JP2012204458A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面保護層の機械的強度、衝撃強度が高く、かつ軽量であり、しかも低コストに製造することができる薄膜太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池サブモジュールの表面側に接着充填材、水蒸気バリアフィルム、第1の接着充填層および表面保護層となるプラスチックシートを積層して配置するとともに、太陽電池サブモジュールの裏面側に第2の接着充填層および裏面保護層を積層して配置する工程と、複数層、積層配置された状態で真空ラミネートする工程とを有する。表面保護層となるプラスチックシートを配置する前に予め熱処理する工程と、プラスチックシートの第1の接着充填層と接する側の面をコロナ処理する工程と、プラスチックシートのコロナ処理された面にプライマーを塗布する工程とを備え、このプラスチックシートはプライマーが塗布された面を第1の接着充填層に向けて配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換層にCIGSを用いた太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に、表面保護層の機械的強度、衝撃強度が高く、かつ軽量であり、しかも低コストに製造することができる太陽電池モジュールの製造方法に関する。
太陽電池は、光吸収により電流を発生する半導体の光吸収層を下部電極(裏面電極)と上部電極(透明電極)とで挟んだ積層構造の太陽電池セルを多数直列に接続して半導体回路を構成し、これを基板の上に形成したものである。このような構成を有する太陽電池は、クリーンなエネルギーとして注目されている。そのため、太陽電池の研究が盛んに行われるようになり、種々の観点から改良が試みられている。
一例として、太陽電池セルは、水分に弱く、水分が進入すると、変換効率等の特性が劣化してしまう。特に、Ib族、IIIb族、VIb元素からなるカルコパイライト構造を有するCIS(CuInSe)や、CISに、さらにGaを固溶させたCIGS(Cu(In,Ga)Se)等を、光吸収層として用いるカルコパイライト型の太陽電池セルは、透明電極としてZnO膜等が用いられるため、水分の進入によって透明電極が変質してしまう。これにより、透明電極の抵抗値が上昇し、変換効率が大幅に低下してしまう。
しかしながら、周知のように、太陽電池は、屋外に設置された架台、屋根または屋上など、屋外に設置される場合が多い。そのため、太陽電池モジュールの防水性を向上するための種々の提案がなされている(特許文献1〜7等)。
特許文献1には、ガラス基板上に、アルカリバリア層、金属裏面電極層、光吸収層、バッファ層、窓層の順に積層された複数のCIS系薄膜太陽電池デバイス部が導電パターンにより電気的に接続されたCIS系薄膜太陽電池サーキット(又はサブモジュール)に、加熱して重合反応を起こさせて架橋したエチレンビニルアセテート(以下、EVAという)樹脂フィルム(又はシート)を接着剤として、白板半強化ガラス等からなるカバーガラスを貼着した構造からなるCIS系薄膜太陽電池モジュールが記載されている。
特許文献2には、表面保護層、少なくとも透明性、クッション性を有し、かつ耐熱性を有し、熱の作用に対する非劣化ないし非分解性に優れた樹脂層からなる充填剤層、太陽電池素子、充填剤層、および裏面保護層を順次に積層し、更に、その層上あるいは層間のいずれかに、少なくとも防汚層、紫外線遮蔽層、または耐候性層の1層あるいはそれ以上を積層し、一体化した太陽電池モジュ−ルが記載されている。
特許文献2においては、表面保護層または裏面保護層が、基材フィルムの上に無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルムからなることが記載されている。
特許文献3には、太陽光等を受光して発電する太陽電池サブモジュールと、この太陽電池サブモジュール全体を封止する封止材とからなる太陽電池モジュールが記載されている。この封止材は、太陽電池サブモジュールを封止して外部からの湿分流入を防ぐ保護シートであり、太陽電池モジュールの受光面側を覆う受光面側封止材と、受光面とは反対側の面を覆う背面側封止材とからなる。
この受光面側封止材と背面側封止材は、その平面のサイズが太陽電池サブモジュールの平面のサイズよりも大きく、太陽電池サブモジュールの平面全体を覆うことができる。
また、受光面側封止材及び背面側封止材は、フッ素樹脂からなるものであり、その厚さは、使用時における耐久性や軽量化の実現の観点から、厚さ50〜200μm程度が好適であることが記載されている。
特許文献4には、透明な合成樹脂基板と、基板上に受光面を基板に対面して且つ基板上に隙間部を設けて配列した複数個の太陽電池セルと、基板上の隙間部に配線され太陽電池セルの電極間を接続するインターコネクターと、セルの背面を被覆して基板の隙間部に接合した合成樹脂被覆体とから成る太陽電池パネルが記載されている。
また、特許文献4には、合成樹脂基板に、ポリカーボネート樹脂板若しくはメチルメタクリレート樹脂板、又はポリカーボネート樹脂とメチルメタクリレート樹脂との積層板を用いることが記載されている。
特許文献5には、太陽電池素子とこれを密封する表面保護層及び裏面保護層と両側のスペーサーとにより充填剤と太陽電池素子を密封する太陽電池モジュールにおいて、耐熱性、耐候性や防湿性等の諸機能を満たすため、太陽電池モジュールの表面保護シートとして、環状オレフィンコポリマーフィルム或いは環状オレフィンコポリマーフィルムの内面に、接着剤を介してPETフィルム、アクリル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを積層した表面保護シートを用いた太陽電池モジュールが記載されている。
特許文献6には、光変換部材としての半導体光活性層を有する光起電力素子が充填材により被覆されている太陽電池モジュールが記載されている。この太陽電池モジュールは、光起電力素子の受光面側にショア硬度D50以上の樹脂からなる硬質樹脂層、熱可塑性樹脂に紫外線吸収剤を配合したものからなる接着剤層、及び最外層が受光面側からこの順序で積層されている。硬質樹脂層の厚さは25μm以上200μm以下であり、硬質樹脂層は、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂の中から選ばれるものからなる。また、最外層を構成する樹脂がフッ素樹脂、例えば、ETFEであることが記載されている。
特許文献7には、以下の要件a)〜e)を同時に満たすエチレン系重合体(A)を、
エチレン性不飽和シラン化合物からなるラジカル重合性不飽和化合物(B1)と、
水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニルおよびカルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物からなるラジカル重合性不飽和化合物(B2)で、変性して得られる変性体を含有するエチレン系樹脂組成物が記載されている。
a)密度が900〜940kg/m
b)DSCに基づく融解ピークが90〜125℃
c)JISK−6721に準拠して190℃、2.16kg荷重にて測定したメルトフローレ−ト(MFR2)が0.1〜100g/10分
d)Mw/Mnが1.2〜3.5
e)金属残渣が0.1〜50ppm
特許文献7においては、(i)エチレン系重合体(A)をラジカル重合性不飽和化合物(B1)で変性して得られる変性体(1)、もしくは、エチレン系重合体(A)とエチレン・α−オレフィン共重合体(C)の混合物をラジカル重合性不飽和化合物(B1)で変性して得られる変性体(3)から選ばれる変性体と、(ii)エチレン系重合体(A)をラジカル重合性不飽和化合物(B2)で変性して得られる変性体(2)、もしくは、エチレン系重合体(A)とエチレン・α−オレフィン共重合体(C)の混合物をラジカル重合性不飽和化合物(B2)で変性して得られる変性体(4)から選ばれる変性体と、を含有するエチレン系樹脂組成物が記載されている。
特許文献7のエチレン系樹脂組成物は、太陽電池モジュールに利用される太陽電池封止シートに用いられる。特許文献7には、太陽電池モジュールの構成として、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/太陽電池用封止シート/太陽電池素子/太陽電池用封止シート/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)の構成が記載されている。
特許文献7には、太陽電池モジュールに好適に用いられる太陽電池モジュール用表面保護シートの材料として、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン(共)重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる樹脂フィルムの他、ガラス基板などが挙げられている。
特開2007−123725号公報 特開2001−196614号公報 特開2009−194114号公報 特開平10−190034号公報 特開2006−165434号公報 特許第3530595号公報 特開2011−12243号公報
上述のように、特許文献1は、表面保護層として、最も一般的な白板強化ガラスを設けることにより、衝撃強度、防水性を保持している。しかしながら、一般的に使われているガラスの厚さは3mmであり、厚さが3mmの場合、その重量は、7.5kg/mとなる。このため、特許文献1において、軽量化することが難しい。
これに対して特許文献2〜7では、ガラス代替材料として、樹脂フィルムまたは樹脂シートで表面保護層を構成している。特許文献2では、透明、クッション性、耐熱性等有する樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系、ポリオレフィン、アクリル等が例示されているが、これらでは、CIGS太陽電池に要求される防水性を実現することがでない。
特許文献3では、受光面側封止材及び背面側封止材が50〜200μm厚のフッ素系フィルムを用いているものの、機械的強度、衝撃強度が弱いという問題があり、また、水蒸気バリア膜がないため、CIGS太陽電池に対して耐湿性がなく長期信頼性が得られないという問題もある。
特許文献4では、表面保護層が合成樹脂基板からなり、ポリカーボネート、メタクリレート、両者の積層からなるが、全体構造の中に水蒸気バリア層を含まず、光吸収層にCIGS膜を用いた太陽電池(以下、CIGS太陽電池ともいう)に対して、耐湿性がなく長期信頼性が得られないという問題がある。また、モジュールの製造時において、真空ラミネート工程で、合成樹脂基板が熱収縮することにより、モジュールが反ってしまうという不具合が生ずる。
