JP2012201543A - 炭化珪素基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型であって、かつ半導体装置を高い歩留りで製造することができる炭化珪素基板を提供する。
【解決手段】第1の単結晶板11は、第1の側面を有し、炭化珪素からなる。第2の単結晶板12は、第1の側面と対向する第2の側面を有し、炭化珪素からなる。接合部BDは、第1および第2の側面の間で第1および第2の側面を互いにつなぎ、炭化珪素からなる。接合部BDの少なくとも一部は多結晶構造を有する。
【選択図】図1
【解決手段】第1の単結晶板11は、第1の側面を有し、炭化珪素からなる。第2の単結晶板12は、第1の側面と対向する第2の側面を有し、炭化珪素からなる。接合部BDは、第1および第2の側面の間で第1および第2の側面を互いにつなぎ、炭化珪素からなる。接合部BDの少なくとも一部は多結晶構造を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は炭化珪素基板に関するものである。
近年、半導体装置の製造に用いられる半導体基板として炭化珪素基板の採用が進められつつある。炭化珪素(SiC)は、より一般的に用いられているシリコン(Si)に比べて大きなバンドギャップを有する。そのため炭化珪素基板を用いた半導体装置は、耐圧が高く、オン抵抗が低く、また高温環境下での特性の低下が小さい、といった利点を有する。
半導体基板を用いて半導体装置を効率的に製造するためには、ある程度以上の基板の大きさが求められる。米国特許第7314520号明細書(特許文献1)によれば、76mm(3インチ)以上の炭化珪素基板を製造することができるとされている。
炭化珪素基板の大きさが100mm程度以上である場合、その工業的な製造が困難であった。このため大きな基板を用いて半導体装置を効率よく製造することが困難であった。特に六方晶系のSiCにおいて、(0001)面以外の面の特性が利用される場合、上記の問題が特に深刻であった。このことについて、以下に説明する。
欠陥の少ない炭化珪素基板は、通常、積層欠陥の生じにくい(0001)面成長で得られた炭化珪素インゴットから切り出されることで製造される。このため(0001)面以外の面方位を有する炭化珪素基板は、成長面に対して非平行に切り出されることになる。このため基板の大きさを十分確保することが困難であったり、インゴットの多くの部分が有効に利用できなかったりする。このため、SiCの(0001)面以外の面を利用した半導体装置は、効率よく製造することが特に困難である。
このように困難をともなう炭化珪素基板の大型化に代わって、支持部と、この上に配置された複数の高品質の単結晶板とを有する炭化珪素基板を用いることが考えられる。支持部の品質はそれほど高くなくてもよいので、大きな支持部を準備することは比較的容易である。よってこの大きな支持部に載置される単結晶板の数を増やすことで、必要な大きさを有する炭化珪素基板が得られる。
しかしこの炭化珪素基板においては、隣り合う単結晶板の間に隙間ができてしまうことが避けがたい。この隙間には、この炭化珪素基板を用いた半導体装置の製造工程中に異物が溜まりやすい。この異物は、たとえば、半導体装置の製造工程において用いられる洗浄液若しくは研磨剤、または雰囲気中のダストである。この異物は、微小な隙間に存在するために、洗浄による完全な除去が困難である。このためこの異物に起因して、製造歩留りが低下することで半導体装置の製造効率が低下してしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型であって、かつ半導体装置を高い歩留りで製造することができる炭化珪素基板を提供することである。
本発明の炭化珪素基板は、第1および第2の単結晶板と、接合部とを有する。第1の単結晶板は、第1の側面を有し、炭化珪素からなる。第2の単結晶板は、第1の側面と対向する第2の側面を有し、炭化珪素からなる。接合部は、第1および第2の側面の間で第1および第2の側面を互いにつなぎ、炭化珪素からなる。接合部の少なくとも一部は多結晶構造を有する。
この炭化珪素基板によれば、第1および第2の単結晶板の間、すなわち第1および第2の側面の間の隙間の少なくとも一部が接合部によって埋められるので、炭化珪素基板を用いて半導体装置を製造する際に、この隙間に異物が溜まることを抑制することができる。よってこの異物による歩留り低下を防止できるので、半導体装置を高い歩留りで製造することができる。また接合部の少なくとも一部が多結晶構造を有するので、接合部全体が単結晶構造を有する場合に比して、接合部における応力が緩和されやすい。これにより、応力に起因した炭化珪素基板の反りを抑制することができる。
第1および第2の単結晶板のそれぞれは第1および第2の裏面を有してもよい。炭化珪素基板は、第1および第2の裏面の各々に接合された支持部をさらに有してもよい。これにより、第1および第2の単結晶板が接合部のみによって結合されている場合に比して、第1および第2の単結晶板をより強固に結合することができる。
第1および第2の単結晶板のそれぞれは第1および第2の表面を有してもよい。接合部は平面視において第1および第2の表面の間を線状に延びるように形成されていてもよい。線状に延びる方向において、接合部のうち多結晶構造を有する部分の長さが接合部の全長に対して1%以上100%以下であってもよい。このパーセンテージが1%以上であることによって、上述した応力の緩和がより確実に得られる。
線状に延びる方向において、接合部のうち多結晶構造を有する部分の長さが接合部の全長に対して10%以上であってもよい。これにより、上述した応力のより十分な緩和が得られる。
