JP2012188909A - 樹脂成型品用組成物および内装建材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建築物の内装造作材に使用する樹脂成型品を製造するに際して、塩化ビニル系樹脂中にけい酸カルシウム粉末を配合した樹脂組成物を使用することにより、建築物の内装造作材として必要な特性を低減することなく、抗菌性発現を目的に調製された金属系抗菌性材料と遜色の無い抗菌性を実現できる。
【選択図】なし
Description
さらに、人体への影響が懸念される金属系抗菌剤を使用せず、また、薬剤の溶出が懸念される有機系抗菌剤も使用しないことから、人体への安全性が高く、環境への負荷も小さい。
本発明に使用する塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルを主体とする複合体であり、塩化ビニル単独で重合したものの他、塩化ビニルを主たる単量体として他の単量体と共重合させたものを含む。塩化ビニルと共重合し得る単量体としては特に制限されず、例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル類、エチレン、プロピレン等のα-モノオレフィン類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、さらには、アルキルビニルエーテル類、マレイミド類、塩化ビニリデン、スチレン等を好ましく使用できる。
塩化ビニル系樹脂として、塩化ビニルと他の単量体との共重合体を使用する場合には、当該共重合体のモノマー成分中の塩化ビニルの含有量を50質量%以上とすることが好ましく、70質量%以上とすることが特に好ましい。
塩化ビニル系樹脂に他の樹脂成分を併用する場合には、他の樹脂の使用料が塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、50質量部以下とすることが好ましく、30質量部以下とすることが好ましい。
本発明で使用するけい酸カルシウムの粉末は、それ専用に製造し使用することはもちろん可能だが、けい酸カルシウム板を基材とする不燃化粧板を製造する際に発生する廃棄物などのけい酸カルシウムを使用した他の製品の廃棄物を再利用することもできる。このようなけい酸カルシウム廃棄物を使用した本発明の組成物は、廃棄物の有効利用が可能で、環境負荷低減にも役に立つものであるため好ましい。このようなけい酸カルシウム廃棄物としては、具体的には、例えば、けい酸カルシウム板の表面平滑性を出すために研磨処理する工程で生成する研磨粉を利用できる。また、当該けい酸カルシウム粉末は、その表面等が変性されていない無変性のけい酸カルシウム粉末を好適に使用できる。
本発明の樹脂成型品用組成物は、内装建材に用いる樹脂成型品を形成する樹脂組成物であり、上記塩化ビニル系樹脂中にけい酸カルシウム粉末を含有する。本発明の組成物は、塩化ビニル系樹脂を使用した樹脂成型品の良好な表面意匠性を阻害することなく、好適にけい酸カルシウムの水和反応による活性酸素発生や、成型品のpHの増加によるアルカリ性付与が可能となり、内装建材に必要とされる好適な表面意匠性と、優れた菌の増殖抑制効果とを、有害又は高価な抗菌剤を使用することなく極めて安価に実現できる。また、塩化ビニル系樹脂中にけい酸カルシウムを含有することで、寸法安定性の良好な成型品を得ることができる。
本発明の樹脂成型品用組成物には、前述の各成分に加え、通常の内装建材に使用される樹脂成型品を形成する塩化ビニル系樹脂組成物に使用される熱安定剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、滑剤、可塑剤、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤などが用途に応じて添加することができる。
本発明の樹脂成型品用組成物には、木質様の樹脂成型品用組成物に一般に使用されている木粉を添加できる。本発明の樹脂成型品用組成物に木粉を併用することで、得られる成型品の曲げ強度を向上させることができるため、強度が必要とされる用途においては、木粉を使用することが好ましい。曲げ強度を好適に付与するに際しては、木粉の含有量を塩化ビニル系樹脂100質量部に対して10〜30質量部とすることが好ましい。一方、水に対する耐腐食性や耐光性が高度に要求される用途においては、木粉の含有量を少なくすることが好ましい。
本発明の樹脂成型品用組成物においては、成型品の使用態様に応じて、着色や装飾を施すために着色剤を添加することも好ましい。着色剤としては、各種の顔料を好適に使用でき、例えば、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カドミウム系顔料、チタンホワイト及びカーボンブラック等の着色剤を好ましく使用できる。これら着色剤は、所望の着色や装飾に応じて、1種以上の着色剤を配合することができる。
