JP2012241155A - シラップ組成物及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材のプライマーを塗装した構造体の表面に凹凸があっても塗装した際に樹脂組成物が流動することなく、凹凸の形状のまま均一に表面を覆うように塗装することができ、フクレを防止することができるシラップ組成物の提供。
【解決手段】1個の(メタ)アクロイル基を有する単量体(A)と、2個以上の(メタ)アクロイル基を有する単量体(B)と、二重結合を有する(メタ)アクリレート系重合体(C)とを含有し、前記単量体(A)は、メチルメタクリレート(a1)と、フラン環、ヒドロフラン環、ピラン環およびヒドロピラン環から成る群より選ばれるヘテロ環を有する(メタ)アクリレート(a2)とを含み、前記単量体(B)は、ビスフェノール骨格を有する多官能(メタ)アクリレート(b1)を含有するシラップ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、シラップ組成物及び積層体に関する。
従来、建築物や構造物のコンクリートやアスファルトへの被覆材料に用いられる樹脂として、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等が知られている。
これらの合成樹脂塗り床材をコンクリートに塗布する場合は、コンクリートとの接着性の向上、下地の影響の抑制等をする目的であらかじめプライマーを塗布し、その上に合成樹脂塗り床材を塗り重ねる工法が一般的に採用されている。
使用されるプライマーとしては、溶剤系樹脂、エマルション系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂系等が有る。
これらの樹脂の中でラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーは、硬化速度が速く、適度な可使時間を有し、低温硬化性と空気硬化性に優れることで、施工期間を短縮できる樹脂として使用されているケースが多い。
こうしたことから、建築物や道路の舗装面などを含む構造物のコンクリートやアスファルトへの被覆材料にラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーを硬化させたうえに、ラジカル重合型アクリル樹脂系やラジカル重合型アクリル樹脂に骨材等を配合した材料を塗装し、硬化させて塗膜を形成させて積層構造とし、建築物や道路の舗装面などを高機能化したり、柔軟性のある材料を塗布することで防水施工がなされたりする。
この防水施工方法としては、シート系防水法、塗膜系防水法、コンクリートライニングが挙げられる。
シート系防水法は、合成繊維不織布に特殊アスファルトを含浸させて成型したアスファルト系防水シートを、床版に貼り付ける工法であり、床版と舗装との接着性および床版のクラックに対する追従性に優れるので、シート系防水法の使用実績は多い。
塗膜系防水法は、例えば、クロロプレン等の合成ゴムを揮発性溶剤に溶かした合成ゴム系(溶剤型)、アスファルトに合成ゴムを加えたアスファルト系(加熱型)、または、変性エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂系の防水材を用い、コンクリート床版に数回重ね塗りを行い、防水層を形成する工法であり、被覆部の形状変化に依らずに塗布が可能という長所を有する。
しかし、例えば、合成ゴム系防水材を用いる場合は、溶剤を揮発させて塗膜を得るので施工時間が長くかかり、かつ作業環境の悪化や大気汚染誘発等の課題がある。
また、アスファルト系防水材を用いる場合は、加熱溶融による火気、火傷等の事故の懸念がある。
また、エポキシ樹脂系防水材を用いる場合は、硬化時間が非常に長く、かつクラック追従性や樹脂の高粘性による作業性の低下が課題となる。
建設用途において、コンクリート床等の防水ライニング材としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、メタクリル樹脂等の樹脂を主成分とした各種の硬化性樹脂組成物が挙げられる。
塗膜を形成させて積層構造としたり、柔軟性のある材料を塗布したりすることで防水施工する例として、特許文献1には、脂環構造を有しないアクリル系単量体(A)60〜80質量%と、ブチルメタクリレート単位またはイソボルニル(メタ)アクリレート単位を有するとともに二重結合を有する重合体(B)20〜40質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対して、ワックス(C)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物、これを硬化させた排水性トップコートが開示されている。
またコンクリート床版に樹脂を含浸硬化させ、コンクリート床版を構成するコンクリートの表面層を防水層とする例として、特許文献2には、(a)1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有し、かつ、当該1分子中にメタクリロイル基又はアクリロイル基を2個以上有するものであって、当該エチレン性不飽和二重結合が、カルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合である多官能(メタ)アクリレート、(b)単官能(メタ)アクリレート、(c)重合開始剤及び(d)分解促進剤を含有してなることを特徴とする含浸用組成物及びレジンコンクリート用プライマー組成物が開示されている。
特開2009−161589号公報 特許3514601号公報
しかし、特許文献1,2に開示された従来技術は、何れも、ラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーを硬化させた上に、塗膜を形成させて積層構造としたり、柔軟性のある材料を塗布することで防水施工したりするとき、構造体の表面に凹凸がある場合は、ラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーを塗装した際に樹脂組成物が流動してしまい、凹凸の形状のまま均一に表面を覆うように塗装することが出来なかった。
さらに、施工によっては構造体のコンクリート層やアスファルト層に含まれている水分の影響で、ラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーにピンホールが発生してしまい、積層物や防水施工にフクレが発生するケースがあった。
このため、塗膜を形成させて積層構造とする前にラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーを何度も塗装したり、防水施工する際に、防水層の塗装厚みを厚くしたりする必要があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、プライマーを塗装した構造体の表面に凹凸があっても塗装した際に樹脂組成物が流動することなく、凹凸の形状のまま均一に表面を覆うように塗装することができ、積層したり防水施工した際に、躯体のコンクリート層やアスファルト層に含まれている水分などに起因するフクレを防止することができると共に、施工時の臭気を低減化させることができるシラップ組成物の提供を課題とする。
本発明は、1個の(メタ)アクロイル基を有する単量体(A)と、2個以上の(メタ)アクロイル基を有する単量体(B)と、二重結合を有する(メタ)アクリレート系重合体(C)とを含有し、
前記単量体(A)は、メチルメタクリレート(a1)と、フラン環、ヒドロフラン環、ピラン環およびヒドロピラン環から成る群より選ばれるヘテロ環を有する(メタ)アクリレート(a2)とを含み、
前記単量体(B)は、ビスフェノール骨格を有する多官能(メタ)アクリレート(b1)を含有するシラップ組成物を提供する。
本発明のシラップ組成物は、23℃においてJIS−Z8803規定のブルックフィールド型粘度計BM型で計測した溶液粘度が200〜1,500mPa・sであり、JIS−K6833に規定される測定方法で求めたTI値(チキソトロピックインデックス)が1.5以上であり、JIS−K7113に規定される測定方法で求めた塗膜の引張強度が20N/mm以上であることが好ましい。
また本発明は、構造体の上面に、プライマー層と、本発明に係る前記シラップ組成物の硬化塗膜とが順に積層されてなる積層体を提供する。
また本発明は、前記積層体の上面に、本発明に係る前記シラップ組成物又は前記シラップ組成物に骨材を配合した材料の硬化塗膜が積層されてなる積層体を提供する。
また本発明は、前記積層体のさらに上面に、防水層が積層されてなる積層体を提供する。
また本発明は、前記積層体のさらに上面に、溶融アスファルトからなる接着層(W)と、シート防水層からなる防水層(X)とが積層されてなる積層体を提供する。
本発明のシラップ組成物は、施工時間の短縮化のために、コンクリート上にプライマーを塗装した構造体の上層に塗布して樹脂層を設けることで、プライマーを塗装した構造体の表面に凹凸があっても塗装した際に樹脂組成物が流動することなく、凹凸の形状のまま均一に表面を覆うように塗装出来る。
また本発明のシラップ組成物は、積層物や防水施工した際に、構造体のコンクリート層やアスファルト層に含まれている水分などに起因するフクレ発生を防止することができる。
また本発明のシラップ組成物は、施工時の臭気を低減化させることが出来る。
