JP2012201356A - 自動2輪車のシート取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷重変化に影響されずにリンクを用いてシートの前後移動を抑制する。
【解決手段】収納ボックス15及び燃料タンク16の上方を開閉自在に覆うシート17をダブルシートとし、その前端をヒンジ18にて収納ボックス15の前端へ取付け、後端をロック金具19によりシートレール8の後端に設けられたシートロック20へロックする。ヒンジ18は、車体側ヒンジ部材40,シート側ヒンジ部材41及びリンク部材42からなり、車体側ヒンジ部材40を収納ボックス15へ取付け、リンク部材42をシート17へ取付けるとともに、車体側ヒンジ部材40とリンク部材42をシート側ヒンジ部材41で連結する。リンク部材42の本体部42aをボルト43で車体側ヒンジ部材40の立壁40bと連結し、リンク部材42の上軸部42bをボルト44でシート側ヒンジ部材41のヒンジアーム41bと連結し、ボルト43とボルト44を上下に重なるように配置する。
【選択図】図4

Description

この発明は、自動2輪車のシート取付構造に係り、特に、シートを車体側の部材に対してヒンジを介して開閉自在に取付けたものに関する。
従来の自動2輪車におけるシートのヒンジ機構に関する一例を図14に示す。シート170の前端と燃料タンク等の車体側部材150との間をヒンジ180で連結し、シート170を開閉自在としたものがある。このヒンジ180は、車体側ヒンジ部材140とシート側ヒンジ部材141とをヒンジ軸143で連結したものであり、車体側ヒンジ部材140はクッションラバー160を介してボルト145及びナット146で車体側部材150へ取付けられている。
シート側ヒンジ部材141は、シート170の樹脂製底板170cに埋設一体化されたインサート板170dへクッションラバー161を介してボルト147及びナット148で取付けられている。
また、シートを平行リンクで車体側へ支持させ、シートにかかる荷重をダンパーで支持させるようしたものもある(特許文献1参照)。
特開平7−40871号公報
シートの機能として車体側から加わる上下方向及び前後方向の振動を抑制して乗員を快適に支持することが求められる。しかし、図14に示したような従来のヒンジによりシートを車体側へ取付けた場合、車体側の振動は、車体側ヒンジ部材140からヒンジ軸143を介してシート側ヒンジ部材141へ伝達される。そこで、この振動を抑制するため、クッションラバー160及び161を介在させてある。しかしこのようにすると、クッションラバー160及び161を用いる点でシートに関する部品点数が増大してしまう。しかも、クッションラバー160及び161で抑制できる振動は主として上下方向の振動であり、前後方向の振動に対してはあまり抑制できない。このような前後方向の振動は、急加速や急減速時に生じ易い。
一方、特許文献1に記載された平行リンクとダンパーを組み合わせ、平行リンクを介してシートを支持し、ダンパーでシートに加わる荷重を吸収すれば、上下方向の振動も前後方向の振動も抑制することができる。
しかし、シートに加わる荷重をダンパーで吸収するものであり、シートに加わる荷重は乗員の体重で変化するため、乗員の変更等で体重が変化する度にダンパーを適切に調整しなければならず、手間がかかる。
そのうえ、ダブルシートの場合には、同乗者の有無により、より大きな荷重の変化が頻繁に生じるため、このような調整の必要性がさらに大きくなる。
そこで本願発明は、リンク機構を用いつつも調整を不要とすることを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、乗員用のシートの下方を車体へヒンジを介して取付けた自動2輪車用シートの取付構造において、
ヒンジは、シート及び車体側よりそれぞれ上下方向に向かい合う車体側ヒンジ部材とシート側ヒンジ部材を備え、
