JP2012249421A - リニア駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要以上に装置を重く、堅牢にしたり、また別個のアクチュエータを設けることなく、リニアモータの可動部の加速又は減速による反作用力を系内で吸収し、リニアモータの駆動による震動を抑えることができるリニア駆動装置を提供する。
【解決手段】直線移動する可動部を有するリニアモータと、該リニアモータの可動部に接続されており、該可動部と一体的に直線移動する第1可動子、該第1可動子に対して逆向きに直線移動する第2可動子を有する移動方向変換機と、前記第1可動子、前記第2可動子又は前記リニアモータの可動部に設けられており、前記リニアモータが駆動した場合に前記移動方向変換機の前記第1可動子及び前記第2可動子に働く反作用力を均衡させる重りとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、リニアモータの駆動による震動を抑えることができるリニア駆動装置に関する。
リニアモータは、非接触で直接駆動可能なモータであるため、精密ステージ、半導体製造装置等の工業機械に多く用いられている。ところが、リニアモータの可動部が加速又は減速する場合に反作用力が発生するため、装置全体が震動するという問題がある。この震動を抑制するために、装置を堅牢に作る、又は重く設計することが必要であり、機能的に必要以上の堅牢性が求められることになる。また、震動を抑制するためにわざわざ、リニアモータとは別のアクチュエータを設置して、リニアモータの可動部の直線移動に対して逆向きの運動を与える等の対策が開示されている(例えば、特許文献1)。
一方、非特許文献1には、モータから出力されるトルクを伝達する磁気歯車機構が開示されている。
特開2003−195945号公報
池田哲也・中村健二・一ノ倉理、「永久磁石式磁気ギアの効率向上に関する一考察」、磁気学会論文誌、2009年、33巻、2号、130−134頁
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、震動を抑制するために新たに精密駆動のアクチュエータユニットが必要になるという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、必要以上に装置を重く、堅牢にしたり、また別個のアクチュエータを設けることなく、リニアモータの可動部の加速又は減速による反作用力を系内で吸収し、リニアモータの駆動による震動を抑えることができるリニア駆動装置を提供することを目的とする。
第1発明に係るリニア駆動装置は、直線移動する可動部を有するリニアモータと、該リニアモータの可動部に接続されており、該可動部と一体的に直線移動する第1可動子、及び該第1可動子に対して逆向きに直線移動する第2可動子を有する移動方向変換機と、前記第1可動子、前記第2可動子又は前記リニアモータの可動部に設けられており、前記リニアモータが駆動した場合に前記移動方向変換機の前記第1可動子及び前記第2可動子に働く反作用力を均衡させる重りとを備えることを特徴とする。
第2発明に係るリニア駆動装置は、前記第1可動子、前記第2可動子又は前記リニアモータの可動部に接続された負荷を備え、前記重り、前記リニアモータ、前記移動方向変換機及び前記負荷の質量と、前記移動方向変換機による第1可動子及び第2可動子の移動速度比とは下記式を満たすことを特徴とする。
Ma/Mb=α
但し、
Ma:前記移動方向変換機の前記第1可動子側の質量
Mb:前記移動方向変換機の前記第2可動子側の質量
α:前記第1可動子の移動速度に対する第2可動子の移動速度の比
第3発明に係るリニア駆動装置は、直線移動する可動部を有するリニアモータと、該リニアモータの可動部に接続されており、該可動部と一体的に直線移動する第1可動子、及び該第1可動子に対して逆向きに直線移動する第2可動子を有する移動方向変換機と、前記第1可動子、前記第2可動子又は前記リニアモータの可動部に設けられており、前記リニアモータが駆動した場合に前記移動方向変換機の前記第1可動子及び前記第2可動子に働く反作用力を均衡させる重りが取り付けられる重り取付部とを備えることを特徴とする。
第4発明に係るリニア駆動装置は、前記重り取付部に取り付けられた重りを備えることを特徴とする。
