JP2012252940A - 二次電池、二次電池用電解液、電子機器、電動工具、電動車両および電力貯蔵システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高温特性を向上させることが可能な二次電池を提供する。
【解決手段】二次電池は、正極および負極と共に、第1含アミノ芳香族化合物を含有する電解液を備えている。第1含アミノ芳香族化合物は、ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合された2つの第三級アミノ基(−NR2 :RはH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)と、そのナフタレン骨格に結合された1つ以上の置換基(H、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)とを含んでいる。
【選択図】図2
【解決手段】二次電池は、正極および負極と共に、第1含アミノ芳香族化合物を含有する電解液を備えている。第1含アミノ芳香族化合物は、ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合された2つの第三級アミノ基(−NR2 :RはH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)と、そのナフタレン骨格に結合された1つ以上の置換基(H、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)とを含んでいる。
【選択図】図2
Description
本技術は、芳香族化合物を含有する二次電池用電解液、その二次電池用電解液を備えた二次電池、ならびにその二次電池を用いた電子機器、電動工具、電動車両および電力貯蔵システムに関する。
近年、携帯電話機または携帯情報端末機器(PDA)などに代表される電子機器が広く普及しており、そのさらなる小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、電源として、電池、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。この二次電池は、最近では、上記した電子機器に限らず、電動ドリルなどの電動工具、電気自動車などの電動車両、家庭用電力サーバなどの電力貯蔵システムに代表される多様な用途への適用も検討されている。
二次電池としては、さまざまな充放電原理を利用するものが広く提案されているが、中でも、リチウムイオンの吸蔵放出を利用するリチウムイオン二次電池が有望視されている。鉛電池およびニッケルカドミウム電池などよりも高いエネルギー密度が得られるからである。
二次電池は、正極および負極と共に電解液を備えており、その正極および負極は、それぞれ正極活物質および負極活物質を含んでいる。高い電池容量を得るために、正極活物質としてはLiCoO2 などのリチウム複合酸化物が用いられていると共に、負極活物質としては黒鉛などの炭素材料が用いられている。
この二次電池は、一般的に、作動電圧を2.5V〜4.2Vとして用いられている。単電池でも作動電圧を4.2Vまで上げられるのは、正極と負極とがセパレータを介して分離されていたり、電解液の組成が適正化されているため、二次電池が電気化学的に安定だからである。
ところで、二次電池のさらなる性能向上および用途拡大などを目的として、電池容量をより増加させるために、充電電圧を4.2Vよりも高くして正極活物質を高エネルギー密度化することが検討されている。
しかしながら、充電電圧を4.2Vよりも高くすると、特に高温環境中における正極の表面近傍で電解液が酸化分解されるため、二次電池の重要な特性であるサイクル特性が低下しやすくなる。この場合には、電解液の分解反応に起因して電池内にガスが発生すると共に、電池膨れや漏液、場合によっては電池破裂などが生じるため、安全性も低下する可能性がある。
そこで、サイクル特性などを改善するために、正極の表面または正極活物質の表面を金属酸化物で被覆することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。これにより、正極から電解液中への遷移金属の溶出が抑制されるため、電池寿命が改善される。
また、高温特性などを改善するために、電極中にフタルイミド化合物またはニトリル誘導体などを添加することが提案されている(例えば、特許文献3,4参照。)。前者の場合には、電解液中に溶出されたフタルイミド化合物が正極または負極の表面に吸着するため、正極では遷移金属の溶出が抑制されると共に、負極では遷移金属の析出が抑制される。後者の場合には、電池膨れを抑制するために、ニトリル誘導体と一緒に、環状または鎖状のエステルとラクトンとの混合溶媒などが用いられている。
さらに、高温環境中におけるサイクル特性、保存特性および膨れ特性などを改善するために、電解液に、窒素を構成元素として有する芳香族化合物を添加することが提案されている(例えば、特許文献5〜8参照。)。この芳香族化合物としては、ビピリジンや、トリエチルアミンや、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンまたはその誘導体などが用いられている。
電池容量を増加させるために充電電圧を高くした場合に生じる問題を改善するために、さまざまな検討がなされているにもかかわらず、未だ十分な対策がなされているとは言えない。特に、安全性を考慮して電極および電解液などに添加剤を加えると、その添加剤が電池内で反応して抵抗体を形成するため、特に高温環境中でサイクル特性が低下しやすくなる。そこで、二次電池の高温特性、すなわち高温環境中でもサイクル特性を確保できる対策が強く望まれている。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高温特性を向上させることが可能な二次電池用電解液、二次電池、電子機器、電動工具、電動車両および電力貯蔵システムを提供することにある。
本技術の二次電池用電解液は、下記の(1)〜(5)で表される第1〜第5含アミノ芳香族化合物のうちの少なくとも1種を含有するものである。(1)第1含アミノ芳香族化合物は、2つの環を有するナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合された2つの第三級アミノ基(−NR2 :RはH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)と、そのナフタレン骨格に結合された1つ以上の置換基(H、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)とを含む。(2)第2含アミノ芳香族化合物は、ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合されると共にNに結合されたR同士が互いに結合されることで環を形成する2つの第三級アミノ基とを含む。(3)第3含アミノ芳香族化合物は、ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位以外の位置に結合された2つの第三級アミノ基とを含む。(4)第4含アミノ芳香族化合物は、ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格に結合された3つ以上の第三級アミノ基とを含む。(5)第5含アミノ芳香族化合物は、2つ以上の環を有する芳香族骨格(ナフタレンを除く)と、その2つ以上の環のうちの少なくとも2つの環に対して環ごとに1つ以上結合された第三級アミノ基とを含む。
