JPH11229277A - ポリウレタン弾性繊維及びその弾性布帛 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維及びその弾性布帛

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JPH11229277A
JPH11229277A JP10046401A JP4640198A JPH11229277A JP H11229277 A JPH11229277 A JP H11229277A JP 10046401 A JP10046401 A JP 10046401A JP 4640198 A JP4640198 A JP 4640198A JP H11229277 A JPH11229277 A JP H11229277A
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fiber
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタン弾性繊維を他の天然繊維や化学
繊維、合成繊維との弾性布帛を製造するに際して、ポリ
ウレタン弾性繊維が紡糸工程でフィルター詰まりが無
く、紙管パッケージからの解じょ性に優れ、糸切れやス
カムの発生のない加工性に優れた弾性繊維を提供する。
さらにこの弾性繊維によって提供される弾性布帛は、布
帛編み面の品位が良好で、かつ水泳プール中の活性塩素
環境下における塩素耐久性も優れている。 【解決手段】 マグネシウム、亜鉛、アルミニウムから
選択された金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物、ハイ
ドロタルサイト化合物を含有したポリウレタン弾性繊維
であり、かつ該弾性繊維に混合処理剤としてポリアルキ
ルシロキサン、鉱物油、リン酸エステル化合物類を有効
量付着せしめたポリウレタン弾性繊維及びそれからなる
弾性布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】有機ジイソシアネート、ポリ
マージオールおよび多官能性活性水素原子を有する鎖延
長剤から得られるポリウレタン重合体からなるポリウレ
タン弾性繊維及びその弾性布帛に関する。更に詳しく
は、巻き取りパッケージからの解じょ性に優れ、糸の走
行時において、糸切れも無く、また糸導へのスカム堆積
もなく、更に、プールに使用される殺菌用活性塩素に対
して塩素耐久性能が向上し、塩素耐久性と糸の取り扱い
性が同時に向上したポリウレタン弾性繊維及びそれとポ
リアミド系繊維又はポリエステル系繊維とからなる弾性
布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にスパンデックスと呼ばれるポリウ
レタン弾性繊維は、適度のゴム弾性を有し、優れた性質
を有する。そのため、ポリエステル、ポリアミド等の各
種繊維と交編、交織され、染色加工された交編織生地
は、各種ストレッチ素材衣料やスポーツ衣料として最近
ますます広範に使用されている。本発明は、加工工程に
おける操作性と耐塩素性能とが同時に優れるポリウレタ
ン弾性繊維及びその弾性布帛に関するものである。プー
ル中で殺菌用活性塩素の濃度0.5〜3ppmの塩素水
に繰り返し暴露されると、ポリウレタン弾性繊維は塩素
により劣化して物理的性能が低下する。その結果、その
弾性布帛の水着は、着用時に人体着圧が低下して、水泳
中に水圧や水流により、肌から水着がずれたり、更に劣
化が進むと、水着生地中のポリウレタン弾性繊維が断糸
し、生地のパワー低下や生地が薄くなり透けて見える問
題があった。
【0003】ポリウレタン弾性繊維の塩素耐久性の改善
に関しては、従来より各種塩素劣化防止剤の添加が提案
されている。例えば、酸化亜鉛(特公昭60−4344
4号公報)、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム(特
公昭61−35283号公報)、ハイドロタルサイト類
化合物(特開昭59−133248号公報)、酸化マグ
ネシウムと酸化亜鉛の固溶体(特開平6−81215号
公報)などの金属化合物をポリウレタン弾性繊維に添加
し、塩素耐久性を改善する方法が提案されている。本出
願人も、ポリウレタン弾性繊維に優れた耐塩素性能を有
する金属化合物(特願平09−029170号)を提案
した。しかしながら、40デニール以下の細いポリウレ
タン弾性繊維が他の天然繊維や化学繊維、合成繊維とを
交編・交織し、布帛に染色加工される場合、巻き取りパ
ッケージからの解じょ性が不良で、解じょ応力が高い場
合、糸切れが多発して整経や編み経てが困難になる。
【0004】このようなポリウレタン弾性繊維の加工性
を向上するためにポリウレタン弾性繊維用の各種油剤の
検討が行われてきた。例えば、特開平7−173770
号公報及び特開平9−49167号公報に、ポリウレタ
ン弾性繊維用としてアルキルホスフェート金属(Na、
K、Li等)塩とアルキルホスフェートアミン塩とを含
む紡糸油剤が提案されている。しかしながら、これらの
アルキルホスフェート金属塩では、長時間使用するとス