炭化珪素基板の厚さに対する炭化珪素基板の平面視における最大長さの割合は50以上500以下であってもよい。この割合が50以上であることによって、炭化珪素基板の平面視における大きさを十分に確保することができる。またこの割合が500以下であることによって、炭化珪素基板の反りをより抑制することができる。
炭化珪素基板の平面視における最大長さが100mm以上であってもよい。これにより、十分な大きさを有する炭化珪素基板が得られる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、大型であって、反りが小さく、半導体装置を高い歩留りで製造することができる炭化珪素基板を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、本実施の形態の炭化珪素基板80は、支持部30と、支持部30によって支持された被支持部10aと、接合部BDとを有する。被支持部10aは、炭化珪素からなる単結晶板11〜19を有する。単結晶板11〜19の各々は、裏面および表面を有する。たとえば単結晶板11(第1の単結晶板)は裏面B1(第1の裏面)および表面F1(第1の表面)を有し、単結晶板12(第2の単結晶板)は裏面B2(第2の裏面)および表面F2(第2の表面)を有する。支持部30は、単結晶板11〜19の各々の裏面に接合されている。
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、本実施の形態の炭化珪素基板80は、支持部30と、支持部30によって支持された被支持部10aと、接合部BDとを有する。被支持部10aは、炭化珪素からなる単結晶板11〜19を有する。単結晶板11〜19の各々は、裏面および表面を有する。たとえば単結晶板11(第1の単結晶板)は裏面B1(第1の裏面)および表面F1(第1の表面)を有し、単結晶板12(第2の単結晶板)は裏面B2(第2の裏面)および表面F2(第2の表面)を有する。支持部30は、単結晶板11〜19の各々の裏面に接合されている。
図3および図4を参照して、単結晶板11〜19の各々は側面を有する。たとえば、単結晶板11は側面S1(第1の側面)を有し、単結晶板12は、側面S1と対向する側面S2(第2の側面)を有する。互いに対向する側面の間には隙間VDが存在する。
接合部BDは、互いに対向する側面の間でこれら側面を互いにつないでいる。たとえば、側面S1およびS2の間で側面S1およびS2が互いにつながれている。隙間VDの表面側(図2の上側)は、接合部BDによって閉塞されている。接合部BDは、たとえば、表面F1およびF2の間に位置する部分を含み、これにより表面F1およびF2が滑らかにつながっている。
接合部BDは、炭化珪素の多結晶構造を有する多結晶部BDb(図3(B))を有する。また接合部BDは、炭化珪素の単結晶構造を有する単結晶部BDa(図3)を有してもよい。
接合部BDは平面視(図1)において、単結晶板11〜19のうち互いに隣り合う単結晶板の各々の表面の間を線状に延びるように形成されていてもよい。たとえば、単結晶板11の表面F1と単結晶板12の表面F2との間を線状に延びるように形成されていてもよい。好ましくは、接合部BDが線状に延びる方向において、多結晶部BDbの総長さが接合部BDの全長に対して1%以上100%以下である。また好ましくはこのパーセンテージは10%以上である。
好ましくは、炭化珪素基板80の厚さT(図2)に対する炭化珪素基板80の平面視(図1)における最大長さD(図1)の割合は50以上500以下である。また好ましくは、最大長さDは100mm以上である。
支持部30は、1800℃以上の温度に耐えることができる材料からなることが好ましく、たとえば、炭化珪素、炭素、または高融点金属からなる。高融点金属としては、たとえば、モリブデン、タンタル、タングステン、ニオビウム、イリジウム、ルテニウム、またはジルコニウムからなる。なお支持部30の材料として、上記のうち炭化珪素が用いられると、支持部30の物性を単結晶板11〜19に、より近づけることができる。
なお本実施の形態においては炭化珪素基板80に支持部30が設けられているが、支持部30が省略された構成が用いられてもよい。この構成は、たとえば、炭化珪素基板80(図2)の支持部30を研磨によって除去することにより得られる。また図1においては炭化珪素基板80の平面視における形状として正方形状が示されているが、この形状は正方形状に限定されるものではなく、たとえば円形形状であってもよい。この形状が円形形状である場合、最大長さD(図1)は円形形状の直径である。
次に本実施の炭化珪素基板80の製造方法について説明する。なお以下において説明を簡略化するために単結晶板11〜19のうち単結晶板11および12に関してのみ言及する場合があるが、単結晶板13〜19も単結晶板11および12と同様に扱われる。
図4および図5を参照して、複合基板80Pが準備される。複合基板80Pは、支持部30と、単結晶板群10とを有する。単結晶板群10は、単結晶板11および12を含む。単結晶板11の裏面B1と、単結晶板12の裏面B2との各々は、支持部30に接合されている。単結晶板11の側面S1と単結晶板12の側面S2との間には隙間GPが形成されている。隙間GPは、単結晶板11の表面F1と単結晶板12の表面F2との間に開口CRを有する。
図6を参照して、加熱体81および82が準備される。加熱体81および82の各々は、発熱することができるものであり、たとえば、高周波誘導加熱によって加熱されることによって発熱するもの、または抵抗加熱方式によって発熱するものである。加熱体81上に、可とう性を有する黒鉛シート72(閉塞部)が敷かれる。また黒鉛シート72に表面F1およびF2が面するように、複合基板80Pが黒鉛シート72上に載置される。また支持部30上に加熱体82が載置される。
