JP2012207049A - コロイド分散液 - Google Patents

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智文 渡辺
Masashi Takei
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Abstract

【課題】金属粒子を含む無機成分及び光硬化性有機化合物からなる分散媒を含み、バランス良くインク吐出性及び分散性に優れたコロイド分散液を提供する。
【解決手段】平均粒径が0.7〜200nmの金属粒子を含む無機成分と、前記金属粒子の表面の少なくとも一部を覆う少なくともアミンを含む有機物と、(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性有機化合物を含む分散媒およびカルボン酸を含むことを特徴とするコロイド分散液。
【選択図】なし

Description

本発明は、分散媒と分散媒中に分散された金属粒子とを含むコロイド分散液に関し、特にインクジェット方式、グラビア方式又はフレキソ方式の印刷方式においてインクとして好適に用い得るコロイド分散液に関する。
分散媒と分散媒中に分散された金属粒子等の無機粒子とを含むコロイド分散液は、金属粒子を微粒子化させることでインク化して印刷に用いることができるため、薄膜の形成等に広く用いられている。このように特に金属粒子を用いたコロイド分散液には、従来から、良好な分散性を有することが求められている。分散性に劣るコロイド分散液では、保管している際や使用している際に、金属粒子が容器、インクタンク又はインク経路等で沈降し、印刷に不具合が発生して印刷特性が低下してしまうためである。
ここで、特に金属粒子の沈降防止という観点から、高粘度の感光性有機物を用いたり高粘度の溶媒を用いたりすることによって、コロイド分散液の粘度を増大させ、金属粒子が沈降しにくくすることが提案されている。
例えば、特許文献1(特開2004−54085号公報)においては、光線の透過性が良好な厚膜でかつ矩形・微細加工可能な感光性導体ペーストを供給することを意図して、感光性有機成分と金属粉末とを必須成分とし、金属粉末全量中10重量%以上100重量%以下の範囲で粒子径0.4μm以下の金属微粒子を含有することを特徴とする感光性導体ペーストが提案されている。
より具体的には、0.4μm以下の小さな粒径の金属粒子を高粘度の感光性有機成分を含む溶媒(分散媒ともいえる。)に分散させてペースト化し、1〜5Pa・sの高粘度のペーストをインクとしてスクリーン印刷に用いることが開示されている(特許文献1、段落番号[0040][0041]参照)。
また、例えば特許文献2(特開2006−30385号公報)及び特許文献3(特開2010−161127号公報)等においても、粒径の小さな金属粒子を含み、感光性有機物を分散媒として含む高粘度の感光性無機物ペーストをスクリーン印刷に用いることが検討されている。
特開2004−54085号公報 特開2006−30385号公報 特開2010−161127号公報
しかしながら、特許文献1〜特許文献3において提案されている技術に基づく高粘度のペーストは、インクジェット方式、フレキソ方式、グラビア方式及びオフセット方式等の印刷方式でインクとして用いることは好ましくないという問題がある。なぜなら、例えばインクジェット方式に高粘度のペーストからなるインクを用いると、ノズルからのインクの吐出が不安定になってしまうからである。また、フレキソ方式のように版を使用する印刷方式に高粘度のペーストからなるインクを用いる場合にも、特に描写の細かい部分やベタ部分のパターンがうまく印刷されなくなり、印刷品質が悪化してしまう。このような高粘度のペーストを低粘度の溶媒で希釈すると、成分が容易に沈降するために、印刷品質が悪化したり、インクジェットノズルを詰まらせたりするという問題が生じる。
また、印刷特性を考えた場合、特許文献1〜特許文献3で提案されているように粒径の小さな金属粒子(金属微粒子)を使用することが望ましいが、かかる微粒子は分散媒の極性等の周囲環境に敏感であり、凝集し易いところ、特に感光性有機物はアクリロイル基又はメタクリロイル基等の重合性官能基やその他の種々の官能基を有しているため、これらの官能基が金属微粒子の凝集を助長する傾向にある。即ち、従来、金属粒子を含む無機成分及び光硬化性有機化合物からなる分散媒を含みコロイド分散液においては、インクジェット吐出性及び分散性の両立を実現するのは困難であった。
上記のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、金属粒子を含む無機成分及び光硬化性有機化合物からなる分散媒を含み、バランス良くインク吐出性及び分散性に優れたコロイド分散液を提供することにある。より具体的には、本発明の目的は、金属粒子を含む無機成分及び光硬化性有機化合物からなる分散媒を含み、インクの吐出安定性を損なうことのない程度の低粘度であっても分散性が良く金属粒子が沈降しにくいコロイド分散液を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく分散媒について鋭意研究を重ねた結果、金属粒子を含む無機成分及び光硬化性有機化合物からなる分散媒を含み、バランス良くインク吐出性及び分散性に優れたコロイド分散液を得るためには、金属粒子の表面の少なくとも一部に局在化するアミンを用いることが、上記目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、鋭意実験を繰り返した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
金属粒子を含む無機成分と、
前記金属粒子の表面の少なくとも一部を覆う少なくともアミンを含む有機物と、
光硬化性有機化合物を含む分散媒と、
を含むこと、
を特徴とするコロイド分散液を提供する。
上記の本発明のコロイド分散液は、言い換えると、金属粒子と有機物とで構成されるコロイド粒子を主成分とする固形分と、当該固形分を分散する分散媒とを含むものであり、「分散媒」は上記固形分をコロイド分散液中に分散させるものであるが、上記固形分の一部は「分散媒」に溶解していてもよい。なお、「主成分」とは、構成成分のうちの最も含有量の多い成分のことをいう。
このような構成を有する本発明のコロイド分散液においては、メカニズム等の明確な理由は定かではないが、概ね以下のようなメカニズムが機能していると推測される。即ち、アミンにおいて、アミノ基は比較的高い極性を有し水素結合による相互作用を生じ易いが、アミノ基以外の部分は比較的低い極性を有する。また、アミノ基はアルカリ性的性質を示し易い。したがって、かかるアミンを含む有機物が金属粒子の表面の少なくとも一部を覆うと、極性の異なる部分を持つ有機物が分散媒と金属粒子とを十分に親和させる働きを示す。その結果、その金属粒子の分散媒中における分散状態が分散媒の性質によって敏感に変化するのを緩和し、金属粒子間の凝集と沈降を抑止するために、分散媒の粘度が低くても金属粒子の分散性を著しく向上させ、よって、本発明のコロイド分散液では、インクジェット吐出性を損なわないように粘度の低い分散媒を用いても、良好な分散性を発揮することができるものと推測される。
また、本発明のコロイド分散液は金属粒子の分散性及びインクジェット吐出性に優れるため、当該コロイド分散液を基材上に塗布した場合(特にインクジェット方式により塗布した場合)には、金属粒子が凝集しにくく良好に分散した状態で基材上に吐出されるため、金属粒子と基材の接触点が増し、更に、乾燥、焼成によって、金属粒子同士がより緻密にパッキングされた状態で含まれる被膜が形成され、よって、基材への密着性に優れる被膜が得られる。