カムが糸道に堆積して、糸切れやテンションのばらつき
の原因になり、取り扱い性の低下や布帛編み面の表面品
位が低下する問題があった。
【0005】更には、アルキルホスフェート金属塩を紡
糸用油剤中に長時間安定に均一分散混合するのも困難で
あった。その結果、ポリウレタン弾性繊維に糸長方向に
付着斑を生じさせることもあった。また、特公昭48−
38622号公報には、アルキルホスフェート金属塩を
ポリマー中に分散混合して紡糸する方法も提案させれて
いるが、紡糸原液中での溶解性や分散性不良による紡口
やフィルターに詰まりの為に、紡糸時の生産安定上の問
題があった。更には、整経工程、編み経て工程でアルキ
ルホスフェート金属塩がスカムになる問題もあった。よ
って、ポリウレタン弾性繊維の取り扱い性や生地品位を
向上させ、さらには耐塩素性能を同時に満足出来る段階
には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
ウレタン弾性繊維の前記生産上の課題を解決し、交編織
物編成工程においての取り扱い性を向上し、同時に、耐
塩素性の向上したポリウレタン弾性繊維及び商品として
の生地品位と耐塩素性の向上した弾性布帛を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の金属化合
物を特定量含むポリウレタン弾性繊維に特定の混合処理
剤を特定量付着してなるポリウレタン弾性繊維が前記課
題を解決することを見出し、本発明を完成するに到っ
た。すなわち本発明は、ポリウレタン重合体からなる下
記(a)を満足する弾性繊維において、該弾性繊維に下
記(b)を満足する混合処理剤が、弾性繊維重量100
重量部に対して0.5〜10重量部付着してなるポリウ
レタン弾性繊維である。
【0008】(a)ポリウレタン重合体100重量部に
対して、金属化合物として0.1〜10重量部のMg、
Zn,Alから選択された金属の酸化物、複合酸化物、
水酸化物、ハイドロタルサイト化合物の群から選ばれる
1種又は2種以上の金属化合物を含有する弾性繊維。 (b)25℃で5〜30cstのポリアルキルシロキサ
ンと5〜30cstの鉱物油との比が100/0〜50
/50である処理剤100重量部に対して、下記式
(1)で表されるリン酸エステル化合物類が0.01〜
10重量部存在する混合処理剤。
【0009】
【化2】 (但し、Rは炭素原子数1〜30の直鎖又は分岐したア
ルキル基、アルコオキシポリオキシアルキレン基、炭素
原子数5〜6のシクロアルキル基、炭素原子数1〜10
アルキル基が置換した炭素原子数5〜6のシクロアルキ
ル基、nは1〜2の整数を示す。)
【0010】好ましくは、ポリウレタン弾性繊維に含有
される金属化合物が、ZnO、MgO、ZnOとMgO
の複合酸化物、2価の金属M(但し、MはZn及びMg
から選択される少なくとも1種を表わす。)とAlを含
みAlに対する2価の金属Mのモル比が1〜5である複
合酸化物、ハイドロタルサイト化合物の群から選ばれる
1種又は2種以上からなるポリウレタン弾性繊維であ
る。更に、前記の本発明のポリウレタン弾性繊維とポリ
アミド系繊維又はポリエステル系繊維とからなる弾性布
帛である。
【0011】本発明のポリウレタン重合体の原料の1つ
である高分子量ジオールとしては、両末端に水酸基を持
つ分子量500〜5000の実質的に線状の高分子体で
あり、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレン
グリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール等の
ホモポリエーテルジオール又は炭素原子数2から6の2
種以上のオキシアルキレンから構成される両末端が水酸
基からなる共重合ポリエーテルジオール;アジピン酸、
セバチン酸、マレイン酸、イタコン酸、アゼライン酸、
マロン酸等の二塩基酸の一種または二種以上とエチレン
グリコール、1,2ープロピレングリコール,1,3ー
プロピレングリコール,2,2ージメチルー1,3ープ
ロパンジオール,1,4ーブタンジオール、1,3ーブ
タンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,10ーデカンジオール、1,3ージメ
チロールシクロヘキサン、1,4ージメチロールシクロ
ヘキサン等のグリコールの一種または二種以上とから得
られたポリエステルジオール;又はポリエステルアミド
ジオール;ポリエステルエーテルジオール;ポリーεー
カプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール
等のポリラクトンジオール;ポリカーボネートジオール
等が挙げられる。好ましくはポリオキシテトラメチレン
グリコール、共重合ポリ(テトラメチレン・ネオペンチ
レン)エーテルジオール、共重合ポリ(テトラメチレン
・2−メチルブチレン)エーテルジオールである。
【0012】有機ジイソシアネートとしては、例えば脂
肪族、脂環族、芳香族のジイソシアネートの中で、反応
条件下で溶解又は液状を示す物全てを適用できる。例え
ば、メチレンービス(4ーフェニルイソシアネート)、
