JP2012184355A - 予備発泡粒子および発泡成形体 - Google Patents

予備発泡粒子および発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性に優れた予備発泡粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】式(1):1.0≦L/D≦1.5(式中、Lは予備発泡粒子の長径(mm)であり、Dは予備発泡粒子の短径(mm)である)と式(2):Y≦0.13X−1.0(式中、Xは予備発泡粒子の嵩発泡倍率(倍)であり、Yは予備発泡粒子の表面付着水分率(質量%)である)とを満たし、かつ、0〜22度の安息角を有することを特徴とする予備発泡粒子により課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、予備発泡粒子および発泡成形体に関する。さらに詳しくは、本発明は、流動性に優れた予備発泡粒子および前記予備発泡粒子から得られる発泡成形体に関する。
従来、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を熱可塑性樹脂成分として含む発泡性樹脂粒子から得られる発泡成形体は、耐衝撃性、成形性等に優れるため、包装用緩衝材、自動車用構造部材等として幅広く利用されている。
また、前記発泡成形体は、通常、樹脂成分と発泡剤とを含む発泡性樹脂粒子を予備発泡させることにより予備発泡粒子を得、次いで得られた予備発泡粒子を発泡成形機内で水蒸気等の熱媒を用いて発泡成形することにより製造される。
しかし、発泡成形時に成形用型内発泡金型へ予備発泡粒子を送粒する際、予備発泡粒子の形状、性質等によっては、予備発泡粒子がフィーダー(予備発泡粒子を成形用型内発泡金型へ送り込む機構)内に滞留し、十分に発泡成形機内に充填できないことがある。
この場合、得られた発泡成形体は、部分的な充填不良により発泡成形体に欠損を引き起こすことがあり、この様な欠損の存在は、発泡成形体の商品価値を著しく損なう。このため、前記のような問題を解決する予備発泡粒子として、例えば特開2009−256477号公報(特許文献1)には、樹脂成分としてポリプロピレン系樹脂を含む金型への充填性を改善した予備発泡粒子が記載されている。
特開2009−256477号公報
しかしながら、具体的な実施態様として挙げられている特許文献1の実施例や比較例に記載の予備発泡粒子は、大きな安息角(23〜37度)を有するものであり、予備発泡粒子の流動性の改善という点では満足のいくものではなかった。具体的には、これらは略液状等の優れた流動性を示すものではなく、予備発泡粒子の発泡成形機への充填性の改善および表面性に優れた発泡成形体を得るという観点からは必ずしも満足のいくものではなかった。
このため、これらの問題点に鑑みて、流動性に優れた予備発泡粒子および前記予備発泡粒子から得られる高品質な発泡成形体を提供することが求められている。
かくして本発明によれば、下記式(1):
1.0≦L/D≦1.5 (1)
(式中、Lは予備発泡粒子の長径(mm)であり、Dは予備発泡粒子の短径(mm)である)
と下記式(2):
Y≦0.13X−1.0 (2)
(式中、Xは予備発泡粒子の嵩発泡倍率(倍)であり、Yは予備発泡粒子の表面付着水分率(質量%)である)
とを満たし、かつ、0〜22度の安息角を有することを特徴とする予備発泡粒子が提供される。
また本発明によれば、前記予備発泡粒子から得られる発泡成形体も提供される。
本発明によれば、流動性に優れた予備発泡粒子を提供することができる。
また本発明によれば、予備発泡粒子が2.0〜7.0mmの長径および2.0〜6.5mmの短径を有する場合、予備発泡粒子の粒径を好適に設計することができるため、より流動性に優れた予備発泡粒子を提供することができる。
また本発明によれば、予備発泡粒子が20〜60倍の嵩発泡倍率を有する場合、予備発泡粒子は好適な嵩比重を有するため、より流動性に優れた予備発泡粒子を提供することができる。
また本発明によれば、予備発泡粒子が0〜6.8質量%の表面付着水分率を有する場合、その表面に存在する水分を介した凝集を抑制することができるため、より流動性に優れた予備発泡粒子を提供することができる。
また本発明によれば、予備発泡粒子が樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂100質量部とポリスチレン系樹脂100〜400質量部とを少なくとも含む場合、予備発泡粒子はその強度に寄与し得るポリオレフィン系樹脂を好適な割合で含むため、より強度および流動性に優れた予備発泡粒子を提供することができる。
また本発明によれば、予備発泡粒子が難燃剤を含む場合、より難燃性および流動性に優れた予備発泡粒子を提供することができる。
また本発明によれば、予備発泡粒子が、
分散剤を含む水性懸濁液中に、水性媒体100質量部に対して0.001〜0.05質量部の界面活性剤の存在下、ポリオレフィン系樹脂のシード粒子と、第1のスチレン系単量体と、第1の重合開始剤とを分散させる工程Aと、
得られた分散液を第1のスチレン系単量体が実質的に重合しない温度に加熱して第1のスチレン系単量体をシード粒子に含浸させる工程Bと、
ポリオレフィン系樹脂の融点をT℃としたとき、(T−10)℃〜(T+20)℃の温度で、第1のスチレン系単量体の第1の重合を行って第1の粒子を得る工程Cと、
工程Cに続いて、第2のスチレン系単量体と第2の重合開始剤とをさらに加え、かつ、(T−25)℃〜(T+10)℃の温度とすることにより、第1の粒子への第2のスチレン系単量体の含浸および第2の重合を行って樹脂粒子を得る工程Dを経るシード重合工程(ただし、ポリオレフィン系樹脂の量と、第1のスチレン系単量体と第2のスチレン系単量体との合計量とが、100:100〜400(質量比)である);
発泡剤を、樹脂粒子に含浸させることによって発泡性樹脂粒子を得る含浸工程;
発泡性樹脂粒子を予備発泡させる予備発泡工程;および
予備発泡後の発泡性樹脂粒子を室温以上の温度で、12時間以上放置する熟成工程
を含む製造方法によって得られる場合、より強度および流動性に優れた予備発泡粒子を容易に提供することができる。
本発明によれば、予備発泡粒子が流動性に優れるため、表面性に優れた発泡成形体を提供することができる。
本発明の特徴は、下記式(1):
1.0≦L/D≦1.5 (1)
(式中、Lは予備発泡粒子の長径(mm)であり、Dは予備発泡粒子の短径(mm)である)
と下記式(2):
Y≦0.13X−1.0 (2)
(式中、Xは予備発泡粒子の嵩発泡倍率(倍)であり、Yは予備発泡粒子の表面付着水分率(質量%)である)
とを満たし、かつ、0〜22度の安息角を有する予備発泡粒子である。
本発明の予備発泡粒子は、式(1)を満足するような略球状の形状を有し、かつ、嵩発泡倍率と表面付着水分率との間で好適な関係を有するため、優れた流動性を示し、0〜22度という極めて小さい安息角を有する。本発明において安息角とは、JIS R 9301−2−2に準拠して測定される角度(°)をいう。具体的には、ロート型容器の下端から予備発泡粒子を落下せしめ、円盤状の台に堆積した予備発泡粒子の高さを測定し、円盤状の台の直径と堆積した発泡粒子の高さの関係から、堆積した予備発泡粒子の安息角を算出する。また、予備発泡粒子の長径および短径とは、予備発泡粒子の最も長い径および最も短い径を意味し、長径は短径以上の径である。さらに、略球状とは、球状〜卵状の形状を意味する。なお、前記の安息角の測定方法等については実施例において詳説する。
従来、予備発泡粒子は円柱状の樹脂粒子等を用いて製造されるため、得られた予備発泡粒子も円柱状等の異形の形状を有していると予想される。このため、これらの予備発泡粒子は、大きな安息角を有し、その流動性も低いものであった。
他方、本発明の予備発泡粒子は略球状の樹脂粒子を用いて製造されるため、得られた予備発泡粒子も式(1)を満たすような略球状の形状を有している。具体的には、本発明の予備発泡粒子を得るために、まず、略球状の樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより、同様に略球状の発泡性樹脂粒子を得る。次いで、得られた略球状の発泡性樹脂粒子を予備発泡させることによって、予備発泡粒子を得る。このため、本発明の予備発泡粒子は略球状の形状を有し、異形の予備発泡粒子とは異なって、流動性に極めて優れたものである。
また、本発明の予備発泡粒子は嵩発泡倍率と表面付着水分率との間で好適な関係を有するため、予備発泡粒子間のその表面に存在する水分を介した凝集を抑制することができ、その結果、予備発泡粒子の流動性をより向上させることができる。
従って、本発明の予備発泡粒子は、従来の予備発泡粒子では実現することができなかったような、0〜22度という極めて小さな安息角を実現することができ、その結果、フィーダー内で滞留等することなく、予備発泡粒子を発泡成形機内に容易に充填することができる。
