JP2012241132A - パラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】延伸パラ型全芳香族ポリアミド繊維から、全芳香族ポリアミドが本来有する特性を再現でき、かつ、加工が容易なパラ型全芳香族ポリアミドドープを製造する方法を提供すること。
【解決手段】延伸パラ型全芳香族ポリアミド繊維を特定量の無機塩とともにアミド系溶媒に添加し、当該アミド系溶液のpHを調整した後に延伸パラ型全芳香族ポリアミド繊維を膨潤させて微細化し、次いで、膨潤・微細化したパラ型全芳香族ポリアミド固形物を溶解させることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【選択図】なし

Description

本発明は、パラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、複屈折率Δnが0.30以上の延伸されたパラ型全芳香族ポリアミド繊維からパラ型全芳香族ポリアミドドープを製造する方法に関する。
芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とからなる全芳香族ポリアミド繊維は、その高強度、高弾性率、耐薬品性等の特性を活かして、産業資材用途や機能性衣料用途等に広く利用されている。
全芳香族ポリアミド繊維の製造現場では、通常、紡出される繊維を乾燥した後に延伸し、紙管に巻いて製品としており、したがって、繊維の巻き始め、紙管の交換時、銘柄の変更時、延伸断糸等のトラブル発生時等には、繊維屑が発生する。
また、芳香族ポリアミド繊維を用いた各種製品の製造現場においても、製品への加工時には、繊維屑が不可避的に発生する。
しかしながら、全芳香族ポリアミド繊維は高価な素材であるため、上記のような繊維屑をそのまま廃棄してしまうとコスト高になる。また、地球環境に対する配慮から、産業廃棄物を減らすと同時に、廃棄物を焼却せずに処理するという近年の社会的要請があり、製造工程において発生する繊維屑を資源として再利用することが重要になってきている。
そこで、全芳香族ポリアミドを再生することを目的として、例えば、芳香族ポリアミドフィブリッドから芳香族ポリアミドドープを製造する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載された方法では十分に均質なドープを調製することができないため、得られるドープからは全芳香族ポリアミドが本来有する特性を再現した製品が得られないという問題があった。
また別の手段として、全芳香族ポリアミド繊維屑を、無機塩を含有するアミド系溶媒と接触混合した後、該混合物をせん断応力下にて混練することにより芳香族ポリアミドドープを製造する方法が開示されている(特許文献2〜4参照)。しかしながら、特許文献2〜4に記載された方法は、使用可能な繊維屑が延伸されていないものに限られており、延伸繊維の屑を用いた場合には、極めて高粘度の芳香族ポリアミドドープを得るに留まり、実質的に成型加工を実施することが困難であった。
特開平7−286061号公報 特開2006−241271号公報 特開2006−241624号公報 特開2007−321069号公報
本発明は、上記のごとき従来技術を背景になされたものであり、その目的とするところは、延伸パラ型全芳香族ポリアミド繊維から、全芳香族ポリアミドが本来有する特性を再現でき、かつ、加工が容易なパラ型全芳香族ポリアミドドープを製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、延伸パラ型全芳香族ポリアミド繊維を特定量の無機塩とともにアミド系溶媒に添加し、当該アミド系溶液のpHを調整した後に延伸パラ型全芳香族ポリアミド繊維を膨潤させて微細化し、次いで、膨潤・微細化したパラ型全芳香族ポリアミド固形物を溶解させることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、繊維軸方向の複屈折率Δnが0.30以上のパラ型全芳香族ポリアミド繊維からパラ型全芳香族ポリアミドドープを製造する方法であって、
前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維と前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維質量に対して30〜180質量%の無機塩とをアミド系溶媒に添加した後、pH調整剤によりpHを2〜5に調整してpH調整混合物を得るpH調整工程と、
前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が溶解しない温度において、前記pH調整混合物を保持し、前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が膨潤した膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物を含むパラ型全芳香族ポリアミドスラリーを得る膨潤工程と、
前記パラ型全芳香族ポリアミドスラリーの温度を、前記膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物が溶解する温度に加熱して、膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物を溶解させる溶解工程と、