また、特許文献5では受光側の表面保護シートとして環状オレフィンポリマーフィルムの内面に接着剤を介してPET、アクリル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを積層した構造であるが、表面保護シートがオレフィンポリマーフィルムでは衝撃強度が弱く、しかも、CIGS太陽電池用としては水蒸気バリア性のある構成材料が必要である。
特許文献6の太陽電池モジュールは、受光側より最外層ETFE、接着剤層、硬質樹脂層が積層され、硬質樹脂層が25〜200μm厚のポリカーボネート、エステル樹脂等で構成されている。しかしながら、特許文献6の太陽電池モジュールは、硬質樹脂層が薄いため耐衝撃性が十分ではない。また、特許文献6の太陽電池モジュールは、水蒸気バリア層が設けられていないため耐湿性も不十分であるという問題がある。
特許文献7には、エチレン・α−オレフィン共重合体を含むエチレン系樹脂組成物が開示されているものの、太陽電池モジュール用表面保護シートとして、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン(共)重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる樹脂フィルムが挙げられている。このため、耐衝撃性が十分ではないという問題がある。
ここで、20〜30年の長期信頼性を有する太陽電池モジュールに必要とされる特性としては、太陽電池自体の変換効率が高いことは勿論であるが、耐候性、耐熱性、難燃性、耐水性、耐湿性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れていることである。また、太陽電池モジュール、パネル自体の低価格化とともに設置するための工事費の低減も必要である。従来の強化ガラスを表面保護層に使った重量の重い太陽電池パネル、太陽電池モジュールでは、一般住宅やスレート屋根等に固定するためには補強工事等のコストもかかり、全体コストを低減するためには軽量化され、性能の優れた太陽電池モジュールの実現が望まれている。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、表面保護層の機械的強度、衝撃強度が高く、かつ軽量であり、しかも低コストに製造することができる薄膜太陽電池モジュールの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、太陽電池サブモジュールの表面側に接着充填材、水蒸気バリアフィルム、第1の接着充填層および表面保護層が積層して設けられ、前記太陽電池サブモジュールの裏面側に第2の接着充填層および裏面保護層が積層して設けられた太陽電池モジュールの製造方法であって、前記太陽電池サブモジュールは、金属シートの表面にアルミニウムの陽極酸化皮膜が形成された基板に、CIGS膜で構成された光吸収層が形成されたものであり、前記表面保護層および前記裏面保護層のうち、少なくとも前記表面保護層がプラスチックシートで構成されており、前記プラスチックシートを予め熱処理する工程と、前記プラスチックシートの前記第1の接着充填層と接する側の面をコロナ処理する工程と、前記プラスチックシートのコロナ処理された面にプライマーを塗布する工程と、前記太陽電池サブモジュールの表面側に、前記接着充填材、前記水蒸気バリアフィルム、前記第1の接着充填層を積層し、前記熱処理および前記コロナ処理がされ、さらにプライマーが塗布されたプラスチックシートを、前記プライマーが塗布された面を前記第1の接着充填層に向けて積層して配置するとともに、前記太陽電池サブモジュールの裏面側に第2の接着充填層および裏面保護層を積層して配置する工程と、前記複数層、積層して配置された状態で、真空ラミネートする工程とを有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法を提供するものである。
この場合、前記プラスチックシートは、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂で構成されており、前記プラスチックシートの厚さは、0.5〜2.0mmであることが好ましい。この場合、前記プラスチックシートは、ポリカーボネート樹脂で構成されていることが好ましい。
また、前記プラスチックシートの熱処理工程は、100〜140℃の温度でなされることが好ましい。
さらに、前記プライマーは、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤等であるが、特にチタネートカップリング剤を使用することが好ましい。
さらに、記第1の接着充填層は、熱可塑性オレフィン系重合体樹脂で構成されており、前記真空ラミネート工程の温度は120〜145℃であることが好ましい。
また、前記プラスチックシートは、前記第1の接着充填層と接する側の面にエンボス構造を備えることが好ましい。前記エンボス構造は、凹凸の高さが10〜1000μmであることが好ましい。
前記積層して配置する工程は、前記裏面保護層の周縁部より5〜30mm内側に、水蒸気浸入防止のための中間シール材を配置する工程を備えることが好ましい。
前記積層して配置する工程は、前記表面保護層および裏面保護層の周縁部に、水蒸気浸入防止のための周縁シール材を配置し、前記周縁シール材の内側に前記太陽電池サブモジュール、前記接着充填材、前記水蒸気バリアフィルム、前記第1の接着充填層、前記プラスチックシート、および第2の接着充填層を積層する工程を備えることが好ましい。
前記真空ラミネート工程の後、外枠材の内側にシール材が設けられた枠部材を前記真空ラミネートしたものの周縁部に設ける工程を有することが好ましい。
本発明によれば、白板強化ガラス並み、またはそれ以上の耐風圧性、耐降雹性等の機械的強度、衝撃強度とすることができる。しかも、同じ厚さであれば、密度がガラスの2.5g/cmに対して、プラスチックシートは1.1〜1.2g/cmなので質量を50%以下にできる。
一般的には、白板強化ガラスは厚さが3.2mmであるが、さらに、表面保護層の厚さを1〜2mmと薄くすることにより、単位面積当たりの質量を1.2〜2.4kg/mにできる。この場合、白板強化ガラスの16〜32%まで軽量化が可能となる。
水分または水蒸気が太陽電池モジュールの表面あるいは端面(周縁部)から拡散してきて性能劣化、配線腐食等の不良を発生させることがあるが、表面側に水蒸気バリアフィルムを設け、端面(周縁部)に中間シール材、周縁シール材または枠部材を設けることにより、水分または水蒸気による性能劣化、配線腐食等の不良を、より確実に抑制することができる。仮に、水分が進入しても、太陽電池セル等の透明電極に達することを防止することができる。
このように本発明によれば、太陽電池モジュールへの水分の浸入を防止でき、長期間にわたって、安定した性能を発揮し、安定して用いることができる太陽電池モジュールを実現できる。
ここで、プラスチックシートを構成材とする場合、線膨張係数が大きいこと、プラスチックシートと接着充填層間の接着性が非常に悪いため、温度上昇と共に太陽電池モジュールが反ったり、太陽電池の構成層間で剥離する等の大きな問題を抱えている。このため、構成材の選択、接着性の改善が必須である。本発明によれば、太陽電池モジュールの構成材を適切に選択することにより、接着性を改善し、反り、剥離等を抑制しつつ太陽電池モジュールを製造することができる。
また、表面保護層の少なくとも接着充填層側の面をエンボス構造とすることにより、アンカー効果により表面保護層の接着性を向上させることができる。
なお、本発明の太陽電池モジュールの製造方法によれば、上述の優れた特性を有する太陽電池モジュールを好適に製造できる。
(a)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの真空ラミネート前の各部材の配置状態を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールを示す模式的断面図である。 本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールに用いられる太陽電池サブモジュールの一例を示す模式的断面図である。 (a)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールの真空ラミネート前の各部材の配置状態を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールを示す模式的断面図である。 (a)は、本発明の第3の実施形態の太陽電池モジュールの真空ラミネート前の各部材の配置状態を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の第3の実施形態の太陽電池モジュールを示す模式的断面図である。 従来の太陽電池モジュールを示す模式的断面図である。 従来の他の太陽電池モジュールを示す模式的断面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の太陽電池モジュールの製造方法を詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの真空ラミネート前の各部材の配置状態を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールを示す模式的断面図である。
図1(b)に示すように、太陽電池モジュール10は、太陽電池サブモジュール12が接着充填材20および第2の接着充填層14によって封止されている。この接着充填材20の周囲には中間シール材18が設けられている。この中間シール材18は、太陽電池モジュール10の周縁部αから距離mの位置、すなわち、太陽電池モジュール10の内側に設けられている。この場合、中間シール材18は、各部材の周縁部αから距離m、例えば、5〜30mm内側の位置に配置される。
太陽電池サブモジュール12の裏面12bに第2の接着充填層14が設けられ、この第2の接着充填層14の下方にバックシート(裏面保護層)16が設けられている。
太陽電池サブモジュール12の表面12a側に、接着充填材20および中間シール材18を覆うようにして水蒸気バリアフィルム22が設けられている。この水蒸気バリアフィルム22上に第1の接着充填層24が設けられ、この第1の接着充填層24上に表面保護層26が設けられている。