以下、本発明の予備発泡粒子について詳説する。
<樹脂粒子>
本発明の予備発泡粒子は樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子とし、次いで得られた発泡性樹脂粒子を予備発泡させることによって製造される。本発明においては、樹脂粒子の形状が予備発泡粒子の形状に大きな影響を与えるため、樹脂粒子も略球状であることが好ましい。
具体的には、本発明の樹脂粒子が略球状である場合、好ましくは下記式(3):
1.0≦A/B≦1.5 (3)
(式中、Aは樹脂粒子の長径(mm)であり、Bは樹脂粒子の短径(mm)である)
を満たし、より好ましくは下記式(4):
1.0≦A/B≦1.3 (4)
を満たす。
本発明においては、より容易に予備発泡粒子の流動性を確保することができるため、樹脂粒子は、好ましくは2.0〜7.0mm、より好ましくは2.0〜6.5mmの長径および、好ましくは2.0〜6.5mm、より好ましくは2.0〜6.0mmの短径を有する。なお、長径は短径以上の径である。
本発明の樹脂粒子を構成する樹脂成分は発泡可能であれば特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を使用することができる。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂を含むポリエステル系樹脂、塩素系樹脂等を挙げることができる。なお、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを意味する。
本発明の樹脂粒子に含まれる樹脂成分として、剛性と高い発泡性能を付与することができるためポリスチレン系樹脂が好ましい。
また、高耐熱性と耐衝撃性とを付与することができるためポリオレフィン系樹脂も好ましい。さらに、両者の特性を共に含むこともできるため、本発明の樹脂粒子はポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを共に含むことがより好ましい。なお、本発明において、予備発泡粒子の樹脂成分として複数の樹脂成分を使用する場合、使用原料についての、単量体間の質量比率、単量体と樹脂との間の質量比率および樹脂間の質量比率と、それらから得られる樹脂粒子、予備発泡粒子および発泡成形体に含まれる樹脂成分の質量比率とは略同一である。
本発明においてポリスチレン系樹脂とは、スチレン単独重合体、またはスチレンを主成分とし、スチレンと共重合可能な他の単量体との共重合体を意味する。ここでスチレンを主成分とするとは、スチレンが全単量体の50質量%以上を占めることを意味する。他の単量体として、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が例示される。例示中、アルキルとは炭素数1〜8のアルキルを意味する。本発明においては、発泡性樹脂粒子を安定に予備発泡させることができるスチレン単独重合体が好ましい。
また本発明においてポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン単独重合体、またはオレフィン系単量体を主成分とし、オレフィン系単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体を意味する。ここでオレフィン系単量体を主成分とするとは、オレフィン系単量体が全単量体の50質量%以上を占めることを意味する。
具体的には、ポリオレフィン系樹脂として、例えば、分枝鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等のポリエチレン系樹脂;
プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体等のポリプロピレン系樹脂等を挙げることができる。
本発明においては、より高いレベルの耐熱性と耐衝撃性を期待することができるため、ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン系樹脂が好ましい。
また、所望の物性に影響を与えない限り前記ポリオレフィン系樹脂を単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。なお、前記例示中、低密度とは0.91〜0.94g/cm3であることが好ましく、0.91〜0.93g/cm3であることがより好ましい。高密度とは0.95〜0.97g/cm3であることが好ましく、0.95〜0.96g/cm3であることがより好ましい。中密度とはこれら低密度と高密度の中間の密度である。
ポリオレフィン系樹脂には、タルク、珪酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素、エチレンビスステアリン酸アミド、メタクリル酸エステル系共重合等の気泡調整剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
さらに、本発明の樹脂成分は、所望の物性に影響を与えない限り、ビニル基、カルボニル基、芳香族基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基等の官能基を含んでいてもよく、2以上のビニル基を有する架橋剤等により架橋されていてもよく、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
また、本発明の樹脂粒子は同様に所望の物性に影響を与えない限り、その他の樹脂成分を含んでいてもよい。他の樹脂成分としては公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を挙げることができる。具体的には、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂を含むポリエステル系樹脂、塩素系樹脂等を挙げることができる。
本発明において、樹脂成分としてポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを使用する場合、ポリスチレン系樹脂は樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して100〜400質量部含有されることが好ましく、125〜240質量部含有されることがより好ましい。ポリスチレン系樹脂の含有量が400質量部より多いと、ポリオレフィン系樹脂が不足し、耐熱性、耐衝撃性が劣る場合がある。一方、100質量部より少ないと、ポリスチレン系樹脂が不足し、所望の発泡性を得ることができないことがある。
また、両者の有する物性を好適に発泡成形体に導入することができるため、樹脂粒子は樹脂粒子100質量部中に両者を併せた樹脂成分を、好ましくは70〜100質量部、より好ましくは80〜100質量部含む。他方、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との組合せとして、ポリプロピレン系樹脂とスチレン単独重合体との組合せが好ましい。
また、所望の発泡成形体を得ることができる限り、樹脂粒子は他の添加剤等を含んでいてもよい。添加剤として、具体的には、難燃剤、難燃助剤、被覆剤、連鎖移動剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、消泡剤、増粘剤、熱安定剤、レベリング剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。なお、樹脂粒子がこれらの添加剤を含む場合、樹脂粒子から得られる予備発泡粒子、発泡成形体もこれらの添加剤を含むことができる。
<樹脂粒子の製造方法>
発泡性樹脂粒子の製造時に使用する樹脂粒子の製造には、公知の重合法、即ち、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、シード重合法等を適宜使用することができる。シード重合法は、シード粒子(種粒子)に単量体成分を水性媒体中で含浸させて、重合させることにより樹脂粒子を得る方法である。本発明においては、樹脂成分を複数含む複合樹脂粒子を容易に製造することができるため、シード重合法が好ましい。この場合、発泡成形体に、より高い耐薬品性、耐衝撃性、強度等を導入できることがある。また、製造方法としてシード重合法を用いた場合、得られた樹脂粒子は略球状となり易い。この場合、前記樹脂粒子から得られる発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子も略球状となり好ましい。
<複合樹脂粒子の製造方法>
以下に一例を挙げて、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む複合樹脂粒子のシード重合法による製造方法を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の複合樹脂粒子は、例えば、