また、本技術の二次電池は、正極および負極と共に、上記した二次電池用電解液を備えたものであると共に、本技術の電子機器、電動工具、電動車両または電力貯蔵システムは、上記した二次電池を用いたものである。
「第三級アミノ基または置換基がナフタレン骨格に結合されている」とは、そのナフタレン骨格(ナフタレン)のうちの水素が第三級アミノ基または置換基により置換されていることを意味している。「芳香族骨格」とは、いわゆる芳香族化合物であり、「第三級アミノ基が芳香族骨格に結合されている」とは、その芳香族骨格(芳香族化合物)のうちの水素が第三級アミノ基により置換されていることを意味している。第三級アミノ基(−NR2 )におけるRは、HおよびCなどから選択される2種類以上の元素により構成される基であるため、水素ではない。同様に、置換基もHおよびCなどから選択される2種類以上の元素により構成される基であるため、水素ではない。
本技術の二次電池用電解液または二次電池によれば、電解液が(1)〜(5)に示した第1〜第5含アミノ芳香族化合物のうちの少なくとも1種を含有しているので、高温環境中で電解液の分解反応が抑制されると共に電池内部の抵抗増加も抑制される。よって、高温特性を向上させることができる。また、上記した二次電池を用いた本技術の電子機器、電動工具、電動車両および電力貯蔵システムでも、同様の効果を得ることができる。
以下、本技術について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.二次電池
1−1.円筒型
1−2.ラミネートフィルム型
2.二次電池の用途
1.二次電池
1−1.円筒型
1−2.ラミネートフィルム型
2.二次電池の用途
<1.二次電池/1−1.円筒型>
図1および図2は、本技術の一実施形態における二次電池の断面構成を表しており、図2では、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大している。
図1および図2は、本技術の一実施形態における二次電池の断面構成を表しており、図2では、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大している。
[二次電池の全体構成]
ここで説明する二次電池は、例えば、リチウムイオンの吸蔵放出により電池容量が得られるリチウムイオン二次電池である。この二次電池は、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に巻回電極体20(電解液を含む)と一対の絶縁板12,13とが収納されたものであり、いわゆる円筒型である。この巻回電極体20では、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層および巻回されている。
ここで説明する二次電池は、例えば、リチウムイオンの吸蔵放出により電池容量が得られるリチウムイオン二次電池である。この二次電池は、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に巻回電極体20(電解液を含む)と一対の絶縁板12,13とが収納されたものであり、いわゆる円筒型である。この巻回電極体20では、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層および巻回されている。
電池缶11は、一端部が閉鎖されると共に他端部が開放された中空構造を有していると共に、例えば、Fe、Alまたはそれらの合金などにより形成されている。なお、電池缶11の表面にNiなどが鍍金されていてもよい。一対の絶縁板12,13は、巻回電極体20を上下から挟むと共にその巻回周面に対して垂直に延在するように配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子(positive temperature coefficient:PTC素子)16がガスケット17を介してかしめられている。これにより、電池缶11は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により形成されている。安全弁機構15および熱感抵抗素子16は電池蓋14の内側に設けられており、その安全弁機構15は熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されている。この安全弁機構15では、内部短絡、または外部からの加熱などに起因して内圧が一定以上になると、ディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との間の電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、大電流に起因する異常な発熱を防止するものである。この熱感抵抗素子16では、温度が上昇すると、それに応じて抵抗が増加するようになっている。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により形成されており、その表面にはアスファルトが塗布されていてもよい。
巻回電極体20の中心には、センターピン24が挿入されていてもよい。正極21には、例えば、Alなどの導電性材料により形成された正極リード25が接続されていると共に、負極22には、例えば、Niなどの導電性材料により形成された負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接などされ、電池蓋14と電気的に接続されていると共に、負極リード26は電池缶11に溶接などされ、その電池缶11と電気的に接続されている。
[正極]
正極21は、例えば、正極集電体21Aの片面または両面に正極活物質層21Bが設けられたものである。正極集電体21Aは、例えば、Al、Niまたはステンレスなどの導電性材料により形成されている。
正極21は、例えば、正極集電体21Aの片面または両面に正極活物質層21Bが設けられたものである。正極集電体21Aは、例えば、Al、Niまたはステンレスなどの導電性材料により形成されている。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出する正極材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、必要に応じて正極結着剤または正極導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
正極材料は、リチウム含有化合物であることが好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。このリチウム含有化合物は、例えば、Liと遷移金属元素とを構成元素として含む複合酸化物や、Liと遷移金属元素とを構成元素として含むリン酸化合物などである。中でも、遷移金属元素は、Co、Ni、MnおよびFeのいずれか1種類または2種類以上であることが好ましい。より高い電圧が得られるからである。その化学式は、例えば、Lix M1O2 またはLiy M2PO4 で表される。式中、M1およびM2は、1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は、充放電状態に応じて異なるが、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