メチレンービス(3ーメチルー4ーフェニルイソシアネ
ート)、2,4ートリレンジイソシアネート、2、6ー
トリレンジイソシアネート、mー及びpーキシリレンジ
イソシアネート、α,α,α’,α’ーテトラメチルー
キシリレンジイソシアネート、mー及びpーフェニレン
ジイソシアネート、4,4’ージメチルー1,3ーキシ
リレンジイソシアネート、1ーアルキルフェニレンー
2,4及び2,6ージイソシアネート、3ー(αーイソ
シアネートエチル)フェニルイソシアネート、2,6ー
ジエチルフェニレンー1,4ージイソシアネート、ジフ
ェニルージメチルメタンー4,4ージイソシアネート、
ジフェニルエーテルー4,4’ージイソシアネート、ナ
フチレンー1,5ージイソシアネート、1,6ーヘキサ
メチレンジイソシアネート、メチレンービス(4ーシク
ロヘキシルイソシアネート)、1,3ー及び1,4ーシ
クロヘキシレンジイソシアネート、トリメチレンジイソ
シアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソフォロンジイソシアネート等が挙げられ
る。好ましくは、メチレンービス(4ーフェニルイソシ
アネート)である。
【0013】多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤と
しては、例えば、ヒドラジン、ポリヒドラジン、炭素原
子数2〜10の直鎖または分岐した脂肪族、脂環族、芳
香族の活性水素を有するアミノ基を持つ化合物で例えば
エチレンジアミン、1,2プロピレンジアミン、特開平
5ー155841号公報に記載されているウレア基を有
するジアミン類等のジアミン、ヒドロキシルアミン、水
等であり、また低分子量のグリコール、例えばエチレン
グリコール、1,2ープロピレングリコール、1,3ー
プロピレングリコール、2,2ージメチルー1,3ープ
ロパンジオール、1,4ーブタンジオール、1,3ーブ
タンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,10ーデカンジオール、1,3ージメ
チロールシクロヘキサン、1,4ージメチロールシクロ
ヘキサン等を用いることが出来る。好ましくは、エチレ
ンジアミン、1,2プロピレンジアミンである。
【0014】単官能性活性水素原子を有する末端停止剤
としては、例えばジエチルアミンのようなジアルキルア
ミン等が用いられる。これらの鎖伸長剤、末端停止剤
は、単独又は、2種以上混合して用いても良い。ポリア
ルキレンエーテルジオール、ジイソシアネート化合物お
よびジアミン化合物を用いたポリウレタン重合体を製造
する方法に関しては、公知のポリウレタン化反応の技術
を用いることができる。たとえば、ポリアルキレンエー
テルジオールと有機ジイソシアネートとを、1:1.2
〜2.0、好ましくは1:1.3〜1.8(モル比)の
割合で反応させ、両末端にイソシアネート基を有するウ
レタンプレポリマーを合成し、ウレタン部分を得る。次
いで、このウレタンプレポリマーをジアミン化合物、グ
リコール化合物で鎖伸長反応を行い、ポリウレタン重合
体を得ることができる。
【0015】ポリウレタン化反応の操作に関しては、ウ
レタンプレポリマー合成時やこのウレタンプレポリマー
と活性水素含有化合物との反応時に、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等
の溶剤を用いてもよい。また、本発明で用いられる各種
化合物の化学量論的割合は、ポリアルキレンエーテルジ
オールの水酸基とジアミン化合物等の活性水素の総和
が、イソシアネート化合物のイソシアネート基に対して
1.00〜1.07等量であることが望ましい。
【0016】本発明における金属化合物は、Mg、Z
n,Alから選択された金属の酸化物、複合酸化物、水
酸化物、ハイドロタルサイト化合物を1種又は2種以上
の金属化合物である。このような金属化合物としては、
例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化
亜鉛、水酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニ
ウム、ハイドロタルサイト化合物(一例を挙げれば、例
えばMg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2 O)
および2価金属M(但し、Mは亜鉛およびマグネシウム
から選択される少なくとも1種を表わす。)とアルミニ
ウムを含みアルミニウムに対する2価金属のモル比が1
〜5である複合酸化物がある。特に好ましい金属化合物
は、MgO、ZnO、MgOとZnOの複合酸化物、ハ
イドロタルサイト化合物、及び例として下記式で表され
る以下の複合酸化物などである。
【0017】
【化3】 2ZnO・ZnAl2 O4 3ZnO・ZnAl2 O4 4ZnO・ZnAl2 O4 5ZnO・ZnAl2 O4 これらの複合酸化物は、例えば、ハイドロタルサイト化
合物を焼成して得ることができる(特公昭51−376
40号公報および特公昭51−20997号公報)が、
これに限定されない。
【0018】本発明に使用される金属化合物類は、塩素