次に加熱体81および82によって複合基板80Pが加熱される。この加熱は、単結晶板群10(図5)の黒鉛シート72に面する側ICtの温度が、単結晶板群10の支持部30に面する側ICbの温度に比して低くなるように、単結晶板群10の厚み方向に温度勾配が生じるように行われる。このような温度勾配は、たとえば、黒鉛シート72の温度が支持部30の温度よりも低くなるように加熱を行うことで得られる。
図7を参照して、この加熱により、閉塞された隙間GP内における単結晶板11および12の面、すなわち側面S1およびS2のうち、側ICbに近い比較的高温の領域から、側ICtに近い比較的低温の領域へと、図中矢印で示すように、昇華にともなう物質移動が生じる。この物質移動にともない、黒鉛シート72によって閉塞された隙間GP内において、側面S1およびS2からの昇華物が黒鉛シート72上に堆積する。
さらに図8(A)および(B)を参照して、上記の堆積により、隙間GPの開口CR(図7)を塞ぐように側面S1およびS2をつなぐ接合部BDが形成される。この結果、隙間GP(図7)は、接合部BDによって閉塞された隙間VDとなる。接合部BDのうち、側面S1およびS2の影響を受けて成長した部分は、単結晶板11および12の単結晶構造の影響を受けることで単結晶部BDa(図8(A))となる。一方、接合部BDのうち、黒鉛シート72の影響を受けて成長した部分は、多結晶部BDb(図8(B))となる。接合部BDのうち黒鉛シート72の影響を受けて成長する部分の割合は、たとえば、側面S1およびS2(図7)の間隔を大きくすることによって増大する。
以上により炭化珪素基板80(図2)が得られる。
なお複合基板80Pの加熱の温度の検討実験を行ったところ、1600℃では接合部BDが十分に形成されないという問題があり、3000℃では単結晶板11、12にダメージが生じるという問題があったが、これらの問題は、1800℃、2000℃、および2500℃の各々では見られなかった。また加熱の温度を2000℃に固定して、上記の加熱の際の雰囲気圧力についての検討を行った。この結果、100kPaでは接合部BDが形成されず、また50kPaでは接合部BDが形成されにくいという問題があったが、この問題は、10kPa、100Pa、1Pa、0.1Pa、0.0001Paでは見られなかった。
なお複合基板80Pの加熱の温度の検討実験を行ったところ、1600℃では接合部BDが十分に形成されないという問題があり、3000℃では単結晶板11、12にダメージが生じるという問題があったが、これらの問題は、1800℃、2000℃、および2500℃の各々では見られなかった。また加熱の温度を2000℃に固定して、上記の加熱の際の雰囲気圧力についての検討を行った。この結果、100kPaでは接合部BDが形成されず、また50kPaでは接合部BDが形成されにくいという問題があったが、この問題は、10kPa、100Pa、1Pa、0.1Pa、0.0001Paでは見られなかった。
本実施の形態によれば、図2に示すように、単結晶板11および12が支持部30を介して1つの炭化珪素基板80として一体化される。炭化珪素基板80は、トランジスタなどの半導体装置が形成される基板面として、単結晶板のそれぞれが有する表面F1およびF2の両方を含む。すなわち炭化珪素基板80は、単結晶板11および12のいずれかが単体で用いられる場合に比して、より大きな基板面を有する。たとえば、炭化珪素基板80の平面視(図1)における最大長さDが100mm以上とされる。これにより、炭化珪素基板80を用いて半導体装置を効率よく製造することができる。
また炭化珪素基板80の製造工程において、複合基板80P(図5)の表面F1およびF2の間に存在していた開口CRが、接合部BD(図2)によって塞がれる。これにより表面F1およびF2は互いに滑らかにつながった面となる。よって炭化珪素基板80を用いた半導体装置の製造工程においては、表面F1およびF2の間に、歩留り低下の原因となる異物が溜まりにくい。よって炭化珪素基板80を用いることで、半導体装置を高い歩留りで製造することができる。
また接合部BDは多結晶部BDb(図3(B))を含むので、接合部BD全体が単結晶部BDa(図3(A))からなる場合に比して、接合部BDにおける応力が緩和されやすい。これにより、応力に起因した炭化珪素基板80の反りを抑制することができる。本実施の形態においては接合部BDは平面視(図1)において表面F1およびF2の間を線状に延びるように形成されている。線状に延びる方向において、接合部BDのうち多結晶構造を有する部分の長さが接合部BDの全長に対して1%以上100%以下である場合、上述した応力の緩和がより確実に得られる。このパーセンテージが10%以上である場合、上述した応力のより十分な緩和が得られる。
また単結晶板11および12の各々に接合された支持部30が設けられることにより、単結晶板11および12が接合部BDのみによって結合されている場合に比して、単結晶板11および12をより強固に結合することができる。
また炭化珪素基板80の厚さT(図2)に対する炭化珪素基板80の平面視(図1)における最大長さD(図1)の割合が50以上とされる場合、炭化珪素基板80の平面視における大きさを十分に確保することができる。たとえばD/Tがたとえば50である場合、T=2mmでD=100mmの炭化珪素基板が得られる。またこの割合が500以下であることによって、炭化珪素基板80の反りをより抑制することができる。