本発明の積層体は、構造体の上面に、プライマー層と、本発明に係る前記シラップ組成物の硬化塗膜とが順に積層されてなるものなので、プライマーを塗装した構造体の表面に凹凸があっても塗装した際に樹脂組成物が流動することなく、凹凸の形状のまま均一に表面を覆うように塗装出来、塗膜を形成させて積層構造とする前にラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーを何度も塗装したり、防水施工する際に、防水層の塗装厚みを厚くしたりする必要がない。
また本発明の積層体は、施工した際に、構造体のコンクリート層やアスファルト層に含まれている水分などに起因するフクレ発生を防止することができるので、ピンホールが生じ難く、耐久性に優れた積層体を提供することができる。
<シラップ組成物>
本発明のシラップ組成物は、1個の(メタ)アクロイル基を有する単量体(A)と、2個以上の(メタ)アクロイル基を有する単量体(B)と、二重結合を有する(メタ)アクリレート系重合体(C)とを含有し、
前記単量体(A)は、メチルメタクリレート(a1)と、フラン環、ヒドロフラン環、ピラン環およびヒドロピラン環から成る群より選ばれるヘテロ環を有する(メタ)アクリレート(a2)とを含有し、
前記単量体(B)は、ビスフェノール骨格を有する多官能(メタ)アクリレート(b1)を含有する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味する。
<単量体(A)>
単量体(A)は、1個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体である。単量体(A)の分子量は、300以下であることが好ましい。単量体(A)の分子量が300以下の場合、シラップ組成物の反応性が良好となる。
本発明のシラップ組成物は、該単量体(A)として、メチルメタクリレート(a1)(以下、「単量体(a1)」と記す。)と、フラン環、ヒドロフラン環、ピラン環およびヒドロピラン環からなる群より選ばれるヘテロ環を有する(メタ)アクリレート(a2)(以下、「単量体(a2)」と記す。)との2成分を必須成分として含有する。
<単量体(a1)>
単量体(a1)は、メチルメタクリレートであり、シラップ組成物の粘度、塗膜の機械的強度等の特性を調整する成分である。
単量体(a1)の含有量は、単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計に対して、5〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。単量体(a1)の含有量を5質量%以上にすることによって、シラップ組成物の塗膜の引張強度および耐フクレ性を向上させることが出来る。また、単量体(a1)の含有量を40質量%以下にすることによって、塗装作業時の臭気を低減できる。
<単量体(a2)>
単量体(a2)は、かつ1個の(メタ)アクリロイル基およびフラン環、ヒドロフラン環、ピラン環およびヒドロピラン環からなる群より選ばれるヘテロ環を有する単量体であり、分子量が300以下であることが好ましい。単量体(a2)は、シラップ組成物の粘度、塗膜の機械的強度等の特性を調整する成分である。
単量体(a2)としては、フラン環、ヒドロフラン環、ピラン環およびヒドロピラン環からなる群より選ばれるヘテロ環を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
フラン環を有する(メタ)アクリレートとしては、フリル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロフラン環を有する(メタ)アクリレートとしては、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ピラン環を有する(メタ)アクリレートとしては、ピラニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロピラン環を有する(メタ)アクリレートとしては、ジヒドロピラニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、ジメチルジヒドロピラニル(メタ)アクリレート、ジメチルテトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明において、特に好ましい単量体(a2)としては、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルジヒドロピラニルメタクリレート、ジメチルテトラヒドロピラニルメタクリレートが挙げられる。単量体(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体(a2)の含有量は、単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計に対して、30〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。単量体(a2)の含有量を30質量%以上にすることによって、シラップ組成物の表面硬化性、塗膜の機械的強度が向上する。単量体(a2)の含有量を70質量%以下にすることによって、塗膜が硬くてもろくなることを防止できる。
<単量体(a3)>
本発明のシラップ組成物は、単量体(a1)〜(a2)以外の単量体(A)(以下、「単量体(a3)」と記す。)を、低臭気性、硬化性等、機械的強度を損なわない範囲で含有してもよい。
単量体(a3)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有メタクリレート;コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボン酸含有(メタ)アクリレート;メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(エチレングリコールの繰り返し数が4以下)、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(ポリプロピレングリコールの繰り返し数が2以下)等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;エチレングリコールモノメチルエーテルメタアクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、2−エトキシレーテッド2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のオリゴエチレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロエチルアクリレート等のフッ素原子含有(メタ)アクリレート;ジメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のジまたはトリアルキルシクロヘキシル基含有(メタ)アクリレート;ジメチルフェニル(メタ)アクリレート、トリメチルフェニル(メタ)アクリレート等のジまたはトリアルキルフェニル基含有(メタ)アクリレート;ベンジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)クリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単量体(a3)の含有量は、単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計に対して、0〜20質量%であることが好ましい。
本発明において単量体(A)の配合量は、単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計に対して、40〜85質量%が好ましく、50〜75質量%がより好ましい。単量体(A)を40質量%以上にすることによって、シラップ組成物の粘度が高くなりすぎず、作業性が良好となる。単量体(A)を85質量%以下にすることによって、シラップ組成物の粘度が低くなりすぎず作業時に適度の塗布厚を塗装することができる。
<他の単量体>
本発明のシラップ組成物は、本発明の効果を妨げない範囲であれば、分子量が300を超え、かつ1個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体やアリルモノマー等の他の単量体を含有してもよい。
分子量が300を超え、かつ1個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、ステアリル(メタ)アクリレート、セチルメタクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(エチレングリコールの繰り返し数が5以上)、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(ポリプロピレングリコールの繰り返し数が3以上)等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート(エチレングリコールの繰り返し数が5以上)等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アリルモノマーとしては、酢酸ビニル、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート等が挙げられる。
