JP2012202012A - 改良された消臭性布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質しないセルロース繊維とポリウレタン繊維との混用布帛において、加齢臭に対する消臭性能に優れ、しなやかな風合を保持し、色の鮮明性に優れ、着用感に優れる消臭性布帛、及びその製造方法の提供。
【解決手段】カルボルキシル基が付与された改質しないセルロース繊維とポリウレタン繊維とを混用した消臭性布帛であって、洗濯50回後の、消臭加工繊維製品認定基準におけるイソ吉草酸減少率が85%以上であり、かつ、ノネナール減少率が75%以上であることを特徴とする消臭性布帛。
【選択図】なし

Description

本発明は、消臭性能に優れるセルロース繊維とポリウレタン繊維との混用布帛に関する。さらに詳しくは、本発明は、優れた消臭性を有するとともに、しなやかな風合を有し、色の鮮明性にも優れるセルロース繊維とポリウレタン繊維との混用布帛に関する。
綿等のセルロース繊維は、衣服に多く使用されているが、近年、衣服の着用時、特に夏場における日常生活の中での快適性を満足するための機能として消臭性能が求められている。
消臭性能の中でも特に高齢化社会の進行により、中高年の人が発する独特の体臭である加齢臭に対する消臭機能が求められている。
一般に、加齢臭とは、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールの各臭気成分に起因すると考えられており、加齢臭の消臭には、これら4つの成分を全て除去する機能が必要とされている。
以下の特許文献1には、各種の消臭機能を得るための方法として、酸化チタン光触媒を付着させた原繊維を編成してなる布帛が、また、以下の特許文献2には、布帛製品自体を光触媒含有処理液に浸漬して加工処理する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法では、特定の臭気に対しては効果があるものの、上述の4つの臭気成分の全てを除去することはできない。
加齢臭の中の一つであるノネナールは、加齢による生体防御機構の衰えで分解されなかった過酸化脂質と、加齢と共に分泌量が多くなるパルミトレイン酸とによるものであり、過酸化脂質による酸化伝播でバルミトレイン酸がバルミトオレイン酸ヒドロペルオキシドとなり、これが開裂分解して、ノネナールとなることから、抑制する方法として、過酸化脂質による酸化伝播を遮断するため、キュレン抽出物やオウゴン抽出物等の抗酸化剤を繊維表面に付与する方法があるが、これら抗酸化剤そのものは洗濯耐久性がないという問題がある。
また、以下の特許文献3と4には、加齢臭に対し驚くべき消臭性を発現する方法として、セルロース系繊維にメタクリル酸をグラフト共重合させた改質セルロース繊維と、ポリエステル繊維やポリウレタン繊維との複合布帛が開示されている。
しかしながら、セルロース繊維をグラフト共重合することで、強力低下や白度低下を起こし、布帛での破裂強度低下、耐摩耗性低下や、インナー、スポーツ衣料における色の鮮明性が得られないばかりか、セルロース繊維とポリエステル繊維やポリアミド繊維とを混用した場合、同色性が悪いという問題がある。
また、以下の特許文献5には、耐久的消臭性を付与する方法として、フラボン誘導体とポリカルボン酸とを付着させて熱処理する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、アンモニア臭の洗濯50回後の耐久性能が悪く、酸性臭の効果が弱いという問題がある。
このように、現状では、セルロース繊維を改質しないで使用した布帛において、加齢臭に対する消臭性能に優れ、しなやかな風合を有し、染色性に優れた染色製品は得られていない。
特開2002−030552号公報 特開2007−126764号公報 特許第4235244号公報 WO2009/101995号公報 特許第2946339号公報
本発明が解決しようとする課題は、改質しないセルロース繊維とポリウレタン繊維との混用布帛において、加齢臭に対する消臭性能に優れ、しなやかな風合を保持し、色の鮮明性に優れ、着用感に優れた消臭性布帛、及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねたところ、改質しないセルロース繊維とポリウレタン繊維との混用品において、セルロース繊維をセルロース分解酵素にて減量処理することで、セルロース繊維表面の繊維軸方向に沿って特定の大きさの筋状溝を形成させ、ポリアクリル酸で処理することで、加齢臭に対して優れた消臭性能を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]カルボキシル基が付与された改質しないセルロース繊維とポリウレタン繊維とを混用した消臭性布帛であって、洗濯50回後の、消臭加工繊維製品認定基準におけるイソ吉草酸減少率が85%以上であり、かつ、ノネナール減少率が75%以上であることを特徴とする消臭性布帛。
[2]セルロース分解酵素にて60℃以下の温度で1.5〜10%減量処理されている、前記[1]に記載の消臭性布帛。
[3]ポリカルボン酸で処理されている、前記[1]又は[2]に記載の消臭性布帛。
本発明は、セルロース繊維とポリウレタン繊維から構成される消臭性布帛であり、セルロース繊維をセルロース分解酵素で減量処理することで、セルロース繊維の表面に特定の大きさの筋状溝を形成させることで消臭性能が高められるとともに、ポリカルボン酸で処理することにより、セルロース繊維にカルボキシル基を付与することで加齢臭に対する優れた消臭性能が発揮され、消臭性能の洗濯耐久性が奏される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、改質しないセルロース繊維と後述するポリウレタン繊維から構成される布帛であり、加齢臭、特にイソ吉草酸、ノネナールに対する消臭性能に優れ、その洗濯耐久性を改良したものである。