第5発明に係るリニア駆動装置は、直線移動する可動部を有するリニアモータと、該リニアモータの可動部に接続されており、該可動部と一体的に直線移動する第1可動子、及び該第1可動子に対して逆向きに直線移動する第2可動子を有する移動方向変換機と、前記第1可動子、前記第2可動子又は前記リニアモータの可動部に接続された負荷と、前記リニアモータ、前記移動方向変換機及び前記負荷の質量と、前記移動方向変換機による第1可動子及び第2可動子の移動速度比とは下記式を満たすことを特徴とする。
Ma/Mb=α
但し、
Ma:前記移動方向変換機の前記第1可動子側の質量
Mb:前記移動方向変換機の前記第2可動子側の質量
α:前記第1可動子の移動速度に対する第2可動子の移動速度の比
第6発明に係るリニア駆動装置は、前記移動方向変換機は、前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された磁性体を有する中間ヨークを備え、前記第1可動子及び第2可動子は、前記中間ヨークを介して対向しており、前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された複数の磁極対を有し、前記移動方向における単位長さ当たりの前記磁性体の個数は、前記第1可動子及び第2可動子夫々が有する前記複数の磁極対の各個数の合計となるようにしてあることを特徴とする。
第7発明に係るリニア駆動装置は、前記移動方向変換機は、前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された磁極対を有する固定子を備え、前記第1可動子(又は前記第2可動子)は、前記固定子に対向しており、前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された複数の磁性体を有し、前記第2可動子(又は前記第1可動子)は、前記第1可動子(又は前記第2可動子)を介して、前記固定子に対応しており、前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された磁極対を有し、前記移動方向における単位長さ当たりの前記磁性体の個数は、前記第2可動子(又は前記第1可動子)と、前記固定子とが夫々有する前記複数の磁極対の各個数の差分となるようにしてあることを特徴とする。
第1及び第2発明にあっては、リニアモータの可動部には移動方向変換機が接続されている。移動方向変換機は、リニアモータの可動部と一体的に直線移動する第1可動子と、該第1可動子に対して逆向きに直線移動する第2可動子とを有するため、リニアモータの可動部が加速又は減速した場合、移動方向変換機の第2可動子は該可動部と逆方向に加速又は減速する。リニアモータが駆動した場合、移動方向変換機の第1可動子側と、第2可動子側とにはそれぞれ向きが異なる力が働く。第1可動子、第2可動子又は前記リニアモータの可動部には、リニアモータが駆動した場合に移動方向変換機の第1可動子及び第2可動子に働く反作用力を均衡させるための重りが設けられているため、リニア駆動装置全体に加わる力は相殺する。よって、リニアモータ始動時又は停止時にリニア駆動装置を震動させるような力は働かない。
第3及び第4発明にあっては、重り取付部を備えており、負荷に応じた重りを適宜取り付けることが可能である。
第5発明にあっては、リニアモータの可動部には移動方向変換機が設けられている。移動方向変換機は、リニアモータの可動部と一体的に直線移動する第1可動子と、該第1可動子に対して逆向きに直線移動する第2可動子とを有するため、リニアモータの可動部が加速又は減速した場合、移動方向変換機の第2可動子は該可動部と逆方向に加速又は減速する。リニアモータが駆動した場合、移動方向変換機の第1可動子側と、第2可動子側とにはそれぞれ向きが異なる力が働く。第1可動子側と、第2可動子側の質量は、リニアモータが駆動した場合に移動方向変換機の第1可動子及び第2可動子に働く反作用力が拮抗するように設定されているため、リニア駆動装置全体に加わる力は相殺する。よって、リニアモータ始動時又は停止時にリニア駆動装置を震動させるような力は働かない。
第6及び第7発明にあっては、第1可動子と、第2可動子と、中間ヨーク又は固定子とは直動磁気歯車を構成しているため、非接触で第1可動子及び第2可動子は直線移動する。従って、非接触機構で、リニアモータの震動を抑制することが可能である。