劣化防止効果を高めるために、ポリウレタン重合時に原
料モノマーと同時に添加すしても良いし、又はポリウレ
タン弾性繊維の紡糸工程前のいずれかの段階において添
加することができる。一般には、ポリウレタン重合終了
後に添加するのが好ましい。添加量はポリウレタン重合
体100重量部に対して0.1〜10.0重量部、好ま
しくは0.5〜7.0重量部の範囲である。これらの金
属化合物の10.0重量部以上の過剰な添加は生産時の
紡糸安定性やポリウレタン弾性繊維の弾性回復性に悪影
響を及ぼすため好ましくなく、また0.1重量部以下で
は耐塩素性能の充分な効果が期待できない。
【0019】本発明におけるこれらの金属化合物は、平
均粒径1μm以下の微細な粉末であることが紡糸安定性
から好ましい。場合によっては、これら無機金属化合物
粒子の表面を脂肪酸、脂肪酸エステル、シラン系カップ
リング剤、チタネート系カップリング剤またはこれらの
混合物で表面処理をしてもよい。このようにして得られ
た金属酸化物を含有するポリウレタン重合体は通常の方
法で乾式紡糸、溶融紡糸、湿式紡糸を行い、紙管パッケ
ージに巻き取る前に、ポリウレタン弾性繊維にロールオ
イリング、ガイドオイリング、スプレーオイリング等の
公知の方法によって所定量の本発明の混合処理剤を付与
できる。
【0020】弾性繊維に混合処理剤を付着させる方法と
して、ポリアルキルシロキサンと鉱物油とリン酸エステ
ル化合物とを段階的に分けて付着させても良い。すなわ
ち、先にリン酸エステル化合物を付着させた後にポリア
ルキルシロキサンと鉱物油を付着させても良いし、あら
かじめポリアルキルシロキサンと鉱物油を付着させ後に
リン酸エステル化合物を付着させても良いし、ポリウレ
タン弾性繊維に同時に混合処理剤として付着させてもよ
い。
【0021】本発明で使用される混合処理剤は主成分
が、25℃で5〜30cstのポリアルキルシロキサン
と5〜30cstの鉱物油との比が100/0〜50/
50である。ポリアルキルシロキサンの代表例はジメチ
ルシロキサンである。より好ましいポリアルキルシロキ
サン及び鉱物油の粘度は各々25℃で8〜15cstで
ある。本発明に用いられるリン酸エステル化合物類は、
式(1)で表される化合物である。
【0022】リン酸エステルの好ましい例としては、モ
ノ又はジメチルアシッドホスフェイト、モノ又はジエチ
ルアシッドホスフェイト、モノ又はジプロピルアシッド
ホスフェイト、モノ又はジイソプロピルアシッドホスフ
ェイト、モノ又はジブチルアシッドホスフェイト、モノ
又はジラウリルアシッドホスフェイト、モノ又はジステ
アリルアシッドホスフェイト、モノ又はジ(2−エチル
ヘキシル)アシッドホスフェイト、モノ又はジイソデシ
ルアシッドホスフェイト、モノ又はジブトキシエチルア
シッドホスフェイト、モノ又はジオレイルアシッドホス
フェイト、モノ又はジテトラデシルアシッドホスフェイ
ト、モノ又はジ(2−ヒドロキシルエチル)メタクリレ
ートアシッドホスフェイト、ポリオキシアルキレングリ
コールアルキレンエーテルアシッドホスフェイト類が挙
げられる。これらのリン酸エステル類はモノ体でもジ体
でも、それらの単独でも、また異なる数種を混合して使
用しても良い。
【0023】リン酸エステル化合物は、式(1)中のR
の炭素原子数1〜30の内、好ましくは炭素原子数3〜
25のものが好ましい。更に好ましくは炭素数10〜2
0のものである。本発明の混合処理剤におけるリン酸エ
ステル化合物類のポリアルキルシロキサン及び鉱物油の
単独又は混合処理剤への割合は、処理剤100重量部に
対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重
量部の範囲である。リン酸エステルとポリアルキルシロ
キサン及び鉱物油を混合させて用いる場合、その混合方
法はリン酸エステルが液体状であればホモミキサー等を
用いて高速撹拌することによって均一に分散又は溶解さ
せることが出来る。
【0024】リン酸エステルが室温で固体であれば、ポ
リアルキルシロキサン及び鉱物油の単独又は混合処理剤
に添加混合するリン酸エステルの融点以上に過熱した状
態で、リン酸エステルも融点以上に加熱して添加しホモ
ミキサー等を用いて高速撹拌することによって均一分散
又は溶解させることが出来る。ポリウレタン弾性繊維1
00重量部に対して、本発明のリン酸エステル化合物、
ポリアルキルシロキサン及び鉱物油からなる混合処理剤
を0.5〜10重量部付着することで効果が発揮でき
る。好ましくは1〜8重量部、更に好ましくは2〜6重
量部の範囲である。
【0025】本発明の作用効果は明確ではないが、推定
すると、該弾性繊維に含まれる繊維表面付近の本発明の
金属化合物と混合処理剤に含まれるリン酸エステル化合
物の一部分とが反応し、繊維表面に効果的にリン酸エス
テルの本発明の金属塩例えば、リン酸エステルのZn
塩、Mg塩等を形成し、効果的にリン酸エステル金属塩
を糸表面付近のみに存在させることが可能となり、本発
明の効果を生じさせたと考えられる。よってリン酸エス
テル金属塩が引き起こす繊維生産上のフィルター詰まり
等の問題点も本発明によって解消でき、更に繊維の潤滑
性と耐塩素性能を同時に向上させたと推測される。
