JP2012201676A - デヒドロアビエチン酸誘導体及びその製造方法、並びに12−カルボキシデヒドロアビエチン酸誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(I)で表されるデヒドロアビエチン酸誘導体を酸化及び脱炭酸することで12−カルボキシデヒドロアビエチン酸誘導体を製造する。
(一般式(I)中、R1は水素原子、アリール基又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。Xはカルボニル基、ヒドロキシメチレン基又はアシルオキシメチレン基を示す)
【選択図】なし
Description
<1> 下記一般式(I)で表されるデヒドロアビエチン酸誘導体。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
かかる特定構造の置換基を有することで、酸化及び脱炭酸という簡便な工程で、植物由来の化合物に由来する主骨格を有する重合体を形成可能な12−カルボキシデヒドロアビエチン酸誘導体を、高純度に且つ優れた収率で製造することができる。
また一般式(I)で表される化合物のうち、Xがカルボニル基である化合物は、α,β−ジケトン構造を有している。従ってα,β−ジケトン構造を利用して簡便にヘテロ環形成することが可能である。例えば、国際公開2008/33999号パンフレット等の記載に準じて、デヒドロアビエチン酸骨格にヘテロ環を導入することができる。
R1における炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、エチルヘキシル基、デシル基及び2−エチルヘキシル基等を挙げることができる。中でも炭素数1〜8の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜3の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であることがより好ましい。
またR1における置換基は、一般式(I)で表される化合物に由来する基、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基及び酸素原子からなる群から選ばれる少なくとも1種から構成される置換基であってもよい。ここで、一般式(I)で表される化合物に由来する基とは一般式(I)で表される化合物から水素原子を1個取り除いて構成される基であり、水素原子が取り除かれる位置は特に制限されない。
尚、R1におけるアルキル基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
特定官能基を有する一般式(I)で表されるデヒドロアビエチン酸誘導体は、具体的には下記一般式(A)又は一般式(B)で表される。
R3におけるアシル基の炭素数は特に制限されない。例えば炭素数1〜30とすることができ、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜4であることがより好ましく、炭素数1〜3であることが更に好ましい。
またアシル基は、飽和脂肪族アシル基、不飽和脂肪族アシル基及び芳香族アシル基のいずれであってもよい。中でも炭素数1〜6の飽和脂肪族アシル基又は炭素数3〜8の不飽和脂肪族アシル基であることが好ましく、炭素数1〜4の飽和脂肪族アシル基又は炭素数3〜4の不飽和脂肪族アシル基であることがより好ましく、炭素数1〜3の飽和脂肪族アシル基又は炭素数3の不飽和脂肪族アシル基であることが更に好ましい。
中でも、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基及び(メタ)アクリル基からなる群より選ばれるアシル基であることが好ましい。
特にアシル基が(メタ)アクリル基等の不飽和脂肪族アシル基である場合には、デヒドロアビエチン酸骨格を有するアクリル系重合体の形成に好適に適用することができる。
一般式(I)で表されるデヒドロアビエチン酸誘導体は、デヒドロアビエチン酸又はそのエステル誘導体から製造することができる。またデヒドロアビエチン酸は、ロジンから調製することができる。
ロジンは松脂から採取される樹脂成分であり、採取の方法により、代表的なものとして「ガムロジン」、「トールロジン」及び「ウッドロジン」の3種がある。ロジンに含まれる構成成分は、これら採取の方法、松の産地等により異なるが、一般的には、以下にその構造を示す、アビエチン酸(1)、ネオアビエチン酸(2)、パラストリン酸(3)、レボピマール酸(4)、デヒドロアビエチン酸(5)、ピマール酸(6)、イソピマール酸(7)等のジテルペン系樹脂酸の混合物である。
かかる製造方法であることで、一般式(III)で表される化合物に対して、優れた収率で且つ位置選択的に特定官能基を導入することができる。
R1、R2及びXの詳細は既述の通りであり、好ましい態様も同様である。
Yにおける脱離基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、アルキル及びアリールスルホニルオキシ基、並びにアルキル及びアリールアミノスルホニルオキシ基等を挙げることができる。中でも、Yにおける脱離基としては、反応性と生産性の観点から、ハロゲン原子であることが好ましい。
