JP2012253247A - 複合磁性材及びその製造方法 - Google Patents

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麻子 渡▲辺▼
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朝之 伊志嶺
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武志 加藤
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Abstract

【課題】磁気特性に優れ、磁石の素材に適した複合磁性材、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ナノ鉄粉と、希土類元素の水素化合物と鉄含有物とを含有する多相粉末と、バインダとを混合してなる造粒粉を加圧成形する。加圧成形は、0.9気圧以下に排気しながら、バインダの分解温度±20℃の温度で行う。得られた第一成形体に、減圧雰囲気中、再結合温度以上で熱処理(脱水素)して、多相粉末から希土類元素とFeとを含有する再結合合金を生成し、得られた第二成形体に、窒素雰囲気中、200℃〜450℃で熱処理(窒化)して、ナノ鉄粉からα"Fe16N2を、再結合合金から希土類-鉄-窒素系合金を生成する。熱処理はいずれも、強磁場を印加して行う。窒化処理時に磁場を印加してα"Fe16N2を生成すると共に、希土類-鉄-窒素系合金とα"Fe16N2との磁気容易軸の配向方向を共通させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石などの磁性部材の素材に適した複合磁性材、及びその製造方法に関する。特に、磁気特性に優れる複合磁性材に関するものである。
モータや発電機などに利用される永久磁石として、希土類磁石が広く利用されている。希土類磁石は、Nd(ネオジム)-Fe(鉄)-B(ホウ素)といったR-Fe-B系合金(R:希土類元素)からなる焼結磁石やボンド磁石が代表的である。ボンド磁石では、Nd-Fe-B系合金からなる磁石よりも更に磁気特性に優れるものとして、Sm(サマリウム)-Fe-N(窒素)系合金からなる磁石が検討されている。
焼結磁石は、形状の自由度が低い。ボンド磁石は、代表的には、R-Fe-B系合金やSm-Fe-N系合金からなる合金粉末と結合樹脂とを混合した混合物を圧縮成形したり、射出成形することで製造されることから、形状の自由度が高く、所望の形状に対応することができる。
一方、磁気記録媒体などの素材に、粒径がナノオーダーの球状の窒化鉄や短軸がナノオーダーの柱状の窒化鉄からなるナノ粉末と、樹脂や有機物などの結合剤との混合物を樹脂などからなる支持フィルムに塗布したテープ状の窒化鉄材が利用されている(特許文献1参照)。この窒化鉄として、飽和磁化が非常に高く、磁気特性に非常に優れるα"型のFe16N2(原理計算や薄膜による実験において飽和磁化:2.8T程度、正方晶、a=5.72Å、c=6.29Å、結晶記号:I4/mmm)が利用されている。
特開2007-335592号公報
しかし、従来の希土類磁石では、磁力が小さい。従って、磁気特性により優れる素材の開発が望まれる。
上述のボンド磁石に利用される合金粉末では、HDDR処理(Hydrogenation−Disproportionation−Desorption−Recombination、HD:水素化及び不均化、DR:脱水素及び再結合)を施して、保磁力を高めることが行われている。しかし、ボンド磁石は、結合樹脂といった介在物が存在することで磁性相の割合が低く、磁性相の割合が少ないことで磁気特性に劣る。
一方、上述したα"Fe16N2を含む窒化鉄材を磁石の素材に利用すれば、磁気特性に優れる永久磁石が得られると期待される。しかし、従来の窒化鉄材は、上述のように結合剤や支持フィルムなどが存在することで、磁気特性に劣り、磁石といった磁性部材の素材に適用することが困難である。
また、上述したナノ粉末を原料粉末に利用する場合、ナノ粒子の結晶方位を特定の方向に配向させて成形すると、磁気特性をより向上することができる。しかし、ナノ粉末は、一般に凝集し易く、表面エネルギーが高い。そのため、ナノ粒子の結晶方位を特定の方向に配向させて成形することが難しい。凝集により粗大化すると、磁気特性が低下する。
そこで、本発明の目的の一つは、磁気特性に優れる複合磁性材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記複合磁性材の製造方法を提供することにある。
上述のR-Fe-B系合金やSm-Fe-N系合金などの希土類元素とFeとを含有する合金と、α"Fe16N2との双方を含む複合磁性材を磁石の素材に利用すれば、磁気特性に優れる永久磁石が得られる、と期待される。また、磁気特性を高めるためには、(1)磁性相の割合を高めること、(2)配向組織として磁気異方性による効果を得ること、が考えられる。そこで、本発明者らは、このような複合磁性材を得るための原料、及びその製造方法を検討した。
形状の自由度が高く、かつ焼結することなく磁性相の割合を高めるためには、ボンド磁石のような結合樹脂を利用せず、成形性に優れる粉末を利用することが望まれる。しかし、上述した希土類磁石の原料粉末に用いられるSm-Fe-N系合金やNd-Fe-B系合金などからなる合金粉末や、上記合金粉末にHDDR処理を施した処理粉末は、硬くて変形能が小さく、圧縮成形時の成形性に劣る。本発明者らは、成形性に優れる粉末を種々検討した結果、Sm-Fe-N系合金やNd-Fe-B系合金などのように、希土類元素とFeとが結合したものではなく、希土類元素とFeとが結合せず、言わば希土類元素成分とFe成分とが独立的に存在する多相組織の粉末とすると、変形能が高く成形性に優れるとの知見を得た。また、この特定の多相組織を有する粉末の成形体に、特定の条件の熱処理(再結合のための熱処理、及び適宜窒化処理)を施すことで、Sm-Fe-N系合金やNd-Fe-B系合金といった、希土類元素とFeとを含有し、磁気特性に優れる合金材が得られるとの知見を得た。更に、上記熱処理時に、特定の磁場を印加することで、結晶方位を配向させられて、配向組織が得られるとの知見を得た。特に、窒化処理によりSm-Fe-N系合金といった希土類-鉄-窒素系合金を生成する場合、特定の磁場を印加することで、結晶格子の任意の格子軸(a軸,b軸,c軸)のうち、一軸方向(例えば、c軸方向)に沿って並ぶFe原子-Fe原子間を磁歪により歪ませることができ、この歪ませた(引き伸ばした)Fe原子-Fe原子間に選択的にN原子を配置させることで、理想状態の原子比を有する希土類-鉄-窒素系合金が得られるとの知見を得た。そして、上記特定の多相組織を有する粉末は、希土類元素とFeとを含有する合金に特定の熱処理を施すことで製造することができるとの知見を得た。
一方、α"Fe16N2を主成分とするナノ粉末は、原料に、ナノオーダーの純鉄粉(主としてα鉄からなる粉末)に窒化処理を施すことで得られる。従って、上記特定の多相組織を有する粉末と、このナノオーダーの純鉄粉とを混合した成形体に、窒化処理を含む熱処理を施すことで、上記多相組織の粉末からは、最終的に希土類元素とFeとを含有する合金(再結合合金や窒素を含有する合金)が得られ、純鉄粉からは、α"Fe16N2を生成することができる、と考えられる。特に、本発明者らは、α"Fe16N2の生成にあたり、特定の磁場を印加することで、鉄の基本格子(体心立方格子:bcc)の任意の格子軸(a軸,b軸,c軸)のうち、一軸方向(例えば、c軸方向)に沿って並ぶFe原子-Fe原子間を磁歪により歪ませることができ、この歪ませた(引き伸ばした)Fe原子-Fe原子間に選択的にN原子を配置させることで、α"Fe16N2を効率よく生成できるとの知見を得た。
そして、窒化処理時に特定の磁場を印加することで、希土類元素とFeとを含む合金の結晶の配向方向と、α"Fe16N2の結晶の配向方向とを揃えられるとの知見を得た。
しかし、上記ナノオーダーの純鉄粉は、凝集し易く、上述の特定の多相組織を有する粉末との混合時に粗大化し易い。粗大化した純鉄粉を窒化した場合、磁気特性に優れる窒化鉄が得られない。
本発明者らは、上記特定の多相組織を有する粉末と、上記ナノオーダーの純鉄粉とを混合するにあたり、特定のバインダを更に混合し、このバインダを含む混合物により作製した造粒粉を成形型に充填し、特定の温度に加熱しながら脱気してバインダを除去しつつ成形することで、凝集を防止できる上に成形性に優れる、との知見を得た。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明の複合磁性材の製造方法は、複数の磁性体を含む複合磁性材を製造する方法に係るものであり、以下の準備工程と、造粒工程と、成形工程と、脱水素工程と、窒化工程とを具える。
準備工程:原料粉末として、以下のナノ鉄粉と、多相粉末とを準備する工程。
ナノ鉄粉は、Feを主成分とし、短軸の平均長さが100nm以下である柱状粒子からなる粉末である。多相粉末は、希土類元素の水素化合物の相とFeを含有する鉄含有物の相とを含有する多相粒子からなる粉末である。
造粒工程:分解温度が240℃以下であるバインダと上記原料粉末とを混合して、造粒粉を形成する工程。
成形工程:上記造粒粉を成形型に充填した後、上記成形型内を0.9気圧以下に排気しながら、以下の温度に加熱した状態で加圧成形して第一成形体を形成する工程。
成形工程における上記温度は、{(上記バインダの分解温度)−20}℃以上{(上記バインダの分解温度)+20}℃以下とする。
脱水素工程:上記第一成形体に、100Pa以下の減圧雰囲気中、上記多相粒子の再結合温度以上の温度で熱処理を施して、上記多相粒子から水素を分離し、上記希土類元素と上記鉄含有物とが結合した再結合合金を生成し、上記再結合合金を含む第二成形体を形成する工程。
窒化工程:上記第二成形体に、窒素元素を含み、酸素濃度が200質量ppm以下の雰囲気中、200℃以上450℃以下の温度で熱処理を施して、上記ナノ鉄粉からα"Fe16N2を生成し、α"Fe16N2を含む複合磁性材を形成する工程。
そして、上記脱水素工程の熱処理は、上記第一成形体に2T以上の磁場を印加して行い、上記窒化工程の熱処理は、上記第二成形体に、上記脱水素工程における磁場の印加方向と同じ方向に、3T以上の磁場を印加して行う。
なお、バインダにおける分解温度は、大気圧(1気圧≒0.1MPa)の状態で当該バインダの示差熱・熱重量曲線(TG/DTA)を求め、当該バインダの重量の減少が始まる温度(重量減少開始温度)をいい、ここでは、オフセット温度を利用する。オフセット温度:Toは、以下のように求める。まず、上述のようにして求めたTG曲線において、図2に示すようにバインダの重量の減少が始まる温度を通り、X軸に平行な直線L1をとる。原料粉末に用いる鉄窒化物粒子の重量に対するバインダの添加量の重量割合をX(wt%)、バインダの初期重量をM1とするとき、直線L1に平行であって、直線L1から初期重量:M1の(5×X)wt%小さい重量をとる直線L2をとる。更に、TG曲線とこの直線L2との交点における接線L3をとる。そして、直線L1と接線L3との交点をとり、この交点の温度をオフセット温度TOとする。
上記本発明複合磁性材の製造方法により、以下の特定の配向組織を有する本発明複合磁性材が得られる。具体的には、本発明の複合磁性材は、上記本発明製造方法により得られたものであり、希土類元素とFeとを含有する合金を主成分とする複数の合金粒子と、α"Fe16N2を主成分とする複数の鉄窒化物粒子とから構成された成形体からなる。この複合磁性材は、上記合金粒子について行ったX線回折の極点図分析における磁化容易軸の配向方向と、上記鉄窒化物粒子について行ったX線回折の極点図分析における磁化容易軸の配向方向とがなす立体角が10°以内である。
或いは、本発明の複合磁性材として、希土類元素とFeとを含有する合金を主成分とする複数の合金粒子と、α"Fe16N2を主成分とする複数の鉄窒化物粒子とから構成された成形体からなり、上記鉄窒化物粒子が柱状で、その短軸の平均長さが100nm以下であり、上記合金粒子間に少なくとも一つの上記鉄窒化物粒子を介在したものが挙げられる。この複合磁性材は、上記合金粒子について行ったX線回折の極点図分析における磁化容易軸の配向方向と、上記鉄窒化物粒子について行ったX線回折の極点図分析における磁化容易軸の配向方向とがなす立体角が10°以内である。