を含むパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法である。
本発明によれば、延伸パラ型全芳香族ポリアミド繊維から、全芳香族ポリアミドが本来有する特性を再現でき、かつ、加工が容易な芳香族ポリアミドドープを製造することができる。したがって、繊維の製造現場または繊維製品の製造現場等で発生するパラ型全芳香族ポリアミド繊維の屑を、有効に再利用することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<パラ型全芳香族コポリアミド>
本発明に用いられる延伸パラ型全芳香族ポリアミド繊維の材料となるパラ型全芳香族ポリアミドは、1種または2種以上の2価の芳香族基が、アミド結合により直接連結されたポリマーである。また、芳香族基には、2個の芳香環が酸素、硫黄、または、アルキレン基を介して結合されたもの、あるいは、2個以上の芳香環が直接結合したものも含む。さらに、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の低級アルキル基、メトキシ基、クロル基等のハロゲン基等が含まれていてもよい。なお、2価の芳香族基を直接連結するアミド結合の位置はパラ型である。
<パラ型全芳香族ポリアミドの製造方法>
パラ型全芳香族ポリアミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。例えば、アミド系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分(以下「酸クロライド成分」ともいう)成分と芳香族ジアミン成分とを、低温溶液重合、または界面重合等により反応せしめることにより製造することができる。
[パラ型全芳香族コポリアミドの原料]
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
芳香族ジカルボン酸クロライド成分としては、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。例えば、テレフタル酸クロライド、2−クロルテレフタル酸クロライド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド等が挙げられる。また、これらの芳香族ジカルボン酸ジクロライドは、1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。なお、本発明においては、パラ位以外の結合を形成するイソフタル酸ジクロライド等の成分が、少量が含まれていてもよい。これらのなかでは、汎用性や得られる繊維の機械的物性等の観点から、テレフタル酸ジクロライドが好ましい。
(芳香族ジアミン成分)
芳香族ジアミン成分としては、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。例えば、p−フェニレンジアミン、2−クロル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジクロルp−フェニレンジアミン、2,6−ジクロル−p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン等を挙げることができる。これらは、1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。なお、本発明においては、パラ位以外の結合を形成するm−フェニレンジアミン等の成分が、少量含まれていてもよい。
これらのなかでは、高温熱延伸における安定性の観点から、p−フェニレンジアミンを単独で使用、あるいは併用することが好ましく、p−フェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの組み合わせが最も好ましい。また、p−フェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを組み合わせて用いる場合には、その組成比は特に限定されるものではないが、芳香族ジアミンの全量に対して、それぞれ30〜70モル%、70〜30モル%とすることが好ましく、さらに好ましくは、それぞれ40〜60モル%、60〜40モル%、最も好ましくは、それぞれ45〜55モル%、55〜45モル%との範囲する。
(原料組成比)
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との比は、芳香族ジアミン成分に対する芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比として、0.90〜1.10の範囲とすることが好ましく、0.95〜1.05の範囲とすることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比が0.90未満または1.10を超える場合には、芳香族ジアミン成分との反応が十分に進まず、高い重合度が得られないため好ましくない。
<延伸されたパラ型全芳香族ポリアミド繊維>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法に用いられる延伸されたパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、その延伸の度合いとして、繊維軸方向の複屈折率Δnが0.30以上の繊維である。繊維軸方向の複屈折率Δnは、好ましくは0.32以上、さらに好ましくは0.35以上である。