本発明によれば、必要以上に装置を重く、堅牢にしたり、また別個のアクチュエータを設けることなく、リニアモータの可動部の加速又は減速による反作用力を系内で吸収し、リニアモータの駆動による震動を抑えることができる。
本実施の形態に係るリニア駆動装置の一構成例を示した斜視図である。 直線移動方向に直交する方向から見たリニア駆動装置の側断面図である。 直線移動方向から見たリニア駆動装置の側面図である。 移動方向変換機の要部を示した分解斜視図である。 リニア駆動装置の動作説明図である。 リニア駆動装置の動作説明図である。 変形例に係るリニア駆動装置の一構成例を示した斜視図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本実施の形態に係るリニア駆動装置の一構成例を示した斜視図、図2は、直線移動方向に直交する方向から見たリニア駆動装置の側断面図、図3は、直線移動方向から見たリニア駆動装置の側面図である。なお図3中、ハッチングが付された部分は、磁石又は磁性体で構成されている部分を示している。ベース1に設けられた本実施の形態に係るリニア駆動装置は、直線移動する可動部22を有するリニアモータ2と、可動部22に接続されており、該可動部22と一体的に直線移動する第1可動子31、及び該第1可動子31に対して逆向きに直線移動する第2可動子32を有する移動方向変換機3と、可動部22及び第1可動子31を連結する連結部4と、第2可動子32に設けられており、リニアモータ2が駆動した場合に移動方向変換機3の第1可動子31及び第2可動子32に働く反作用力を均衡させる重り37とを備える。本実施の形態に係るリニア駆動装置は、精密ステージ、半導体製造装置等の工業機械に適用することができるが、以下では負荷5を有する一般的な装置を想定して説明する。
リニアモータ2は、長手方向に沿って略等間隔に複数の磁極対が配された長尺平板状の固定子21を備え、固定子21はベース1に固定されている。固定子21の両長辺側には、その長手方向に沿ってリニアモータスライドレール23が敷設されている。また、リニアモータ2は、各リニアモータスライドレール23に沿って移動可能な支持部24によって支持された略矩形板状の可動ステージ25と、間隙を有して固定子21に対向するように可動ステージ25の固定子21側に設けられた可動部22とを備える。可動部22は、固定子21の長手方向に沿って略等間隔に複数の磁極対が配されている。固定子21及び可動部22の一方は、永久磁石で構成され、他方は電磁石で構成されている。電磁石への通電は図示しない制御部によって制御されており、電磁石の励磁方向を順次変化させることによって、可動部22は、固定子21に沿って直線移動する。本実施の形態では、可動ステージ25上に負荷5が配されている。
移動方向変換機3は、例えば空間高調波型の直動磁気歯車であり、可動部22の移動方向に沿って略等間隔に配された磁性体を有する中間ヨーク33と、前記中間ヨーク33を介して対向している第1可動子31及び第2可動子32とを備える。また、移動方向変換機3は、可動部22の移動方向に沿ってベース1に敷設された移動方向変換機用スライドレール34を備える。
図4は、移動方向変換機3の要部を示した分解斜視図である。第1可動子31は、可動部22の移動方向に長い矩形板状をなし、図1に示すように、連結部4によって可動部22に接続されている。第1可動子31は、磁性体からなる板311を有し、板311の下面には、厚さ方向に着磁された下側N極の磁石312a及び下側S極の磁石312bからなる磁極対312が、可動部22の移動方向に沿って単位長さΔL当たり6個配されている。ここで厚さ方向に着磁された磁石とは、下側及び上側が異極となるよう着磁されていることを意味する。例えば、磁石312aは、下側及び上側夫々がN極及びS極に着磁され、磁石312bは、下側及び上側夫々がS極及びN極に着磁されている。第2可動子32の長手方向の長さは、例えば単位長のΔLである。
第2可動子32は、図4に示すように、可動部22の移動方向に沿って略等間隔に配された複数の磁極対322を有し、第1可動子31と中間ヨーク33を介して対向している。第2可動子32は、磁性体からなる長尺の板321を有し、板321の上面には、厚さ方向に着磁された上側N極の磁石322a及び上側S極の磁石322bからなる磁極対322が、可動部22の移動方向に沿って単位長さΔL当たり14個配されている。第2可動子32の長手方向の長さは、第1可動子31の長さと略同一寸法である。第2可動子32は、支持部35によって、移動方向変換機用スライドレール34に沿って移動可能に支持されている。