ここで、本発明における「分散性」とは、コロイド分散液中での金属粒子(乃至はコロイド粒子。以下、同様。)の分散状態が優れているか否か(均一か否か)を示すものであり、更には、例えば所定時間経過後にコロイド分散液中での金属粒子の分散状態が維持されているか否かを示す「低沈降凝集性」ともいえる指標である。
この「分散性」は、本発明のコロイド分散液、又は、調製した金属粒子を含む分散液乃至はコロイド分散液から、金属粒子と有機物とで構成されるコロイド粒子を主成分とする固形分を取り出し、当該固形分と分散媒とを混合して得た混合物(例えば、スパチュラ等で撹拌したり、適当な出力の超音波ホモジナイザーで超音波を照射したりしてもよい。)を、容器中に、所定期間静置し、沈殿の有無及び上澄みの状態を目視で観察することにより評価することができる。
なお、コロイド分散液の「固形分」は、コロイド分散液(乃至は金属粒子を含む分散液)から、例えばアルコール添加や遠心分離による凝集、沈降及びデカンテーションによるアルコールや分散媒の除去の後に得られ、無機粒子と有機物とで構成されるコロイド粒子を主成分とし、通常は、無機粒子、残存有機物及び残留還元剤等を含むものである。
また、「分散性」は、金属粒子が例えば金、銀又は銅で構成されている場合プラズモン吸収を生じることから、色調によっても評価することができる。プラズモン吸収が生じる場合は、金属粒子が微粒子の状態で良く分散していると判断することができ、プラズモン吸収が生じない場合は、金属粒子が凝集して分散性に劣っていると判断することができる。
また、本発明における「インクジェット吐出性」とは、市販のインクジェット式プリンタを用いて、本発明のコロイド分散液をインクとして安定的に吐出できる低い粘度(例えば、1mPa・s〜100mPa・s)を有することをいう。このような低い粘度のコロイド分散液であれば、市販のインクジェット式プリンタを用いて、均一な間隔で前後左右において重ならないドットパターンで吐出させた場合に、再現良く吐出させることができ、液滴の周囲に微小な飛散(サテライト)が生じる等の問題を抑制することができる。
上記の本発明のコロイド分散液においては、前記光硬化性有機化合物がアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する紫外線硬化性モノマーであることが好ましい。
このような構成によれば、紫外線硬化性モノマーが低い粘度を有していることから、コロイド分散液のインクジェット吐出性が向上し、また、紫外線硬化性モノマーを含む本発明のコロイド分散液を基材上に塗布した場合には、金属粒子が良好に分散した状態で被膜が形成され、分子内の炭素−炭素二重結合が紫外線により重合して3次元網状化するため、確実に基材への密着性に優れる被膜を得ることができる。
また、上記本発明のコロイド分散液においては、前記金属粒子の平均粒径が0.7nm〜200nmであること、が好ましい。0.7nm以上であれば、良好な被膜を形成可能なコロイド分散液がより確実に得られ、金属粒子製造がコスト高とならず実用的であり、また、200nm以下であれば、金属粒子の分散性が経時的により変化しにくく、インクジェット吐出性も更に良好である。
ここで、本発明のコロイド分散液における金属粒子の平均粒径は、動的光散乱法又は小角X線散乱法で測定することができるものをいう。
また、上記本発明のコロイド分散液は、1mPa・s〜100mPa・sの粘度を有すること、が好ましい。このような構成によれば、基材上にコロイド分散液を塗布する方法、又は、コロイド分散液を用いて基材上に描画する方法として幅広い方法を適用することができ、特に、インクジェット吐出性に優れるというメリットがある。なお、本発明のコロイド分散液の粘度は、振動式粘度計(例えばCBC(株)製のVM−100A−L)により測定されるものである。
更に、本発明のコロイド分散液は、さらに有機物としてカルボン酸を含むこと、が好ましい。カルボン酸のカルボキシル基も、上記アミンのアミノ基と同様に、比較的高い極性を有し水素結合による相互作用を生じ易いが、カルボキシル基以外の部分は比較的低い極性を有する。また、カルボキシル基は酸性的性質を示し易く、またアミノ基と反応してアミド基を生成することができるためアミノ基との親和性は高い。アミン及びカルボン酸を含む有機物が、複雑に混合した状態で金属粒子の表面の少なくとも一部を覆うと、上述した極性の異なる部分をもつ有機物の多様性が増えるために、分散剤と金属粒子との親和性がさらに高くなると推測される。その結果、その金属粒子の分散媒中における分散状態が分散媒の性質によって更に敏感に変化するのを緩和し、金属粒子間の凝集と沈降を抑止するために、分散媒の粘度が低くても金属粒子の分散性を更に著しく向上させ、よって、本発明のコロイド分散液では、インクジェット吐出性を損なわないように粘度の低い分散媒を用いても、著しく良好な分散性を発揮することができるものと推測される。
また、上記の本発明のコロイド分散液では、前記アミンの炭素数が、アミノ基1個あたり3以上であること、が好ましい。前記アミンの炭素数が、アミノ基1個あたり3以上であれば、有機物の化学的性質に占めるアミノ基の寄与が大きくなり過ぎず、極性及び反応性が高くなったりせず、優れた分散性が得られる。
また、本発明は、上記の本発明のコロイド分散液を含むインクジェット方式、グラビア方式、又はフレキソ方式用インクにも関する。本発明のコロイド分散液は、上記のように低粘度でインクジェット吐出性に優れ、分散性にも優れるため、これらの方式のインクに用いた場合には、安定した印字が可能である。
本発明によれば、金属粒子を含む無機成分及び光硬化性有機化合物からなる分散媒を含み、バランス良くインク吐出性及び分散性に優れたコロイド分散液を提供することができる。より具体的には、本発明によれば、金属粒子を含む無機成分及び光硬化性有機化合物からなる分散媒を含み、インクの吐出安定性を損なうことのない程度の低粘度であっても分散性が良く金属粒子が沈降しにくいコロイド分散液を提供することができる。
以下、(1)本発明のコロイド分散液の好適な一実施形態としての金属コロイド分散液、(2)前記金属コロイド分散液の製造方法の好適な一実施形態、並びに(3)前記金属コロイド分散液を用いた被膜の製造方法について詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明の一実施形態を示すに過ぎずこれらによって本発明が限定されるものではなく、また、重複する説明は省略することがある。
(1)金属コロイド分散液
まず、本発明のコロイド分散液の好適な実施形態について説明する。本実施形態の金属コロイド分散液は、
金属粒子と、
前記金属粒子の表面の少なくとも一部を覆うアミン及びカルボン酸を含む有機物と、
光硬化性有機化合物を含む分散媒と、を含むこと、
を特徴とする金属コロイド分散液を提供する。
このような構成を有する本実施形態の金属コロイド分散液においては、メカニズム等の明確な理由は定かではないが、アミンとカルボン酸という性質が異なる2種類の有機物を含む場合、それらの有機物は複雑に作用すると考えられる。これらのような有機物の一分子内におけるアミノ基及びカルボキシル基は、比較的高い極性を有し、水素結合による相互作用を生じ易いが、アミノ基及びカルボキシル基以外の部分は比較的低い極性を有する。更に、アミノ基及びカルボキシル基は、それぞれアルカリ性的性質及び酸性的性質を示し易い。本来その金属粒子の分散媒中における分散状態は、分散媒の性質によって敏感に変化すると考えられる。しかし、これらのような有機物が、複雑に混合した状態で、金属粒子の表面の少なくとも一部を覆うと、分散媒の性質に応じて極性基の向きを変える等することにより、金属粒子の分散媒中における分散状態を保っているものと推測される。即ち、有機物が分散媒と金属粒子とを十分に親和させることができ、金属粒子の分散性を著しく向上させるものと推測される。即ち、本実施形態の金属コロイド分散液によれば、特定の組合せの有機物と特定の組合せの分散媒を含んでいるので、金属コロイド分散液中での金属粒子の分散性を向上させることができ、したがって、例えば分散媒の粘度を低くしても金属粒子乃至は金属コロイド粒子が沈降・凝集しにくく、良好な分散性及びインクジェット吐出性を発揮することができる。