太陽電池モジュール10においては、第2の接着充填層14、バックシート16、水蒸気バリアフィルム22、第1の接着充填層24および表面保護層26は、周縁部αで接合されている。
図1(b)に示す太陽電池モジュール10において、太陽電池サブモジュール12は、図2に示すように、光電変換素子である太陽電池セル40の集積構造体のことである。なお、太陽電池セル40が1つのものも太陽電池サブモジュールに含まれる。太陽電池サブモジュール12の具体例は、後に詳細に説明する。
接着充填材20は、太陽電池サブモジュール12を封止するものである。この接着充填材20には、例えば、EVA(エチレンビニルアセテート)、PVB(ポリビニルブチラール)、PE(ポリエチレン)、熱可塑性オレフィン系重合体樹脂等を用いることができる。これ以外にも、公知の太陽電池モジュールにおいて封止材として用いられるものが各種利用可能である。なお、熱可塑性オレフィン系重合体樹脂は接着性に優れているため接着充填材20として好ましい。
中間シール材18は、太陽電池サブモジュール12への接着充填材20からの水分の浸入を抑制するためのものである。この中間シール材18により、水分または水蒸気による性能劣化、配線腐食等の不良を、より確実に抑制することができる。
中間シール材18は、太陽電池モジュール10の周縁部αから距離mの位置に設けられる。この距離mは、製造上のバラツキおよびモジュール効率を下げない距離として、5〜30mmであることが好ましい。中間シール材18の幅は、5〜20mmが好ましい。
中間シール材18は、例えば、熱可塑性を示すブチルゴム、ポリイソプレン、イソプレン、ポリオレフィン等が用いられる。
第2の接着充填層14は、バックシート16を接着するためのものである。この第2の接着充填層14は、例えば、接着充填材20と同じものを用いることができる。このため、詳細な説明は省略する。
バックシート16は、太陽電池モジュール10を裏側から保護するものである。
バックシート16には、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PVF(ポリフッ化ビニル)等の樹脂フィルムでアルミニウム箔を挟んだ構造のものが用いられるが、その構成については、特に限定されるものではない。
バックシート16としては、フィルムに限定されるものではなく、ガルバリウム鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウムとステンレス鋼のクラッド鋼板等の金属板等を用いることができる。これ以外にも、公知の太陽電池モジュールにおいて、バックシート16または支持体として用いられているものが各種利用可能である。バックシート16としては、特に、軽量化のために鋼板でなく、ゴム系シート、モジュールの反り対策のため、後に詳述する表面保護層26と同様のプラスチックシートまたはプラスチック樹脂ハニカム構造体等を使うことも可能である。
水蒸気バリアフィルム22は、太陽電池サブモジュール12を水分から保護するためのものである。水蒸気バリアフィルム22は、特に限定は無く、公知のいわゆる水蒸気バリアフィルムを各種利用可能である。
水蒸気バリアフィルム22としては、特に、水蒸気透過率が1×10−2(g/(m・day))以下である水蒸気バリアフィルムが好ましく利用される。このような水蒸気バリアフィルム22を用いることにより、より確実に長期にわたって太陽電池モジュール10の水分による劣化を防止できる。
水蒸気バリアフィルム22の好適な一例としては、厚さが50〜100μm程度のPETフィルム、PENフィルム等の各種の樹脂フィルム(プラスチックフィルム)を基材として、水蒸気バリア性(ガスバリア性)を発現する無機化合物の層(以下、無機層ともいう)を形成してなる水蒸気バリアフィルムが挙げられる。
なお、水蒸気バリアフィルム22において、必要な透明性を確保することができれば、ガス水蒸気バリアフィルム22の表面には、密着層、平坦化層、反射防止層等の各種の機能を発現する層が1層以上、形成されていてもよい。
水蒸気バリアフィルム22において、水蒸気バリア性を発現する無機化合物は、例えば、ダイヤモンド様化合物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物または金属酸化炭化物である。また、上記無機化合物は、例えば、ダイヤモンド様炭素(DLC)、ケイ素を含むダイヤモンド様炭素、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、CeもしくはTaから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、または酸化炭化物等が例示される。
これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、およびTiから選ばれる金属の酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましく、特に、SiもしくはAlの金属酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましい。
これらの無機層は、例えば、プラズマCVD法、スパッタリング法等によって成膜される。
水蒸気バリアフィルム22のより好適な一例として、PETフィルム、PENフィルム等の各種の樹脂フィルムを基材として、下地層としての有機化合物の層(以下、有機層ともいう)を有し、この有機層上に、上述の無機層を成膜してなる水蒸気バリアフィルムが挙げられる。この水蒸気バリアフィルム22によれば、より高い水蒸気バリア性を得ることができる。
このような有機層上に上述の無機層を成膜してなる水蒸気バリアフィルム22は、PETフィルム、PENフィルム等の各種の樹脂フィルム(基材)を通じた水分拡散を防止するため、有機層および無機層が形成された面を下の太陽電池サブモジュール12側に配置することが好ましい。
なお、下地層となる有機化合物としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、メタクリル酸―マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、またはフルオレン環変性ポリエステル等が例示される。これらのうち、特に、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂が好ましい。
このような有機層は、例えば、ロールコート法、スプレーコート法などの公知の塗布手段を用いる塗布法、フラッシュ蒸着法等によって成膜される。
第1の接着充填層24は、ガス水蒸気バリアフィルム22と表面保護層26とを接着するためのものである。この第1の接着充填層24は、例えば、接着充填材20と同じものを用いることができる。このため、詳細な説明は省略する。
なお、第1の接着充填層24においても、熱可塑性オレフィン系重合体樹脂は接着性に優れているため最適である。
表面保護層26は、太陽電池モジュール10を屋外に設置した場合、雨、雹、あられ、雪、石等がぶつかることがあるが、これらによって外部から加わる外力、衝撃等から太陽電池サブモジュール12を保護するものであり、耐風圧性、耐降雹性等の機械的強度、衝撃強度が高いものが用いられる。
また、表面保護層26は、汚れ等から太陽電池モジュール10を保護するとともに、汚れ等による太陽電池サブモジュール12への入射光量の低下を抑制するものである。
表面保護層26は、プラスチックシートにより構成されるものであり、透明性、耐候性、耐熱性、難燃性、耐水性、耐湿性、耐風圧性、耐降雹性、耐薬品性その他の諸特性に優れていることが必要である。この表面保護層26は、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂もしくはメタクリル樹脂、またはこれらの積層体により構成されるものである。表面保護層26においては、耐候性としてUV光による構造劣化、黄変があるがUV吸収剤をこれらの樹脂に混ぜることで改善することができる。さらに、耐擦傷性を保有させるために、表面保護層26の表面にハードコート層として無機コート層を設けてもよい。
なお、表面保護層26の厚さ(プラスチックシートの厚さ)は、例えば、0.5〜2.0mmであり、好ましくは1.0〜1.5mmである。
表面保護層26の厚さが0.5mm未満では、外部から加わる外力、衝撃等から太陽電池サブモジュール12を十分に保護することができない。一方、表面保護層26の厚さが2.0mmを超えると、真空ラミネート時に上下方向で温度分布が大きくなり、表面保護層26が反ってしまうことがある。また、材料コストからも薄いほうが望ましい。
なお、表面保護層26を構成するプラスチックシートは、真空ラミネートする前に、プラスチックシートを予め100℃〜140℃、好ましくは120℃〜130℃で熱処理することにより、表面保護層26を構成するプラスチックシートの熱収縮を抑制し、このプラスチックシートの残留応力の緩和をすることが可能であり、真空ラミネート時の反りを抑制できる。この場合、熱処理時間は、例えば、0.5〜10時間であり、好ましくは1〜3時間である。
また、熱処理することにより、真空ラミネートの際に生じる熱収縮によって、表面保護層26にしわ等が発生することが抑制されて、太陽電池サブモジュール12への入射光量の低下を抑制することもできる。
また、プラスチックシートの製造において押出法で製造すると、引き出し方向(RD方向)に残留歪が発生し、これを真空ラミネートするとこの歪を開放するため反りが発生する。これに対して予め熱処理をすることで熱収縮率は0.04%以下にすることができる。
本実施形態においては、表面保護層26を構成するプラスチックシートと第1の接着充填層24の接着性を向上させるため、第1の接着充填層24と接着される表面保護層26の裏面26b(プラスチックシートの裏面)にコロナ放電処理を行い、コロナ処理後、更にプライマーとしてシランカップリング剤、アルミネートカップリング剤またはチタネートカップリング剤を表面保護層26の裏面26bに塗布した後、室温で0.5〜2時間、乾燥させる。この後、プライマーが塗布された面を第1の接着充填層24に向けて表面保護層26が配置される。なお、表面保護層26を構成するプラスチックシートがポリカーボネートの場合、プライマーとしてチタネートカップリング剤が好適である。
後述するように、表面保護層26を構成するプラスチックシートは、コロナ処理およびプライマーが塗布された面、すなわち、裏面26bを第1の接着充填層24に向けて配置される。
表面保護層26を構成するプラスチックシートにおいては、少なくとも第1の接着充填層24側の面26b(以下、裏面26bともいう)を、エンボス構造としてもよい。このエンボス構造の凹凸の高さは、例えば、10〜1000μmである。
