の熱交換容器を備え当該熱交換容器内に媒体を流動させることにより熱交換する熱交換器とを備え、
    前記熱交換容器は、そのほぼ全体が断熱性材料により構成されると共に前記磁界発生部に接触する部分に強磁性体が一体に配設され、
    前記磁気熱量材は、板状または針状に形成され、前記熱交換容器に一体の強磁性体と共に前記磁界発生部の所定ギャップを接続して形成されていることを特徴とする磁気式温度調整装置。
  3. 前記磁界発生部は、その磁界発生方向に向けて突起した突起部を備え、当該突起部が前記磁気熱量材と接触した構造をなしていることを特徴とする請求項1記載の磁気式温度調整装置。
  4. 前記磁気熱量材が、前記熱交換容器を貫通して前記磁界発生部に接触して構成されていることを特徴とする請求項1または3記載の磁気式温度調整装置。
  5. 前記熱交換容器は、前記媒体の流動方向に沿う方向の少なくとも一部に断熱材が設けられ、当該断熱材の配設位置以外の部分に強磁性体が設けられた構造をなしていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の磁気式温度調整装置。
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