ここで、従来の感光性有機物を分散媒として含む金属コロイド分散液では、上述のように、粘度を高めて金属コロイド分散液の分散性等を向上させようとする提案がなされており、一定の効果は得られていたものの、他の有機物との組合せについては具体的な検討はなされておらず、分散性とインクジェット吐出性のバランスという観点からは未だ改善の余地があった。
これに対し、本実施形態の金属コロイド分散液は、「光硬化性有機化合物を含む分散媒」に加えて、上記のような「金属粒子の表面の少なくとも一部を覆うアミン及びカルボン酸を含む有機物」を含むことから、金属粒子の分散性に著しく優れ、良好なインクジェット吐出性を発揮することができる。また、本実施形態の金属コロイド分散液は金属粒子の分散性及びインクジェット吐出性に優れるため、当該金属コロイド分散液を基材上に塗布した場合(特にインクジェット方式により塗布した場合)に、金属粒子が凝集しにくく良好に分散した状態で基材上に吐出されるため、金属粒子と基材の接触点が増し、更に、乾燥、焼成によって、金属粒子同士がより緻密にパッキングされた状態で含まれる被膜が形成され、よって基材への密着性に優れた被膜が得られる。
例えば、本発明者らは、金属粒子を含む分散液から、金属粒子と有機物とで構成される金属コロイド粒子を主成分とする固形分を取り出し、当該固形分と分散媒とを混合して本実施形態の金属コロイド分散液を調製して容器中に静置し、沈殿の有無及び上澄みの状態を目視で観察する評価方法により、従来の金属コロイド分散液に比較して、本実施形態の金属コロイド分散液(具体的には、後述する実施例の金属コロイド分散液)が分散性に優れることを確認している。
また、本発明者らは、市販のインクジェット式プリンタを用いて、均一な間隔で前後左右において重ならないドットパターンで、本実施形態の金属コロイド分散液を吐出させる評価方法により、従来の金属コロイド分散液に比較して、本実施形態の金属コロイド分散液(具体的には、後述する実施例の金属コロイド分散液)がインクジェット吐出性に優れることを確認している。
本実施形態の金属コロイド分散液には、固形分の一部として、後述する金属粒子がコロイド化した金属コロイド粒子が含まれるが、かかる金属コロイド粒子の形態に関しては、例えば、金属粒子の表面に有機物が付着して構成されている金属コロイド粒子、上記金属粒子をコアとして、その表面が有機物で被覆されて構成されている金属コロイド粒子、金属粒子と有機物とが均一に混合されて構成されている金属コロイド粒子等が挙げられるが、特に限定されない。なかでも、金属粒子をコアとして、その表面が有機物で被覆されて構成されている金属コロイド粒子、又は金属粒子と有機物とが均一に混合されて構成されている金属コロイド粒子が好ましい。当業者は、上述した形態を有する金属コロイド粒子を、当該分野における周知技術を用いて適宜調製することができる。
本実施形態の金属コロイド分散液において、好ましい固形分の濃度は1〜70質量%である。固形分の濃度が1質量%以上であれば、金属コロイド分散液における金属の含有量を確保することができ、導電効率が低くならない。また、固形分の濃度が70質量%以下であれば、金属コロイド分散液の粘度が増加せず取り扱いが容易で、工業的に有利である。より好ましくは、固形分の濃度が1〜40質量%であり、更に好ましくは、固形分の濃度が2〜20質量%である。
なお、ここでいう金属コロイド分散液の「固形分」とは、上述のとおり、金属コロイド分散液(乃至は金属粒子を含む分散液)から、例えばアルコール添加や遠心分離による凝集、沈降及びデカンテーションによるアルコールや分散媒の除去の後に得られ、金属粒子と有機物とで構成されるコロイド粒子を主成分とし、通常は、金属粒子、残存有機物及び残留還元剤等を含むものである。
本実施形態の金属コロイド分散液の粘度は、1mPa・s〜100mPa・sの粘度範囲であることが望ましく、1mPa・s〜50mPa・sの粘度範囲がより好ましく、2mPa・s〜20mPa・sの粘度範囲が特に好ましい。当該粘度範囲とすることにより、基材上に金属コロイド分散液を塗布する方法、又は、金属コロイド分散液を用いて基材上に描画する方法として幅広い方法を適用することができる。例えば、ディップ方式、スクリーン方式、スプレー方式、バーコート方式、スピンコート方式、インクジェット方式、ディスペンサー方式、刷毛方式、流延方式、フレキソ方式、グラビア方式、又はシリンジ方式等のなかから適宜選択して採用することができるが、なかでもインクジェット方式に好ましく用いることができる。なお、粘度の調整は、固形分濃度の調整、各成分の配合比の調整、増粘剤の添加等によって行うことができる。
ここで、上述のように、本実施形態の金属コロイド分散液の粘度は、振動式粘度計(例えばCBC(株)製のVM−100A−L)により測定されるものである。測定は振動子に液を浸漬させて行い、測定温度は常温(20〜25℃)とすればよい。
次に、本実施形態の金属コロイド分散液の各成分について説明する。
(1−1)金属粒子について
本実施形態の金属コロイド分散液の金属粒子としては、特に限定されるものではないが、本実施形態の金属コロイド分散液を用いて得られる被膜の導電性を良好にすることができるため、亜鉛よりもイオン化傾向が小さい(貴な)金属であるのが好ましい。
かかる金属としては、例えば金、白金、銀、銅、パラジウム、スズ、ニッケル及び鉄のうちの少なくとも1種が挙げられる。上記金属としては、更には、銅又は銅よりもイオン化傾向が小さい(貴な)金属、即ち、金、白金、銀及び銅のうちの少なくとも1種であるのが好ましい。これらの金属は単独で、用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。併用する方法としては、複数の金属を含む合金粒子を用いる場合や、コア−シェル構造や多層構造を有する金属粒子を用いる場合がある。
例えば、上記金属コロイド分散液として銀コロイド分散液を用いる場合、本実施形態の金属コロイド分散液を用いて形成した被膜の導電率は良好となるが、マイグレーションの問題を考慮して、銀及びその他の金属からなる混合コロイド分散液を用いることによって、マイグレーションを起こりにくくすることができる。当該「その他の金属」としては、上述のイオン化列が水素より貴である金属、即ち金、銅、白金、パラジウムが好ましい。
ここで、本実施形態の金属コロイド分散液における金属粒子(乃至は金属コロイド粒子)の平均粒径は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されるものではないが、粒径で、0.7nm〜200nmであるのが好ましく、1nm〜100nmであるのがより好ましく、更には、2nm〜50nmであるのが特に好ましい。金属粒子の平均粒径が0.7nm以上であれば、良好な被膜を形成可能な金属コロイド分散液が得られ、金属粒子製造がコスト高とならず実用的である。また、200nm以下であれば、金属粒子の分散性が経時的に変化しにくく、インクジェット吐出性にも優れ好ましい。インクジェット法で吐出する場合には、大きな粒子が吐出の妨げになることがあるため、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