キナクリドン系顔料は、p−フェニレンジアントラニル酸類を濃硫酸で処理することにより得られ、黄みの赤から赤みの紫の色相で、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンバイオレットなどがある。ペリレン系顔料は、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸無水物と芳香族第一級アミンの縮合反応により得られ、色相は赤から赤紫、茶色まであり、ペリレンレッド、ペリレンオレンジ、ペリレンマルーン、ペリレンバーミリオン、ペリレンボルドーなどがある。ポリアゾ縮合顔料は、アゾ色素を溶剤中で縮合して高分子量化したもので、色相としては黄、赤系顔料であり、ポリアゾレッド、ポリアゾイエロー、クロモフタルオレンジ、クロモフタルレッド、クロモフタルスカーレットなどがある。イソインドリノン系顔料は、4,5,6,7−テトラクロロイソインドリノンと芳香族第一級ジアミンの縮合反応により得られ、色相は緑みの黄色から、赤、褐色にまで及び、イソインドリノンイエローなどがある。銅フタロシアニン系顔料は、フタロシアニン類に銅を配位した顔料で、色相は黄みの緑から鮮やかな青まであり、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーなどがある。カドミウム系顔料は、硫化カドミウムを含む固溶体などからなる顔料で、色相範囲は黄、赤、マルーンであり、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエローなどがある。チタンホワイトは、二酸化チタンからなる白色顔料で、隠蔽力が大きく、アナタース形とルチル形がある。カーボンブラックは、炭素を主成分とし、酸素、水素、窒素を合む黒色顔料で、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、ボーンブラックなどがある。
本発明の樹脂成型品用組成物において衝撃強度の特に大きい成形品を目的とする場合は、耐衝撃強化剤を配合することが好ましい。耐衝撃強化剤としては、弾性を付与できる成分であれば特に限定するものではないが、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体への塩化ビニルグラフト共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体などが好ましく使用できる。これらの耐衝撃強化剤は、樹脂成型品用組成物中において、微細な弾性粒子が不均一相となって分散し、弾性粒子と塩化ビニル系樹脂とが相溶することにより、得られる成型品の耐衝撃性が向上する。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。本組成物において、耐衝撃強化剤を配合する場合、その配合量は塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、10〜16質量部がより好ましい。耐衝撃性改良剤の含有量を当該範囲とすることで、良好な機械的強度と耐衝撃性の向上を好適に両立できる。
熱安定剤としては、カルシウム系、亜鉛系、錫系、鉛系安定剤等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。熱安定剤を添加する場合には、その添加量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して好ましくは3〜8質量部、より好ましくは4〜7質量部である。当該添加量範囲とすることで、機械的強度物性を良好に保持しつつ、好適な熱安定性を付与しやすくなる。なかでも、カルシウム−亜鉛系のものは、製造時や廃棄時に環境への悪影響を生じにくいため特に好適に使用できる。
本発明の樹脂成型品用組成物には、重量軽減と収縮率低減のため発泡剤を添加してもよい。本発明に使用する発泡剤としてその種類は特に制限されないが、化学発泡剤等があげられる。なかでも、熱分解型発泡剤が好ましい。当該発泡剤を使用する場合には、その添加量を、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.3〜3質量部とすることが好ましい。
本発明の樹脂成型品用組成物には滑剤を使用しても良く、当該滑剤としては、低分子量ポリスチレン、パラフィンワックス類、多価アルコール脂肪酸エステル類等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂成型品用組成物には可塑剤を使用しても良く、当該可塑剤としては、塩化ビニル樹脂に使用できるものであれば特に限定されるものではなく、フタル酸エステル系、アジピン酸系ポリエステル、アジピン酸系、トリメリット酸系、エポキシ系エステル、安息香酸系などが使用できる。
本発明の樹脂成型品用組成物には充填剤を使用しても良く、当該充填剤としては無機系の粉末を好ましく使用でき、白色の微粉末であることが望ましい。例えば炭酸カルシウムやタルクなどを好適に用いることができる。
本発明の樹脂成型品は、上記樹脂成型品用組成物を成型して得られる樹脂成型品であり、好適な抗菌性や機械的強度を有し、安価に製造できることから、内装建材として好適に適用できる。樹脂成型品への成型は、押し出し成型、ブロー成型、注型成型などの方法を用いることが出来、従来の成型機を利用できる。
