JP2012199423A - 異方性磁粉の製造方法及び異方性ボンド磁石 - Google Patents

異方性磁粉の製造方法及び異方性ボンド磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】拡散材として使用する希土類化合物の量を低減しても十分に高い保磁力を有する異方性磁粉を製造する。
【解決手段】異方性磁粉の製造方法は、水素化分解・脱水素再結合法によってHDDR粉を得る工程と、希土類化合物を含む拡散材とHDDR粉を混合して混合粉末を調製する工程と、混合粉末を加熱して拡散材に含まれる元素をHDDR粉に拡散させる工程とを備え、拡散材は、Dy、Tb、Nd、Pr又はLaの水素化物、フッ化物及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物の粉末を含有し且つアルミニウム粉末を更に含有する。
【選択図】図2

Description

本発明は異方性磁粉の製造方法及び異方性ボンド磁石に関する。
希土類元素を含有する希土類磁石の一形態として、希土類ボンド磁石が知られている。希土類ボンド磁石は、優れた磁気特性を有するとともに、複雑な形状にも比較的容易に対応できることから、モータなどの各種機器に使用されている。最近、各種機器は、小型化・高効率化が図られており、それに伴って、希土類ボンド磁石の一層の磁気特性の向上が求められている。
希土類ボンド磁石の製造方法としては、以下のような方法が提案されている。まず、HDDR法(水素化分解・脱水素再結合法)によって作製した磁石粉末(以下、「HDDR粉末」という。)に、TbやDyなどの希土類元素を含む拡散材を混合し、拡散熱処理を行うことによって希土類元素がHDDR粉末の表面及び内部に拡散された異方性磁石粉末を調製する。そして、この異方性磁石粉末を樹脂やカップリング剤、滑剤等と混練して希土類ボンド磁石を作製する(特許文献1参照)。この希土類ボンド磁石の製造方法では、TbやDyなどの希土類元素が拡散した異方性磁粉を用いていることから、保磁力等を向上することが可能になる。
特許第3452254号公報
ところで、従来の製造方法によれば、拡散材としての希土類の使用量を多くするに従って保磁力を向上できる。しかし、希土類は原料コストが高いという問題がある。
本発明は、拡散材として使用する希土類の量を低減しても十分に高い保磁力を有する異方性磁粉を製造可能な方法及びこの方法によって製造された異方性磁粉を含む異方性ボンド磁石を提供することを目的とする。
本発明者らは、拡散材として使用する希土類化合物の量を削減するため、希土類化合物の粉末と種々の材料の粉末を混合して多数の拡散材を調製し、これらを用いて異方性磁粉を作製してその評価を行った。その結果、希土類化合物の粉末に対してアルミニウム粉末を加えた拡散材は、十分に高い保磁力を有する異方性磁粉を得るのに有用であることが見出された。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明に係る異方性磁粉の製造方法は、第1の希土類元素を含む水素化分解・脱水素再結合法による処理が施されたHDDR粉末を得る工程と、第2の希土類元素を含有する拡散材とHDDR粉末を混合して混合粉末を調製する工程と、混合粉末を加熱して拡散材に含まれる元素をHDDR粉末に拡散させる工程とを備え、拡散材は、第2の希土類元素としてのDy、Tb、Nd、Pr又はLaの水素化物、フッ化物及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物の粉末を含有し且つアルミニウムの粉末を更に含有する。
この製造方法によれば、拡散材の一部としてアルミニウムの粉末を使用するため、拡散材として使用する希土類の量を低減でき、また十分に高い保磁力を有する異方性磁粉を製造できる。なお、アルミニウムの粉末をなす粒子の表面は酸化されていてもよい。
この製造方法においては、第2の希土類元素の水素化物等の粉末とアルミニウム粉末とを単に混合したものを拡散材として使用でき、拡散材の調製が容易という利点がある。これに対し、従来は拡散材として希土類元素を含む合金を使用する場合、アーク溶解等によって金属合金を作製し、得られた合金を粉砕して拡散材を得るという工程を経る必要があった。