本発明複合磁性材は、高い保磁力を有する上記合金粒子間に、高い飽和磁化を有する上記鉄窒化物粒子が介在した成形体から構成されている。また、本発明複合磁性材は、上記合金粒子内部の結晶の磁気容易軸と上記鉄窒化物粒子内部の結晶の磁気容易軸とが一定の方向に揃って配向している。このように本発明複合磁性材は、Sm-Fe-N系合金などの希土類元素とFeとを含む合金の高い保磁力と、α"Fe16N2の高い飽和磁化とを、磁気容易軸の配向方向を共通化することで両立し、磁気特性に優れる。
本発明製造方法は、Sm-Fe-N系合金などの希土類元素とFeとを含む合金成分とα"Fe16N2成分との双方を含む複合磁性材を製造できる。また、本発明製造方法は、原料粉末に、成形性に優れる多相粉末を利用することで、結合樹脂などを用いることなく所望の形状の成形体が得られ、かつ、希土類元素とFeとを含む合金成分やα”Fe16N2成分といった磁性相の割合が高い成形体を得ることができる。原料粉末に利用するナノ鉄粉は、超微粒であることで、多相粉末の変形を阻害することもない。更に、本発明製造方法は、原料粉末にナノ鉄粉を利用しながらも、バインダと共に混合した造粒粉を利用することで、当該バインダの介在により凝集を効果的に抑制できる。そのため、ナノ鉄粉により生成されるα"Fe16N2もナノオーダーにすることができる。また、このバインダは、成形時、特定の温度に加熱すると共に排気することで容易に除去できるため、バインダが残存し難く、本発明製造方法は、磁性相の割合が高い複合磁性材が得られる。更に、凝集を防止することで、多相粒子の周囲に均一的にナノ鉄粉を存在させられ、この状態で加圧成形することで、多相粒子間にナノ鉄粉を介在できる。この介在されたナノ鉄粉からα"Fe16N2を生成することで、本発明製造方法は、上記バインダを実質的に含有せず、かつ磁気特性に優れるα"Fe16N2を主成分とする鉄窒化物粒子が磁気特性に優れる合金粒子に支持された複合磁性材を製造できる。
かつ、本発明製造方法は、脱水素工程において多相粉末から再結合合金を生成するにあたり、特定の強磁場を印加することで、当該合金の結晶の磁化容易軸を一定の方向(例えば、磁場の印加方向)に揃えられる(以下、この揃えられた方向を配向軸と呼ぶ)。また、この強磁場の印加により、ナノ鉄粉の磁化容易軸も一定の方向(例えば、磁場の印加方向)に揃えられる。つまり、上記再結合合金の配向方向とナノ鉄粉の配向方向とを同じ方向にすることができる。そして、本発明製造方法は、窒化工程においてナノ鉄粉からα"Fe16N2を生成するにあたり、脱水素工程のときと同じ方向に特定の強磁場を印加することで、脱水素工程で揃えられた配向軸をそのまま維持することができる、或いは、配向軸による立体角をより小さくすることができる。このように本発明製造方法は、窒化処理後の合金の結晶の配向方向と、α”Fe16N2を主成分とする鉄窒化物の結晶の配向方向とを同じ方向に揃えられ、特定の配向性を有する複合磁性材を製造できる。
また、本発明製造方法は、窒化工程においてナノ鉄粉からα"Fe16N2を生成するにあたり、特定の強磁場を印加することで、鉄の基本格子を一方向に歪ませて、この歪ませたFe原子-Fe原子間をN原子の配置位置とすることができる。つまり、本発明製造方法は、N原子の侵入方向を規制することができるため、α"Fe16N2を生産性よく製造できる。更に、窒化工程において特定の強磁場を印加することで、希土類-鉄-窒素系合金を生成する場合も結晶格子を一方向に歪ませて、N原子の侵入方向を規制できるため、本発明製造方法は、理想状態の原子比を有する希土類-鉄-窒素系合金を生成することができる。
更に、本発明製造方法は、窒化処理時の雰囲気を低酸素雰囲気とすることで、ナノ鉄粉や再結合合金の酸化を防止して、α"Fe16N2を効率よく生成したり、希土類-鉄-窒素系合金を効率よく生成したりすることができる。
以上から、本発明製造方法は、磁性相の割合が高く、α"Fe16N2を含有し、かつ、特定の配向組織(合金粒子の結晶の配向方向と鉄窒化物粒子の結晶の配向方向とが揃った組織)を有することで、磁気特性に優れる複合磁性材(代表的には本発明複合磁性材)を製造することができる。また、本発明製造方法は、再結合合金の組成によっては、希土類-鉄-窒素系合金の生成と、α"Fe16N2の生成とを同時に行えることから、上記複合磁性材を生産性よく製造することができる。
本発明製造方法の一形態として、上記多相粉末の平均粒径が10μm以上である形態が挙げられる。
上記形態は、多相粉末が取り扱い易い上に、成形性に優れる。また、上記形態は、多相粒子がナノ鉄粉に対して十分に大きく、多相粒子の表面にナノ鉄粉の粒子を存在させ易い。
本発明製造方法の一形態として、上記ナノ鉄粉におけるFeの含有量が80体積%以上である形態が挙げられる。
Feの含有量が多い(純度が高い)ナノ鉄粉を原料に用いることで、鉄窒化物粒子中のα"Fe16N2の含有量も多くする(純度を高める)ことができる。その結果、複合磁性材の飽和磁化を高めたり、配向性を高めたりすることができる。従って、上記形態は、磁気特性により優れる複合磁性材を製造することができる。
本発明製造方法において、上記多相粉末は、希土類元素とFeとを含む合金に、水素元素を含む雰囲気中、当該合金の不均化温度以上の温度で熱処理を施して得られものが挙げられる。上記合金は、RE=Y,La,Pr,Nd,Sm,Dy及びCeから選択される1種以上の元素、Me=Fe又はFeとCo,Ni,Mn及びTiから選択される1種以上の元素、x=2.0〜2.2とするとき、RExMe14B,RExMe14C,RExMe17及びREx/2Me12から選択される1種以上が挙げられる。また、本発明複合磁性材の一形態として、上記合金は、RE=Y,La,Pr,Nd,Sm,Dy及びCeから選択される1種以上の元素、Me=Fe又はFeとCo,Ni,Mn及びTiから選択される1種以上の元素、x=1.5〜3.5とするとき、RE2Me14B,RE2Me14C,RE2Me17Nx,RE1Me12Nx及びRE1Me12から選択される1種以上である形態が挙げられる。
上記形態の本発明製造方法は、特定の組成の多相粉末を利用することで、RE2Me14B,RE2Me14C,RE2Me17Nx,RE1Me12Nx,RE1Me12(x=1.5〜3.5)といった磁気特性に優れる合金成分を含有する複合磁性材が得られる。上記形態の本発明複合磁性材は、上述のように磁気特性に優れる合金成分を含有することで、磁性特性に優れる。
本発明製造方法の一形態として、上記窒化工程では、上記再結合合金を窒化して、希土類元素とFeとを含む希土類-鉄-窒素系合金を生成する形態が挙げられる。
上記希土類-鉄-窒素系合金は、例えば、RE2Me17NxといったSm-Fe-N系合金が挙げられる。上記形態は、磁気特性に優れる希土類-鉄-窒素系合金を含有することで、磁気特性に更に優れる複合磁性材を製造することができる。
本発明製造方法の一形態として、上記バインダはその融点が90℃以下である形態が挙げられる。
上記形態は、比較的低い温度でバインダを溶融・軟化状態にし易く、造粒時の作業性に優れる。
本発明製造方法の一形態として、上記造粒工程では、酸素濃度が3000質量ppm以下の低酸素雰囲気下とし、{(上記バインダの融点)+5}℃以上の温度から室温にまで冷却して造粒を行う形態が挙げられる。なお、バインダにおける融点とは、以下のように求める。大気圧(1気圧≒0.1MPa)の状態で当該バインダの示差走査熱量曲線(DSC)を求め、図3に示すように熱量変化ピーク点における接線Lp1をとる。熱量変化ピーク値をYとするとき、接線Lp1に平行で、Yだけ離れた直線Lp2をとる。この直線Lp2に平行で、直線Lp2からピーク点の方向に(Y/2)だけ離れた直線Lp3をとる。DSCと直線Lp3との交点をとり、低温側の交点(図3では左側の交点)における接線Lp4をとる。そして、直線Lp2と接線Lp4との交点をとり、この交点の温度をオフセット温度TOpとする。
多相粉末は希土類元素を含有することで酸化し易く、ナノ鉄粉も酸化し易い。上記形態は、低酸素雰囲気下とすることで、原料粉末の酸化を効果的に防止でき、磁気特性に優れる複合磁性材を製造することができる。また、バインダの融点よりも高い温度とすることで原料粉末とバインダとを容易に混合でき、かつ、上記温度から室温に冷却することで、造粒粉を形成し易いことから、上記形態は、造粒粉の製造性に優れる。
本発明製造方法の一形態として、上記脱水素工程及び上記窒化工程の少なくとも一方の工程において上記磁場の印加は、高温超電導磁石を用いて行う形態が挙げられる。
上記形態は、2T以上や3T以上といった強磁場を大きな空間に対して安定して印加できる。また、上記形態は、磁場の変動を高速で行えるため、熱処理時間を短縮したり、熱処理時における結晶構造の変動に合わせて、適切な磁場強度を設定し易かったりするため、複合磁性材の生産性を高められる。
本発明複合磁性材の一形態として、上記成形体の飽和磁化が1.5T以上、及び上記成形体の保磁力が10kOe(800kA/m)以上の少なくとも一方を満たす形態が挙げられる。
上記形態は、飽和磁化や保磁力が高いことから、永久磁石といった磁石の素材に好適に利用することができる。
本発明複合磁性材の一形態として、上記成形体の相対密度が90%以上である形態が挙げられる。
上記形態は、成形体の相対密度が十分に高いため、磁性相の割合も高く、磁気特性に優れる。
本発明複合磁性材の一形態として、上記合金粒子における合金成分の含有量が90体積%以上である形態が挙げられる。
上記形態は、複合磁性材を構成する合金粒子中の合金成分の含有量が多い(純度が高い)ことで、磁気特性に優れる。
本発明複合磁性材は、磁気特性に優れる。本発明複合磁性材の製造方法は、上記本発明複合磁性材を生産性よく製造できる。
図1は、本発明複合磁性材の製造方法の一例を示す工程説明図である。 図2は、バインダの分解温度を説明する説明図である。 図3は、バインダの融点を説明する説明図である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
[複合磁性材の製造方法]
(準備工程)
本発明製造方法では、二種類の粉末:ナノ鉄粉及び多相粉末を原料に用いることを特徴の一つとする。
{ナノ鉄粉}
ナノ鉄粉は、Feを主成分とする柱状の鉄粒子により構成され、当該鉄粒子の短軸の平均長さが100nm以下のものとする。Feを主成分とする、とは、Feの含有量(純度)が75体積%以上であることをいう。鉄粒子中のFeの含有量は、多いほど(純度が高いほど)α"Fe16N2を生成し易く、鉄窒化物粒子中のα"Fe16N2の含有量(純度)を高められ、複合磁性材の配向性や飽和磁化を高められることから、80体積%以上、更に85体積%以上、特に90体積%以上が好ましい。鉄粒子の表面に酸化処理や被覆処理を適宜施して酸化層を具えるナノ鉄粉とし、窒化工程に至るまでの間に過度に酸化することを防止して、Feの含有量が多い状態を維持することが好ましい。この酸化層の厚さは、数原子程度でよく、この程度の極薄い酸化層であれば、窒化工程において十分に窒化処理を行える。
短軸の長さがナノオーダーである柱状のナノ鉄粉の製造には、公知の製造方法を利用することができる。例えば、共沈法、逆ミセル法、ゾルゲル法などを利用することができる。共沈法を利用した場合、ナノオーダーの酸化鉄(ヘマタイト:Fe2O3)を還元することでナノ鉄粉が得られ、逆ミセル法を利用した場合、鉄カルボニル:Fe(CO)5から合成することでナノ鉄粉が得られる。ナノ鉄粉は、実質的にα鉄から構成される。製造条件を調整することで柱状にしたり、ナノ鉄粉の短軸の長さやナノ鉄粉の長軸の長さを変化できる。ナノ鉄粉の製造にあたり、初期結晶を生成させたり粒子サイズを増大させたりする際に、外部磁場や電場を印加すると、結晶の成長方向を制御することができる。また、結晶粒径は、反応時の温度を低くすると、或いは反応時間を短くすると、小さくなる傾向にある。従って、磁場や電場により成長方向を制御した状態で、反応温度や反応時間を調整することで、結晶を柱状にしたり、短軸の長さを短くしたり、長軸の長さを長くしたりすることができる。所望の大きさに結晶が成長した時点で、親水基を有するカップリング剤などを投入して、生成する酸化鉄や鉄の表層に存在する酸素-鉄結合の末端を修飾することで、成長を止めることできる。外部磁場や電場は、直流印加でもよいし、交流印加でもよい。親水基を有するカップリング剤は、例えば、シランカップリング剤、不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸など)などが挙げられる。