【0026】ポリウレタン重合体組成物には、上記無機
金属化合物以外に、ポリウレタン弾性繊維に用いられる
公知の有機または無機化合物の添加剤、例えば、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、黄変防止剤、熱変色防
止剤、粘着防止剤、顔料、帯電防止剤、防黴剤、着色
剤、充填剤等を併用して添加してもよい。この様にして
得られたポリウレタン重合体組成物を、公知の乾式、溶
融、湿式の紡糸法等により紡糸する。
【0027】紡糸したポリウレタン弾性繊維に本発明の
混合処理剤成分に追加して、ポリエステル変性シリコ
ン、ポリエーテル変性シリコン、ポリオルガノシロキサ
ン、アミノ変性シリコン、アミノエーテル変性シリコ
ン、鉱物油、タルク、シリカ、コロイダルアルミナ等の
鉱物性徴粒子、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩粉末、高級脂肪族カ
ルボン酸、高級脂肪族アルコール、パラフィン、ポリエ
チレン等の常温で固体のワックスなどを本発明の効果を
損なわない限度において、付与しても良い。本発明に用
いられるポリウレタン弾性繊維は、単体で編織されるこ
とはなく、他の天然繊維、化学繊維、合成繊維と交編織
されて布帛となり、染色仕上げ加工後、縫製されて製品
となる。
【0028】本発明におけるポリウレタン弾性繊維は、
交編織物となる他の繊維を選択しない。しかしながら、
水着製品の着用時の摩耗や伸縮疲労に対する耐久性、着
用時に人体が感じる風合いの快適さ、あるいは製品の形
態安定性から、現状では合成繊維が広く使用されてい
る。合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレン
テレフタレート、ジオール成分としてポリテトラメチレ
ングリコールとエチレングリコールを主成分として含む
共重合ポリテレフタレート、及びそれらのカチオン可染
ポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリ
アミド、ポリアクリル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリビニルアルコール等の合成繊維が挙げられ、銅
アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、精製セルロ
ース繊維等の再生セルロース繊維、再生タンパク繊維、
半合成繊維、綿、絹、羊毛等の天然繊維素材なども挙げ
られる。好ましくは、ポリアミド系繊維又はポリエステ
ル系繊維である。
【0029】本発明のポリウレタン弾性繊維はこれらの
繊維素材と共に、カバーリング、コアスパーンヤーン、
エアーカバリング、合撚、交撚、インターレースした複
合繊維の状態及び又はその各々繊維そのままで、丸編み
生地、横編み生地、経編み等の交編又は、交織され、染
色加工された交編・交織生地に加工され、各種用途に使
用される。ポリウレタン弾性繊維と他の天然繊維、化学
繊維、合成繊維からなる編地を作製するには種々の交編
方法が用いられる。交編編地は、経編みでも緯編みでも
よく、例えば、トリコット、ラッセル、丸編み等が挙げ
られる。また編組織は、ハーフ編み、逆ハーフ編み、ダ
ブルアトラス編み、ダブルデンビー編み等いづれの編組
織でもよい。また風合いの面から、編地表面が他の天然
繊維、化学繊維、合成繊維で構成されていることが好ま
しい。
【0030】ポリウレタン弾性繊維と他の天然繊維、化
学繊維、合成繊維からなる織物は、通常の方法で製織さ
れる。ポリウレタン弾性繊維を経あるいは緯にのみ用い
たワンウエーストレッチ、経緯両方に用いたツーウェー
ストレッチのいづれの織物でもよい。本発明のポリウレ
タン弾性繊維を使用した布帛は、ガードル、ブラジャ
ー、インティメイト商品、肌着等の各種ストレッチファ
ンデーション、靴下口ゴム、タイツ、パンティストッキ
ング、ウエストバンド、ボデイスーツ、スパッツ、水
着、ストレッチスポーツウエア、ストレッチ織物、スト
レッチアウター、包帯、サポーター、医療用ウエア、ス
トレッチ裏地、紙おむつ等の用途が挙げられる。本発明
の布帛は、特にプールにて使用される水着用途に好適で
ある。特に、ポリアミド繊維やポリエステル繊維は、一
般に塩素染色堅牢性向上のために染色後に天然又は合成
タンニンを用いた固着処理を施されることが普及してい
る。
【0031】例えば、ポリアミド繊維とポリウレタン弾
性繊維の交編織物においては、染色後に染料を固着させ
るために、天然物ポリフェノール化合物として天然タン
ニン及び合成ポリフェノール化合物としての合成タンニ
ンにて固着処理を行う。ポリエステル繊維とポリウレタ
ン弾性繊維の交編織物においては、ポリウレタン弾性繊
維の染色前後または染色と同時に天然タンニン又は合成
タンニンにて染料固着処理を行うことがある。いずれの
固着処理においても、処理浴のpHを3〜7に調整し
て、通常の昇温過程を経た後80℃〜130℃で処理す
る。処理時間は、長い方が良いが、20〜60分間が好
ましい。必要に応じて、処理浴に、スカム防止剤や浴中
柔軟剤を混在させてもよい。弾性布帛が、染料固着され
る場合、本発明におけるポリウレタン弾性繊維及びそれ