両ヒンジ部材の先端部に形成したリンク取付部のうち、一方のヒンジ部材におけるリンク取付部を他方のヒンジ部材における基部近傍に位置するよう、両リンク取付部間をリンク部材にて連結したことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、上記請求項1において、前記リンク部材は左右に延びる筒状部を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、上記請求項2において、前記ヒンジは、前記車体側ヒンジ部材に設けられた車体側から上向きに延びる左右一対の支持部で囲まれた内側に、前記シート側ヒンジ部材の一部及び前記リンク部材が配置されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、上記請求項3において、前記シートは開閉式であり、このシート前端に前記リンク部材が前後方向へ揺動可能に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、上記請求項4において、前記リンク部材と前記車体側ヒンジとの間には防振部材が設けられることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、リンクにより振動を抑制できるとともに、乗員の重さをリンク部材の延び方向で吸収する構造のため、シートに加わる荷重の変化がリンク機能へ影響することを防止でき、リンクを用いたシート取付構造を簡単化できる。
請求項2の発明によれば、車両加速時等において、シートに後ろ向きの過大荷重が加わると、筒状部に対して車体前側に配置されているシート側ヒンジ部材が後方へ移動して筒状部へ当接してシートの後方移動を阻止する。このため、筒状部によりシートを受け止めることが可能になり、シート支持構造の軽量化を図りつつ信頼性を高めることができる。
請求項3の発明によれば、車体側ヒンジ部に設けられた一対の対向して上向きに延びる支持部内側へシート側ヒンジ部材の一部及びリンク部材を配置したので、この支持部によりシート側ヒンジ部材の一部及びリンク部材を、シート周囲からの異物の進入に対して保護できる。
請求項4の発明によれば、開閉式シートの前端にリンク部材を前後方向へ揺動可能に設けたので、リンク部材が前方へ揺動することによりシートを大きく開くことができるようになり、シート下方に対する収納物の出し入れ性等を高めることができる。
請求項5の発明によれば、リンク部材と車体側ヒンジとの間には防振部材を設け、振動を抑制したので、リンクの動きを簡易な構造に制限してシートの乗り心地を高めるとともに、シート開閉時の抵抗とならずシートの操作性が向上する。
本願発明に適用された自動2輪車の側面図 シート及びエンジン等を取り除いた車体要部の平面図 シート部分を主体とする一部を切り欠いた要部の側面図 シートロックの正面図 ロック金具のロック状態を示す図 第1実施例に係るヒンジ部分を示す断面図 ヒンジの分解斜視図 作用説明図 第2実施例に係る車体側ヒンジ部材の斜視図 第2実施例に係るヒンジの断面図 第3実施例に係るヒンジを示す図 第4実施例に係るヒンジを示す図 第5実施例に係るヒンジを示す図 従来例のヒンジ部分を示す断面図
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。図1は本願発明が適用される自動2輪車の側面図、図2はシート及びエンジン等を取り除いた車体要部の平面図、図3はシート部分を主体とする一部を切り欠いた要部の側面図、図4はシートロックの詳細を示す図、図5はロック金具のロック状態を示す図である。
なお、自動2輪車は一例であり、これと異なる種々な形式のものに適用できることはもちろんである。また、本願において前後・上下・左右とは本願発明が適用される車両を基準とし、具体的には図1等において、車両の前後方向をFr・Rr矢示方向、上下方向をUp・Lw矢示方向として示す。また、図2において車体中心線Cを挟んで車体右側をR、左側をLで示す。