十分に高い保磁力を有する異方性磁粉を安定的に製造するためには、上記製造方法において、以下の構成を採用することが好ましい。すなわち、拡散材の平均粒径はHDDR粉末の平均粒径の3分の1以下であることが好ましい。拡散材に含まれるアルミニウム粉末(アルミニウムの酸化物を含む)の合計量は、拡散材100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましい。
より高い保磁力を有する異方性磁粉を製造するためには、上記製造方法において、拡散材は銅粉末及びコバルト粉末の少なくとも一方を更に含有することが好ましい。この場合、拡散材に含まれる銅粉末及びコバルト粉末の合計量は、拡散材100質量部に対して0質量部を超え10質量部以下であることが好ましい。
本発明は、上記の製造方法によって製造された異方性を有する希土類合金粉末と、樹脂とを含む異方性ボンド磁石を提供する。本発明の異方性ボンド磁石は、優れた磁気特性を有する異方性磁粉を含んでいるため、優れた磁気特性を有する。また、原料に使用する希土類の量を低減できるので、原料コストを低く抑えることができる。なお、本発明に係る異方性ボンド磁石は、上記の製造方法の過程で得られた混合粉末を磁場中成形して成形体をまず作製し、当該成形体を加熱して拡散材に含まれる元素をHDDR粉に拡散させて得たものであってもよい。
本発明によれば、拡散材として使用する希土類の量を低減しても十分に高い保磁力を有する異方性磁粉が得られる。
異方性磁粉を成形して製造された希土類ボンド磁石の一例を示す斜視図である。 実施例及び比較例の結果を示すグラフである。
<異方性磁粉の製造方法>
本実施形態に係る異方性磁粉の製造方法は、第1の希土類元素を含む原料化合物に水素化分解・脱水素再結合法による処理を施して、HDDR粉末を調製するHDDR処理工程と、希土類粉末及びアルミニウム粉末等を含む拡散材を調製する調製工程と、HDDR粉末と拡散材を混合して混合粉末を調製する混合工程と、混合粉末を加熱して拡散材に含まれる元素をHDDR粉の外周部に拡散させる加熱工程とを備える。以下、各工程の詳細について説明する。
HDDR処理工程では、まず、第1の希土類元素を含む原料化合物を準備する。原料化合物は、通常の鋳造方法、例えばストリップキャスト法、ブックモールド法、又は遠心鋳造法によって得た化合物や合金を使用できる。また、更に均質化熱処理を施してもよい。原料化合物は、原料金属又は原料化合物や製造工程に由来する不可避な不純物を含んでいてもよい。
第1の希土類元素としては、いずれの希土類元素を用いてもよく、好ましくは軽希土類元素を、より好ましくはNd及び/又はPrを用いる。
なお、本明細書において、希土類元素は、長周期型周期表の第3族に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド元素のことをいう。ランタノイド元素には、例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビニウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等が含まれる。また、希土類元素は、軽希土類元素及び重希土類元素に分類することができる。本明細書における「重希土類元素」とはGd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luをいい、「軽希土類元素」とはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd、Sm,Euをいう。
原料化合物の好適な組成としては、希土類元素としてNd及びPrの少なくとも一方を含み、Bを0.5〜4.5質量%含み、残部がFe及び不可避的不純物であるR−Fe−B系の組成を有するものが挙げられる。また、原料化合物は、必要に応じて、Co、Ni、Mn、Al、Cu、Nb、Zr、Ti、W、Mo、V、Ga、Zn、Si等の他の元素を更に含んでもよい。