なお、本実施形態の金属コロイド分散液における金属粒子の粒径は固形分濃度によって変動し、一定とは限らない。また、金属コロイド分散液が、任意成分として、後述する樹脂成分、有機溶剤、増粘剤又は表面張力調整剤等を含む場合、平均粒径が200nm超の金属コロイド粒子成分を含む場合があるが、沈降を生じたり、特にインクジェットの吐出の妨げになったりせず、本発明の効果を著しく損なわない成分であればかかる200nm超の平均粒径を有する粒子成分を含んでもよい。
ここで、本実施形態の金属コロイド分散液における金属粒子の粒径は、動的光散乱法又は小角X線散乱法で測定することができる。後述する実施例においては、小角X線散乱法を用い、より具体的には、理学電機(株)製のRINT−UltimaIIIを用いて、透過法で2θが0.1〜4°の範囲で測定した。この場合、試料は、X線が透過する薄いポリイミドを貼ったアクリル樹脂製の自家製セルに金属コロイド分散液を入れて作製した。また、理学電機(株)製のNanoSolver(Ver.3.4)を用い、得られた散乱スペクトルを用いて、球を散乱体モデルとしてフィッティングすることにより算出された平均サイズを粒径とした。但し、この方法では、50nmを超えると正確な測定が難しくなるので、その場合は、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡を用いて撮影した電子顕微鏡写真から50〜100個程度の粒子の粒径の算術平均値を粒径とした。
(1−2)金属粒子の表面の少なくとも一部を覆う有機物
本実施形態の金属コロイド分散液において、金属粒子の表面の少なくとも一部を覆う有機物、即ち金属コロイド粒子中の「有機物」は、上記金属粒子とともに実質的に金属コロイド粒子を構成し、金属粒子を分散媒中に分散させる分散剤として機能する。当該有機物には、金属中に最初から不純物として含まれる微量有機物、後述する製造過程で混入して金属成分に付着した微量有機物、洗浄過程で除去しきれなかった残留還元剤、残留分散剤等のように、金属粒子に微量付着した有機物等は含まれない概念である。なお、上記「微量」とは、具体的には、金属コロイド粒子中1質量%未満が意図される。
本実施形態における金属コロイド粒子は、当該有機物を含んでいるため、金属コロイド分散液中での分散性が高い。そのため、金属コロイド分散液中の金属粒子の含有量を増大させても金属コロイド粒子が凝集しにくく、その結果、良好な分散性が保たれる。
上記有機物としては、金属粒子を被覆して金属粒子の凝集を防止するとともに金属コロイド粒子を形成することが可能な有機物であり、被覆の形態については特に規定しないが、本実施形態においては、分散性および導電性等の観点から、アミン及びカルボン酸を含む有機物を用いる。なお、これらの有機物は、金属粒子と化学的あるいは物理的に結合している場合、アニオンやカチオンに変化していることも考えられ、本実施形態においては、これらの有機物に由来するイオンや錯体等も上記有機物に含まれる。
アミンとしては、モノアミン及びポリアミンが挙げられる。
モノアミンとしては、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、n−オクチルアミン等のオクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、オクタデシルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、4−メトキシブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン等の第1級アミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン等の第2級アミン、トリプロピルアミン、ジメチルプロパンジアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、キノリン等の第3級アミン等が挙げられる。
ポリアミンとしては、上記モノアミンに対応するポリアミン、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、トリエチレンテトラミン、ピペラジン、ピリミジン等に対応するポリアミンが挙げられる。
上記アミンは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、アミン以外の官能基を含む化合物であってもよい。この場合、アミンに由来するチッ素原子の数が、アミン以外の官能基の数以上であるのが好ましい。また、上記アミンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、常温での沸点が300℃以下、更には250℃以下であるのが好ましい。
また、上記アミンの炭素数が、アミノ基1個あたり3以上であること、が好ましい。上記アミンの炭素数が、アミノ基1個あたり3以上であれば、有機物の化学的性質に占めるアミノ基の寄与が大きくなり過ぎず、極性及び反応性が高くなったりせず、優れた分散性が得られる。更には、上記アミンの炭素数が、アミノ基1個あたり4以上であることが更に好ましい。
カルボン酸としては、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物を広く用いることができ、例えば、ギ酸、シュウ酸、酢酸、ヘキサン酸、アクリル酸、オクチル酸、オレイン酸、ペンタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、エイコセン酸、エライジン酸、リノール酸、リシノール酸等が挙げられる。カルボン酸の一部のカルボキシル基が金属イオンと塩を形成していてもよい(当該金属イオンについては、2種以上の金属イオンが含まれていてもよい。)。
また、上記カルボン酸は、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、カルボキシル基以外の官能基を含む化合物であってもよい。この場合、カルボキシル基の数が、カルボキシル基以外の官能基の数以上であるのが好ましい。また、上記カルボン酸は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、常温での沸点が300℃以下、更には250℃以下であるのが好ましい。
金属コロイド分散液中のアミンの含有量は、0.5質量%〜30質量%であるのが好ましい。アミンの含有量が0.5質量%以上であれば、得られる金属コロイド分散液の貯蔵安定性が良くなる傾向があり、30質量%以下であれば、金属コロイド分散液を用いて形成した被膜の導電性が良い傾向がある。アミンのより好ましい含有量は0.5質量%〜20質量%であり、更に好ましい含有量は1質量%〜10質量%である。
また、金属コロイド分散液中のカルボン酸の含有量は、0.1質量%〜10質量%であるのが好ましい。カルボン酸の含有量が0.1質量%以上であれば、得られる金属コロイド分散液の貯蔵安定性がカルボン酸を含有しない場合と比べてさらに良くなる傾向があり、20質量%以下であれば、金属コロイド分散液を用いて形成した金属被膜の導電性が良い傾向がある。有機物のより好ましい含有量は0.5質量%〜20質量%であり、更に好ましい含有量は1質量%〜10質量%である。
アミンとカルボン酸との組成比(質量)としては、1/99〜99/1の範囲で任意に選択することができるが、好ましくは10/90〜90/10であり、更に好ましくは20/80〜80/20である。なお、アミン又はカルボン酸としては、それぞれ複数種類のアミン又はカルボン酸を用いてもよい。
(1−3)分散媒