上記の作用効果の一例について、以下に説明する。
図9を参照して、接合部BDが平面視(図1)において表面F1およびF2の間を線状に延びる方向における、接合部BDのうちの多結晶部BDb(図3(B))の長さの、接合部BDの全長に対するパーセンテージと、炭化珪素基板80の反りとの関係の一例について説明する。このパーセンテージが0%の場合は反りが210μm程度であったが、このパーセンテージが1%の場合、反りが190μm程度に抑制された。またこのパーセンテージが10%の場合、反りが65μm程度に抑制された。
図9を参照して、接合部BDが平面視(図1)において表面F1およびF2の間を線状に延びる方向における、接合部BDのうちの多結晶部BDb(図3(B))の長さの、接合部BDの全長に対するパーセンテージと、炭化珪素基板80の反りとの関係の一例について説明する。このパーセンテージが0%の場合は反りが210μm程度であったが、このパーセンテージが1%の場合、反りが190μm程度に抑制された。またこのパーセンテージが10%の場合、反りが65μm程度に抑制された。
図10を参照して、炭化珪素基板80の厚さT(図2)に対する炭化珪素基板80の平面視(図1)における最大長さD(図1)の割合と、炭化珪素基板80の反りとの関係の一例について説明する。図10のグラフにおいて、円形のプロットは、上記パーセンテージが0%、すなわち接合部BDの全長全体を単結晶部BDaの長さが占める場合に対応し、三角形のプロットは、上記パーセンテージが10%の場合に対応している。この結果から、接合部BDが単結晶部BDaのみからなる場合に比して、長さとして10%の多結晶部BDbが形成された場合の方が、炭化珪素基板80の反りが抑制されることが分かった。またD/Tが小さいほど反りが小さく、たとえばD/Tが500以下のときに反りを容易に抑制することができ、上記パーセンテージがたとえば10%のときは反りを150μm以下に抑制することができることがわかった。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1で用いられる複合基板80P(図4、図5)の製造方法について、特に支持部30が炭化珪素からなる場合について詳しく説明する。なお以下において説明を簡略化するために単結晶板11〜19(図4、図5)のうち単結晶板11および12に関してのみ言及する場合があるが、単結晶板13〜19も単結晶板11および12と同様に扱われる。
本実施の形態においては、実施の形態1で用いられる複合基板80P(図4、図5)の製造方法について、特に支持部30が炭化珪素からなる場合について詳しく説明する。なお以下において説明を簡略化するために単結晶板11〜19(図4、図5)のうち単結晶板11および12に関してのみ言及する場合があるが、単結晶板13〜19も単結晶板11および12と同様に扱われる。
図11を参照して、単結晶構造を有する単結晶板11および12が準備される。この工程は、たとえば、六方晶系における(0001)面で成長した炭化珪素インゴットをスライスすることによって行われる。好ましくは、裏面B1およびB2のラフネスがRaとして100μm以下である。また単結晶板11および12の各々の表面の結晶面は、好ましくは、{0001}面または{03−38}面とされ、より好ましくは(000−1)面または(03−3−8)面とされる。
次に処理室内において加熱体81上に、裏面B1およびB2の各々が一の方向(図11における上方向)に露出するように単結晶板11および12が配置される。すなわち単結晶板11および12が、平面視において並ぶように配置される。
好ましくは、上記の配置は、裏面B1およびB2の各々が同一平面上に位置するか、または表面F1およびF2の各々が同一平面上に位置するように行なわれる。
次に裏面B1およびB2を互いにつなぐ支持部30(図5)が、以下のように形成される。
まず一の方向(図11における上方向)に露出する裏面B1およびB2の各々と、裏面B1およびB2に対して一の方向(図11における上方向)に配置された固体原料20の表面SSとが、間隔D1を空けて対向させられる。好ましくは、間隔D1の平均値は1μm以上1cm以下とされる。
固体原料20は炭化珪素からなり、好ましくは一塊の炭化珪素の固形物であり、具体的には、たとえばSiCウエハである。固体原料20のSiCの結晶構造は特に限定されない。また好ましくは、固体原料20の表面SSのラフネスはRaとして1mm以下である。
なお間隔D1(図11)をより確実に設けるために、間隔D1に対応する高さを有するスペーサ83(図14)が用いられてもよい。この方法は、間隔D1の平均値が100μm程度以上の場合に特に有効である。
次に加熱体81によって単結晶板11および12が所定の基板温度まで加熱される。また加熱体82によって固体原料20が所定の原料温度まで加熱される。固体原料20が原料温度まで加熱されることによって、固体原料の表面SSにおいてSiCが昇華することで、昇華物、すなわち気体が発生する。この気体は、一の方向(図11における上方向)から、裏面B1およびB2の各々の上に供給される。
好ましくは基板温度は原料温度よりも低くされ、より好ましくは両温度の差は1℃以上100℃以下とされる。また好ましくは、基板温度は1800°以上2500℃以下である。
図12を参照して、上記のように供給された気体は、裏面B1およびB2の各々の上で、固化させられることで再結晶化される。これにより裏面B1およびB2を互いにつなぐ支持部30pが形成される。また固体原料20(図11)は、消耗して小さくなることで固体原料20pになる。
