JP2012185938A - 非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性をより向上させることが可能な非水系二次電池を提供する。
【解決手段】このリチウムイオン二次電池(非水系二次電池)は、樹脂層13を導電層14で挟んだ多層構造を有する正極集電体11とこの正極集電体11上に形成された正極活物質層12とを含む正極10と、この正極10と電気的に接続されるタブ電極41とを備えている。そして、上記タブ電極41が、低融点金属からなる導電部材80を介して、正極10の正極集電体11と電気的に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水系二次電池に関し、特に、集電体上に活物質層が形成された電極を有する非水系二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池は、高容量・高エネルギ密度を有し、かつ、貯蔵性能や充放電の繰り返し特性等にも優れるため、携帯機器などの民生機器に広く利用されている。また、近年では、環境問題や省エネルギに関する意識の高まりから、電力貯蔵用途や、電気自動車などの車載用途にリチウムイオン二次電池が利用されるようになってきている。
一方、非水系二次電池は、そのエネルギ密度の高さ故に、過充電状態や高温環境下にさらされた状態においては、異常過熱や発火などの危険性が高い。そのため、非水系二次電池では、安全性に対する種々の対応策が講じられている。
また、従来、異常発熱による発火を防止するために、多層構造を有する集電体を用いたリチウムイオン二次電池が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、130℃〜170℃の低融点を持つ樹脂フィルムの両面に金属層が形成された集電体を用いたリチウムイオン二次電池が提案されている。このリチウムイオン二次電池では、過充電状態や高温状態等で異常発熱が発生すると、低融点の樹脂フィルムが溶融する。そして、樹脂フィルムの溶融により、電極が破損される。これにより、電流がカットされるので、電池内部の温度上昇が抑制されて、発火が防止される。
特開平11−102711号公報
上記のように、特許文献1で提案されている集電体は、非水系二次電池の安全対策としては非常に有効であり、通常の使用条件下において十分な安全性を確保することが可能である。
しかしながら、上記のような構成だけでは十分に安全性を保てないような事態も起こり得る。また、近年では、高容量化等に対応するために、より高い安全性が求められるようになってきている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、安全性をより向上させることが可能な非水系二次電池を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による非水系二次電池は、絶縁層を導電層で挟んだ多層構造を有する集電体と、この集電体上に形成された活物質層とを含む電極と、電極と接続される配線引き出し用のタブ電極とを備えている。そして、上記タブ電極が、低融点金属からなる導電材を介して、電極と電気的に接続されている。
この第1の局面による非水系二次電池では、上記のように、多層構造を有する集電体を用いることによって、たとえば、電極間に局所的な短絡が生じた場合に、集電体の絶縁層が溶融して電極が破損されるので、電流をカットすることができる。これにより、電池内部の温度上昇を抑制することができるので、発火などの異常状態が生じるのを防止することができる。
また、第1の局面では、タブ電極を、低融点金属からなる導電材を介して、電極と電気的に接続することによって、過充電状態などの何らかの原因で電池内部の温度が上昇した場合に、その電池内部の温度で導電材を溶断させることができる。これにより、タブ電極と電極との電気的接続を遮断することができる。
このように、第1の局面では、多層構造を有する集電体のみならず、タブ電極と電極とを接続する導電材によっても、電流を遮断することができるので、安全性をより向上させることができる。
たとえば、電極における局所的な短絡であれば、多層構造を有する集電体で電流を遮断することができるので、これにより、電池内部の温度上昇を抑制することができる。一方、何らかの原因で、多層構造を有する集電体では電池内部の温度上昇を抑制することが困難な場合も生じ得る。このような場合、電池内部の発熱によって導電材を溶断させることで、電池内部の温度上昇を抑制することができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、好ましくは、低融点金属は、電池内部の発熱により溶融する金属材料から構成されている。このように構成すれば、電池の異常発熱を容易に抑制することができるので、安全性がより向上された非水系二次電池を容易に得ることができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、電極は、複数積層されており、タブ電極は、複数の電極の少なくとも一部の電極と、上記導電材を介して、電気的に接続されているのが好ましい。このように構成すれば、容易に、導電材としての貫通部材を介して、タブ電極と電極とを電気的に接続することができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、導電材は、電極を厚み方向に貫通する貫通部材に構成されているのが好ましい。このように構成すれば、容易に、タブ電極を、導電材を介して、電極と電気的に接続することができる。
ここで、上記集電体は、絶縁層を導電層で挟んだ構成を有するため、たとえば、複数の電極が積層された積層型の非水系二次電池の場合には、配線引き出し用のタブ電極を集電体に接続する際に、電極同士の導通がとれなくなる。このため、安全性を向上させるために多層構造を有する集電体を用いた場合、電池性能が低下するという不都合が生じる。なお、電池性能の低下は、多層構造を有する集電体を用いた電極が1層の場合でも生じ得る。
しかしながら、上記のように、導電材を貫通部材とすることによって、この貫通部材により、集電体における絶縁層の一方側の導電層と他方側の導電層とを電気的に接続することができるので、多層構造を有する集電体を用いた場合でも、電池性能の低下を抑制することができる。
また、この場合において、電極は、複数積層されており、貫通部材は、複数の電極を厚み方向に連続して貫通しているのが好ましい。このように構成すれば、タブ電極を、複数の電極(たとえば、全ての電極)と電気的に接続することができるので、電池性能の低下を効果的に抑制することができる。その結果、非水系二次電池の性能を最大限活用することができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、好ましくは、導電材は、箔状に形成されているとともに、その一部が電極の外側に延出するように、電極に接続されており、導電材の延出された部分が、タブ電極に接続されている。このように構成すれば、容易に、タブ電極を、導電材を介して、電極と電気的に接続することができる。加えて、多層構造を有する集電体を用いた場合でも、電池性能の低下を抑制することができる。
この場合において、好ましくは、電極は、複数積層されているとともに、電極間の各々に、箔状の導電材が配されており、導電材の延出された部分が、それぞれ、タブ電極に溶接されている。このように構成すれば、タブ電極を、複数の電極(たとえば、全ての電極)と電気的に接続することができるので、電池性能の低下を効果的に抑制することができる。その結果、非水系二次電池の性能を最大限活用することができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、好ましくは、導電性材料から構成される箔状部材をさらに備え、箔状部材は、その一部が電極の外側に延出するように、電極に接続されており、箔状部材の延出された部分が、低融点金属からなる導電材によって、タブ電極に溶接されている。このように構成すれば、容易に、タブ電極を、導電材を介して、電極と電気的に接続することができる。加えて、多層構造を有する集電体を用いた場合でも、電池性能の低下を抑制することができる。
この場合において、好ましくは、電極は、複数積層されているとともに、電極間の各々に、箔状部材が配されている。このように構成すれば、タブ電極を、複数の電極(たとえば、全ての電極)と電気的に接続することができるので、電池性能の低下を効果的に抑制することができる。その結果、非水系二次電池の性能を最大限活用することができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、好ましくは、低融点金属からなる導電材は、集電体の絶縁層の融点以上の融点を有する。このように構成すれば、多層構造を有する集電体では防止することが困難であった電池内部の異常発熱を、導電材の溶断により防止することができる。これにより、容易に、安全性をより向上させることができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、低融点金属からなる導電材は、集電体の絶縁層の融点より低い融点を有する構成とされていてもよい。このように構成すれば、集電体の絶縁層が溶融する前に、導電材を溶断させることができる。このため、このように構成した場合でも、非水系二次電池の安全性をより向上させることができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、低融点金属は、インジウム、亜鉛、ガリウム、スズ、ビスマスのいずれかを主成分とした合金から構成されているのが好ましい。このように構成すれば、電池内部の異常発熱により、容易に、導電材を溶断させることができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、好ましくは、電極は、正極および負極を含み、正極および負極の少なくとも一方は、多層構造を有する集電体を用いて形成されている。このように構成すれば、効果的に、非水系二次電池の安全性を向上させることができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、集電体の絶縁層は、フィルム状または繊維状の樹脂から構成されているのが好ましい。