以下の一般式中、R1及びR2は、一般式(I)におけるR1及びR2とそれぞれ同義である。またR4とこれが結合するカルボニル基から構成されるアシル基は、一般式(A)のR3におけるアシル基と同義である。
尚、一般式(A1)で表されるデヒドロアビエチン酸誘導体は、一般式(A)においてR3がアシル基であるデヒドロアビエチン酸誘導体に相当する。
また触媒の使用量は特に制限されない。例えば一般式(III)で表される化合物に対して0.01当量以上とすることができ、0.01当量以上3当量以下であることが好ましい。
反応に溶媒を用いる場合、溶媒の使用量は特に制限されない。例えば一般式(III)で表される化合物に対して50質量%以上とすることができ、50質量%以上2000質量%以下であることが好ましい。
また反応温度は特に制限されず、例えば、−20〜100℃とすることができ、0〜80℃であることが好ましい。
尚、一般式(A2)で表されるデヒドロアビエチン酸誘導体、一般式(A)においてR3が水素原子であるデヒドロアビエチン酸誘導体に相当する。
また反応温度は特に制限されず、例えば、10〜200℃とすることができ、20〜150℃であることが好ましい。
以下の一般式中、R1及びR2は、一般式(I)におけるR1及びR2とそれぞれ同義である。またLGは脱離基を表し、一般式(IV)のYにおける脱離基と同義である。
また触媒の使用量は特に制限されない。例えば一般式(III)で表される化合物に対して0.01当量以上とすることができ、0.01当量以上3当量以下であることが好ましい。
反応に溶媒を用いる場合、溶媒の使用量は特に制限されない。例えば一般式(III)で表される化合物に対して50質量%以上とすることができ、50質量%以上2000質量%以下であることが好ましい。
また反応温度は特に制限されず、例えば、−20〜100℃とすることができ、−10〜50℃であることが好ましい。
単離工程としては所望の生成物が得られる限り特に制限されず、通常用いられる単離方法から適宜選択して適用することができる。例えば、反応中に析出した生成物の結晶を単純に濾取する方法;反応後、反応液に氷水を注いで析出した生成物を濾取する方法;反応液に氷水を注いだ後、水層を分離し、さらに洗液がほぼ中性になるまで水洗した後、有機層の溶媒を減圧留去して生成物を得る方法等を挙げることができる。
得られた生成物はさらに精製工程に付してもよい。生成物の精製方法としては特に制限されない。例えば、再結晶、再沈殿、カラムクロマト等の通常用いられる精製方法から適宜選択することができる。
本発明の下記一般式(II)で表される12−カルボキシデヒドロアビエチン酸誘導体の製造方法は、下記一般式(I)で表わされるデヒドロアビエチン酸誘導体を酸化及び脱炭酸する工程を含み、必要に応じてその他の工程を含んで構成される。一般式(I)で表されるデヒドロアビエチン酸誘導体を出発物質とすることで、簡便に且つ優れた収率で、一般式(II)で表される12−カルボキシデヒドロアビエチン酸誘導体を製造することができる。
R1、R2及びXの詳細は既述の通りであり、好ましい態様も同様である。
酸化工程及び脱炭酸工程は、1つの工程として適用してもよく、またそれぞれ独立した工程として順次適用してもよい。
酸化工程における反応条件としては、特に制限されず通常用いられる酸化反応条件から適宜選択することができる。例えば、過酸化水素等の過酸化物を用いる方法や次亜塩素酸等を用いる方法などを挙げることができる。
脱炭酸工程における反応条件としては、特に制限されず通常用いられる脱炭酸反応条件から適宜選択することができる。例えば、酸性条件下で処理する方法や光照射する方法等を挙げること挙げることができる。
R2が水素原子である一般式(B)で表される化合物は、酸化工程及び脱炭酸工程に供する前に予めR2が水素原子以外である一般式(B)で表される化合物からエステル加水分解反応等により調製してもよい。またR2が水素原子以外である一般式(B)で表される化合物におけるR2を水素原子に変換する工程と、酸化工程及び脱炭酸工程とを連続的に行なってもよい。
例えば、R3が水素原子である一般式(A)で表される化合物は、酸化工程及び脱炭酸工程に供する前に予めR3がアシル基である一般式(A)で表される化合物からエステル加水分解反応等により、調製することができる。またR3がアシル基である一般式(A)で表される化合物におけるR3を水素原子に変換する工程と、酸化工程及び脱炭酸工程とを連続的に行ってもよい。
具体的には例えば、国際公開2010/150847号明細書等に記載されたポリエステル重合体の製造に好適に適用することができる。
例示化合物(A-1)の合成
下記合成経路によって例示化合物(A−1)を合成した。
得られた例示化合物(A−1)の1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3)の一例を図1に示す。
例示化合物(A−8)の合成
下記合成経路によって例示化合物(A−8)を合成した。