本発明においてセルロース繊維とは、改質していない綿、麻等の天然セルロース系繊維やレーヨン、ポリノジック等の再生セルロース繊維をいい、再生セルロース繊維が好ましく使用でき、中でもキュプラ(旭化成せんい製ベンベルグ)を用いた場合、本発明の効果が最も顕著に現れる。
本発明に係る布帛においては、セルロース繊維をセルロース分解酵素で処理し、繊維軸方向に特定の大きさの筋状溝を形成することができることを特徴とする。これにより、アンモニア等の塩基性ガス、酢酸やイソ吉草酸の酸性ガスの消臭効果が高まる。特に、再生セルロース繊維(長繊維)は、セルロース分解酵素で処理する際に、繊維軸方向に特定筋状溝の幅、長さをコントロールし易いという観点からも好ましい。
本発明のセルロース繊維は、特に限定はしないが、総繊度が30〜300デシテックスでの繊維であることが好ましい。さらに断面形状は、L型断面の場合、しなやかな風合が得やすいとともに比表面積が大きくなっていることから、セルラーゼによる減量処理の効率が高まり、凹部周辺に筋状溝が形成されやすく、本発明の効果が十分に達成されるため、好ましい。
また、本発明のセルロース繊維中に、再生セルロース繊維が50%以上含まれるのが好ましく、再生セルロース繊維100%がより好ましい。その他、絹、ウール、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル繊維が45%まで含まれていてもよい。
また繊維の形態は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよい。そして、繊維が加工される糸条の形態としては、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸、エアジェット精紡糸等の紡績糸、甘撚糸〜強撚糸、仮撚加工糸、空気噴射加工糸、押し込み加工糸、ニットデニット加工糸等がある。
セルロース繊維とその他の繊維を混用する場合の糸条の形態の例としては、混紡(混綿、フリース混紡、スライバー混紡、コアヤーン、サイロスパン、サイロフィル、ホロースピンドル等)、交絡混繊、交撚、意匠撚糸、カバリング(シングル、ダブル)、複合仮撚(同時仮撚、先撚仮撚)、伸度差仮撚、位相差、仮撚加工後に後混繊、2フィード(同時フィードやフィード差)空気噴射加工等による混用形態が挙げられる。
本発明の消臭性布帛は、改質しないセルロース繊維とポリウレタン繊維が含有され、セルロース繊維とポリウレタン繊維の割合は、用途により適宜決めることができるが、概ねセルロース繊維は30%以上用い、ポリウレタン繊維は25%以下混用させた場合に好ましい結果が得られる。布帛性能や消臭性の面から、セルロース繊維が40〜90%、ポリウレタン繊維が5〜25%であることがより好ましい。また、この両繊維以外に、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ウール、シルク等を混用しても構わない。
本発明の混用布帛の形態は、糸状形態と布帛形態に大別される。
糸状形態としては、ポリウレタン繊維の裸糸(10〜500dtex)にセルロース繊維やポリエステルやナイロン等の他の繊維で被覆した糸状、例えば、いわゆるカバーリングヤーン(シングル及びダブルカバリング)、合撚糸、コアヤーン、交洛糸等、公知の被覆糸の形態が挙げられる。
布帛形態としては、編物、織物、不織布、及びこれらの複合布帛(例えば、積層布等)が挙げられる。具体例としては、いわゆる機上混用品があり、製編織時にポリウレタン繊維の裸糸(裸糸の場合は編成や製織時に、2〜4倍程度に伸長させながら)又は被覆糸を機上にてセルロース繊維や他の繊維と引き揃えて又は合糸して混用した編織物が挙げられる。
本発明における混用の形態については何ら制限されるものではなく、セルロース繊維とポリウレタン繊維が公知の混用手段によって混用されていればよい。
本発明に係る消臭性布帛においては、上記のような混用布帛を染色前に後述するセルロース分解酵素処理により、布帛重量の1.5%〜10%減量し、セルロース繊維表面に筋状溝を形成させることができる。
減量率が上記の範囲にあるとセルロース繊維表面に繊維軸長さ50μm当たり、幅0.05〜1.50μm、長さ3〜25μmの筋状溝が10個以上存在している。尚、筋状溝は、繊維軸方向に対し、ほぼ平行である必用はなく、45度まで傾いていてもよい。
このような筋状溝を有することで、繊維比表面積が増大し、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールの各臭気成分の補足量が増大し、さらにポリカルボン酸処理にて、セルロース繊維にカルボキシル基を付与することで、ポリウレタン繊維との混用布帛での消臭効果が高まり、本発明でいう加齢臭の消臭効果の高いものが得られとともに、しなやかな風合が得られ、色の鮮明性も増す。
上述の筋状溝の幅、長さの制御は、セルロース繊維の中でも再生セルロース繊維においてより容易である。
また、この筋状溝を有することで、汗をかいたときなど、水分をすばやく吸い取る力と水分を拡散させる力が発揮され、体に貼り付くことがなく、べたつき感を感じなく、すばやく乾燥させる効果や風合にしなやか性が強くなり、肌ざわり性も良好となり、着心地感の良さが向上するという効果も得られ、その効果は、繰り返し洗濯を行っても持続する。
減量率が1.5%以上であれば、筋状溝の幅が0.05μm以上、長さが3μm以上となり、個数も10個以上となり、消臭効果を高めることができ、また、しなやかな風合が得られ、色も鮮明となるため、好ましい。
一方、減量率が10%を超えると、セルロース繊維の強力低下が大きくなるという問題がある。
本発明でいうセルロース分解酵素とは、エキソグルカナーゼ、エンドグルカナーゼ、セルビアーゼ、β−グルコシダーゼ、セロビアーゼ等のセルラーゼ類をいい、それぞれ、単独で又は複数組み合わせて使用することができる。