とポリアミド系繊維又はポリエステル系繊維との弾性布
帛の有用性は特に高い。
【0032】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例などにより更
に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などによ
って何ら限定されるものではない。なお、実施例に記載
の測定法は以下の通りである。 (1)弾性繊維の解じょ性の評価方法 40デニール/5フィラメントの弾性繊維400gを紙
管に巻き取った後、25℃、65%RHの雰囲気で30
日放置後、紙管を梨地ローラー上に置き、ローラーを回
転させながら、ローラー表面速度40m/分で、弾性繊
維を送り出す。送り出された弾性繊維を50cm離れた
所に設置された同じ径の梨地ローラ上に巻き取る。巻き
取るローラー上の表面速度を80m/分から徐々に低下
させて、送り出すローラー上の紙管に弾性繊維が紙管に
からみついて逆巻きし、弾性繊維が切断されて送り出さ
れなくなった時点の速度Sm/分を測定する。Sm/分
の値が小さいほど紙管から弾性糸が糸離れが良いことを
示し、これを解じょ性が良好と判断する。
【0033】一般にポリウレタン弾性糸はポリマー自体
がゴムに似た性質を有するためポリマ相互に粘着し易
く、解じょ性が良好でない。しかし、あまりに糸離れが
良すぎると、紙管に巻かれたポリウレタン弾性繊維を運
搬する時に、紙管に巻かれた弾性繊維の外層が糸落ちし
易く、取り扱い上の問題となる。本測定において、好ま
しいチーズ外層の弾性繊維のS(以下SOと表す。)
は、SO=45〜55m/分、チーズ内層の弾性繊維の
S(以下SIと表す。)は、SI=50〜65m/分で
ある。SI、SOの値がこの範囲をはずれ、値が小さい
と運搬時や整経工程で、糸落ちし易く、逆に値が大きい
とチーズへの逆巻きや糸切れが頻発する場合があり、問
題となる。
【0034】(2)整経糸切れ回数の評価法 40デニール/5フィラメントの弾性繊維400gを紙
管に巻き取り、588本をリバー社製の弾性糸用整経機
に取り付け、弾性繊維送り出し速度150m/分、ビー
ム巻き取り速度300m/分にて整経し、1ビームあた
り弾性繊維重量で14.7kgを16ビーム整経し、全
て完了するまでに発生した弾性繊維の糸切れ回数で整経
糸切れ回数を評価した。ただし、糸切れが発生した場合
も切れた糸は結んでつなぎ、588本の状態で再びスタ
ートさせた。また、ほぼ同時に複数本糸切れした場合も
糸切れ回数は1回としてカウントした。
【0035】(3)スカム評価法 40デニール/5フィラメントの弾性繊維400gを紙
管に巻き取って後、25℃、65%RHの雰囲気で30
日放置後、紙管を梨地ローラー上に置き、ローラーを回
転させながら、ローラー表面速度40m/分で、弾性繊
維を送り出す。送り出された弾性繊維を50cm離れた
所に設置された同じ径の梨地ローラ上に巻き取る。送り
出す弾性糸から25cmの中間地点にかみそり刃を糸角
115度になるように設定して立てておき、巻き取るロ
ーラー上の表面速度を70m/分設定した。かみそり刃
上に弾性繊維を1時間走行させた後、かみそり刃(エヌ
ティー(株)製:NT−L型刃品番L−300)上に付
着した白色スカムの量を目視によって1級から5級の判
断をした。
【0036】 5級:かみそり刃に全く付着無し。 4級:かみそり刃にほんのわずか付着あり。 3級:かみそり刃に若干付着あり。 2級:かみそり刃にやや付着量多し。 1級:かみそり刃に多量の付着物あり。
【0037】(4)破断強伸度の測定法 引っ張り試験機(オリエンテック(株)製:UTMー3
ー100型)により、20℃、65%RH雰囲気下で測
定する。糸試料長5cm幅で1分間1000%の歪み速
度で測定する。
【0038】(5)原糸評価(塩素耐久性評価) ポリウレタン弾性繊維を金枠に50%伸長させて、pH
7の沸騰水中で60分処理した後、室温で2時間冷却し
た。その後、縦1m、横1m、深さ30cmの塩素水水
槽に浸漬する。この塩素水水槽の有効塩素平均濃度は
7.0ppm、pH7、水温30℃に調整されている。
30時間浸漬後、18時間風乾後の強力保持率を次式で
示す。保持率が大きいほど塩素耐久性が高い。 強力保持率(%)=(塩素水浸漬後の弾性繊維の強力/
塩素水浸漬前の弾性繊維の強力)×100
【0039】(6)生地評価(塩素耐久性評価) ポリウレタン弾性繊維と、ポリヘキサメチレンアジパミ
ドを溶融紡糸して得られたポリアミド繊維50デニール
/17フィラメントとを、トリコット機を用いて編成
し、経編2wayトリコットを作製した。編み組織はハ
ーフ、編立ては、フロントにポリアミド繊維、バックに
ポリウレタン弾性繊維を配し、28ゲージ、フロントラ
ンナー160cm/480コース、バックランナー80
cm/480コース、15kg/1反の条件で行った。
この工程で20反編んだときのポリウレタン弾性繊維の
糸切れ回数を評価した。
【0040】更に、得られた2wayトリコット生機を
精練、リラックス、乾燥、ヒートセットして、染色を行
った。染色は、染料としてIrgalan Black
BGL 2.7%owf、硫安3%owf、酢酸0.