このように、エンボス構造をつくることでアンカー効果により第1の接着充填層24との接着性を向上させることができる。なお、エンボス構造は、例えば、プラスチックシートをガラス転移点以上に加熱して形成される。
表面保護層26を構成するプラスチックシートがポリカーボネートの場合、例えば、エンボスの型として真空ラミネート時に使用するグラスクロスの凹凸を使い、140〜160℃で15〜30分間、真空ラミネーターによりプレスすることにより容易に作製することができる。もちろん、エンボス構造の作製には、型を使った他の熱プレス法を用いることもできる。
また、バックシート16を表面保護層26と同一のプラスチックシートを使うことにより表面保護層26による反りを相殺することで、真空ラミネート時に発生する反りを抑制できる。更には、表面保護層26を構成するプラスチックシート下に設ける第1の接着充填層24として、ホットメルト型接着樹脂フィルムで溶融接着温度の低い、例えば、ウレタン系の接着樹脂フィルムを用いても、真空ラミネート時に発生する反りを抑制することができる。
また、太陽電池モジュール10の耐熱性、難燃性を強化するために、表面保護層26の表面26aに、ETFE(テトラフルオロエチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオロアルコキシエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフロライド)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素系透明樹脂フィルムを設けてもよい。この場合、例えば、フッ素系透明樹脂フィルムは接着充填層を介して設ける。また、表面保護層26を構成するプラスチックシート上に共押出法等によりフッ素系透明樹脂フィルムを一体シートにしてもよい。
なお、フッ素系樹脂フィルムは、例えば、厚さが20〜100μmである。
本実施形態の太陽電池モジュール10は、以下のようにして作製することができる。
まず、図1(a)に示すように、太陽電池サブモジュール12の裏面12b側に、第2の接着充填層14、バックシート16を積層して配置する。次に、太陽電池サブモジュール12の表面12a側に、接着充填材20、この接着充填材20の周囲に中間シール材18を周縁部αから距離m、例えば、5〜30mm内側の位置に配置し、さらに水蒸気バリアフィルム22を接着充填材20および中間シール材18を覆うようにして積層して配置する。
水蒸気バリアフィルム22上に第1の接着充填層24を配置し、さらに第1の接着充填層24上に表面保護層26を配置する。これにより、図1(a)に示すように各部材が積層して配置された状態になる。
なお、表面保護層26は、例えば、上述の条件等の予め熱処理しおき、さらに、第1の接着充填層24と接着する裏面26bにコロナ処理およびプライマー塗布されている。
その後、各部材が積層して配置された状態で、例えば、昇降手段、緩衝板、および加熱手段を有する真空ラミネーターを用いて、例えば、温度125〜140℃で、真空/プレス/保持のトータル15〜30分の条件で真空ラミネートする。これにより、図1(b)に示す本実施形態の太陽電池モジュール10が作製される。
次に、本実施形態の太陽電池サブモジュール12について、図2を参照して詳細に説明する。
図2に示すように、太陽電池サブモジュール12は、基板50の上に、下部電極32、光吸収層34、バッファ層36、および上部電極38からなる太陽電池セル40を、複数、直列接合してなるものである。この太陽電池セル(光電変換素子)40は、光吸収層34としてCIGSの半導体化合物を用いるものである。太陽電池サブモジュール12は、第1の導電部材42と、第2の導電部材44とを有する。
太陽電池サブモジュール12において、基板50は、基材52と、Al(アルミニウム)層54と、絶縁層56とから構成されるフレキシブル基板である。
基材52とAl層54とは、一体的に形成されている。さらに、絶縁層56は、Al層54の表面を陽極酸化してなる、Alのポーラス構造の陽極酸化膜である。なお、基材52とAl層54とが積層されて一体化されたクラッド基板を金属基板55という。
本発明の太陽電池サブモジュール12においては、基板50を構成する(金属)基材52として、軟鋼、耐熱鋼、またはステンレス鋼が用いられる。
また、基材52の厚さにも、特に限定はないが、可撓性と強度(剛性)とのバランス、ハンドリング性等を考慮すると、10〜1000μmであるのが好ましい。
Al層54は、Alを主成分とする層で、AlやAl合金が、各種、利用可能である。特に、不純物の少ない、99質量%以上の純度のAlであることが好ましい。純度としては、例えば、99.99質量%Al、99.96質量%Al、99.9質量%Al、99.85質量%Al、99.7質量%Al、99.5質量%Al等が好ましい。
また、高純度Alではなくても、工業用Alも利用可能である。工業用Alを用いることにより、コストの点で有利である。ただし、絶縁層56の絶縁性の点で、Al中にSiが析出していないことが重要である。
Al層54の厚さは、特に限定はなく、適宜、選択できるが、太陽電池サブモジュール12となった状態において、0.1μm以上であり、かつ基材52の厚さ以下であるのが好ましい。
なお、Al層54は、Al表面の前処理、陽極酸化による絶縁層56の形成、光吸収層34の成膜時のAl層54と基材52との面における金属間化合物の生成等によって、厚さが、減少する。従って、後述するAl層54の形成時における厚さは、これらに起因する厚さ減少を加味して、太陽電池サブモジュール12となった状態で、基材52と絶縁層56との間にAl層54が残存している厚さとすることが、重要である。このため、Al層54の厚さとしては、陽極酸化による絶縁層を形成するため10〜50μm必要とされる。
Al層54の上(基材52と反対側面)には、絶縁層56が形成される。絶縁層56は、Al層54の表面を陽極酸化してなる、Alの陽極酸化膜である。
ここで、絶縁層56は、Alを陽極酸化してなる各種の陽極酸化膜が利用可能であるが、ポーラス型の陽極酸化膜であることが好ましい。この陽極酸化膜は、数10nmの細孔を有する酸化アルミナ被膜であり、被膜ヤング率が低いことにより、曲げ耐性や高温時の熱膨張差により生じるクラック耐性が高いものとなる。
絶縁層56の厚さは2μm以上が好ましく、5μm以上が更に好ましい。絶縁層56の厚さが過度に厚い場合、可撓性が低下すること、および絶縁層56の形成に要するコスト、時間がかかるため好ましくない。現実的には、絶縁層56の厚さは、最大50μm以下、好ましくは30μm以下である。このため、絶縁層56の好ましい厚さは、2〜50μmである。
本実施形態の太陽電池モジュール10はリジッド型であるが、太陽電池サブモジュール12にフレキシブル基板を用い、例えば、厚さ50〜200μmの金属基板55上に、陽極酸化により複数の細孔を有する絶縁層56(絶縁性酸化膜)が形成されたものであり、高い絶縁性が確保されている。
本実施形態の太陽電池サブモジュール12に用いられる基板50は、Al層54を陽極酸化して絶縁層56を形成した後、特定の封孔処理をしてもよい。その製造工程には、必須の工程以外の各種の工程が含まれていてもよい。例えば、付着している圧延油を除く脱脂工程、Al層54の表面のスマットを溶解するデスマット処理工程、Al層54の表面を粗面化する粗面化処理工程、Al層54の表面に陽極酸化皮膜を形成させる陽極酸化処理工程および陽極酸化皮膜のマイクロポアを封孔する封孔処理を経て基板50とすることが好ましい。
なお、基板50は、基材52、Al層54および絶縁層56の全てを、可撓性を有するもの、すなわち、フレキシブルなものとすることにより、基板50全体として、フレキシブルなものになる。これにより、例えば、ロールツーロール方式で、基板50の絶縁層56側に、後述するアルカリ供給層、下部電極、光吸収層、上部電極等を形成することができる。
本発明においては、1回のロール巻出から巻取までの間に、複数の層を連続して製膜することにより太陽電池構造を作製してもよいし、ロール巻出、製膜、巻取の工程を複数回行うことによって太陽電池構造を形成してもよい。また、後述するように各製膜工程の合間に素子を分離、集積させるためのスクライブ工程をロールツーロール方式での製造に加えることで複数の太陽電池セル40を電気的に直列接続させた集積型太陽電池サブモジュールを作製することができる。
本発明においては、基材52の一面のみにAl層54および絶縁層56を形成するのに限定はされず、基材52の両面に、Al層54および絶縁層56を形成したものを基板としてもよく、Al層が単層、すなわち、Al基板に上述の陽極酸化膜により構成される絶縁層が設けられたものであってもよい。
なお、金属基板としては、陽極酸化により金属基板表面上に生成する金属酸化膜が絶縁体である材料を利用することができる。このため、アルミニウム(Al)以外にも、具体的には、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)及びタンタル(Ta)等、並びにそれらの合金を用いることができる。コストや太陽電池モジュールに要求される特性の観点から、アルミニウムが最も好ましい。
また、耐熱性向上のために軟鋼、ステンレス鋼等の鉄鋼板上に上記金属の層を圧延または溶融メッキにより形成した所謂、クラッド材であっても良い。
ここで、絶縁層56(基板50)と下部電極32との間、すなわち、絶縁層56の表面56aにアルカリ供給層58(光吸収層34へのアルカリ金属の供給源)が形成されている。
アルカリ金属(特にNa)が、CIGSからなる光吸収層34に拡散されると光電変換効率が高くなることが知られている。
このアルカリ供給層58は、光吸収層34にアルカリ金属を供給するための層であり、アルカリ金属を含む化合物の層である。本発明においては、絶縁層56と下部電極32との間に、このようなアルカリ供給層58を有することにより、光吸収層34の成膜時に、下部電極32を通してアルカリ金属が光吸収層34に拡散し、光吸収層34の変換効率を向上することができる。
アルカリ供給層58には、限定はなく、NaO2、Na2S、Na2Se、NaCl、NaF、モリブデン酸ナトリウム塩など、アルカリ金属を含む化合物(アルカリ金属化合物を含む組成物)を主成分とするものが、各種、利用可能である。特に、SiO2(酸化ケイ素)を主成分としてNaO2(酸化ナトリウム)を含む化合物であるのが好ましい。
なお、SiOとNaOの化合物は、耐湿性に乏しく、Na成分が分離して炭酸塩になり易いので、Caを添加した金属成分はSi−Na−Caの3成分とした酸化物がより好ましい。