主に図13を参照して、さらに昇華が進むことで、固体原料20p(図12)が消失する。これにより裏面B1およびB2を互いにつなぐ、支持部30が形成される。
好ましくは、支持部30が形成される際、処理室内の雰囲気は不活性ガスとされる。不活性ガスとしては、たとえば、He、Arなどの希ガス、窒素ガス、または希ガスと窒素ガスとの混合ガスを用いることができる。この混合ガスが用いられる場合、窒素ガスの割合は、たとえば60%である。また処理室内の圧力は、好ましくは50kPa以下とされ、より好ましくは10kPa以下とされる。
また好ましくは、支持部30は単結晶構造を有する。より好ましくは、裏面B1の結晶面に対して裏面B1上の支持部30の結晶面の傾きは10°以内であり、また裏面B2の結晶面に対して裏面B2上の支持部30の結晶面の傾きは10°以内である。これらの角度関係は、裏面B1およびB2の各々に対して支持部30がエピタキシャル成長することによって容易に実現される。
なお単結晶板11、12の結晶構造は六方晶系であることが好ましく、4H−SiCまたは6H−SiCであることがより好ましい。また、単結晶板11、12と支持部30とは、同一の結晶構造を有するSiC単結晶からなっていることが好ましい。
また好ましくは、単結晶板11および12の各々の濃度と、支持部30の不純物濃度とは互いに異なる。より好ましくは、単結晶板11および12の各々の不純物濃度よりも、支持部30の不純物濃度の方が高い。なお単結晶板11、12の不純物濃度は、たとえば5×1016cm-3以上5×1019cm-3以下である。また支持部30の不純物濃度は、たとえば5×1016cm-3以上5×1021cm-3以下である。また上記の不純物としては、たとえば窒素またはリンを用いることができる。
また好ましくは、単結晶板11の{0001}面に対する表面F1のオフ角は50°以上65°以下であり、かつ単結晶板の{0001}面に対する表面F2のオフ角は50°以上65°以下である。
より好ましくは、表面F1のオフ方位と単結晶板11の<1−100>方向とのなす角は5°以下であり、かつ表面F2のオフ方位と単結晶板12の<1−100>方向とのなす角は5°以下である。
さらに好ましくは、単結晶板11の<1−100>方向における{03−38}面に対する表面F1のオフ角は−3°以上5°以下であり、単結晶板12の<1−100>方向における{03−38}面に対する表面F2のオフ角は−3°以上5°以下である。
なお上記において、「<1−100>方向における{03−38}面に対する表面F1のオフ角」とは、<1−100>方向および<0001>方向の張る射影面への表面F1の法線の正射影と、{03−38}面の法線とのなす角度であり、その符号は、上記正射影が<1−100>方向に対して平行に近づく場合が正であり、上記正射影が<0001>方向に対して平行に近づく場合が負である。また「<1−100>方向における{03−38}面に対する表面F2のオフ角」についても同様である。
より好ましくは、表面F1の面方位(hklm)における指数mは負である。表面F2についても同様である。すなわち表面F1およびF2の各々は、(0001)面よりも(000−1)面に近い面である。
好ましくは、表面F1のオフ方位と単結晶板11の<11−20>方向とのなす角は5°以下であり、かつ表面F2のオフ方位と単結晶板12の<11−20>方向とのなす角は5°以下である。
本実施の形態によれば、裏面B1およびB2の各々の上に形成される支持部30が単結晶板11および12と同様に炭化珪素からなるので、単結晶板11および12と支持部30との間で諸物性が近くなる。よってこの諸物性の相違に起因した、複合基板80P(図4、図5)または炭化珪素基板80(図1、図2)の反りや割れを抑制できる。
また昇華法を用いることで、支持部30を高い品質で、かつ高速で形成することができる。また昇華法が特に近接昇華法であることにより、支持部30をより均一に形成することができる。
また裏面B1およびB2の各々と固体原料20の表面との間隔D1(図11)の平均値が1cm以下とされることにより、支持部30の膜厚分布を小さくすることができる。またこの間隔D1の平均値が1μm以上とされることにより、炭化珪素が昇華する空間を十分に確保することができる。
また支持部30を形成する工程において、単結晶板11および12の温度は固体原料20(図11)の温度よりも低くされる。これにより、昇華されたSiCを単結晶板11および12上において効率よく固化させることができる。
また好ましくは、単結晶板11および12を配置する工程は、単結晶板11および12の間の最短間隔が1mm以下となるように行なわれる。これにより支持部30を、単結晶板11の裏面B1と、単結晶板12の裏面B2とをより確実につなぐように形成することができる。
また好ましくは、支持部30は単結晶構造を有する。これにより、支持部30の諸物性を、同じく単結晶構造を有する単結晶板11および12の各々の諸物性に近づけることができる。
より好ましくは、裏面B1の結晶面に対して裏面B1上の支持部30の結晶面の傾きは10°以内である。また裏面B2の結晶面に対して裏面B2上の支持部30の結晶面の傾きは10°以内である。これにより支持部30の異方性を、単結晶板11および12の各々の異方性に近づけることができる。
また好ましくは、単結晶板11および12の各々の不純物濃度と、支持部30の不純物濃度とは互いに異なる。これにより不純物濃度の異なる2層構造を有する炭化珪素基板80(図2)を得ることができる。
また好ましくは、単結晶板11および12の各々の不純物濃度よりも支持部30の不純物濃度の方が高い。よって単結晶板11および12の各々の抵抗率に比して、支持部30の抵抗率を小さくすることができる。これにより、支持部30の厚さ方向に電流を流す半導体装置、すなわち縦型の半導体装置の製造に好適な炭化珪素基板80を得ることができる。