セルロース繊維表面の筋状溝を制御する手段としては、セルロース分解酵素処理時の酵素(セルラーゼ)濃度、pH、浴比、処理温度、時間が挙げられ、処理条件としては、浴比を1:0.5〜1:50程度とし、用いるセルラーゼの活性に最適なpHとなるように、酸性活性セルラーゼの場合には酢酸やクエン酸、中性活性セルラーゼの場合にはリン酸ナトリウム、アルカリ活性セルラーゼの場合にはアンモニアや炭酸ナトリウム等の緩衝剤を単独で又は併用して使用し調整することが挙げられる。セルラーゼの使用濃度は、セルラーゼの有する活性や目指す減量率に依存して異なるが、一般には0.3〜15重量%であり、処理温度は40〜65℃であり、そして処理時間は30〜300分である。
処理後は酵素の失活処理を行うが、使用する酵素が失活する温度で処理すればよく、70〜100℃で15分〜30分間が好ましい。また、処理浴にアルカリ剤を併用することは、酵素の脱着を促進するため、好ましい。
セルロース分解酵素による処理においては、ロータリドラム染色機、パドル染色機、ウインスリール染色機、ジッガー染色機、液流染色機、気流染色機等の回転式染色装置を使用することができるが、パッド−ロール、パッド−ジッグ染色機のように拡布状で処理できる装置を使用した方が、本発明の筋状溝形成をコントロールし易いため、好ましい。
本発明に係る布帛は、セルロース繊維とポリウレタン繊維との混用布帛を染色に先立ちセルロース分解酵素にて1.5〜10.0%の減量処理を行うことが、消臭効果の観点から、好ましい。2.0〜8.5%の減量処理が、混用布帛の消臭効果の洗濯耐久性、しなやかな風合、色の鮮明性を付与することが可能となるため、より好ましい。減量処理は、精練、リラックスなどの工程の前後又は同時に実施しても構わない。
本発明に係る布帛では、ポリカルボン酸処理にてセルロース繊維にカルボキシル基を付与することで、さらに消臭性能が向上する。
本発明でいうポリカルボン酸としては、1分子中にカルボキシル基を2個以上含んでいるか又は酸無水物基を1個以上含んでいる有機化合物が好ましく使用できる。ポリカルボン酸は、カルボキシル基の数によって2塩基酸、3塩基酸、4塩基酸などに分類できるが、何れを使用しても構わない。
また、ポリカルボン酸は、カルボキシル基以外の残基がどのようなものであるかによって分類でき、例えば、脂肪族基、脂環族基、芳香族基などに分類することができ、その他、残基が水素以外の元素を含むことによって、オキシ酸、アミノ酸に分類することができる。
ポリカルボン酸として用いることができる脂肪族二塩基酸の代表的な例は、蓚酸、グルタール酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、吉草酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、それらの酸無水物等である。
脂肪族三塩基酸の代表的なものを例示すれば、1,2,3−プロパントリカルボン酸及びその酸無水物があり、脂肪族四塩基酸の代表的なものを例示すれば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸及びその無水物がある。このうちでは、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸は、再生セルロース繊維の分子構造内の2、3、6位の水酸基にカルボキシル基をきっちりと付与することができ、しかも洗濯50回後においてもセルロースの繰り返し単位であるグルコース1単位当たり15%以上のカルボキシル基が残存し、洗濯耐久性能に優れることから、好適である。
ポリカルボン酸として用いることができる脂肪族ポリカルボン酸の代表的なものは、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ナジツク酸、トリカルボキシシクロペンチル酢酸、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、及びそれらの酸無水物で示される無水マレイン酸とジエン酸の反応によるディールスアルダー化合物又はその水添物のポリカルボン酸類である。
ポリカルボン酸として使用することのできる芳香族二塩基酸の代表的なものは、フタル酸、ジフエン酸、ナフタレンジカルボン酸、及びその無水物であり、芳香族三塩基酸の代表的なものはトリメリット酸、ナフタレントリカルボン酸であり、芳香族四塩基酸の代表的なものはピロメリット酸、ナフタリンテトラカルボン酸である。
オキシ酸としては、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などを用いることができる。残基にエーテル結合を含んだポリカルボン酸としては、ポリエチレンオキシドジカルボン酸、ポリプロピレンオキシドジカルボン酸を用いることができる。また、アミノ酸としてはグルタール酸を用いることができる。
そのほか、ポリカルボン酸としては、重合体から成る酸を用いることができる。例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸−マレイン酸)、ポリ(スチレン−マレイン酸)、ポリフマル酸を用いることができる。
また、ポリカルボン酸水溶液を繊維に付与する際には、洗濯耐久性を高める上で触媒を併用するのが好ましく、触媒としては、リン酸塩または炭酸塩が適している。リン酸塩としては、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸リチウム、ピロリン酸二水素ナトリウム、トリリン酸カルシウム、ピロリン酸二水素ナトリウム、トリリン酸カリウム、オルソリン酸、次亜リン酸、亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ピロ亜リン酸、又はその中性塩や酸性塩を用いることができる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等を用いることができる。