分散剤を含む水性懸濁液中に、水性媒体100質量部に対して0.001〜0.05質量部の界面活性剤の存在下、ポリオレフィン系樹脂のシード粒子と、第1のスチレン系単量体と、第1の重合開始剤とを分散させる工程Aと、
得られた分散液を第1のスチレン系単量体が実質的に重合しない温度に加熱して第1のスチレン系単量体をシード粒子に含浸させる工程Bと、
ポリオレフィン系樹脂の融点をT℃としたとき、(T−10)℃〜(T+20)℃の温度で、第1のスチレン系単量体の第1の重合を行って第1の粒子を得る工程Cと、
工程Cに続いて、第2のスチレン系単量体と第2の重合開始剤とをさらに加え、かつ、(T−25)℃〜(T+10)℃の温度とすることにより、第1の粒子への第2のスチレン系単量体の含浸および第2の重合を行って樹脂粒子を得る工程Dを経るシード重合工程(ただし、ポリオレフィン系樹脂の量と、第1のスチレン系単量体と第2のスチレン系単量体との合計量とが、100:100〜400(質量比)である)を含む製造方法を用いることにより製造することができる。なお、この場合、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系単量体との質量比は発泡成形体、予備発泡粒子、複合樹脂粒子中の樹脂成分比率と略同一である。
工程A〜Dのそれぞれは、例えば、懸濁重合法、シード重合法等の周知の重合方法を実施する際に使用するオートクレーブ重合装置を用いて実施できるが、使用される製造装置はこれに限定されない。
(工程A)
本発明の工程Aは、分散剤を含む水性懸濁液中に、水性媒体100質量部に対して0.001〜0.05質量部の界面活性剤の存在下、ポリオレフィン系樹脂のシード粒子と、第1のスチレン系単量体と、第1の重合開始剤とを分散させる工程である。
シード重合の際のシード粒子として使用するポリオレフィン系樹脂粒子は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を押出機で溶融し、ストランドカット、水中カット、ホットカット等により造粒ペレット化する方法、粉砕機にて直接樹脂粒子を粉砕しペレット化する方法により得ることができる。また、その形状は、真球状、略球状、円柱状、角柱状等を挙げることができる。この場合、より容易に略球状の複合樹脂粒子を得ることができるため、ポリオレフィン系樹脂粒子も略球状であることが好ましい。さらに、同様の観点から、このポリオレフィン系樹脂粒子の好ましい粒子径は、0.5〜1.5mmの範囲であり、より好ましくは、0.6〜1.0mmの範囲である。
他方、水性懸濁液を得るのに使用する分散剤としては、例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の有機系分散剤;
ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の無機系分散剤が挙げられる。この内、より安定な水性懸濁液を得ることができる場合があるため、無機系分散剤が好ましく、ピロリン酸マグネシウムがより好ましい。
また、略球状の複合樹脂粒子をより容易に得ることができるため、分散剤は、水性媒体100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは1〜4質量部の割合で使用される。水性懸濁液を構成する水性媒体は、水、水と水溶性溶媒(例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール)との混合物等が挙げられる。さらに、所望の物性に影響を与えない限り、水性媒体は電解質等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明においては、より安定にシード重合を行うことができるため、シード粒子は、水性媒体100質量部に対して、好ましくは10〜80質量部、より好ましくは20〜50質量部の割合で使用される。また、樹脂粒子が難燃剤等を含む複合樹脂粒子の場合も、シード粒子は、水性媒体100質量部に対して、好ましくは10〜80質量部、より好ましくは20〜50質量部の割合で使用される。
他方、略球状の複合樹脂粒子を安定に得ることができるため、界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤としては、所望の物性に影響を与えない限り、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。
具体的には、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩およびアルキルリン酸エステル塩のようなアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびグリセリン脂肪酸エステルのようなノニオン性界面活性剤;
ラウリルジメチルアミンオキサイドのような両性界面活性剤;ならびに
脂肪族第四級アンモニウム塩のようなカチオン性界面活性剤等を挙げることができる。
本発明においては、略球状の複合樹脂粒子をより安定に得ることができるため、アニオン性界面活性剤が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダが特に好ましい。また、略球状の形状を有する樹脂粒子や予備発泡粒子をさらにより容易に得ることができるため、第1の重合時に使用する界面活性剤は、水性媒体100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.05質量部、より好ましくは0.005〜0.05質量部の割合で使用される。
第1の重合開始剤および第2の重合開始剤として使用する重合開始剤としては、スチレン系単量体の重合に汎用されている従来周知の重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物;
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は、単独で用いられても併用されてもよい。重合開始剤の使用量は、スチレン系単量体100質量部の合計に対して、0.1〜5質量部であることが好ましい。また、第1の重合開始剤の使用量は、第1のスチレン系単量体100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましい。さらに、第2の重合開始剤の使用量は、第2のスチレン系単量体100質量部に対して、0.05〜4質量部であることが好ましい。
また、架橋剤を使用してもよい。架橋剤としては、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン等の有機過酸化物等が挙げられる。架橋剤の添加方法としては、例えば、架橋剤をポリオレフィン系樹脂に直接添加する方法、溶剤、可塑剤またはスチレン系単量体に架橋剤を溶解させた上で添加する方法、架橋剤を水に分散させた上で添加する方法等が挙げられる。この内、スチレン系単量体に架橋剤を溶解させた上で添加する方法が好ましい。
スチレン系単量体をポリオレフィン系樹脂粒子に含浸させるために、水性媒体に連続的にあるいは断続的に添加することができる。スチレン系単量体は水性媒体中に徐々に添加していくことが好ましい。
(工程B)
本発明の工程Bは、得られた分散液を第1のスチレン系単量体が実質的に重合しない温度に加熱して第1のスチレン系単量体をシード粒子に含浸させる工程である。
本発明において、第1のスチレン系単量体が実質的に重合しない温度とは、使用する重合開始剤種にもよるが、使用する重合開始剤の10時間半減期温度以下の温度を意味する。また、第1のスチレン系単量体を十分にポリオレフィン系樹脂中に吸収、願浸させることができるため、前記の温度は45〜70℃の範囲であることが好ましい。加熱温度が45℃未満であると、第1のスチレン系単量体の含浸が不十分となってポリスチレンの重合粉末が生成されることがある。一方、加熱温度が70℃を超えると、スチレン系単量体がポリオレフィン系樹脂粒子に十分含浸される前に重合してしまうことがある。より好ましい前記の温度は50〜65℃の範囲である。
(工程CおよびD)
本発明の工程Cは、ポリオレフィン系樹脂の融点をT℃としたとき、(T−10)℃〜(T+20)℃の温度で、第1のスチレン系単量体の第1の重合を行って第1の粒子を得る工程である。また、本発明の工程Dは、工程Cに続いて、第2のスチレン系単量体と第2の重合開始剤とをさらに加え、かつ、(T−25)℃〜(T+10)℃の温度とすることにより、第1の粒子への第2のスチレン系単量体の含浸および第2の重合を行って樹脂粒子を得る工程である。