これらの図において、自動2輪車は車体フレーム1の前後に前輪2及び後輪3を配置し、前輪2及び後輪3間にシリンダ軸線を前後方向へ寝かせたエンジン4を配置し、車体フレーム1にて支持している。
車体フレーム1は前端に設けられたヘッドパイプ5から車体中心線Cに沿って一本で後方へ斜め下がりに延びるメインパイプ6と、メインパイプ6の後部から斜め上がり後方へ延びるシートレール8と、シートレール8の下方に配置されてメインパイプ6の後端部とシートレール8の中間部を連結するバックステー9を有する。シートレール8,バックステー9はそれぞれ左右一対で設けられている。
ヘッドパイプ5には左右一対のフロントフォーク10が回動自在に支持され、ハンドル11により回動されて前輪2を操舵可能になっている。
エンジン4はメインパイプ6の下方に配置され、メインパイプ6及びその後端部から下方へ延出する左右一対のピボットプレート(各図には見えていない)により支持される。ピボットプレートにはピボット軸12でリヤフォーク13の前端が揺動自在に軸着される。リヤフォーク13の後端部は後輪3を回転自在に支持している。また、シートレール8とバックステー9との連結部近傍とリヤフォーク13の後端部間に緩衝器14が設けられている。
左右のシートレール8間には上方へ開放された収納ボックス15が支持され、その後方には燃料タンク16がシートレール8に支持されている。燃料タンク16はシートレール8の中間部から後端部までの範囲に及ぶ前後方向へ長く、かつ前傾して配置されている。
収納ボックス15及び燃料タンク16の上にはシート17が配置される。シート17はダブルシートとして構成され、前部17aが運転者シート、後部17bが同乗者シートとなっている。
シート17は収納ボックス15及び燃料タンク16の上方を覆うとともに、シートの前端と収納ボックス15の前端部との間に設けられたヒンジ18(図3)により回動自在であり、前方へ回動すると開いた状態になり、収納ボックス15の上方を開放して、収納ボックス15への物品の出し入れを可能にするとともに、燃料タンク16の上面に設けられている給油キャップ16a(図2)を外して給油が可能になる。
また、シート17を後方へ回動して収納ボックス15,燃料タンク16の上に被せると閉じた状態になる。このとき、シート17の後端部下面に設けられている下方へ突出するロック金具19がシートロック20によりロックされる。
ロック金具19は側面視で略コ字状をなす金具であり(図5参照)、両端はシート17の底板17cへ一体化されている。
シートロック20は左右のシートレール8の後端部間に架け渡されたクロスプレート21に取付けられており、キーによりロックを解除される。ロックの詳細は後述する。
20はクロスプレート21及びリヤフェンダ22並びにリヤカウル23(図3)に囲まれている。
底板17cの前後方向中間部及び後端部にはクッションラバー24,25が設けられ、クッションラバー24は燃料タンク16の前後方向中間部上面へ当接し、クッションラバー25はクロスプレート21の上面へ当接することにより、車体からシート17へ及ぼされる荷重をゴムバネとして弾性的に受け止め、振動を吸収している。
このため、シート17はヒンジ18とクッションラバー24,25で車体側へ支持されることになり、シート17の荷重は、ヒンジ18を介して収納ボックス15で受け止められるとともに、クッションラバー24,25を介して燃料タンク16で受け止められる。
図4はシートロック20の詳細を示す図であり、取付時における車体前方から示す正面図である。この図において、シートロック20はベースプレート30にピン31,32により、第1カム33及び第2カム34がそれぞれ回動自在に支持されている。第1カム33と第2カム34の間にはスプリング35が掛けられ、双方が接近する方向へ付勢している。
ベースプレート30は上方に開放されたガイド溝30aが上下方向に形成され、このガイド溝30a内をロック金具19がe・f矢示方向へ移動可能である。