上記第1の局面による非水系二次電池において、好ましくは、集電体の絶縁層は、熱可塑性樹脂からなり、120℃での熱収縮率が、平面方向のいずれかの方向で1.5%以上である。このように構成すれば、たとえば、過充電状態や高温状態等で異常発熱が発生した場合に、電極が破損され易くすることができるので、効果的に、発火などの異常状態が生じるのを防止することができる。このため、非水系二次電池の安全性を効果的に向上させることができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、好ましくは、集電体の絶縁層は、ポリオレフィン樹脂のいずれかを含む樹脂、または、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドのいずれかを含む樹脂、もしくは、これらの複合材料からなる。このように構成すれば、容易に、非水系二次電池の安全性を向上させることができる。
上記第1の局面による非水系二次電池において、好ましくは、電極は、正極および負極を含むとともに、正極および負極の間に配されるセパレータをさらに備えており、セパレータは、120℃での熱収縮率が、集電体の絶縁層より小さい。このように構成すれば、過充電状態や高温状態等で異常発熱が発生した場合に、容易に、電極が破損され易くすることができる。
この場合において、好ましくは、セパレータの180℃での熱収縮率は、1.0%以下である。このように構成すれば、このように構成すれば、過充電状態や高温状態等で異常発熱が発生した場合に、容易に、セパレータの熱収縮に起因する内部短絡の発生を抑制することができる。これにより、急激な温度上昇が生じるのを抑制することができるので、非水系二次電池の安全性をさらに向上させることができる。
上記セパレータを備えた構成において、セパレータは、アラミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂のいずれかを含む構成であるのが好ましい。
この発明の第2の局面による非水系二次電池は、絶縁層を導電層で挟んだ多層構造を有する集電体と、集電体上に形成された活物質層とを含む電極と、電極と接続される配線引き出し用のタブ電極とを備えている。そして、上記タブ電極が、温度変化に応じて抵抗が増大する導電材を介して、電極と電気的に接続されている。
この第2の局面では、上記のように、タブ電極を、温度変化に応じて抵抗が増大する導電材を介して、電極と電気的に接続することによって、何らかの原因で電池内部の温度が上昇した場合に、その電池内部の温度で導電材の抵抗を増大させることができる。これにより、タブ電極と電極との導通を遮断することができる。なお、電極に異常電流が流れた場合、その電流によって上記導電材の抵抗が増大する場合もある。このような場合でも、タブ電極と電極との導通を遮断することができる。
このように、温度変化に応じて抵抗が増大する導電材を介して、タブ電極と電極とを電気的に接続した場合でも、非水系二次電池の安全性をより向上させることができる。
以上のように、本発明によれば、安全性を向上させつつ、電池性能の低下を抑制することが可能な非水系二次電池を容易に得ることができる。
本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の全体斜視図である。 図1の一部を拡大して示した断面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池におけるタブ電極の接続方法を模式的に示した断面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池におけるタブ電極の接続方法を模式的に示した断面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の正極の断面図(図10のA−A線に沿った断面に対応する図)である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の正極の平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の正極の斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池に用いられる正極の一部を模式的に示した平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の一部を模式的に示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の負極の断面図(図16のB−B線に沿った断面に対応する図)である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の負極の平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の負極の斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池のセパレータの斜視図である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の一部を模式的に示した斜視図である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池を説明するための断面図である。 本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。 本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の一部を模式的に示した斜視図である。 本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池を説明するための断面図である。 第3実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。 第3実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池を説明するための断面図である。 第2実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。 第3実施形態の他の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、非水系二次電池の一例である積層型のリチウムイオン二次電池に本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。図2は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の分解斜視図である。図4〜図16は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池を説明するための図である。まず、図1〜図16を参照して、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池について説明する。
第1実施形態によるリチウムイオン二次電池は、図2および図4に示すように、角形扁平形状を有する大型二次電池であり、複数の電極5を含む電極群50(図1および図2参照)と、この電極群50を非水電解液とともに封入する金属製の外装容器100とを備えている。
上記電極5は、図1〜図3に示すように、正極10および負極20を含んで構成されており、正極10と負極20との間には、正極10と負極20との短絡を抑制するためのセパレータ30が配されている。具体的には、正極10および負極20が、セパレータ30を挟んで互いに対向するように配されており、正極10、セパレータ30および負極20が順次積層されることによって、積層構造(積層体)に構成されている。なお、正極10および負極20は、1つずつ交互に積層されている。また、上記電極群50は、隣り合う2つの負極20の間に、1つの正極10が位置するように構成されている。
上記電極群50は、たとえば、正極10を13枚、負極20を14枚、セパレータ30を28枚含んで構成されており、正極10および負極20がセパレータ30を挟んで交互に積層されている。さらに、上記電極群50における最も外側(最外層の負極20の外側)には、セパレータ30が配されており、外装容器100との絶縁が図られている。
また、正極10および負極20には、それぞれ、配線引き出し用のタブ電極41および42が接続されている。
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、正極10に接続されるタブ電極41が、低融点金属からなる導電部材(導電材)80を介して、正極10と電気的に接続されている。また、導電部材80を構成する低融点金属は、電池内部の発熱により溶融する金属材料から構成されている。
さらに、第1実施形態では、上記導電部材80は、上記正極10(電極)を厚み方向に貫通する貫通部材80aに構成されている。
電極群50を構成する正極10は、図8に示すように、正極集電体11の両面に、正極活物質層12が担持された構成を有している。