工程Cおよび工程Dにおいて、重合温度は重要な要因である。前記温度範囲で重合を行うことにより、中心部はポリスチレン系樹脂の存在量が多く、表層はポリオレフィン系樹脂の存在量が多い複合樹脂粒子を得ることができる場合がある。この場合、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とが偏在する結果として、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂のそれぞれの長所が生かされ、剛性、発泡成形性および耐薬品性を良好に保持された発泡成形体を提供できる場合がある。
重合温度が前記温度範囲より低くなると、中心部のポリスチレン系樹脂の存在量が少なく、良好な物性を示す発泡成形体が得られないことがある。また、重合温度が前記温度範囲より高くなると、スチレン系単量体がポリオレフィン系樹脂粒子に十分含浸される前に重合が開始してしまうので、良好な物性を示す発泡成形体が得られないことがある。また、高くなると、耐熱性に優れた高価格の重合設備が必要になる。
また、スチレン系単量体の重合を、工程Cと工程Dの二段階に分ける理由は、一度に多くのスチレン系単量体をポリオレフィン系樹脂に含浸させようとすると、スチレン系単量体がポリオレフィン系樹脂に十分に含浸されず、ポリオレフィン系樹脂の表面に残る場合がある。重合工程を二段階に分ければ、工程Cにおいてスチレン系単量体が確実にポリオレフィン系樹脂の中心部に含浸され、工程Dにおいてもスチレン系単量体がポリオレフィン系樹脂の中心部に向かって含浸されることがある。
本発明においては、前記の含浸をより効率的に行うことができるため、ポリオレフィン系樹脂の量と、第1のスチレン系単量体と第2のスチレン系単量体との合計量とが、好ましくは100:100〜400、より好ましくは100:125〜240(質量比)である。同様にポリオレフィン系樹脂の量と、第1のスチレン系単量体の量とは好ましくは100:10〜100、より好ましくは100:30〜70(質量比)である。
また、工程Dにおいて、界面活性剤を第2のスチレン系単量体または第2の重合活性剤と共に任意に加えてもよい。この場合も、使用する界面活性剤として、略球状の複合樹脂粒子をより安定に得ることができるため、アニオン性界面活性剤が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダが特に好ましい。さらに、第2の重合時に使用する界面活性剤は、水性媒体100質量部に対して、好ましくは0.001〜1質量部、より好ましくは0.005〜0.1質量部の割合で使用される。
他方、複合樹脂粒子が難燃剤を含む場合、第2の重合中の第1の粒子または複合樹脂粒子に難燃剤を含浸させることもできる。さらに、工程Dの後、反応槽を冷却し、複合樹脂粒子を水性媒体と分離することで、複合樹脂粒子を単離することができる。他方、シード重合工程時のその他の温度、圧力、工程時間等は製造設備や製造条件に従って、適宜設定される。
<発泡性樹脂粒子>
発泡性樹脂粒子とは、樹脂粒子に所定の割合で発泡剤を含浸させた、加熱により発泡性を示す樹脂粒子を意味する。
発泡剤としては、公知の種々の発泡剤が使用できる。例えば、プロパン、n−ブタン(ノルマルブタン)、イソブタン、n−ペンタン(ノルマルペンタン)、イソペンタン、工業用ペンタン、石油エーテル、シクロヘキサン、シクロペンタン、フロン、ハロン等の単独または混合物が挙げられる。これらの内、より大きな発泡性能を発泡性樹脂粒子に導入することができる、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタンおよびシクロペンタンのいずれかが好ましく、n−ブタン、イソブタンがより好ましい。発泡剤は単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
発泡剤の含有率は、発泡性樹脂粒子100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。20質量部を超えると、予備発泡粒子中の気泡サイズが過大となり易く、成形性の低下や、得られる発泡成形体の圧縮、曲げ等の強度特性の低下が発生することがある。より好ましい発泡剤の含有率は7.5〜18質量部の範囲である。
さらに、さらに均一に発泡性樹脂粒子を予備発泡させ得る発泡助剤を用いてもよい。発泡助剤として、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、d−リモネン等の溶剤、ジイソブチルアジペート、グリセリン、ジアセチル化モノラウレート、やし油等の可塑剤(高沸点溶剤)が挙げられる。
<発泡性樹脂粒子の製造方法>
発泡性樹脂粒子の製造方法は特に限定されず、公知の方法をいずれも使用することができる。
例えば、V型、C型あるいはDC型等の回転混合機であって、密閉耐圧の容器に樹脂粒子を入れて流動させ、次いで発泡剤を導入することで樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法;
攪拌機付密閉耐圧容器内で樹脂粒子を水性媒体に懸濁させ、次いで発泡剤を導入し、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法
等が挙げられる(含浸工程)。また揮発性発泡剤の含浸は、50℃〜140℃の雰囲気下、0.5〜6時間程度行うことが好ましい。さらに、前記含浸は所望の発泡成形体等を得ることができる限り、大気圧下で行ってもよく、加圧条件下で行ってもよい。
<予備発泡粒子の製造方法>
予備発泡粒子とは、発泡性樹脂粒子を所定の嵩倍率まで加熱発泡させた樹脂粒子を意味する。また、本発明の予備発泡粒子は公知の予備発泡方法を用いて製造することができる。予備発泡方法の一例を挙げれば、水蒸気等の加熱媒体を用いて発泡性樹脂粒子を加熱し、所定の嵩密度に予備発泡させることで、予備発泡粒子を得ることができる。
本発明において、樹脂粒子の製造方法としてシード重合法を用いた場合、得られた樹脂粒子は略球状となり易い。この場合、前記樹脂粒子から得られる発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子も略球状となり好ましい。他方、樹脂粒子として円柱状等の異形樹脂粒子を使用した場合、これらの樹脂粒子から得られる発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子も異形となり易い。この場合、Lを予備発泡粒子の長径(mm)とし、Dを予備発泡粒子の短径(mm)とすると、L/D値がより大きな値となり、その結果、安息角が大きくなり、予備発泡性樹脂粒子の流動性が悪化することがある。
また、予備発泡粒子が、
分散剤を含む水性懸濁液中に、水性媒体100質量部に対して0.001〜0.05質量部の界面活性剤の存在下、ポリオレフィン系樹脂のシード粒子と、第1のスチレン系単量体と、第1の重合開始剤とを分散させる工程Aと、
得られた分散液を第1のスチレン系単量体が実質的に重合しない温度に加熱して第1のスチレン系単量体をシード粒子に含浸させる工程Bと、
ポリオレフィン系樹脂の融点をT℃としたとき、(T−10)℃〜(T+20)℃の温度で、第1のスチレン系単量体の第1の重合を行って第1の粒子を得る工程Cと、
工程Cに続いて、第2のスチレン系単量体と第2の重合開始剤とをさらに加え、かつ、(T−25)℃〜(T+10)℃の温度とすることにより、第1の粒子への第2のスチレン系単量体の含浸および第2の重合を行って樹脂粒子を得る工程Dを経るシード重合工程(ただし、ポリオレフィン系樹脂の量と、第1のスチレン系単量体と第2のスチレン系単量体との合計量とが、100:100〜400(質量比)である);
発泡剤を、樹脂粒子に含浸させることによって発泡性樹脂粒子を得る含浸工程;
発泡性樹脂粒子を予備発泡させる予備発泡工程;および
予備発泡後の発泡性樹脂粒子を室温以上の温度で、12時間以上放置する熟成工程
を含む製造方法によって得られる場合、より強度および流動性に優れた予備発泡粒子を容易に得ることができるため好ましい。
予備発泡工程の一例を挙げると、公知の予備発泡機内に発泡性樹脂粒子を充填し、所定の嵩倍数まで加熱することにより予備発泡粒子を得ることができる。加熱用の熱媒体は水蒸気が好適に使用される。また、予備発泡工程の温度、圧力、工程時間等は、予備発泡粒子についての優れた流動性を確保することができる限り、適宜設定される。
本発明の熟成工程においては、好ましくは室温以上の温度で、より好ましくは10〜50℃の温度で、さらに好ましくは10〜40℃の温度で、また、好ましくは12時間以上、より好ましくは24時間以上、予備発泡粒子を放置、熟成する。前記の温度および時間の範囲内で予備発泡粒子を放置、熟成した場合、予備発泡粒子の表面付着水分率を好適に設定することができる。この場合、予備発泡粒子の流動性をさらに向上させることができ、より表面性に優れた発泡成形体を得ることができる。