ナノ鉄粉の短軸の平均長さが100nm超では、生成されるα"Fe16N2も大きくなり、形状磁気異方性による磁気特性の向上効果が得られ難く、保磁力の低下を招く。また、ナノ鉄粉が小さいほど、粒子の表層部と内部との窒化の進行具合の差が小さくなり、過剰な窒化を防止できるため、α"Fe16N2の含有量を多くする(純度を高める)ことができる。更に、ナノ鉄粉が小さいほど、ナノ鉄粉を構成する各鉄粒子が単結晶になり易く、鉄粒子内部の結晶を実質的に全て配向できるため、窒化鉄粒子の配向性を向上できる。その結果、高い保磁力を有するなど磁気特性に優れる複合磁性材が得られる。一方、ナノ鉄粉が大きいと、鉄粒子が磁場を受け易くなることから、鉄粒子自体としては配向し易くなるといえる。但し、ナノ鉄粉が大きくなると、各鉄粒子が多結晶になり易く、各鉄粒子内部の結晶の配向がランダムになり易い。そのため、ナノ鉄粉の短軸の平均長さを100nm以下の範囲で大きくする場合には、各鉄粒子内の各結晶がそれぞれ配向するように印加する磁場の大きさを調整する(大きくする)ことが好ましい。ナノ鉄粉の短軸の平均長さは、例えば、80nm以下、更に50nm以下、特に20nm以下とすることができる。
短軸が短くかつ長軸が長い鉄粒子、即ち、アスペクト比(長軸/短軸)が大きい鉄粒子を利用すると、アスペクト比が大きな鉄窒化物粒子が得られ易い。従って、鉄粒子のアスペクト比は、2以上が好ましい。アスペクト比は、上述のように初期結晶の生成時や粒子サイズを増大させる時に外部磁場や電場を印加し、この外部磁場の大きさや電場の大きさを調整することで制御することができる。外部磁場や電場を大きくすると、アスペクト比を大きくし易い。外部磁場や電場の大きさが一定である場合、反応温度や反応時間によって粒径が異なるものの、アスペクト比は概ね一定になる。
{多相粉末}
多相粉末は、水素不均化分解状態にあり、希土類元素の水素化合物の相とFeを含有する鉄含有物の相とを含有する多相粒子からなる粉末とする。この多相粉末は、Sc(スカンジウム),Y(イットリウム),ランタノイド及びアクチノイドから選択される1種以上の希土類元素とFeとを含有する合金(以下、出発合金と呼ぶ)を、水素元素を含む雰囲気中、当該合金の不均化温度以上の温度で熱処理(水素化)を施して得られる。
出発合金は、希土類元素と、Feと、B,C及びNから選択される1種の元素とを含む合金、更にこの合金にFe以外の金属元素を含む合金、といった希土類-鉄-ホウ素系合金、希土類-鉄-炭素系合金、希土類-鉄-窒素系合金が挙げられる。或いは、出発合金は、希土類元素とFeとを含む合金や、更にこの合金にFe以外の金属元素を含む合金であって、窒化処理により希土類-鉄-窒素系合金となる希土類-鉄系合金が挙げられる。より具体的な出発合金は、RE=Y,La(ランタン),Pr(プラセオジム),Nd,Sm,Dy(ジスプロシウム)及びCe(セリウム)から選択される1種以上の元素、Me=Feのみ、又はCo(コバルト),Ni(ニッケル),Mn(マンガン)及びTi(チタニウム)から選択される1種以上の元素とFe、x=2.0〜2.2とするとき、RExMe14B,RExMe14C,RExMe17及びREx/2Me12から選択される1種以上が挙げられる。より具体的には、RExMe14Bは、Nd2Fe14B、Nd2(Co1Fe13)B、RExMe14Cは、Nd2Fe14C、RExMe17は、Sm2Fe17、Y2Fe17、REx/2Me12は、Sm1(Ti1Fe11)、Sm1(Mn1Fe11)、Y1(Ti1Fe11)、Y1(Mn1Fe11)が挙げられる。MeにおけるFeとその他の元素:Co,Ni,Mn,Tiとの含有比率は連続的に変化させることができる。その他、出発合金は、多相組織から再結合合金組織に変化する際に結晶の成長を制御するような元素(例えば、Cu,Al,Cr,Ga,Nbなど)を含むものを許容する。
出発合金に、SmとFeとを含有する合金を用いると、磁気特性に優れるSm-Fe-N系合金を含む複合磁性材が得られる。特に、出発合金にSm1(Ti1Fe11)といったSm-Ti-Fe系合金を利用すると、(1)Sm2Fe17を利用した場合に比較して、希土類元素に対して相対的に鉄含有物の割合を高められて成形性により優れる多相粉末が得られる、(2)熱処理(脱水素)後の窒化処理を安定して行い易い、(3)磁性相の割合が高い成形体が得られる、(4)Smの使用量を抑制できる、といった優れた効果を奏する。
出発合金は、粉末にしたもの(以下、出発合金粉末と呼ぶ)が利用し易い。出発合金粉末は、溶解鋳造インゴットや急冷凝固法で得られた箔状体をジョークラッシャー、ジェットミル、ボールミルなどの粉砕装置により粉砕したり、ガスアトマイズ法などのアトマイズ法により形成したり、アトマイズ法により製造した粉末を更に粉砕したりすることにより得られる。ガスアトマイズ法では、非酸化性雰囲気とすると、実質的に酸素を含有しない粉末(酸素濃度:500質量ppm以下)を製造できる。出発合金粉末の製造には、公知の粉末の製造方法を利用できる。また、粉砕の条件や製造条件を適宜変更することで、出発合金粉末の粒度分布や当該粉末を構成する粒子(以下、出発合金粒子と呼ぶ)の形状を調整できる。出発合金粒子は、球状のものが代表的であるが、異形状粒子や薄片などを利用してもよい。アトマイズ法を利用すると、真球度が高く、成形時の充填性に優れた粉末を製造し易い。出発合金粒子は多結晶体でも単結晶体でもよい。多結晶体からなる粒子に適宜熱処理を加えて単結晶体からなる粒子とすることができる。
熱処理(水素化)時に実質的に大きさを変えないように出発合金粉末に当該熱処理(水素化)を施した場合、出発合金粉末の大きさと熱処理(水素化)後に得られる多相粉末の大きさとが実質的に同じになる。多相粉末は、特に、その平均粒径が10μm以上であると、ナノ鉄粉に対して十分に大きいことで、ナノ鉄粉に成形性を阻害されず、成形時に密度を高め易くなり、相対密度が高い粉末成形体(第一成形体)を得易い。なお、多相粉末は、鉄含有物を含有することで成形性に優れるため、例えば、多相粉末の平均粒径を100μm程度にすることができる。この場合、出発合金粉末も100μm程度の粗大なものが利用できるため、粉砕工程を短縮したり(例えば、粗粉砕のみとしたり)、溶融噴霧法といったアトマイズ法を利用したり出来、出発合金粉末の生産性の向上や製造コストの低減を図ることができる。但し、多相粉末が大き過ぎると、成形型への充填率の低下を招くため、平均粒径は500μm以下が好ましく、30μm以上200μm以下が利用し易い。このような大きさの多相粉末が得られるように、出発合金粉末の大きさを調整するとよい。
熱処理(水素化)における水素元素を含む雰囲気は、水素(H2)のみの単一雰囲気、或いは水素(H2)とArやN2といった不活性ガスとの混合雰囲気が挙げられる。熱処理(水素化)時の温度は、出発合金の不均化反応が進行する温度、即ち不均化温度以上とする。不均化反応とは、希土類元素の優先水素化により、希土類元素の水素化合物と、Fe(或いはFe及び鉄化合物)とに分離する反応であり、この反応が生じる下限温度を不均化温度と呼ぶ。上記不均化温度は、出発合金の組成や希土類元素の種類により異なる。例えば、出発合金がSm2Fe17,Sm1(Ti1Fe11)、Sm1(Mn1Fe11)などの場合、600℃以上、Nd2Fe14B、Nd2(Co1Fe13)B、Nd2Fe14Cなどの場合、650℃以上が挙げられる。熱処理(水素化)時の温度を不均化温度近傍とすると、希土類元素の水素化合物が層状になり易く、当該温度を不均化温度+100℃以上に高めると、希土類元素の水素化合物が粒状になり易い。熱処理(水素化)時の温度は、高めるほど鉄化合物の相のマトリックス化が進行して成形性に優れる多相粉末が得られるが、高過ぎると出発合金粉末の溶融固着などの不具合が発生するため、1100℃以下が好ましい。熱処理(水素化)時の温度は、出発合金がSm2Fe17,Sm1(Ti1Fe11)、Sm1(Mn1Fe11)などの場合、700℃以上900℃以下、Nd2Fe14B、Nd2(Co1Fe13)B、Nd2Fe14Cなど場合、750℃以上900℃以下の比較的低めにすると、後述する相間の間隔が小さい微細な組織となり易い。熱処理(水素化)時の保持時間は、0.5時間以上5時間以下が挙げられる。この熱処理(水素化)は、上述したHDDR処理の不均化工程までの処理に相当し、公知の不均化条件を適用することができる。
熱処理(水素化)には、一般的な加熱炉の他、ロータリーキルン炉といった揺動式炉を利用することができる。揺動式炉を利用すると、鋳造塊などの比較的大きな素材を利用しても、水素化の進行に伴って脆化により粉砕され、粉末になる。
熱処理(水素化)により得られた多相粒子は、鉄含有物の含有量が60体積%以上であると、硬質である希土類元素の水素化合物が相対的に少なくなり(40体積%未満)、成形性に優れて好ましい。鉄含有物が多過ぎると最終的に磁気特性の低下を招くことから、多相粒子中の鉄含有物の含有量は、90体積%以下が好ましい。希土類元素の水素化合物の含有量は、0体積%超とし、10体積%以上40体積%未満が好ましい。
鉄含有物は、(1)Fe(純鉄)である形態、(2)FeとFe以外の元素(例えば、B,C,Co,Mn,Tiなど)とを含む化合物(例えば、Fe3B、(CoFe2)B、Fe3C、FeMn化合物、FeTi化合物など)である形態、(3) (1)及び(2)の双方を含む形態、(4) (1)及び(2)の少なくとも一方とFe以外の元素(例えば、Co,Ni,Mn,Tiなど)とを含む形態が挙げられる。鉄含有物がFe以外の元素を含む形態では、磁気特性や耐食性を向上することができる。希土類元素の水素化合物は、例えば、SmH2,NdH2などが挙げられる。なお、多相粒子は、不可避不純物の含有を許容する。
多相粒子は、希土類元素の水素化合物の相と鉄含有物の相とが均一的に離散して存在した組織を有する。離散した状態とは、多相粒子中において、希土類元素の水素化合物の相と鉄含有物の相との両相が隣接して存在し、鉄含有物の相を介して隣り合う希土類元素の水素化合物の相間の間隔が3μm以下であることとする。代表的には、上記両相が多層構造となった層状形態、希土類元素の水素化合物の相が粒状であり、鉄含有物の相を母相として、この母相中に粒状の希土類元素の水素化合物が分散して存在する粒状形態が挙げられる。上記相関の間隔は、0.5μm以上、特に1μm以上が好ましい。
上記粒状形態は、希土類元素の水素化合物の粒子の周囲に鉄含有物が均一的に存在するため、上記層状形態よりも鉄含有物を変形させ易く、複雑な形状の粉末成形体や、多相粉末の相対密度が85%以上、更に90%以上、特に95%以上といった高密度の粉末成形体を得易い。上記粒状形態において希土類元素の水素化合物の相と鉄含有物の相とが隣接するとは、代表的には、多相粒子の断面をとったとき、希土類元素の水素化合物の粒子の周囲を覆うように鉄含有物が存在し、隣り合う希土類元素の水素化合物の粒子間に鉄含有物が存在する状態をいう。また、上記粒状形態の場合、隣り合う希土類元素の水素化合物の相間の間隔とは、上記断面において隣り合う二つの希土類元素の水素化合物の粒子の中心間の距離をいう。
多相粒子を構成する組成(構成元素、含有量など)、鉄含有物の含有量や希土類元素の水素化合物の含有量、上記相間の間隔は、出発合金の組成や多相粉末を製造する際の熱処理条件(主に温度)を適宜変化させることで調整できる。例えば、出発合金における鉄の比率(原子比)を多くしたり、上記熱処理(水素化)時の温度を高くしたりすると、上記相間の間隔が大きくなる傾向にある。所望の多相粉末が得られるように出発合金の組成や熱処理条件を調整するとよい。
多相粉末は、各多相粒子の全周を覆うように酸化防止層や絶縁被覆を具える形態とすることができる。酸化防止層を具える形態は、加圧成形時に生じた新生面の酸化を防止できる。絶縁被覆を具える形態は、絶縁被覆(或いは絶縁被覆の構成材料から熱処理により変成された絶縁材)の存在により、電気抵抗が高く渦電流損が小さい複合磁性材が得られる。
酸化防止層は、酸素の透過係数(30℃)が1.0×10-11m3・m/(s・m2・Pa)未満、特に0.01×10-11m3・m/(s・m2・Pa)以下の酸素低透過材料からなる酸素低透過層を少なくとも具える形態が挙げられる。酸素低透過材料は、例えば、ナイロン6(酸素の透過係数(30℃):0.0011×10-11m3・m/(s・m2・Pa))といったポリアミド系樹脂、その他、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。また、酸化防止層は、酸素低透過層に加えて、透湿率(30℃)が1000×10-13kg/(m・s・MPa)未満、特に10×10-13kg/(m・s・MPa)以下の湿気低透過材料からなる湿気低透過層を具えると、多湿状態(例えば、気温30℃程度/湿度80%程度など)で保管などされた場合でも酸化を効果的に防止できて好ましい。湿気低透過材料は、透湿率(30℃):7×10-13kg/(m・s・MPa)〜60×10-13kg/(m・s・MPa)であるポリエチレン、その他、フッ素樹脂、ポリプロピレンなどが挙げられる。酸素低透過層を多相粒子側、湿気低透過層を酸素低透過層の上に具えることが好ましい。酸化防止層を構成する各層の厚さは10nm以上500nm以下が好ましい。