優れた磁気特性を有する磁性粉末を得る観点から、T(遷移金属)としてはFeが好ましく、R−Fe−B系合金の組成は、R:25〜35質量%、B:1〜1.4質量%、Fe:65.6〜72質量%であることが好ましい。Rとしては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Td、Dy、Ho、Er、Tm、Luから選ばれる1種または2種以上とすることができる。このうち、製造コスト及び磁気特性の観点から、RはNdを含むことが好ましい。
R−T−B系磁性粉末における質量基準のRの含有量ρ(質量%)は、用いられる希土類金属の種類にもよるが、好ましくは25〜35質量%、より好ましくは27〜33質量%である。
本発明の効果をより高度に且つ安定的に得る観点から、原料化合物はNd−Fe−B系の組成でCoを更に含むことが好ましく、Nd、B及びCoがリッチであることがより好ましい。より具体的には、原料化合物におけるNdの含有量は好ましくは28〜35質量%であり、Bの含有量は好ましくは1〜1.6質量%であり、Coの含有量は好ましくは1〜15質量%である。
上述の組成を有する原料化合物を調製した後、HDDR法による処理を行う。HDDR法とは、水素化(Hydrogenation)、不均化(Disproportionation)、脱水素化(Desorption)、及び再結合(Recombination)を順次実行するプロセスである。HDDR処理の詳細について、以下に説明する。
まず、原料化合物を、減圧雰囲気(1kPa以下)又はアルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気中、温度1000〜1200℃で5〜100時間保持する均質化熱処理を行う。均質化させた原料化合物は、スタンプミル又はジョークラッシャーなどの粉砕手段を用いて粉砕した後、篩分けすることが好ましい。これによって、粒径が10mm以下の粉末状の原料化合物を調製することができる。
水素吸蔵工程では、上述の粉末状の原料化合物を、水素分圧が100〜300kPaである水素雰囲気中、100〜200℃の温度中、0.5〜2時間保持する。これによって、原料化合物の結晶格子中に水素が吸蔵される。
次に、水素を吸蔵させた原料化合物を、水素雰囲気中、所定の温度で保持することによって、水素化分解させて分解生成物を得る。水素化分解時の水素分圧は10〜100kPa、温度は700〜850℃とすることが好ましい。このような条件で水素化分解を行うことによって、磁気的な異方性を有する粒子からなる希土類化合物粉末を得ることができる。水素化分解によって得られる分解生成物は、RHなどの水素化物、α−Fe及びFeBなどの鉄化合物を含んでいる。この段階における分解生成物は、100nmオーダーの微細なマトリックスを形成している。
続いて、水素分圧を低減させることによって、分解生成物から水素を放出させて、第1の希土類元素を含有する異方性のHDDR粉末を得る。このHDDR粉末は、上述の原料化合物と同等の組成を有する。HDDR粉末の粒径は、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは160μm以下である。HDDR粉末の粒径の下限は、実用上、例えば1μm以上とすることが好ましい。
HDDR粉末の平均粒径は、異方性磁粉の高い保磁力を達成する観点から、好ましくは1〜300μmであり、より好ましくは5〜300μmであり、更に好ましくは20〜200μmである。HDDR粉末の平均粒径が300μmを超えると、HDDR粉末中への希土類元素の拡散が生じ難くなって、異方性磁粉の磁気特性が不十分となる場合がある。一方、HDDR粉末の平均粒径が1μm未満であると、希土類元素が酸化しやすくなる傾向がある。なお、本発明でいう粉末の平均粒径は、粉体の体積平均粒子径(D50)を意味する。
上述のHDDR粉末は、例えばジェットミル、ボールミル、振動ミル、湿式アトライター等の微粉砕機を用いて作製する。HDDR粉末は、結晶粒の粒子径が小さく且つ異方性であるため、密度が十分に高く且つ優れた磁気特性を有する希土類磁石を製造するのに有用である。