本発明においては、熟成工程後に、得られた予備発泡粒子を、さらに、好ましくは50〜90℃で、より好ましくは50〜70℃の温度で、また、好ましくは12時間以上、より好ましくは24時間以上、予備発泡粒子を放置、熟成することもできる。この場合、予備発泡粒子の流動性をさらにより向上させることができ、さらにより表面性に優れた発泡成形体を得ることができる。
また、熟成工程は所望の発泡成形体等を得ることができる限り、大気圧下で行ってもよく、加圧条件下で行ってもよい。
<予備発泡粒子>
本発明において、予備発泡粒子とは、発泡成形体を製造するための、発泡性樹脂粒子を予備的に発泡させた発泡粒子を意味する。また、本発明の予備発泡粒子は、いずれの発泡成形方法においても使用することができ、型内発泡成形用予備発泡粒子として使用することもできる。
本発明の予備発泡粒子は、略球状であるため、下記式(1):
1.0≦L/D≦1.5 (1)
(式中、Lは予備発泡粒子の長径(mm)であり、Dは予備発泡粒子の短径(mm)である)
を満たし、好ましくは下記式(5):
1.0≦L/D≦1.4 (5)
を満たし、より好ましくは下記式(6):
1.0≦L/D≦1.3 (6)
を満たす。
このため、本発明の予備発泡粒子は0〜22度、好ましくは0〜20度、より好ましくは0〜18度の安息角を有する。前記安息角は本発明の予備発泡粒子が極めて高い流動性を有することを意味し、その結果、本発明の予備発泡粒子を用いることによって予備発泡粒子の発泡成形機への充填性を大きく改善することができる。なお、0度の安息角とは、実質的な角度を有さず、予備発泡粒子が略液状化するような状態を意味する。
本発明においては、より容易に予備発泡粒子の流動性を確保することができるため、予備発泡粒子は、好ましくは2.0〜7.0mm、より好ましくは2.0〜6.5mmの長径および好ましくは2.0〜6.5mm、より好ましくは2.0〜6.0mmの短径を有する。
また、予備発泡粒子が、予備発泡粒子の質量に対して、好ましくは0〜6.8質量%、より好ましくは0〜6.0質量%の表面付着水分率を有する場合、予備発泡粒子同士の水分を介した凝集を抑制することができる。その結果、予備発泡粒子はより高い流動性を有することができる。
さらに、予備発泡粒子が好ましくは20〜60倍、より好ましくは25〜55倍、さらに好ましくは30〜50倍の嵩発泡倍率を有する場合、予備発泡粒子は流動性に好適な嵩比重を有することとなる。その結果、この場合も、予備発泡粒子はより高い流動性を有することができる。また嵩発泡倍率が60倍より大きいと、得られる発泡成形体の強度が低下することがある。一方、20倍より小さいと、得られる発泡成形体の重量が増加することがある。なお、本発明において、予備発泡粒子の嵩発泡倍率とは、熟成工程終了後に測定される予備発泡粒子の嵩発泡倍率が意味される。
他方、予備発泡粒子が、下記式(2):
Y≦0.13X−1.0 (2)
(式中、Xは予備発泡粒子の嵩発泡倍率(倍)であり、Yは予備発泡粒子の表面付着水分率(質量%)である)
を満たす場合、嵩発泡倍率と表面付着水分率との調和を図ることにより、予備発泡粒子はさらにより高い流動性を有することができる。
一方、Y>0.13X−1.0を満たす予備発泡粒子は、安息角の範囲が大きくなり、充填不良を起こすことがある。また、予備発泡粒子の好適な範囲の表面付着水分率は、嵩発泡倍率に依存するため、式(2)を満たす場合、所望の流動性に優れた予備発泡粒子を得ることができる。
他方、予備発泡粒子、発泡成形体等に好適な難燃性を付与することができるため、樹脂粒子は難燃剤を含むことが好ましく、難燃剤と難燃助剤とを含むことがより好ましい。また、好適な難燃性を確保することができるため、予備発泡粒子は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.15〜8質量部の、より好ましくは0.2〜4質量部の難燃剤を含む。同様に、予備発泡粒子は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0〜4質量部の、より好ましくは0〜2質量部の難燃助剤を含む。なお、所望の物性を得ることができる限り、予備発泡粒子は難燃助剤を任意に含んでいてもよい。
難燃剤としては、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモジフェニルエーテル、トリブロモフェニルアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジプロピルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジ(ヒドロキシエチル)エーテル、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等の臭素系難燃剤、塩化パラフィン、塩化トリフェニル、塩化ジフェニル、パークロルペンタシクロデカン等の塩素系難燃剤、1,2−ジブロモ3−クロルプロパン、2−クロル−1,2,3,4−テトラブロモブタン等の塩素臭素含有難燃剤等が挙げられる。難燃剤は、1種のみ使用してもよく、複数種組み合わせて使用してもよい。複数種組み合わせて使用する場合は、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートが主成分(例えば、50質量%以上)であることが好ましい。
難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等が挙げられる。難燃助剤は、1種のみ使用してもよく、複数種組み合わせて使用してもよい。複数種組み合わせて使用する場合は、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンが主成分(例えば、50質量%以上)であることが好ましい。
また、予備発泡粒子の平均粒子径は6.5mm以下が好ましく、6.0mm以下がより好ましい。平均粒子径が6.5mmより大きいと、発泡成形機への予備発泡粒子の充填性が低下することがあり、得られる発泡成形体の強度が低下することがある。
本発明の予備発泡粒子は流動性に優れるため、予備発泡粒子の嵩発泡倍率(P)と発泡成形後に得られる発泡成形体の嵩発泡倍率(Q)との間に、好ましくは1.0以下の比(Q/P)を有することができる。Q/Pが1.0より高い場合、予備発泡粒子の流動性不足に起因して、予備発泡粒子の充填不良を引き起こすことがある。この場合、発泡成形体に欠損が生じ、得られる発泡成形体の重量が小さくなり、その結果、発泡成形体の嵩発泡倍率が使用した予備発泡粒子の嵩発泡倍率より大きくなる。
<発泡成形体>
本発明の発泡成形体は公知の発泡成形方法を用いて製造することができる。一例を挙げると、金型内に予備発泡粒子を充填し、再度加熱する。次いで予備発泡粒子を型内発泡させて粒子同士を熱融着させ、冷却を行うことによって発泡成形体を得ることができる。加熱用の媒体は、ゲージ圧力0.05〜0.45MPaの水蒸気が好適に使用され、水蒸気を導入する時間は10〜180秒が好ましい。
また、発泡成形体は好ましくは20〜60倍、より好ましくは25〜55倍の嵩発泡倍率を有する場合、所望の嵩比重を得ることができ、耐衝撃性等の所望の物性を得ることができる。
本発明の発泡成形体は好適な嵩発泡倍率を有し、優れた表面性を有する。このため、本発明で得られる発泡成形体は包装用緩衝材、自動車用構造部材等として好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例に記載した各種測定法および製造条件を以下で説明する。
<予備発泡粒子および樹脂粒子の長径および短径および長径/短径(L/D)>
粒子の長径と短径の比(長径/短径(L/D))は、走査型電子顕微鏡JSM−6360LV(日本電子社製)を用い10〜1000倍で無作為に選んだ20個の粒子を各々観察し、それぞれの粒子の長径と短径を測定し、さらにその比を求め、それらを平均した値である。
<予備発泡粒子の安息角>
予備発泡粒子の安息角はJIS R 9301−2−2に準拠して、注入法により測定する。具体的には、上部が直径300mmの円筒形、下部が直径40mmで開閉用栓をノズル中央付近に有するノズル、上部円筒と下部ノズルが高さ160mmの円錐状物で接続されたロート型容器に測定する予備発泡粒子2Lを入れ、下部ノズル下端から10cm下に直径15cm、高さ7cmの円盤状の台をセットした後、ノズル部の栓を開き予備発泡粒子を全て落下せしめ、円盤状の台に堆積した予備発泡粒子の高さを測定し、円盤状の台の直径と堆積した発泡粒子の高さの関係から、堆積した予備発泡粒子の安息角(°)を算出する。
<予備発泡粒子の嵩発泡倍率>
約5gの試料の重量(a)を小数以下2位まで秤量する。次に、最小目盛り単位が5cm3である500cm3メスシリンダーに秤量した試料を入れ、これにメスシリンダーの口径よりやや小さい円形の樹脂板であって、その中心に幅約1.5cm、長さ約30cmの棒状の樹脂板が直立して固定された押圧具をあてて境界面を均一にし、試料の体積(b)を読み取り、式(a)/(b)により試料の嵩密度(g/cm3)を求める。なお、嵩発泡倍率(倍)は嵩密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