酸化防止層の形成には、例えば、湿式乾燥塗膜法やゾルゲル法といった湿式法、粉体塗装といった乾式法を利用できる。
絶縁被覆は、例えば、Si,Al,Tiなどの酸化物の結晶性被膜や非晶質のガラス被膜、X-Fe-O(X=Ba,Sr,Ni,Mnなどの金属元素)といったフェライトやマグネタイト(Fe3O4)、Dy2O3といった金属酸化物、シリコーン樹脂といった樹脂、シルセスキオキサン化合物などといった有機無機ハイブリッド化合物からなる被膜が挙げられる。これら結晶性被膜やガラス被膜、酸化物被膜などは、酸化防止機能を有する場合があり、この場合、多相粒子の酸化も防止できる。また、熱伝導性を向上する目的で、Si-N、Si-C系のセラミックス被覆を多相粒子に施してもよい。
上記絶縁被覆やセラミックス被覆と上記酸化防止層との双方を具える形態は、多相粒子の表面に接するように絶縁被覆を形成した後、絶縁被覆の上にセラミックス被覆や上記酸化防止層を形成することが好ましい。絶縁被覆や酸化防止層などを具える形態では、多相粒子が真球に近いと、(1)酸化防止層や絶縁被覆などを均一的な厚さで形成し易い、(2)加圧成形時に酸化防止層や絶縁被覆などの破損を抑制できる、といった効果が得られて好ましい。
(造粒工程)
本発明製造方法では、上記原料粉末とバインダとを混合して造粒粉を形成することを特徴の一つとする。
バインダは、造粒から成形途中までの間、一時的に存在させ、成形時の加熱及び排気により除去する。このバインダは、成形型に投入するまでの造粒粉の流動性を確保すると共に、多相粉末の表面上にナノ鉄粉を均一的に混合するための助剤として機能する。また、バインダは、成形時に潤滑剤としても機能することができる。バインダの分解温度が高いと、成形時の加熱温度を高くする必要がある。ここで、ナノ鉄粉を構成する鉄粒子(主としてα鉄)の酸化進行温度は、実質的に250℃であるため、酸化による磁気特性の低下を防止するには、成形時の加熱温度は、250℃以下が望まれる。そのため、本発明製造方法では、バインダとして、分解温度が低いもの、具体的には240℃以下、好ましくは220℃以下のものを利用する。かつ、分解温度+20℃以下の温度で揮発又はガスに分解することによって気化して除去可能なバインダを利用する。このような比較的低温でバインダが除去可能であることで、成形時の温度を低くでき、ナノ鉄粉の粗大化、原料粉末の酸化の防止、バインダ自体の熱分解の防止を図ることができる。また、バインダは、ナノ鉄粉及び多相粉末と反応せず、造粒可能なものとする。このようなバインダとして、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミドなどの有機物が挙げられる。上述の仕様(分解温度など)を満たす市販のワックスなどを利用してもよい。
造粒にあたり、バインダを溶融又は軟化状態とすると、ナノ鉄粉と多相粉末と当該バインダとの三者を均一的に混合し易く、当該バインダにより、多相粒子の表面に鉄粒子が万遍なく分散した状態が維持された造粒粉を形成することができる。従って、原料粉末とバインダとの混合は、当該バインダの融点以上、好ましくは融点+5℃以上の温度で行うことが好ましい。混合時の温度は、低過ぎると、原料粉末とバインダとを均一的に混合し難く造粒し難い。その結果、バインダが原料粉末に均一的に付着せず、原料粉末のすべりが悪くなって、成形型への充填率の低下や成形性の劣化を招いたりする恐れがある。一方、混合時の温度は、高過ぎると、造粒中にバインダが混合設備中に付着や堆積などしてバインダが低減するため、(融点+5)℃〜(融点+15)℃程度が好ましい。
バインダの融点は90℃以下が好ましい。融点が低いことで、バインダを溶融又は軟化状態にし易い。そのため、比較的低温でバインダと原料粉末とを均一的に混合でき、造粒工程の作業性に優れる上に、バインダが均一的に存在する造粒粉を形成できる。バインダが均一的に存在する造粒粉は、原料粉末の酸化を防止できる上に、原料粉末のすべりを良好にでき、成形型への充填性や成形性に優れる。
バインダの含有量は、適宜選択することができるが、多過ぎると、除去時間が長くなったり、残存して磁性相の割合の低下を招いたりする。従って、バインダの含有量は、原料粉末の質量(多相粉末とナノ鉄粉との合計質量)に対して、0.5質量%〜5質量%が好ましい。
ナノ鉄粉と多相粉末との配合比は、適宜選択することができる。多相粉末が多いと成形性に優れ、大型なバルク材を形成し易く、ナノ鉄粉が多いと、α"Fe16N2成分の含有による磁気特性の向上効果を得易い。成形性及び磁気特性を考慮すると、ナノ鉄粉の配合比は、多相粉末とナノ鉄粉との合計質量を100質量%とするとき、5質量%以上が好ましく、10質量%〜25質量%が利用し易い。
十分に混合したら、原料粉末とバインダとの混合物を室温まで冷却して、当該バインダを固化させて造粒粉を形成する。造粒粉はその平均粒径を10μm以上、特に50μm以上とすると、流動性や成形型への充填性に優れる、造粒粉を製造し易い、成形性に優れる、といった利点を有して好ましい。但し、造粒粉が大き過ぎると、バインダが過剰になったり、バインダ成分の残存により原料粉末の充填率を低下させたりすることから、平均粒径は500μm以下が好ましい。上述のようにバインダを溶融させてから冷却することで、所望の大きさの造粒粉を製造し易い。造粒粉の平均粒径は、上述の室温までの冷却工程における冷却速度を調整することで変化させられ、冷却速度を速めると小さくなる傾向にある。
ナノ鉄粉や多相粉末は、上述のように酸化し易い。ナノ鉄粉が酸化すると、窒化が阻害されてα"Fe16N2の生成量が低下し、磁性相の割合が低下したり、α"Fe16N2成分が少ないことにより配向性が低下したりする。多相粉末が酸化すると、生成された酸化物により再合金化が阻害されて、磁性相の割合が低下する。従って、原料粉末の酸化は、飽和磁化の低下といった磁気特性の低下を招く。そのため、造粒工程は、低酸素雰囲気とすることが好ましい。具体的には、酸素濃度が3000質量ppm以下、更に2500質量ppm以下、特に2000質量ppm以下が好ましい。造粒工程の具体的な雰囲気は、例えば、Ar(アルゴン)やHe(ヘリウム)などの希ガス雰囲気やN2(窒素)などの不活性雰囲気が挙げられる。上述した酸化防止層を具えた多相粉末を利用すると、バインダに覆われるまでの間の多相粉末の酸化を効果的に防止できる。
造粒粉は、基本的には、多相粒子の表層にバインダによってナノ鉄粉が付着している状態であればよく、例えば、多相粒子の表層にナノ粉が付着した複数の多相粒子がバインダによって結合した状態でもよい。上述のようにバインダを溶融させて、当該バインダにより鉄粒子や多相粒子の全周を覆った造粒粉とすると、当該バインダを鉄粒子や多相粒子の酸化防止層として機能させることもできる。
(成形工程)
本発明製造方法では、上記造粒粉を加圧成形して成形体(第一成形体)を形成するにあたり、加熱及び排気を行うことを特徴の一つとする。
{加熱}
成形時の加熱は、主として、造粒粉中のバインダを溶融・気化(揮発)するために行う。従って、この工程の加熱温度(最終到達温度)は、バインダの分解温度近傍が好ましく、分解温度±20℃とする。この加熱温度が(分解温度−20)℃未満では、バインダを十分に溶融できず、原料粉末のすべりを阻害したり、十分に気化できず、当該バインダが残存して原料粉末の充填率の低下を招いたりする。加熱温度が高いほどバインダを溶融・気化し易く、確実に除去できるが、(分解温度+20)℃超となると、例えば、揮発させる目的のバインダにおいて意図しない分解が進行して、バインダの構成成分(例えば、C(炭素)など)が残渣として成形体内部に残ったり、原料粉末が酸化し易くなり、磁気特性の低下を招く。造粒粉の加熱は外熱を与える他、成形型を所定の温度に加熱することで実現できる。また、造粒粉をバインダの融点以下の温度で予熱すると、造粒粉自体の昇温時間を短縮することができる。この予熱により多相粉末の変形を促進でき、高密度な成形体や複雑な形状の成形体を得易い。
{排気}
成形時の排気は、主として、上記加熱により気化したバインダを外部に除去するために行う。具体的には、0.9気圧(91.2kPa)以下となるように排気する。つまり、成形は、減圧雰囲気で行う。雰囲気の圧力が0.9気圧超では、十分に脱気できず、バインダが残存して原料粉末の充填率の低下を招く。雰囲気の圧力が大きいほど、排気を十分に行えて、バインダを排出し易く、かつ、雰囲気中の酸素濃度も低減できることから、0.8気圧(81.1kPa)以下がより好ましい。成形時、雰囲気中の酸素濃度が低いことで、バインダが除去されて鉄粒子や多相粒子が露出された状態になっても、当該粒子の酸化を抑制することができる。
{加圧}
成形時の加圧は、主として、原料粉末の高密度化のために行う。成形圧力は、1ton/cm2以上が好ましく、5ton/cm2〜10ton/cm2程度が利用し易い。加圧により、原料粉末を構成する粒子間に存在するバインダも排出し易い。
成形工程を経て得られた第一成形体は、代表的には、圧縮変形により扁平な形状などになった多相粒子間にナノ鉄粉が介在した圧密組織を有する粉末成形体である。多相粒子は、成形性に優れることで、鉄粒子を覆うように変形できるため、多相粒子間の隙間が小さい、或いは当該隙間が実質的に存在しない。第一成形体中の鉄粒子は、原料に準備したナノ鉄粉の大きさが実質的に維持されている。なお、圧密組織とは、第一成形体の加圧方向(プレス方向)に平行な断面組織をとったとき、多相粒子が、主として加圧方向に短く、加圧方向に垂直な方向に長く延びたように変形している組織とする。
(脱水素工程)
本発明製造方法では、二段階の熱処理を行う。一段階目の熱処理では、上記第一成形体を構成する多相粉末から水素を分離して、希土類元素と鉄含有物とを再結合する。再結合された合金の組成は、出発合金の組成に実質的に等しい。本発明製造方法では、この第一段階の熱処理を施すにあたり、特定の強磁場を印加することを特徴の一つとする。
{雰囲気}
脱水素工程は、多相粒子と反応せず、かつ水素を効率よく除去できるように非水素雰囲気にて熱処理を行う。非水素雰囲気には、不活性雰囲気や減圧雰囲気が挙げられる。不活性雰囲気は、例えば、ArやN2が挙げられる。減圧雰囲気は、標準の大気雰囲気よりも圧力を低下させた真空状態をいう。減圧雰囲気で希土類元素の水素化合物から水素の除去を行うと、希土類元素の水素化合物が残存し難く、再結合化を完全に起こさせることができる。その結果、再結合合金の成分を高められ、最終的に磁気特性に優れる複合磁性材が得られる。従って、本発明製造方法では、減圧雰囲気とする。特に、100Pa以下の減圧雰囲気とする。より好ましくは、脱水素処理は、所定の温度(反応開始温度)までの昇温工程を、大気圧(1気圧)の水素雰囲気とし、その後、水素を排出して非水素雰囲気とすると共に100Pa以下の減圧雰囲気とすることが好ましい。昇温を水素雰囲気とすることで、十分に高い温度になってから脱水素反応を開始することができ、反応斑を抑制できる。また、脱水素反応処理時の圧力を100Pa以下とすると、脱水素反応が進行し易く、再結合合金の結晶の粗大化を防止して、高い保磁力を有する複合磁性材が得られる。脱水素反応処理時の雰囲気の圧力は、低いほど脱水素反応が進行し易いため、50Pa以下が好ましく、最終到達圧力(最終到達真空度)は、10Pa以下、特に1Pa以下が好ましい。
{加熱}
脱水素工程における熱処理(脱水素)の温度は、再結合温度以上とする。再結合温度とは、多相粒子が、希土類元素の水素化合物の相と鉄含有物の相とを有する多相状態から、希土類元素と鉄含有物とが結合して、希土類元素とFeとを含む合金からなる単相状態に変態する温度をいう。再結合温度は、多相粒子の組成により異なるものの、代表的には、Smを含む場合、600℃以上、Ndを含む場合、700℃以上が挙げられる。熱処理(脱水素)時の温度は、高いほど水素を十分に除去して再結合化を進行できるものの、高過ぎると、蒸気圧が高い希土類元素が揮発して減少したり、再結合合金の結晶が粗大化して、最終的に得られる複合磁性材の保磁力が低下したりする恐れがあるため、1000℃以下が好ましい。熱処理(脱水素)時の保持時間は、10分以上600分以下が挙げられる。温度条件は、公知のHDDR処理におけるDR処理の条件を適用できる。
{磁場印加}