ポリカルボン酸と触媒との好適な配合例は、ポリカルボン酸が0.1〜10重量%、触媒が0.1〜10重量%からなる混合水溶液であって、例えば、リン酸塩水溶液にポリカルボン酸を溶解させ、水溶液pHを3〜5に調整し使用するのが好ましく、繊維物性への影響を小さくする上で、水溶液pHを4〜5に調整することが、より好ましい。
本発明のセルロース繊維とポリウレタン繊維との混用布帛へのポリカルボン酸と触媒との混合水溶液の処理は、混用布帛の染色後に行うことが好ましく、混合水溶液中へ混用染色品を浸漬処理する方法、混合水溶液をパッド、スプレーする方法、コーティング方法により付与すればよく、20〜100℃の温度にて、5〜40分間浸漬処理する方法やパッド法にて付与後、90〜120℃で乾燥させ、120〜180℃で1〜5分間の熱処理を行うことが、好ましい。
本発明のセルロース繊維とポリウレタン繊維との混用布帛の染色仕上加工については、セルロース分解酵素による処理後に実施するが、その染色、仕上加工法としては、通常セルロース繊維が実施されている条件であればいずれも適用することができ、混用布帛の特性に応じ適宜設定すればよい。
また、仕上加工剤としては、セルロース繊維の風合耐久性維持の観点から、超分子化アミノ変性シリコーンを用いることが、好ましい。
本発明のポリウレタン繊維は、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオールをジオール成分とし、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートをジイソシアネート成分とし、エチレンジアミン等をジアミン成分として得られるポリエーテル系ポリウレタン繊維やポリカプロラクトンやアジピン酸/1,6−ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコールからなるポリエステル等からなるポリエステルジオール、ブタンジオール等の脂肪族ジオール等をジオール成分とし、4,4´ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートをジイソシアネート成分として得られるポリエステル系ポリウレタン繊維などから適宜に選択されるポリウレタン繊維である。
また、好ましいポリウレタン繊維としては、有機ポリイソシアネート、ポリアルキレンエーテルジオール、及びイソシアネート基と反応する活性水素含有化合物を、それぞれ、下記(イ)、(ロ)、及び(ハ):
(イ)有機ポリイソシアネート:R−(NCO)x{式中、Rは、有機残基であり、そしてxは、2以上の整数である。}、
(ロ)ポリアルキレンエーテルジオール:HO−R−OH{式中、Rは、ポリアルキレンエーテルジオールの残基である。}、
(ハ)イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物:H−R−H及び/又はR−H{式中、RとRは、活性水素含有化合物の残基である。}
で表した場合、基本的には、それらに由来する下記構造単位(A):
Figure 2012202012
{式中、lは、1以上の整数であり、そしてRとRは、上記(イ)及び(ロ)に記載したものと同じである。}、及び下記構造単位(B):
Figure 2012202012
{式中、mは、1以上の整数であり、そしてRとRは、上記(イ)及び(ハ)に記載したものと同じである。}の繰り返しにより表される構造を有する。
さらに、上記構造単位(A)、及び(B)を形成する有機ポリイソシアネート化合物の官能基数に対応して、R基に結合するウレタン結合部分又はウレア結合部分は、増減することができ、また、上記ポリウレタン重合体の末端は、−R−H又は−Rであることができる。
本発明において、ポリアルキレンエーテルジオールは、主として下記構造単位(C):
Figure 2012202012
からなるものであればよく、例えば、テトラヒドロフランの開環重合によって得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。
これ以外に、前記した構造単位(C)、及び下記構造単位(D):
Figure 2012202012
{式中、Rは、炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐アルキレン基であり、RとRは、炭素原子数1〜3のアルキル基であるか、又はRとRは、一緒になって、脂環式炭化水素残基を形成する。}からなる共重合ポリアルキレンエーテルジオールであってもよい。
共重合ポリアルキレンエーテルジオールは、下記式(1):
0.05≦(M)/(M+M)≦0.50・・・式(1)
{式中、M、及びMは、各々、当該ポリアルキレンエーテルジオール中に存在する構造単位(C)と(D)の総数であり、そして構造単位(C)と構造単位(D)は、当該ポリアルキレンエーテルジオール中にランダム状又はブロック状のどちらで存在してもよい。}で表される特定比率のアルキル基を有するものが好ましい。式(1)は、より好ましくは0.10≦(M)/(M+M)≦0.45である。
このような特定のポリアルキレンエーテルジオールは、テトラヒドロフランと、低分子ジオール又はその脱水環状低分子化合物を単独で又は組み合わせて、水和数を制御したヘテロポリ酸を触媒として反応させることにより製造することができる。製造方法としては、例えば、特開昭61−123628号公報に記載の方法が挙げられるが、これに限られるものではない。
ポリアルキレンエーテルジオールの製造において、テトラヒドロフランと共に用いることができる低分子ジオール、環状低分子化合物としては、例えば、ネオペンチルグルコール、3,3−ジメチルオキセタン、1,1−ジヒドロオキシエチルシクロヘキサン、1,1−ジヒドロオキシエチルシクロペンタン等が挙げられ、なかでも、ネオペンチルグリコール、3,3−ジメチルオキセタンが好ましい。