<予備発泡粒子の表面付着水分率>
まず、予備発泡粒子の全水分量、即ち内部水分量と表面付着水分量の合計量を測定する。方法は、予備発泡粒子を500cm3メスシリンダーに入れ、体積が500cm3となるように調整した後、その重量(W1)を測定する。続いて、前記予備発泡粒子を60℃の熱風循環式乾燥機の中に168時間置いた後に取り出し、前記と同様の方法で重量(W2)を測定し、予備発泡粒子の全水分量(W1-W2)を算出する。
次いで、予備発泡粒子の内部水分量を測定する。方法は、予備発泡粒子5gを200mlのメタノール中へ浸漬し、約1分間攪拌して表面の付着水分を除去する。その後、真空濾過装置にて粒子とメタノールを分離し、5分間風乾させる。得られた粒子を0.5g精秤し、微量水分測定装置(平沼産業社製AQ−2100)を使用し、加熱温度150℃でカールフィッシャー法にて測定する。測定した全水分量から内部水分量を差し引いた値を、表面付着水分量(W3)とする。
さらに、予備発泡粒子の表面付着水分率(H)を下記式によって算出する。
H(質量%)=W3/W1×100
<予備発泡粒子の平均粒子径>
試料約50gをロータップ型篩振とう機((株)飯田製作所製)を用いて、ふるい
目開き8.00mm、目開き6.70mm、目開き5.60mm、目開き4.75mm、目開き4.00mm、目開き3.35mm、目開き2.80mm、目開き2.36mm、目開き2.00mm、目開き1.70mm、目開き1.40mm、目開き1.18mm、目開き1.00mm、目開き0.85mm、目開き0.71mm、目開き0.60mm、目開き0.50mmの標準ふるいで10分間分級し、ふるい網上の試料重量を測定し、その結果から得られた累積重量分布曲線を元にして累積重量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径として求める。
<予備発泡粒子の充填性>
予備発泡粒子の嵩発泡倍率(P)と発泡成形後に得られる発泡成形体の嵩発泡倍率(Q)との比(Q/P)を算出する。
本発明においては、
(1)Q/P≦1.0・・・○(充填性が良好)
(2)Q/P>1.0・・・×(充填不良)
と判定する。
<発泡成形体の嵩発泡倍率>
発泡成形体の嵩密度は、発泡成形後に得られる発泡成形体の見かけの体積(cm3)(c)と、その重量(g)(d)を測定し、式(d)/(c)により発泡成形体の嵩密度(g/cm3)を求める。発泡成形体の見かけの体積は成形後の収縮を考慮しなければ、例えば発泡成形体が得られた時点での金型キャビティ内の体積に等しく、金型図面寸法から算出できる。なお、嵩発泡倍率は嵩密度の逆数、すなわち式(c)/(d)とする。
実施例1
(ポリプロピレン系樹脂粒子の製造工程)
ポリプロピレン系樹脂(プライムポリマー社製、商品名「F−744NP」、融点:140℃、プロピレン単位:96質量%)50kgを押出機に供給して溶融混練してホットカットにより造粒ペレット化することにより、略球状(卵状)のポリプロピレン系樹脂粒子を得た。ポリプロピレン系樹脂粒子は、100粒あたり50mgの重量と、約1mmの平均粒子径を有していた。
(樹脂粒子の製造工程(シード重合工程))
次に、撹拌機付5Lオートクレーブに、前記ポリプロピレン系樹脂粒子800gを入れ、さらに水性媒体として純水2kg、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5gを加えた。内容物を撹拌することで水性媒体と懸濁させ、10分間保持し、その後60℃に昇温することで水系懸濁液とした。次に、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド0.7gを溶解させたスチレン単量体350gを30分かけて滴下した。滴下後30分保持し、ポリプロピレン系樹脂粒子にスチレン単量体を吸収させた。次に、反応系の温度をポリプロピレン系樹脂粒子の融点と同じ140℃に昇温して2時間保持し、スチレン単量体をポリプロピレン系樹脂粒子中で重合(第1の重合)させて第1の粒子を得た。次に、第1の重合の反応液をポリプロピレン系樹脂粒子の融点より20℃低い120℃にした。この後、懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド3.6gを溶解したスチレン単量体850gを4時間かけて滴下し、第1の粒子に吸収させながら重合(第2の重合)を行った。滴下終了後、120℃で1時間保持、次いで140℃に昇温し、3時間保持して重合を完結することで樹脂粒子を得た。その後、反応系の温度を60℃にして、この懸濁液中に、難燃剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成社製)20gと、難燃助剤として2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(化薬アクゾ社製)10gとを投入した。投入後、反応系の温度を130℃に昇温し、2時間攪拌を続けることで難燃剤含有樹脂粒子(長径1.35mm、短径1.34mm、長径/短径1.01)を得た。
(発泡性樹脂粒子の製造工程(含浸工程))
次に、常温まで冷却し、難燃剤含有樹脂粒子を5Lオートクレーブから取り出した。取り出し後の難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
(予備発泡粒子の製造工程(予備発泡工程および熟成工程))
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約30倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は3.61mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。
さらに、予備発泡粒子を24時間室温に放置し、次いで60℃の熱風循環式乾燥機の中に48時間放置し、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。
(発泡成形体の製造工程)
前記予備発泡粒子を400mm×300mm×30mmの大きさのキャビティ内に充填し、キャビティを含む成形型にゲージ圧力0.25MPaの水蒸気を50秒間導入して加熱した。水蒸気導入後、発泡成形体の最高面圧が0.001MPaに低下するまで冷却して、発泡成形体を得るとともに、嵩発泡倍率、充填性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様にして、難燃剤含有樹脂粒子(長径1.36mm、短径1.31mm、長径/短径1.04)を得た。前記難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約30倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は3.22mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。その後、予備発泡粒子を24時間室温に放置し、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。前記予備発泡粒子を用いて、発泡成形を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を得た。
実施例3
実施例1と同様にして、難燃剤含有樹脂粒子(長径1.38mm、短径1.38mm、長径/短径1.00)を得た。前記難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約55倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は6.05mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。さらに、予備発泡粒子を24時間室温に放置し、次いで60℃の熱風循環式乾燥機の中に48時間放置し、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。その後、実施例1と同様にして、発泡成形体を得た。
実施例4
実施例1と同様にして、難燃剤含有樹脂粒子(長径1.41mm、短径1.35mm、長径/短径1.04)を得た。前記難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約55倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は5.42mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。その後、予備発泡粒子を24時間室温に放置し、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。前記予備発泡粒子を用いて、発泡成形を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を得た。
