JP2012249579A - 農作物生育保護シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】土壌の畝に沿って敷設された植付け孔を有するマルチフィルムに貼り付けて前記植付け孔を塞ぐ農作物生育保護シートにおいて、切れ目から植付け孔に光を入れることができる長さを有してシート本体の長手方向に延びるスリットと、切れ目が形成されない連結部とが交互に配置されて1列の断続的に続くスリットがシート本体の短手方向の中途位置に1列配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
しかし、畝に植え付けた苗の根が活着するまでは、苗葉に直射日光や風が当たると苗葉からの水分蒸発量が多くなり、またマルチフィルムの植付け孔が開口されたままであると内部の土壌中の水分が蒸発してしまい農作物の生育に悪影響を与えるので、根が活着するまでは前記水分の蒸発を抑える必要がある。
そこで、特開2005−176789の栽培方法では、通気性、通水性および光透過性を有している紙、不織布、編織布、合成樹脂シートなどのシート材料からなる生育保護シートをマルチフィルムの植付け孔を塞ぐようにしてマルチフィルムに貼り付ける構成が提案されている。
この生育保護シートは、マルチフィルムの植付け孔を塞ぐことができる横幅を有すると共に、横幅方向に伸びる直線状の易通過部を3〜10cmの間隔をあけて平行に穿設し、両側辺の裏面側には粘着面を設けてマルチフィルムの表面に一体に貼り付けるようになっている。
この生育保護シートをマルチフィルム上に敷設して貼り付けるには、ロール状に巻き付けた生育保護シートを展開機の掛止軸に掛け止めてシートを繰り出して使用する必要がある。
しかし、横幅方向に易通過部を等間隔で多数平行に形成した場合、ロール状に巻き付ける際に、スリット状の易通過部から内部に入った空気が残ってしまいロールの横幅の中間部分が膨出する太鼓状となってしまい、展開機に装着するロールの長さが短くなり、作業効率が悪いという不具合が生じる。
また、シート材料が光透過性を有していると、直射日光で土壌の水分を蒸散させ、焼けを誘発したり、根の発根を遅らせ、活着を遅らせる虞れがある。
スリットとせずに貫通部と連結部を交互に有する点線状の切れ目にした場合は、シートの素材を紙としたり、フィルムの厚みを薄くしないと苗の芽が連結部を突き破れない虞れがあり、強度のある樹脂フィルムを用いることができない。
一方、特開平11−155390号の農業用シートのように、ロール状に巻き取る方向(長手方向)に断続的に伸びる多数のスリットを複数列に形成した構成が知られている。
上記構成により、ロール状に巻き付ける際にスリットから入り込んだ空気がロールの内部に残ることがなく、ロールを長く巻き付けることができる。
しかし、多数のスリットを複数列設けると、多くのスリットから光を取り込むことができるので採光性は損なわないが、一方で殆どのスリットから芽が出てくるので、芋苗の場合にツル刈り機を用いて、蔓を巻き込みながら蔓を刈り取る際、スリット間の幅狭のフィルム部分が短冊状に破れ、蔓に絡まったり、畑に散乱するという不具合が生じている。
この発明の第2の課題は、シート本体の両側片に裏面が粘着層となり表面が易剥離層となる貼付部を形成することで、長尺の農作物生育保護シートをロール状に巻回することができ、マルチフィルムへの貼付作業の効率化を図ることにある。
この発明の第3の課題は、シート本体の表面側に光反射率の高い明色層を設け、裏面側に光反射率の低い暗色層を設けた積層フィルムとすることで、直射日光が当たっても畝の土壌の地温の上昇を抑制し、土壌内の水分の蒸発を抑えて乾燥を防いで根の活着を促進することにある。
土壌の畝に沿って敷設された植付け孔を有するマルチフィルムに貼り付けて前記植付け孔を塞ぐ農作物生育保護シートにおいて、
切れ目から植付け孔に光を入れることができる長さを有してシート本体の長手方向に延びるスリットと、切れ目が形成されない連結部とが交互に配置されて1列の断続的に続くスリットがシート本体の短手方向の中途位置に1列配置されていることを特徴とする。
請求項2の発明では、
前記シート本体が、シート本体の長手方向に延びる両側辺に、裏面側に粘着面が形成され表面側に易剥離面を有する貼付部を有しており、
前記粘着面を外側に向けて巻回してロール状に形成されたシート本体を繰り出しながらマルチフィルムに貼り付けてなることを特徴とする。
請求項3の発明では、
前記貼付部が、シート本体とは別体の貼付樹脂テープからなっており、シート本体の左右の側辺の上にそれぞれ貼付樹脂テープの粘着面の横幅の一部を長手方向に沿って張り付けてなることを特徴とする。