正極集電体11は、正極活物質層12から集電を行う機能を有している。
また、第1実施形態では、上記正極集電体11が、絶縁性の樹脂層13の両面上に導電層14が形成された多層構造(三層構造)に構成されている。なお、樹脂層13は、本発明の「絶縁層」の一例である。
正極集電体11を構成する導電層14は、たとえば、アルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されており、約4μm〜約10μmの厚みに形成されている。アルミニウムは不動態化し易いため、正極集電体11の導電層14として好適に用いることができる。なお、上記導電層14は、アルミニウムまたはアルミニウム合金以外であってもよく、たとえば、チタン、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属材料、または、これらの合金などから構成されていてもよい。
導電層14の形成方法としては、特に限定されず、たとえば、蒸着、スパッタリング、電解めっき、無電解めっき、金属箔の貼り合わせ等による方法、および、これらの方法の組み合わせからなる方法が挙げられる。
正極集電体11の樹脂層13は、熱可塑性樹脂からなるプラスチック材料から構成されている。この樹脂層13は、たとえば、シート状の樹脂部材(樹脂フィルム)からなる。プラスチック材料を構成する熱可塑性樹脂としては、たとえば、熱変形温度が150℃以下であるポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドなどが好適に用いられる。中でも、120℃での熱収縮率が平面方向のいずれかの方向で1.5%以上であるポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどが好ましい。また、これらの複合フィルムや、これらの表面加工処理を施した樹脂フィルムも好適に用いることができる。さらに、上記セパレータ30と同材質の樹脂フィルムを用いることも可能である。また、製造工程、加工処理の差異により、熱変形温度、熱収縮率等の異なる樹脂であれば、樹脂層13とセパレータ30とのいずれにも用いることができる。
また、樹脂層13の厚みは、特に限定されないが、二次電池としてのエネルギ密度向上と強度維持とのバランスを取るべく、5μm以上70μm以下であるのが好ましく、10μm以上50μm以下であればより好ましい。樹脂層13(樹脂フィルム)は、一軸延伸、二軸延伸または無延伸などのいずれの方法で製造された樹脂フィルムでもかまわない。また、正極集電体11の樹脂層13は、フィルム状以外に、たとえば、繊維状であってもよい。
また、上記正極集電体11は、箔状以外に、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などの形状であってもよい。
なお、上記熱変形温度および熱収縮率とは、以下の方法で得られた値を意味する。また、熱変形温度は、樹脂層(樹脂フィルム)が熱収縮を開始する温度を意味する(熱変形温度および熱収縮率については、後述するセパレータについても同様である。)。
熱変形温度は、一定温度で一定時間、恒温槽で保持して、熱収縮率を測定し、収縮していない場合は温度を上げて、収縮している場合は温度を下げて、これを繰り返すことで測定する。具体的には、樹脂フィルムを、たとえば、100℃で15分間保持し、樹脂フィルムの熱収縮率を測定する。このときの熱収縮率が20%以下の場合、新しいサンプルを用いて温度を105℃に上げ、この温度で15分間保持した後、熱収縮率を測定する。この工程を、150℃に達するまで繰り返し、熱収縮率が10%以上となった時点の温度を熱変形温度とする。
また、熱収縮率の測定は、たとえば、樹脂フィルム上に50mm以上の間隔を空けて2つのポイントを付け、両者のポイント間距離を、ノギスを用いて測定する。その後、15分間、120℃(後述するセパレータについては180℃も)で加熱処理を行った後に、再度、同じポイント間距離を測定し、加熱処理前後の測定値に基づいて熱収縮率を求める。この方法に基づき、樹脂層(樹脂フィルム)の平面方向(たとえば、縦方向及び横方向)について、それぞれ3つ以上のポイント間距離を測定し、各々の測定結果から算出された熱収縮率の平均値を最終的な樹脂フィルムの熱収縮率として採用する。このとき、樹脂フィルムの縦方向及び横方向のそれぞれについて、少なくとも、樹脂フィルムの端部から10%以内の2点と、樹脂フィルムの端部から50%前後の1点を、ポイント間距離の測定地点として選定する。平面方向(たとえば、縦方向及び横方向)のいずれかの大きな値を熱収縮率とする。
正極活物質層12は、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる正極活物質を含んで構成されている。正極活物質としては、たとえば、リチウムを含有した酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoO2、LiFeO2、LiMnO2、LiMn24、および、これら酸化物中の遷移金属を一部他の金属元素で置換した化合物などが挙げられる。中でも、通常の使用において、正極が保有するリチウム量の80%以上を電池反応に利用し得るものを正極活物質に用いるのが好ましい。それにより過充電などの事故に対する二次電池の安全性を高めることが可能となる。このような正極活物質としては、たとえば、LiMn24のようなスピネル構造を有する化合物、および、LiXMPO4(Mは、Co、Ni、Mn、Feから選択される少なくとも1種以上の元素)で表されるオリビン構造を有する化合物などが挙げられる。中でも、MnおよびFeの少なくとも一方を含む正極活物質がコストの観点から好ましい。さらに、安全性および充電電圧の観点からは、LiFePO4を用いるのが好ましい。LiFePO4は、全ての酸素(O)が強固な共有結合によって燐(P)と結合しているため、温度上昇による酸素の放出が起こりにくい。そのため、安全性に優れている。
上記正極活物質層12の厚みは、20μm〜2mm程度が好ましく、50μm〜1mm程度がより好ましい。
また、上記正極活物質層12は、正極活物質を少なくとも含んでいれば、その構成は特に制限されるものではない。たとえば、正極活物質層12は、正極活物質以外に、導電材、増粘材、結着材などの他の材料を含んでいてもよい。
導電材は、正極10の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト(天然黒鉛、人造黒鉛)、炭素繊維などの炭素質材料または導電性金属酸化物などを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性および塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。
増粘材としては、たとえば、ポリエチレングリコール類、セルロース類、ポリアクリルアミド類、ポリN−ビニルアミド類、ポリN−ビニルピロリドン類などを用いることができる。これらの中で、増粘材としては、ポリエチレングリコール類、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース類などが好ましく、CMCが特に好ましい。
結着材は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルピリジン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系ポリマー、スチレンブタジエンゴムなどを用いることができる。
正極活物質、導電材、結着材などを分散させる溶剤としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。
上記した正極10は、たとえば、正極活物質、導電材、増粘材および結着材を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合剤としたものを、正極集電体11の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成される。
また、上記正極10は、図9に示すように、平面的に見て、略矩形形状を有している。正極10のY方向の幅W1は、たとえば、約100mmとされており、X方向の長さL1は、たとえば、約150mmとされている。また、正極活物質層12の塗布領域(形成領域)は、Y方向の幅W11が、正極10の幅W1と同じ、たとえば、約100mmとされており、X方向の長さL11が、たとえば、約135mmとされている。
また、図8〜図10に示すように、上記正極10は、X方向の一端側に、正極活物質層12が形成されずに正極集電体11の表面(導電層14)が露出された集電体露出部(露出領域)11aを有している。この集電体露出部11aには、外部に電流を取り出すための、タブ電極41が電気的に接続されている。なお、タブ電極41は、たとえば、幅約30mm、長さ約70mmの形状に形成されている。
また、第1実施形態では、正極10の集電体露出部11aに、厚み方向に貫通する貫通孔11bが形成されている。この貫通孔11bは、複数の正極10を積層させた際に、各正極10の貫通孔11bが揃う(重なる)ように形成されている。そして、正極10の貫通孔11bに、略棒状に形成された上記導電部材80(貫通部材80a)(図1参照)が挿通されている。
電極群50を構成する負極20は、図13に示すように、負極集電体21の両面に、負極活物質層22が担持された構成を有している。
負極集電体21は、負極活物質層22から集電を行う機能を有している。