<単量体(B)>
単量体(B)は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能単量体である。単量体(B)は、塗膜の機械的強度、耐摩耗性、耐薬品性等を向上させる。
本発明のシラップ組成物は、該単量体(B)として、ビスフェノール骨格を有する多官能(メタ)アクリレート(b1)(以下、「単量体(b1)」と記す。)を必須成分として含有する。
<単量体(b1)>
単量体(b1)は、ビスフェノール骨格を有する多官能(メタ)アクリレートであり、塗膜の機械的強度、耐摩耗性、耐薬品性等の特性を調整する成分である。
単量体(b1)としては、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物等のビスフェノールA骨格を有する多官能(メタ)アクリレートやビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、単量体(b1)は、分子量が1,500以下であることが好ましい。単量体(b1)の分子量が1,500以上の成分を使用するとシラップ組成物の硬化塗膜が柔らかくなるため、機械的強度が向上しなくなる。
単量体(b1)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体(b1)の含有量は、単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計に対して、5〜30質量%が好ましい。単量体(b1)の含有量を5質量%以上にすることによって、シラップ組成物の塗膜の機械的強度が向上する。単量体(b1)の含有量を30質量%以下にすることによって、シラップ組成物の塗膜の耐フクレ性が向上する。
<単量体(b2)>
本発明のシラップ組成物は、単量体(b1)以外の単量体(B)(以下、「単量体(b2)」と記す。)を、機械的強度を損なわない範囲で含有してもよい。
単量体(b2)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
単量体(b2)の含有量は、単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計に対して、0〜10質量%であることが好ましい。
単量体(b2)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において単量体(B)の配合量は、単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計に対して、5〜30質量%が好ましい。単量体(B)の含有量を5質量%以上にすることによって、シラップ組成物の塗膜の機械的強度が向上する。単量体(b1)の含有量を30質量%以下にすることによって、塗膜が硬くてもろくなることを防止できる。
<重合体(C)>
重合体(C)は、炭素数2個以上のアルキル基を有する単位またはメチルメタクリレート、アルキル(メタ)アクリレート単位を有し、且つ、二重結合を有する重合体である(以下、「重合体C」と記す)。該重合体(C)は、硬化性を付与し、硬化物に強度を付与する成分である。重合体(C)における前記二重結合は、ラジカル重合反応に関与する二重結合であり、かかる二重結合を有する官能基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
重合体(C)は、シラップ組成物の硬化塗膜の機械的強度に寄与するものであり、このことが本発明の効果に関与していると考えられる。
重合体(C)を構成する単量体としては、メチルメタクリレート(c1)が必須であり、その他単官能アクリル系単量体、多官能アクリル系単量体、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
重合体(C)を構成する単量体として、上記(c1)のいずれにも含まれない他のアクリル系単量体(c2)を用いることが好ましい。
単量体(c2)としては、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;上記炭素数2個以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位、およびシクロアルキル(メタ)アクリレート単位のいずれにも含まれないアクリル系単位としてグリシジル(メタ)アクリレート、または(メタ)アクリル酸が好ましく、これらは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体(C)を構成する単量体として、メチルメタクリレートと、炭素数2〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートおよび/またはイソボルニル(メタ)アクリレートと、グリシジル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸とを用いることが好ましく、メチルメタクリレートと、グリシジル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸とを用いることがより好ましい。
炭素数2〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートは、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレートが好ましく、n−ブチルメタクリレートが特に好ましい。
重合体(C)の製造方法は特に限定されないが、まず第1段階の反応として、メチルメタクリレート(c1)および他のアクリル系単量体(c2)の2種類以上と、エステル化反応に関与する第1の官能基を有する単量体とを共重合させて、該第1の官能基を有する第1の共重合体を得、次いで第2段階の反応として、前記第1の官能基とエステル化反応する第2の官能基および二重結合を有する第2の単量体と、前記第1の共重合体とをエステル化反応させることにより、二重結合を有する重合体(C)を得る方法が好ましい。
前記第1の官能基と第2の官能基の組み合わせとしては、カルボキシル基とグリシジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基等が好ましい。
この重合体(C)の製造における具体的な重合方法は特に限定されないが、まず、第1段階の反応においてメチルメタクリレート(c1)および他のアクリル系単量体(c2)の1種以上と、(メタ)アクリル酸を懸濁重合してカルボキシル基を有する第1の共重合体を得、第2段階の反応において、得られた第1の共重合体をメチルメタクリレート(c1)に加え、該溶液中で、第1の共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートをエステル化反応により付加させて重合体(C)を得る方法が好ましい。
第1段階の反応において懸濁重合する際の重合温度は70〜98℃の範囲であることが好ましく、重合時間は2〜5時間程度であることが好ましい。第2段階の反応における反応温度は90〜95℃が好ましく、反応時間は1〜4時間程度が好ましい。
第1段階の反応に用いる単量体の好ましい組成比は、メチルメタクリレート(c1)が53〜99.5質量%、他のアクリル系単量体(c2)が15〜40質量%、(メタ)アクリル酸が0.5〜7質量%であることが好ましく、その中でも(メタ)アクリル酸1〜4質量%であることがより好ましい。
第2段階の反応においては、前記第1段階の共重合体100質量部を、メチルメタクリレート単量体(a1)70〜150質量部に加え、第1段階の反応に用いた(メタ)アクリル酸の1モルに対して、グリシジル(メタ)アクリレートを0.9〜1.2モル反応させることが好ましく、1.0〜1.1モル反応させることがより好ましい。
第1段階の反応において懸濁重合を行う懸濁液は水性懸濁液が好ましい。該水性懸濁液には分散剤を添加することが好ましい。分散剤は、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、澱粉末シリカなどの水難溶性無機化合物;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロース誘導体などのノニオン系高分子化合物;ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸メチル共重合物のアルカリ金属塩などのアニオン系高分子化合物などを挙げることができる。分散剤の使用量は懸濁液に対し0.005〜5質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。
また、前記懸濁重合時の懸濁液に、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガンなどの電解質を含有させることが好ましい。電解質を含有させることにより、分散安定性を向上させることができる。電解質の使用量は適宜設定すればよく特に限定されるものではない。
前記懸濁重合においては重合開始剤を用いる。重合開始剤は、特に限定されず、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエード、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどの有機過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。重合開始剤の添加量や添加方法は適宜設定すればよく特に限定されるものではない。
