JP2012187096A - 醤油様調味料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トマトを原料として乳酸発酵させた後に、酵母によって発酵・熟成させることにより醤油様調味料を得る。または、乳酸発酵をせずに、トマト原料を酵母によって発酵・熟成させることにより醤油様調味料を得る。トマトを原料として発酵することで、トマト由来の成分と、発酵により生じる各種成分が合わさって、つけかけから調理まで様々な用途で使用可能な醤油様調味料が得られる。
【選択図】図1
Description
醤油において、原材料は麹の酵素によって分解されているため、アレルゲンは減少していると考えられるものの、大豆または小麦のアレルギー患者は、健康障害の程度によっては醤油を使用することができなかった。特に小麦など、グルテンを含む穀類は、セリアック病患者に重篤な症状を引き起こすことが知られており、世界中でグルテンフリー食品の開発が求められている。このように、日本国内やコーデックスにおいて食品への表示が義務付けられている、あるいは奨励されている、アレルゲンを含む食物を使用せず(以下、アレルゲンフリーという)に、醤油の味、香りを有する代替調味料が強く求められてきた。
1)トマトを酵母により発酵・熟成させて得られる醤油様調味料。
2)トマトを乳酸発酵させた後、酵母により発酵・熟成させて得られる醤油様調味料。
3)HEMFを含有することを特徴とする上記1)〜2)に記載の醤油様調味料。
4)HEMFが0.2ppm以上である上記3)に記載の醤油様調味料。
5)エタノールを含有することを特徴とする上記1)〜4)のいずれかに記載の醤油様調味料。
6)エタノールが0.5%(v/v)以上である上記5)に記載の醤油様調味料。
7)乳酸を含有することを特徴とする上記1)〜6)のいずれかに記載の醤油様調味料。
8)乳酸が0.02%(w/v)以上である上記7)に記載の醤油様調味料。
に関する。
トマト諸味は、乳酸菌を添加した場合、15〜45℃の温度にて乳酸発酵を行うことが好ましく、特に20〜35℃の温度で乳酸発酵を行うことが好ましい。本発明における乳酸発酵に用いられる乳酸菌としては、公知に醤油醸造に用いられているTetragenococcus halophilus等の耐塩性乳酸菌の他、漬物等の発酵食品に見出されるPediococcus pentosaceus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus sakeiが好ましく、醤油の風味を持たせる観点からは、特にTetragenococcus halophilusが好ましい。乳酸菌を添加し、乳酸発酵を行う場合のトマト諸味は通常pH5.0〜7.0が好ましく、乳酸発酵完了後のトマト諸味はpH4.0〜6.0が好ましい。
食塩を加えpHを調整し、場合により加熱殺菌したトマトまたは乳酸発酵を完了したトマト諸味は、酵母を添加して酵母発酵を行う。乳酸発酵を完了した後に、または酵母発酵の直前に、食塩をトマト諸味へ追加してもよい。HEMFを効率よく生成させる観点から、酵母発酵時の食塩濃度は4.0〜20.0%(w/v)であることが好ましく、特に6.0〜16.0%(w/v)であることが好ましい。温度は、酵母による発酵を効率よく行わせる観点から15〜45℃において発酵を行うことが好ましく、特に20〜35℃の温度で酵母発酵を行うことが好ましい。本発明における酵母発酵に用いられる酵母としては、公知に醤油醸造に用いられているZygosaccharomyces rouxii、Zygosaccharomyces bailli、Candida etchellsii、Candida verstilis等の耐塩性酵母が好ましい。
トマトとしてトマトエキス(ライコレッド社製、イスラエル産、Brix60%(w/w))を、Brixが15.6%、31.2%、46.8%(w/v)となるように蒸留水で希釈し、水酸化ナトリウムでpHを6.0に調整した。さらに食塩濃度が12%(w/v)となるように食塩を加え、乳酸菌としてTetragenococcus halophilusを加えよく混合し、1Lずつトマト諸味を仕込んだ。
諸味品温を25℃に保持し、乳酸発酵を行った。3週間後、定法に従い耐塩性の醤油酵母(Zygosaccharomyces rouxii)を添加し、諸味品温を25℃に保持しながら14日間通気攪拌し、酵母発酵を行った。さらに諸味品温を25〜30℃に保持し発酵・熟成させた。
各種試験品の発酵終了時点での食塩濃度はそれぞれ試験品1−1:12.7% 、試験品1−2:12.3%、試験品1−3:12.1%(いずれもw/v)であった。官能評価時には、一般的なこいくちしょうゆの食塩濃度である16.0%(w/v)となるように食塩を添加した。
醤油の一般成分は、しょうゆ試験法(財団法人、日本醤油研究所編、昭和60年(1985年)3月1日発行)記載の方法に従い分析を行った。色度は、日本農林規格で定められた方法に従い測定を行った。