第1カム33は、クロスプレート21に設けられたキーシリンダ36により回動し、キー(図示せず)によりキーシリンダを回動させてアンロック操作すると、矢示a方向へ回動し、非操作時にはスプリング35によりb矢示方向へ回動する。
第2カム34は、第1係止部34aと第2係止部34bがロック溝34cを挟んで設けられた略二股状部を有し、第1係止部34aはスプリング35により、スプリング35の弾力に抗してd矢示方向へ回動付勢されるとともに、第1係止部34aと係脱自在であり、第1係止部34aと係合するとd矢示方向への回動が阻止される。
したがって、第1係止部34aと係合しないときは、ロック溝34cの開放部が上を向くことにより、ロック金具19がロック溝34cから出入自在になる位置まで回動する。
第1係止部34aと係合するときは、ロック溝34cが横向きになり、ロック金具19を第1係止部34aが係止する。
以下、ロックとアンロック動作を説明する。まず、アンロック状態で、第2係止部34bが第1係止部34aと非係合で、ロック溝34cが上を向いた状態において、ロック金具19をf矢示方向へ押し込むと、第2カム34全体がc矢示方向へ回動し、先端部に設けられた係合凹部34dに、第1カム33に設けられた係合凸部33bが係合し、第2カム34がd矢示方向へ戻り回動することを規制する。
ロック状態では、ロック金具19が横向きになったロック溝34c内へ入り、第2係止部34bが係合することにより、上動(e矢示方向)を阻止されている。この状態で、キーでキーシリンダ36をアンロック操作すると、キーシリンダ36の回動がケーブル等の連絡部材37を介して第1カム33の操作部33aへ伝達され、第1カム33がピン31を中心にa矢示方向へ回動し、係合凸部33bが係合凹部34dから外れる。
これにより、第2カム34は回動可能になり、ピン32を中心にd矢示方向へ回動し、ロック溝34cが上方へ向くことにより、ロック金具19が第2係止部34bとの係合を解かれて、ガイド溝30aをe矢示方向へ移動してアンロック状態になる。
このアンロック操作後、キーをキーシリンダから抜いても、シートロック20はアンロック状態を維持する。
このアンロック状態にて、ロック金具19をガイド溝30a内へf矢示方向へ押し込むと、ロック金具19が第1係止部34aへ当接して、これを押して第2カム34をピン32の回りへc矢示方向へ回動させる。このとき、係合凸部33bは第1係止部34aの端面上を摺動し、やがて係合凸部33bが係合凹部34dへ係合すると、第2カム34は第1カム33と係合して回動を停止する。このとき、ロック金具19はロック溝34c内へ入り、上方に第2係止部34bが係合してロック状態となる。
図5は、ロック金具19と第2カム34との係合状態を示す。ロック金具19は略水平で前後方向に向けて配置される中間部19aと、その前後から屈曲して上方へ延出する平行な前部19b及び後部19cを連続一体に有する。
ロック状態において、第2カム34の横向きになったロック溝34cにロック金具19の中間部19aが入ることにより、中間部19aの上下に第2係止部34bと第1係止部34aが位置し、第2係止部34bが中間部19aと係合するため、ロック金具19は上動(e矢示方向)へ移動できなくなる。
しかし、ロック金具19の第2係止部34bが係合する中間部19aの前後方向長さは第2係止部34bの厚さよりも長くなっており、かつ、ロック溝34cの幅が中間部19aの径よりも大きく、遊嵌状態にあるので、中間部19aは第2カム34に対して、第2係止部34bが係合した状態で前方(Fr矢示方向)又は後方(Rr矢示方向)へ相対的に移動可能である。
また、ロック溝34cの幅がロック金具19の中間部19aの径よりも大きい分だけ多少のガタがあり、ロック金具19がシート17の後端部側と一緒に僅かに上下動する多少のガタを許容する。
次に、ヒンジ18について詳述する。まず、図6〜図8により第1実施例を説明する。
図6は、第1実施例に係るヒンジ部分を示す側面図、図7はヒンジの分解斜視図、図
8は作用説明図である。ヒンジ18は、車体側ヒンジ部材40,シート側ヒンジ部材41及びリンク部材42を備える。