中間ヨーク33は、長尺板状をなし、その長手方向は移動方向変換機用スライドレール34の長手方向と同じ向きであり、第1可動子31と第2可動子32との間に間隙を有して配され、その短辺側端部が保持部36によって保持され、ベース1に固定されている。中間ヨーク33は、例えば、図4に示すように、第1可動子31及び第2可動子32夫々が有する磁極対312,322の単位長さΔL当たりの個数6及び14の合計となる20個の強磁性の磁性体331を等間隔に長手方向に沿って単位長さΔL毎に保持している。中間ヨーク33の長手方向の長さは、第1可動子31の長手方向の幅の略2倍である。ここで強磁性の磁性体とは軟磁性体のことをいい、又磁性体とは軟磁性体のことを指す。
より一般的には、前記長手方向に沿って第1可動子31に配された磁極対312の単位長さΔL当たり個数がph、前記長手方向に沿って第2可動子32に配された磁極対322の単位長さΔL当たり個数がpl、前記長手方向に沿って中間ヨーク33に配された磁性体331の単位長さΔL当たり個数がnsである場合、下記式(1)を満たすように各磁極対312,322及び磁性体331の個数を合わせる。
ns=pl+ph…(1)
このように構成された移動方向変換機3においては、可動部22と共に第1可動子31が長手方向に直線移動した場合、第1可動子31及び第2可動子32夫々が有する磁極対312、322間の磁気的相互作用により、第1可動子31とは逆方向に第2可動子32が移動する(池田哲也・中村健二・一ノ倉理、「永久磁石式磁気ギアの効率向上に関する一考察」、磁気学会論文誌、2009年、33巻、2号、130−134頁参照)。つまり、第1可動子31が移動した場合、第1可動子31からの磁束の空間高調波が中間ヨークにより変調され、第2可動子32側の磁極対ピッチと同じ周期の空間高調波が生成される。上記式(1)が成立するときに、第1可動子31を移動させると、第2可動子32はその単位長さ当たりの磁極対ピッチと反比例した減速比で移動する。第2可動子32に配置してある磁極対の単位長さΔL当たりの個数plと、第1可動子31に配置してある磁極対の単位長さΔL当たりの個数phとの比ph/plが第2可動子32に対する第1可動子31のギア比となる。図4に示す磁気ギア装置の例では、ギア比3/7となる。このため、リニアモータ2の可動部22と共に第1可動子31が移動した場合、第2可動子32は第1可動子31よりもゆっくり逆方向へ移動する。
なお、ここでは、第1可動子31における単位長さΔL当たりの磁極対312の個数が、第2可動子32における単位長さΔL当たりの磁極対322の個数より小さい場合、つまり第1可動子31の直線移動量に対して、第2可動子32の移動量が小さくなる場合について説明したが、第1可動子31の移動量に対して第2可動子32の移動量が大きくなる場合にも本発明は適用できる。
また、第1可動子31及び第2可動子32の長手方向の寸法を単位長さΔL、中間ヨーク33の長手方向の寸法がΔL×2の場合を説明したが、所定範囲を移動する第1可動子31と、第2可動子32とが同期ずれしない磁力で結合できていれば十分であり、第1可動子31、第2可動子32及び中間ヨーク33の長さは特に限定されない。例えば、上述の実施の形態において、中間ヨーク33の長手方向の寸法を、第1可動子31と略同一寸法になるように構成しても良い。更に、第1可動子31の可動範囲を拡大するために、第1可動子31の長手方向の長さを2/3ΔL、第2可動子32の長手方向の長さを3/2ΔL、中間ヨーク33の長手方向の長さを2ΔLとしても良い。第1及び第2可動子31,32及び中間ヨーク33に配されている磁極対312,322及び磁性体331の数は、第1可動子31は2/3ΔLの長さに磁極対312を4個、第2可動子32は3/2ΔLの長さに磁極対322を21個、中間ヨーク33は2ΔLの長さに磁性体331を40個、長手方向に等配している。
本明細書では磁極対を二つの磁石で形成したが、一磁極を複数の磁石で形成し、磁極対を構成しても良い。また一つの磁石を等分にNS着磁して磁極対を形成しても良い。