前記懸濁重合において連鎖移動剤を用いることが好ましい。連鎖移動剤を用いると、単官能アクリル系単量体の重合反応を容易に制御できる。
連鎖移動剤としてチオール化合物が好適に用いられる。チオール化合物は特に限定されず、例えば、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン;チオフェノールチオナフトールなどの芳香族メルカプタン:チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチルなどのチオグリコール酸アルキル等が挙げられる。連鎖移動剤の添加量や添加方法は適宜設定すればよく特に限定されるものではない。
第2段階の反応において、第1の官能基と第2の官能基との反応を進行させるためにエステル化触媒を用いることができる。エステル化触媒としては、例えば、トリエチルアミンなどのアミン類;テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどの4級アンモニウウム塩類;トリフェニルホスフィンなどのリン化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。エステル化触媒の添加量は適宜設定すればよく特に限定されるものではない。
第2段階の反応において重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤を添加すると第2段階の反応をより安定に行うことができる。重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル4−メチルフェノール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。重合禁止剤の添加量は適宜設定すればよく特に限定されるものではない。
第1段階の反応で得られる第1の共重合体の重量平均分子量は10,000〜150,000の範囲内であることが好ましく、15,000〜80,000の範囲内であることがより好ましい。該重量平均分子量が10,000以上であると硬化物の強度が充分に高くなりやすい。該重量平均分子量が150,000以下であるとシラップ組成物を取り扱うときの作業性が良好となる。
なお、本明細書における重量平均分子量は、樹脂を溶剤(テトラヒドロフラン)に溶解し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(以下、「GPC」と記す。)により測定した分子量をポリスチレン換算したものである。
第2段階の反応で得られる重合体(C)が二重結合を有すること、すなわち第1の共重合体に含まれるカルボキシル基が第2段階の反応によってグリシジル(メタ)アクリレートのグリシジル基と反応したことは、重合体(C)の酸価が第1段階の反応で用いられた(メタ)アクリル酸から見積もられる値より少なくなっていることで確認できる。この酸価(単位:mgKOH/g)は1以下が好ましく、0.5以下がより好ましい。
本明細書における酸価の値は、重合体をトルエンに溶解し、フェノールフタレインを指示薬として、0.1NのKOHエタノール溶液を用いて滴定して求めた値である。
本発明のシラップ組成物における重合体(C)の配合量は、単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計に対して、15〜40質量%であり、15〜35質量%が好ましく、18〜30質量%の範囲がより好ましい。該含有量が15質量%以上であると、塗膜の引張強度と対フクレ性が向上し、35質量%以下であるとシラップ組成物を取り扱うときの作業性が良好となる。
これにより、23℃においてJIS−Z8803規定のブルックフィールド型粘度計BM型で計測した溶液粘度を200〜1500mPa・sの範囲にすることが出来ると共に、JIS−K7113に規定される測定方法で求めた塗膜の引張強度を向上させることが出来る。
<その他の成分>
本発明のシラップ組成物には、硬化反応中における塗膜表面の空気遮断による表面硬化性向上等のためにワックスを添加することが好ましい。ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等、既知の各種ワックスが挙げられる。
更にワックスとしては、表面硬化性を向上させる点で、有機溶剤に分散したワックスを使用しても良い。ワックスが有機溶剤に分散状態にあり、微粒子化されていることにより、空気遮断作用を効果的に発現する。この分散状態のワックスは、市販されており、該ワックスをそのまま添加することにより、本発明のシラップ組成物を調製できる。この場合、本発明のシラップ組成物は有機溶剤も含有することになる。
分散状態のワックスは、有機溶剤を全く含有せずに、単量体(A)にワックスが分散しているものであってもよい。
ワックスの融点は40℃以上が好ましく、ワックスの融点の上限が120℃であることが好ましい。また、二種以上の融点が異なるワックスを併用することもできる。
ワックスの添加量は、空気硬化性と塗膜の物性とのバランス等の点から、前記単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。ワックスの添加量を0.1質量部以上にすることによって、シラップ組成物を塗装硬化させた際に充分な空気遮断作用が得られ、表面硬化性が良好となる。ワックスの添加量を5質量部以下にすることによって、シラップ組成物の粘度が高くなりすぎることもなく硬化速度や塗膜の物性が良好となる傾向にあり、貯蔵時にシラップ組成物に安定して分散し、また、シラップ組成物を塗装硬化させた際の耐汚染性が良好となる。
本発明のシラップ組成物を硬化させるためには、硬化剤と硬化促進剤が使用されることが好ましく、その添加量で作業時間や硬化時間をコントロールすることができる。
<硬化促進剤>
硬化促進剤としては、3級アミン類、金属石鹸類などが挙げられる。これら硬化剤および硬化促進剤は、一種を単独で、または二種以上を混合して用いることができる。
3級アミンの具体例としては、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p−トルイジン、4−(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等が挙げられる。
3級アミンとしては、芳香族3級アミンが好ましい。
芳香族3級アミンとしては、少なくとも1個の芳香族残基が窒素原子に直接結合しているものが好ましい。該芳香族3級アミンとしては、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N−(2−ヒドロキシエチル)N−メチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン;N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンまたはN,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジンのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。また、p(パラ)体に限定されず、o(オルト)体、m(メタ)体でもよい。
芳香族3級アミンとしては、シラップ組成物の反応性、硬化性の点から、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジンが好ましい。
3級アミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
3級アミンは、シラップ組成物を硬化させる直前に添加してもよく、あらかじめシラップ組成物に添加しておいてもよい。
3級アミンの添加量は、硬化性とポットライフ(作業性)とのバランス等の点から、前記単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.2〜8質量部がより好ましく、0.3〜5質量部が特に好ましい。3級アミンの添加量を0.05質量部以上にすることによって、表面硬化性が良好となる。3級アミンの添加量を10質量部以下にすることによって適切な可使時間となる。
金属石鹸類として、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ニッケル、オクチル酸コバルト、アセトアセチル酸コバルト等の多価金属石鹸が挙げられる。
金属石鹸類の添加量は、硬化性とポットライフ(作業性)とのバランス等の点から、前記単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計100質量部に対して、多価金属石鹸に由来する金属の含有量が、0.3質量部以下が好ましく、0.2質量部がより好ましい。金属石鹸類を添加することによって表面硬化性が良好となる。
これらの硬化促進剤の添加量は、使用する硬化促進剤の種類や温度環境により適正範囲は異なるが、使用温度が異なる場合は、適宜添加量を調整し使用することが好ましい。
<硬化剤>
本発明のシラップ組成物を硬化させるには、硬化促進剤と硬化剤とを組み合わせたレドックス触媒を用いることが好ましい。