調製工程では、上述の第1の希土類元素と第2の希土類元素(Dy、Tb、Nd、Pr又はLa)を含有する希土類粉末を調製すると共に、これとアルミニウム粉末等を混合して拡散材を得る。より一層高い保磁力を有する希土類磁石を得る観点から、第2の希土類元素は、好ましくは重希土類元素であり、より好ましくはDy、Tb又はNdである。
上記の希土類元素を含有する希土類粉末としては、これらの元素の水素化物、ハロゲン化物、鉄化合物、酸化物及び水酸化物等の一般的な希土類化合物や、希土類金属が挙げられる。これらのうち、希土類磁石の磁気特性を一層向上させる観点から、構成元素として重希土類元素を有する重希土類化合物を用いることが好ましい。
重希土類化合物は、重希土類金属元素以外の元素を含んでいてもよく、重希土類金属と希土類金属以外の金属との合金であってもよい。一層優れた磁気特性を有する希土類磁石とする観点から、重希土類化合物は、好ましくは水素化物及びフッ化物であり、より好ましくは水素化物である。重希土類化合物として水素化物又はフッ化物を用いた場合、これらの化合物は容易に分解することから、組織が微細であるHDDR粉末に対しても、十分に均一に第2の希土類元素を拡散させることができる。これらの要因によって、一層優れた磁気特性を有する希土類磁石を得ることができる。好ましい重希土類化合物としては、DyH、DyF、NdH及びTbHを挙げることができる。
拡散材の一部をなす希土類粉末の平均粒径は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下であり、更に好ましくは1μm以下である。希土類粉末の平均粒径の下限は、実用上、例えば0.1μm以上とすることが好ましい。
拡散材は、上記希土類粉末の他に、アルミニウム粉末を更に含有する。アルミニウム粉末の平均粒径は、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは20μm以下であり、更に好ましくは10μm以下である。アルミニウム粉末の平均粒径の下限は、実用上、例えば1μm以上とすることが好ましい。
拡散材におけるアルミニウム粉末の含有量は、拡散材100質量部に対して好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは10〜40質量部であり、更に好ましくは20〜30である。アルミニウム粉末の含有量が1質量部未満であると希土類の使用量の削減が不十分となる傾向にあり、他方、50質量部を越えると異方性磁粉の保磁力が不十分となる傾向にある。
拡散材は、銅粉末及びコバルト粉末の少なくとも一方を更に含有してもよい。拡散材に適量の銅粉末及び/又はコバルト粉末を含有せしめることで、より一層優れた磁気特性を有する異方性磁粉を得ることができる。銅粉末及びコバルト粉末の粒径はいずれも、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは20μm以下であり、更に好ましくは10μm以下である。銅粉末及びコバルト粉末の粒径の下限は、実用上、例えば1μm以上とすることが好ましい。なお、銅粉末又はコバルト粉末をなす粒子の表面は酸化していてもよい。
拡散材が銅粉及びコバルト粉の一方を更に含有する場合、銅粉又はコバルト粉の含有量は、拡散材100質量部に対して0質量部を超え10質量部以下であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。この場合、異方性磁粉の高い保磁力を達成する観点から、拡散材におけるアルミニウム粉末の含有量Aと銅粉末もしくはコバルト粉末の含有量Bの比率A/Bは好ましくは0.1〜500であり、より好ましくは4〜300である。
拡散材が銅粉及びコバルト粉の両方を含有する場合、銅粉及びコバルト粉の合計量は、拡散材100質量部に対して0質量部を超え10質量部以下であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。この場合、異方性磁粉の高い保磁力を達成する観点から、拡散材におけるアルミニウム粉末の含有量Aと銅粉末及びコバルト粉末の合計量Cの比率A/Cは好ましくは0.1〜500であり、より好ましくは4〜300である。