Liと遷移金属元素とを含む複合酸化物は、例えば、Lix CoO2 、Lix NiO2 、また式(15)で表されるLiNi系の複合酸化物などである。Liと遷移金属元素とを含むリン酸化合物は、例えば、LiFePO4 またはLiFe1-u Mnu PO4 (u<1)などである。高い電池容量が得られると共に、優れたサイクル特性も得られるからである。なお、正極材料は、上記以外の材料でもよい。
LiNi1-x Mx O2 …(15)
(MはCo、Mn、Fe、Al、V、Sn、Mg、Ti、Sr、Ca、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、Zn、Ba、B、Cr、Si、Ga、P、SbおよびNbのうちの少なくとも1種であり、xは0.005<x<0.5である。)
(MはCo、Mn、Fe、Al、V、Sn、Mg、Ti、Sr、Ca、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、Zn、Ba、B、Cr、Si、Ga、P、SbおよびNbのうちの少なくとも1種であり、xは0.005<x<0.5である。)
この他、正極材料は、例えば、酸化物、二硫化物、カルコゲン化物または導電性高分子などでもよい。酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムまたは二酸化マンガンなどである。二硫化物は、例えば、二硫化チタンまたは硫化モリブデンなどである。カルコゲン化物は、例えば、セレン化ニオブなどである。導電性高分子は、例えば、硫黄、ポリアニリンまたはポリチオフェンなどである。
正極結着剤は、例えば、合成ゴムまたは高分子材料などのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。合成ゴムは、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムまたはエチレンプロピレンジエンなどである。高分子材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデンまたはポリイミドなどである。
正極導電剤は、例えば、炭素材料などのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。炭素材料は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックまたはケチェンブラックなどである。なお、正極導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料または導電性高分子などでもよい。
[負極]
負極22は、例えば、負極集電体22Aの片面または両面に負極活物質層22Bが設けられたものである。
負極22は、例えば、負極集電体22Aの片面または両面に負極活物質層22Bが設けられたものである。
負極集電体22Aは、例えば、Cu、Niまたはステンレスなどの導電性材料により形成されている。この負極集電体22Aの表面は、粗面化されていることが好ましい。いわゆるアンカー効果により、負極集電体22Aに対する負極活物質層22Bの密着性が向上するからである。この場合には、少なくとも負極活物質層22Bと対向する領域で、負極集電体22Aの表面が粗面化されていればよい。粗面化の方法としては、例えば、電解処理で微粒子を形成する方法などが挙げられる。この電解処理とは、電解槽中で電解法により負極集電体22Aの表面に微粒子を形成して凹凸を設ける方法である。電解法で作製された銅箔は、一般に電解銅箔と呼ばれている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出する負極材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、必要に応じて負極結着剤または負極導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。なお、負極結着剤および負極導電剤に関する詳細は、例えば、正極結着剤および正極導電剤と同様である。この負極活物質層22Bでは、例えば、充放電時において意図せずにLi金属が析出することを防止するために、負極材料の充電可能な容量は正極21の放電容量よりも大きくなっていることが好ましい。
負極材料は、例えば、炭素材料である。リチウムイオンの吸蔵放出時における結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度および優れたサイクル特性が得られるからである。また、負極導電剤としても機能するからである。この炭素材料は、例えば、易黒鉛化性炭素、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素、または(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などである。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭またはカーボンブラック類などである。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスまたは石油コークスなどが含まれる。有機高分子化合物焼成体は、フェノール樹脂またはフラン樹脂などの高分子化合物が適当な温度で焼成(炭素化)されたものである。この他、炭素材料は、約1000℃以下で熱処理された低結晶性炭素または非晶質炭素でもよい。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状または鱗片状のいずれでもよい。
また、負極材料は、例えば、金属元素および半金属元素のいずれか1種類または2種類を構成元素として含む材料(金属系材料)である。高いエネルギー密度が得られるからである。この金属系材料は、金属元素または半金属元素の単体、合金または化合物でもよいし、それらの2種類以上でもよいし、それらの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に含むものでもよい。なお、合金には、2種類以上の金属元素からなる材料に加えて、1種類以上の金属元素と1種類以上の半金属元素とを含む材料も含まれる。また、合金は、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、またはそれらの2種類以上の共存物などがある。
上記した金属元素または半金属元素は、例えば、Liと合金を形成可能な金属元素または半金属元素であり、具体的には、以下の元素の1種類または2種類以上である。Mg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Bi、Cd、Ag、Zn、Hf、Zr、Y、PdまたはPtである。中でも、SiおよびSnのうちの少なくとも一方が好ましい。リチウムイオンを吸蔵放出する能力が優れているため、高いエネルギー密度が得られるからである。