なお、第1実施形態では、負極集電体21は、上記正極集電体11(図8参照)とは異なり、樹脂層を含まない構成となっている。すなわち、正極集電体11(図8参照)のみが、樹脂層を含む多層構造に構成されている。
具体的には、負極集電体21は、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、ニッケルメッキ層などの金属箔、または、これらの合金からなる合金箔から構成されており、約1μm〜約100μm(たとえば約16μm)の厚みを有している。負極集電体21は、リチウムと合金化しにくいという観点から、銅または銅合金からなる金属箔が好ましく、その厚みは、4μm以上20μm以下であるのが好ましい。
また、上記負極集電体21は、箔状以外に、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などの形状であってもよい。
負極活物質層22は、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる負極活物質を含んで構成されている。負極活物質としては、たとえば、リチウムを含む物質、あるいは、リチウムの吸蔵・放出が可能な物質からなる。また、高エネルギ密度電池を構成するためには、リチウムの吸蔵/放出する電位が金属リチウムの析出/溶解電位に近いものが好ましい。その典型例としては、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、粉砕粒子状など)の天然黒鉛もしくは人造黒鉛が挙げられる。なお、負極活物質として、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末などを黒鉛化して得られる人造黒鉛を使用してもよい。また、非晶質炭素を表面付着させた黒鉛粒子を使用することもできる。さらに、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物、遷移金属酸化物および酸化シリコンなども使用可能である。リチウム遷移金属酸化物としては、たとえば、Li4Ti512に代表されるチタン酸リチウムを使用すると、負極20の劣化が少なくなるため、電池の長寿命化を図ることが可能となる。
なお、上記負極活物質層22の厚みは、20μm〜2mm程度が好ましく、50μm〜1mm程度がより好ましい。
また、上記負極活物質層22は、負極活物質を少なくとも含んでいれば、その構成は特に制限されるものではない。たとえば、負極活物質層22は、負極活物質以外に、導電材、増粘材、結着材などの他の材料を含んでいてもよい。なお、導電材、増粘材、結着材などの他の材料は、正極活物質層12と同じもの(正極活物質層12に用いることが可能なもの)を用いることができる。
上記した負極20は、たとえば、負極活物質、導電材、増粘材および結着材を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極合剤としたものを、負極集電体21の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成される。
また、上記負極20は、図14に示すように、平面的に見て、略矩形形状を有しており、正極10(図9および図10参照)より少し大きく形成されている。具体的には、第1実施形態では、上記負極20は、Y方向の幅W2が、たとえば、約110mmとされており、X方向の長さL2が、正極10の長さL1(図9参照)と同じ、たとえば、約150mmとされている。また、負極活物質層22の塗布領域(形成領域)は、Y方向の幅W21が、負極20の幅W2と同じ、たとえば、約110mmとされており、X方向の長さL21が、たとえば、約140mmとされている。
また、図13〜図15に示すように、上記負極20は、正極10と同様、X方向の一端に、負極活物質層22が形成されずに負極集電体21の表面が露出された集電体露出部21aを有している。この集電体露出部21aには、外部に電流を取り出すためのタブ電極42が電気的に接続されている。なお、タブ電極42は、上記タブ電極41と同様、たとえば、幅約30mm、長さ約70mmの形状に形成されている。
電極群50を構成するセパレータ30(図1〜図3参照)は、たとえば、電気絶縁性の合成樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維等の不織布、織布または微多孔質膜などのなかから適宜選択可能である。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アラミド系樹脂、セルロース系樹脂等の不織布、微多孔質膜が品質の安定性等の点から好ましく、特に、アラミド系樹脂、ポリエステル系樹脂またはセルロース系樹脂からなる不織布、微多孔質膜が好ましい。
また、セパレータ30は、正極集電体11の樹脂層13よりも高い融点を有することが好ましい。たとえば、セパレータ30は、120℃での熱収縮率が正極集電体11の樹脂層13より小さくなるように構成されているのが好ましい。また、たとえば、セパレータ30は、正極集電体11の樹脂層13の熱変形温度(または、融点)以下の温度において、その熱収縮率が1.0%以下であるのが好ましい。さらに、セパレータ30は、アラミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂などを含む多孔質フィルムから構成され、その熱収縮率が180℃において1.0%以下であるのが好ましい。
セパレータ30の厚みについては特に限定されるものではないが、必要量の電解液を保持することが可能であって、かつ、正極10と負極20との短絡を防ぐことが可能な厚みであるのが好ましい。具体的には、セパレータ30は、たとえば、0.02mm(20μm)〜0.1mm(100μm)の厚みとすることができる。セパレータ30の厚みとしては、0.01mm〜1mm程度が好ましく、0.02mm〜0.07mm程度であればより好ましい。また、セパレータ30を構成する材質は、単位面積(1cm2)当たりの透気度が0.1秒/cm3〜500秒/cm3程度であると、低い電池内部抵抗を維持しつつ、電池内部短絡を防ぐだけの強度を確保できるため好ましい。
なお、セパレータについても、熱変形温度および熱収縮率は、上述した樹脂層(樹脂フィルム)と同様の方法で得られた値を意味する。また、120℃での熱収縮率を測定する場合は、120℃で加熱処理を行い、180℃での熱収縮率を測定する場合は、180℃で加熱処理を行う。
また、上記セパレータ30は、正極活物質層12の塗布領域(形成領域)よりも大きく、かつ、負極活物質層22の塗布領域(形成領域)と同等あるいは負極活物質層22の塗布領域(形成領域)より大きい形状を有している。具体的には、図16に示すように、上記セパレータ30は、矩形形状に形成されており、そのY方向の幅W3がたとえば約110mm、X方向の長さL3がたとえば約150mmに構成されている。
上記した正極10および負極20は、図1〜図3に示すように、正極10の集電体露出部11aと負極20の集電体露出部21aとが互いに反対側に位置するように配され、正極負極間にセパレータ30を介在させて積層されている。
ここで、第1実施形態では、図1および図5に示すように、積層された正極10の集電体露出部11aには、多層構造を有する正極集電体11を厚み方向に貫通する導電部材80(貫通部材80a)が設けられている。この導電部材80は、正極集電体11の貫通孔11bに挿通されることで、積層されている正極10(同極性の電極5)の全てを連続して貫通している。また、導電部材80は、上述したように、電池内部の発熱により溶融する金属材料から構成されている。このような金属材料(低融点金属)としては、たとえば、インジウム、亜鉛、ガリウム、スズ、ビスマスのいずれかを主成分とした合金などが挙げられる。具体的には、たとえば、スズ−ビスマス系合金(融点:130℃〜150℃程度)、インジウム(融点:156.4℃)などが挙げられる。導電部材80は、正極集電体11の樹脂層13の融点以上の融点を有していてもよいし、樹脂層13の融点より低い融点を有していてもよい。
また、正極集電体11の貫通孔11bは、図5、図11および図12に示すように、その直径が、導電部材80の直径と同程度に形成されている。そして、導電部材80が貫通孔11bに挿通されることで、導電部材80の表面(外表面)が、貫通孔11bの内側面と密接(電気的に接触)するように構成されている。これにより、正極集電体11における樹脂層13の一方側の導電層14と他方側の導電層14とが、導電部材80を介して、互いに電気的に接続されているとともに、導電部材80が全ての正極10を連続して貫通することで、積層された全ての正極10が互いに電気的に接続されている。
さらに、図6および図7に示すように、貫通孔11bに挿通された導電部材80は、たとえば、溶接機500で厚み方向(白矢印参照)に押圧されることで、導電部材80の突出部が潰れてかしめられる。これにより、上記したように、配線接続用のタブ電極41は、導電部材80を介して、正極10の各々と電気的に接続される。
なお、タブ電極41と正極10とを電気的に接続する導電部材80は、図11および図12に示すように、正極集電体11の集電体露出部11aの1箇所に設けられていてもよい。また、上記導電部材80は、集電体露出部11aの複数箇所に設けられていてもよい。このように、集電体露出部11aの複数箇所に導電部材80を設ける(貫通させる)ことにより、正極同士の接触抵抗が低減するため、電極間(正極間)の導通が向上する。