なお、本発明においては、光吸収層34へのアルカリ金属供給源は、アルカリ供給層58のみに限定はされない。
例えば、絶縁層56が、前述のポーラス型の陽極酸化膜である場合には、アルカリ供給層58に加え、絶縁層56のポーラスの中にもアルカリ金属を含む化合物を導入して、光吸収層34へのアルカリ金属供給源としてもよい。あるいは、特にアルカリ供給層58を有さず、絶縁層56のポーラスの中のみにアルカリ金属を含む化合物を導入して、光吸収層34へのアルカリ金属供給源としてもよい。
一例として、スパッタリングによってアルカリ供給層58を成膜した場合には、絶縁層56中にはアルカリ金属を含む化合物が存在しない、アルカリ供給層58のみを成膜することができる。また、絶縁層56はポーラス型陽極酸化膜であり、かつ、アルカリ供給層58をゾルゲル反応や珪酸Na水溶液の脱水乾燥によって成膜した場合には、アルカリ供給層58のみならず、絶縁層56のポーラス層中にもアルカリ金属を含む化合物を導入して、絶縁層56およびアルカリ供給層58の両者を、光吸収層34へのアルカリ金属供給源とすることができる。
太陽電池サブモジュール12において、下部電極32は、隣り合う下部電極32と所定の間隙33を設けて配列されて、アルカリ供給層58の上に形成されている。また、各下部電極32の間隙33を埋めつつ、光吸収層34が下部電極32の上に形成されている。この光吸収層34の表面にバッファ層36が形成されている。
光吸収層34とバッファ層36とは、下部電極32の上で、所定の間隙37を設けて配列される。なお、下部電極32の間隙33と、光吸収層34(バッファ層36)との間隙37は、太陽電池セル40の配列方向の異なる位置に形成される。
さらに、光吸収層34(バッファ層36)の間隙37を埋めるように、バッファ層36の表面に上部電極38が形成されている。
上部電極38、バッファ層36および光吸収層34は、所定の間隙39を設けて、配列される。また、この間隔39は、前記下部電極32の間隙と、光吸収層34(バッファ層36)との間隙とは異なる位置に設けられる。
太陽電池サブモジュール12において、各太陽電池セル40は、下部電極32と上部電極38により、基板50の長手方向(矢印L方向)に、電気的に直列に接続されている。
下部電極32は、例えば、Mo電極で構成される。光吸収層34は、光電変換機能を有する半導体化合物、例えば、CIGS膜で構成される。さらに、バッファ層36は、例えば、CdSで構成され、上部電極38は、例えば、ZnOで構成される。
なお、太陽電池セル40は、基板50の長手方向Lと直交する幅方向に長く伸びて形成されている。このため、下部電極32等も基板50の幅方向に長く伸びている。
図2に示すように、右端の下部電極32上に第1の導電部材42が接続されている。この第1の導電部材42は、後述する負極からの出力を外部に取り出すためのものである。
第1の導電部材42は、例えば、細長い帯状の部材であり、基板50の幅方向に略直線状に伸びて、右端の下部電極32上に接続されている。また、図2に示すように、第1の導電部材42は、例えば、銅リボン42aがインジウム銅合金の被覆材42bで被覆されたものである。この第1の導電部材42は、例えば、超音波半田により下部電極32に接続される。あるいは第1の導電部材42は、銅箔にIn−Snを溶融メッキし、エンボス構造を有する導電テープであってもよく、この導電テープはローラーによる圧着により下部電極32に貼り合せることにより接続される。
他方、左端の下部電極32上には、第2の導電部材44が形成される。
第2の導電部材44は、後述する正極からの出力を外部に取り出すためのもので、第1の導電部材42と同様に細長い帯状の部材であり、基板50の幅方向に略直線状に伸びて、左端の下部電極32に接続されている。
第2の導電部材44は、第1の導電部材42と同様の構成のものであり、例えば、銅リボン44aがインジウム銅合金の被覆材44bで被覆されたものであるが、同様に導電テープにより接続してもよい。
なお、本実施形態の太陽電池セル40の光吸収層34は、CIGSで構成されており、公知のCIGS系の太陽電池の製造方法により製造することができる。
太陽電池サブモジュール12では、太陽電池セル40に、上部電極38側から光が入射されると、この光が上部電極38およびバッファ層36を通過し、光吸収層34で起電力が発生し、例えば、上部電極38から下部電極32に向かう電流が発生する。なお、図2に示す矢印は、電流の向きを示すものであり、電子の移動方向は、電流の向きとは逆になる。このため、光電変換部48では、図2中、左端の下部電極32が正極(プラス極)になり、右端の下部電極32が負極(マイナス極)になる。
本実施形態において、太陽電池サブモジュール12で発生した電力を、第1の導電部材42と第2の導電部材44から、太陽電池サブモジュール12の外部に取り出すことができる。
なお、本実施形態において、第1の導電部材42が負極であり、第2の導電部材44が正極である。また、第1の導電部材42と第2の導電部材44とは極性が逆であってもよく、太陽電池セル40の構成、太陽電池サブモジュール12構成等に応じて、適宜変わるものである。
また、本実施形態においては、各太陽電池セル40を、下部電極32と上部電極38により基板50の長手方向Lに直列接続されるように形成したが、これに限定されるものではない。例えば、各太陽電池セル40が、下部電極32と上部電極38により幅方向に直列接続されるように、各太陽電池セル40を形成してもよい。
太陽電池セル40において、下部電極32および上部電極38は、いずれも光吸収層34で発生した電流を取り出すためのものである。下部電極32および上部電極38は、いずれも導電性材料からなる。光入射側の上部電極38は透光性を有する必要がある。
下部電極(裏面電極)32は、例えば、Mo、Cr、またはW、およびこれらを組合わせたものにより構成される。この下部電極32は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。下部電極32は、Moで構成することが好ましい。
下部電極32は、厚さが100nm以上であることが好ましく、0.45〜1.0μmであることがより好ましい。
また、下部電極32の形成方法は、特に制限されるものではなく、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法により形成することができる。
上部電極(透明電極)38は、例えば、Al、B、Ga、In、Sb等が添加されたZnO、ITO(インジウム錫酸化物)やSnO、および、これらを組合わせたものにより構成される。この上部電極38は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。また、上部電極38の厚さは、特に制限されるものではなく、0.3〜1μmが好ましい。
また、上部電極38の形成方法は、特に制限されるものではなく、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法または塗布法により形成することができる。
バッファ層36は、上部電極38の形成時の光吸収層34を保護すること、上部電極38に入射した光を光吸収層34まで透過させるために形成されている。
このバッファ層36は、例えば、CdS、ZnS、ZnO、ZnMgO、またはZnS(O、OH)およびこれらの組合わせたものにより構成される。
バッファ層36は、厚さが、0.03〜0.1μmが好ましい。また、このバッファ層36は、例えば、CBD(ケミカルバス)法により形成される。
光吸収層34は、上部電極38およびバッファ層36を通過して到達した光を吸収して電流が発生する層であり、光電変換機能を有する。光吸収層34は、CIGS膜で構成されており、CIGS膜はカルコパイライト結晶構造を有する半導体からなる。CIGS膜の組成は、例えば、Cu(In1-xGax)Se2(CIGS)である。
CIGS膜の形成方法としては、1)多源蒸着法、2)セレン化法、3)スパッタ法、4)ハイブリッドスパッタ法、および5)メカノケミカルプロセス法等が知られている。
その他のCIGSの成膜法としては、スクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、及びスプレー法(ウェット成膜法)などが挙げられる。例えば、スクリーン印刷法(ウェット成膜法)またはスプレー法(ウェット成膜法)等で、Ib族元素、IIIb族元素、及びVIb族元素を含む微粒子膜を基板上に形成し、熱分解処理(この際、VIb族元素雰囲気での熱分解処理でもよい)を実施するなどにより、所望の組成の結晶を得ることができる(特開平9−74065号公報、特開平9−74213号公報等)。
このような成膜方法は、基板上でCIGSを形成する際にいずれも500℃以上であれば、良好な光電変換効率を示すが、ロールツーロール方式での製造を考慮すると、プロセス時間が短い多源蒸着法が好ましい。とりわけ、バイレイヤー法が好適である。
前述のように、本発明の太陽電池サブモジュール12は、前述の基板50の上に、太陽電池セル40を直列接合して作製して、製造するが、その製造方法は、公知の各種の太陽電池と同様に行えばよい。
以下、図2に示す太陽電池サブモジュール12の製造方法の一例を説明する。
まず、上述のようにして形成された基板50を用意する。次に、基板50の絶縁層56の表面に、例えば、ソーダ石灰ガラスをターゲットとして用いるスパッタリングや、SiおよびNaを含むアルコキシドからを用いたゾルゲル法によって、アルカリ供給層58を成膜する。
次に、アルカリ供給層58の表面に下部電極32となるMo膜を、例えば、成膜装置を用いて、スパッタ法により形成する。
次に、例えばレーザースクライブ法を用いて、Mo膜の所定位置をスクライブして、基板50の幅方向に伸びた間隙33を形成する。これにより、間隙33により互いに分離された下部電極32が形成される。
次に、下部電極32を覆い、かつ間隙33を埋めるように、光吸収層34(p型半導体層)として、CIGS膜を形成する。このCIGS膜は、前述の何れか成膜方法により、形成される。
次に、光吸収層34(CIGS膜)上にバッファ層36となるCdS層(n型半導体層)を、例えば、CBD(ケミカルバス)法により形成する。これにより、pn接合半導体層が構成される。
次に、間隙33とは太陽電池セル40の配列方向に異なる所定位置を、例えばレーザースクライブ法を用いてスクライブして、基板50の幅方向に伸びた、下部電極32にまで達する間隙37を形成する。
次に、バッファ層36上に、間隙37を埋めるように、上部電極38となる、例えば、ITO層、Al、B、Ga、Sb等が添加されたZnO層を、スパッタ法や塗布法により形成する。