SiおよびSnのうちの少なくとも一方を含む材料は、SiまたはSnの単体、合金または化合物でもよいし、それらの2種類以上でもよいし、それらの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に含むものでもよい。なお、単体とは、あくまで一般的な意味合いでの単体(微量の不純物を含んでいてもよい)であり、必ずしも純度100%を意味しているわけではない
Siの合金は、例えば、Si以外の構成元素として以下の元素の1種類または2種類以上を含む材料である。Sn、Ni、Cu、Fe、Co、Mn、Zn、In、Ag、Ti、Ge、Bi、SbまたはCrである。Siの化合物としては、例えば、Si以外の構成元素としてCまたはOを含むものが挙げられる。なお、Siの化合物は、例えば、Si以外の構成元素として、Siの合金について説明した元素のいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
Siの合金または化合物は、例えば、以下の材料などである。SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 またはTaSi2 である。VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 N4 、Si2 N2 O、SiOv (0<v≦2)またはLiSiOである。なお、SiOv におけるvは、0.2<v<1.4でもよい。
Snの合金は、例えば、Sn以外の構成元素として以下の元素の1種類または2種類以上を含む材料などである。Si、Ni、Cu、Fe、Co、Mn、Zn、In、Ag、Ti、Ge、Bi、SbまたはCrである。Snの化合物としては、例えば、CまたはOを構成元素として含む材料などが挙げられる。なお、Snの化合物は、例えば、Sn以外の構成元素としてSnの合金について説明した元素のいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。Snの合金または化合物としては、例えば、SnOw (0<w≦2)、SnSiO3 、LiSnOまたはMg2 Snなどが挙げられる。
また、Snを含む材料としては、例えば、Snを第1構成元素とし、それに加えて第2および第3構成元素を含む材料が好ましい。第2構成元素は、例えば、以下の元素の1種類または2種類以上である。Co、Fe、Mg、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Ce、Hf、Ta、W、BiまたはSiである。第3構成元素は、例えば、B、C、AlおよびPの1種類または2種類以上である。第2および第3構成元素を含むと、高い電池容量および優れたサイクル特性などが得られるからである。
中でも、Sn、CoおよびCを含む材料(SnCoC含有材料)が好ましい。SnCoC含有材料の組成としては、例えば、Cの含有量が9.9質量%〜29.7質量%であり、SnおよびCoの含有量の割合(Co/(Sn+Co))が20質量%〜70質量%である。このような組成範囲において、高いエネルギー密度が得られるからである。
このSnCoC含有材料は、Sn、CoおよびCを含む相を有しており、その相は、低結晶性または非晶質であることが好ましい。この相は、Liと反応可能な反応相であり、その反応相の存在により優れた特性が得られる。この相のX線回折により得られる回折ピークの半値幅は、特定X線としてCuKα線を用いると共に挿引速度を1°/minとした場合に、回折角2θで1.0°以上であることが好ましい。リチウムイオンがより円滑に吸蔵放出されると共に、電解液との反応性が低減するからである。なお、SnCoC含有材料は、低結晶性または非晶質の相に加えて、各構成元素の単体または一部を含む相を含んでいる場合もある。
X線回折により得られた回折ピークがLiと反応可能な反応相に対応するものであるか否かは、Liとの電気化学的反応の前後におけるX線回折チャートを比較すれば容易に判断できる。例えば、Liとの電気化学的反応の前後で回折ピークの位置が変化すれば、Liと反応可能な反応相に対応するものである。この場合には、例えば、低結晶性または非晶質の反応相の回折ピークが2θ=20°〜50°の間に見られる。このような反応相は、例えば、上記した各構成元素を有しており、主に、Cの存在に起因して低結晶化または非晶質化しているものと考えられる
SnCoC含有材料では、構成元素であるCの少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。Snなどの凝集または結晶化が抑制されるからである。元素の結合状態については、例えば、X線光電子分光法(XPS:x-ray photoelectron spectroscopy)で確認できる。市販の装置では、例えば、軟X線としてAl−Kα線またはMg−Kα線などが用いられる。Cの少なくとも一部が金属元素または半金属元素などと結合している場合には、Cの1s軌道(C1s)の合成波のピークは284.5eVよりも低い領域に現れる。なお、Au原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正されているものとする。この際、通常、物質表面には表面汚染炭素が存在しているため、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、それをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形が表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中のCのピークとを含んだ形で得られるため、例えば、市販のソフトウエアを用いて解析して、両者のピークを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
なお、SnCoC含有材料は、必要に応じて、さらに他の構成元素を含んでいてもよい。このような他の構成元素としては、Si、Fe、Ni、Cr、In、N
このSnCoC含有材料の他、Sn、Co、FeおよびCを含む材料(SnCoFeC含有材料)も好ましい。このSnCoFeC含有材料の組成は、任意に設定可能である。例えば、Feの含有量を少なめに設定する場合の組成は、以下の通りである。Cの含有量は9.9質量%〜29.7質量%、Feの含有量は0.3質量%〜5.9質量%、SnおよびCoの含有量の割合(Co/(Sn+Co))は30質量%〜70質量%である。また、例えば、Feの含有量を多めに設定する場合の組成は、以下の通りである。Cの含有量は11.9質量%〜29.7質量%、Sn、CoおよびFeの含有量の割合((Co+Fe)/(Sn+Co+Fe))は26.4質量%〜48.5質量%、CoおよびFeの含有量の割合(Co/(Co+Fe))は9.9質量%〜79.5質量%である。このような組成範囲で高いエネルギー密度が得られるからである。このSnCoFeC含有材料の物性(半値幅など)は、上記したSnCoC含有材料と同様である。
また、他の負極材料は、例えば、金属酸化物または高分子化合物などでもよい。金属酸化物は、例えば、酸化鉄、酸化ルテニウムまたは酸化モリブデンなどである。高分子化合物は、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンまたはポリピロールなどである。