そして、脱水素工程では、第一成形体に磁場を印加した状態で熱処理(脱水素)を行う。磁場は、2T以上の強磁場とする。このような強磁場は、高温超電導磁石を用いることで安定して形成することができる。高温超電導磁石は、例えば、予備印加状態から最大磁場への到達時間が短いなど、磁場の変動を高速で行える。低温超電導磁石を用いた場合、磁場変動速度は、一般に、1T当たり5分〜10分程度であるのに対し、高温超電導磁石では、例えば、1T当たり10秒以内と非常に短時間で行える。このように高温超電導磁石を利用すると、所望の強磁場を容易に得られることから、熱処理時間の短縮を図ることができる。熱処理時間の短縮化により、成形体を構成する粒子内の結晶粒の成長を抑制して粗粒化を低減できることから、保磁力が大きな複合磁性材が得られ易い。更に、磁場変動速度が速いため、成形型に造粒粉を充填するときや成形体を取り出すときに磁場の印加を停止(OFF)したり、熱処理中に磁場の印加を開始(ON)したり、といった磁場の印加の制御も速やかに行える。このように高温超電導磁石を利用すると、連続的に熱処理が行え、複合磁性材の生産性にも優れる。高温超電導磁石は、代表的には、酸化物超電導体により構成された超電導コイルを例えば、冷凍機による伝導冷却で冷却して使用される(動作温度はおよそ-260℃以上)。
造粒粉を成形型に充填する際には、上述の特定の強磁場を印加していない状態とすると、成形型内に造粒粉が偏って充填されることなどを防止し易く好ましい。一方、造粒粉を成形型(好ましくは上述の加熱温度に加熱された状態にあるもの)に充填した後には、造粒粉の温度が上昇してバインダが溶融状態になるまでの間、例えば、10秒〜15秒程度の非常に短時間の間に上記特定の強磁場にすることが望まれる。高温超電導磁石は、強磁場を急速に励磁可能な高温超電導コイルを具える電磁石であり、この要求に十分に対応できることから、造粒粉を成形型に充填した後、高温超電導磁石を用いて上記特定の磁場を印加することが好ましい。
脱水素工程では、水素が除去されて形成された、希土類元素とFeとを含む結晶核の周囲に、希土類元素の含有量が高い液相(希土類リッチ相)が存在した状態になっている。このとき、上述の特定の強磁場を印加すると、結晶核の結晶方位が一定の方向に向き易くなり、再結合の反応の完了時、各結晶粒が配向した状態となる。また、上述の特定の強磁場を印加すると、この結晶粒の周囲に存在するナノ鉄粉も、その結晶方位が一方向に向きやすくなり、配向した状態となる。即ち、再結合合金の結晶の磁化容易軸(代表的には、c軸)とナノ鉄粉の結晶の磁化容易軸(代表的には、<100>方向)とが揃って配向する。この磁場の大きさが大きいほど上記再結合合金の結晶方位やナノ鉄粉の結晶方位を一方向に配向させ易い。その結果、再結合合金が等方性結晶となることを防止し易くなる上に、最終的に磁気特性(特に、保磁力)に優れる複合磁性材が得られることから、磁場の大きさは3T以上、更に4T以上が好ましい。
多相粉末が上述した酸化防止層を具える形態であって、当該酸化防止層が樹脂といった加熱により除去可能な材質から構成されている場合、熱処理(脱水素)は、当該酸化防止層の除去を兼ねることもできる。酸化防止層を除去するための熱処理(被覆除去)を別途施してもよい。この熱処理(被覆除去)は、酸化防止層の材質にもよるが、例えば、加熱温度:200℃以上400℃以下、保持時間:30分以上300分以下が挙げられる。この熱処理(被覆除去)を行うことで、酸化防止層の残滓を効果的に防止できる。
第一成形体として相対密度が高いものを作製すると、脱水素工程の前後で体積の変化度合い(熱処理(脱水素)後の収縮量)を小さくでき、例えば、体積変化率を5%以下とすることができる。従って、形状調整のための切削加工などの後加工を省略でき、本発明製造方法は、複合磁性材の生産性を高められる。
脱水素工程を経て得られた第二成形体は、代表的には、扁平な形状の再結合合金からなる粒子(以下、再結合粒子と呼ぶ)間にナノ鉄粉が介在した圧密組織を有する成形体である。
(窒化工程)
二段階目の熱処理では、主として、第二成形体を構成するナノ鉄粉を窒化して、α"Fe16N2を生成する。本発明製造方法では、この第二段階の熱処理を施すにあたり、特定の強磁場を印加することを特徴の一つとする。
{雰囲気}
窒化工程における雰囲気は、少なくとも窒素元素を含むものとする。例えば、窒素(N2)のみの単一雰囲気、或いはアンモニア(NH3)雰囲気、或いは窒素(N2)やアンモニアといった窒素元素を含むガスとArといった不活性ガスとの混合ガス雰囲気、或いは上記窒素元素を含むガスと水素(H2)との混合ガス雰囲気が挙げられる。特に、水素元素を含有する雰囲気は還元雰囲気であるため、生成した窒化物の酸化、再結合粒子などの酸化や過剰窒化を防止できて好ましい。特に、本発明製造方法では、酸素濃度を200質量ppm以下とすることで、窒化工程での酸化を効果的に防止できる。従って、ナノ鉄粉を良好に窒化できる上に、生成された酸化物により磁性相(希土類元素とFeとを含有する合金、α"Fe16N2)の割合が低下することを防止でき、飽和磁化、保磁力の双方に優れる複合磁性材が得られる。酸素濃度は低いほど好ましく、100質量ppm以下がより好ましい。
{加熱}
熱処理(窒化)の温度は、200℃以上450℃以下とする。200℃以上とすることで、FeとNとの反応性を高められ、鉄の基本格子を構成するFe原子-Fe原子間にN原子を十分に侵入させることができる。この温度が高いほど、上記反応性を高められて窒化を進行でき、α"Fe16N2を十分に生成でき、保磁力が高いといった磁気特性に優れる複合磁性材が得られる。但し、熱処理(窒化)の温度は、高過ぎると後述する磁場の印加による磁歪効果が小さくなり、過剰窒化によってα"Fe16N2の生成効率が低下し、α"Fe16N2成分の割合が減ることで飽和磁化の低下を招くことから、450℃以下とする。200℃〜350℃程度がより好ましい。熱処理(窒化)時の保持時間は、例えば、10分以上1800分以下が挙げられる。アンモニア雰囲気といった窒化の進行が速い雰囲気とすると、熱処理(窒化)の保持時間を短くすることができる。
出発合金にRExMe17やREx/2Me12といった希土類-鉄系合金を利用した場合、窒化工程では、上記希土類-鉄系合金からなる再結合合金を窒化して、希土類元素とFeとを含む希土類-鉄-窒素系合金を生成する。即ち、この形態では、ナノ鉄粉と再結合合金との双方を同時に窒化する。希土類-鉄-窒素系合金を生成するための温度は、再結合合金が窒素元素と反応する温度(窒化温度)以上、窒素不均化温度(希土類元素と鉄含有物とがそれぞれ分離・独立して、窒素元素と反応する温度)以下が好ましい。窒化温度や窒素不均化温度は、再結合合金の組成によって異なるが、200℃以上550℃以下が挙げられる。上述のように熱処理(窒化)の温度を200℃〜450℃、より好ましくは200℃〜300℃程度とすれば、再結合合金を十分に窒化可能であり、希土類-鉄-窒素系合金を生成できる。また、α"Fe16N2及び希土類-鉄-窒素系合金の割合を十分に高められ、保磁力が高いといった複合磁性材が得られる。出発合金にRExMe14B,RExMe14Cといった希土類-鉄-ホウ素系合金や希土類-鉄-炭素系合金を利用した場合、窒化工程では、実質的にナノ鉄粉の窒化のみが行われる。なお、RE-Me合金(代表的にはREx/2Me12)の窒化温度はFeの窒化温度よりも高い傾向にあるため、原料にRE-Me合金を用いた場合、窒化工程の温度によってはRE-Me合金が実質的に窒化されず、Feのみが窒化され、RE1Me12が存在する複合磁性材が製造され得る。この場合でも、複合磁性材は磁気特性に優れる。出発合金にRE1Me12N3といった既に希土類-鉄-窒素系合金となっている合金を利用することもできる。
{磁場印加}
そして、窒化工程も、第二成形体に磁場を印加した状態で熱処理(窒化)を行う。磁場は、3T以上の強磁場とする。このような強磁場の印加には、上述した高温超電導磁石を好適に利用することができる。このような強磁場を印加することで、Feの基本格子を印加する磁場方向に十分に引き伸ばすことができ、N原子の侵入方向を一方向に規制し易い。そのため、N原子がランダムに侵入して、磁気特性に劣るFe4NやFe3Nが生成されることを抑制して、α"Fe16N2を効率よく生成できる。その結果、飽和磁化が高いといった磁気特性に優れる複合磁性材が得られる。この磁場の大きさは、大きいほど鉄の基本格子を一方向に引き伸ばし易く、引き伸ばされたFe原子-Fe原子間にN原子を侵入させ易い、即ち、α"Fe16N2を生成し易い。また、この磁場が大きいほど、再結合合金の結晶格子も一方向に引き伸ばし易く、引き伸ばされたFe原子-Fe原子間にN原子を侵入させることで、理想状態の原子比の窒化物(例えば、Sm2Fe17N3)が得られ易くなる。つまり、印加磁場の大きさは、大きいほどN原子の進入方向を規制できるため、3.5T以上、更に4T以上が好ましい。
また、この磁場の印加により、生成されたα"Fe16N2の磁気容易軸と、生成された希土類-鉄-窒素系合金の磁気容易軸や、再結合された希土類-鉄-ホウ素系合金や希土類-鉄-炭素系合金、希土類-鉄-窒素系合金などの磁気容易軸とを揃えて配向させることができる。このように本発明製造方法は、合金粒子と鉄窒化物粒子とが揃って配向した配向組織を有する本発明複合磁性材が得られる。
脱水素工程後に得られた第二成形体も相対密度が高いものであると、窒化工程の前後でも体積の変化度合いを小さくでき、例えば、体積変化率を5%以下とすることができる。従って、最終形状のための切削加工などの後加工を省略でき、本発明製造方法は、複合磁性材の生産性を高められる。
[複合磁性材]
本発明複合磁性材は、希土類元素とFeとを含有する合金を主成分とする複数の合金粒子間に、α"Fe16N2を主成分とする少なくとも一つの鉄窒化物粒子が介在された成形体からなるものである。つまり、本発明複合磁性材は、合金粒子及び鉄窒化物粒子の粒界を確認することができる。
上記合金粒子を構成する合金は、例えば、上述のREとMeとを用いて(但し、x=1.5〜3.5)、RE2Me14B,RE2Me14C,RE2Me17Nx,RE1Me12Nx及びRE1Me12から選択される1以上が挙げられる。より具体的には、RE2Me14Bは、Nd2Fe14B、Nd2(Co1Fe13)B、RE2Me14Cは、Nd2Fe14C、RE2Me17Nxは、Sm2Fe17N3、Y2Fe17N3、RE1Me12Nxは、Sm1(Ti1Fe11)N2、Sm1(Mn1Fe11)N2、Y1(Ti1Fe11)N2、Y1(Mn1Fe11)N2、RE1Me12は、Sm1(Ti1Fe11)、Sm1(Mn1Fe11)、Y1(Ti1Fe11)、Y1(Mn1Fe11)などが挙げられる。特に、Sm-Fe-N系合金は、磁気特性に優れて好ましい。MeにおけるFeとその他の元素:Co,Ni,Mn,Tiとの含有比率は連続的に変化させることができる。また、合金粒子は、多相組織から再結合合金組織に変化する際に結晶の成長を制御するような元素(例えば、Cu,Al,Cr,Ga,Nbなど)を含むものを許容する。
合金粒子における合金成分の含有量は、80体積%以上とする。この含有量が多いほど(純度が高いほど)、磁気特性に優れる磁性相が多くなり、磁気特性に優れる。従って、合金粒子における合金成分の含有量は90体積%以上がより好ましい。合金成分の含有量は、製造工程において、酸化を防止することで高められる。例えば、上述のように多相粉末として酸化防止層を具えるものを利用したり、造粒工程や窒化工程での酸素濃度を低減して酸化を防止したりすることが挙げられる。合金粒子は、不可避不純物の含有を許容する。不可避不純物は、酸化物、バインダの残滓などが挙げられる。
鉄窒化物粒子におけるα"Fe16N2成分の含有量は、80体積%以上とする。この含有量が多いほど(純度が高いほど)、磁気特性に優れる磁性相が多くなったり、配向性を高められたりして、保磁力や飽和磁化が高く、磁気特性に優れる。そのため、α"Fe16N2成分の含有量は、85体積%以上、更に90体積%以上が好ましい。鉄窒化物粒子は、不可避不純物の含有を許容する。不可避不純物はα鉄や酸化物などが挙げられる。α"Fe16N2成分の含有量は、例えば、製造工程において、酸化を防止することで高められる。例えば、造粒工程や窒化工程での酸素濃度を低減して酸化を防止することが挙げられる。
鉄窒化物粒子は、原料に用いたナノ鉄粉と同様に、柱状で、その短軸の平均長さが100nm以下とする。短軸の平均長さは、80nm以下、更に50nm以下、特に20nm以下が好ましい。ここで、結晶粒径が10nm以上である場合、結晶粒界が多いほど、つまり結晶粒のサイズが小さいほど、保磁力が大きくなる。鉄窒化物粒子の長軸に対して相対的に短軸の長さが短いほど、つまり、アスペクト比が大きいほど、鉄窒化物粒子内が単結晶化し易く、結果として結晶粒のサイズが小さいことと同義になるため、保磁力を大きくすることができる。この鉄窒化物粒子のアスペクト比は、2以上、更に2.2以上が好ましい。また、鉄窒化物粒子の短軸の平均長さが10nm以上であると、アスペクト比が小さくなり過ぎず、鉄窒化物粒子がいわゆる超常磁性状態となり難くなり、磁石特性の喪失を抑制できる。