実施例5
実施例1と同様にして得たポリプロピレン系樹脂粒子800gを攪拌機付5Lオートクレーブに入れ、さらに水性媒体として純水2kg、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.0gを加えた。内容物を撹拌することで水性媒体と懸濁させ、10分間保持し、その後60℃に昇温することで水系懸濁液とした。次に、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド0.7gを溶解させたスチレン単量体350gを30分かけて滴下した。滴下後30分保持し、ポリプロピレン系樹脂粒子にスチレン単量体を吸収させた。次に、反応系の温度をポリプロピレン系樹脂粒子の融点と同じ140℃に昇温して2時間保持し、スチレン単量体をポリプロピレン系樹脂粒子中で重合(第1の重合)させて第1の粒子を得た。次に、第1の重合の反応液をポリプロピレン系樹脂粒子の融点より20℃低い120℃にした。この後、懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド3.6gを溶解したスチレン単量体850gを4時間かけて滴下し、第1の粒子に吸収させながら重合(第2の重合)を行った。滴下終了後、120℃で1時間保持、次いで140℃に昇温し、3時間保持して重合を完結することで樹脂粒子を得た。その後、反応系の温度を60℃にして、この懸濁液中に、難燃剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成社製)20gと、難燃助剤として2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(化薬アクゾ社製)10gとを投入した。投入後、反応系の温度を130℃に昇温し、2時間攪拌を続けることで難燃剤含有樹脂粒子(長径1.76mm、短径1.16mm、長径/短径1.52)を得た。次に、常温まで冷却し、難燃剤含有樹脂粒子を5Lオートクレーブから取り出した。取り出し後の難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約55倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は5.39mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。さらに、予備発泡粒子を24時間室温に放置し、次いで60℃の熱風循環式乾燥機の中に48時間放置し、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。その後、実施例1と同様にして、発泡成形体を得た。
実施例6
実施例1と同様にして得たポリプロピレン系樹脂粒子1000gを攪拌機付5Lオートクレーブに入れ、水性媒体として純水2kg、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5gを加えた。内容物を攪拌して水性媒体と懸濁させ、10分間保持し、その後60℃に昇温することで水系懸濁液とした。次に、この懸濁液中に、ジクミルパーオキサイド0.8gを溶解させたスチレン単量体400gを30分かけて滴下した。滴下後30分保持し、ポリプロピレン系樹脂粒子にスチレン単量体を吸収させた。次に、反応系の温度をポリプロピレン系樹脂粒子の融点と同じ140℃に昇温して2時間保持し、スチレン単量体をポリプロピレン系樹脂粒子中で重合(第1の重合)させて第1の粒子を得た。次に、第1の重合の反応液をポリプロピレン系樹脂粒子の融点より20℃低い120℃にした。この後、懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5gを加えた後、ジクミルパーオキサイド3gを溶解したスチレン単量体600gを3時間かけて滴下し、ポリプロピレン系樹脂粒子に吸収させながら重合(第2の重合)を行った。滴下終了後、120℃で1時間保持、次いで140℃に昇温し、3時間保持して重合を完結することで樹脂粒子を得た。その後、反応系の温度を60℃にして、この懸濁液中に、難燃剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成社製)20gと、難燃助剤として2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(化薬アクゾ社製)10gとを投入した。投入後、反応系の温度を130℃に昇温し、2時間攪拌を続けることで難燃剤含有樹脂粒子(長径1.35mm、短径1.33mm、長径/短径1.02)を得た。次に、常温まで冷却し、難燃剤含有樹脂粒子を5Lオートクレーブから取り出した。取り出し後の難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約30倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は3.91mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。その後、予備発泡粒子を24時間室温に放置し、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。前記予備発泡粒子を用いて、発泡成形を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を得た。
実施例7
実施例1と同様にして得たポリプロピレン系樹脂粒子400gを攪拌機付5Lオートクレーブに入れ、水性媒体として純水2kg、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後60℃に昇温して水系懸濁液とした。次に、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド0.4gを溶解させたスチレン単量体200gを30分かけて滴下した。滴下後30分保持し、ポリプロピレン系樹脂粒子にスチレン単量体を吸収させた。次に、反応系の温度をポリプロピレン系樹脂粒子の融点と同じ140℃に昇温して2時間保持し、スチレン単量体をポリプロピレン系樹脂粒子中で重合(第1の重合)させて第1の粒子を得た。次に、第1の重合の反応液をポリプロピレン系樹脂粒子の融点より20℃低い120℃にした。この後、懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5gを加えた後、ジクミルパーオキサイド4.8gを溶解したスチレン単量体1400gを6.5時間かけて滴下し、第1の粒子に吸収させながら重合(第2の重合)を行った。滴下終了後、120℃で1時間保持、次いで140℃に昇温し、3時間保持して重合を完結することで樹脂粒子を得た。その後、反応系の温度を60℃にして、この懸濁液中に、難燃剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成社製)20gと、難燃助剤として2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(化薬アクゾ社製)10gとを投入した。投入後、反応系の温度を130℃に昇温し、2時間攪拌を続けることで難燃剤含有樹脂粒子(長径1.58mm、短径1.53mm、長径/短径1.03)を得た。次に、常温まで冷却し、難燃剤含有樹脂粒子を5Lオートクレーブから取り出した。取り出し後の難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約60倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は6.04mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。その後、予備発泡粒子を24時間室温に放置し、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。前記予備発泡粒子を用いて、発泡成形を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を得た。
比較例1