負極活物質層22Bは、例えば、塗布法、気相法、液相法、溶射法または焼成法(焼結法)、あるいはそれらの2種類以上の方法により形成されている。塗布法とは、例えば、粒子状の負極活物質を結着剤などと混合したのち、有機溶剤などの溶媒に分散させて塗布する方法である。気相法としては、例えば、物理堆積法または化学堆積法などが挙げられる。具体的には、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長、化学気相成長(CVD)法またはプラズマ化学気相成長法などである。液相法としては、例えば、電解鍍金法または無電解鍍金法などが挙げられる。溶射法とは、負極活物質を溶融状態または半溶融状態で吹き付ける方法である。焼成法とは、例えば、塗布法と同様の手順で塗布したのち、結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法については、公知の手法を用いることができる。一例としては、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法またはホットプレス焼成法などが挙げられる。
[セパレータ]
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離して、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させる多孔質膜であり、そのセパレータ23には、液状の電解質(電解液)が含浸されている。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離して、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させる多孔質膜であり、そのセパレータ23には、液状の電解質(電解液)が含浸されている。
このセパレータ23は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、アラミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミドまたはポリアクリロニトリルなどの高分子化合物を含んでいる。これらの高分子化合物は、単独でもよいし、2種類以上が混合されてもよい。
なお、セパレータ23は、必要に応じて無機微粒子を含んでいてもよい。この無機微粒子は、例えば、Al2 O3 、SiO2 、MgO、TiO2 またはZrO2 などの酸化物である。これらの無機微粒子は、単独でもよいし、2種類以上が混合されてもよい。
特に、セパレータ23は、1種類の高分子化合物により形成されていてもよいし、2種類以上の高分子化合物により形成されていてもよい。1種類の高分子化合物により形成されるセパレータ23は、例えば、ポリエチレンなどの多孔質膜により形成された単層膜である。
一方、2種類以上の高分子化合物により形成されるセパレータ23は、例えば、厚さ方向において高分子化合物が2種類以上積層された多層構造(積層型)を有していてもよい。または、セパレータ23は、例えば、厚さ方向において高分子化合物の組成が2種類以上に異なる単層構造(混合型)を有していてもよい。積層型のセパレータ23は、例えば、2種類以上の高分子化合物膜が厚さ方向に積層されたものであり、一例を挙げると、ポリプロピレン膜/ポリエチレン膜/ポリプロピレン膜などである。混合型のセパレータ23は、例えば、厚さ方向において高分子化合物の組成がポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンなどのように層状に変化する複合膜などである。この場合には、各階層において特定の種類の高分子化合物の存在量がリッチになる。
[電解液]
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒および電解質塩と共に含アミノ芳香族化合物を含んでおり、必要に応じて各種添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。この含アミノ芳香族化合物は、下記の(1)〜(5)で表される化合物(第1〜第5含アミノ芳香族化合物)のうちの少なくとも1種である。
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒および電解質塩と共に含アミノ芳香族化合物を含んでおり、必要に応じて各種添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。この含アミノ芳香族化合物は、下記の(1)〜(5)で表される化合物(第1〜第5含アミノ芳香族化合物)のうちの少なくとも1種である。
(1)第1含アミノ芳香族化合物は、2つの環を有するナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合された2つの第三級アミノ基と、そのナフタレン骨格に結合された1つ以上の置換基とを含んでいる。この第三級アミノ基は、−NR2 (RはH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)である。また、置換基は、H、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。なお、「環」は、ナフタレン骨格を構成する2つの環状部(ベンゼン環)である。このナフタレン骨格の定義は、下記の第2〜第4含アミノ芳香族化合物についても同様であり、第三級アミノ基の定義は、下記の第2〜第5含アミノ芳香族化合物についても同様である。
(2)第2含アミノ芳香族化合物は、ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合された2つの第三級アミノ基とを含んでいる。ただし、各第三級アミノ基では、Nに結合されたR同士が互いに結合されることで環を形成している。
(3)第3含アミノ芳香族化合物は、ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位以外の位置に結合された2つの第三級アミノ基とを含んでいる。
(4)第4含アミノ芳香族化合物は、ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格に結合された3つ以上の第三級アミノ基とを含んでいる。
(5)第5含アミノ芳香族化合物は、2つ以上の環を有する芳香族骨格(ナフタレンを除く)と、その2つ以上の環のうちの少なくとも2つの環に対して環ごとに1つ以上結合された第三級アミノ基とを含んでいる。なお、「芳香族骨格」の詳細に関しては後述する。
電解液が含アミノ芳香族化合物を含んでいるのは、その含アミノ芳香族化合物を含有していない場合および他の種類の芳香族化合物を含んでいる場合と比較して、高温環境中で電解液の分解反応が抑制されるからである。また、充放電時において正極21および負極22の近傍に生じる遊離アレニウス酸が速やかに減少するため、電池内部の抵抗増加も抑制されるからである。
この含アミノ芳香族化合物の化学的構造に関する詳細は、以下の通りである。