また好ましくは、単結晶板11の{0001}面に対する表面F1のオフ角は50°以上65°以下であり、かつ単結晶板12の{0001}面に対する表面F2のオフ角は50°以上65°以下である。これにより、表面F1およびF2が{0001}面である場合に比して、表面F1およびF2におけるチャネル移動度を高めることができる。
より好ましくは、表面F1のオフ方位と単結晶板11の<1−100>方向とのなす角は5°以下であり、かつ表面F2のオフ方位と単結晶板12の<1−100>方向とのなす角は5°以下である。これにより表面F1およびF2におけるチャネル移動度をより高めることができる。
さらに好ましくは、単結晶板11の<1−100>方向における{03−38}面に対する表面F1のオフ角は−3°以上5°以下であり、単結晶板12の<1−100>方向における{03−38}面に対する表面F2のオフ角は−3°以上5°以下である。これにより表面F1およびF2におけるチャネル移動度をさらに高めることができる。
また好ましくは、表面F1のオフ方位と単結晶板11の<11−20>方向とのなす角は5°以下であり、かつ表面F2のオフ方位と単結晶板12の<11−20>方向とのなす角は5°以下である。これにより、表面F1およびF2が{0001}面である場合に比して、表面F1およびF2におけるチャネル移動度を高めることができる。
なお上記において固体原料20としてSiCウエハを例示したが、固体原料20はこれに限定されるものではなく、たとえばSiC粉体またはSiC焼結体であってもよい。
また図11においては、裏面B1およびB2の各々と、固体原料20の表面SSとの間は、全体に渡って間隔が空けられている。しかし、裏面B1およびB2と、固体原料20の表面SSとの間が一部接触しつつ、裏面B1およびB2の各々と固体原料20の表面SSとの間に間隔が空けられてもよい。この場合に相当する2つの変形例について、以下に説明する。
図15を参照して、この例においては、固体原料20としてのSiCウエハの反りによって、上記間隔が確保される。より具体的には、本例においては、間隔D2は、局所的にはゼロになるが、平均値としては必ずゼロを超える。また好ましくは、間隔D1の平均値と同様に、間隔D2の平均値は1μm以上1cm以下とされる。
図16を参照して、この例においては、単結晶板11〜13の反りによって、上記間隔が確保される。より具体的には、本例においては、間隔D3は、局所的にはゼロになるが、平均値としては必ずゼロを超える。また好ましくは、間隔D1の平均値と同様に、間隔D3の平均値は1μm以上1cm以下とされる。
なお、図15および図16の各々の方法の組み合わせによって、すなわち、固体原料20としてのSiCウエハの反りと、単結晶板11〜13の反りとの両方によって、上記間隔が確保されてもよい。
上述した、図15および図16の各々の方法、または両方法の組み合わせによる方法は、上記間隔の平均値が100μm以下の場合に特に有効である。
(実施の形態3)
以下に、本実施の炭化珪素基板の製造方法およびその変形例について説明する。なお以下において説明を簡略化するために単結晶板11〜19(図1)のうち単結晶板11および12に関してのみ言及する場合があるが、単結晶板13〜19も単結晶板11および12と同様に扱われる。
以下に、本実施の炭化珪素基板の製造方法およびその変形例について説明する。なお以下において説明を簡略化するために単結晶板11〜19(図1)のうち単結晶板11および12に関してのみ言及する場合があるが、単結晶板13〜19も単結晶板11および12と同様に扱われる。
図17を参照して、本実施の形態においては、加熱体81上に、可とう性を有する黒鉛シート72(閉塞部)が敷かれる。次に処理室内において、裏面B1およびB2の各々が一の方向(図17における上方向)に露出するように、黒鉛シート72を介して加熱体81上に単結晶板11および12が配置される。以降、実施の形態2と同様の工程が行われる。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態2の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態によれば、実施の形態2と同様の支持部30の形成(図13)の際に、接合部BD(図2)が黒鉛シート72(図17)上に形成される。すなわち、隙間GPの開口CR(図7)を塞ぐように側面S1およびS2をつなぐ接合部BDを形成する工程が、支持部30に裏面B1およびB2の各々を接合する工程(図13)と同時に行なわれる。よって、接合部BDを形成する工程と、裏面B1およびB2の各々を接合する工程とが互いに別個に行われる場合に比して、工程を簡略化することができる。
また黒鉛シート72は可とう性を有するので、隙間GP(図7)をより確実に閉塞することができる。よって接合部BDが成長する面として、単結晶板11および12以外の面として、黒鉛シート72からなる面を確実に設けることができる。これにより、単結晶部BDaのみからなる接合部BDが形成されることを避け接合部BDの少なくとも一部を多結晶部BDbとすることが容易となる。
次に本実施の形態の変形例について説明する。
図18を参照して、単結晶板11の表面F1上にレジスト液40が塗布される。次にレジスト液40が炭化される。
図18を参照して、単結晶板11の表面F1上にレジスト液40が塗布される。次にレジスト液40が炭化される。