パラ型全芳香族ポリアミド繊維においては、延伸倍率が2.0倍以上である場合には、通常、繊維軸方向の複屈折率Δnが0.30以上となる。本発明のパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法は、複屈折率が小さいもの(例えば未延伸糸)に対しても適用できるが、複屈折率Δnが0.30以上である場合には、従来、全芳香族ポリアミドが本来有する特性を再現でき、かつ、加工が容易なパラ型全芳香族ポリアミドドープは得られなかったため、複屈折率Δnが0.30以上の範囲において本願発明の意義が発揮される。
本発明のパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法に用いられる延伸されたパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、上記の複屈折率を有するものであれば特に限定されるものではない。製造直後の規格内の繊維であってもよいし、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造現場、あるいはパラ型全芳香族ポリアミド繊維を用いた各種製品の製造現場等で発生する繊維屑であってもよい。繊維屑としては、例えば、繊維の製造現場の場合には、繊維の巻き始め、紙管交換時、品種変更時、トラブル発生時等において発生するものであって、熱延伸または熱処理の工程よりも後の工程で発生する繊維屑が挙げられ、繊維製品の製造現場の場合には、カットファイバーの製造工程、短繊維の製造工程、紡績糸の製造工程、不織布の製造工程等の加工時に発生する繊維屑が挙げられる。
なお、本発明のパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法に用いられるパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、単糸繊度が200dtex以下であることが好ましく、繊維長は10〜100mm程度であることが好ましい。
<延伸されたパラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法>
本発明に用いられる延伸されたパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、公知の製造方法により製造されたものである。例えば、半乾半湿式紡糸法により芳香族ポリアミドドープを凝固液中に押し出し、凝固液から凝固糸として引き取り、水洗工程にて溶媒を十分に除去した後に乾燥工程にて水分を乾燥し、引き続き、熱処理あるいは熱延伸を行なう方法が挙げられる。
<パラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法は、複屈折率Δnが0.30以上のパラ型全芳香族ポリアミド繊維からパラ型全芳香族ポリアミドドープを製造する方法であって、前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維と前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維質量に対して30〜180質量%の無機塩とをアミド系溶媒に添加した後、pH調整剤によりpHを2〜5に調整してpH調整混合物を得るpH調整工程と、前記pH調整混合物の温度を、前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が溶解しない温度として、前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が膨潤した膨潤パラ型全芳香族ポリアミド繊維を得る膨潤工程と、前記pH調整混合物の温度を、前記膨潤パラ型全芳香族ポリアミド繊維が溶解する温度に加熱して、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを溶解させる溶解工程と、を含むパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法である。
[pH調整工程]
第1の工程であるpH調整工程においては、パラ型全芳香族ポリアミド繊維と、前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維質量に対して30〜180質量%の無機塩とをアミド系溶媒に添加した後、pH調整剤によりpHを2〜5に調整してpH調整混合物を得る。
(アミド系溶媒)
本発明のパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法に用いられるアミド系溶媒は、特に限定されるものではなく、パラ型全芳香族ポリアミドの重合に用いうるものであればよい。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等の有機極性アミド系溶媒が挙げられる。
アミド系溶媒の使用量は、得られるパラ型全芳香族ポリアミドドープの粘度等によって適宜設定することができるが、通常、ポリマー濃度が1〜10質量%、好ましくは4〜6質量%となる量である。