硬化剤としては、ラジカル重合を開始させることができる公知の硬化剤が挙げられる。硬化剤としては、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール;1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステルなどが挙げられる。
硬化剤としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステルおよびハイドロパーオキサイドが好ましく、ベンゾイルパーオキサイドが特に好ましい。ベンゾイルパーオキサイドは、取扱性の点から、不活性の液体または固体によって濃度が30〜55質量%程度に希釈された液状、ペースト状または粉末状のものが好ましい。
硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤の添加量は、シラップ組成物の可使時間が20〜60分となるように適宜調整することが好ましい。該範囲で硬化剤を添加すれば、添加後すみやかに重合反応が開始され、シラップ組成物の硬化が進行する。
使用温度が異なる場合は、適宜硬化剤量を調整し使用することが好ましい。
ベンゾイルパーオキサイドの添加量は、前記単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計100質量部に対して、0.25〜5質量部が好ましく、0.25〜4質量部がより好ましい。ベンゾイルパーオキサイドの添加量を0.25質量部以上とすることにより、硬化性が良好となる傾向にある。ベンゾイルパーオキサイドの添加量を5質量部以下とすることにより、シラップ組成物の塗工作業性、得られる塗膜の各種物性が向上する傾向にある。
<オリゴマー>
本発明のシラップ組成物には、表面硬化性の向上を図るために、(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーを添加してもよい。
該オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、水酸基含有(メタ)アクリレートと、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオールとを公知の方法で反応させて得られるものである。
エポキシ(メタ)アクリレートは、多塩基酸無水物と、水酸基含有(メタ)アクリレートの部分エステル化物と、2官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸とを公知の方法で反応させて得られるものである。2官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとを反応させた汎用のエポキシ樹脂である。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸等の多塩基酸またはその無水物と、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール化合物と、(メタ)アクリル酸付加物またはグリシジル(メタ)アクリレートと、多塩基酸無水物とからなるものである。
<その他のポリマー成分>
本発明におけるシラップ組成物には、その他のポリマー成分として、スチレン/ブタジエン共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロースアセテートブチレート樹脂、エポキシ樹脂なども含有させることが可能である。
本発明のシラップ組成物には、必要に応じて重合禁止剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、揺変剤、補強材、可塑剤、炭酸カルシウムや酸化チタンや硅砂等の骨材、酸化クロム、ベンガラ等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料などを使用することができる。
重合禁止剤としては、貯蔵安定性を向上させる目的で、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2−6−ジ−t−ブチル4−メチルフェノール等を添加することが好ましい。
シランカップリング剤は、無機物への接着性向上を目的として使用し、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の添加量は、前記単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、硬化性、コストの点から、5質量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の添加量を10質量部以下にすることによって、シラップ組成物の基材への接着性を向上させつつ、表面硬化性が良好となる。
紫外線吸収剤は、塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で使用する。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノンなどの2―ヒドロキシベンゾフェノンの誘導体或いは2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリイブチルフェニル)ベンゾトリアゾール或いはこれらのハロゲン化物或いはフェニルサリシレート、p−ターシャリイブチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
耐光安定剤としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5―ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
揺変剤は、本発明のシラップ組成物にチキソ性付与を目的に使用する。
揺変剤としては、ウレタンウレア系、脂肪酸アマイド、有機ベントナイト、酸化ポリエチレンワックスなど有機系揺変剤が好ましい。必要に応じて、微粒シリカが併用される。揺変剤の組み合わせとしては、脂肪酸アマイドと微粒シリカの組み合わせ、有機ベントナイトと微粒シリカの組み合わせ、脂肪酸アマイドと有機ベントナイトと微粒シリカの組み合わせ、酸化ポリエチレンワックスと微粒シリカの組み合わせが挙げられる。微粒シリカの平均一次粒子径は7〜40μmが好ましい。
揺変剤を含有させることによって、シラップ組成物に構造粘性が付与され、チキソ性が増し中空粒子を均一に分布させることができ、シラップ組成物の貯蔵安定性が向上する。また、本発明の配合物を、例えば傾斜面へ施工する場合等の作業性を向上させることができる。
揺変剤の含有量は、前記単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計100質量部に対して、ウレタンウレア系、脂肪酸アマイドおよび/または有機ベントナイトが合計で0.5〜5質量部、微粒シリカが1〜10質量部であることが好ましい。
これにより、JIS−K6833に規定される測定方法で求めたTI値(チキソトロピックインデックス)を1.5以上にすることが出来る。
揺変剤の含有量が少なすぎると、添加効果が不充分となる。一方、揺変剤の含有量が多すぎると、シラップ組成物の流動性が悪くなり、実用的ではなくなる。揺変剤はシラップ組成物へ添加しても良く、骨材に配合して用いてもよい。
補強材は、シラップ組成物の可撓性や引張伸度が使用場面に対し過剰であるときに用いることが好ましい。補強材としては、チョップドストランドやロービングネット状のガラス繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維等が挙げられる
更に、作業性や外観向上等の目的で消泡剤、脱泡剤、レベリング剤等も用いることが可能である。
可塑剤は、硬化時の収縮の低減を図るために添加してもよい。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、オクチルアジペート等のアジピン酸エステル類、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル類、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、オクチルアゼレート等のアゼラインエステル類等の2塩基性脂肪酸エステル類;塩素化パラフィン等のパラフィン類が挙げられる。
可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤の添加量は、前記単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計100質量部に対して、20質量部以下が好ましい。可塑剤の添加量を20質量部以上にすると、シラップ組成物の機械的強度が低下したり、塗膜の表面に可塑剤が滲出したりすることがある。
骨材としては、平均粒子径が1μm以上であり、吸油量が25ccアマニ油/100g以下のものが好ましい。該骨材としては、砂、珪砂、石英砂、これらを着色または焼成したもの、石英粉、珪砂粉等の岩石粉;セラミックを焼成、粉砕したもの;炭酸カルシウム、アルミナ、ガラスビーズ等の無機充填材等が挙げられる。骨材は、塗工作業性、セルフレベリング性の点から、粒子径の異なる骨材を組み合わせたものが好ましい。