請求項4の発明では、
シート本体が、表面側に光反射率の高い明色層を設け、裏面側に光反射率の無い又は低い暗色層を設けた積層フィルムからなっていることを特徴とする。
(1)スリットと交差する方向から強風がスリット内に吹き込んできても、あるいはツル刈り機で蔓を巻き取っても、スリットは長手方向に沿って1列にしか配置されておらず連結部が破れてもスリットの長さが伸びスリットの開口の縁部が外側に開かれるだけで、従来のようにシート本体が短冊状に破れてツル刈り機に巻き込まれたり、飛散して畑に残る虞れがない。
また、スリットを1列としその長さを植付け孔に光があたる長さに伸ばすことで、苗への採光性が損なわれることがない。
(2)シート本体をロール状に巻回しても、スリットが長手方向(巻き取り方向)に沿って延びているのでロール内部に空気が残らず、ロールの中央が太鼓状に胴膨れすることがなく、展開機に掛止めるシート本体のロールの量を長尺にすることができる。
(3)貼付樹脂テープをシート本体に貼り付けることで同じ合成樹脂で貼付部を形成することができる。
(4)シート本体の表面側を白等の光の反射率の高い明色層とすることで直射日光の可視光線を反射して遮熱することができ、また裏面側を黒色等の光の反射率の低い暗色層とし、スリットを1列とすることで、畝の土壌からの水分の蒸発を抑えて乾燥を防ぐことができる。
その結果、収穫される芋の形状が市場評価の高い、丸みを帯びた形状に仕上げることができる。
農作物は畝2に芋苗等の苗類5(根、蔓、茎、葉、種芋など)を植え付けて成育させるもので、本実施例ではさつま芋のほか、里芋、小芋などの芋類、苺や西瓜などの果実類、玉葱などの野菜類などに適用することができる。
マルチフィルム3は帯状をなし、図2、図3に示すように1本の畝または複数本の畝を覆うだけの幅を有しており、畝2を覆って施工されたあと、農作物の苗類5を植え付けるための植付け孔4が形成される。
このマルチフィルム3は、一般的には、ポリエチレンなどの合成樹脂フィルムからなり、保温性を高める黒色や灰白色、銀色、白色、緑色などに着色されている。
また、生物分解性樹脂フィルムも使用される。
この発明でマルチフィルム3は、切り込み等の植付け孔4を有する構成であればよく、特に限定されない。
上記のように、畝2を覆うマルチフィルム3の上に農作物生育保護シート1が貼り付けられる(図2参照)。
農作物生育保護シート1は、図1及び図4に示すように、長尺のシート本体11と、その長手方向に沿う両側辺に設けられた貼付部15と、前記シート本体11の長手方向に沿って断続的に形成されたスリット12と、スリット間に形成される連結部13とからなっている。
シート本体11は、前記マルチフィルム3に形成される植付け孔4の幅よりも広い幅、例えば10〜50cmを有する帯状からなっており、貼付時に植付け孔4を塞ぐことができるように設定されている。
シート本体11は、本実施例では、ポリエチレン等の合成樹脂フィルムからなっているが、その他のフィルムやシートを用いることができる。
マルチフィルム3が生物分解性を有する材料や焼却時に有害ガスを発生しない材料等の機能を有する場合には、農作物生育保護シート1も一体に貼り付けられるので同じ機能を有する材料を用いることが廃棄に際して好ましい。
黒色の場合にはポリエチレン樹脂にカーボンブラックを混合して、白色の場合には酸化チタンを混合して溶融混練し、公知方法により積層フィルムを形成している。
また明色に替えて金属色としてもよい。
これによりシート本体11の表面で日光の照射を反射でき、また裏面側では畝の土壌への余分な熱の伝導や乾燥を抑えることができる。
シート本体11の長手方向に沿う両側辺に貼付部15が設けられる。
貼付部15は、裏面側には、マルチフィルム3に貼り付けるための粘着面15aが形成されており、表面側には、シート本体11をロール状に巻き取る際に粘着面15aと重なる易剥離面15bが形成されている。
本実施例では、一方の面が粘着面で他方の面が易剥離面の貼付樹脂テープが用いられており、シート本体11の上から短手方向の幅の約半分に亘って裏面を接着することで残りの半分が粘着面15aとなり、表面の全域が易剥離面15bとなるように形成されている。
前記貼付樹脂テープとして天然ゴムを素材とするものでもよいが、耐候性や紫外線に強いテープが好ましい。
本実施例ではアクリル系のOPPテープとして、厚み0.052mm、粘着力3.4N/10mm、寸法幅36mm、長さ1500mのものを用いている。
貼付部15は、貼付樹脂テープを用いず、シート本体11の裏面に粘着剤を塗布し表面には易剥離剤を塗布する等であってもよい。