(無機塩)
本発明に用いられる無機塩は、パラ型全芳香族ポリアミド繊維とアミド系溶媒との混合物を混練・溶解させるにあたり、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の溶解性を向上させるために用いられる。かかる無機塩としては、例えば、塩化カルシウム、塩化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
無機塩の添加量は、芳香族ポリアミド繊維質量に対して30〜180質量%であり、好ましくは50〜100質量%の範囲である。無機塩の添加量が30質量%未満の場合には、芳香族ポリアミド繊維のアミド系溶媒に対する溶解性が不十分となるため好ましくない。一方で、180質量%を超える場合には、無機塩をアミド系溶媒中に完全に溶解することが困難となるため好ましくない。
(pH)
pH調整工程においては、pH調整剤により、得られる混合物のpHを2〜5、好ましくは3〜5の範囲とする。pHが5より高い場合には、最終的に得られるパラ型全芳香族ポリアミドドープの固有粘度が高く、実質的に成型加工が不可能なドープ粘度となるため好ましくない。一方で、pHが2を下回る場合には、最終的に得られるパラ型全芳香族ポリアミドドープの固有粘度の低下が著しく、芳香族ポリアミドが本来有する特性を再現することが困難となる。
なお、pH調整剤としては特に限定されるものではなく、例えば、硝酸、硫酸、リン酸等を用いることができる。これらの中では、ドープの長期安定性の観点から、塩酸を用いることが特に好ましい。
[膨潤工程]
第2の工程である膨潤工程においては、パラ型全芳香族ポリアミド繊維が溶解しない温度において、上記で得られたpH調整混合物を保持し、パラ型全芳香族ポリアミド繊維が膨潤した膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物を含むパラ型全芳香族ポリアミドスラリーを得る。
膨潤工程においては、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を含んでいたpH調整混合物は、膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物を含むスラリー状態となる。具体的には、数ミクロン〜数千ミクロンの微細な膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物が、アミド系溶媒中に分散した状態となる。
本発明で言う「パラ型全芳香族ポリアミド繊維が溶解しない温度」とは、アミド系溶媒の種類、無機塩の種類、量によって相違し、また、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の繊度によっても相違するが、アミド系溶剤中にパラ型全芳香族ポリアミド繊維を1時間浸漬した場合に、質量減少率が0.1%以下である温度と定義する。
具体的に、「パラ型全芳香族ポリアミド繊維が溶解しない温度」は、5〜40℃の範囲であることが好ましい。温度が40℃を超える場合には、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の溶解が進行するため繊維の凝集物が発生してしまい、その後、該凝集物を溶解するために時間を要するばかりか、最終的に得られるパラ型全芳香族ポリアミドドープ中に該凝集物が未溶解物として残留しやすくなるため好ましくない。一方で、温度が15℃未満の場合には、スラリー化するまでに長時間を要するため、工業的に好ましくない。
また、膨潤工程においては、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を数ミクロン〜数千ミクロンの微細なパラ型全芳香族ポリアミド固形物にするために、「パラ型全芳香族ポリアミド繊維が溶解しない温度」にて、pH調整混合物を保持する。その保持時間としては、1時間以上とすることが好ましく、特に好ましくは2時間から10時間である。
一般的に、繊維屑等を溶解させる際には、溶媒への溶解効果を高める目的で、あらかじめシュレッダー等により繊維屑等を粉砕して微細化するが、本発明においては、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を膨潤させてスラリー化することにより、微細な膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物がアミド系溶媒中に分散した状態となるため、あらかじめシュレッダー等により微細に粉砕する必要がない。同時に、パラ型全芳香族ポリアミドドープの調製に要する時間を大幅に短縮できるため、工業的に好ましい。
なお、膨潤パラ型全芳香族ポリアミド繊維を含むpH調整混合物のスラリーは、パラ型全芳香族ポリアミド繊維が溶解しない温度範囲で安定であり、この温度範囲であれば、スラリーのままで保存したり、輸送したりすることができる。
[溶解工程]
溶解工程においては、上記で得られたパラ型全芳香族ポリアミドスラリーの温度を、前記膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物が溶解する温度に加熱して、膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物を溶解させ、パラ型全芳香族ポリアミドドープを得る。