そして、本発明複合磁性材は、合金粒子の磁化容易軸の配向方向(平行方向)と、鉄窒化物粒子の磁化容易軸の配向方向(平行方向)とがなす立体角が10°以下であることを特徴の一つとする。本発明複合磁性材は、上述のように特定の強磁場を印加して製造することから、合金粒子及び鉄窒化物粒子の両粒子の結晶方位が同様な方向に配向して、立体角が小さくなる。立体角が小さいほど、上記両粒子が同じ方向に配向していることになり磁気特性により優れることから、立体角は、9°以下、更に7°以下が好ましい。立体角は、出発合金粉末の形状や製造条件により調整することができる。合金粒子及び鉄窒化物粒子の磁気容易軸は、代表的には、(00n)方向が挙げられる(n≠0の整数。代表的にはn=2〜6)。合金粒子(或いは鉄窒化物粒子)の磁化容易軸の配向方向は、以下のように求める。複合磁性材の極点図を測定し、観察面に対する磁化容易軸の分布情報を得る。この分布情報から、全体の合金粒子(或いは鉄窒化物粒子)の70%以上の結晶の磁化容易軸がその配向方向から立体角が30°以内になっている場合を前提とし、観察面中に存在する全体の合金粒子(或いは鉄窒化物粒子)の平均方向を磁化容易軸の配向方向とする。本発明製造方法で製造した複合磁性材は、上述の前提状態が成立している。
本発明複合磁性材は、(1)磁気特性(特に、保磁力)に優れる合金粒子と、磁気特性(特に、飽和磁化)に優れる鉄窒化物粒子との双方を含む、(2)合金粒子と鉄窒化物粒子とが揃って配向している、ことから、保磁力や飽和磁化といった磁気特性に優れる。例えば、飽和磁化が1.5T以上を満たす形態、保磁力が10kOe(800kA/m)以上を満たす形態、飽和磁化:1.5T以上及び保磁力:10kOe(800kA/m)以上の双方を満たす形態が挙げられる。このように磁気特性に優れることから、本発明複合磁性材は、永久磁石の素材に好適に利用することができる。
本発明複製造方法では、上述のように成形性に優れる多相粉末を原料に用いることで高密度な粉末成形体を得易く、このような粉末成形体を利用することで、高密度な複合磁性材が得られる。例えば、製造時に上述のバインダを十分に除去することで、本発明複合磁性材は、その相対密度が90%以上、更には95%以上とすることができる。このような高密度な複合磁性材は、磁性相の割合が高いため、磁気特性に優れる。
以下、試験例を挙げて、本発明のより具体的な実施形態を説明する。
[試験例1]
原料粉末として、異なる二種類の粉末を用意し、この原料粉末とバインダとを混合して造粒粉を作製し、この造粒粉を加圧成形した後、二段階の熱処理(脱水素及び窒化)を施して磁性材を作製し、磁気特性を調べた。この試験では、特に、原料粉末のサイズ、バインダの分解温度、成形条件(温度、雰囲気圧力)、熱処理条件(温度、印加磁場、雰囲気)の影響を調べた。
複合磁性材は、図1に示すように準備工程:原料粉末の準備→造粒工程:造粒粉の作製→成形工程:第一成形体の形成→脱水素工程:第二成形体の形成→窒化工程:α"Fe16N2の生成・希土類-鉄-窒素系合金の生成という手順で作製した。
(準備工程)
原料粉末には、以下のナノ鉄粉と、多相粉末とを用意した。
{ナノ鉄粉}
共沈法に準じて、塩化鉄(II)と水酸化ナトリウムとをpH≒8〜9の状態になるように投入制御して、Fe2O3粉末を作製し、水素還元を行った後、酸化処理を施して、表面に酸化層を具えるナノ鉄粉を作製した。各試料に用いるナノFe2O3粉末は、反応容器の外側に電磁石を配置して一定の外部磁場(0.1T)を印加しながら合成を行って作製した。この合成にあたり、反応時間(30分〜180分)・反応温度(60℃〜90℃)を調整することで、ナノFe2O3粉末の粒子サイズを適宜変化させた。試料No.1-1〜1-4,1-101〜1-103は、平均粒径20nm〜300nmのFe2O3粉末を作製し、上記以外の試料は、平均粒径50nmのFe2O3粉末を作製した。酸化層は、公知の条件により形成した。試料No.1-1〜1-4,1-11,1-12,1-101〜1-103,1-111は、その他の試料と酸化層の形成時間を異ならせ、試料No.1-1の形成時間を最も短くし、試料No.1-103の形成時間を最も長くした。なお、水素還元前後の粉末の大きさを調べたところ、粒子サイズの増加は実質的に認められなかった。つまり、ナノFe2O3粉末と、ナノ鉄粉とはいずれも粒子サイズが実質的に同じであった。
得られた各ナノ鉄粉におけるFeの含有量を調べた。その結果を表1,表2に示す。この試験では、いずれの試料のナノ鉄粉も、Feの含有量が80体積%であり、Fe(α鉄)を主成分(80体積%以上)とすることを確認した。Feの含有量(体積%)は、例えば、以下のようにして測定することができる。ナノ鉄粉を構成する各鉄粒子をそれぞれ透過型電子顕微鏡:TEMによってフォーカスして電子線回折を行い、Fe結晶における電子線回折強度とその他の成分(不純物)における電子線回折強度との比を計測する。この電子線回折強度の比から鉄粒子内のFeの体積比率を測定することができる。なお、鉄粒子の成分は、メスバウアースペクトル分析や、サイズが大きい場合、X線回折などでも測定することができる。
得られた各ナノ鉄粉を透過型電子顕微鏡:TEMにより観察したところ、いずれも柱状であった。この観察像を用いて短軸の平均長さを測定した。ここでは、上記観察像を画像処理し、視野中に存在する各ナノ鉄粉を構成する鉄粒子について、長軸方向の中心位置において長軸と直交する短軸の長さを測定し、この短軸の長さを当該鉄粒子の短軸の長さとし、50個以上の鉄粒子の短軸の長さの平均を短軸の平均長さとする。その結果を表1,表2に示す。Fe2O3粉末の大きさに応じて短軸の平均長さが異なっていた。例えば、試料No.1-101〜1-103は、Fe2O3粉末が大きなものを利用したことで、短軸の平均長さが大きくなり、試料No.1-1は、Fe2O3粉末が小さなものを利用したことで、短軸の平均長さが小さくなっていた。
{多相粉末}
SmとFeとの原子比(at%)がSm:Fe≒10:90であるSm2Fe17の合金インゴットを用意し、この合金インゴットをAr雰囲気中で超硬合金製乳鉢により粉砕して、平均粒径30μmの出発合金粉末を作製した。上記平均粒径は、レーザ回折式粒度分布装置により、積算重量が50%となる粒径(50%粒径)を測定した。
出発合金粉末に水素(H2)雰囲気中、850℃×3時間で熱処理(水素化)を施した。この熱処理(水素化)により得られた粉末をエポキシ樹脂で固めて、組織観察用のサンプルを作製した。このサンプルの内部の粉末が酸化しないように当該サンプルを任意の位置で切断又は研磨し、この切断面又は研磨面に存在する上記粉末を構成する各粒子の組成をEDX(エネルギー分散型X線分光法)装置により調べた。また、上記切断面又は研磨面を光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡:SEM(100倍〜10000倍)で観察し、上記粉末を構成する各粒子の形態を調べた。その結果、得られた粉末を構成する各粒子は、鉄含有物(ここではFe)の相を母相とし、この母相中に複数の粒状の希土類元素の水素化合物(ここではSmH2)の相が分散して存在した複数相の組織からなることを確認した(以下、当該粉末を多相粉末、当該粒子を多相粒子と呼ぶ)。また、隣り合う希土類元素の水素化合物の粒子間に鉄含有物が介在していることを確認した。
上記エポキシ樹脂を含むサンプルを用いて、多相粒子における希土類元素の水素化合物:SmH2,鉄含有物:Feの含有量(体積%)を求めたところ、希土類元素の水素化合物が40体積%未満であり(30体積%程度)、鉄含有物が主成分であった(70体積%程度)。含有量は、出発合金粉末の組成、及びSmH2,Feの原子量を用いて体積比を演算して求めた。また、上記EDX装置による多相粉末の組成の面分析(マッピングデータ)を利用して、隣り合う希土類元素の水素化合物の粒子間の間隔(上述した中心間の距離)を測定したところ、3μm以下であった(2μm程度)。ここでは、上記間隔は、上記切断面或いは研磨面に面分析を行って、SmH2のピーク位置を抽出し、隣り合うSmH2のピーク位置間の間隔を測定し、全ての間隔の平均値とした。
この試験では、いずれの試料も、作製した多相粉末とナノ鉄粉の合計質量に対して20質量%となるようにナノ鉄粉を用意した。
(造粒工程)
バインダとして、オレイン酸アミド(融点:75℃、分解温度:220℃)、エルカ酸アミド(融点:85℃、分解温度:240℃)、エチレンビスステアリン酸アミド(融点:115℃、分解温度:250℃)を用意した(いずれも市販のワックス)。バインダの含有量は、原料粉末の質量(多相粉末とナノ鉄粉との合計質量)に対して、1.0質量%となるように調整した。そして、酸素濃度が2000質量ppmの窒素雰囲気下で、表1,表2に示す温度にまで加熱した状態で原料粉末とバインダとを混合し、十分に混合した後、室温まで冷却して混練して、平均粒径75μmの造粒粉を形成した。造粒粉の平均粒径は以下のようにして測定した。ガラス板上に十分な量の造粒粉を分散し、ガラス板上の造粒粉の投影像を光学顕微鏡によって撮影し、得られた像中に存在する50個以上の造粒粉について、各造粒粉のフェレー径(ここでは、垂直フェレー径と平行フェレー径との平均値)を求め、50個以上の造粒粉のフェレー径の平均を平均粒径とした。なお、造粒粉は、篩分級や風力分級などを用いて分級することができる。
(成形工程)
得られた各造粒粉を用いて、表1,表2に示す条件で、成形圧力を9ton/cm2として加圧成形した。具体的には、成形型に造粒粉を充填した後、成形型内の圧力が表1,表2に示す大きさの減圧雰囲気(表1,表2に示す圧力の大気雰囲気)となるように脱気ポンプにより排気しながら、表1に示す温度に加熱した状態で加圧成形を行った。試料No.1-132は、大気圧(1気圧≒101.3kPa)とし、排気を行わなかった。十分に加圧した後、粉末成形体(直径φ10mm×高さ10mmの円柱体)を成形型から取り出した。
(脱水素工程)
成形工程を経て得られた各粉末成形体(第一成形体)に減圧雰囲気下で熱処理(脱水素)を施した。具体的には、上記成形体を水素雰囲気中(1気圧)、所定の温度(ここでは750℃)まで昇温した後、脱気ポンプにより水素を排気して真空(VAC)に切り替え、表1,表2に示す圧力に減圧し、この減圧雰囲気下で熱処理(脱水素)を施した。この熱処理(脱水素)は、温度750(℃)×60分とした。試料No.1-141,1-142を除く各試料はいずれも、雰囲気圧力が100Pa以下となったときに脱水素反応の開始温度となるように条件の設定を行うことで、熱処理(脱水素)を十分に行えた。なお、試料No.1-141,1-142を除く各試料はいずれも、最終的に0.5Paまで減圧した。
また、この熱処理(脱水素)は、表1,表2に示す磁場(T)を印加した状態で行った。磁場の印加は、高温超電導磁石を用いて行った。ここでは、磁場の印加方向は、上記成形工程における加圧方向と同じ方向とした。試料No.1-151は、磁場を印加せずに熱処理(脱水素)を行った。
熱処理(脱水素)後に得られた成形体(第二成形体)の組成をEDX装置により調べたところ、いずれの試料も実質的にSm2Fe17という希土類-鉄系合金からなる複数の粒子(再結合粒子)が存在していた。従って、上記熱処理(脱水素)により多相粒子から水素が除去されたことが分かる。また、走査型電子顕微鏡:SEM又は透過型電子顕微鏡:TEMにより、再結合粒子間にナノ鉄粉(鉄粒子)が存在することを確認した。
(窒化工程)
脱水素工程を経て得られた成形体(第二成形体)に、表1,表2に示す酸素濃度(質量ppm)の窒素(N2)雰囲気中、表1,表2に示す温度(℃)×30時間で熱処理(窒化)を施した。この熱処理(窒化)は、表1,表2に示す磁場(T)を印加した状態で行った。磁場の印加は、高温超電導磁石を用いて行った。磁場の印加方向は、上記脱水素工程における磁場の印加方向と同じ方向とした。試料No.1-171は、磁場を印加せずに熱処理(窒化)を行った。
Figure 2012253247
Figure 2012253247