重り37は、例えば、第2可動子32の下面に固定された板状の部材である。重り37の固定位置は特に限定されないが、第2可動子32の重心位置など、重量バランスが取れる位置に固定すると良い。また、重り37の大きさ及び部材は特に限定されない。更に、小さな重り37でリニア駆動装置に加わる反作用力を相殺するためには、重り37の密度を大きくすると良い。重り37は、第2可動子32に着脱不能に固定しても良いし、適宜着脱できるように構成しても良い。例えば、重り37を着脱自在に固定する重り取付部を第2可動子32に設け、負荷5の質量に応じて、後述の式(2)を満たす質量を有する重り37を前記重り取付部に取り付けるように構成しても良い。重り取付部は、例えば、重り37を第2可動子32に締結するためのネジ孔、重り37が嵌合する凹部、重り37を係止する爪部材などで構成される。
リニア駆動装置の震動発生を抑えることができる重り37は第2可動子32に配置され、その質量は下記式を満たすように決定される。
Ma×a=Mb×b…(2)
ここで、Maは、支持部24、可動ステージ25、可動部22、可動ステージ25に載置された負荷5、連結部4、第1可動子31からなる直線移動部分の質量の総和である。Mbは、第2可動子32、及び支持部35からなる直線移動部分の質量の総和である。a、bは、移動方向変換機3の第1可動子31及び第2可動子32の移動量である。つまり、第1可動子31の移動量:第2可動子32の移動量=a:bである。なお、特許請求項の範囲における変数αは、第1可動子31の移動量に対する第2可動子32の移動量の比、即ちb/aである。
次に、本実施の形態に係るリニア駆動装置の作用について説明する。
図5及び図6は、リニア駆動装置の動作説明図である。図5に示すように、可動部22が右方向へ移動した場合、移動方向変換機3の第2可動子32は左方向へ移動する。可動部22に連結している第1可動子31と、第2可動子32との質量及び移動量の比は、上記式(2)を満たすため、第1可動子31及び第2可動子32に働く力は互いに相殺される。
同様に、図6に示すように、可動部22が左方向へ移動した場合、移動方向変換機3の第2可動子32は右方向へ移動する。可動部22に連結している第1可動子31と、第2可動子32との質量及び移動量の比は、上記式(2)を満たすため、第1可動子31及び第2可動子32に働く力は互いに相殺する。
このように、リニアモータ2の可動部22と共に第1可動子31が加速又は減速した場合、第2可動子32は第1可動子31よりもゆっくり加速又は減速し、第1可動子31に働く力を受け止めることができる。なお、本実施の形態では第1可動子31は、長手方向の長さΔLの範囲で移動することができる。
このように構成されたリニア駆動装置にあっては、可動部22が加速又は減速した場合であっても、リニア駆動装置内で発生する力が互いに相殺する。従って、必要以上にリニア駆動装置を重く、堅牢にしたり、また別個のアクチュエータを設けるといった大がかりなシステムを構築することなく、可動部22の加速又は減速による反作用力を系内で吸収し、リニアモータ2の駆動による震動を抑えることができる。
また、移動方向変換機3は、直動磁気歯車機構であるため、第2可動子32を第1可動子31に対して非接触で逆方向へ移動させることができる。従って、不要な摩擦力、付随的な震動、騒音が発生すること無く、リニアモータ2の駆動による震動を抑えることができる。
更に、可動部22及び第1可動子31が連結部4で略直接的に連結されているため、可動部22及び第1可動子31に働く力の作用点と、反作用点との距離が短く、リニア駆動装置の各部の剛性を高める必要が無い。
更にまた、第2可動子32は、第1可動子31の移動に対して逆向きに移動するが、この移動は、受動的な移動であるため、装置の動作信頼性に優れている。
更にまた、本実施の形態に係るリニア駆動装置を利用した場合、搬送装置、露光装置、マウンタ、ロボットなどの精度向上、装置の小型軽量化などが実現できる。
なお、実施の形態では、重り37を第2可動子32に固定する例を説明したが、第1可動子31又は可動部22に固定しても良い。
また、重り37を設けることで上記式(2)を満たすように構成してあるが、重り37が無くても、上記式(2)を満たすのであれば、重り37を設けなくても良い。