溶解工程を実施する温度は、膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物の溶解性を高める観点から高い方が好ましいが、アミド系溶媒の熱劣化・分解を避けるという点から、130℃以下とすることが好ましく、50〜120℃の範囲とすることが特に好ましい。
また、溶解工程においては、溶解を促進させるために、高せん断応力下に混練を実施することが好ましい。用いられる混練装置としては、せん断混練できるものであれば特に制限されないが、例えば、一軸押出機、二軸押出機等のスクリュー式押出機、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー、ローラー、ニーダー等を挙げることができる。
<パラ型全芳香族ポリアミドドープ>
本発明により得られるパラ型全芳香族ポリアミドドープの固有粘度(IV)は、2.5〜4.5の範囲である。なお、固有粘度は、98%濃度の濃硫酸中、ポリマー濃度0.5g/dLの溶液について30℃で測定した値を示す。
本発明により得られるパラ型全芳香族ポリアミドドープは、そのままパラ型全芳香族ポリアミド成形物の成形に用いることができるが、不溶分の濾別、脱色等の処理を施して精製してもよい。得られたパラ型全芳香族ポリアミドドープと同質のパラ型全芳香族ポリアミドドープを加える、または、同じアミド系溶媒を加えて希釈する等の方法によって、適当な濃度に調節して再利用することも可能である。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく具体的に説明する。ただし、これらの実施例および比較例は本発明の理解を助けるためのものであって、これらによって本発明の範囲が限定されるものではない。
<測定方法>
実施例および比較例における各特性値は、以下の方法で測定した。
(1)固有粘度
98%濃度の濃硫酸中、ポリマー濃度0.5g/dLの溶液を、オストワルド粘度管にて30℃の温度で測定した。
(2)ドープpH
精製水300g中にドープ5.0gを投入し、ジューサーミキサーで3分間攪拌処理をした後に固形分を濾別し、濾液について、pH計(HORIBA社製、型式:PH METER P−8)を用いて測定を実施した。
(3)繊維の繊度
得られた繊維を、公知の検尺機を用いて100m巻き取り、その質量を測定した。得られた質量に100を乗じた値を、10000mあたりの繊度(dtex)として算出した。
(4)繊維軸方向の複屈折率Δn
偏光顕微鏡(ニコン社製、商品名:ECLIPSE E600W POL)を使用し、緑色光線(波長546nm)を用いて干渉縞法によって測定した。
(5)繊維の引張強度
引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565型)により、糸試験用チャックを用いて、ASTM D885の手順に基づき、以下の条件で測定を実施した。
[測定条件]
温度 :室温
試験片 :75cm
試験速度 :250mm/分
チャック間距離 :500mm
<参考例>
(パラ型全芳香族ポリアミドドープの作製)
窒素を内部にフローしている攪拌槽に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を入れ、パラフェニレンジアミンと3,4‘ジアミノジフェニルエーテルが当モルとなる様に秤量して投入し、溶解させた。ジアミン総モル量と略当モルのテレフタル酸ジクロライドを秤量し、作製したジアミン溶液に投入して反応させた。反応終了後、水酸化カルシウムで中和し、パラ型全芳香族ポリアミドドープを得た。
(パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造)
孔径0.3mm、孔数25ホールの紡糸口金から、上記で得られたパラ型全芳香族ポリアミドドープを吐出し、エアーギャップ約10mmを介してNMP濃度30重量%の水溶液中に紡出して凝固させた後(半乾半湿式紡糸法)、水洗、乾燥し、次いで、温度500℃下で10倍に延伸して巻き取ることにより、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(コポリパラフェニレン・3.4‘オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維)を得た。得られたパラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性を、表1に示す。
<実施例1>
[パラ型全芳香族ポリアミドドープの製造]
(pH調整工程)
上記で作製したパラ型全芳香族ポリアミド繊維を、パラ型全芳香族ポリアミド繊維質量に対して900質量%のNMP中に投入し、さらにパラ型全芳香族ポリアミド繊維質量に対して67質量%の塩化カルシウムを添加して、80℃にて3時間攪拌して溶解させた。
(膨潤工程)
上記で得られたNMP溶液を5℃に冷却した後、30質量%塩酸をパラ型全芳香族ポリアミド繊維質量に対して2質量%投入してpHを3.61とし、2時間静置した。
(溶解工程)
引き続き、浅田鉄工株式会社製プラネタリーミキサー(製品名PVM−5)を用いて、80℃にて2時間の加熱混練を実施し、パラ型全芳香族ポリアミドドープを得た。得られたドープの固有粘度(IV)を表1に示す。
[繊維の製造]