本実施形態の金属コロイド分散液に含まれる分散媒は、「光硬化性有機化合物を含む分散媒」であるが、実質的に光硬化性有機化合物のみを含むものであることが好ましい。この「光硬化性有機化合物」とは、紫外光及び/又は青色光等の電磁波を照射されることによって硬化する有機化合物のことをいい、従来の感光性有機化合物を含む概念であり、例えば光硬化性モノマー及び/又は光硬化性樹脂が挙げられる。
上記光硬化性モノマー及び光硬化性樹脂としては、例えば、分子内に紫外線重合(架橋)性の炭素−炭素二重結合(例えば、エチレン性不飽和二重結合)を少なくとも1個又は2個以上有して3次元網状化し得る単官能性又は多官能性の紫外線硬化性有機化合物等を挙げることができる。これらの化合物は、1種を単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なかでも、光硬化性有機化合物としては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する紫外線硬化性モノマー(アクリレート化合物又はメタクリレート化合物)であることが好ましい。上述のように、紫外線硬化性モノマーが低い粘度を有していることから、本実施形態の金属コロイド分散液のインクジェット吐出性が向上し、また、紫外線硬化性モノマーを含む金属コロイド分散液を基材上に塗布した場合には、金属粒子が良好に分散した状態で被膜が形成され、分子内の炭素−炭素二重結合が紫外線により重合して3次元網状化するため、確実に基材への密着性に優れる被膜を得ることができるからである。
アクリレート化合物又はメタクリレート化合物で単官能性化合物としては、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、アリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、3,3,5トリメチルシクロヘキサンアクリレート及び上記アクリレート(又はアクリル酸)をメタクリレート(又はメタクリル酸)に置き換えた化合物等が挙げられる。
アクリレート化合物又はメタクリレート化合物で2官能基以上の多官能性化合物としては、例えば、1,3−ブチレンジールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートをメタクリレートに置き換えた化合物等が挙げられる.
本実施形態で用いる上記分散媒の粘度は、所望する金属コロイド分散液の粘度に応じて適宜選択すればよいが、例えば、1mPa・s〜100mPa・s、更には3mPa・s〜50mPa・sであることが、取扱性の観点からも好ましい。
金属コロイド分散液中の上記分散媒の含有量は、粘度などの所望の特性によって調整すれば良く、金属コロイド分散液中の分散媒の含有量は、15質量%〜99.9質量%であるのが好ましい。分散媒の含有量が15質量%以上であれば、金属粒子を分散させることができ、99質量%以下であれば、金属粒子の添加の効果を得ることができる。分散媒のより好ましい含有量は40質量%〜99.5質量%であり、更に好ましい含有量は60質量%〜99質量%である。
(1−4)その他の成分
本実施形態の金属コロイド分散液には、上記の成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、密着性、乾燥性又は印刷性等の機能を付与するために、例えばバインダーとしての役割を果たすオリゴマー成分、樹脂成分、界面活性剤、増粘剤又は表面張力調整剤等の任意成分を添加してもよい。かかる任意成分としては、特に限定されない。
樹脂成分としては,例えば、テレフタル酸等のカルボン酸とエチレングリコール等のアルコールとを重縮合して得られるポリエチレンテレフタレートを代表とする芳香族ポリエステルや、ポリ乳酸樹脂、ヒドロキシカルボン酸重縮合物、ポリカプロラクトン等のラクトンの開環重合物、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネートアジペート等の脂肪族多価アルコールと脂肪族カルボン酸との重縮合物脂肪族ポリエステル等を重縮合して得られる脂肪族ポリエステル等のポリエステル系樹脂、遊離のイソシアネート基全てを公知のブロック化剤、例えば、2−ブタノンオキシム、アセトンオキシム等のオキシム類、ε−カプロラクタム等のラクタム類、アセト酢酸エチル、マロン酸エチル等の活性水素化合物等でブロックしたブロックイソシアネートや、ウレタン基、ウレア基、ビュレット基、アロハネート基、イソシアヌレート基を骨格に有するポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、メラミン系樹脂又はテルペン系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
増粘剤としては、例えば、クレイ、ベントナイト又はヘクトライト等の粘土鉱物、例えば、ポリエステル系エマルジョン樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、ポリウレタン系エマルジョン樹脂又はブロックイソシアネート等のエマルジョン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム又はグアーガム等の多糖類等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機物に含まれない有機物からなる界面活性剤を添加してもよい。多成分溶媒系の金属コロイド分散液においては、乾燥時の揮発速度の違いによる被膜表面の荒れ及び固形分の偏りが生じ易い。本実施形態の金属コロイド分散液に界面活性剤を添加することによってこれらの不利益を抑制し、均一な導電性被膜を形成することができる金属コロイド分散液が得られる。
本実施形態において用いることのできる界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の何れを用いることができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。少量の添加量で効果が得られるので、フッ素系界面活性剤が好ましい。
更に、本実施形態の金属コロイド分散液には、上記有機物に含まれない有機物からなる光増感剤及び/又は重合禁止剤を添加してもよい。光増感剤を添加することによって、硬化時間を短縮させることができ、また、重合禁止剤を添加することによって、未使用状態の金属コロイド分散液の保存安定性を高めることができる。
上記光増感剤としては、例えばベンゾイン及びその誘導体、ベンゾインアクリルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジル及びその誘導体、芳香族ジアゾニウム塩、アントラキノン及びその誘導体、アセトフェノン及びその誘導体、ジフェニルジスルフイド等のイオウ化合物、ベンゾフェノン及びその誘導体等が挙げられるが、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知のあらゆる光増感剤を用いることができる。上記重合禁止剤としては、例えばクラウンエーテル類及びクリプテート等のイオントラップ剤、並びにハイドロキノン及びメトキシハイドロキノン等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知のあらゆる重合禁止剤を用いることができる。通常、上記光増感剤又は重合禁止剤の添加量は、光増感剤の種類や金属コロイド分散液の用途によって適宜選択すればよいが、例えば本実施形態の金属コロイド分散液の他の成分の合計質量に対して0.05質量%〜5質量%が好ましい。
(2)金属コロイド分散液の製造方法