車体側ヒンジ部材40はベース40aの左右両側を上方より折り曲げた一対の立壁40bを設けたものであり、ベース40aに設けた取付穴40cにより、ボルト等で収納ボックス15の前端部に設けられたヒンジ取付部15aへ締結される。左右の立壁40bにはヒンジ軸穴40dが設けられている。
シート側ヒンジ部材41はベース41aの左右両端に下方へ突出するヒンジアーム41bを折り曲げ形成したものであり、シート側ヒンジ部材41は取付穴41cにより、ボルト等で底板17cの前端部へ締結されている。
図6に示すように、底板17cの前部には取付金具17dが埋設一体化されており、これに予めスタッドボルト17eが下方へ突出して設けられ、このスタッドボルト17eにシート側ヒンジ部材41がナット17fにより締結固定される。
ヒンジアーム41bは下方へ延出し、先端側が後方へ湾曲して曲げられ、先端に通し穴41dが形成されている。
リンク部材42は平板状の本体部42aの上下に上軸部42b及び下軸部42cを一体に設けたものであり、上軸部42b及び下軸部42cを上下にして配置される。
上軸部42bは立壁40bに対してヒンジ軸穴40dと一致させ、ボルト43,ワッシャ43b,ナット43aにより、回動自在に締結される。
下軸部42cは左右両端にヒンジアーム41bの通し穴41dが重ねられ、ボルト44,ナット44aにて回動自在に連結される。
このシート側ヒンジ部材41により、車体側ヒンジ部材40とシート側ヒンジ部材41を連結した状態では、図6に示すように、ヒンジ軸をなすボルト43とボルト44が上下方向に重なるように位置する。ヒンジ軸はボルト以外の部材として構成することもできる。
このようにすると、シート17へ特別に前方(矢示Fr方向)又は後方(矢示Rr方向)への荷重が入力しない通常時には、シート17へ加わる乗員の荷重の一部は、ヒンジアーム41bを介してボルト44に加わり、さらにボルト44がリンク部材42を介してボルト43を下方へ引っ張る。このため、図6の図示断面、すなわちボルト43と軸直交方向断面において、リンク部材42はボルト43を中心にして常時下方へ引っ張られて上下方向の配置を維持し、ボルト44はボルト43の直下に位置する。
これにより、ヒンジ18に加わるシート17の荷重は全てリンク部材42を介してボルト43へ伝わり、さらに車体側ヒンジ部材40を介して収納ボックス15で受け止められる。
この荷重支持構造は乗員の体重が大きく変化しても変わりはなく、リンク部材42の延び方向(ボルト43及び44を結ぶ方向、図6の上下方向)で受け止められる。したがって、一人乗車又は二人乗車時によるシート17に対する荷重変化によっても同様に荷重支持構造は不変であり、従来のダンパーによる支持のように乗員の荷重が変化する度にダンパーの調整を要するような手間は生じない。
また、シート17に対して上下方向に振動が加わった場合、すなわち、収納ボックス15と燃料タンク16へ上下方向の振動が入力すると、ヒンジ18では、ヒンジ取付部15aからヒンジ18へ上方(矢示Up方向)又は下方(矢示Lw方向)の振動が加わり、ボルト44からボルト43へ又は逆向きに振動が加わるが、ボルト43とボルト44の相対位置は変化せず上下方向の配置関係を維持し、上下方向のガタは生じない。
一方、燃料タンク16から伝わった上下方向の振動は、クッションラバー24,クッションラバー25によって吸収される。このため、上下方向の振動を抑制できる。しかも、この振動抑制については、シートに加わる荷重が変化しても前述のように変化はない。
このように、車体側ヒンジ部材40とシート側ヒンジ部材41の間にリンク部材42を介在させ、かつリンク部材42のボルト43とボルト44を上下に配置することにより、通常時は、常にボルト43とボルト44が上下に配置され、シート17に加わる荷重を抑制するため、シート17に対する荷重変化(例えば、乗員数の変動や乗員の体重変化)に影響されず、上下方向の荷重を一定に支持できる。