更に、本実施の形態では、可動ステージ25を一方向へ移動させる例を説明したが、複数組のリニアモータ2及び移動方向変換機3をベース1に設けることによって、XYステージを構成することもできる。
更に、本実施の形態では、リニアモータ2と、移動方向変換機3とがベース1に対して横並びになるように構成されているが、リニアモータ2及び移動方向変換機3を上下に配列させても良い。
(変形例)
実施の形態に係るリニア駆動装置の移動方向変換機3は、中間ヨーク33を固定した構成であったが、実施の形態における第2可動子32をベース1に固定し、中間ヨーク33を移動可能に構成しても良い。変形例に係るリニア駆動装置は、実施の形態における第2可動子32を固定子(以下、変換機用固定子132という。)とし、実施の形態における中間ヨーク33を可動子(以下、第2可動子133という。)として構成している。
図7は、変形例に係るリニア駆動装置の一構成例を示した斜視図である。変形例に係るリニア駆動装置は、実施の形態と同様、リニアモータ2、移動方向変換機103、連結部4と、重り37(図示していない)を備える。変形例に係る移動方向変換機103は、第1可動子31と、第2可動子133と、変換機用固定子132と、移動方向変換機用スライドレール134とを有する。第1可動子31は、実施の形態と同様の構成である。第2可動子133は、実施の形態における中間ヨーク33と同様の構成であり、第2可動子133は、支持部135を介して移動方向変換機用スライドレール134に、移動可能に設けられている。変換機用固定子132は、実施の形態における第2可動子32と同様の構造であり、長手方向が移動方向変換機用スライドレール134と略同一になるように、ベース1に固定されている。
第2可動子133は、例えば、変換機用固定子132及び第1可動子31夫々が有する磁極対の単位長さΔL当たりの個数14及び6の差分となる8個の強磁性の磁性体を等間隔に長手方向に沿って保持している。
より一般的には、前記長手方向に沿って第1可動子31に配された磁極対の単位長さΔL当たり個数がph、前記長手方向に沿って変換機用固定子132に配された磁極対の単位長さΔL当たり個数がpl、前記長手方向に沿って第2可動子133に配された磁性体の単位長さΔL当たり個数がnsである場合、下記式(3)を満たすように各磁極対及び磁性体の個数を合わせる。
ns=|pl−ph|…(3)
変形例にあっては、実施の形態と同様、可動部22が加速又は減速した場合であっても、リニア駆動装置内で発生する力が互いに相殺する。従って、必要以上に装置を重く、堅牢にしたり、また別個のアクチュエータを設けることなく、可動部22の加速又は減速による反作用力を系内で吸収することができる。
なお、上述の変形例では、実施の形態における第2可動子32を固定子として構成した場合を説明したが、実施の形態における第1可動子31を変換機用固定子として、可動部22を第2可動子32又は中間ヨーク33に連結するように構成しても良い。この場合、例えば、第2可動子は、変換機用固定子及び第1可動子夫々が有する磁極対の単位長さΔL当たりの個数6及び14の差分となる8個の強磁性の磁性体を等間隔に長手方向に沿って保持している。
また、本実施の形態では、リニアモータ2及び移動方向変換機3の長手方向を略水平にして使用する例を説明したが、リニアモータ2及び移動方向変換機3の長手方向を鉛直にして使用しても良い。この場合も、上述の実施の形態と同様、可動部22の加速又は減速による反作用力を系内で吸収し、リニアモータ2の駆動による震動を抑えることができる等の効果を奏する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ベース
2 リニアモータ
3,103 移動方向変換機
4 連結部
5 負荷
21 固定子
22 可動部
23 スライドレール
24 支持部
25 可動ステージ
31 第1可動子
32 第2可動子
33 中間ヨーク
34 移動方向変換機用スライドレール
35 支持部
36 保持部

Claims (7)

  1. 直線移動する可動部を有するリニアモータと、
    該リニアモータの可動部に接続されており、該可動部と一体的に直線移動する第1可動子、及び該第1可動子に対して逆向きに直線移動する第2可動子を有する移動方向変換機と、
    前記第1可動子、前記第2可動子又は前記リニアモータの可動部に設けられており、前記リニアモータが駆動した場合に前記移動方向変換機の前記第1可動子及び前記第2可動子に働く反作用力を均衡させる重りと