骨材の配合量は、シラップ組成物との混合性、塗工性、硬化性、塗膜の物性等の点から、前記単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計100質量部に対して、50〜1000質量部が好ましい。本発明のシラップ組成物に骨材を配合する際は、必要に応じて、揺変剤等の各種添加剤を添加してもよい。
<TI値>
本発明のシラップ組成物は、チキソトロピックインデックス(以下、「TI値」という。)が1.5以上であることが好ましい。
TI値が1.5以上であるシラップ組成物は、チキソトロピック的性質を有し、静置状態においては流動性少なくなるので、静置状態においても流動性を有する塗料組成物とは異なる物質である。
TI値は、組成物の温度が23±1℃のときに、BM型粘度計(トキメック社製)を用いて、測定される粘度から下記の式により求めることができる。
TI値=〔回転数6rpmのときの粘度(mPa・s)〕/〔回転数60rpmのときの粘度(mPa・s)〕
TI値が1.5以上の場合、作業性が良好であり、かつ、構造体の表面に凹凸がある場合に、シラップ塗装物を塗装した際に流動せずに、構造体表面の凹凸形状のまま、均一に表面を覆うように塗装することが出来ることから、その上に積層して積層体を得たときにフクレを抑制することが出来る。
TI値が1.5未満の場合、シラップ組成物を塗装しても流動してしまい、構造体表面の凹凸形状を均一に覆うことが出来ず、その上に塗装した材料のフクレを抑制することが出来ない。
<積層体>
本発明の積層体は、構造体の上面に、プライマー層と、本発明に係る前記シラップ組成物の硬化塗膜とが順に積層されてなる構成になっている。
また、前記積層体の上面に、本発明に係る前記シラップ組成物又は前記シラップ組成物に骨材を配合した材料の硬化塗膜が積層されてなる構成としてもよい。
また、前記積層体のさらに上面に、防水層が積層されてなる構成としてもよい。
また、前記積層体のさらに上面に、溶融アスファルトからなる接着層(W)と、シート防水層からなる防水層(X)とが積層されてなる構成としてもよい。
本発明の積層体において、プライマーを塗装する前の構造体としては、例えば、セメントコンクリート、アスファルトコンクリート、モルタルコンクリート、レジンコンクリート、透水コンクリート、ALC板、PC板等が挙げられる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて構成される。また、コンクリートの場合は、鉄筋を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。このプライマーを塗装する前の構造体は、例えば、道路、橋、高架橋等の床版や、建築物の床等に用いられるものである。床版防水構造体においては、既に舗装層を形成した既設の構造体や、既設舗装層や既設防水層を剥がした後の構造体を、プライマーを塗装する前の構造体として用いても特に問題は無い。
プライマーを塗装する前の構造体の形状は特に制限されず、例えば、平面、曲面、傾斜面等、どのような形状であってもよい。
本発明の積層体に使用されるプライマー層は、コンクリート、アスファルト等のプライマーを塗装する前の構造体に対して、本発明のシラップ組成物の接着を向上させるものである。このプライマー層は特に制限されず、例えば、樹脂等を使用できる。樹脂の具体例としては、溶剤系樹脂やエマルション系樹脂、あるいは、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂等の施工後に硬化させる合成樹脂系塗料が挙げられる。下地の種類や、形状、施工場所によって要求されるプライマーの特性は異なるが、常温および低温時に短時間硬化が可能でありかつ作業性に優れる点から、ラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーを用いることが好ましい。
前記シラップ組成物の硬化塗膜を形成するには、前記プライマー層上に前記シラップ組成物を塗布し、その塗膜を硬化させて硬化塗膜を形成する方法が挙げられる。
塗工方法としては、ローラー、金ゴテ、刷毛、自在ボウキ、塗装機(スプレー塗装機等)等を用いる公知の塗工方法が挙げられ、2液エアレス塗装機を用いる場合は主剤側、硬化剤側の2液に分け、主剤側には硬化促進剤を添加し、硬化剤側に例えば過酸化ベンゾイルを添加する方法が望ましい。
本発明の積層体を製造する場合、前記シラップ組成物は、TI値が1.5以上であることが好ましい。TI値が1.5以上であるシラップ組成物を用いた場合、作業性が良好であり、かつ、構造体の表面に凹凸がある場合に、シラップ塗装物を塗装した際に流動せずに、構造体表面の凹凸形状のまま、均一に表面を覆うように塗装することが出来る。
また、塗工時の温度は−30〜60℃が好ましく、特に−10〜40℃が好ましく、施工性の点から可使時間は5〜60分、硬化時間は10〜90分以内が好ましい。可使時間、硬化時間の調整は、硬化剤及び硬化促進剤の量を塗工時の温度に応じて調整することにより行うことができる。
本発明の積層体において、前記硬化塗膜の上に防水層(X)を設ける場合、前記構造体上にプライマー層および本発明のシラップ組成物を塗装し、接着層(W)を用いて防水層(X)を貼り付けた構成とすることが好ましい。
また、この防水層(X)上に別の接着層(Y)を設けた後、舗装材(Z)を順次積層した構成としてもよい。
また、前記シラップ組成物の硬化塗膜上に、トップコート層または保護層を積層した構造としてもよい。
防水層(X)の上に直接舗装材(Z)を積層したときに充分な接着強度が得られるときは、接着層(Y)は省略しても良い。
前記トップコート層または保護層は、耐外傷性や耐候性を目的に設けられる層である。その具体例としては、本発明のシラップ組成物と同様にラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーを塗布して硬化させた層であることが好ましいが、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の常温硬化型樹脂組成物を塗布して硬化させた層であっても良い。また意匠性や外観の点から、トップコート層または保護層をフィルムやシートを用いて形成することも可能である。
接着層(W)は、前記シラップ組成物の硬化塗膜と防水層(X)との接着を強固にする目的で設けられる層である。接着層(W)を形成の為に使用する接着材の形状は特に制限されず、例えば、液状、粉状、粒状、シート・フィルム状の何れでもよい。接着材の材質は、本発明のシラップ組成物と防水層(X)との接着を向上させるものであればよく、特に制限されない。接着材の具体例としては、樹脂、ゴム、アスファルト等の固体状のもの、石油アスファルトやアスファルト乳剤、各種液状合成樹脂などの液体状のもの等が挙げられる。
接着材が液状の場合は、その液状材料を、ハケ、ローラー、スプレー等で前記シラップ組成物の硬化塗膜上に塗布すればよい。また、接着材が粉状または粒状の場合は、それを本発明のシラップ組成物の硬化塗膜上に均一に散布してもよいし、あるいはシラップ組成物塗工後であって硬化前の状態の面に散布してもよい。さらに、接着材が固体状の場合は、それを加熱溶融し液状化してから塗工してもよい。
接着層(W)の形成法としては、防水層(X)がシート状の防水材で構成する場合は、接着層(W)としてアスファルトまたは熱可塑性樹脂を加熱溶融して塗装して、接着層の温度が下がる前に防水材を貼り付け、防水材を貼り付けた後に防水材と共に冷却される。この際、接着層(W)は、前記シラップ組成物の硬化塗膜と防水層(X)の接着を強固にする。また、前記シラップ組成物の硬化塗膜と防水層(X)のせん断接着力を向上させる目的で、粒状アスファルトまたは熱可塑性樹脂に珪砂などを混合して散布しても良い。これらは、それを前記シラップ組成物の硬化塗膜上に均一に散布してもよいし、あるいはシラップ組成物塗工後であって硬化前の状態の面に散布してもよい。
防水層(X)としては、シート系防水材や塗膜系防水材、合成ゴム系防水材等が挙げられる。いずれも厚みが0.5mm〜4mm程度となるように用いる。
シート系防水材は、工場で製作された合成繊維不織布などに加熱溶融した特殊アスファルトを含浸させ、鉱物質粉末を散布して、成形したものである。
塗膜系防水材としては、クロロプレンゴムなどの合成ゴムを揮発性溶剤に溶かした合成ゴム系(溶剤型)と変性エポキシなどのエポキシ樹脂系がある。
合成ゴム系防水材は、クロロプレン等の主成分に無機質フィラー、繊維、加硫剤、顔料などを添加し、揮発性溶剤を加えた高粘度の溶液が用いられている。
防水層(X)上に舗装層(Z)を設ける構成とする場合、防水層(X)上に積層される接着層(Y)は、防水層(X)と舗装層(Z)との接着を強固にする目的で設けられる層である。この接着層(Y)は、前述した接着層(W)と同様の材料が用いられる。
舗装層(Z)の材料は、特に限定されず、従来より道路等の舗装に使用可能なことが知られている各種の材料を用いることができる。例えば、アスファルトに骨材を混ぜたアスファルト系舗装、改質アスファルト等を含んだ排水性舗装、コンクリート系舗装、樹脂系舗装などが挙げられる。
本発明の積層体は、構造体の上面に、プライマー層と、本発明に係る前記シラップ組成物の硬化塗膜とが順に積層されてなるものなので、プライマーを塗装した構造体の表面に凹凸があっても塗装した際に樹脂組成物が流動することなく、凹凸の形状のまま均一に表面を覆うように塗装出来、塗膜を形成させて積層構造とする前にラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーを何度も塗装したり、防水施工する際に、防水層の塗装厚みを厚くしたりする必要がない。