2%owfの浴中(pH5.5)にて、95℃で30分
間処理した。この染色した2wayトリコットにタンニ
ン酸を含む天然タンニンにて固着処理を行った。固着処
理は、ハイフィックスSLA(タンニン酸30%含有、
大日本製薬(株)製:商品名)6%owfの浴中(pH
3.7)にて、90℃で30分間処理した。
【0041】ポリウレタン弾性繊維とナイロン6からな
る編地を、緯方向に50%伸長させて縦1m横1m深さ
0.5mの水槽に12時間浸漬と12時間風乾を繰り返
す。この12時間浸漬中の有効塩素平均濃度は2.0p
pm、pH7、水温35℃に常時調整されており、12
時間風乾は水道水で濯いでから行う。12時間浸漬から
取り出すときに編地の欠点発生の有無を確認し、欠点の
発生するまでの日数をその編地の塩素耐久日数とする。
塩素耐久日数が長いほど塩素耐久性が高い。
【0042】(7)有効塩素濃度 塩素水試料25m1を100m1の三角フラスコに秤量
し、乾燥済みのヨウ化カリウム2gを加えて振り混ぜ
る。1/100Nのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、
溶液が橙色から薄黄色に変化した時点で澱粉溶液を加え
る。ヨウ素澱粉反応による青色が消えるまで1/100
Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。別に、イオン交
換水25m1を採取し、同上の操作により滴定し、プラ
ンク滴定量を求める。有効塩素濃度Hは、次の数式
(1)で与えられる。
【0043】
【数1】 ここで、Hは有効塩素濃度(ppm)、Vsは塩素水を
滴定した時の1/100Nのチオ硫酸ナトリウム溶液の
滴定量(ml)、Vbはイオン交換水を滴定したときの
1/100Nのチオ硫酸ナトリウムの滴定量(ml)、
fは1/100Nのチオ硫酸ナトリウムの力価、Wsは
塩素水の重量(g)である。
【0044】
【実施例1】数平均分子量1800のポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール400gと4,4’一ジフェニル
メタンジイソシアネート91.7gとを乾燥窒素雰囲気
下、80℃で3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソ
シアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマー
を得た。これを室温に冷却した後、ジメチルアセトアミ
ド720gを加え溶解してポリウレタンプレポリマー溶
液を調整した。一方、エチレンジアミン8.11gおよ
びジエチルアミン1.37gをジメチルアセトアミド3
90gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温下
添加して、粘度4500ポイズ(30℃)のポリウレタ
ン溶液を得た。
【0045】このポリウレタン溶液に、ポリウレタン固
形分に対して、4,4’−プチリデンビス−(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)を1重量%、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−プチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾールを0.5
重量%及び表1に記載する平均粒径1μ以下の各種金属
化合物を4.0重量%添加し、紡糸用原液を得た。
【0046】このようにして得られた紡糸用原液を、1
個の紡糸口金にある5っの細孔から熱風中に押しだし溶
剤を蒸発させた。乾燥された糸条はリング仮撚り機を通
過する過程で仮撚りされ、ゴッデトローラを経てオイリ
ングロラー上で混合処理剤を付与された。オイリングロ
ーラーへ付与された混合処理剤は、25℃で10cst
のジメチルシロキサン98重量部、25℃で10cst
の鉱物油1.5重量部、モノ及びジ(1:1)のステア
リルアシッドホスフェイト(堺化学工業(株)製、商品
名Phoslex(フォスレックス)Aー18)0.5
重量部からなる混合処理剤を供給した。混合処理剤の付
着量は糸条100重量部に対して5重量部になるように
オイリングロールの回転数を調整した。混合処理剤を付
与した糸条は毎分700m/分の速度で紙管に巻き取っ
た。
【0047】このようにして、40デニール/5フィラ
メントの本発明のポリウレタン弾性繊維(A)〜(D)
を得た。又、本発明のポリウレタン弾性繊維(E)は、
表1に記載した金属化合物を添加した紡糸原液を用い
て、オイリングローラーへ付与された混合処理剤を以下
の組成を使用した以外は前記と同じ方法で、40デニー
ル/5フィラメントを得た。25℃で10cstのジメ
チルシロキサン99.5重量部、モノ及びジ(1:1)
のステアリルアシッドホスフェイト(堺化学工業(株)
製、商品名Phoslex(フォスレックス)Aー1
8)0.5重量部、からなる混合処理剤を供給した。混
合処理剤の付着量は糸条100重量部に対して5重量部
になるようにオイリングロールの回転数を調整した。こ
のポリウレタン弾性繊維の処理剤組成、解じょ性、等の
評価結果を、表1に記す。弾性繊維の各種性能を評価し
た結果を併せて表1に示す。
【0048】
【比較例1】実施例1の方法に従って重合したポリウレ
タン溶液に、金属酸化物の代わりに、平均粒径1μ以下
の酸化チタン4重量%を添加して紡糸原液を作成した。
この紡糸用原液を実施例1と同様にして処理剤を付着さ
せた40デニール/5フィラメントのポリウレタン弾性
繊維を得た。弾性繊維の各種性能を評価した結果を表1
に示す。
【0049】
【比較例2】実施例1の方法に従って重合したポリウレ
タン溶液に、金属化合物を除いて紡糸原液を作成した。
すなわちポリウレタン固形分に対して、4,4’−プチ
リデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)を1重量%、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−
プチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾ
トリアゾールを0.5重量%添加し、紡糸用原液を得
た。この紡糸用原液を実施例1と同様にして処理剤を付
着させた40デニール/5フィラメントのポリウレタン
弾性繊維を得た。弾性繊維の各種性能を評価した結果を
表1に示す。
【0050】
【比較例3】実施例1に用いた混合処理剤の代わりに、
混合処理剤にリン酸エステル化合物を含まない混合処理
剤を実施例1と同じ方法で付着させた40デニール/5
フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。すなわち
混合処理剤の組成は、25℃で10cstのジメチルシ
ロキサン98重量部、25℃で10cstの鉱物油1.