本実施形態の金属コロイド分散液を製造するためには、まず、(2−1)分散剤としての有機物で被覆された金属粒子(金属コロイド粒子)を調製し、ついで,(2−2)この金属粒子に本発明の分散媒を添加、混合することにより、本実施形態の金属コロイド分散液を得ることができる。
(2−1)分散剤としての有機物(アミン及びカルボン酸)で被覆された金属粒子の調製方法
本実施形態の分散剤としての有機物で被覆された金属粒子を調製する方法としては、特に限定されないが、例えば、金属粒子を含む分散液を調製し、次いで、その分散液の洗浄を行う方法等が挙げられる。金属粒子を含む分散液を調製する工程としては、例えば、下記のように、溶媒中に溶解させた金属塩(又は金属イオン)を還元させればよく、還元手順としては、化学還元法に基づく手順を採用すればよい。
即ち、上記のような分散剤としての有機物で被覆された金属粒子は、金属粒子を構成する金属の金属塩と、分散剤としての有機物と、溶媒(基本的にトルエン等の有機系であるが、水を含んでいてもよい。)と、を含む原料液(成分の一部が溶解せず分散していてもよい。)を還元することにより調製することができる。この還元によって、分散剤としての有機物が金属粒子の表面の少なくとも一部を覆う金属コロイド粒子が得られ、これを後述する工程において分散媒に添加すると、本実施形態の所望する金属コロイド分散液が得られる。
分散剤としての有機物で被覆された金属粒子を得るための出発材料としては、種々の公知の金属塩又はその水和物を用いることができ、例えば、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、シュウ酸銀、酢酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩;例えば、塩化金酸、塩化金カリウム、塩化金ナトリウム等の金塩;例えば、塩化白金酸、塩化白金、酸化白金、塩化白金酸カリウム等の白金塩;例えば、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム等のパラジウム塩等が挙げられるが、適当な分散媒中に溶解し得、かつ還元可能なものであれば特に限定されない。また、これらは単独で用いても複数併用してもよい。
また、上記原料液においてこれらの金属塩を還元する方法は特に限定されず、例えば、還元剤を用いる方法、紫外線等の光、電子線、超音波又は熱エネルギーを照射する方法等が挙げられる。なかでも、操作の容易の観点から、還元剤を用いる方法が好ましい。
上記還元剤としては、例えば、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、ヒドラジン等のアミン化合物;例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヨウ素化水素、水素ガス等の水素化合物;例えば、一酸化炭素、亜硫酸等の酸化物;例えば、硫酸第一鉄、酸化鉄、フマノレ酸鉄、乳酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、酢酸スズ、塩化スズ、二リン酸スズ、シュウ酸スズ、酸化スズ、硫酸スズ等の低原子価金属塩;例えば、エチレングリコール、グリセリン、ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タンニン、タンニン酸、サリチル酸、D−グルコース等の糖等が挙げられるが、分散媒に溶解し上記金属塩を還元し得るものであれば特に限定されない。上記還元剤を使用する場合は、光及び/又は熱を加えて還元反応を促進させてもよい。また、出発材料としてシュウ酸銀等のシュウ酸塩を用いる場合は、特に還元剤を用いなくても加熱だけで金属イオンが還元される。
上記金属塩、分散剤としての有機物、溶媒及び還元剤を用いて、分散剤としての有機物で被覆された金属粒子を調製する具体的な方法としては、例えば、上記金属塩を有機溶媒(例えばトルエン等)に溶かして金属塩溶液を調製し、当該金属塩溶液に分散剤としての有機物を添加し、ついで、ここに還元剤が溶解した溶液を徐々に滴下する方法等が挙げられる。
上記のようにして得られた分散剤としての有機物で被覆された金属粒子を含む分散液には、金属粒子の他に、金属塩の対イオン、還元剤の残留物や分散剤が存在しており、液全体の金属粒子以外の成分濃度が高い傾向にある。このような状態の液は、金属粒子と不純物との相互作用によって金属粒子が沈殿し易い。あるいは、沈殿しなくても、金属塩の対イオン、還元剤の残留物、又は分散に必要な量以上の過剰な分散剤が残留していると、導電性を悪化させるおそれがある。そこで、上記金属粒子を含む溶液を洗浄して余分な残留物を取り除くことにより、分散剤としての有機物で被覆された金属粒子を確実に得ることができる。
上記洗浄方法としては、例えば、分散剤としての有機物で被覆された金属粒子を含む分散液を一定時間静置し、生じた上澄み液を取り除いた上で、アルコール(メタノール等)を加えて再度撹枠し、更に一定期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法、上記の静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置やイオン交換装置等により脱塩する方法等が挙げられる。必要に応じて低沸点の化合物を除去するために、加熱や蒸留を行ってもよい。このような洗浄によって有機溶媒を除去することにより、本実施形態の分散剤としての有機物で被覆された金属粒子を得ることができる。
(2−2)金属コロイド分散液の製造方法
本実施形態の金属コロイド分散液は、上記(2−1)において得た分散剤としての有機物で被覆された金属粒子と、上記本実施形態で説明した分散媒(光硬化性有機化合物からなる分散媒)と、を混合することにより得られる。
かかる金属粒子と分散媒との混合方法は特に限定されるものではなく、攪拌機やスターラー等を用いて従来公知の方法によって行うことができる。スパチュラのようなもので撹拌したり、適当な出力の超音波ホモジナイザーを当てたりしてもよい。
複数の金属を含む金属コロイド分散液を得る場合、その製造方法としては特に限定されず、例えば、銀とその他の金属とからなる金属コロイド分散液を製造する場合には、上記(2−1)における分散剤としての有機物で被覆された金属粒子の調製において、銀粒子を含む分散液と、その他の金属粒子を含む分散液とを別々に製造し、その後混合してもよく、銀イオン溶液とその他の金属イオン溶液とを混合し、その後に還元してもよい。
(3)被膜(被膜付基材)及びその製造方法
本実施形態の金属コロイド分散液を用いれば、上記金属コロイド分散液を基材に塗布する金属コロイド分散液塗布工程と、前記基材に塗布した前記金属コロイド分散液(即ち、塗膜)を、例えばUV照射装置等を用いて紫外光及び/又は青色光等の電磁波を照射して光硬化させる光照射工程と、により、基材と、前記基材の表面の少なくとも一部に形成される導電性被膜と、を含む導電性被膜付基板を製造することができる。
塗膜を硬化させることで、導電性が高く、金属光沢に優れた導電性被膜を得ることができる。導電性を上昇させるために、適宜加熱工程を含めることもでき、加熱工程は光照射工程の前及び後のいずれにおいて実施してもよい。加熱工程では、例えば300℃以下の温度で塗膜又は導電性被膜を加熱・焼成することができる。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、前記金属コロイド分散液塗布工程での金属コロイド分散液として、上述した本実施形態の金属コロイド分散液を用いれば、基材に対して優れた密着性を有する導電性被膜がより確実に得られることを見出した。