また、シート17に対する上下方向の荷重をリンク部材42で吸収し、前後方向の振動はリンク部材42の揺動とクッションラバー24、25で吸収できるので、従来のダンパーを省略できる。同様に従来のようなヒンジ自体の防振支持も不要になるから、部品点数を削減して構造を簡単化できる。
なお、ヒンジ取付部15aへ前後方向の振動が入力すると、ヒンジ18はボルト43を中心にシート側ヒンジ部材41が前後方向へ揺動して振動を抑制する。この詳細については後述する。
さらに、車体側ヒンジ部材40に設けられた一対の対向して上向きに延びる支持部である左右の立壁40bに囲まれた内側へ、シート側ヒンジ部材41の一部であるヒンジアーム41b及びリンク部材42を配置したので、ヒンジアーム41b及びリンク部材42を、立壁40bによりシート17周囲からの異物進入に対して保護できる。
図7中の丸囲み部Aに示したものはリンクの変形例であり、このリンク50は一枚の金属プレートの上下両端を筒状にカールすることにより、本体部52aを挟んで上下に上軸部52bと下軸部52cを一体に設けたものである。上軸部52bは上軸部42bに対応してボルト43を通すことができ、下軸部52cは下軸部42cに対応してボルト44を通すことができ、リンク部材42と同様に使用できる。
このようにすると、一枚の金属プレートから容易にリンク50を形成でき、製造が容易になる。
図8は作用説明図であり、aはシート17に対して前方(Fr矢示方向)へ力Fが加わった状態を示す。このような状態は、例えば急減速時に生じる。なお、前後方向へ力Fが加わらず、上下方向へのみ加わる通常状態の場合は前述の通りである。
このように、シート17に対して前方(Fr矢示方向)へ力Fが加わると、シート17は前方へ移動しようとし、シートロック20部分ではロック金具19の中間部19aが第2カム34に対して前方へずれる。
同時にヒンジ18では、ヒンジアーム41bがシート17と共に前方へ移動するため、ヒンジアーム41bがリンク部材42の下軸部42cを前方へ引っ張る。このため、リンク部材42は本体部42aを貫通するボルト43を中心にして図の時計回り方向へ回動して、シート17の前方移動を生じさせる。
しかも、この移動により、底板17cと燃料タンク16及びクロスプレート21の上面との間に介在するクッションラバー24、25が弾性変形して、前方への衝撃を抑制し、シート17の前方移動を迅速に抑え込む。このため、シート17の移動は少なくなり、乗員への違和感を減少させる。
bは逆に後方(Rr矢示方向)へ過大な力FFが加わった場合を示す。このようなケースは急加速時等に生じる。この過大な力FFは、クッションラバー24及びクッションラバー25により抑え込めないような大きさのものであり、シート17は大きく後方へ移動しようとする。
このとき、リンク部材42はボルト43を中心に反時計回りに揺動してシート17を後方移動を可能にするが、ヒンジアーム41bが上軸部42bの前方に位置するため、クッションラバー24、25を大きく弾性変形させてシート17が後方へ移動すると、ヒンジアーム41bが上軸部42bへ当接することにより移動を停止させることができる。
したがって、後方への過大な力FFが加わった場合でも、上軸部42bを利用して後方移動を適正量に規制できる。また、ヒンジアーム41bを上軸部42bの前方に位置させるだけで、他に特別なストッパ機構を設けなくても済むので、シート支持構造の軽量化を図ることができ、しかもリンク機構を用いるにもかかわらず急加速時等における後方移動を阻止できるので信頼性を高めることができる。
なお、過大でない後方への力が加わった場合は、前方へ力が加わった上記aの場合と逆作用によるリンク部材42の揺動及びクッションラバー24,クッションラバー25の弾性変形で抑制できる。
cは、シート17を開いた状態を示し、リンク部材42はボルト43を中心に前方へ略水平まで揺動し、さらにヒンジアーム41bがボルト44を中心に前方へ揺動する。その結果、シート17の前端部をボルト43よりもかなり前方へ位置させて、シート17を大きく開くことができ、収納ボックス15に対する物品の出し入れ等を容易にできる。