本発明の樹脂成型品は内装建材として好適に適用できる。なかでも、手すり、階段の笠木等の階段周辺部材、幅木や廻り縁などの造作材、ドア枠などの開口部枠やドア下部の沓等のドア周辺部材、押入れの中段部や引き出し等の収納家具周辺部材等の長期に渡って抗菌性が求められ、擦過が生じやすい内装建材として好適に適用できる。これら内装建材のなかでも、特に擦過が生じやすく、好適な抗菌性の維持が求められる手すり用途において、本発明の樹脂成型品は特に好適に適用できる。
表1に示した各成分を、下記の実施態様で配合し樹脂組成物を得た。なお、表中の配合量は質量部を表わす。
熱分解型発泡剤を除く全ての成分、すなわち塩化ビニル系樹脂、木粉、けい酸カルシウム粉末、熱安定剤、耐衝撃強化剤、滑剤、可塑剤、顔料成分をヘンシェルミキサー混合機に投入して撹拌混合しつつ120〜150℃に昇温した。この撹拌混合工程の過熱により、木粉と、けい酸カルシウム粉に含まれる水分を揮発させ、余分な水分を除去した。前述の温度に達し、充分混合されたら混合物をクーリングマシンに移して熱分解型発泡剤を添加して50〜60℃まで冷却した。続いて成型用ペレットを作る工程として、ペレッ押し出し機を用い、シリンダー及び金型を150〜170℃の温度条件下でペレット化した。
*1 重合度600〜800の直鎖状ポリ塩化ビニル
*2 ミサワテクノ(株)製「E60−T5−3」(酸化チタン含有量5%、平均粒径60μm、含水率5%)
*3 A&AM製 けい酸カルシウム板を番手#80のサンドペーパーで研磨して得られた粉末
*4 カルシウム系安定剤
*5 アクリル系改質剤
*6 ポリエチレンワックス
*7 フタル酸エステル:フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)
*8 キノクリドンレッド0.5質量%、ポリアゾイエロー0.5質量%及びチタンホワイト1.0質量%を混合
*9 炭酸カルシウム粉末
*10 アゾジカルボンアミド系有機熱分解型発泡剤
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ100mm)を、60℃の恒温乾燥機中に2時間静置し、その後一気に−20℃の冷凍庫に移して2時間静置きする工程を10サイクル繰り返し、以下の評価基準にて外観を評価した。
○:試験後に目視にて変形、割れなどの異常が確認されない
×:試験後に目視にて変形、割れなどの異常が確認される
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ100mm)を、60℃温水中に2時間静置し、その後温水から取り出し、以下の評価基準にて目視評価した。
○:試験後に目視にて変形、割れなどの異常が確認されない
×:試験後に目視にて変形、割れなどの異常が確認される
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ150mm)に対して。JAS規格の「合板」における特殊加工化粧合板の試験方法にある退色B試験を実施。より具体的には、試験片の長さ方向半分をアルミ箔で遮蔽し、高圧水銀灯を用いた退色試験機にセットする。退色試験機で、試験片表面に48時間光を照射し、その後試験片を取り出す。24時間経過後、アルミ箔で遮蔽した部分と遮蔽していない部分の比較を、目視および色差計を用いて評価する。
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ150mm)に対して、JIS K 5400の鉛筆硬度試験を実施。成型品表面に傷が付かない鉛筆の濃度で表現した。
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ300mm)を万能試験機(テスター産業製)で曲げ試験を実施し、その値を記録した。
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ50mm)に対し、JIS Z 2801:2000「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」5.2プラスチック製品の試験方法(フィルム密着法)に準拠し、抗菌力試験を実施した。
試験に用いた菌種は、大腸菌と黄色ぶどう球菌の2種。
抗菌効果の判定は、以下の式で計算した抗菌活性値が2.0以上あること
抗菌活性値=log(B/C)
B:けい酸カルシウム板サンダー粉を含有しない比較例1の試験片の24時間後の生菌数の各々の平均値
C:けい酸カルシウム板サンダー粉を含有する実施例1〜2の試験片の24時間後の生菌数の各々の平均値
Claims (3)
- 内装建材に用いる樹脂成型品を形成する樹脂組成物であって、塩化ビニル系樹脂中にけい酸カルシウム粉を含有することを特徴とする樹脂成型品用組成物。
- けい酸カルシウム粉の含有量が、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して10〜50質量部である請求項1に記載の樹脂成型品用組成物。
- 請求項1又は2に記載の樹脂成型品用組成物を成型した樹脂成型品からなる内装建材。
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