また本発明の積層体は、積層物や防水施工した際に、躯体のコンクリート層やアスファルト層に含まれている水分などに起因するフクレ発生を防止することができるので、ピンホールが生じ難く、耐久性に優れた積層体を提供することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
以下の実施例中の「部」はすべて「質量部」を、ケン化度と湿度以外の「%」はすべて「質量%」を示す。
[合成例1:重合体(C)を含む組成物S−1の調製]
まず、第1段階の反応を行った。すなわち、攪拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置内に、脱イオン水135部、および分散剤としてポリビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1,700)0.4部を加えて攪拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した後、一度攪拌を停止し、メタクリル酸(以下、「MAA」と略す。)4部、メチルメタクリレート(以下、「MMA」と略す。)96部、重合開始剤として2,2′−アゾビス2−メチルブチロニトリル(以下、「AMBN」と略す。)0.2部、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン(以下、「n−DM」と略す。)0.8部、電解質として炭酸ナトリウム0.1部を加えて再度攪拌し、75℃に昇温して2.5時間反応させ、98℃に昇温して1.5時間保持して反応を終了させた。40℃に冷却後、得られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、脱水後、40℃で16時間乾燥して、粒状ビニル系重合体(第1の共重合体)を得た。得られた粒状ビニル系重合体のTgは100℃、重量平均分子量は40,000であった。なお、粒状ビニル系重合体のTgはポリマーハンドブックに記載のホモポリマーのTgから、Foxの式を用いて算出した。
次いで第2段階の反応を行った。すなわち、攪拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置内に、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」と略す。)6.6部、エステル化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド1.5部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(以下、「BHT」と略す。)0.1部、およびテトラヒドロフルフリルメタクリレート(以下、「THFMA」と略す。)252.2部を加え、攪拌しながら上記で得た粒状ビニル系重合体(第1の共重合体)100部を徐々に投入し、全量投入後90℃に昇温して2時間保持し、酸価0.3mgKOH/gの重合体(C)とTHFMAを含む組成物S−1(以下、「S−1」と略す。)を得た。第1段階の反応に用いたMAAの1モルに対して、第2段階の反応で使用したGMAのモル比は1.0/1.0であった。
得られたS−1の組成は次の通りであった。
S−1:第一の共重合体/GMA+THFMA=100/6.6+252.2(部)。
第一の共重合体=MMA/MAA=96/4(部)、Tg:100℃、Mw:40,000。
[合成例2:重合体(C)を含む組成物S−2の調製]
合成例1の第1段階の反応において、MMAの使用量を96部から68部へ変更し、イソボロニルメタクリレート(以下、「IBXMA」と略す。)を30部加え、MAAの使用量を4部から2部へ変更し、AMBNの0.2部に替えてラウロイルパーオキサイド(以下、「LPO」と略す。)を0.4部用いた、それ以外は合成例1と同様にして、Tg119℃、重量平均分子量40,000の粒状ビニル系重合体(第1の共重合体)を得た。
得られた粒状ビニル系重合体を用いて、第2段階の反応を行った。
合成例1のTHFMAの使用量を252.2部から162.3部へ変更した以外は合成例1と同様にして、酸価0.3mgKOH/gの重合体(C)とTHFMAを含む組成物S−2(以下、「S−2」と略す。)を得た。
得られたS−2の組成は次の通りであった。
S−2:第一の共重合体/GMA+MMA=100/6.6+162.3(部)。
第一の共重合体=MMA/IBXMA/MAA=68/30/2(部)、Tg:119℃、Mw:40,000。
[合成例3:比較重合体P−1の合成]
合成例1の第1段階の反応において、MMAの使用量を96部から80部へ変更し、MAA4部に代えてn−BMAを20部使用した。それ以外は合成例1の第1の共重合体と同様にして、Tg82℃、重量平均分子量80,000の粒状ビニル系重合体P−1(以下、「P−1」と略す。)を得た。
得られたP−1の組成は次の通りであった。
P−1:比較共重合体=MMA/n−BMA=80部/20部、Tg:82℃、Mw:80,000。
[実施例1]
合成例1で得たS−1を用い、表1に示す配合でシラップ組成物を調製した。なお、表1に記載しているS−1〜S−2の配合量(単位:質量部)は、該組成物に含まれる重合体(C)とTHFMAの合計量であり、併記している( )内の値が、該配合したS−1〜S−2中に含まれる重合体(C)の量(単位:質量部)である。したがって、例えば実施例1において、前記単量体(A)と単量体(B)と重合体(C)との合計100部中のTHFMA単量体(a2)の含有量は46部となる。
攪拌機、温度計、冷却管付きの1Lフラスコに、S−1の60部(THFMA46部を含む)、単量体(A)としてMMA15部、SLMA(製品名アクリエステルSL、三菱レイヨン社製)(以下、「SLMA」と略す。)1部、単量体(B)としてEO変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業製薬社製:商品名 ニューフロンティアBPE−4)(以下、「BPE−4」と略す。)20部、重合禁止剤としてBHT0.05部、パラフィンワックス(製品名115、日本精鑞社製、融点47℃)(以下、「P−115」と略す。)0.4部、パラフィンワックス(製品名130、日本精鑞社製、融点55℃)(以下、「P−130」と略す。)0.2部、パラフィンワックス(製品名150、日本精鑞社製、融点66℃)(以下、「P−150」と略す。)0.2部、促進剤としてN,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン(以下、「PTEO」と略す。)2部、消泡剤としてディスパロン230(楠本化成社製)(以下、「ディスパロン230」と略す。)0.5部、紫外線吸収剤としてJF−77(城北化学社製)(以下、「JF−77」と略す。)0.3部、揺変剤としてBYK−410(ビックケミー・ジャパン社製)(以下、「BYK−410」と略す。)1部、を投入後、70℃2時間加熱、溶解し、冷却して実施例1のシラップ組成物(N−1)を得た。
[実施例2]
揺変剤BYK−410を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のシラップ組成物(N−2)を得た。
[実施例3]
合成例2で得た重合体(C)を含むS−2を用い、表1に示す配合でシラップ組成物を調製した。
攪拌機、温度計、冷却管付きの1Lフラスコに、S−2の75部(THFMA45部を含む)、単量体(A)としてMMA5部、単量体(B)としてBPE−4を10部、トリエチレングリコールジメタクリレート(日油社製:商品名 ブレンマーPDE−150)(以下、「PDE−150」と略す)を10部、重合禁止剤としてBHT0.05部、パラフィンワックスとしてP−115を0.4部、P−130を0.2部、P−150を0.2部、ワックス分散液(ビックケミー・ジャパン社製)(以下、「BYK−S780」と略す。)1部、促進剤としてPTEOを2部、消泡剤としてディスパロン230を0.5部、紫外線吸収剤としてJF−77を0.3部、揺変剤としてBYK−410を1部、のぞれぞれを投入後、70℃2時間加熱、溶解し、冷却して実施例3のシラップ組成物(N−3)を得た。
[実施例4]
S−1の60部に代えて、S−2の60部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のシラップ組成物(N−4)を得た。
[比較例1]
S−1の60部に代えて、P−1の18部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のシラップ組成物(N−5)を得た。
[比較例2]
単量体(B)としてBPE−4の20部に代えて、PDE−150を20部とし、それ以外は実施例1と同様にして、比較例2のシラップ組成物(N−6)を得た。
[比較例3]
単量体(A)として、MMA15部に代えてTHFMAを加え、THFMAを61部とし、それ以外は実施例1と同様にして、比較例3のシラップ組成物(N−7)を得た。
前記の通り調製した実施例1〜4のシラップ組成物(N−1〜N−4)及び比較例1〜3のシラップ組成物(N−5〜N−7)について、以下の測定方法によって粘度とTI値を測定した。その結果を表1にまとめて記す。
<粘度>
粘度は、B型粘度計(BM型、トキメック社製)を用いて、23℃における粘度(6rpmのときの粘度及び60rpmのときの粘度)を測定した。