実施例1と同様にして、難燃剤含有樹脂粒子(長径1.35mm、短径1.33mm、長径/短径1.02)を得た。前記難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約30倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は3.10mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。その後、予備発泡粒子を室温に6時間放置した後、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。前記予備発泡粒子を用いて、発泡成形を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を得た。
比較例2
実施例1と同様にして、難燃剤含有樹脂粒子(長径1.37mm、短径1.37mm、長径/短径1.00)を得た。前記難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約55倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は5.53mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。その後、予備発泡粒子を室温に6時間放置した後、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。前記予備発泡粒子を用いて、発泡成形を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を得た。
比較例3
実施例1と同様にして得たポリプロピレン系樹脂粒子800gを攪拌機付5Lオートクレーブに入れ、さらに水性媒体として純水2kg、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2.5gを加えた。内容物を撹拌することで水性媒体と懸濁させ、10分間保持し、その後60℃に昇温することで水系懸濁液とした。次に、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド0.7gを溶解させたスチレン単量体350gを30分かけて滴下した。滴下後30分保持し、ポリプロピレン系樹脂粒子にスチレン単量体を吸収させた。次に、反応系の温度をポリプロピレン系樹脂粒子の融点と同じ140℃に昇温して2時間保持し、スチレン単量体をポリプロピレン系樹脂粒子中で重合(第1の重合)させて第1の粒子を得た。次に、第1の重合の反応液をポリプロピレン系樹脂粒子の融点より20℃低い120℃にした。この後、懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド3.6gを溶解したスチレン単量体850gを4時間かけて滴下し、第1の粒子に吸収させながら重合(第2の重合)を行った。滴下終了後、120℃で1時間保持、次いで140℃に昇温し、3時間保持して重合を完結することで樹脂粒子を得た。その後、反応系の温度を60℃にして、この懸濁液中に、難燃剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成社製)20gと、難燃助剤として2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(化薬アクゾ社製)10gとを投入した。投入後、反応系の温度を130℃に昇温し、2時間攪拌を続けることで難燃剤含有樹脂粒子(長径1.83mm、短径1.14mm、長径/短径1.61)を得た。次に、常温まで冷却し、難燃剤含有樹脂粒子を5Lオートクレーブから取り出した。取り出し後の難燃剤含有樹脂粒子2kgと水2Lを再び撹拌機付5Lオートクレーブに投入し、発泡剤としてブタン(イソブタン:ノルマルブタン=3:7、質量比)300gを撹拌機付5Lオートクレーブに注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間撹拌を続けた。その後、常温まで冷却して5Lオートクレーブから発泡性樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥させた。
次に、得られた発泡性樹脂粒子を笠原工業株式会社製PSX40予備発泡機に1000g投入し、PSX40予備発泡機内にゲージ圧力0.04MPaの水蒸気を導入して加熱して嵩発泡倍数約30倍に予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の平均粒子径は3.03mmであった。得られた予備発泡粒子を用いて、嵩発泡倍率、長径(L)、短径(D)、(L/D)等の測定を行った。その後、予備発泡粒子を24時間室温に放置し、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。前記予備発泡粒子を用いて、発泡成形を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を得た。
比較例4
発泡倍率30倍、平均粒子径2.64mmの発泡ポリプロピレン樹脂[(1)プロピレンとエチレンのランダム共重合体、(2)2.16kg加重時のMFRが7.0g/10分、(3)MS(160℃での溶融張力(mN))>90−130×log(MFR)]を24時間間室温に放置し、表面付着水分率、安息角等の測定を行った。前記予備発泡粒子を用いて、発泡成形を行い、実施例1と同形状の発泡体を得た。
表1において、実施例および比較例の原料種、評価結果を詳説する。
Figure 2012184355
実施例については全て、良好な充填性、即ち優れた流動性を示した。他方、比較例については、前記のような結果を得ることができない場合があった。
従って、本発明の予備発泡粒子は包装用緩衝材、自動車用構造部材等の発泡成形体の製造に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 下記式(1):
    1.0≦L/D≦1.5 (1)
    (式中、Lは予備発泡粒子の長径(mm)であり、Dは予備発泡粒子の短径(mm)である)
    と下記式(2):
    Y≦0.13X−1.0 (2)
    (式中、Xは予備発泡粒子の嵩発泡倍率(倍)であり、Yは予備発泡粒子の表面付着水分率(質量%)である)
    とを満たし、かつ、0〜22度の安息角を有することを特徴とする予備発泡粒子。
  2. 前記予備発泡粒子が、2.0〜7.0mmの長径および2.0〜6.5mmの短径を有する請求項1に記載の予備発泡粒子。
  3. 前記予備発泡粒子が、20〜60倍の嵩発泡倍率を有する請求項1または2に記載の予備発泡粒子。
  4. 前記予備発泡粒子が、0〜6.8質量%の表面付着水分率を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の予備発泡粒子。
  5. 前記予備発泡粒子が、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂100質量部とポリスチレン系樹脂100〜400質量部とを少なくとも含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の予備発泡粒子。
  6. 前記予備発泡粒子が、難燃剤を含む請求項1〜5のいずれか1つに記載の予備発泡粒子。
  7. 前記予備発泡粒子が、
    分散剤を含む水性懸濁液中に、水性媒体100質量部に対して0.001〜0.05質量部の界面活性剤の存在下、ポリオレフィン系樹脂のシード粒子と、第1のスチレン系単量体と、第1の重合開始剤とを分散させる工程Aと、
    得られた分散液を前記第1のスチレン系単量体が実質的に重合しない温度に加熱して前記第1のスチレン系単量体を前記シード粒子に含浸させる工程Bと、
    前記ポリオレフィン系樹脂の融点をT℃としたとき、(T−10)℃〜(T+20)℃の温度で、前記第1のスチレン系単量体の第1の重合を行って第1の粒子を得る工程Cと、
    前記工程Cに続いて、第2のスチレン系単量体と第2の重合開始剤とをさらに加え、かつ、(T−25)℃〜(T+10)℃の温度とすることにより、前記第1の粒子への第2のスチレン系単量体の含浸および第2の重合を行って樹脂粒子を得る工程Dを経るシード重合工程(ただし、前記ポリオレフィン系樹脂の量と、前記第1のスチレン系単量体と前記第2のスチレン系単量体との合計量とが、100:100〜400(質量比)である);
    発泡剤を、前記樹脂粒子に含浸させることによって発泡性樹脂粒子を得る含浸工程;
    前記発泡性樹脂粒子を予備発泡させる予備発泡工程;および
    予備発泡後の発泡性樹脂粒子を室温以上の温度で、12時間以上放置する熟成工程
    を含む製造方法によって得られる請求項5または6に記載の予備発泡粒子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の予備発泡粒子から得られる発泡成形体。
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