次に、間隙33および37とは、太陽電池セル40の配列方向に異なる所定位置を、例えばレーザースクライブ法を用いてスクライブして、基板50の幅方向に伸びた、下部電極32にまで達する間隙39を形成する。これにより、太陽電池セル40が形成される。
次に、基板50の長手方向Lにおける左右側の端の下部電極32上に形成された各太陽電池セル40を、例えば、レーザースクライブまたはメカニカルスクラブにより取り除いて、下部電極32を表出させる。次に、右側の端の下部電極32上に第1の導電部材42を、左側の端の下部電極32上に第2の導電部材44を、例えば、導電性テープを用いて接続する。
これにより、図2に示すように、複数の太陽電池セル40が電気的に直列に接続された太陽電池サブモジュール12を製造することができる。
図1(b)に示す本実施形態の太陽電池モジュール10においては、白板強化ガラス並み、またはそれ以上の耐風圧性、耐降雹性等の機械的強度、衝撃強度とすることができる。しかも、同じ厚さであれば、密度がガラスの2.5g/cmに対して、プラスチックシートは1.1〜1.2g/cmなので質量を50%以下にできる。
一般的には、白板強化ガラスは厚さが3.2mmであるが、さらに、表面保護層の厚さを1〜2mmと薄くすることにより、単位面積当たりの質量を1.2〜2.4kg/mにできる。この場合、白板強化ガラスの16〜32%まで軽量化が可能となる。
ここで、太陽電池モジュール10のように、表面保護層にプラスチックシートを用いる場合、線膨張係数が大きいこと、プラスチックシートと接着充填層間の接着性が非常に悪い。このため、温度上昇と共に太陽電池モジュールが反ったり、太陽電池の構成層間で剥離する等の大きな問題を抱えている。そこで、構成材の選択、接着性の改善が必須である。本実施形態の太陽電池モジュールによれば、これらの対策として、表面保護層にとなるポリカーボネートシートに予めの熱処理を行い、それに引き続きコロナ処理、チタネートカップリング剤からなるプライマー塗布および乾燥を行い、第1の接着充填層24に熱可塑性オレフィン系重合体樹脂を用いることにより、接着性を改善し、反り、剥離等を抑制しつつ太陽電池モジュールを製造することができる。
水分または水蒸気が太陽電池モジュールの表面あるいは端面(周縁部)から拡散してきて性能劣化、配線腐食等の不良を発生させることがあるが、表面側に水蒸気バリアフィルム22を設け、端面(周縁部)に中間シール材18を設けることにより、水分または水蒸気による性能劣化、配線腐食等の不良を、より確実に抑制することができる。仮に、水分が進入しても、太陽電池セル等の透明電極に達することを防止することができる。
特に、水蒸気バリアフィルム22は、有機層および無機層が形成された面を向けて太陽電池サブモジュール側に配置することにより、基材を通じた水分拡散も防止することができる。
このように本発明によれば、太陽電池モジュールへの水分の浸入を防止でき、長期間にわたって、安定した性能を発揮し、安定して用いることができる太陽電池モジュールを実現できる。
太陽電池サブモジュール12としてガラス基板でなく、ロールツーロール製造方式で製造可能な金属シートの表面にアルミニウムの陽極酸化皮膜が形成された基板を用いて、光吸収層としてCIGS膜を形成することにより、軽量、かつ低コストの太陽電池モジュールを得ることができる。
なお、本実施形態の太陽電池モジュール10の製造方法によれば、上述の優れた特性を有する太陽電池モジュール10を好適に製造することができる。
ここで、従来の太陽電池モジュールの模式的断面図を図5および図6に示す。図5に示す従来の太陽電池モジュール100aは、太陽電池サブモジュール110が接着充填層102によって包囲されており、この接着充填層102の上面に表面保護層104が設けられている。また、この接着充填層102の下面に裏面保護層106が設けられている。
また、図6の従来の太陽電池モジュール100bは、図5に示す太陽電池モジュール100aに比して、側端面108にシール材112が設けられている点が異なり、それ以外の構成は太陽電池モジュール100aと同じである。
一般に太陽電池サブモジュールの表面は、ITO膜、ZnO(Al)膜、ZnO(B)膜等の透明導電膜で形成されている。これらの透明導電膜はその材質上、非常に水分に弱い。図5に示す構成の太陽電池モジュール100aの場合、太陽電池サブモジュール110を包囲している接着充填層102の側端面108は外部に晒されており、この側端面108から水分が浸入して太陽電池サブモジュール110の表面に到達し、透明導電膜の抵抗を上昇させたり、透明導電膜下の接合部に達してリーク電流を発生させたりして、太陽電池モジュールの特性を劣化させるという問題を引き起こす。
これに対して,図6に示す構成の太陽電池モジュール100bの場合には、接着充填層102の側端面108がシール材112によって覆われているため、一見すると側端面108からの水分浸入を阻止できるように見える。しかし、高温、高湿の環境下において接着充填層102、表面保護層104、裏面保護層106等の熱膨張および熱収縮の差異によって、太陽電池モジュール100bの外周が屈曲し、シール材112の周縁部が剥離したり、または一部空洞が発生して水分がそこから内部に浸入したりするため、結果として太陽電池モジュール100bの側端面108からの水分侵入を阻止することはできない。
これに対して、図1(b)に示す太陽電池モジュール10は、中間シール材18をバックシート16の周縁より内側に配置することによって、中間シール材18は水蒸気バリアフィルム22とバックシート16が接合した太陽電池モジュール10の内部に位置するために外部に晒されることがなく、熱膨張および熱収縮の差異によって中間シール材18が屈曲したり、剥離したりといった問題を生じることがない。また、中間シール材18は少なくとも太陽電池サブモジュール12の裏面12bから水蒸気バリアフィルム22まで設けられ、中間シール材18が水蒸気バリアフィルム22に当接して接着充填材20をシールするので、接着充填材20側面からの水分浸入を阻止することが可能となり、少なくとも太陽電池サブモジュール12の表面12a側(上側)からの水分浸入を抑制することができる。また、水分と接着充填材20を構成する接着剤の反応によって生成する腐食物質,例えば、酢酸の生成を軽減することができ、長期間にわたって安定した性能を発揮することができる太陽電池モジュール10とすることができる。
なお、図1(b)に示す太陽電池モジュール10において、中間シール材18は太陽電池サブモジュール12の裏面12bから水蒸気バリアフィルム22まで設けられている構成としたが、中間シール材18をバックシート16にも当接させて第2の接着剤層14を分離するように構成してもよい。このような構成とすれば、中間シール材18によって、第2の接着剤層14からの水分侵入も抑制することが可能となり、水分と第2の接着剤層14の反応によって生成する腐食物質をより効果的に軽減することが可能となり、太陽電池サブモジュール12の透明電極の変質による抵抗向上による太陽電池サブモジュール12の変換効率低下を抑制して、長期間にわたって安定した性能を発揮することができる太陽電池モジュール10とすることができる。
次に、第2の実施形態について説明する。
図3(a)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールの真空ラミネート前の各部材の配置状態を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールを示す模式的断面図である。
なお、本実施形態において、図1(a)、(b)に示す第1の実施形態の太陽電池モジュール10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図3(b)に示す本実施形態の太陽電池モジュール10aは、第1の実施形態の太陽電池モジュール10(図1(b)参照)に比して、接着充填材20と第2の接着充填層14とで太陽電池サブモジュール12を封止する構造、および中間シール材18が設けられておらず、バックシート16と表面保護層26との間に周囲を囲む周縁シール材19が設けられている構造が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態の太陽電池モジュール10と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
図3(b)に示す本実施形態の太陽電池モジュール10aにおいて、周縁シール材19は、第1の実施形態の中間シール材18と同様に太陽電池モジュール10aの機械的耐性を上げること、および太陽電池モジュール10aの周縁からの水分拡散耐性および耐湿性を上げるためのものである。この周縁シール材19は、中間シール材18と同じものを用いることができ、例えば、熱可塑性を示すブチルゴム、ポリイソプレン、イソプレン、ポリオレフィンが用いられる。
本実施形態の太陽電池モジュール10aは、以下のようにして作製することができる。
まず、図3(a)に示すように、太陽電池サブモジュール12の裏面12b側に、第2の接着充填層14、バックシート16を積層して配置する。次に、太陽電池サブモジュール12の表面12a側に、第1の実施形態と同様に、接着充填材20、水蒸気バリアフィルム22、第1の接着充填層24および表面保護層26を配置する。
さらに、バックシート16と表面保護層26との間に、第2の接着充填層14、バックシート16、接着充填材20、水蒸気バリアフィルム22および第1の接着充填層24の周囲を囲むように、周縁シール材19を配置する。これにより、図3(a)に示すように各部材が積層して配置された状態になる。
その後、各部材が積層して配置された状態で、例えば、昇降手段、緩衝板、および加熱手段を有する真空ラミネーターを用いて、例えば、温度120〜145℃で、真空/プレス/保持のトータル15〜30分の条件で真空ラミネートする。これにより、図3(b)に示す本実施形態の太陽電池モジュール10aが作製される。
なお、太陽電池モジュール10aの作製に際し、周縁シール材19を表面保護層26の裏面26bに貼り付けておき、太陽電池モジュール10の各部材を積層した後、仮止めし、真空ラミネートしてもよい。
なお、本実施形態においても、太陽電池モジュール10aを作製する際、第1の実施形態と同様に、表面保護層26の表面26a上に、上述のフッ素系透明樹脂フィルムを積層して配置し、この状態で真空ラミネートをして、太陽電電池モジュールを作製することもできる。
本実施形態の太陽電池モジュール10aにおいては、周縁シール材19を設けており、第1の実施形態の太陽電池モジュール10と同様の効果を得ることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。