第1含アミノ芳香族化合物において、「第三級アミノ基(−NR2 )がナフタレン骨格に結合されている」とは、そのナフタレン骨格(ナフタレン)のうちの水素が第三級アミノ基により置換されていることを意味している。この第三級アミノ基(−NR2 )中のRは、HおよびCなどから選択される2種類以上の元素により構成される基であるため、水素以外である。各第三級アミノ基における2つのRは、同じ基でも異なる基でもよいし、互いに結合されることで環を形成していてもよい。Rの種類は、水素以外、すなわち官能基であれば、特に限定されないが、例えば、アルキル基などの炭化水素基、またはハロゲン化炭化水素基などである。この「ハロゲン化炭化水素基」とは、炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素がハロゲン基により置換された基である。この他、Rは、例えば、−O−、>C=O、−C≡N、または−C(=O)−O−などを炭化水素鎖の途中または末端に1または2以上有する炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基などでもよい。
「置換基がナフタレン骨格に結合されている」とは、そのナフタレン骨格(ナフタレン)のうちの水素が置換基により置換されていることを意味している。この置換基は、HおよびCなどから選択される2種類以上の元素により構成される基であるため、水素以外である。置換基の数が2つ以上である場合、それらの置換基は、同じ基でも異なる基でもよいし、任意の2つの置換基は、互いに結合されることで環を形成していてもよい。置換基の種類は、水素以外、すなわち官能基であれば、特に限定されないが、例えば、上記したRと同様の基である。なお、ナフタレン骨格に対する置換基の結合位置は、任意である。
第2含アミノ芳香族化合物において、第三級アミノ基中のRに関する詳細は、上記したように、Nに結合されたR同士が互いに結合されることで環を形成していることを除き、第1含アミノ芳香族化合物について説明した場合と同様である。
第3含アミノ芳香族化合物において、第三級アミノ基中のRに関する詳細は、上記したように、2つの第三級アミノ基がナフタレン骨格のうちの1,8位以外の位置に結合されていることを除き、第1含アミノ芳香族化合物について説明した場合と同様である。この「1,8位以外の位置」は、任意でよい。一例を挙げると、1,5位、1,7位または2,7位などである。
第4含アミノ芳香族化合物において、第三級アミノ基中のRに関する詳細は、上記したように、第三級アミノ基の数が3つ以上であることを除き、第1含アミノ芳香族化合物について説明した場合と同様である。この「3つ以上の第三級アミノ基」のナフタレン骨格に対する結合位置は、任意でよい。一例を挙げると、1,3,7位、1,3,6位または1,3,5位などである。
第5含アミノ芳香族化合物は、基本骨格として、2つ以上の環を有する芳香族骨格を含んでいる。この「芳香族骨格」とは、いわゆる芳香族化合物である。また、「環」とは、芳香族骨格を構成する環状部であり、例えば、ベンゼン環の他、ピロール、フランまたはチオフェンなどのヘテロ環でもよい。芳香族骨格は、2つ以上の環を有していれば、2つ以上の環の縮合環でもよいし、2つの環が単結合を介して結合された非縮合環でもよいし、それらを混合して含むものでもよい。ただし、ナフタレンは芳香族骨格から除かれる。ここで、芳香族骨格が3つの環として3つのベンゼン環を含む場合を例に挙げると、その芳香族骨格は、ベンゼン環同士の縮合環であるフェナントレンでもよいし、ベンゼン環同士の非縮合環であるターフェニルでもよい。この芳香族骨格の種類は、2つ以上の環を有していれば特に限定されないが、例えば、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナントレン、ターフェニル、フルオレンまたはヘテロフルオレンなどの芳香族化合物であり、他の芳香族化合物でもよい。
第5アミノ芳香族化合物では、上記したように、2つ以上の環のうちの少なくとも2つの環に対して、その環ごとに1つ以上の第三級アミノ基が結合されている。すなわち、第5含アミノ芳香族化合物は、全体として、2つ以上の第三級アミノ基を有しており、そのうちの少なくとも2つの第三級アミノ基は、異なる環に結合されている。
ここで、芳香族骨格が2つの環を含む場合(芳香族骨格はビフェニルである。)を例に挙げると、第三級アミノ基の数が2つである場合には、1つ目の第三級アミノ基は一方の環(ベンゼン環)に結合されるのに対して、2つ目の第三級アミノ基は他方の環(ベンゼン環)に結合される。また、芳香族骨格が3つの環を含む場合(芳香族骨格はフェナントレンである。)を例に挙げると、第三級アミノ基の数が2つである場合には、1つ目の第三級アミノ基は3つの環のうちの1つに結合されるのに対して、2つ目の第三級アミノ基は残りの2つの環のうちの1つ(どちらの環でもよい)に結合される。なお、3つの環を含む場合において、第三級アミノ基の数が4つである場合には、4つ目の第三級アミノ基は3つの環のうちのいずれの環に導入されてもよい。
第1〜第5含アミノ芳香族化合物において、2つ以上の第三級アミノ基の位置関係は、特に限定されないが、中でも、そのうちの異なる環に導入された2つの第三級アミノ基間の距離は、できるだけ近いことが好ましい。より具体的には、例えば、1つの第三級アミノ基が結合された環中の炭素原子から、他の第三級アミノ基が結合された他の環中の炭素原子まで、最小となるように数えた炭素原子の値は、2〜4以下であることが好ましい。炭素原子の数が4よりも大きい場合と比較して、より高い効果が得られるからである。
この含アミノ芳香族化合物は、例えば、下記の式(1)〜式(4)で表される化合物のうちの少なくとも1種を含んでいる。容易に合成可能であると共に、優れた効果が得られるからである。
含アミノ芳香族化合物の主要部(骨格)は、式(1)ではナフタレン、式(2)ではビフェニル、式(3)ではフェナントレン、式(4)ではフルオレン(X=C)またはヘテロフルオレン(X=O、S、SeまたはTe)である。式(1)〜式(4)において、第三級アミノ基は、NR1R2、NR3R4、NR7R8、NR9R10、NR13R14、NR15R16、NR20R21、およびNR22R23である。また、置換基は、R5、R6、R11、R12、R17〜R19、およびR24〜R26である。
R1〜R26に関する詳細は、第三級アミノ基(−NR2 )のRと同様であり、水素以外である。なお、式(1)において置換基の数を表しているc1およびd1は、c1≧0およびd1≧0を満たすが、第1含アミノ芳香族化合物だけはc1+d1≧1も満たす。すなわち、第1含アミノ芳香族化合物では、ナフタレン骨格に少なくとも1つの置換基が結合されている。一方、式(2)〜式(4)におけるg1、h1、k1、m1、n1、q1、r1およびs1は、いずれも0以上である。すなわち、式(2)〜式(4)では、置換基はあってもなくてもよい。
中でも、式(1)〜式(4)に示した含アミノ芳香族化合物は、下記の式(5)〜式(12)で表される化合物のうちの少なくとも1種である。より高い効果が得られるからである。
式(5)および式(6)に示した化合物は、式(1)に対応している。式(7)および式(8)に示した化合物は、式(2)に対応している。式(9)〜式(11)に示した化合物は、式(3)に対応している。式(12)に示した化合物は、式(4)に対応している。R27〜R96に関する詳細は、第三級アミノ基(−NR2 )のRと同様であり、水素を除く官能基である。
含アミノ芳香族化合物は、下記の式(1−1)〜式(1−45)で表される化合物のうちの少なくとも1種である。
また、含アミノ芳香族化合物は、下記の式(2−1)〜式(2−15)で表される化合物のうちの少なくとも1種である。