電極群50の正極10においては、最も外側の正極10(正極集電体11の導電層14)に、低融点金属からなる導電部材80を介して、上記したタブ電極41が溶接固定されている。なお、タブ電極41は、最外層ではなく、中間層の正極10に溶接固定されていてもよい。また、タブ電極41は、図9および図11に示すように、正極集電体11(正極10)の幅方向(Y方向)の略中央部に、導電部材80と重なるよう配置にして、溶接固定されている。これにより、積層された全ての正極10(全ての導電層14)が、導電部材80を介して、タブ電極41と電気的に接続された状態となっている。
このように、第1実施形態では、上記導電部材80を介して、タブ電極41が電極(正極10)に接続されているため、電池内部で異常発熱が生じた場合に、導電部材80が溶断して電流が遮断される。
複数の負極20は、図1〜図3に示すように、正極10と同様、集電体露出部21aが揃うように積層されている。そして、最も外側の負極20(負極集電体21)に上記したタブ電極42が溶接固定されている。なお、正極の場合と同様、タブ電極42は、最外層ではなく、中間層の負極20に溶接固定されていてもよい。これにより、積層された全ての負極20が、タブ電極42に溶接固定され、タブ電極42と電気的に接続された状態となっている。なお、上記タブ電極42は、負極集電体21(負極20)の幅方向(Y方向)の略中央部に溶接固定されている。
タブ電極41および42の溶接は、超音波溶接が好ましいが、超音波溶接以外であってもよく、たとえば、レーザ溶接や抵抗溶接、スポット溶接などを用いてもよい。ただし、樹脂層13を挟んだ正極集電体11にタブ電極41を溶接する場合、レーザ溶接や抵抗溶接、スポット溶接などの熱を加えて接合する手法では、樹脂層13が溶解してしまうおそれがある。そのため、上記タブ電極41の溶接には、熱を加えない超音波溶接を用いるのが好ましい。
また、正極10に接続されるタブ電極41は、アルミニウムから構成されているのが好ましく、負極20に接続されるタブ電極42は、銅から構成されているのが好ましい。タブ電極41および42は、集電体と同材質のものを用いるのが好ましいが、異なる材質であってもよい。さらに、正極10に接続されるタブ電極41と負極20に接続されるタブ電極42とは、同材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。また、タブ電極41および42は、上記のように、正極集電体11および負極集電体21の幅方向の略中央部に溶接されているのが好ましいが、中央部以外の領域に溶接固定されていてもよい。
外装容器100(図2参照)内に電極群50とともに封入される非水電解液は、特に限定されるものではないが、溶媒として、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどのエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチルなどの極性溶媒を使用することができる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して混合溶媒として使用してもよい。
また、非水電解液には、電解質支持塩が含まれていてもよい。電解質支持塩としては、たとえば、LiClO4、LiBF4(ホウフッ化リチウム)、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)、LiCF3SO3(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム)、LiF(フッ化リチウム)、L■Cl(塩化リチウム)、LiBr(臭化リチウム)、LiI(
ヨウ化リチウム)、LiAlCl4(四塩化アルミン酸リチウム)などのリチウム塩が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
なお、電解質支持塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.5mol/L〜2.5mol/Lが好ましく、1.0mol/L〜2.2mol/Lがより好ましい。電解質支持塩の濃度が、0.5mol/L未満の場合には、非水電解液中において電荷を運ぶキャリア濃度が低くなり、非水電解液の抵抗が高くなるおそれがある。また、電解質支持塩の濃度が、2.5mol/Lより高い場合には、塩自体の解離度が低くなり、非水電解液中のキャリア濃度が上がらないおそれがある。
電極群50を封入する外装容器100は、図2および図4に示すように、大型の扁平角形容器であり、電極群50などを収納する外装缶60と、この外装缶60を封口する封口板70とを含んで構成されている。また、電極群50を収納した外装缶60には、たとえば、レーザ溶接によって、封口板70が取り付けられている。
外装缶60は、たとえば、金属板に深絞り加工などを施すことによって形成されており、底面部61と側壁部62とを有する略箱状に形成されている。また、図2に示すように、外装缶60の一端(底面部61の反対側)には、電極群50を挿入するための開口部63が設けられている。また、外装缶60は、電極群50が、その電極面が底面部61と対向するようにして収納することが可能な大きさに形成されている。
また、図2および図4に示すように、上記外装缶60は、X方向の一方側(短辺側)の側壁部62に、電極端子64(たとえば、正極端子)が形成されており、X方向の他方側(短辺側)の側壁部62に、電極端子64(たとえば、負極端子)が形成されている。また、外装缶60の側壁部62には、非水電解液を注液するための注液孔65が形成されている。この注液孔65は、たとえば、φ2mmの大きさに形成されている。また、注液孔65の近傍には、電池内圧を開放するための安全弁66が形成されている。
さらに、外装缶60の開口部63の周縁には、折り返し部67が設けられており、この折り返し部67に、封口板70が溶接固定されている。
外装缶60および封口板70は、たとえば、鉄、ステンレススチール、アルミニウムなどの金属板や鉄にニッケルメッキを施した鋼板などを用いて形成することができる。鉄は安価な材料であるため価格の観点では好ましいが、長期間の信頼性を確保するためには、ステンレススチール、アルミニウムなどからなる金属板または鉄にニッケルメッキを施した鋼板などを用いるのがより好ましい。金属板の厚みは、たとえば約0.4mm〜約1.2mm(たとえば約1.0mm)とすることができる。
また、上記した電極群50は、正極10および負極20が、外装缶60の底面部61と対向するようにして、外装缶60内に収納されている。収納された電極群50は、正極10の集電体露出部11aおよび負極20の集電体露出部21aが、それぞれ、タブ電極41および42を介して、外装缶60の電極端子64と電気的に接続されている。
また、非水電解液は、外装缶60の開口部63が封口板70で封口された後に、注液孔65から、たとえば、減圧注液されている。そして、注液孔65とほぼ同じ直径の金属球や、注液孔65より少し大きい金属板(図示せず)を注液孔65に設置した後、抵抗溶接やレーザ溶接などにより、注液孔65が封口されている。
第1実施形態によるリチウムイオン二次電池では、上記のように、正極集電体11に多層構造を有する集電体を用いることによって、たとえば、電極間に局所的な短絡が生じた場合に、正極集電体11の樹脂層13が溶融して電極(正極10)が破損されるので、電流をカットすることができる。これにより、電池内部の温度上昇を抑制することができるので、発火などの異常状態が生じるのを防止することができる。
また、第1実施形態では、タブ電極41を、低融点金属からなる導電部材80(貫通部材80a)を介して、正極10の集電体露出部11aと電気的に接続することによって、過充電状態などの何らかの原因で電池内部の温度が上昇した場合に、その電池内部の温度で導電部材80(貫通部材80a)を溶断させることができる。これにより、タブ電極41と電極(正極10)との電気的接続を遮断することができる。
このように、第1実施形態では、多層構造を有する集電体11のみならず、タブ電極41と電極(正極10)とを接続する導電部材80によっても、電流を遮断することができるので、安全性をより向上させることができる。
具体的には、たとえば、電極における局所的な短絡であれば、上記のように、多層構造を有する正極集電体11で電流を遮断することができるので、これにより、電池内部の温度上昇を抑制することができる。一方、何らかの原因で、多層構造を有する正極集電体11では電池内部の温度上昇を抑制することが困難な場合も生じ得る。このような場合、電池内部の発熱によって導電部材80を溶断させることで、内部電流を遮断することができるので、電池内部の温度上昇を抑制することができる。すなわち、電池内部(電極)が熱くなり始めたときに、導電部材80を溶断させることで、さらなる電圧印加を防止することができる。このため、ある程度のところで温度上昇を止めることができる。また、温度上昇を止めることによって、電解液の分解を抑制することができるので、電解液の分解に起因する内圧上昇を抑制することもできる。
なお、積層された正極10と接続されるタブ電極41(導電部材80)は、トータルの電流が流れる部分であるため、流れる電流が大きい。そのため、異常電流が流れた場合、抵抗による発熱量も大きくなるので、その熱によっても、導電部材80を溶断させることができる。このため、異常電流が流れた場合にも、電流を遮断させることができる。
また、上記導電部材80は、電池内部(電極近傍)に設けられているため、電池内部の異常発熱に対して、導電部材80による電流遮断機能を効果的に作動させることができる。たとえば、大型二次電池では外装容器も大きくなるため、電池内部で異常発熱が生じた場合に、電池外部にまで熱が伝わり難い。そのため、たとえば、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子などの電流遮断機構を電池外部に設けた場合には、電池内部の異常発熱を検知しにくくなる。これに対し、第1実施形態では、電池内部に導電部材80が設けられているため、電池内部での異常発熱を容易に検知して、電流を遮断することができる。