<TI値>
TI値は、B型粘度計(BM型、トキメック社製)を用いて、23℃における粘度を測定した時、測定される粘度から下記の式により求めた。
TI値=〔回転数6rpmのときの粘度(mPa・s)〕/〔回転数60rpmのときの粘度(mPa・s)〕
Figure 2012241155
[性能評価]
前記の通り調製した実施例1〜4のシラップ組成物(N−1〜N−4)及び比較例1〜3のそれぞれのシラップ組成物(N−5〜N−7)の100部に対して、促進剤としてナフテン酸コバルト6%溶液(製品名ナフテックスコバルト6%(T)、コバルト含有量6%、日本化学産業社製)(以下、「Co−6%」と略す。)1部、硬化剤としてナイパーNS(製品名ナイパーNS、日油社製、過酸化ベンゾイル40%品)(以下、「ナイパーNS」と略す。)3部を添加し、よく混合して硬化剤入りシラップ組成物を得た。
以下、実施例1のシラップ組成物(N−1)を使用して得られた硬化剤入りシラップ組成物を実施例1とし、実施例2のシラップ組成物(N−2)を使用して得られた硬化剤入りシラップ組成物を実施例2とし、実施例3のシラップ組成物(N−3)を使用して得られた硬化剤入りシラップ組成物を実施例3とし、実施例4のシラップ組成物(N−4)を使用して得られた硬化剤入りシラップ組成物を実施例4とし、比較例1のシラップ組成物(N−5)を使用して得られた硬化剤入りシラップ組成物を比較例1とし、比較例2のシラップ組成物(N−6)を使用して得られた硬化剤入りシラップ組成物を比較例2とし、比較例3のシラップ組成物(N−7)を使用して得られた硬化剤入りシラップ組成物を比較例3とし、これら実施例1〜4及び比較例1〜3の硬化剤入りシラップ組成物について、以下の通り、硬化時間、引張強度、塗工作業性、流動性、耐フクレ性について測定・評価を行った。その結果を表2にまとめて記す。
<硬化時間>
直径10mm、長さ120mmの試験管の底部より70mmまで、前記実施例1〜4及び比較例1〜3の各硬化剤入りシラップ組成物を投入し、熱電対を該シラップ組成物の深さ方向中央部に入れた。この試験管を23℃の水中に静置してシラップ組成物を硬化させつつ、前記熱電対により発熱温度を経時的に測定した。硬化剤の添加時から、最高発熱温度になった時点までの時間を求め、この時間を硬化時間とした。結果を表2に示す。
<引張強度>
雰囲気温度23℃の室内にて、前記実施例1〜4及び比較例1〜3の各硬化剤入りシラップ組成物に脱泡作業を実施した後、型に注入し、硬化・養生した。硬化させた翌日に脱型後、厚さ3mmの注型板(試験サンプル)を得た。該試験サンプルをJIS−K7113で引張試験を実施し、23℃の環境下で引張試験を行ったときの破壊時の引張強度(N/mm)を測定した。この引張強度は硬化塗膜の機械的強度の指標の一つである。結果を表2に示す。
<塗工作業性>
ラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーとして、菱晃社製 商品名「アクリシラップDR−90」を0.3kg/mの割合となるように塗布・硬化させたコンクリート板(30cm×30cm×6cm)の上に、前記実施例1〜4及び比較例1〜3の各硬化剤入りシラップ組成物を0.4kg/mの割合となるように塗工した時の作業性について評価を行った。評価については下記基準に基づいて判断した。結果を表2に示す。
良好(○):配合物を刷毛で充分に均すことができ、均一に塗布できた。
不良(×):配合物を刷毛で均す際に、粘度が高く均し難い、および/または均一な表面を得るに非常に時間を要した。
<耐流動性>
アセトンで表面を脱脂したガラス板(15cm×15cm×2mm)の上に、前記実施例1〜4及び比較例1〜3の各硬化剤入りシラップ組成物を0.4kg/mの割合となるように刷毛で塗工した後に、ガラス板を立てたまま硬化させた時、ガラスから落ちた樹脂の量をから樹脂の対流動性について評価を行った。評価については下記基準に基づいて判断した。結果を表2に示す。
非常に良好(◎):ガラスに留まった樹脂量が塗布量の80%以上
良好(○):ガラスに留まった樹脂量が塗布量の40%以上80%未満
不良(×):ガラスに留まった樹脂量が塗布量の40%未満
<耐フクレ性>
ラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーとして、菱晃社製 商品名「アクリシラップDR−90」を0.3kg/mの割合となるように塗布・硬化させたコンクリート板(30cm×30cm×6cm)の上に、前記実施例1〜4及び比較例1〜3の各硬化剤入りシラップ組成物を0.4kg/mの割合となるように塗工してサンプルを作製した。このサンプルをJHS−433−2「膨れ負荷方法」に記載の負荷試験方法を実施して耐フクレ性を評価した。
負荷試験方法については、サンプル硬化後、24時間室温で養生してから、23±2℃の水24時間以上浸漬させ、サンプルを水中から取り出し、温度60±2℃、湿度80±5%の恒温恒湿槽で24時間静置する。硬化塗膜が硬くてもろいと、フクレが発生しやすい。)結果を表2に示す。
良好(○):サンプルにフクレが発生せず。
不良(×):サンプルにフクレが発生した。
Figure 2012241155
表2の結果より、本発明に係る実施例1〜4のシラップ組成物は、硬化時間が塗装作業に好適な範囲であり、引張強度が高い硬化塗膜が得られる。また、実施例1〜4のシラップ組成物は、塗工作業性、耐流動性、耐フクレ性の評価に関して全て良好又は非常に良好であった。
一方、重合体(C)に代えて二重結合を有さない比較重合体P−1を配合した比較例1、単量体(b1)を欠いた比較例2、及び単量体(a1)を欠いた比較例3のそれぞれの硬化塗膜は、単量体(a1)、単量体(b1)及び重合体(C)を含む実施例1に比べて、いずれも引張強度が低く、耐フクレ性が不良であった。
[実施例5]
ラジカル重合型アクリル樹脂系プライマーとして、菱晃社製 商品名「アクリシラップDR−90」を0.3kg/mの割合となるように塗布・硬化させたコンクリート板(30cm×30cm×6cm)の上に、実施例1の硬化剤入りシラップ組成物を0.4kg/mの割合となるように2層目を塗工硬化した。さらにシラップ組成物N−1の100部に対し、骨材として菱晃社製の 商品名「KM−17A」(以下、「KM−17A」と略す。)350部、Co−6%の1部及びナイパーNSの2部とを加えて混合し、調製した硬化剤入りシラップ組成物を、前記2層目の硬化塗膜の上に、10kg/mの割合となるように3層目をコテで塗工し、硬化してサンプルを作製した。
このサンプルについてJHS−433−2「膨れ負荷方法」に記載の負荷試験方法を実施して耐フクレ性を評価した。
負荷試験方法については、サンプル硬化後、24時間室温で養生してから、23±2℃の水24時間以上浸漬させ、サンプルを水中から取り出し、温度60±2℃、湿度80±5%の恒温恒湿槽で24時間静置する。結果を表3に示す。
良好(○)○:サンプルにフクレが発生せず。
不良(×):サンプルにフクレが発生した。
Figure 2012241155
表3の結果より、プライマー層の上に、本発明に係るシラップ組成物を塗布硬化させた複数層の硬化塗膜を設けた構成の実施例5の積層体は、フクレを発生することがなく、耐フクレ性は良好であった。
本発明のシラップ組成物は、プライマーを塗装した構造体の表面に凹凸があっても塗装した際に樹脂組成物が流動することなく、凹凸の形状のまま均一に表面を覆うように塗装することができ、フクレを防止することができる。
本発明のシラップ組成物は、建築物や構造物のコンクリートやアスファルトへの被覆材料として、プライマーを塗装した構造体のプライマー上に塗布し硬化させて硬化塗膜を形成する用途等に好適に使用される。

Claims (6)

  1. 1個の(メタ)アクロイル基を有する単量体(A)と、2個以上の(メタ)アクロイル基を有する単量体(B)と、二重結合を有する(メタ)アクリレート系重合体(C)とを含有し、
    前記単量体(A)は、メチルメタクリレート(a1)と、フラン環、ヒドロフラン環、ピラン環およびヒドロピラン環から成る群より選ばれるヘテロ環を有する(メタ)アクリレート(a2)とを含み、
    前記単量体(B)は、ビスフェノール骨格を有する多官能(メタ)アクリレート(b1)を含有するシラップ組成物。
  2. 23℃においてJIS−Z8803規定のブルックフィールド型粘度計BM型で計測した溶液粘度が200〜1,500mPa・sであり、JIS−K6833に規定される測定方法で求めたTI値(チキソトロピックインデックス)が1.5以上であり、JIS−K7113に規定される測定方法で求めた塗膜の引張強度が20N/mm以上である請求項1に記載のシラップ組成物。
  3. 構造体の上面に、プライマー層と、請求項1又は2に記載のシラップ組成物の硬化塗膜とが順に積層されてなる積層体。
  4. 請求項3に記載の積層体の上面に、請求項1又は2に記載のシラップ組成物又は前記シラップ組成物に骨材を配合した材料の硬化塗膜が積層されてなる積層体。
  5. 請求項3又は4に記載の積層体のさらに上面に、防水層が積層されてなる積層体。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の積層体の上面に、溶融アスファルトからなる接着層(W)と、シート防水層からなる防水層(X)とが積層されてなる積層体。
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