ポリアルキレンエーテルジオールの分子量、共重合成分構成、共重合比、末端基比率は、反応の方法及び条件を種々変化させることによって、特定の値に容易に設定することができる。
ポリアルキレンエーテルジオールの分岐鎖を有する特定の構造単位(B)と構造単位(A)であるテトラメチレン単位は、ランダム状又はブロック状のいずれで分布していてもよい。ヘテロポリ酸触媒を用いた反応ではブロック状又はランダム状いずれにも分布させることができ、ジオールの結晶性を種々効果的に変えることができ、ポリウレタンの特性に合わせて各々の結晶性を持つジオールを製造することができる。本発明においては、弾性特性の点から、ランダム状であることが好ましい。
ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量は、300〜30,000であることが好ましく、より好ましくは500〜5,000で、さらに好ましくは1,000〜4,000である。
さらに、上記ポリアルキレンエーテルジオールを、他のジオール等と任意の割合に混合又は併用使用してもよい。
他のジオールとしては、数平均分子量250〜20,000程度のジオール、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール、ポリオキシプロピレンテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、イタコン酸、アゼライン酸、マロン酸等の二塩基酸の1種又は2種以上とエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグリコール類の1種又は2種以上とから得られたポリエステルジオール、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリバレロラクトン等のポリラクトンジオール、ポリエステルアミドジオール、ポリエーテル−エステルジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
上記ポリアルキレンエーテルジオールは、前記式(1)を満足した上で、更に下記式(2):
0.06≦(T)/(T+T)≦0.70・・・式(2)
{式中、T、及びTは、各々、当該ポリアルキレンエーテルジオールの末端に存在する構造単位(C)と(D)の総数である。}で表される特定比率のアルキル基末端を有することが好ましい。
構造単位(C)及び(D)の量が前記式(1)及び(2)の範囲内にあれば、乾熱セット性、耐湿熱性、及び弾性機能に優れるポリウレタン重合体が得られる。式(2)は、より好ましくは0.12≦(T)/(T+T)≦0.54である。
本発明においては、ポリアルキレンエーテルジオールにおける構造単位(C)と構造単位(D)の末端基比率が下記式(3):
1.20≦{(T)/(T+T)}/{(M)/(M+M)}≦6.0・・・式(3)
{式中、M、M、T、及びTは、式(1)と式(2)中で定義したものと同じである。}
を満足することが好ましい。
すなわち、ポリアルキレンエーテルジオールの末端における構造単位(D)の比率が、ポリアルキレンエーテルジオール全体における構造単位(D)の比率よりも大きいことが好ましい。末端基比率が前記式(3)を満足すると、乾熱セット性の良好なポリウレタンが得られ、また、製造工程において、有機ポリイソシアネート化合物の反応性が良好で、反応が比較的短時間、低温で進行するため、副反応が生じず、アルファネート架橋結合の生成によるゲル化も生じない。
ポリアルキレンエーテルジオールの末端基比率を制御するためには、例えば、反応の終点において構造単位(D)に由来する化合物を多く加えることにより、末端基に構造単位(D)が多く存在することができる。
本発明においては、ポリアルキレンエーテルジオールと有機ポリイソシアネート化合物とを、イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物の存在下で反応させて、ポリウレタンを製造することができる。
有機ポリイソシアネート化合物としては、分子内に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有する化合物、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ビス(3−メチル−4−イソシアナートフェニル)メタン、ビス(4−イソシアナートシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物としては、例えば、(イ)水、(ロ)エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、カルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、N,N′−ビス(γ−アミノプロピル)−N,N−ジメチルエチレンジアミンなどの2官能性脂肪族ジアミン、(ハ)1官能性アミノ化合物、例えば、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチル−n−プロピルアミン、メチル−イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチル−n−ブチルアミン、メチル−イソブチルアミン、メチルイソアミルアミン等の1官能性第2級アミン、(二)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のジオール類、(ホ)本発明に用いられる前記ポリアルキレンエーテルジオール、(へ)公知の数平均分子量250〜5000程度のジオール類、及び(ト)一価アルコール類等が挙げられる。
前記の有機ポリイソシアネート化合物や活性水素含有化合物は、各々単独で用いてもよいが、必要に応じて予め混合して用いてもよい。