また、第1実施形態では、導電部材80を、電池内部の発熱により溶融する低融点金属(金属材料)から構成することによって、電池の異常発熱を容易に抑制することができるので、安全性がより向上されたリチウムイオン二次電池を容易に得ることができる。
ここで、上記正極集電体11は、樹脂層13を導電層14で挟んだ構成(多層構造)を有するため、上記のように、複数の電極を積層した場合には、配線引き出し用のタブ電極41を正極集電体11に接続する際に、電極同士の導通がとれなくなる。このため、安全性を向上させるために多層構造を有する集電体を用いた場合、電池性能が低下するという不都合が生じる。
しかしながら、第1実施形態では、導電部材80を、貫通部材80aに構成することによって、この導電部材80(貫通部材80a)を介して、正極集電体11における樹脂層13の一方側の導電層14と他方側の導電層14とを電気的に接続することができる。このため、この貫通部材80aで、積層された複数の正極10(正極集電体11)の全てを連続して貫通することにより、多層構造を有する集電体(正極集電体11)を用いた場合でも、複数積層された電極同士の導通をとることができる。これにより、タブ電極41を、積層された複数の電極(正極10)の全てと電気的に接続することができる。したがって、電池性能の低下を抑制することができるので、リチウムイオン二次電池の性能を最大限活用することができる。
なお、第1実施形態では、上記導電部材80を備えることによって、たとえば、超音波溶接でタブ電極41を電極(正極10)に接続する場合に、タブ電極41と電極(正極10)との接触抵抗、および、電極同士の接触抵抗を低減することができる。これにより、タブ電極41を電極(正極10)に強固に導通接続することが可能となる。また、タブ電極41を電極(正極10)に強固に導通接続することにより、接触抵抗の増加に起因する電池容量の低下を抑制することもできる。
また、第1実施形態では、正極集電体11に、導電部材80(貫通部材80a)が挿通される貫通孔11bを予め形成しておくことによって、容易に、導電部材80を集電体の厚み方向に貫通させることができる。これにより、容易に、正極集電体11における樹脂層13の一方側の導電層14と他方側の導電層14とを電気的に接続することができる。
また、低融点金属からなる導電部材80を、正極集電体11の樹脂層13の融点以上の融点を有する構成とすれば、多層構造を有する集電体11では防止することが困難であった電池内部の異常発熱を、導電部材80の溶断により防止することができる。これにより、容易に、安全性をより向上させることができる。一方、低融点金属からなる導電部材80を、正極集電体11の樹脂層13の融点より低い融点を有する構成とすれば、正極集電体11の樹脂層13が溶融する前に、導電部材80を溶断させることができる。このため、このように構成した場合でも、リチウムイオン二次電池の安全性をより向上させることができる。
また、第1実施形態では、正極集電体11の樹脂層13を熱可塑性樹脂から構成し、120℃での熱収縮率が、平面方向(たとえば、縦方向および横方向)のいずれかの方向で1.5%以上となるように構成することによって、たとえば、過充電状態や高温状態等で異常発熱が発生した場合に、電極が破損され易くすることができる。これにより、効果的に、発火などの異常状態が生じるのを防止することができるので、リチウムイオン二次電池の安全性を効果的に向上させることができる。
また、正極集電体11の樹脂層13を、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、または、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドのいずれかを含む樹脂、もしくは、これらの複合材料から構成すれば、容易に、リチウムイオン二次電池の安全性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、セパレータ30を、120℃での熱収縮率が、正極集電体11の樹脂層13より小さくなるように構成することによって、セパレータ30のシャットダウン機能が作動する前に、正極10の集電体を構成する樹脂層13を溶断させることができる。これにより、樹脂層13およびセパレータ30による電流遮断効果により、2段階で電流遮断が可能となるので、リチウムイオン二次電池の安全性をより向上させることができる。
なお、上記セパレータ30の180℃での熱収縮率を、1.0%以下とすれば、過充電状態や高温状態等で異常発熱が発生した場合に、セパレータ30の熱収縮に起因する内部短絡(電極端部にて生じる電池の内部短絡)の発生を抑制することができるので、急激な温度上昇が生じるのを抑制することができる。その結果、リチウムイオン二次電池の安全性をさらに向上させることができる。さらに、このように構成すれば、180℃の温度でも、セパレータ30の溶融・流動化を抑制することもできるので、溶融・流動化に起因してセパレータ30の孔が大きくなるという不都合が生じるのを抑制することができる。このため、電池内部が180℃に達した際に、何らかの理由で電極(正極10)の破損が起こらなかった場合でも、セパレータ30の孔が大きくなることに起因して、正負極の短絡箇所が広がるという不都合が生じるのを抑制することもできる。
(第2実施形態)
図17は、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。図18は、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の一部を模式的に示した斜視図である。図19および図20は、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池を説明するための断面図である。次に、図3および図17〜図20を参照して、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、各図において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は適宜省略する。
この第2実施形態では、図17に示すように、低融点金属からなる導電部材80が、金属箔80bから構成されている。そして、この導電部材80が、積層された正極集電体11の各間に、それぞれ、配されている。また、箔状に形成された複数の導電部材80は、それぞれ、正極集電体11の外側(活物質層12とは反対側)に延出(延在)するように配されている。具体的には、たとえば、図17および図18に示すように、導電部材80が略短冊状(帯状)に形成されているとともに、この導電部材80が、X方向にずらして配置されている。これにより、導電部材80が、正極集電体11の外側に延出(延在)している。
さらに、複数の導電部材80は、図19および図20に示すように、正極集電体11の各間に配された部分(溶接領域M1)において、正極10(正極集電体11)の集電体露出部11aに溶接固定されている。また、複数の導電部材80における各延出部分は、タブ電極41と溶接固定されている。すなわち、上記導電部材80の一方の端部は、溶接領域M1において、正極10に溶接固定されており、上記導電部材80の他方の端部は、溶接領域M2において、タブ電極41に溶接固定されている。具体的には、図20に示すように、導電部材80の一方の端部が、正極集電体11とともに、たとえば、溶接機500で厚み方向(白矢印参照)に押圧されることで、導電部材80と正極集電体11(集電体露出部11a)とが溶接固定されている。また、導電部材80の他方の端部が、タブ電極41とともに、たとえば、溶接機500で厚み方向(白矢印参照)に押圧されることで、導電部材80とタブ電極41とが溶接固定されている。これにより、配線引き出し用のタブ電極41が、低融点金属からなる導電部材80を介して、正極10の集電体露出部11aと電気的に接続された状態となっている。また、図18に示すように、溶接箇所200は、溶接時の圧力で凹んだ状態となっている。
なお、図17および図19に示すように、箔状の導電部材80は、正極集電体11の間のみならず、最も外側(最上層、最下層)の正極10(正極集電体11の導電層14)にも配されているのが好ましい。また、導電部材80(金属箔80b)の厚みは、特に限定されないが、たとえば、約0.05mm〜約0.5mmにされていると好ましい。また、第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、導電部材80が貫通部材には構成されていないため、正極集電体11には、貫通部材を挿通させる貫通孔11b(図3参照)は設けられていない。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、タブ電極41を、低融点金属からなる箔状の導電部材80を介して、電極(正極10)と電気的に接続することによって、上記第1実施形態と同様、過充電状態などの何らかの原因で電池内部の温度が上昇した場合に、その電池内部の温度で導電部材80を溶断させることができる。これにより、タブ電極41と電極(正極10)との電気的接続を遮断することができる。