    を備えることを特徴とするリニア駆動装置。
  2. 前記第1可動子、前記第2可動子又は前記リニアモータの可動部に接続された負荷を備え、
    前記重り、前記リニアモータ、前記移動方向変換機及び前記負荷の質量と、前記移動方向変換機による第1可動子及び第2可動子の移動速度比とは下記式を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニア駆動装置。
    Ma/Mb=α
    但し、
    Ma:前記移動方向変換機の前記第1可動子側の質量
    Mb:前記移動方向変換機の前記第2可動子側の質量
    α:前記第1可動子の移動速度に対する第2可動子の移動速度の比
  3. 直線移動する可動部を有するリニアモータと、
    該リニアモータの可動部に接続されており、該可動部と一体的に直線移動する第1可動子、及び該第1可動子に対して逆向きに直線移動する第2可動子を有する移動方向変換機と、
    前記第1可動子、前記第2可動子又は前記リニアモータの可動部に設けられており、前記リニアモータが駆動した場合に前記移動方向変換機の前記第1可動子及び前記第2可動子に働く反作用力を均衡させる重りが取り付けられる重り取付部と
    を備えることを特徴とするリニア駆動装置。
  4. 前記重り取付部に取り付けられた重りを備える
    ことを特徴とする請求項3に記載のリニア駆動装置。
  5. 直線移動する可動部を有するリニアモータと、
    該リニアモータの可動部に接続されており、該可動部と一体的に直線移動する第1可動子、及び該第1可動子に対して逆向きに直線移動する第2可動子を有する移動方向変換機と、
    前記第1可動子、前記第2可動子又は前記リニアモータの可動部に接続された負荷と、
    前記リニアモータ、前記移動方向変換機及び前記負荷の質量と、前記移動方向変換機による第1可動子及び第2可動子の移動速度比とは下記式を満たす
    ことを特徴とするリニア駆動装置。
    Ma/Mb=α
    但し、
    Ma:前記移動方向変換機の前記第1可動子側の質量
    Mb:前記移動方向変換機の前記第2可動子側の質量
    α:前記第1可動子の移動速度に対する第2可動子の移動速度の比
  6. 前記移動方向変換機は、
    前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された磁性体を有する中間ヨークを備え、
    前記第1可動子及び第2可動子は、
    前記中間ヨークを介して対向しており、前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された複数の磁極対を有し、
    前記移動方向における単位長さ当たりの前記磁性体の個数は、前記第1可動子及び第2可動子夫々が有する前記複数の磁極対の各個数の合計となるようにしてある
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のリニア駆動装置。
  7. 前記移動方向変換機は、
    前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された磁極対を有する固定子を備え、
    前記第1可動子(又は前記第2可動子)は、
    前記固定子に対向しており、前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された複数の磁性体を有し、
    前記第2可動子(又は前記第1可動子)は、
    前記第1可動子(又は前記第2可動子)を介して、前記固定子に対応しており、前記リニアモータの可動部の移動方向に沿って略等間隔に配された磁極対を有し、
    前記移動方向における単位長さ当たりの前記磁性体の個数は、前記第2可動子(又は前記第1可動子)と、前記固定子とが夫々有する前記複数の磁極対の各個数の差分となるようにしてある
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のリニア駆動装置。
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