図4(a)は、本発明の第3の実施形態の太陽電池モジュールの真空ラミネート前の各部材の配置状態を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の第3の実施形態の太陽電池モジュールを示す模式的断面図である。
なお、本実施形態において、図1(a)、(b)に示す第1の実施形態の太陽電池モジュール10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図4(b)に示すように、本実施形態の太陽電池モジュール10bは、第1の実施形態の太陽電池モジュール10(図1(a)および(b)参照)に比して、接着充填材20と第2の接着充填層14とにより太陽電池サブモジュール12が封止されており、中間シール材18が設けられていない点、太陽電池サブモジュール12、第2の接着充填層14、バックシート16、水蒸気バリアフィルム22、第1の接着充填層24および表面保護層26からなる太陽電池積層体30の周縁部βに枠部材60が設けられている点が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態の太陽電池モジュール10と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の太陽電池モジュール10bにおいて、枠部材60は、太陽電池モジュール10aの機械耐性を向上させるとともに、第1の実施形態の中間シール材18と同様に周縁部βからの水分拡散耐性および耐湿性を向上させるためのものである。枠部材60は、外縁シール材62および外枠材64とからなり、内側に外縁シール材62が設けられ、外側に外枠材64が設けられる。
外縁シール材62は、例えば、熱可塑性を示すブチルゴム、ポリイソプレン、イソプレン、ポリオレフィンが用いられる。
外枠材64は、箔状のもので構成しても、フレーム状のもので構成してもよい。外枠材64は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金を用いて形成することができる。また、外枠材64として、例えば、金属箔を用いた場合、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金を用いることができる。金属箔の厚さは、例えば、50〜300μmである。金属箔は、粘着材が予め設けられたものであってもよい。
なお、外枠材64には、太陽電池モジュール10bの美観、意匠性の観点から金属箔に黒色PETフィルムが接着された金属箔テープを用いてもよい。
更に耐湿性が求められる場合、例えば、外縁シール材62にブチルゴムが用いられ、外枠材64にL字状のアルミフレームが用いられる。
本実施形態の太陽電池モジュール10bにおいても、第1の実施形態と同様に、表面保護層26の表面26aに上述のフッ素系透明樹脂フィルムを設けることができる。
本実施形態の太陽電池モジュール10aは、以下のようにして作製することができる。まず、太陽電池サブモジュール12の裏面12b側に、第1の実施形態と同様に、第2の接着充填層14、バックシート16を積層して配置する。次に、太陽電池サブモジュール12の表面12a側に、第1の実施形態と同様に、接着充填材20、水蒸気バリアフィルム22、第1の接着充填層24および表面保護層26を積層して配置する。これにより、図4(a)に示すように各部材が積層して配置された状態になる。その後、各部材が積層して配置された状態で、第1の実施形態と同様に、例えば、温度120〜145℃で、真空/プレス/保持のトータル15〜30分の条件で真空ラミネートする。これにより、太陽電池積層体30が形成される。
その後、太陽電池積層体30の周縁部βならびに表面保護層26表面の一部およびバックシート16の表面の一部を覆うように、枠部材60の外縁シール材62を設ける。その後、外縁シール材62上に外枠材64を接着する。これにより、図4(b)に示す本実施形態の太陽電池モジュール10bが作製される。
なお、本実施形態においても、太陽電池モジュール10bを作製する際、第1の実施形態と同様に、表面保護層26の表面26a上に、上述のフッ素系透明樹脂フィルムを積層して配置し、この状態で真空ラミネートをして、太陽電電池モジュールを作製することもできる。
本実施形態の太陽電池モジュール10bにおいては、枠部材60を設けることにより、第1の実施形態の太陽電池モジュール10と同様の効果を得ることができる。さらに、機械的耐性、ならびに水分拡散耐性および耐湿性をより向上させることができる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の太陽電池モジュールの製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。さらに、機械的耐性、ならびに水分拡散耐性および耐湿性をより向上させることができる。
以下、本発明の太陽電池モジュールについて、より具体的に説明する。
本実施例においては、太陽電池モジュール構造の接着性の検討のため、表面保護層(ポリカーボネート)/接着充填層/裏面保護層(ポリカーボネート)の構造を有する実験例1〜4の試験構造体を作製した。そして、実験例1〜4の試験構造体について、表面保護層を構成するポリカーボネートの表面処理条件を変えて作製し、85℃、85%RH 500HRダンプヒートテストを行った後、接着テストを行った。
実験例1〜4の試験構造体において、表面保護層および裏面保護層には、ポリカーボネートを用いた。このポリカーボネートには、厚さが1mmのユーピロンNF−2000(三井ガス化学社製)を用いた。なお、実験例1〜4の試験構造体のサイズは、幅が15mm、長さが150mmである。
接着充填層については、オレフィン(下記表1で「オレフィン」と表記)として熱可塑性オレフィン系重合体樹脂封止材Z68(DNP社製)を用い、EVA(下記表1で「EVA」と表記)として三井化学ファブロ株式会社製ソーラーエバ(EVA)を用いた。
プライマーとしては、東レ・ダウコーニング社のチタネートカップリング剤である1200 OS((下記表1で「プライマーA」と表記))、またはDY39−067((下記表1で「プライマーB」と表記)を用いた。
実験例1〜4の試験構造体において、表面保護層に用いるポリカーボネートシートについては予め125℃で3時間、空気中で熱処理した。
実験例1は、プライマーを塗布しないものである。実験例1においては、ポリカーボネートシートをコロナ処理することなく、接着充填層にオレフィンまたはEVAを用いてポリカーボネートを接着して、試験構造体を得た。また、実験例1については、ポリカーボネートシートの接着充填層との接着面をコロナ処理した後、接着充填層にオレフィンまたはEVAを用いてポリカーボネートを接着して、試験構造体を得た。
コロナ処理については、春日電機製コロナ放電機を用いて、パワー150W、処理速度0.5m/分で、ポリカーボネートシートの接着充填層との接着面をコロナ処理して、親水性とした。
実験例2は、コロナ処理しない場合には、ポリカーボネートシートの接着充填層との接着面にプライマーとして東レ・ダウコーニング社のチタネートカップリング剤である1200 OS(プライマーA)を、ベンコットンにしみ込ませて塗り、その後、室温で1時間乾燥した後に、接着充填層にオレフィンまたはEVAを用いてポリカーボネートを接着して、試験構造体を得た。
実験例2において、ポリカーボネートシートの接着充填層との接着面を実験例1と同じ条件でコロナ処理した後、この接着面にプライマーとして東レ・ダウコーニング社のチタネートカップリング剤である1200 OS(プライマーA)を、ベンコットンにしみ込ませて塗り、その後、室温で1時間乾燥した後に、接着充填層にオレフィンまたはEVAを用いてポリカーボネートを接着して、試験構造体を得た。
実験例3は、コロナ処理しない場合には、ポリカーボネートシートの接着充填層との接着面にプライマーとして東レ・ダウコーニング社のチタネートカップリング剤であるDY39−067(プライマーB)を、ベンコットンにしみ込ませて塗り、その後、室温で1時間乾燥した後に、接着充填層にオレフィンまたはEVAを用いてポリカーボネートを接着して、試験構造体を得た。
実験例3において、ポリカーボネートシートの接着充填層との接着面を実験例1と同じ条件でコロナ処理した後、この接着面にプライマーとして東レ・ダウコーニング社のチタネートカップリング剤であるDY39−067(プライマーB)を、ベンコットンにしみ込ませて塗り、その後、室温で1時間乾燥した後に、接着充填層にオレフィンまたはEVAを用いてポリカーボネートを接着して、試験構造体を得た。
実験例4は、エンボスシートの接着充填層との接着面にエンボスを形成した後、コロナ処理しない場合には、ポリカーボネートシートの接着充填層との接着面にプライマーとして東レ・ダウコーニング社のチタネートカップリング剤であるDY39−067(プライマーB)を、ベンコットンにしみ込ませて塗り、その後、室温で1時間乾燥した後に、接着充填層にオレフィンまたはEVAを用いてポリカーボネートを接着して、試験構造体を得た。
実験例4において、エンボスシートの接着充填層との接着面にエンボスを形成した後、ポリカーボネートシートの接着充填層との接着面を実験例1と同じ条件でコロナ処理した後、この接着面にプライマーとして東レ・ダウコーニング社のチタネートカップリング剤であるDY39−067(プライマーB)を、ベンコットンにしみ込ませて塗り、その後、室温で1時間乾燥した後に、接着充填層にオレフィンまたはEVAを用いてポリカーボネートを接着して、試験構造体を得た。
なお、エンボス構造は、ポリカーボネートシートの片面にグラスクロス(中興化成製 FGF−400−22)をポリカーボネート上に被せて温度155℃で30分、真空ラミネーターでプレスすることにより形成した。
各実験例1〜4の接着テストの試験結果を下記表1に示す。
下記表1に示す接着テストは、引張り試験機によるT字剥離法により、大きさが15mm×150mmの積層試験構造体について、上下のポリカーボネートシートを180°方向に、剥離速度10cm/分で引張り、そのときの剥離する強度を測定した。下記表1に示す接着テストの評価は、接着テストによる剥離強度が5N以上のものを◎とし、2N以上5N未満のものを○とし、1N以上2N未満のものを△とし、1N以下のものを×とした。
Figure 2012204458
上記表1に示すように、プライマー塗布およびコロナ処理することにより、表面保護層にポリカーボネートを用いた場合でも、その接着性を向上させることができる。
本実施例においては、以下に示す実施例1〜3および比較例1、2の太陽電池モジュールを作製し、その性能を評価した。
(実施例1)