また、第2実施形態では、複数積層された正極10における正極集電体11(集電体露出部11a)の間に、低融点金属からなる箔状の導電部材80を配し、その導電部材80の一部を、タブ電極41に溶接することによって、各正極集電体11の導電層14を、導電部材80を介して、タブ電極41と電気的に接続することができる。このため、多層構造を有する集電体(正極集電体11)を用いた場合でも、全ての正極10を、タブ電極41と電気的に接続することができるので、電池性能の低下を抑制することができる。その結果、リチウムイオン二次電池の性能を最大限活用することができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図21は、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。図22および図23は、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池を説明するための図である。次に、図21〜図23を参照して、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、各図において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は適宜省略する。
この第3実施形態では、図21〜図23に示すように、上記第2実施形態の構成において、正極集電体11の間に配された金属箔90が、低融点金属以外の金属材料から構成されている。そして、この金属箔90が、低融点金属からなる導電部材80によって、タブ電極41に溶接されている。具体的には、図23に示すように、たとえば、ブロック状の導電部材80(80c)を用いて、全ての金属箔90がタブ電極41に接合されている。これにより、配線引き出し用のタブ電極41が、低融点金属からなる導電部材80を介して、正極10の集電体露出部11aと電気的に接続されている。なお、金属箔90は、本発明の「箔状部材」の一例である。また、タブ電極41の溶接には、たとえば、超音波溶接や抵抗溶接などを用いることができる。
また、上記金属箔90は、たとえば、アルミニウムまたはアルミニウム合金などから構成されている。ただし、上記金属箔90は、アルミニウムまたはアルミニウム合金以外であってもよく、たとえば、チタン、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属材料、または、これらの合金などから構成されていてもよい。また、金属箔90の厚みは、特に限定されないが、たとえば、約0.05mm〜約0.5mmにされていると好ましい。
第3実施形態のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
第3実施形態では、上記のように、金属箔90を、その一部が電極(正極10)の外側に延出するように、正極10に接続するとともに、金属箔90の延出された部分を、低融点金属からなる導電部材80によって、タブ電極41に溶接することにより、タブ電極41を、導電部材80を介して、電極(正極10)と電気的に接続することができる。このため、過充電状態などの何らかの原因で電池内部の温度が上昇した場合に、その電池内部の温度で導電部材80を溶断させることができる。これにより、タブ電極41と電極(正極10)との電気的接続を遮断することができる。
また、第3実施形態では、複数積層された正極10における正極集電体11(集電体露出部11a)の間に、金属箔90を配し、その金属箔90の一部を、タブ電極41に溶接することによって、各正極集電体11の導電層14を、導電部材80を介して、タブ電極41と電気的に接続することができる。このため、多層構造を有する集電体(正極集電体11)を用いた場合でも、全ての正極10を、タブ電極41と電気的に接続することができるので、電池性能の低下を抑制することができる。その結果、リチウムイオン二次電池の性能を最大限活用することができる。
第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第3実施形態の変形例)
図24および図25は、第3実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した断面図である。
第3実施形態の変形例では、図24および図25に示すように、上記第3実施形態の構成において、低融点金属からなる導電部材(導電材)80(80d)を溶融させて、金属箔90をタブ電極41に接合している。具体的には、たとえば、低融点金属からなる導電部材(導電材)80(80d)を用いて、ハンダ付けの要領で、金属箔90をタブ電極41に接合している。
第3実施形態の変形例におけるその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。また、第3実施形態の変形例の効果は、上記第3実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、非水系二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、リチウムイオン二次電池以外の非水系二次電池に本発明を適用してもよい。また、今後開発される非水系二次電池に本発明を適用することもできる。
また、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、積層型の二次電池に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、積層型以外の、たとえば、巻回型の二次電池に本発明を適用してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、集電体の樹脂層(絶縁層)にフィルム状の樹脂層を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、フィルム状以外に、たとえば、繊維状の樹脂層を用いてもよい。繊維状の樹脂層としては、たとえば、織布または不織布などからなる層が挙げられる。
上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、正極側の集電体を、樹脂層および導電層を含む多層構造に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、負極側の集電体を、樹脂層および導電層を含む多層構造に構成してもよい。たとえば、正極および負極の両方を、多層構造(三層構造)を有する集電体を用いて形成してもよいし、正極および負極の一方を、多層構造(三層構造)を有する集電体を用いて形成してもよい。なお、正極および負極の一方を、多層構造(三層構造)を有する集電体を用いて形成する場合、正極側を、多層構造(三層構造)を有する集電体を用いて形成するのが好ましい。
また、負極側の集電体を、多層構造に構成する場合、導電層は、銅または銅合金から構成されているのが好ましい。具体的には、導電層として、たとえば、約4μm〜約10μmの厚みを有する銅箔または銅合金箔を用いるのが好ましい。なお、負極集電体の導電層は、銅または銅合金以外であってもよく、たとえば、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、または、これらの合金などから構成されていてもよい。また、負極集電体の樹脂層は、たとえば、正極集電体の樹脂層と同じもの(正極集電体11の樹脂層に用いることが可能なもの)を用いることができる。
なお、負極側の集電体を多層構造に構成した場合、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)で示した正極(正極集電体)と同様、導電部材を介して、積層された複数の電極(負極)とタブ電極とが電気的に接続されるように構成されるのが好ましい。
また、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)において、導電部材を構成する低融点金属には、所望の温度で溶断可能な材料を適宜用いることができる。
また、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、導電部材(導電材)を低融点金属から構成した例を示したが、上記導電部材を、温度変化に応じて抵抗が増大する材料から構成してもよい。具体的には、たとえば、上記導電部材を、PTC材料から構成してもよい。このように構成すれば、何らかの原因で電池内部の温度が上昇した場合に、その電池内部の温度で導電部材(導電材)の抵抗が増大するので、これにより、タブ電極と電極との導通を遮断することができる。また、電極に異常電流が流れた場合、その電流によって上記導電部材(導電材)の抵抗が増大する場合もある。このような場合でも、タブ電極と電極との導通を遮断することができる。なお、上記導電部材は、PTC材料(PTC素子)以外に、たとえば、バイメタルなどの感温素子や、ヒューズなどであってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、タブ電極が、複数積層された全ての電極(正極)と、導電部材を介して、電気的に接続された例を示したが、本発明はこれに限らず、タブ電極が、複数の電極の少なくとも一部の電極(導電層)と、導電部材を介して、電気的に接続された構成とされていてもよい。たとえば、上記第2実施形態を例にとると、図26に示すように、タブ電極41の一部が最上層の正極10(正極集電体11の集電体露出部11a)に接続された構成にすることもできる。この場合、電池内部の異常発熱により導電部材が溶断しても、タブ電極41は最上層の正極10と接続された状態となる。しかしながら、正極集電体11は、樹脂層13を有する多層構造に構成されているため、下層の正極10との電気的接続は遮断される。このため、このように構成した場合でも、安全性をより向上させることができる。また、このように構成すれば、タブ電極41の接続強度を向上させることができるので、耐久性および耐振動性を向上させることもできる。なお、図27に示すように、上記第3実施形態の構成においても、同様に、タブ電極41の一部が最上層の正極10(正極集電体11の集電体露出部11a)に接続された構成にすることができる。また、上記第1実施形態の構成においても、同様とすることができる。