HDDR粉に対する高い拡散性の観点から、拡散材の平均粒径はHDDR粉の平均粒径の3分の1以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。拡散材は、例えば、所定の配合比で上記の粉末を容器に投入後、スペックスミキサーを用いて、1〜30分間混合することによって得ることができる。なお、調整工程で複数の粉末を混合して拡散材を調製する代わりに、次に述べる混合工程において、拡散材をなす複数の粉末とHDDR粉とを合わせて混合してもよい。
混合工程では、HDDR粉末と拡散材を混合して混合粉末を調製する。混合粉末は、例えば、所定の配合比でHDDR粉末と拡散材とを容器に投入後、スペックスミキサーを用いて、1〜30分間混合することによって得ることができる。混合は、拡散材やHDDR粉末の酸化を抑制する観点から、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。なお、混合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、Vミキサー、ボールミル、又はライカイ機などを用いた方法であってもよい。
HDDR粉末と拡散材との配合比は、混合粉末における拡散材の含有量が好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜4質量%、更に好ましくは1.5〜3.5質量%となるような比率とする。当該含有量が0.5質量%未満であると、第2の希土類元素の拡散量が少なくなって、十分に大きな保磁力及び角型比の向上効果が得られ難くなる傾向がある。一方、当該含有量が5質量%を超えると、第2の希土類元素がHDDR粉末の内部にまで拡散してしまい残留磁束密度が小さくなる傾向があると共に材料コストが上昇する傾向にある。
加熱工程では、上記混合粉末を加熱して拡散材に含まれる元素をHDDR粉末の外周部に拡散させる。具体的には、混合粉末を減圧下又はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下、好ましくは700〜1100℃、より好ましくは750〜950℃、更に好ましくは800〜900℃で10分間〜12時間保持する。このような条件で加熱することにより、第2の希土類元素がアルミニウムと共にHDDR粉末の外周部に拡散し、第1の希土類元素がリッチな内層と該内層を被覆する第2の希土類元素がリッチな外層とを有する粒子が形成されると推察される。これによって、十分に高い保磁力を有する異方性磁粉が得られる。また、HDDR粉末には微細なクラックが存在するが、このクラックに拡散材が侵入してクラックを埋めることができる。このため、異方性磁粉及び最終的に得られる希土類ボンド磁石の耐酸化性及び強度を向上させることができる。
加熱工程において、混合粉末の加熱温度を高くし過ぎたり加熱時間を長くし過ぎたりすると、HDDR粉末の相分解が生じ、高い磁気特性が損なわれる可能性がある。一方、混合粉末の加熱温度を低くし過ぎたり加熱時間を短くし過ぎたりすると、第2の希土類元素の拡散が十分に進行しない傾向がある。従って、第1及び第2の希土類元素の種類や、HDDR粉末の粒径に応じて、加熱温度及び加熱時間を設定することが好ましい。
本実施形態に係る製造方法によれば、拡散材の一部としてアルミニウム粉末を使用するため、拡散材として使用する希土類化合物の量を低減でき、また十分に高い保磁力を有する異方性磁粉を製造できる。また、上記製造方法によれば、第2の希土類元素の水素化物等の粉末とアルミニウム粉末とを単に混合したものを拡散材として使用でき、合金から拡散材を製造する場合と比較して拡散材の調製が容易である。
<異方性ボンド磁石>
図1は、上記の方法によって製造した異方性磁粉を原料として使用した希土類ボンド磁石の斜視図である。同図に示す希土類ボンド磁石10は、希土類化合物を主成分として有する粒子と、該粒子間に充填された樹脂とを含有する。