ポリウレタン化反応の操作に関しては、下記のような方法が好ましい。
(イ)公知のポリウレタン化反応の技術、例えば、ポリアルキレンエーテルジオールと有機ポリイソシアネート化合物とを、1:1〜1:3.0(当量比)、好ましくは1:1.3〜1:2.0の割合で有機ポリイソシアネート化合物過剰の条件下で反応させ、ウレタンプレポリマーを合成した後、該プレポリマー中のイソシアネート基に対して、イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物を添加して反応させる。
(ロ)有機ポリイソシアネート化合物、ポリアルキレンエーテルジオール、活性水素含有化合物を同時に1段で反応させるワンショット重合法で反応させる。
ウレタン化反応においては、必要に応じて、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン等の溶媒を用いてもよい。
また、本発明で用いられる各種化合物の化学量論的割合は、前記(ii)で表されるポリアルキレンエーテルジオールの水酸基と、前記(iii)で表される活性水素含有化合物の活性水素の総和が、前記(i)で表される有機ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に対して、0.9〜1.15当量であることが好ましく、1.0〜1.05当量であることがより好ましい。
本発明の上記構造のポリウレタン繊維には、特許第4002440号記載の方法にて3級窒素化合物が含有されていても構わない。
ポリウレタン繊維には、必要に応じて金属酸化物、金属水酸化物を含有させてもよく、例えば、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト類化合物等を単独又は二種以上の混合物として用いてもよい。これらの添加量としては0.1〜6.0wt%が好ましい。また、ポリウレタン繊維には、その他公知の安定剤、紫外線吸収剤等が含有されていてもよい。
このようにして得られたセルロース繊維とポリウレタン繊維とからなる混用染色布帛は、社団法人繊維評価技術協議会が定める消臭加工繊維製品認証基準(2010年4月1日版)に規定されている加齢臭に対する消臭性能に優れる。具体的には後述する、JTETC消臭性区分「加齢臭」消臭試験における、JTETCが定める消臭加工繊維製品認証基準によるイソ吉草酸の減少率は、85以上、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上であり、かつ、ノネナールの減少率は、75%以上で、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。
更に、上記試験における、アンモニアの減少率70%以上、酢酸の減少率80%以上を同時に達成することが好ましい。より好ましくはアンモニアの減少率75%以上、酢酸の減少率85%以上、さらに好ましくはアンモニアの減少率80%以上、酢酸の減少率90%以上である。
本発明の消臭性布帛は、繰り返し洗濯した後でも、上記試験における加齢臭消臭性能に優れることを特徴とする。具体的には、JIS−L−0217−103法による洗濯を50回繰り返した後の布帛でも、上記消臭性能を維持することができる。
本発明の消臭性布帛は上記消臭性能に加え、色の鮮明性に優れ、しなやかな風合を有し、かつ、堅牢度性能も良好であり、具体的には、JIS−L−0848 A法における汗アルカリ堅牢度が3級以上である商品価値の高い染色品である。
以下、本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、実施例等で用いた特性値の測定法を示す。
(1)JTETC消臭性区分「加齢臭」消臭試験
臭気成分としてアンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナール(2−ノネナール;CAS番号463−53−8)の4成分を用いて消臭試験を行い、下記の方法により消臭性能を評価した。
<消臭性能評価>
JTETCが定める消臭加工繊維製品認証基準に従い、上記4成分について機器分析を行った。尚、洗濯はJIS−L−0217−103法に従い実施した。
機器分析試験:容器に臭気成分とサンプルを入れ、2時間放置後の臭気成分の残留濃度(2時間後の試料試験濃度)を測定した。臭気成分のみを入れた容器の残留濃度を空試験濃度として、下記式:
減少率(%)=(2時間後の空試験濃度−2時間後の試料試験濃度)/(2時間後の空試験濃度)×100
により、臭気成分の減少率を計算した。アンモニアと酢酸は検知管法により、イソ吉草酸とノネナールはガスクロマトグラフィー法により測定した。
判定は、アンモニアの減少率70%以上、酢酸の減少率80%以上、イソ吉草酸の減少率85%以上、ノネナールの減少率75%以上の条件を全て満足する場合を合格「(○」、それ以外を不合格「×」と判定した(以下、表2と表3を参照のこと)。
<官能試験>
判定者6名のうち、5名以上が下記基準により臭気を弱と判断した場合を合格とした(以下、表2と表3を参照のこと)。
臭気「強」:判定臭ガスより強い場合
臭気「弱」:判定臭ガスと比較して同等もしくはより弱い場合
(2)セルロース繊維表面の筋状溝の状態
走査型電子顕微鏡(日立製作所製、形式S−3500N)を用いて、試料のセルロース繊維表面を1800倍に拡大し、適宜に5ヶ所写真撮影し、スケールゲージと比較して、筋状溝の幅、長さ、及び数を測定し、繊維長50μm当りの数(個)を算出して平均値を求めた。
(3)洗濯条件
JIS L−0217 103法に従って、50回行った。尚、洗剤は、花王製アタック 1g/Lを用いた。
(4)風合い評価
検査者(30人)の感触によって染色品の洗濯10回後の布帛を、以下の評価基準に従って相対評価した。
○:しなやか感がよい
△:しなやか感はやや劣る