熱処理(窒化)後に得られた成形体の組成をEDX装置により調べたところ、いずれの試料も希土類-鉄-窒素系合金が確認された。そのため、この熱処理(窒化)により再結合粒子が窒化されたことが分かる。合金の組成を表3,表4に示す(x=1.5〜3.5)。また、希土類-鉄-窒素系合金からなる合金粒子における当該合金成分の含有量(体積%)を調べた。その結果を表3,表4に示す。合金成分の含有量(体積%)は、SEM-EDXを用いると共に、成形体に対して局所的に(合金粒子を対象として)X線回折を行い、得られたX線回折強度を用いて求めた。
熱処理(窒化)後に得られた成形体についてEDX装置による組成分析及び走査型電子顕微鏡:SEM又は透過型電子顕微鏡:TEMの観察を行ったところ、試料No.1-161,1-171〜1-173,1-183を除く各成形体は、希土類-鉄-窒素系合金を含有する複数の合金粒子と、α"Fe16N2を含有する複数の鉄窒化物粒子からなることを確認した。このことから、試料No.1-161,1-171〜1-173,1-183を除く各成形体は、ナノ鉄粉によりα"Fe16N2といった窒化物が形成されたことが分かる。また、試料No.1-161,1-171〜1-173,1-183を除く各成形体は、合金粒子間に鉄窒化物粒子が介在していること、鉄窒化物粒子が柱状であることを確認した。この柱状の鉄窒化物粒子について、透過型電子顕微鏡:TEMの観察像を利用して上述したナノ鉄粉と同様にして、鉄窒化物粒子の短軸の平均長さを測定したところ、ナノ鉄粉における短軸の平均長さを実質的に維持していた。
更に、試料No.1-161,1-171〜1-173,1-183を除く各成形体について、鉄窒化物粒子におけるα"Fe16N2成分の含有量を調べたところ、いずれの試料も80体積%以上であった。α"Fe16N2成分の含有量(体積%)は、例えば、以下のようにして測定することができる。各成形体内に分散している各鉄窒化物粒子をそれぞれ透過型電子顕微鏡:TEMによってフォーカスして電子線回折を行い、α"Fe16N2結晶における電子線回折強度とその他の成分(α-Fe,Fe3N,Fe4Nなど)における電子線回折強度との比を計測する。この電子線回折強度の比から鉄窒化物粒子内のα"Fe16N2の体積比率を測定することができる。なお、鉄窒化物粒子の成分は、メスバウワースペクトル分析や、サイズが大きい場合、X線回折などでも測定することができる。
熱処理(窒化)後に得られた成形体について相対密度(真密度に対する実際の密度の割合)を求めた。その結果を表3,表4に示す。実際の密度は、市販の密度測定装置を利用して測定した。真密度は、例えば、以下のようにして求められる。成形体の構成成分をX線回折や電子線回折などで同定し、同定結果から、各構成成分の相(主として、合金相、窒化鉄相)を構成する粒子の真密度及び体積率を求める。各相を構成する粒子の真密度及び体積率を用いることで各構成成分の真密度を算出することができる。原料粉末の配合比と、各構成成分の真密度とから、各構成成分の体積比率を算出することができる。各構成成分の体積比率と算出した各構成成分の真密度とから、成形体の真密度を求めることができる。その他、相対密度は、以下のように求められる。複合磁性材について、任意の直交軸方向(x、y、z)が法線となる断面をとり、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡:SEMによって断面像の観察を行い、平面充填率(Sxi,Syi,Szi)を導出する。平面充填率は、断面視野内において複合磁性材の構成成分の存在面積をその視野の面積で除したものとする。視野は、複合磁性材の境界(輪郭線)を含まないものとする。50個以上の視野(i=1〜50)に対して平面充填率を求め、N=50以上の平均値(Sx,Sy,Sz)を求める。そして、相対密度Vは、V=(Sx*Sy*Sz)1/2とする。
熱処理(窒化)後に得られた成形体の磁気特性:飽和磁化(T)及び保磁力(kOe)を調べた。その結果を表3,表4に示す。ここでは、各成形体を3T以上のパルス磁界で着磁した後、各成形体について円柱の軸方向(=磁場の印加方向=成形時の加圧方向)の飽和磁化(T)及び保磁力(kOe)をBHトレーサ(理研電子株式会社製DCBHトレーサ)を用いて調べた。
熱処理(窒化)後に得られた成形体において、窒化工程で印加した磁場方向(=脱水素工程で印加した磁場方向=成形時の加圧方向)に直交する方向の平面についてX線回折の極点図分析を調べ、合金粒子の磁気容易軸の配向方向と、鉄窒化物粒子の磁気容易軸の配向方向とがなす立体角を調べた。その結果を表3,表4に示す。立体角が測定可能な試料はいずれも、各試料の成形体内における各合金粒子を構成する結晶の磁化容易軸のうち、70%以上の結晶の磁化容易軸はその配向方向から立体角が30°以内を満たしていた。また、同様に、立体角が測定可能な試料はいずれも、各試料の成形体内における各鉄窒化物粒子を構成する結晶の磁化容易軸のうち、70%以上の磁化容易軸はその配向方向から立体角が30°以内を満たしていた。表4中の「評価不可」とは、各粒子を構成する結晶の磁気容易軸の分散が大きく、特定の方向に配向していないことを示す。
Figure 2012253247
Figure 2012253247
表3,4に示すように、原料粉末に特定のナノ鉄粉及び多相粉末を用い、原料粉末とバインダとを混合して造粒粉とし、この造粒粉を特定の条件(加熱温度:バインダの分解温度±20℃、雰囲気圧力:0.9気圧以下に排気)で加圧成形し、得られた成形体に特定の条件(雰囲気圧力:100Pa以下、加熱温度:再結合温度以上、印加磁場:2T以上)で第一の熱処理(脱水素)を施し、この第一の熱処理後に得られた成形体に更に特定の条件(雰囲気:酸素濃度が200質量ppm以下の窒素元素含有雰囲気、加熱温度:200℃〜450℃、印加磁場:3T以上)で第二の熱処理(窒化)を施すことで、希土類元素とFeとを含有する合金とα"Fe16N2とを含む複合磁性材が得られることが分かる。また、得られた複合磁性材は、上記合金の結晶の配向軸とα"Fe16N2の結晶の配向軸とがなす立体角が10°以内であり、上記合金の結晶とα"Fe16N2の結晶とが揃って配向していることが分かる。そして、上述のようにして得られた、特定の配向組織を有する複合磁性材は、飽和磁化が1.5T以上や保磁力が10kOe以上を満たし、磁気特性に非常に優れることが分かる。また、この試験から、製造条件などを調整することで、飽和磁化:1.5T以上かつ保磁力:10kOe以上を満たす窒化鉄材が得られることが分かる。
その他、この試験から、以下のことが分かる。
(1) 短軸の平均長さが100nm超のナノ鉄粉を用いると、立体角が大きくなるなどして、保磁力が低くなる。
(2) 分解温度や融点が高いバインダを用いると、成形時の温度や造粒時の温度を高める必要があり、原料粉末が酸化されたり、造粒粉が良好にできなかったりして、最終的に飽和磁化が低くなる。
(3) 成形時の加熱温度が低過ぎる場合や雰囲気の圧力が大き過ぎる場合、バインダが残存するなどして、相対密度が低くなること、及び最終的に飽和磁化が低くなる。
(4) 成形時の加熱温度が高過ぎる場合、原料粉末が酸化するなどして、最終的に保磁力が低くなる。
(5) 熱処理(脱水素)時の雰囲気圧力が大き過ぎると、結晶などが粗大化するなどして、保磁力が低くなる。
(6) 熱処理(脱水素)時の印加磁場が小さ過ぎると、再結合合金が十分に配向性せず、等方性結晶になるなどして、保磁力が低くなる。
(7) 熱処理(窒化)時の加熱温度が高過ぎたり、低過ぎたりすると、過剰窒化により飽和磁化が低くなったり、α"Fe16N2や希土類-鉄-窒素合金が十分に生成できず保磁力が低くなったりする。
(8) 熱処理(窒化)時の印加磁場が小さ過ぎると、α"Fe16N2が十分に生成できず飽和磁化が低くなったり、合金成分とα"Fe16N2成分とが十分に配向できず保磁力が低くなったりする。
(9) 熱処理(窒化)時の酸素濃度が高過ぎると、再結合合金やナノ鉄粉が酸化するなどして、磁気特性に劣る。
[試験例2]
試験例1と同様の工程で複合磁性材を作製し、磁気特性を調べた。この試験では、特に、ナノ鉄粉におけるFe成分の含有量、造粒条件(温度、酸素濃度、ナノ鉄粉の配合比)の影響を調べた。
(準備工程)
試験例1と同様にして共沈法により、平均粒径20nmのFe2O3粉末を作製し、水素還元を行った後、酸化処理を施して、表面に酸化層を具えるナノ鉄粉を作製した。試料No.2-1〜2-4,2-201〜2-203は、その他の試料と酸化層の形成時間を異ならせ、試料No.2-201の形成時間を最も短くし、試料No.2-4の形成時間を最も長くした。得られた各ナノ鉄粉のFeの含有量を試験例1と同様にして調べた。その結果を表5に示す。また、試験例1と同様にして、各ナノ鉄粉の短軸の平均長さを測定した。その結果を表5に示す。更に、用意したナノ鉄粉の配合比(多相粉末とナノ鉄粉の合計質量に対する割合)を表5に示す。
多相粉末は、試験例1で作製したものと同様のものを用意した(希土類元素の水素化合物:SmH2と鉄含有物:Feを含有するもの。平均粒径:30μm)。
(造粒工程)
バインダとして、試験例1と同じオレイン酸アミド(融点:75℃、分解温度:220℃)を用意した。バインダの含有量は、試験例1と同様に原料粉末の質量に対して1.0質量%とした。そして、表5に示す酸素濃度の窒素雰囲気下で、表5に示す温度にまで加熱した状態で原料粉末とバインダとを混合し、十分に混合した後、室温まで冷却して混練して、試験例1と同様に平均粒径75μmの造粒粉を形成した。平均粒径の測定は、試験例1と同様にして行った。
(成形工程)
得られた各造粒粉を試験例1と同様に加圧成形して、試験例1と同様の形状・サイズの成形体を作製した。この試験では、成形条件を、加熱温度:230℃、雰囲気圧力:0.8気圧に排気、成形圧力:10ton/cm2とした。
(脱水素工程)
成形工程を経て得られた各粉末成形体(第一成形体)に試験例1と同様に、減圧雰囲気下で熱処理(脱水素)を施した。具体的には、上記成形体を水素雰囲気中(1気圧)、750℃まで昇温した後、脱気ポンプによって水素を排出して真空(VAC)に切り替え、1.0Pa以下まで減圧した。そして、減圧雰囲気下(最終真空度:0.5Pa)で750℃×60分で熱処理(脱水素)を施した。また、この熱処理(脱水素)は、3Tの磁場を印加した状態で行った。磁場の印加は、高温超電導磁石を用いて行った。ここでは、磁場の印加方向は、上記成形工程における加圧方向と同じ方向とした。
(窒化工程)
脱水素工程を経て得られた成形体(第二成形体)に、酸素濃度:100質量ppmの窒素(N2)雰囲気中、300℃×30時間で熱処理(窒化)を施した。この熱処理(窒化)は、4Tの磁場を印加した状態で行った。磁場の印加は、高温超電導磁石を用いて行い、磁場の印加方向は、上記脱水素工程における磁場の印加方向と同じ方向とした。
熱処理(窒化)後に得られた成形体の組成をEDX装置により調べたところ、いずれの試料も希土類-鉄-窒素系合金(Sm2Fe17Nx(x=1.5〜3.5))が確認された。そのため、この熱処理(窒化)により再結合粒子が窒化されたことが分かる。また、希土類-鉄-窒素系合金からなる合金粒子における当該合金成分の含有量(体積%)を試験例1と同様にして調べたところ、いずれの試料も91体積%であった。
熱処理(窒化)後に得られた成形体について試験例1と同様にして調べたところ、試料No.2-231,2-232を除く各成形体は、希土類-鉄-窒素系合金を主成分とする複数の合金粒子と、α"Fe16N2を含有する複数の鉄窒化物粒子からなることを確認した。このことから、試料No.2-231,2-232を除く各成形体は、ナノ鉄粉によりα"Fe16N2といった窒化物が形成されたことが分かる。また、試料No.2-231,2-232を除く各成形体は、合金粒子間に鉄窒化物粒子が介在していること、鉄窒化物粒子が柱状であることを確認した。この柱状の鉄窒化物粒子について、試験例1と同様にして、鉄窒化物粒子の短軸の平均長さを測定したところ、ナノ鉄粉における短軸の平均長さを実質的に維持していた。
試料No.2-231,2-232を除く各成形体について、鉄窒化物粒子におけるα"Fe16N2成分の含有量を試験例1と同様にして調べたところ、試料No.2-201〜2-203を除く試料はいずれも80体積%以上であった。
熱処理(窒化)後に得られた成形体について、試験例1と同様にして、相対密度(%)、飽和磁化(T)、保磁力(kOe)、立体角(°)を調べた。その結果を表5に示す。
Figure 2012253247
表5に示すように、ナノ鉄粉としてFe成分が多いもの(純度が高いもの)を原料粉末に用いると、α"Fe16N2の配向性を高めて立体角を小さくし易く、飽和磁化が高い複合磁性材が得られることが分かる。また、造粒時の温度を融点よりも十分に高い温度にすると、造粒粉の充填率を高めて相対密度が高い複合磁性材が得られることが分かる。更に、造粒工程において、酸素濃度を3000質量ppm以下にすると、原料粉末の酸化を防止して、保磁力と飽和磁化との双方が高い複合磁性材が得られることが分かる。加えて、ナノ鉄粉の配合比を高めることで、α"Fe16N2を十分に生成でき、保磁力と飽和磁化との双方が高い複合磁性材が得られることが分かる。