図19を参照して、上記の炭化により、単結晶板11の表面F1を被覆する保護膜41が形成される。また単結晶板12の表面F2を被覆する保護膜も、同様に形成される。
図20を参照して、本実施の形態と同様に、単結晶板11および12が、黒鉛シート72を介して加熱体81上に配置される。ただし本変形例においては、この配置の時点で、黒鉛シート72に面する表面F1上に保護膜41が形成されている。また黒鉛シート72に面する表面F2上に、保護膜41と同様の保護膜42が形成されている。
本変形例によれば、黒鉛シート72上に上述した接合部BDが形成される際に、保護膜41および42のそれぞれによって、表面F1およびF2上において昇華・再固化が発生することを避けることができる。よって表面F1、F2が荒れることが防止される。
また保護膜41および42によって隙間GP(図7)が延長され、この延長された隙間の側面の一部は、保護膜41および42の材料、すなわち、単結晶炭化珪素とは異なる材料から構成される。保護膜41および42の材料から作られた側面の上に成長した接合部BDは、単結晶部BDa(図3(A))ではなく、多結晶部BDb(図3(B))になりやすい。これにより、より確実に多結晶部BDbを設けることができる。
(実施の形態4)
図21を参照して、本実施の形態の半導体装置100は、縦型DiMOSFET(Double Implanted Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であって、炭化珪素基板80、バッファ層121、耐圧保持層122、p領域123、n+領域124、p+領域125、酸化膜126、ソース電極111、上部ソース電極127、ゲート電極110、およびドレイン電極112を有する。
図21を参照して、本実施の形態の半導体装置100は、縦型DiMOSFET(Double Implanted Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であって、炭化珪素基板80、バッファ層121、耐圧保持層122、p領域123、n+領域124、p+領域125、酸化膜126、ソース電極111、上部ソース電極127、ゲート電極110、およびドレイン電極112を有する。
炭化珪素基板80は、本実施の形態においてはn型の導電型を有し、また実施の形態1で説明したように、支持部30および単結晶板11を有する。ドレイン電極112は、単結晶板11との間に支持部30を挟むように、支持部30上に設けられている。バッファ層121は、支持部30との間に単結晶板11を挟むように、単結晶板11上に設けられている。
バッファ層121は、導電型がn型であり、その厚さはたとえば0.5μmである。またバッファ層121におけるn型の導電性不純物の濃度は、たとえば5×1017cm-3である。
耐圧保持層122は、バッファ層121上に形成されており、また導電型がn型の炭化ケイ素からなる。たとえば、耐圧保持層122の厚さは10μmであり、そのn型の導電性不純物の濃度は5×1015cm-3である。
この耐圧保持層122の表面には、導電型がp型である複数のp領域123が互いに間隔を隔てて形成されている。p領域123の内部において、p領域123の表面層にn+領域124が形成されている。また、このn+領域124に隣接する位置には、p+領域125が形成されている。一方のp領域123におけるn+領域124上から、p領域123、2つのp領域123の間において露出する耐圧保持層122、他方のp領域123および当該他方のp領域123におけるn+領域124上にまで延在するように、酸化膜126が形成されている。酸化膜126上にはゲート電極110が形成されている。また、n+領域124およびp+領域125上にはソース電極111が形成されている。このソース電極111上には上部ソース電極127が形成されている。
酸化膜126と、半導体層としてのn+領域124、p+領域125、p領域123および耐圧保持層122との界面から10nm以内の領域における窒素原子濃度の最大値は1×1021cm-3以上となっている。これにより、特に酸化膜126下のチャネル領域(酸化膜126に接する部分であって、n+領域124と耐圧保持層122との間のp領域123の部分)の移動度を向上させることができる。
次に半導体装置100の製造方法について説明する。なお図23〜図26においては単結晶板11〜19(図1)のうち単結晶板11の近傍における工程のみを示すが、単結晶板12〜単結晶板19の各々の近傍においても、同様の工程が行なわれる。
まず基板準備工程(ステップS110:図22)にて、炭化珪素基板80(図1および図2)が準備される。炭化珪素基板80の導電型はn型とされる。
図23を参照して、エピタキシャル層形成工程(ステップS120:図22)により、バッファ層121および耐圧保持層122が、以下のように形成される。
まず炭化珪素基板80の表面上にバッファ層121が形成される。バッファ層121は、導電型がn型の炭化ケイ素からなり、たとえば厚さ0.5μmのエピタキシャル層である。またバッファ層121における導電型不純物の濃度は、たとえば5×1017cm-3とされる。
次にバッファ層121上に耐圧保持層122が形成される。具体的には、導電型がn型の炭化ケイ素からなる層が、エピタキシャル成長法によって形成される。耐圧保持層122の厚さは、たとえば10μmとされる。また耐圧保持層122におけるn型の導電性不純物の濃度は、たとえば5×1015cm-3である。
図24を参照して、注入工程(ステップS130:図22)により、p領域123と、n+領域124と、p+領域125とが、以下のように形成される。