なお、Sは、リンク部材42の長さに相当する前方移動ストロークであり、リンク部材42を介さず、ヒンジアーム41bと立壁40bを直接ボルト43で軸支した場合よりも、このストロークS分だけシート17の前端部を大きく前方へ移動させることができる。
その結果、収納ボックス15に対する収納物の出し入れ性を高めることができる。
図9及び図10により、第2実施例を説明する。この例は、車体側ヒンジ部材40のベース40aに変形を加えて、前後方向のストッパとして、前ストッパ40e,後ストッパ40fを設けたものである。他のシート側ヒンジ部材41及びリンク部材42は前実施例と同じであり、共通部分は共通符号を用い、原則として重複説明を省略する(以下の実施例も同様である)。
すなわち、図9の10−10線に沿うヒンジ18の断面図である図10に示すように、ベース40aの一部を切り起こし状にして対向する立て壁状をなす前ストッパ40e及び後ストッパ40fを一体に形成する。
前ストッパ40eと後ストッパ40fの間には、リンク部材42の揺動許容する所定の間隙を有するストッパ空間40gをなす。
なお、前ストッパ40e,後ストッパ40fの形成は、必ずしもベース40aと一体にする必要はないが、このようにすると容易に形成できる。
このストッパ空間40g内にはリンク部材42の下半部が収容され、本体部42aの上下方向中間部に設けられた防振ゴム等の弾性材料からなる防振部材60が前ストッパ40e及び後ストッパ40fへ当接している。但し、防振部材60は中立状態で前ストッパ40e及び後ストッパ40fと若干の間隙を有し、リンク部材42の揺動により当接するようにしてもよい。
防振部材60の前ストッパ40e,後ストッパ40fへ当接する部分は、尖頭状断面をなし、リンク部材42の揺動量が増大するにつれて、弾性変形量が非線形的に増大するようになっており、リンク部材42の揺動量に応じた適切なクッション性を与えることができるようになっている。
このようにすると、リンク部材42の揺動により、防振部材60が前ストッパ40eまたは後ストッパ40fへ押し付けられて弾性変形するので、リンク部材42の揺動を抑制して、シート17の前後移動を少なくすることができる。また、振動をより迅速に減衰させることができる。
その結果、リンク部材42の動きを簡易な構造に制限してシート17の乗り心地を高めるとともに、シート開閉時の抵抗とならないから、シート17の操作性が向上する。
図11〜図13には、防振部材60に関する別案を模式的に示す。
図11は第3実施例に係り、aにヒンジ18の側面図、bに11−11線断面を示す。
aに示すように、防振部材60はヒンジアーム41bと本体部42aの双方に架け渡されている。bに示すように、防振部材60は左右一対で設けられ、それぞれは、ヒンジアーム41bへ取付けられるヒンジアーム部61と本体部42aへ取付けられるリンク部62とを一体に形成したものであり、ヒンジアーム部61にはヒンジアーム41bを多少きつめに貫通させる貫通穴61aが設けられ、ここにヒンジアーム41bが貫通されると、フリクションによりヒンジアーム部61はヒンジアーム41bの所定位置へ取付けられる。
リンク部62には内方へ向かって開放された切り込み溝62aが設けられ、ここに本体部42aの側部が差し込まれる。
切り込み溝62aの溝幅は、本体部42aの板厚よりもわずかに小さくなっており、本体部42aを切り込み溝62aへ差し込むだけでリンク部62は本体部42aへ取付けられる。
このようにすると、aに示すように、防振部材60はヒンジアーム41bと本体部42aへ架け渡されているため、小さな前後方向の振動を防振できる。また、前方からの大きな振動が加わると、ヒンジアーム41bと本体部42aが離隔しようとするが、これを防振部材60が阻止するように作用するため、シート17の大きな前方移動を抑制できる。
なお、リンク部62は本体部42aの左右幅程度の大きさとし、ここに本体部42a全体を貫通させる穴を形成すれば、左右のヒンジアーム部61と一つのリンク部62とを一体化した単一の防振部材とすることもできる。