ここで、本実施形態の「金属コロイド分散液を基材に塗布する金属コロイド分散液塗布工程」における「基材に塗布」とは、金属コロイド分散液を面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念である。塗布されて、加熱により焼成される前の状態の金属コロイド分散液からなる塗膜の形状は、所望する形状にすることが可能である。したがって、加熱による焼成後の本実施形態の導電性被膜は、面状の導電性被膜及び線状の導電性被膜のいずれも含む概念であり、これら面状の導電性被膜及び線状の導電性被膜は、連続していても不連続であってもよく、連続する部分と不連続の部分とを含んでいてもよい。
本実施形態において用いることのできる基材としては、金属コロイド分散液を塗布して加熱により焼成して導電性被膜を搭載することのできる、少なくとも1つの主面を有するものであれば、特に制限はないが、耐熱性に優れた基材であるのが好ましい。
このような基材を構成する材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ビニル樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、セラミックス、ガラス又は金属等を挙げることができる。また、基材は、例えば板状又はストリップ状等の種々の形状であってよく、リジッドでもフレキシブルでもよい。基材の厚さも適宜選択することができる。接着性若しくは密着性の向上又はその他の目的ために、表面層が形成された基材や親水化処理等の表面処理を施した基材を用いてもよい。
金属コロイド分散液を基材に塗布する工程では、種々の方法を用いることが可能であるが、上述のように、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー式、バーコート式、スピンコート式、インクジェット式、ディスペンサー式、刷毛による塗布方式、流延式、フレキソ式、グラビア式、又はシリンジ式等のなかから適宜選択して用いることができる。なかでも、本実施形態の金属コロイド分散液は、上述のようにインクジェット吐出性に優れるため、インクジェット式を用いるのが好ましい。
次に、上記のように塗布後に得られる塗膜を、紫外光及び/又は青色光等の電磁波を照射して光硬化させて、導電性被膜を得る。紫外光及び/又は青色光等の電磁波を照射するには、光硬化性有機化合物が反応し得る波長の電磁波を照射できる光源(UV照射装置や可視光照射装置)を用いればよく、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯及びキセノンランプ等の従来公知の光源を用いることができる。
導電性を上昇させるために光照射工程の前及び後のいずれにおいて実施してもよい加熱工程では、基材を損傷させない範囲で、例えば300℃以下の温度に加熱することにより焼成し、本実施形態の導電性被膜(導電性被膜付基材)を得ることができる。本実施形態においては、先に述べたように、本実施形態の金属コロイド分散液を用いるため、基材に対して優れた密着性を有する導電性被膜がより確実に得られる。
本実施形態においては、金属コロイド分散液がバインダー成分を含む場合は、導電性被膜の強度向上及び基材との接着力向上等の観点から、バインダー成分も焼結することになるが、場合によっては、各種印刷法へ適用するために金属コロイド分散液の粘度を調整することをバインダー成分の主目的として、焼成条件を制御してバインダー成分を全て除去してもよい。
上記焼成を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば従来公知のギアオーブン等を用いて、基材上に塗布または描画した上記金属コロイド分散液の温度が、例えば300℃以下となるように焼成することによって導電性被膜を形成することができる。上記焼成の温度の下限は必ずしも限定されず、基材上に導電性被膜を形成できる温度であって、かつ、本発明の効果を損なわない範囲の温度であることが好ましい(本発明の効果を損なわない範囲でバインダー成分の一部が残存していてもよいが、望ましくはバインダー成分の全てが除去されるのが好ましい。)。
本実施形態の金属コロイド分散液によれば、例えば150℃程度の低温加熱処理でも高い導電性を発現する導電性被膜を形成することができるため、比較的熱に弱い基材上にも導電性被膜を形成することができる。また、焼成時間は特に限定されるものではなく、焼成温度に応じて、基材上に導電性被膜を形成できる焼成時間であればよい。
本実施形態においては、上記基材と導電性被膜との密着性を更に高めるため、上記基材の表面処理を行ってもよい。上記表面処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理、電子線処理等のドライ処理を行う方法、基材上にあらかじめプライマー層や導電性ペースト受容層を設ける方法等が挙げられる。
このようにして本実施形態の導電性被膜(導電性被膜付基材)を得ることができる。このようにして得られる本実施形態の導電性被膜の厚さは、例えば、0.1μm〜5μm程度、より好ましくは0.1μm〜1μmである。本実施形態の金属コロイド分散液を用いれば、厚さが0.1μm〜5μm程度であっても、十分な導電性を有する導電性被膜が得られる。なお、本実施形態の導電性被膜の体積抵抗値は、15μΩ・cm以下である。
なお、本実施形態の導電性被膜の厚さtは、例えば、下記式を用いて求めることができる(導電性被膜の厚さtは、レーザー顕微鏡(例えば、キーエンス製レーザー顕微鏡VK−9510)で測定することも可能である。)。
式:t=m/(d×M×w)
m:導電性被膜重量(スライドガラス上に形成した導電性被膜の重さを電子天秤で測定)
d:導電性被膜密度(g/cm)(銀の場合は10.5g/cm
M:導電性被膜長(cm)(スライドガラス上に形成した導電性被膜の長さをJIS1級相当のスケールで測定)
w:導電性被膜幅(cm)(スライドガラス上に形成した導電性被膜の幅をJIS1級相当のスケールで測定)
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、無機成分として金属粒子を採用した金属コロイド分散液について説明したが、例えば、導電性、熱伝導性、誘電性、イオン伝導性等に優れたスズドープ酸化インジウム、アルミナ、チタン酸バリウム、鉄リン酸リチウム等の無機粒子を用いることもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の金属コロイド分散液及び本発明の導電性被膜(導電性被膜付基材)の製造方法について更に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、各化合物は、以下の表1に示すものを用いた。
Figure 2012207049
≪実施例1≫
トルエン200mLとアミン(ヘキシルアミン)15gとを混合してマグネティックスターラーで十分に攪拌した。ここに、攪拌を行いながら硝酸銀10gを添加し、硝酸銀が溶解した後に、カルボン酸合計15g(オレイン酸5g及びヘキサン酸10gを順次)添加し、硝酸銀のトルエン溶液を得た。この硝酸銀のトルエン溶液に、イオン交換水50mLに水素化ホウ素ナトリウム1gを添加して調製した0.02g/mLの水素化ホウ素ナトリウム水溶液を滴下し、表2に示す平均粒径を有する銀微粒子を含む分散液を得た。なお、銀微粒子の粒径は上述の方法で測定した。
銀粒子を含む分散液の攪拌を一時間続けた後、メタノール200mLを添加して銀微粒子を凝集、沈降させた。更に、遠心分離にて銀微粒子を完全に沈降させた後、上澄みであるトルエン及びメタノールをデカンテーションで除去した。残った沈降物に更にトルエンを添加して銀微粒子を分散させ、再度メタノールを添加して上記操作を繰り返し、最終的にトルエン及びメタノールを除去し、過剰の有機物を除去して、銀微粒子約6gを得た。このようにして得た銀微粒子5gに、分散媒としてのラウリルアクリレート45gを添加し、攪拌により混合することによって本発明の銀コロイド分散液1を得た。