×:しなやか感がない
(5)汗アルカリ堅牢度
染色品について、JIS−L−0848−A法に準じて汗アルカリ人工汗液を用いて評価した。試験片の変褪色と添付白布片の汚染の程度を、それぞれ、変褪色用グレースケール、汚染用グレースケールと比較して判定した。
(6)色の鮮明性(彩度)
染色布帛を分光光度計(グレタグマクベス社製、形式;CE−7000A、D65光源)を用いて、Lab表色系におけるa値とb値を測定し、下記式:
彩度=√(a+b
により、彩度を計算した。この値が大きい程、彩度が高く、色が鮮明であり、値が小さい程、彩度が低く、色がくすんでいることを示す。
(7)同色性
セルロース繊維とナイロン6繊維との明度差が少なく、色相差、彩度差、イラツキが少ないものを良好とし、以下の評価基準に従って5段階に判定した。
5級:良好
4級:やや良好
3級:普通
2級:やや劣る
1級:劣る
[実施例1]
84dtex/45fのキュプラ(旭化成せんい製ベンベルグ)と33dtexのポリエーテル系ポリウレタン繊維(旭化成せんい製ロイカCR)を用い、常法により36ゲージにてベアー天竺丸編地を作製した。このときのポリウレタン繊維の混率は13wt%であった。
次いで、拡布状で60℃でプレウエットした後、185℃でプレセットを行い、下記に示す酵素処理条件を用い、減量率が5.5%となるように液流染色機を用い処理時間を調整し、減量処理を行った。
<酵素処理条件>
酵素溶液:セルラーゼT(天野エンザイム社製、エンド+エキソ型セルラーゼ)8%omf
pH:4.5(酢酸と酢酸ナトリウムにて調整)
助剤:イマコール C2GL:4g/L
浴比:1:30
処理温度:45℃
処理後は、80℃で15分間の失活処理を行った後、水洗を行い、下記の条件にて染色を行った。
<染色条件>
反応染料:レマゾール ターコイズ ブルー G:1.0%omf
炭酸ナトリウム:10g/リットル
芒硝:30g/リットル
助剤:イマコール C2GL(浴中柔軟剤):4g/L
浴比:1:20
染色温度:60℃
染色時間:50分
染色後は、90℃で湯洗及び水洗を繰り返し、脱水後、下記の条件にてポリカルボン酸加工をパッド法にて行い、熱処理をして仕上げた。
<加工条件>
リカシッドBT−W:2.5%(新日本理化株製1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸)
第2リン酸ソーダー(無水):2.5%
混合水溶液のpH:4.1
ピックアップ率:70%
乾燥温度、時間:110℃、3分
熱処理温度、時間:160℃、1分
仕上げた染色布帛の目付は215g/m、コース密度は112本/インチ、ウエル密度61本/であった。
仕上げた染色布帛を電子顕微鏡にて1800倍の倍率にて観察したとき、セルロース繊維表面には、繊維長50μmあたり、幅0.4μm、長さ8.8μmの筋状溝が16本存在していた。
得られた染色布帛の消臭性能、風合、鮮明性、汗アルカリ堅牢度の評価結果を以下の表2に、洗濯50回後の消臭性能、風合の評価結果を、以下の表3に示す。
表2と表3中の結果から、実施例1で得られた布帛は、消臭性能に優れ、かつしなやかな風合を有し、色の鮮明性が高く、商品価値の高い染色布帛であることがわかる。
尚、以下の表1に、実施例1〜6、及び比較例1〜4で得られた布帛の構成を示す。
[比較例1]
比較例1として、実施例1で得られたベアー天竺丸編地を用い、同様の方法にて染色を行い、同じ性量となるように熱セットを行い仕上げた。
得られた染色布帛の消臭性能、風合、汗アルカリ堅牢度の評価結果を、以下の表2に、洗濯50回後の消臭性能、風合の評価結果を、以下の表3に示す。
表2と表3中の結果から、本発明の実施例1で得られた染色布帛は、比較例1で得られた布帛に比べ、消臭性能の優れる商品価値の高い染色布帛であることが分かる。
[比較例2]
比較例1として、実施例1で得られたベアー天竺丸編地を用い、同様の方法にて染色を行い、染色後、下記の条件にて、仕上加工を行い、同じ性量となるように熱セットを行い仕上げた。
<加工条件>
カメリア1D253:2.5%(日進香料社製、フラボン誘導体)
リカシッドBT−W:2.5%
第2リン酸ソーダー(無水):2.0%
ピックアップ率:70%
乾燥温度、時間:110℃、3分
熱処理温度、時間:160℃、1分
得られた染色布帛の消臭性能、風合、汗アルカリ堅牢度の評価結果を、以下の表2に、洗濯50回後の消臭性能、風合の評価結果を、以下の表3に示す。
表2と表3中の結果から、本発明の実施例1で得られた染色布帛は、比較例2で得られた布帛に比べ、消臭性能の優れる商品価値の高い染色布帛であることが分かる。
[実施例2]
数平均分子量1800のポリテトラオキシメチレングリコールに4,4’−ジフェニルメタンイソシアネートを当量比1:1.6の割合で加え、乾燥窒素雰囲気下、80℃において3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。これを室温まで冷却した後、N,N’−ジメチルアセトアミドを加え、溶解してポリウレタンプレポリマー溶液を得た。エチレンジアミン及びジエチルアミンをN,N’−ジメチルアセトアミドに溶解した溶液を用意し、これを前記プレポリマー溶液に室温下添加して、固形分濃度30%のポリウレタン溶液を得た。この溶液を脱泡し、通常の乾式紡糸法により33dtexのポリウレタン繊維を得た。
次に、84dtex/45fのキュプラ(旭化成せんい製ベンベルグ)と上記の33dtexのポリウレタン繊維を用い、常法により36ゲージにてベアー天竺丸編地を作製した。このときのポリウレタン繊維の混率は13wt%であった。
次いで、拡布状で60℃でプレウエットした後、185℃でプレセットを行い、実施例1と同様の条件にて染色した。
染色後は、90℃で湯洗及び水洗を繰り返し、脱水後、実施例1と同様の方法にてポリカルボン酸加工を行い、仕上げた。
仕上げた染色布帛の目付は、215g/m、コース密度112本/インチ、ウエル密度61本/インチであった。