また、含アミノ芳香族化合物は、下記の式(3−1)〜式(3−5)で表される化合物のうちの少なくとも1種である。
また、含アミノ芳香族化合物は、下記の式(4−1)〜式(4−6)で表される化合物のうちの少なくとも1種である。
また、含アミノ芳香族化合物は、下記の式(5−1)または式(5−2)で表される化合物のうちの少なくとも1種である。
ここで、上記した異なる環に導入された2つの第三級アミノ基間における炭素原子の数(最小値)について具体的に説明しておく。一例を挙げると、炭素原子の数は、式(1−1)および式(1−41)では3、式(1−35)では4、式(1−36)では5、式(1−34)では6である。
また、異なる環(例えばベンゼン環)にそれぞれ結合された2つの第三級アミノ基の位置関係について具体的に説明しておく。一例を挙げると、位置関係は、式(1−34)では1,5位、式(1−35)では1,7位、式(1−36)では2,7位である。
電解液中における含アミノ芳香族化合物の含有量は、特に限定されないが、中でも、0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量〜5重量%である。より高い効果が得られるからである。
溶媒は、例えば、有機溶剤などの非水溶媒のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタンまたはテトラヒドロフランである。2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサンまたは1,4−ジオキサンである。酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルまたはトリメチル酢酸エチルである。アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノンまたはN−メチルオキサゾリジノンである。N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチルまたはジメチルスルホキシドである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルのうちの少なくとも1種が好ましい。より優れた特性が得られるからである。この場合には、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルまたは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
特に、溶媒は、1または2以上の不飽和炭素結合を含む環状炭酸エステル(不飽和炭素結合環状炭酸エステル)を含んでいることが好ましい。充放電時において負極22の表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。不飽和炭素結合環状炭酸エステルは、例えば、炭酸ビニレンまたは炭酸ビニルエチレンなどである。なお、非水溶媒中における不飽和炭素結合環状炭酸エステルの含有量は、例えば、0.01重量%〜10重量%である。電池容量を低下させすぎずに、電解液の分解反応が抑制されるからである。
また、溶媒は、1または2以上のハロゲンを構成元素として含む鎖状炭酸エステル(ハロゲン化鎖状炭酸エステル)または環状炭酸エステル(ハロゲン化環状炭酸エステル)のうちの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。充放電時において負極22の表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。ハロゲン基の種類は、特に限定されないが、中でも、フッ素基、塩素基または臭素基が好ましく、フッ素基がより好ましい。高い効果が得られるからである。ただし、ハロゲン基の数は、1つよりも2つが好ましく、さらに3つ以上でもよい。より強固で安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応がより抑制されるからである。ハロゲン化鎖状炭酸エステルは、例えば、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ビス(フルオロメチル)または炭酸ジフルオロメチルメチルなどである。ハロゲン化環状炭酸エステルは、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンまたは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどである。なお、非水溶媒中におけるハロゲン化鎖状炭酸エステルおよびハロゲン化環状炭酸エステルの含有量は、例えば、0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.01重量%〜30重量%である。電池容量を低下させすぎずに、電解液の分解反応が抑制されるからである。
また、溶媒は、スルトン(環状スルホン酸エステル)を含んでいてもよい。電解液の化学的安定性が向上するからである。スルトンは、例えば、プロパンスルトンまたはプロペンスルトンなどである。なお、非水溶媒中におけるスルトンの含有量は、例えば、0.5重量%〜5重量%である。電池容量を低下させすぎずに、電解液の分解反応が抑制されるからである。
さらに、溶媒は、酸無水物を含んでいてもよい。電解液の化学的安定性がより向上するからである。酸無水物は、例えば、例えば、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物またはカルボン酸スルホン酸無水物などである。ジカルボン酸無水物は、例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸または無水マレイン酸などである。ジスルホン酸無水物は、例えば、無水エタンジスルホン酸または無水プロパンジスルホン酸などである。カルボン酸スルホン酸無水物は、例えば、無水スルホ安息香酸、無水スルホプロピオン酸または無水スルホ酪酸などである。なお、非水溶媒中における酸無水物の含有量は、例えば、0.5重量%〜5重量%である。電池容量を低下させすぎずに、電解液の分解反応が抑制されるからである。
[電解質塩]
電解質塩は、例えば、以下で説明するLi塩のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、電解質塩は、Li塩以外の他の塩(例えばLi塩以外の軽金属塩)でもよい。
電解質塩は、例えば、以下で説明するLi塩のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、電解質塩は、Li塩以外の他の塩(例えばLi塩以外の軽金属塩)でもよい。
Li塩は、例えば、以下の化合物などである。LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiAsF6 、LiB(C6 H5 )4 、LiCH3 SO3 、LiCF3 SO3 、LiAlCl4 、Li2 SiF6 、LiCl、またはLiBrである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