希土類ボンド磁石10は、異方性磁粉、樹脂及び成形助剤(例えば、ステアリン酸亜鉛などの潤滑材)を混練したものを射出成形や圧縮成形することによって得ることができる。希土類ボンド磁石10は、拡散材の一部としてアルミニウム粉末が使用されているため、低い原料コストで製造することができる。これに加え、希土類ボンド磁石10は、従来のものと同等又はより優れた磁気特性を有する異方性磁粉から製造されたものであるから、十分に優れた磁気特性を有する。
上記実施形態では、混合粉末を加熱することで、HDDR粉末に第2の希土類元素及びアルミニウムを拡散させ、得られた異方性磁粉と樹脂を混合してボンド磁石を得る場合を例示したが、加熱工程に先立って混合粉末を成形し、これによって得られた成形体を加熱してもよい。粉末と比較してHDDR粉末及び拡散材が密接した状態の成形体を加熱することでHDDR粉末に対する第2の希土類元素及びアルミニウムの拡散をより効率的に実施できる。加熱後の成形体に必要に応じて樹脂を含浸させることで希土類ボンド磁石を得てもよい。
本発明の内容を実施例及び比較例を用いて以下に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[測定項目]
(1)平均粒径(D50)
HDDR粉末、拡散材及び異方性磁粉の平均粒径(D50)は、株式会社日本レーザー製のHELOS(商品名)を用いて測定した。
(2)磁気特性
HDDR粉末及び拡散材を加熱処理した異方性磁粉の磁気特性は、振動試料型磁力計(VSM)を用いて測定した。得られた結果から、保磁力(Hcj)、残留磁束密度(Br)、角型比(Hk/Hcj)を求めた。
[HDDR粉末の調製]
(1)NdFe14B粉末(平均粒径(D50):160μm)の調製
ストリップキャスト法によって、主成分としてNdFe14Bを含有する、下記組成を有する原料化合物を調製した。
<原料化合物の組成>
Nd:28.1 質量%
B : 1.1 質量%
Fe:66.4 質量%
Co: 3.5 質量%
不可避不純物:残部
この原料化合物を、減圧雰囲気中(1kPa以下)、1000〜1200℃の温度範囲で24時間保持した(均質化熱処理工程)。均質化熱処理で得られた生成物(NdFe14B)を、スタンプミルを用いて粉砕し、篩分けを行って、原料粉末(粒径1〜2mm)を得た。この原料粉末を、モリブテン製の容器に充填し、赤外線加熱方式を有する管状熱処理炉に装填し、以下の条件で水素化分解・脱水素再結合法による処理(HDDR処理)を施した。
まず、水素ガス雰囲気下、水素分圧100〜300kPa、温度100℃で原料粉末を2時間保持する水素吸蔵工程を行った。続いて、炉内の水素分圧を下げるとともに炉内温度を昇温し、水素ガスを吸蔵した原料粉末を、水素分圧40kPa、温度850℃の条件で1.5時間保持する水素化分解工程を行った。
その後、炉内850℃に維持しながら水素圧力を低減して脱水素再結合工程を行った。これによって、HDDR処理された異方性の磁性粉末を得た。得られた磁性粉末を、窒素ガス雰囲気中でスタンプミルを用いて粉砕し、篩い分けを行って、平均粒径160μmのNdFe14B粉末を得た。表1にNdFe14B粉末の磁気特性を示す。
[拡散材の調製]
(1)アルミニウム粉末等と共に拡散材として使用するDyHを以下のようにして調製した。まず、Dy粉末を水素雰囲気下350℃で1時間吸蔵させ、これに続いてAr雰囲気下にて600℃で1時間処理することによりDy水素化物を得た。得られたDy水素化物は、X線回折測定により、DyHであることを確認した。得られたDyH粉体をエタノール溶液に入れてボールミル粉砕を行い、平均粒径(D50)が1μmのDyH粉末とした。
(2)アルミニウム粉末等と共に拡散材として使用するNdHを以下のようにして調製した。まず、Nd粉末を水素雰囲気下350℃で1時間吸蔵させ、これに続いてAr雰囲気下にて600℃で1時間処理することによりNd水素化物を得た。得られたNd水素化物は、X線回折測定により、NdHであることを確認した。得られたNdH粉体をエタノール溶液に入れてボールミル粉砕を行い、平均粒径(D50)が1μmのNdH粉末とした。
(3)平均粒径(D50)10μmのアルミニウム粉末(添川理化学社製、純度99.9質量%)を準備した。
(4)平均粒径(D50)10μmの銅粉末(添川理化学社製、純度99質量%)を準備した。