例示化合物(A−8)の1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3)一例を図2に示す。
例示化合物(A−6)の合成
下記合成経路によって例示化合物(A−6)を合成した。
例示化合物(A−6)の1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3)の一例を図3に示す。
例示化合物(B−1)の合成
下記合成経路によって例示化合物(B−1)を合成した。
例示化合物(B−1)の1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3)の一例を図4に示す。
例示化合物(A−18)の合成
下記合成経路によって例示化合物(A−18)を合成した。
得られたDHA−Prを用いたこと以外は実施例1と同様にして、例示化合物(A−18)を得た。
例示化合物(A−4)の合成
下記合成経路によって例示化合物(A−4)を合成した。
例示化合物(A−13)の合成
下記合成経路によって例示化合物(A−13)を合成した。
得られた99%デヒドロアビエチン酸300g、アセトキシビフェニル135g、酢酸ナトリウム4gを窒素下、160℃にて溶融させ、1時間攪拌した。その後、生成する酢酸を留去しながら、280度まで段階的に昇温させた。TLCにて原料の消失を確認した後、室温まで冷却した。酢酸エチルを加えて溶解させた後、水にて洗浄分液し、溶媒留去した。酢酸エチル/ヘキサンの混合溶媒にて晶析を行うことで、DHA−Bp340gを得た。
15℃に冷却した氷酢酸300mlに濃硫酸100mlを系内の温度を25℃以下に保ちつつ、ゆっくりと滴下した。上記で得られたDHA−Bp75g及びグリオキシル酸水和物27gを加えて、40℃にて5時間攪拌した後、系内を10℃まで冷却した。系内の溶液を氷冷した水を攪拌しながら添加し、析出した結晶を濾取することで、白色結晶として例示化合物(A−13)81gを得た。
例示化合物(B−1)を用いた12―カルボキシデヒドロアビエチン酸の合成
得られた12−カルボキシデヒドロアビエチン酸の1H−NMRスペクトル(溶媒:DMSO−d6)の一例を図5に示す。
例示化合物(B−1)を用いた12―カルボキシデヒドロアビエチン酸誘導体の合成
得られた12−カルボキシデヒドロアビエチン酸メチルエステルの1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3)の一例を図6に示す。
例示化合物(A−1)を用いた12―カルボキシデヒドロアビエチン酸の合成
得られた(A−1−2)を、J.Am.Chem.Soc.1997,Vol.119,p12386−12387に記載の方法に準じて処理して12−カルボキシデヒドロアビエチン酸を得ることができた(収率92%、純度99.1%)。
Claims (5)
- 下記一般式(I)で表されるデヒドロアビエチン酸誘導体。
(一般式(I)中、R1は水素原子、アリール基又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。Xはカルボニル基、ヒドロキシメチレン基又はアシルオキシメチレン基を示す) - 前記一般式(I)において、R1は水素原子、炭素数6〜15のアリール基又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示し、Xはカルボニル基、ヒドロキシメチレン基又は炭素数2〜5のアシルオキシメチレン基を示す、請求項1に記載のデヒドロアビエチン酸誘導体。
- 前記一般式(I)において、R1は水素原子、炭素数6〜12のアリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R2は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、Xはカルボニル基、ヒドロキシメチレン基又は炭素数2〜4のアシルオキシメチレン基を示す、請求項1に記載のデヒドロアビエチン酸誘導体。
- 下記一般式(I)で表わされるデヒドロアビエチン酸誘導体を酸化及び脱炭酸する工程を含む、下記一般式(II)で表される12−カルボキシデヒドロアビエチン酸誘導体の製造方法。
(一般式(I)及び一般式(II)中、R1は水素原子、アリール基又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。Xはカルボニル基、ヒドロキシメチレン基又はアシルオキシメチレン基を示す) - 下記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(IV)で表される化合物とを反応させる工程を含む、下記一般式(I)で表されるデヒドロアビエチン酸誘導体の製造方法。
(一般式(I)、一般式(III)及び一般式(IV)中、R1は水素原子、アリール基又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。Xはカルボニル基、ヒドロキシメチレン基又はアシルオキシメチレン基を示す。Yは水素原子又は脱離基を示す)
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