[試験例3]
試験例1と同様の工程で複合磁性材を作製し、磁気特性を調べた。この試験では、特に、試験例1,2と異なる組成の多相粉末を用意した。
(準備工程)
ナノ鉄粉は、試験例1の試料No.1-2と同様に作製した柱状のものを用意した(短軸の平均長さ:50nm、Feの含有量:89体積%)。また、後述する各多相粉末とナノ鉄粉の合計質量に対して20質量%となるようにナノ鉄粉を用意した。
多相粉末は、出発合金粉末として、試料No.3-1はNd2Fe14B、試料No.3-2はNd2(Co1Fe13)B、試料No.3-3はSm1(Mn1Fe11)、試料No.3-4はSm1(Ti1Fe11)を用意し(いずれも平均粒径:30μm。平均粒径の測定は試験例1と同様。)、いずれの出発合金粉末に対しても、水素(H2)雰囲気中、850℃×3時間の条件で熱処理(水素化)を施して作製した。
熱処理(水素化)により得られた各粉末の形態及び組成を試験例1と同様にして調べたところ、鉄含有物の相を母相とし、この母相中に複数の粒状の希土類元素の水素化合物の相が分散して存在した複数相の組織からなることを確認した。構成相を表6に示す。
各多相粉末について鉄含有物の含有量と希土類元素の水素化合物の含有量とを試験例1と同様にして調べたところ、いずれの試料も、希土類元素の水素化合物が40体積%未満であり(30体積%程度)、鉄含有物が主成分であった(70体積%程度)。また、各多相粉末について、試験例1と同様にして、隣り合う希土類元素の水素化合物の粒子間の間隔(相間の間隔)を測定したところ、いずれの試料も、3μm以下であった(2μm程度)。
(造粒工程)
バインダとして、試験例1と同じオレイン酸アミド(融点:75℃、分解温度:220℃)を用意した。バインダの含有量は、試験例1と同様に原料粉末の質量に対して1.0質量%とした。そして、酸素濃度:2000質量ppmの雰囲気下で、80℃にまで加熱した状態で原料粉末とバインダとを混合し、十分に混合した後、室温まで冷却して混練して、試験例1と同様に平均粒径75μmの造粒粉を形成した。平均粒径の測定は、試験例1と同様にして行った。
(成形工程)
得られた各造粒粉を試験例1と同様に加圧成形して、試験例1と同様の形状・サイズの成形体を作製した。この試験では、成形条件を、加熱温度:230℃、雰囲気圧力:0.8気圧に排気、成形圧力:10ton/cm2とした。
(脱水素工程)
成形工程を経て得られた各粉末成形体(第一成形体)に試験例2と同様に、水素雰囲気中、試料No.3-1,3-2は800℃まで昇温した後、試料No.3-3,3-3は775℃まで昇温した後、脱気ポンプによって水素を排出して真空(VAC)に切り替え、1.0Pa以下まで減圧した。そして、減圧雰囲気下(最終真空度:0.5Pa)で、試料No.3-1,3-2は800℃×60分、試料No.3-3,3-4は775℃×60分で熱処理(脱水素)を施した。熱処理(脱水素)は、いずれの試料も3Tの磁場を印加した状態で行った。磁場の印加は、高温超電導磁石を用いて行った。ここでは、磁場の印加方向は、上記成形工程における加圧方向と同じ方向とした。
(窒化工程)
脱水素工程を経て得られた成形体(第二成形体)に、酸素濃度:100質量ppmの窒素(N2)雰囲気中、300℃×30時間で熱処理(窒化)を施した。この熱処理(窒化)は、4Tの磁場を印加した状態で行った。磁場の印加は、高温超電導磁石を用いて行い、磁場の印加方向は、上記脱水素工程における磁場の印加方向と同じ方向とした。
熱処理(窒化)後に得られた成形体の組成をEDX装置により調べた。その結果、いずれの試料も希土類元素とFeとを含有する合金(表6に示す合金)が確認された。そのため、熱処理(脱水素)や熱処理(窒化)により再結合合金が生成されたり(試料No.3-1,3-2)、再結合合金が窒化されたり(試料No.3-3,3-4)したことが分かる。
熱処理(窒化)後に得られた成形体について試験例1と同様にして調べたところ、各成形体は、希土類元素とFeとを含有する合金を主成分とする複数の合金粒子と、α"Fe16N2を主成分とする複数の鉄窒化物粒子からなることを確認した。このことから、各成形体は、ナノ鉄粉によりα"Fe16N2といった窒化物が形成されたことが分かる。また、各成形体は、合金粒子間に鉄窒化物粒子が介在していること、鉄窒化物粒子が柱状であることを確認した。この柱状の鉄窒化物粒子について、試験例1と同様にして、鉄窒化物粒子の短軸の平均長さを測定したところ、ナノ鉄粉における短軸の平均長さを実質的に維持していた。
各成形体について、合金粒子における合金成分の含有量(体積%)を試験例1と同様にして調べた。その結果を表6に示す。また、各成形体について、鉄窒化物粒子におけるα"Fe16N2成分の含有量を試験例1と同様にして調べたところ、いずれの試料も80体積%以上であった。
熱処理(窒化)後に得られた成形体について、試験例1と同様にして、相対密度(%)、飽和磁化(T)、保磁力(kOe)、立体角(°)を調べた。その結果を表6に示す。
Figure 2012253247
表6に示すように、本発明製造方法を利用することで、種々の組成の多相粉末を用いて、磁気特性に優れる複合磁性材が得られることが分かる。また、種々の組成の多相粉末を用いた場合でも、立体角が10°以内と小さく、複合磁性材を構成する合金粒子の結晶の配向軸と鉄窒化物粒子の結晶の配向軸とが揃って配向していることが分かる。その他、試料No.3-1,3-2から、Ndを含有する原料を用いることで、飽和磁化が非常に高い複合磁性材が得られること、試料No.3-3,3-4から、Smの使用量を低減しても、磁気特性に優れる複合磁性材が得られることが分かる。なお、試料No.3-4は、水素吸蔵性を有するTiを含むことで、鉄含有物(ここではFe-Ti相)中に水素の含有が認められた。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。例えば、バインダの混合量などを適宜変更することができる。
本発明複合磁性材は、永久磁石、例えば、各種のモータ、特に、ハイブリッド自動車(HEV)やハードディスクドライブ(HDD)などに具備される高速モータに用いられる永久磁石の素材に好適に利用することができる。本発明複合磁性材の製造方法は、上記本発明複合磁性材の製造に好適に利用することができる。

Claims (14)

  1. 原料粉末として、Feを主成分とし、短軸の平均長さが100nm以下である柱状粒子からなるナノ鉄粉と、希土類元素の水素化合物の相とFeを含有する鉄含有物の相とを含有する多相粒子からなる多相粉末とを準備する準備工程と、
    分解温度が240℃以下であるバインダと前記原料粉末とを混合して、造粒粉を形成する造粒工程と、
    前記造粒粉を成形型に充填した後、前記成形型内を0.9気圧以下に排気しながら、{(前記バインダの分解温度)−20}℃以上{(前記バインダの分解温度)+20}℃以下の温度に加熱した状態で加圧成形して第一成形体を形成する成形工程と、
    前記第一成形体に、100Pa以下の減圧雰囲気中、前記多相粒子の再結合温度以上の温度で熱処理を施して、前記多相粒子から水素を分離し、前記希土類元素と前記鉄含有物とが結合した再結合合金を生成し、前記再結合合金を含む第二成形体を形成する脱水素工程と、
    前記第二成形体に、窒素元素を含み、酸素濃度が200質量ppm以下の雰囲気中、200℃以上450℃以下の温度で熱処理を施して、前記ナノ鉄粉からα"Fe16N2を生成し、α"Fe16N2を含む複合磁性材を形成する窒化工程とを具え、
    前記脱水素工程の熱処理は、前記第一成形体に2T以上の磁場を印加して行い、
    前記窒化工程の熱処理は、前記第二成形体に、前記脱水素工程における磁場の印加方向と同じ方向に、3T以上の磁場を印加して行うことを特徴とする複合磁性材の製造方法。
  2. 前記多相粉末の平均粒径が10μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合磁性材の製造方法。
  3. 前記ナノ鉄粉におけるFeの含有量が80体積%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合磁性材の製造方法。
  4. 前記多相粉末は、希土類元素とFeとを含む合金に、水素元素を含む雰囲気中、当該合金の不均化温度以上の温度で熱処理を施して得られ、
    前記合金は、RE=Y,La,Pr,Nd,Sm,Dy及びCeから選択される1種以上の元素、Me=Fe又はFeとCo,Ni,Mn及びTiから選択される1種以上の元素、x=2.0〜2.2とするとき、RExMe14B,RExMe14C,RExMe17及びREx/2Me12から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合磁性材の製造方法。
  5. 前記窒化工程では、前記再結合合金を窒化して、希土類元素とFeとを含む希土類-鉄-窒素系合金を生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合磁性材の製造方法。
  6. 前記バインダは、その融点が90℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合磁性材の製造方法。
  7. 前記造粒工程では、酸素濃度が3000質量ppm以下の低酸素雰囲気下とし、{(前記バインダの融点)+5}℃以上の温度から室温にまで冷却して造粒を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合磁性材の製造方法。
  8. 前記脱水素工程及び前記窒化工程の少なくとも一方の工程における前記磁場の印加は、高温超電導磁石を用いて行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合磁性材の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合磁性材の製造方法により得られた複合磁性材であり、
    希土類元素とFeとを含有する合金を主成分とする複数の合金粒子と、
    α"Fe16N2を主成分とする複数の鉄窒化物粒子とから構成された成形体からなり、
    前記合金粒子について行ったX線回折の極点図分析における磁化容易軸の配向方向と、前記鉄窒化物粒子について行ったX線回折の極点図分析における磁化容易軸の配向方向とがなす立体角が10°以内であることを特徴とする複合磁性材。
  10. 希土類元素とFeとを含有する合金を主成分とする複数の合金粒子と、
    α"Fe16N2を主成分とする複数の鉄窒化物粒子とから構成された成形体からなり、
    前記鉄窒化物粒子は、柱状であり、短軸の平均長さが100nm以下であり、
    前記合金粒子間に少なくとも一つの前記鉄窒化物粒子を介在しており、
    前記合金粒子について行ったX線回折の極点図分析における磁化容易軸の配向方向と、前記鉄窒化物粒子について行ったX線回折の極点図分析における磁化容易軸の配向方向とがなす立体角が10°以内であることを特徴とする複合磁性材。
  11. 前記合金は、RE=Y,La,Pr,Nd,Sm,Dy及びCeから選択される1種以上の元素、Me=Fe又はFeとCo,Ni,Mn及びTiから選択される1種以上の元素、x=1.5〜3.5とするとき、RE2Me14B,RE2Me14C,RE2Me17Nx,RE1Me12Nx及びRE1Me12から選択される1種以上であることを特徴とする請求項9又は10に記載の複合磁性材。
  12. 前記成形体の飽和磁化が1.5T以上、及び前記成形体の保磁力が10kOe以上の少なくとも一方を満たすことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の複合磁性材。
  13. 前記成形体の相対密度が90%以上であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の複合磁性材。
  14. 前記合金粒子における合金成分の含有量が90体積%以上であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の複合磁性材。
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