図12は第4実施例であり、aに変形したリンクの斜視図、bに図11のbと同様部位の断面を示す。この例はリンク部材42の形状を多少変更し、本体部42aの代わりに上軸部42b及び本体部42aの各左右端部を上下に連結する一対のリンクアーム42dとしたものであり、本体部42aを肉抜きして軽量化したものに相当する。
このようにすると、リンク部62には貫通穴61aと同様に、リンクアーム42dの板厚より多少小さめの貫通穴62bを形成すれば、リンクアーム42dを貫通穴62bへ通すことにより、リンクアーム42dへ確実に取り付けることができる。
図13は第5実施例に係り、aは側面図、bは13−13線断面図である。
この例では、防振部材60がヒンジアーム41bのみに取付けられている。但し、防振部材60はbに示すように、外側方へ大きく突出しており、先端が摺動部60aをなして立壁40bの内面へ摺接するようになっている。また、防振部材60の後方には、本体部42aの側端部が重なるようになっている。
このようにすると、ヒンジアーム41bは揺動するとき、防振部材60の摺動部60aが立壁40bと摺接してフリクションを生ずるので、これにより、ヒンジアーム41bの揺動を抑制して、シート17の前後方向への移動を抑制できる。
また、ヒンジアーム41bが大きく後方へ揺動すると、防振部材60の後部60bが本体部42aの側端部42eへ当接するため、ここで弾性変形してそれ以上の後方移動を規制できる。
そのうえ、ヒンジアーム41bが上軸部42bへ当接するときの打音を軽減できる。
なお、本願発明は上記各実施例に限定されず、種々な変形や応用が可能であり、例えば、防振部材60は弾性部材からなる防振部材であれば足り、ゴムバネのみならず、金属製のコイルバネなどの各種バネやスポンジ材料等を使用できる。
8:シートレール、15:収納ボックス、16:燃料タンク、17:シート、18:ヒンジ、19:ロック金具、20:シートロック、40:車体側ヒンジ部材、41:シート側ヒンジ部材、42:リンク、42a:本体部、42b:上軸部、42c:下軸部、43:ボルト(ヒンジ軸)、44:ボルト(ヒンジ軸)、60:防振部材

Claims (5)

  1. 乗員用のシートの下方を車体へヒンジを介して取付けた自動2輪車用シートの取付構造において、
    ヒンジ(18)は、シート(17)及び車体(15a)側よりそれぞれ上下方向に向かい合う車体側ヒンジ部材(40)とシート側ヒンジ部材(41)を備え、
    両ヒンジ部材の先端部に形成したリンク取付部(40d・41d)のうち、一方のヒンジ部材におけるリンク取付部を他方のヒンジ部材における基部近傍に位置するよう、両リンク取付部間をリンク部材(42)にて連結したことを特徴とする自動2輪車用シートの取付構造。
  2. 前記リンク部材(42)は、左右に延びる筒状部(42b)を備え、前記シート側ヒンジ部材(41)を前記筒状部(42b)に対して車体前側に配置したことを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車用シートの取付構造。
  3. 前記ヒンジ(18)は、前記車体側ヒンジ部材(40)に設けられた車体(15a)側から上向きに延びる左右一対の支持部(40b)で囲まれた内側に、前記シート側ヒンジ部材(41)の一部(41b)及び前記リンク部材(42)が配置されることを特徴とする請求項2に記載した自動2輪車用シートの取付構造。
  4. 前記シート(17)は開閉式であり、このシート前端に前記リンク部材(42)が前後方向へ揺動可能に設けられていることを特徴とする請求項4に記載した自動2輪車用シートの取付構造。
  5. 前記リンク部材(42)と前記車体側ヒンジ部材(40)との間には防振部材(60)が設けられることを特徴とする請求項4に記載した自動2輪車用シートの取付構造。
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