まず導電型がp型の不純物が耐圧保持層122の一部に選択的に注入されることで、p領域123が形成される。次に、n型の導電性不純物を所定の領域に選択的に注入することによってn+領域124が形成され、また導電型がp型の導電性不純物を所定の領域に選択的に注入することによってp+領域125が形成される。なお不純物の選択的な注入は、たとえば酸化膜からなるマスクを用いて行われる。
このような注入工程の後、活性化アニール処理が行われる。たとえば、アルゴン雰囲気中、加熱温度1700℃で30分間のアニールが行われる。
図25を参照して、ゲート絶縁膜形成工程(ステップS140:図22)が行われる。具体的には、耐圧保持層122と、p領域123と、n+領域124と、p+領域125との上を覆うように、酸化膜126が形成される。この形成はドライ酸化(熱酸化)により行われてもよい。ドライ酸化の条件は、たとえば、加熱温度が1200℃であり、また加熱時間が30分である。
その後、窒素アニール工程(ステップS150)が行われる。具体的には、一酸化窒素(NO)雰囲気中でのアニール処理が行われる。この処理の条件は、たとえば加熱温度が1100℃であり、加熱時間が120分である。この結果、耐圧保持層122、p領域123、n+領域124、およびp+領域125の各々と、酸化膜126との界面近傍に、窒素原子が導入される。
なおこの一酸化窒素を用いたアニール工程の後、さらに不活性ガスであるアルゴン(Ar)ガスを用いたアニール処理が行われてもよい。この処理の条件は、たとえば、加熱温度が1100℃であり、加熱時間が60分である。
図26を参照して、電極形成工程(ステップS160:図22)により、ソース電極111およびドレイン電極112が、以下のように形成される。
まず酸化膜126上に、フォトリソグラフィ法を用いて、パターンを有するレジスト膜が形成される。このレジスト膜をマスクとして用いて、酸化膜126のうちn+領域124およびp+領域125上に位置する部分がエッチングにより除去される。これにより酸化膜126に開口部が形成される。次に、この開口部においてn+領域124およびp+領域125の各々と接触するように導電体膜が形成される。次にレジスト膜を除去することにより、上記導体膜のうちレジスト膜上に位置していた部分の除去(リフトオフ)が行われる。この導体膜は、金属膜であってもよく、たとえばニッケル(Ni)からなる。このリフトオフの結果、ソース電極111が形成される。
なお、ここでアロイ化のための熱処理が行なわれることが好ましい。たとえば、不活性ガスであるアルゴン(Ar)ガスの雰囲気中、加熱温度950℃で2分の熱処理が行なわれる。
再び図21を参照して、ソース電極111上に上部ソース電極127が形成される。また、炭化珪素基板80の裏面上にドレイン電極112が形成される。以上により、半導体装置100が得られる。
なお本実施の形態における導電型が入れ替えられた構成、すなわちp型とn型とが入れ替えられた構成を用いることもできる。
また半導体装置100を作製するための炭化珪素基板は、実施の形態1の炭化珪素基板80に限定されるものではなく、たとえば、実施の形態2または3の炭化珪素基板、または各実施の形態の変形例の炭化珪素基板であってもよい。
また縦型DiMOSFETを例示したが、本発明の炭化珪素基板を用いて他の半導体装置が製造されてもよく、たとえばRESURF−JFET(Reduced Surface Field-Junction Field Effect Transistor)またはショットキーダイオードが製造されてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 単結晶板群、10a 被支持部、11 単結晶板(第1の単結晶板)、12 単結晶板(第2の単結晶板)、13〜19 単結晶板、20,20p 固体原料、30,30p 支持部、72 黒鉛シート(閉塞部)、80 炭化珪素基板、80P 複合基板、81,82 加熱体、100 半導体装置、BD 接合部、BDa 単結晶部、BDb 多結晶部。
Claims (6)
- 第1の側面を有し、炭化珪素からなる第1の単結晶板と、
前記第1の側面と対向する第2の側面を有し、炭化珪素からなる第2の単結晶板と、
前記第1および第2の側面の間で前記第1および第2の側面を互いにつなぎ、炭化珪素からなる接合部とを備え、
前記接合部の少なくとも一部は多結晶構造を有する、炭化珪素基板。 - 前記第1および第2の単結晶板のそれぞれは第1および第2の裏面を有し、
前記第1および第2の裏面の各々に接合された支持部をさらに備える、請求項1に記載の炭化珪素基板。 - 前記第1および第2の単結晶板のそれぞれは第1および第2の表面を有し、
前記接合部は平面視において前記第1および第2の表面の間を線状に延びるように形成されており、前記線状に延びる方向において、前記接合部のうち多結晶構造を有する部分の長さが前記接合部の全長に対して1%以上100%以下である、請求項1または2に記載の炭化珪素基板。 - 前記線状に延びる方向において、前記接合部のうち前記多結晶構造を有する部分の長さが前記接合部の全長に対して10%以上である、請求項3に記載の炭化珪素基板。
- 前記炭化珪素基板の厚さに対する前記炭化珪素基板の平面視における最大長さの割合は50以上500以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素基板。
- 前記炭化珪素基板の平面視における最大長さが100mm以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭化珪素基板。
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