スリット12は、前記マルチフィルム3の植付け孔4のピッチに対応するように前後の誤差を含めて植付け孔4のマルチフィルム3の長手方向の径より長く設定されている。
本実施例でスリット12は直線状の切れ目からなっており、シート本体11の長手方向に沿って、1列に配置されている。
即ち、シート本体11は、スリット12と、切れ目が形成されない連結部13とが交互に配置されて1列の断続的な切れ目が続く構成からなっている。
スリット12の長さは、切れ目の隙間から植付け孔に光を入れることができる長さであればよく、一例を挙げるとスリットが32cm、接続部が2,5〜3cm程度に設定したが、この発明では上記数値に限定されない。
そして、スリット12は、シート本体11の短手方向(横幅方向)の中途位置であって、図示例では中央に配置されて長手方向に延びている。
また、スリット12は、シート本体11の長手方向に向かう中心線に対して平行に延びるものでも、斜めに交差するように延びるものでもよい。
更に、長手方向に隣接するスリット12は、図示例では同一線上に配置したが、長手方向に対して1列であれば、位置をずらして配置するものでもよい。
農作物用成育保護シート1は、図1のように、予め、帯状のシート本体11にスリット12と貼付部15とを形成して、ロール状に巻き付けておく。
貼付部15の粘着面15aはシート本体11の裏面11b側に形成されているので、シート本体11の表面11a側に形成された易剥離面15b上に巻き付けることができる。
このロール状に巻回された農作物用成育保護シート1は、図示しない展開機の軸に回転可能に掛け止めておく。
例えば、農作物がさつま芋の場合、芋苗の蔓を植付け孔4から畝2に沿って延ばした姿勢で土壌に埋め込み、芋苗の葉の部分を植付け孔4からマルチフィルム3の上方に延ばした状態に配置する。
このようにして、マルチフィルム3の植付け孔4から出た芋苗が成育保護シート1で覆われた状態で、農作物の苗類5の栽培が行われる。
これにより農作物用成育保護シート1は、風雨から芋苗を保護し、土壌を露出させずに土壌の乾燥を防ぎ、土壌の保温機能や雑草の抑制機能を果たすので、根の活着を促進させる(図6参照)。
また、強風がスリット内に吹き込んでスリットを引っ張ったり、ツル刈り機で蔓がスリットを引っ張っても連結部13が破れる程度であって、スリット12の端縁部は図7に示すように外側に広がるだけで、シート本体11が短冊状に千切れて飛び散る虞れもない。
農作物用成育保護シート1は、農作物の収穫後には、マルチフィルム3から引き剥がし、またはマルチフィルムとともに廃棄することができる
また、スリットの主要部が貫通していればよく、スリットの一部が点線状の切れ目となっているもの、あるいは連結部が点線状の切れ目となっているものなどであってもよい。
その他、この発明は前記実施例に限定されるものではなく、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
2 畝
3 マルチフィルム
4 植付け孔
5 農作物の苗類
11 シート本体
11a 表面
11b 裏面
12 スリット
15 貼付部
15a 粘着面
15b 易剥離面
Claims (4)
- 土壌の畝に沿って敷設された植付け孔を有するマルチフィルムに貼り付けて前記植付け孔を塞ぐ農作物生育保護シートにおいて、
切れ目から植付け孔に光を入れることができる長さを有してシート本体の長手方向に延びるスリットと、切れ目が形成されない連結部とが交互に配置されて1列の断続的に続くスリットがシート本体の短手方向の中途位置に1列配置されていることを特徴とする農作物生育保護シート。 - シート本体が、シート本体の長手方向に延びる両側辺に、裏面側に粘着面が形成され表面側に易剥離面を有する貼付部を有しており、
前記粘着面を外側に向けて巻回してロール状に形成されたシート本体を繰り出しながらマルチフィルムに貼り付けてなることを特徴とする請求項1に記載の農作物生育保護シート。 - 貼付部が、シート本体とは別体の貼付樹脂テープからなっており、シート本体の左右の側辺の上にそれぞれ貼付樹脂テープの粘着面の横幅の一部を長手方向に沿って張り付けてなることを特徴とする請求項2に記載の農作物生育保護シート。
- シート本体が、表面側に光反射率の高い明色層を設け、裏面側に光反射率の無い又は低い暗色層を設けた積層フィルムからなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の農作物生育保護シート。
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