仕上げた染色布帛の消臭性能、風合、汗アルカリ堅牢度の評価結果を、以下の表2に、洗濯50回後の消臭性能、風合の評価結果を、以下の表3に示す。
また、洗濯50回後の染色布帛において、キュプラ中のグルコース1単位当たり、カルボキシル基は19%付着していた。
表2と表3中の結果から、実施例2で得られた布帛は、消臭性能に優れ、かつしなやかな風合を有し、色の鮮明性が高く、商品価値の高い染色布帛であることが分かる。
[実施例3]
実施例2で得られたベアー天竺丸編地をプレセット後、染色前に実施例1に示す酵素処理条件を用い、減量率が5.8%となるように液流染色機を用い処理時間を調整し、減量処理を行った。
処理後は、80℃で15分間の失活処理を行った後、水洗を行い、実施例1と同様の条件にて染色、ポリカルボン酸加工を行い、仕上げた。
得られた染色布帛を電子顕微鏡にて1800倍の倍率にて観察したとき、セルロース繊維表面には、繊維長50μmあたり、幅0.4μm、長さ9.0μmの筋状溝が16本存在していた。
得られた染色布帛の消臭性能、風合、鮮明性、汗アルカリ堅牢度の評価結果を以下の表2に、洗濯50回後の消臭性能、風合の評価結果を、以下の表3に示す。
表2と表3中の結果から、実施例3で得られた布帛は、消臭性能に優れ、かつしなやかな風合を有し、色の鮮明性が高く、商品価値の高い染色布帛であることが分かる。
[比較例3]
比較例3として、実施例2で得られたベアー天竺丸編地をプレセット後、実施例2と同様の方法にて染色を行い、同じ性量となるように熱セットを行い仕上た。
得られた染色布帛の消臭性能、風合、汗アルカリ堅牢度の評価結果を、以下の表2に、洗濯50回後の消臭性能、風合の評価結果を、以下の表3に示す。
表2と表3中の結果から、本発明の実施例2、3で得られた染色布帛は、比較例3で得られた布帛に比べ、消臭性能の優れる商品価値の高い染色布帛であることが分かる。
[実施例4]
44dtex/44fのナイロン6繊維を常法により仮撚加工を行い、加工工程中に84dtex/45fのキュプラを挿入し、インターレース混繊し、複合糸を得た。
この複合糸と実施例3の33dtexのポリウレタン繊維を用い、常法により28ゲージにて、ベアー天竺丸編地を作製した。この編地中のセルロース繊維の混用率は54%で、ナイロン6繊維の混用率は34%で、ポリウレタン繊維の混用率は12wt%であった。
次いで、拡布状で60℃でプレウエットした後、185℃でプレセットを行い、下記条件にて染色した。
<染色条件>
反応染料:カヤセロンリアクト イエロー CN−EX:0.019%omf
カヤセロンリアクト レッド CN−603:0.019%omf
酸性染料:アミニールイエロー FD−5GL:0.018%omf
アミニールレッド FD−3BL:0.037%omf
助剤:カヤクバッファP−7:1g/L
イマコール C2GL:4g/L
芒硝:10g/リットル
浴比:1:25
染色温度:100℃
染色時間:40分
染色後は、80℃で湯洗及び水洗を繰り返し、脱水後、実施例1と同様の方法にてポリカルボン酸加工を行い仕上げた。仕上げた染色布帛の目付は160g/m、コース密度59本/インチ、ウエル密度45本/インチに仕上げた。
仕上げた染色布帛の消臭性能、風合、汗アルカリ堅牢度の評価結果を、以下の表2に、洗濯50回後の消臭性能、風合の評価結果を、以下の表3に示す。
表2と表3中の結果から、実施例4で得られた布帛は、消臭性能に優れ、かつしなやかな風合を有し、色の鮮明性が高く、商品価値の高い染色布帛であることが分かる。
[実施例5]
実施例4で得られたベアー天竺丸編地をプレセット後、染色前に実施例1に示す酵素処理条件を用い、減量率が3.5%となるように液流染色機を用い処理時間を調整し、減量処理を行った。
処理後は、80℃で15分間の失活処理を行った後、水洗を行い、実施例4と同様の条件にて染色を行い、染色後に実施例1と同様のポリカルボン酸加工を行い、仕上げた。
得られた染色布帛を電子顕微鏡にて1800倍の倍率にて観察したとき、セルロース繊維表面には、繊維長50μm当り、幅0.2μm、長さ8.3μmの筋状溝が13本存在していた。
得られた染色布帛の消臭性能、風合、鮮明性、汗アルカリ堅牢度の評価結果を以下の表2に、洗濯50回後の消臭性能、風合の評価結果を、以下の表3に示す。
表2と表3中の結果から、実施例5で得られた布帛は、消臭性能に優れ、かつしなやかな風合を有し、色の鮮明性が高く、商品価値の高い染色布帛であることが分かる。
[比較例4]
比較例4として、実施例4で得られたベアー天竺丸編地をプレセット後、実施例4と同様の方法にて染色を行い、同じ性量となるように熱セットを行い仕上げた。
得られた染色布帛の消臭性能、風合、汗アルカリ堅牢度の評価結果を、以下の表2に、洗濯50回後の消臭性能、風合の評価結果を、以下の表3に示す。
表2と表3中の結果から、本発明の実施例4、5で得られた染色布帛は、比較例4で得られた布帛に比べ、消臭性能の優れる商品価値の高い染色布帛であることが分かる。
Figure 2012202012
Figure 2012202012
Figure 2012202012
本発明の消臭性布帛は、特にインナー分野、スポーツ衣料分野で好適に利用できる。

Claims (3)

  1. カルボルキシル基が付与された改質しないセルロース繊維とポリウレタン繊維とを混用した消臭性布帛であって、洗濯50回後の、消臭加工繊維製品認定基準におけるイソ吉草酸減少率が85%以上であり、かつ、ノネナール減少率が75%以上であることを特徴とする消臭性布帛。
  2. セルロース分解酵素にて60℃以下の温度で1.5〜10%減量処理されている、請求項1に記載の消臭性布帛。
  3. ポリカルボン酸で処理されている、請求項1又は2に記載の消臭性布帛。
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