5重量部、ステアリン酸マグネシューム0.5重量部で
ある。弾性繊維の各種性能を評価した結果を表1に示
す。
【0051】
【比較例4】実施例1に用いた混合処理剤の代わりに、
25℃で10cstのポリジメチルシロキサンと鉱物油
の比が40/60である混合処理剤を実施例1と同じ方
法で付着させた40デニール/5フィラメントのポリウ
レタン弾性繊維を得た。すなわち混合処理剤の組成は、
25℃で10cstのジメチルシロキサン39.5重量
部と25℃で10cstの鉱物油60重量部、モノ及び
ジステアリルアシッドホスフェイト(堺化学工業株式会
社製、商品名Phoslex(フォスレックス)Aー1
8)0.5重量部である。弾性繊維の各種性能を評価し
た結果を表1に示す。
【0052】
【表1】 ここで、表1中、金属酸化物4%はポリウレタン固形分
100重量部に対する金属酸化物4重量部を表す。混合
処理剤5%はポリウレタン弾性繊維100重量部に対す
る付着量5重量部を表す。
【0053】
【実施例2】実施例1のモノ及びジステアリルアシッド
ホスフェイトの代わりに表2に記載した各種アルキルア
ッシドホスフェイトを用いた混合処理剤を用いて実施例
1と同様な方法でポリウレタン弾性繊維(F)〜(I)
を得た。これら弾性繊維の各種性能を評価した結果を表
2に示す。
【比較例5】実施例2のトリデシルアシッドホスフェイ
トの混合処理剤中の量を0.5%から12%に増量した
混合処理剤を用いて実施例2と同様な方法でポリウレタ
ン弾性繊維を得た。この弾性繊維の各種性能を評価した
結果を表2に示す。
【比較例6】実施例2のアルキルアッシドホスフェイト
の代わりにアルキルアッシドホスフェイトの金属(C
a)塩(堺化学工業株式会社製、商品名LBT−182
0)1重量%の混合処理剤を用いて実施例2と同様な方
法でポリウレタン弾性繊維を得た。この弾性繊維の各種
性能を評価した結果を表2に示す。
【0054】
【表2】 ここで、表2中、金属酸化物4%はポリウレタン固形分
に対する金属酸化物4重量部を表す。各種リン酸エステ
ル類の%はポリアルキレンシロキサンと鉱物油100重
量部に対する重量部を表す。
【0055】
【実施例3】実施例1、2のポリウレタン弾性繊維
(A)、(B)、(I)と比較例1、比較例3のポリウ
レタン弾性繊維を用いて前記明細書記載の方法で、染色
した2wayトリコット編み地にタンニン酸を含む天然
タンニンにて固着処理を行った生地を得た。編み工程中
の糸切れ回数と染色後、天然タンニン固着した生地の耐
塩素性能の日数を評価した。その結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ポリウレタン弾性繊維
の紙管パッケージからの解じょ性に優れ、糸の走行時に
おいても糸切れも、また糸導へのスカム堆積もなく、プ
ールの殺菌用塩素に対しても塩素耐久性能が向上する。
すなわち、塩素耐久性と糸の取り扱い性が同時に向上す
る。本発明のポリウレタン弾性繊維により製造される弾
性布用は、一例を挙げれば、水泳プール中のような塩素
水環境で多用される競泳用水着や塩素漂白剤が用いられ
る弾性布帛等に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 13/292 D06M 13/292 // D01F 6/70 D01F 6/70 Z D06M 101:38 D06M 11/12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン重合体からなる下記(a)
    を満足する弾性繊維において、該弾性繊維に下記(b)
    を満足する混合処理剤が、弾性繊維重量100重量部に
    対して0.5〜10重量部付着してなることを特徴とす
    るポリウレタン弾性繊維。 (a)ポリウレタン重合体100重量部に対して、金属
    化合物として、0.1〜10重量部のMg、Zn,Al
    から選択された金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物、
    ハイドロタルサイト化合物の群から選ばれる1種又は2
    種以上の金属化合物を含有する弾性繊維。 (b)25℃で5〜30cstのポリアルキルシロキサ
    ンと5〜30cstの鉱物油との比が100/0〜50
    /50である処理剤100重量部に対して、下記式
    (1)で表されるリン酸エステル化合物類が0.01〜
    10重量部存在する混合処理剤。 【化1】 (但し、Rは炭素原子数1〜30の直鎖又は分岐したア
    ルキル基、アルコオキシポリオキシアルキレン基、炭素
    原子数5〜6のシクロアルキル基、炭素原子数1〜10
    アルキル基が置換した炭素原子数5〜6のシクロアルキ
    ル基、nは1〜2の整数を示す。)
  2. 【請求項2】ポリウレタン弾性繊維に含有される金属化
    合物が、ZnO、MgO、ZnOとMgOの複合酸化
    物、2価の金属M(但し、MはZn及びMgから選択さ
    れる少なくとも1種を表わす。)とAlを含みAlに対
    する2価の金属Mのモル比が1〜5である複合酸化物、
    ハイドロタルサイト化合物の群から選ばれる1種又は2
    種以上からなる請求項1記載のポリウレタン弾性繊維。
  3. 【請求項3】請求項1〜2記載のポリウレタン弾性繊維
    とポリアミド系繊維又はポリエステル系繊維とからなる
    弾性布帛。
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