また、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、電極群を収容する外装容器に扁平角形容器を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、外装容器の形状は、扁平角形以外であってもよい。たとえば、上記外装容器は、薄い扁平筒型、円筒型、角筒型等であってもよい。ただし、大型のリチウムイオン二次電池の場合、組電池として使用することが多いため薄い扁平型または角型であるのが好ましい。さらに、上記外装容器は、金属製の缶以外に、たとえば、ラミネートシートなどを用いた外装容器であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、正極(正極活物質層)よりも負極(負極活物質層)の方が大きくなるように構成した例を示したが、負極(負極活物質層)と正極(正極活物質層)とが同じ大きさになるように構成されていてもよい。ただし、正極(正極活物質層)よりも負極(負極活物質層)の方が大きくなるように構成されているのが好ましい。このように構成されていれば、正極活物質層の形成領域(正極活物質領域)が、面積の大きい負極活物質層の形成領域(負極活物質領域)で覆われることにより、積層ずれの許容範囲を広げることもできる。
なお、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)において、外装容器の形状だけでなく、大きさや構造等についても種々変更することができる。また、電極(正極、負極)の形状、寸法、使用枚数なども、適宜変更することができる。さらに、セパレータの形状、寸法などについても、適宜変更することができる。セパレータの形状としては、たとえば、正方形または長方形等の矩形、多角形、円形等種々の形状が挙げられる。
また、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、集電体の両面に活物質層を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、集電体の片面にのみ活物質層を形成してもよい。また、集電体の片面にのみ活物質層を形成した電極(正極、負極)を電極群の一部に含むように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態(変形例を含む)では、リチウムイオン二次電池の電解質として非水電解液を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、非水電解液以外のたとえばゲル状電解質、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩などを電解質として用いてもよい。
また、上記第1実施形態では、積層した電極(集電体)の全てを導電部材(貫通部材)で貫通した構成を示したが、本発明はこれに限らず、積層した電極(集電体)の一部を貫通部材で貫通する構成にしてもよい。たとえば、積層した複数の電極(集電体)を複数の群(グループ)に分割し、群毎(グループ毎)に、電極(集電体)を導電部材(貫通部材)で貫通するようにしてもよい。すなわち、上記導電部材(貫通部材)は、2つ以上の電極(集電体)を連続して貫通するように構成されていればよい。
なお、上記で開示された技術を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
5 電極
10 正極
11 正極集電体
11a 集電体露出部
11b 貫通孔
12 正極活物質層
13 樹脂層(絶縁層)
14 導電層
20 負極
21 負極集電体
21a 集電体露出部
22 負極活物質層
30 セパレータ
41、42 タブ電極
50 電極群
60 外装缶
61 底面部
62 側壁部
63 開口部
64 電極端子
65 注液孔
66 安全弁
67 折り返し部
70 封口板
80 導電部材(導電材)
80a 貫通部材(導電材)
80b 金属箔(導電材)
90 金属箔(箔状部材)
100 外装容器
200 溶接箇所
500 溶接機

Claims (20)

  1. 絶縁層を導電層で挟んだ多層構造を有する集電体と、前記集電体上に形成された活物質層とを含む電極と、
    前記電極と接続される配線引き出し用のタブ電極とを備え、
    前記タブ電極が、低融点金属からなる導電材を介して、前記電極と電気的に接続されていることを特徴とする、非水系二次電池。
  2. 前記低融点金属は、電池内部の発熱により溶融する金属材料から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の非水系二次電池。
  3. 前記電極は、複数積層されており、
    前記タブ電極は、前記複数の電極の少なくとも一部の電極と、前記導電材を介して、電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の非水系二次電池。
  4. 前記導電材は、前記電極を厚み方向に貫通する貫通部材に構成されていることを特徴とする、請求項1〜3に記載の非水系二次電池。
  5. 前記電極は、複数積層されており、
    前記貫通部材は、前記複数の電極を厚み方向に連続して貫通していることを特徴とする、請求項4に記載の非水系二次電池。
  6. 前記導電材は、箔状に形成されているとともに、その一部が前記電極の外側に延出するように、前記電極に接続されており、
    前記導電材の延出された部分が、前記タブ電極に接続されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  7. 前記電極は、複数積層されているとともに、前記電極間の各々に、前記箔状の導電材が配されており、
    前記導電材の延出された部分が、それぞれ、前記タブ電極に溶接されていることを特徴とする、請求項6に記載の非水系二次電池。
  8. 導電性材料から構成される箔状部材をさらに備え、
    前記箔状部材は、その一部が前記電極の外側に延出するように、前記電極に接続されており、
    前記箔状部材の延出された部分が、低融点金属からなる前記導電材によって、前記タブ電極に溶接されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  9. 前記電極は、複数積層されているとともに、前記電極間の各々に、前記箔状部材が配されていることを特徴とする、請求項8に記載の非水系二次電池。
  10. 前記低融点金属からなる導電材は、前記集電体の絶縁層の融点以上の融点を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  11. 前記低融点金属からなる導電材は、前記集電体の絶縁層の融点より低い融点を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  12. 前記低融点金属は、インジウム、亜鉛、ガリウム、スズ、ビスマスのいずれかを主成分とした合金からなることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  13. 前記電極は、正極および負極を含み、
    前記正極および前記負極の少なくとも一方は、多層構造を有する前記集電体を用いて形成されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  14. 前記集電体の絶縁層は、フィルム状または繊維状の樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  15. 前記集電体の絶縁層は、熱可塑性樹脂からなり、120℃での熱収縮率が、平面方向のいずれかの方向で1.5%以上であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  16. 前記集電体の絶縁層は、ポリオレフィン樹脂のいずれかを含む樹脂または、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドのいずれかを含む樹脂、もしくは、これらの複合材料からなることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  17. 前記電極は、正極および負極を含むとともに、前記正極および前記負極の間に配されるセパレータをさらに備えており、
    前記セパレータは、120℃での熱収縮率が、前記集電体の絶縁層より小さいことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  18. 前記セパレータの180℃での熱収縮率は、1.0%以下であることを特徴とする、請求項17に記載の非水系二次電池。
  19. 前記セパレータは、アラミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂のいずれかを含むことを特徴とする、請求項17または18に記載の非水系二次電池。
  20. 絶縁層を導電層で挟んだ多層構造を有する集電体と、前記集電体上に形成された活物質層とを含む電極と、
    前記電極と接続される配線引き出し用のタブ電極とを備え、
    前記タブ電極が、温度変化に応じて抵抗が増大する導電材を介して、前記電極と電気的に接続されていることを特徴とする、非水系二次電池。
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