得られたパラ型全芳香族ポリアミドドープを、孔径0.3mm、孔数25ホールの紡糸口金から吐出し、エアーギャップ約10mmを介してNMP濃度30重量%の水溶液中に紡出して凝固させた後(半乾半湿式紡糸法)、水洗、乾燥し、次いで、温度500℃下で10倍に延伸して巻き取ることにより、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を得た。得られたパラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性を、表1に示す。
<実施例2>
[パラ型全芳香族ポリアミドドープの製造]
加えた30質量%塩酸の量を0.5質量%としてpHを4.53とした以外は、実施例1と同様の方法でパラ型全芳香族ポリアミドドープを得た。得られたドープの固有粘度(IV)を表1に示す。
[繊維の製造]
得られたパラ型全芳香族ポリアミドドープを用いて、実施例1と同様の方法でパラ型全芳香族ポリアミド繊維を得た。得られたパラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性を、表1に示す。
<比較例1>
[パラ型全芳香族ポリアミドドープの製造]
30質量%塩酸を加えない以外は、実施例1と同様の方法でパラ型全芳香族ポリアミドドープを得た。得られたドープのpHと固有粘度(IV)を表1に示す。
[繊維の製造]
得られたパラ型全芳香族ポリアミドドープを用いて、実施例1と同様の方法で繊維の製造を試みたが、当該ドープは固有粘度が高いためにキャップから安定的に吐出することができず、繊維を得ることができなかった。
<比較例2>
[パラ型全芳香族ポリアミドドープの製造]
30質量%塩酸の添加量を10質量%としてpHを2.88とした以外は、実施例1と同様の方法でパラ型全芳香族ポリアミドドープを得た。得られたドープの固有粘度(IV)を表1に示す。
[繊維の製造]
得られたパラ型全芳香族ポリアミドドープを用いて、実施例1と同様の方法で繊維の製造を試みたが、当該ドープは固有粘度が著しく低いため熱延伸性を確保できず、繊維を得ることができなかった。
<比較例3>
[パラ型全芳香族ポリアミドドープの製造]
30質量%塩酸の添加量を0.05質量%としてpHを5.36とした以外は、実施例1と同様の方法でパラ型全芳香族ポリアミドドープを得た。得られたドープの固有粘度(IV)を表1に示す。
[繊維の製造]
得られたパラ型全芳香族ポリアミドドープを用いて、実施例1と同様の方法で繊維の製造を試みたが、当該ドープは固有粘度が高いためにキャップから安定的に吐出することができず、繊維を得ることができなかった。
Figure 2012241132

Claims (4)

  1. 繊維軸方向の複屈折率Δnが0.30以上のパラ型全芳香族ポリアミド繊維からパラ型全芳香族ポリアミドドープを製造する方法であって、
    前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維と前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維質量に対して30〜180質量%の無機塩とをアミド系溶媒に添加した後、pH調整剤によりpHを2〜5に調整してpH調整混合物を得るpH調整工程と、
    前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が溶解しない温度において、前記pH調整混合物を保持し、前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が膨潤した膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物を含むパラ型全芳香族ポリアミドスラリーを得る膨潤工程と、
    前記パラ型全芳香族ポリアミドスラリーの温度を、前記膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物が溶解する温度に加熱して、膨潤パラ型全芳香族ポリアミド固形物を溶解させる溶解工程と、
    を含むパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法。
  2. 前記pH調整剤が塩酸である請求項1記載のパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法。
  3. パラ型全芳香族ポリアミドドープの固有粘度が2.5〜4.5である請求項1および2記載のパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法。
  4. 前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維である請求項1〜3記載のパラ型全芳香族ポリアミドドープの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021095663A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 帝人株式会社 パラ型全芳香族ポリアミド繊維及びその製造方法、並びにパラ型全芳香族ポリアミド樹脂塗工液の製造方法

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