[評価試験]
(1)粘度
上記のようにして得られた銀コロイド分散液1の粘度を、インクジェット吐出性の指標として、上述の方法(測定温度25℃)で振動式粘度計を用いて測定した。結果を表2に示した。
(2)分散性
また、銀コロイド分散液1を容器中に静置し、24時間経過後、沈殿の有無及び上澄みの状態を目視で観察することにより、銀コロイド分散液1の分散性を評価した。容器下部に沈降物がほとんど認められない場合を「1」、少しでも沈降物が認められた場合を「2」と評価した。結果は表2に示した。
≪実施例2〜40≫
表2又は表3に示すアミン、カルボン酸及び分散媒を用いた以外は、実施例1と同様にして、銀コロイド分散液2〜40を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表2又は表3に示した。
≪比較例1≫
銀粒子として銀粉(三井金属鉱業(株)製のsilver Powder FHD)5gと分散媒であるラウリルアクリレート45gとを、マグネティックスターラーで攪拌・混合して、比較用銀コロイド分散液1を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例2≫
分散媒としてジプロピレングリコールジアクリレートを用いた以外は比較例1と同様にして比較用銀コロイド分散液2を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例3≫
銀粒子として銀粉(三井金属鉱業(株)製の銀粉SPN10J)を用いた以外は比較例1と同様にして比較用銀コロイド分散液3を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例4≫
分散媒としてジプロピレングリコールジアクリレートを用いた以外は比較例3と同様にして比較用銀コロイド分散液4を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例5≫
銀粒子として銀粉(昭栄化学工業(株)製のAG−025)を用いた以外は比較例1と同様にして比較用銀コロイド分散液5を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例6≫
分散媒としてジプロピレングリコールジアクリレートを用いた以外は比較例5と同様にして比較用銀コロイド分散液6を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例7≫
分散剤であるクエン酸ナトリウム二水和物6.82g及び還元剤である硫酸第一鉄七水和物5.82gをイオン交換水100mLに溶解した。得られた溶液を、室温下、マグネティックスターラーで攪拌しながら、塩化金酸四水和物2.89gを含む水溶液100mLを滴下して、金コロイド液を調製した。得られた金コロイド液は、限外ろ過膜を用いてろ過し、不純物イオンを除去した。この金コロイド液を遠心分離することによって取り出した銀固形分1gに分散媒として4−ヒドロキシブチルアクリレート9gを添加し、攪拌・混合により比較用金コロイド分散液7を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例8≫
分散媒としてジプロピレングリコールジアクリレートを用いた以外は比較例7と同様にして比較用金コロイド分散液8を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例9≫
硝酸銀1.97gをイオン交換水100mLに溶解し、硝酸銀水溶液を調整した。次に、没食子酸0.8gをイオン交換水100mLに加えて攪拌しながら、ここに、先に調製した硝酸銀水溶液100mLと、pH調整用の1N−NaOH水溶液10mLと、を添加し、1時間攪拌することで銀コロイド水溶液を得た。これを限外ろ過膜にてろ過し、不純物イオンを除去した。この銀コロイド水溶液を遠心分離することによって取り出した銀固形分1gに分散媒である4−ヒドロキシブチルアクリレート9gをして添加し、攪拌・混合により比較用銀コロイド分散液9を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例10〜11≫
分散媒としてジプロピレングリコールジアクリレート又はラウリルアクリレートを用いた以外は比較例9と同様にして比較用銀コロイド分散液10又は11を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例12≫
クエン酸三ナトリウム二水和物17g及びタンニン酸0.7gを水280mLに溶解した水溶液に、10N−NaOH水溶液を3mL添加した。得られた溶液に対して硝酸銀1.97gを含む水溶液3mLを撹拌しながら添加し、2時間攪拌を行い、銀コロイド水溶液を得た。得られた銀コロイド液に対し、脱塩を行った後、遠心分離を行うことで銀固形分を取り出した。この銀固形分1gに分散媒である4−ヒドロキシブチルアクリレート9gを添加し、攪拌・混合により比較用銀コロイド分散液12を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
≪比較例13〜14≫
分散媒としてジプロピレングリコールジアクリレート又はラウリルアクリレートを用いた以外は比較例12と同様にして比較用銀コロイド分散液13又は14を得、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表4に示した。
Figure 2012207049
Figure 2012207049
Figure 2012207049
表2〜表4に示された結果から明らかなように、本発明のコロイド分散液は、分散性及びインクジェット吐出性にバランス良く優れることが理解される。

Claims (7)

  1. 金属粒子を含む無機成分と、
    前記金属粒子の表面の少なくとも一部を覆う少なくともアミンを含む有機物と、
    光硬化性有機化合物を含む分散媒と、
    を含むこと、
    を特徴とするコロイド分散液。
  2. 前記光硬化性有機化合物がアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する紫外線硬化性モノマーであること、
    を特徴とする請求項1記載のコロイド分散液。
  3. 前記金属粒子の平均粒径が0.7nm〜200nmであること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のコロイド分散液。
  4. 1mPa・s〜100mPa・sの粘度を有すること、
    を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載のコロイド分散液。
  5. さらに有機物としてカルボン酸を含むこと、
    を特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載のコロイド分散液。
  6. 前記アミンの炭素数が、アミノ基1個あたり3以上であること、
    を特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載のコロイド分散液。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれかに記載のコロイド分散液を含む、インクジェット方式、グラビア方式、又はフレキソ方式に用いられるインク。

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