HEMFや、その他の香気成分は、ガスクロマトグラフィー法(Journal of Agricultural and Food Chemistry Vol.39,934(1991)参照)にて分析定量した。トータルイオンクロマトグラムを図1に、香気成分分析結果を表1にそれぞれ示す。
各試験品の官能評価は、訓練され識別能力を有するパネル5名により、前述の対照品と試験品の味と香りについて、醤油らしさの強度をセマンティック・ディファレンシャル法(以下、SD法という)で評価した。対照品・試験品の香りを嗅いだ後、0.2mlを喫食することで比較を行った。評定尺度は下記の基準に従い、パネリスト間の平均評定を算出した。
(評定尺度)
1.醤油らしさをかなり弱く感じられるか、ほとんど感じられない
2.醤油らしさをやや弱く感じられる
3.醤油らしさを感じられる
4.醤油らしさをやや強く感じられる
5.醤油らしさをかなり強く感じられる
エタノールは3.0〜4.1%(v/v)、HEMFは0.23〜17.7ppmとなり、対照品と比較して顕著に高くなっていることが分かる。色番について、試験品1−1は、日本農林規格で定めるうすくちしょうゆの規格(22番以上)となり、試験品1−2、1−3はこいくちしょうゆの規格(18番以下)となった。
トマトとしてトマトエキス(ライコレッド社製、イスラエル産、Brix60%(w/w))を蒸留水で希釈し、トマト諸味の食塩濃度が11%(w/v)となるように食塩を加えた。トマト諸味のBrixは44.2%(w/v)、pHは3.9であった。これとは別にトマトエキスを蒸留水で希釈し、トマト諸味の食塩濃度が11%(w/v)となるように食塩を加え、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムでpH4.8に調整した。トマト諸味のBrixはそれぞれ45.1%、44.9%(w/v)となった。各トマト諸味に醤油酵母としてZygosaccharomyces rouxiiを加えよく混合し、3Lずつトマト諸味を仕込んだ。
諸味品温を25℃に保持しながら14日間通気攪拌し、酵母発酵を行った。さらに諸味品温を25〜30℃に保持し発酵・熟成させた。
各種試験品の発酵終了時点での食塩濃度はそれぞれ試験品2−1:13.4% 、試験品2−2:13.0%、試験品2−3:12.8%(いずれもw/v)であった。官能評価時には、一般的なこいくちしょうゆの食塩濃度である16.0%(w/v)となるように食塩を添加した。
トマトとしてトマトエキス(ライコレッド社製、イスラエル産、Brix60%(w/w))を蒸留水で希釈し、食塩濃度が7%、9%、11%、17%(w/v)となるように食塩を添加した。食塩濃度が7%、9%のトマト諸味は、水酸化ナトリウムでpHを6.0に調整した。同様にして食塩濃度が11%のトマト諸味はpHを5.5、6.0、6.5に調整した。食塩濃度が17%のトマト諸味は水酸化ナトリウムでpHを6.0に調整した。乳酸菌としてTetragenococcus halophilusを加えよく混合し、3Lずつ仕込んだ。
諸味品温を25℃に保持し、乳酸発酵を行った。2週間後、定法に従い耐塩性の醤油酵母(Zygosaccharomyces rouxii)を添加し、諸味品温を25℃に保持しながら14日間通気攪拌し、酵母発酵を行った。さらに諸味品温を25〜30℃に保持し発酵・熟成させた。
各種試験品の発酵終了時点での食塩濃度はそれぞれ試験品3−1:7.2% 、試験品3−2:9.2%、試験品3−3:11.7%、試験品3−4:11.7%、試験品3−5:17.2%(いずれもw/v)であった。官能評価時には、一般的なうす塩しょうゆの食塩濃度である13.0%(w/v)となるように食塩を添加した。食塩濃度の高い試験品3−5はそのまま試食を行った。
トマトとしてトマトエキス(ライコレッド社製、イスラエル産、Brix60%(w/w))を蒸留水で希釈し、食塩濃度が11%または15%となるように食塩を添加した。水酸化ナトリウムでpHを6.0に調整した後、90%乳酸(キユーピー醸造社製)を用いてpH5.1またはpH5.3に調整した。pH5.1の諸味には醤油酵母(Zygosaccharomyces rouxii)を、pH5.3の諸味には市販の醤油酵母(ビオック社製)を加えよく混合し、3Lずつトマト諸味を仕込んだ。これとは別に食塩濃度が11%と15%のトマト諸味について、それぞれpH5.7、pH6.0に水酸化ナトリウムで調整した後、90%乳酸を用いてどちらもpH5.5に調整し、醤油乳酸菌(Tetragenococcus halophilus)と醤油酵母(Zygosaccharomyces rouxii)を加えよく混合し、3Lずつトマト諸味を仕込んだ。
諸味品温を30℃に保持しながら7日間通気攪拌し、酵母発酵を行った。さらに諸味品温を30〜40℃に保持し発酵・熟成させた。
各種試験品の発酵終了時点での食塩濃度はそれぞれ試験品4−1:11.7% 、試験品4−2:11.7%、試験品4−3:11.8%、試験品4−4:15.5%(いずれもw/v)であった。官能評価時には、一般的なこいくちしょうゆの食塩濃度である16.0%(w/v)となるように食塩を添加した。