(5)平均粒径(D50)10μmのコバルト粉末(高純度化学研究所製、純度99質量%)を準備した。
(実施例1〜5)
平均粒径160μmのNdFe14B粉末と、拡散材であるDyH粉末及びアルミニウム粉末とを、スペックミキサーを用いて混合し、混合粉末を調製した。表2にNdFe14B粉末と拡散材との混合比率を示す。これらの混合粉末を、大気圧のアルゴンガスフロー中において800℃で8時間加熱する熱処理によって拡散処理を行って異方性磁粉を得た。振動試料型磁力計を使用して異方性磁粉の磁気特性を評価した。表2に結果を示す。
(実施例6)
平均粒径70μmのDyH粉末を使用し、表2に示す配合比率としたことの他は、実施例1と同様にして異方性磁粉を調製し、その評価を行った。表2に結果を示す。
(実施例7)
拡散剤としてNdH及びAl粉末を使用し、表2に示す配合比率としたことの他は、実施例1と同様にして異方性磁粉を調製し、その評価を行った。表2に結果を示す。
(比較例1,2) 拡散材としてDyH粉末のみを使用し、アルミニウム粉末を使用せずに表3に示す配合比率としたことの他は、実施例1と同様にして異方性磁粉を調製し、その評価を行った。表3に結果を示す。
(比較例3)
拡散材としてアルミニウム粉末のみを使用し、DyH粉末を使用せずに表3に示す混合比率としたことの他は、実施例1と同様にして異方性磁粉を調製し、その評価を行った。表3に結果を示す。
(実施例8〜11)
拡散材としてDyH粉末、アルミニウム粉末及び銅粉末を使用して表4に示す混合比率としたことの他は、実施例1と同様にして異方性磁粉を調製し、その評価を行った。表4に結果を示す。
(実施例12〜16)
拡散材としてDyH粉末、アルミニウム粉末及びコバルト粉末を使用して表5に示す混合比率としたことの他は、実施例1と同様にして異方性磁粉を調製し、その評価を行った。表5に結果を示す。
(比較例4〜6)
拡散材としてNdFe14B粉末及びアルミニウム粉末を使用する代わりに、いずれも粒径が90μm以下の85Nd−15Al合金、70Nd−30Cu合金又は80Dy−20Al合金を使用して表6に示す混合比率としたことの他は、実施例1と同様にして異方性磁粉を調製し、その評価を行った。表6に結果を示す。
図2は、実施例1〜4及び比較例1,2に係る異方性磁粉の保磁力をプロットしたグラフである。
Figure 2012199423
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10…異方性ボンド磁石

Claims (5)

  1. 第1の希土類元素を含む水素化分解・脱水素再結合法による処理が施された希土類化合物粉末を得る工程と、
    第2の希土類元素を含有する拡散材と前記希土類化合物粉末を混合して混合粉末を調製する工程と、
    前記混合粉末を加熱して前記拡散材に含まれる元素を前記希土類化合物粉末に拡散させる工程と、
    を備え、
    前記拡散材は、前記第2の希土類元素としてのDy、Tb、Nd、Pr又はLaの水素化物、フッ化物及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物の粉末を含有し且つアルミニウムの粉末を更に含有する、異方性磁粉の製造方法。
  2. 前記拡散材の平均粒径は、前記希土類化合物粉末の平均粒径の3分の1以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記拡散材に含まれるアルミニウム粉末の合計量は、拡散材100質量部に対して1〜50質量部である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記拡散材は銅粉及びコバルト粉の少なくとも一方を更に含有し、前記拡散材に含まれる銅粉及びコバルト粉の合計量は拡散材100質量部に対して0質量部を超え10質量部以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法によって製造された異方性磁粉と、樹脂とを含む異方性ボンド磁石。
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