サブストレート構造を有する、CIGS膜を光吸収層に用いた太陽電池サブモジュール12を備える図1(b)に示す太陽電池モジュール10を作製した。
水蒸気バリアフィルム22には、PETフィルムを基材に用い、有機層および無機層を積層したものを用いた。この水蒸気バリアフィルム22の有機層および無機層面が形成された面を、基材を通じた水分拡散を防止するため下の太陽電池サブモジュール12側に配置した。
第1の接着充填層24には、熱可塑性オレフィン系重合体樹脂封止材Z68(DNP社製)を用いた。接着充填材20、および第2の接着充填層14には、三井化学ファブロ株式会社製ソーラーエバ(EVA)を用いた。
表面保護層26には、後述の熱処理を施したポリカーボネートシートを用い、このポリカーボネートシートには、厚さが1mmのユーピロンNF−2000(三井ガス化学社製)を用いた。
この表面保護層26となるポリカーボネートシートには、真空ラミネート工程での熱収縮による反りを抑制するために、予め125℃で3時間、空気中で熱処理した。
その後、第1の接着充填層24との接着面に、コロナ処理を施した。このコロナ処理については、春日電機製コロナ放電機を用いて、パワー150W、処理速度0.5m/分でコロナ処理して、親水性とした。
コロナ処理後の接着面にプライマーとして東レ・ダウコーニング社のチタネートカップリング剤であるDY39−067(プライマーB)を、ベンコットンにしみ込ませて塗り、その後、室温で1時間乾燥させた。
さらに、バックシート16には、反りを抑制するためエム・エー・パッケージ社製のバックシート(PVF/Al/PVF)、EVA層、0.5mm厚のユーピロンNF−2000NSの3層構造のシートを用いた。
また、中間シール材18としては、横浜ゴム社製のホットメルトブチルゴム(M−155)のシート材を用い、口状に切り抜き、中間シール材18の幅5mmとし、中間シール材18の外周と太陽電池モジュール10周縁部との距離を10mmとした。
実施例1の作製に際して、このような材料を積層して配置した状態で、昇降手段、緩衝板、および加熱手段を有する真空ラミネーターを用いて、140℃の温度で真空/プレス/保持のトータル20分のラミネート条件で太陽電池モジュール10を作製した。
(実施例2)
図3(b)に示す太陽電池モジュール10aを作製した。なお、中間シール材18を設けることなく、周縁シール材19を設けた以外は、実施例1と同じものを用いた。
周縁シール材19には、サエス・ゲッターズ社のB−Dryテープ(10mm幅)を用いた。
実施例2の作製に際して、周縁シール材19を予め表面保護層(ポリカーボネートシート)に貼り付けて、その内側に上述の各シートを積層して、積層したものをテープで仮止めし、この状態で、昇降手段、緩衝板、および加熱手段を有する真空ラミネーターを用いて、140℃の温度で真空/プレス/保持のトータル20分のラミネート条件で太陽電池モジュール10aを作製した。
(実施例3)
図4(b)に示す太陽電池モジュール10bを作製した。なお、実施例3の太陽電池モジュール10bは、中間シール材18を設けることなく、枠部材60を設けたものである。
実施例3においては、枠部材60以外、実施例1と同じものを用いた。枠部材60には、外縁シール材62としてシリコーンシール材を用いた。シリコーンシール材には、信越化学工業(株)のRTVシール材KE−45を用いた。また、外枠材64にL字状のアルミフレームを用いた。
実施例3の作製に際して、実施例2と同様にして、ラミネートしたものを作製し、その後、L字状のアルミフレーム溝に予めシリコーンシール材を塗布して埋め込んでおき、ラミネートしたものの4辺をアルミフレームの溝にセットしてアルミフレームをネジ止めして固定した。その後、室温で7日放置してシリコーンシール材を硬化させて枠部材60を設け、太陽電池モジュール10bを作製した。
(比較例1)
図1(b)に示す太陽電池モジュール10を作製した。なお、比較例1は、表面保護層26となるポリカーボネートシートに、実施例1と同じ条件で予め熱処理するものの、コロナ処理およびプライマー塗布をしない点で異なり、それ以外は、実施例1と同じ構成とし、実施例1と同じ製造条件で太陽電池モジュール10を作製した。
(比較例2)
図3(b)に示す太陽電池モジュール10aを作製した。なお、比較例2は、表面保護層26となるポリカーボネートシートに、実施例1と同じ条件で予め熱処理するものの、コロナ処理およびプライマー塗布をしない点で異なり、それ以外は、実施例2と同じ構成とし、実施例2と同じ製造条件で太陽電池モジュール10aを作製した。
作製した実施例1〜3および比較例1、2の5種の太陽電池モジュールについて、ダンプヒートテスト(温度85℃、湿度85%RHの環境に1000時間放置)後の変換効率を測定した。その結果を下記表2に示す。
ダンプヒートテストにおいては、太陽電池モジュールの変換効率が初期値の90%以上を保持したものを○と評価し、太陽電池モジュールの変換効率が初期値の80%以上90%未満であったものを△と評価し、太陽電池モジュールの変換効率が初期値の60%以上80%未満であったものを×と評価した。
Figure 2012204458
上記表2に示すように、実施例1〜3はいずれも、ダンプヒートテスト後の変換効率について良好な結果が得られた。一方、比較例1、2は、ダンプヒートテスト後、変換効率が劣化し、良好な結果が得られなかった。
なお、比較例1は、表面保護層と水蒸気バリアフィルムの間で剥離が生じた。しかしながら、水分拡散は水蒸気バリアフィルムがあるため、劣化が抑えられた。
また、比較例2では、表面保護層と水蒸気バリアフィルムの間、及び周縁シールも剥離した。このため、比較例2では、周縁からの水分拡散が比較例1に比して大きくなり、劣化が大きいと推測される。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10、10a、10b 太陽電池モジュール
12 太陽電池サブモジュール
14 第2の接着充填層
16 バックシート
18 中間シール材
19 周縁シール材
20 接着充填材
22 バリアフィルム
24 第1の接着充填層
26 表面保護層
40 太陽電池セル
50 基板
60 枠部材
62 外縁シール材
64 外枠材

Claims (11)

  1. 太陽電池サブモジュールの表面側に接着充填材、水蒸気バリアフィルム、第1の接着充填層および表面保護層が積層して設けられ、前記太陽電池サブモジュールの裏面側に第2の接着充填層および裏面保護層が積層して設けられた太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記太陽電池サブモジュールは、金属シートの表面にアルミニウムの陽極酸化皮膜が形成された基板に、CIGS膜で構成された光吸収層が形成されたものであり、
    前記表面保護層および前記裏面保護層のうち、少なくとも前記表面保護層がプラスチックシートで構成されており、
    前記プラスチックシートを予め熱処理する工程と、
    前記プラスチックシートの前記第1の接着充填層と接する側の面をコロナ処理する工程と、
    前記プラスチックシートのコロナ処理された面にプライマーを塗布する工程と、
    前記太陽電池サブモジュールの表面側に、前記接着充填材、前記水蒸気バリアフィルム、前記第1の接着充填層を積層し、前記熱処理および前記コロナ処理がされ、さらにプライマーが塗布されたプラスチックシートを、前記プライマーが塗布された面を前記第1の接着充填層に向けて積層して配置するとともに、前記太陽電池サブモジュールの裏面側に第2の接着充填層および裏面保護層を積層して配置する工程と、
    前記複数層、積層して配置された状態で、真空ラミネートする工程とを有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 前記プラスチックシートは、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂で構成されており、前記プラスチックシートの厚さは、0.5〜2.0mmである請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法の製造方法。
  3. 前記プラスチックシートの熱処理工程は、100〜140℃の温度でなされる請求項1または2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記プライマーは、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、またはチタネートカップリング剤を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 前記第1の接着充填層は、熱可塑性オレフィン系重合体樹脂で構成されており、
    前記真空ラミネート工程の温度は120〜145℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 前記プラスチックシートは、ポリカーボネート樹脂で構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 前記プラスチックシートは、前記第1の接着充填層と接する側の面にエンボス構造を備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 前記エンボス構造は、凹凸の高さが10〜1000μmである請求項7に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  9. 前記積層して配置する工程は、前記裏面保護層の周縁部より5〜30mm内側に、水蒸気浸入防止のための中間シール材を配置する工程を備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  10. 前記積層して配置する工程は、前記表面保護層および裏面保護層の周縁部に、水蒸気浸入防止のための周縁シール材を配置し、前記周縁シール材の内側に前記太陽電池サブモジュール、前記接着充填材、前記水蒸気バリアフィルム、前記第1の接着充填層、前記プラスチックシート、および第2の接着充填層を積層する工程を備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  11. 前記真空ラミネート工程の後、外枠材の内側にシール材が設けられた枠部材を前記真空ラミネートしたものの周縁部に設ける工程を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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