試験品が和風メニューにおいて、醤油らしさを感じられるか評価するため、つけかけ(ホウレン草、刺身)、じゃがいもの煮付け、鶏の照り焼きについて官能評価を行った。前述と同様に、官能評価は、訓練され識別能力を有するパネル5名により、試験品1−3を使用した調理品の味と香りについて、醤油らしさの強度をSD法で評価した。調理品の香りを嗅いだ後、喫食することで評価を行った。評定尺度は下記の基準に従い、パネリスト間の平均評定を算出した。
(評定尺度)
1.醤油らしさをかなり弱く感じられるか、ほとんど感じられない
2.醤油らしさをやや弱く感じられる
3.醤油らしさを感じられる
4.醤油らしさをやや強く感じられる
5.醤油らしさをかなり強く感じられる
市販のホウレン草を購入した。熱湯中で茹でたホウレン草を流水中で冷やし、水気を絞った。試験品を適量添加しさらに絞った。約5cm間隔に切ったものを用意した。小皿に用意した5mlの試験品1−3につけ、喫食する際の醤油の香り、味について、SD法で評価した。
市販の本まぐろ(赤身)のサクを、約7mm間隔に切ったものを用意し、本まぐろの刺身とした。小皿に用意した5mlの試験品1−3に刺身をつけ、喫食する際の醤油の香り、味について、SD法で評価した。
材料:
じゃがいも 中2個
玉ねぎ 中1個
酒 37.5ml
サラダ油 15ml
だし汁 5ml
水 300ml
みりん 22.5ml
試験品1−3 15ml
上記の材料を用意した。じゃがいもは4cm大に切り、玉ねぎは1cm幅のくし形に切った。鍋に油を温め、玉ねぎを炒めた。じゃがいもを加えてさらに炒め、だし汁・水を加え、沸騰したら中火にして煮た。最後にみりんと試験品1−3を加え、5分煮て味をしみ込ませ完成とした。お椀型の容器に取り分け、喫食する際の醤油の味、香りについて、SD法で評価した。
材料:
鶏もも肉 200g
塩 1g
胡椒 0.5g
まいたけ 1/2パック
サラダ油 5ml
酒 15ml
はちみつ 10ml
試験1−3 15ml
上記の材料を用意した。鶏もも肉は筋を切り、4cm大に切り、塩・胡椒を振った。フライパンに油を温め、皮目を下にして焼き、皮目に焼き色が付いたら裏側に返して焼き色を付けた。酒、はちみつ、試験品1−3を入れて蓋をし、弱火で5分間蒸し焼きにした。ほぐしたまいたけを入れてさらに2分間焼き、味を絡め、完成とした。平皿に取り分け、喫食する際の醤油の味、香りについて、SD法で評価した。
訓練され識別能力を有するパネル8名により、試験品4−1の洋風メニューにおける調理適性を評価した。
材料:
市販コンソメの素 5g
水 295ml
試験品4−1 5ml
市販コンソメの素(日本ネスレ社製、無添加コンソメ)を95℃のお湯で溶解し、試験品4−1を添加し、よく混合した。コンソメのみの場合と比較して、試験品4−1を添加した場合に旨味が増強したと感じた人数、コク味が向上したと感じた人数、コンソメの風味が強くなったと感じた人数を表7に示す。
材料:
鶏もも肉 1枚(200g)
塩 1g
こしょう 0.5g
バター 5g
水 100ml
市販コンソメの素 4g または 試験品4−1 12ml
砂糖 9g
オレンジジュース 80ml
水溶き片栗粉 少々
上記の材料を用意した。鶏肉に塩・こしょうを振り、フライパンに油を温め、皮目を下にして焼き、皮目に焼き色が付いたら裏側に返して焼き色を付けた。鶏肉を取り出し、水と、市販コンソメの素(味の素社製、顆粒コンソメ)または試験品4−1を添加し、砂糖、オレンジジュース(日本デルモンテ社製)を加えて3分間煮た。鶏肉を戻し、煮汁をかけながら5分煮た後、鶏肉は器に盛り付けた。フライパンに残ったソースに水溶き片栗粉を加えてとろみを付け、鶏肉にかけ、完成とした。コンソメを使用した場合と比較して、試験品4−1を使用した場合の方がオレンジソースの酸味が向上したと感じた人数、コク味が向上したと感じた人数、オレンジの風味が強くなったと感じた人数を表8に示す。
Claims (8)
- トマトを酵母により発酵・熟成させて得られる醤油様調味料。
- トマトを乳酸菌と酵母により発酵・熟成させて得られる醤油様調味料。
- HEMFを含有することを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の醤油様調味料。
- HEMFが0.2ppm以上である請求項3に記載の醤油様調味料。
- エタノールを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の醤油様調味料。
- エタノールが0.5%(v/v)以上である請求項5に記載の醤油様調味料。
- 乳酸を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の醤油様調味料。
- 乳酸が0.02%(w/v)以上である請求項7に記載の醤油様調味料。
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