中でも、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 およびLiAsF6 のうちの少なくとも1種が好ましく、LiPF6 がより好ましい。内部抵抗が低下するため、より高い効果が得られるからである。
また、Li塩は、例えば、下記の式(16)および式(17)で表される化合物のうちの少なくとも1種でもよい。より高い効果が得られるからである。
LiPFa (Cm F2m+1)6-a ・・・(16)
(aは0〜5の整数、nは1以上の整数である。)
(aは0〜5の整数、nは1以上の整数である。)
LiBFb (Cn F2n+1)4-b ・・・(17)
(bは0〜3の整数、nは1以上の整数である。)
(bは0〜3の整数、nは1以上の整数である。)
式(16)に示したLi塩は、LiPF6 のうちのFの一部がパーフルオロアルキル基に置換された化合物である。このLi塩の具体例は、LiPF3 (CF3 )3 、LiPF3 (C2 F5 )3 、LiPF3 (n−C3 F7 )3 、LiPF3 (i−C3 F7 )3 、LiPF3 (n−C4 F9 )3 、LiPF3 (i−C4 F9 )3 、LiPF4 (CF3 )2 、LiPF4 (C2 F5 )2 、LiPF4 (n−C3 F7 )2 、LiPF4 (i−C3 F7 )2 、LiPF4 (n−C4 F9 )2 、またはLiPF4 (i−C4 F9 )2 などである。
式(17)に示したLi塩は、LiBF4 のうちのフッ素の一部がパーフルオロアルキル基に置換された化合物である。このLi塩の具体例は、LiBF3 (CF3 )、LiBF3 (C2 F5 )、LiBF3 (C3 F7 )、LiBF2 (C2 F5 )2 、またはLiB(CF3 )4 などである。
また、Li塩は、例えば、下記の式(18)で表される化合物でもよい。より高い効果が得られるからである。より高い効果が得られるからである。なお、mおよびnは、同じ値でも異なる値でもよい。このことは、p、qおよびrについても、同様である。ただし、電解質塩の種類は、下記で説明するものに限られず、他のものでもよい。
式(18)に示した化合物は、環状のイミド化合物である。この化合物の具体例は、下記の式(18−1)〜式(18−4)で表される化合物などである。
電解質塩の含有量は、溶媒に対して0.3mol/kg以上3.0mol/kg以下であることが好ましい。高いイオン伝導性が得られるからである。
[二次電池の動作]
この二次電池では、充電時において、例えば、正極21から放出されたリチウムイオンが電解液を介して負極22に吸蔵される。この場合には、高い電池容量を得るために、充電終止電圧(完全充電状態における開回路電圧)を4.25V以上、好ましくは4.25V〜6.00Vとすることが好ましい。一方、放電時において、例えば、負極22から放出されたリチウムイオンが電解液を介して正極21に吸蔵される。
この二次電池では、充電時において、例えば、正極21から放出されたリチウムイオンが電解液を介して負極22に吸蔵される。この場合には、高い電池容量を得るために、充電終止電圧(完全充電状態における開回路電圧)を4.25V以上、好ましくは4.25V〜6.00Vとすることが好ましい。一方、放電時において、例えば、負極22から放出されたリチウムイオンが電解液を介して正極21に吸蔵される。
[二次電池の製造方法]
この二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。
この二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。
正極21を作製する場合には、正極活物質と、必要に応じて正極結着剤および正極導電剤などとを混合して正極合剤とする。続いて、有機溶剤などに正極合剤を分散させて、ペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、正極集電体21Aの両面に正極合剤スラリーを塗布してから乾燥させて、正極活物質層21Bを形成する。続いて、必要に応じて加熱しながら、ロールプレス機などを用いて正極活物質層21Bを圧縮成型する。この場合には、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。
負極22を作製手順は、例えば、上記した正極21の作製手順と同様である。具体的には、負極活物質と、必要に応じて負極結着剤および負極導電剤などとを混合した負極合剤を有機溶剤などに分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、負極集電体22Aの両面に負極合剤スラリーを塗布してから乾燥させて負極活物質層22Bを形成したのち、必要に応じて負極活物質層22Bを圧縮成型する。
なお、正極21とは異なる手順により、負極22を作製してもよい。例えば、蒸着法などの気相法を用いて負極集電体22Aの両面に負極材料を堆積させて、負極活物質層22Bを形成する。
電解液を調製する場合には、溶媒と含アミノ芳香族化合物とを混合したのち、電解質塩を溶解させる。
二次電池を組み立てる場合には、溶接法などを用いて、正極集電体21Aに正極リード25を取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を取り付ける。続いて、高分子化合物を含むセパレータ23を準備し、そのセパレータ23を介して正極21と負極22とを積層してから巻回させて巻回電極体20を作製したのち、その巻回中心にセンターピン24を挿入する。続いて、一対の絶縁板12,13で挟みながら、巻回電極体20を電池缶11の内部に収納する。この場合には、溶接法などを用いて、正極リード25の先端部を安全弁機構15に取り付けると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に取り付ける。続いて、電池缶11の内部に電解液を注入してセパレータ23に含浸させる。続いて、ガスケット17を介して電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をかしめる。
[二次電池の作用および効果]
この円筒型の二次電池によれば、電解液が上記した含アミノ芳香族化合物を含んでいるので、上記したように、高温環境中で電解液の分解反応が抑制されると共に電池内部の抵抗増加が抑制される。よって、高温特性を向上させることができる。特に、電解液の分解反応が著しく抑制されるため、充電終止電圧を4.25V以上にしても同様の効果を得ることができる。
この円筒型の二次電池によれば、電解液が上記した含アミノ芳香族化合物を含んでいるので、上記したように、高温環境中で電解液の分解反応が抑制されると共に電池内部の抵抗増加が抑制される。よって、高温特性を向上させることができる。特に、電解液の分解反応が著しく抑制されるため、充電終止電圧を4.25V以上にしても同様の効果を得ることができる。
この他、電解液中における含アミノ芳香族化合物の含有量が0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%以下であれば、より高い効果を得ることができる。また、電解液の溶媒がハロゲン化環状炭酸エステルを0.01重量%〜30重量%含有していれば、より高い効果を得ることができる。さらに、セパレータ23が2種類以上の高分子化合物により形成された積層型または混合型であれば、より高い効果を得ることができる。
<1−2.ラミネートフィルム型>
図3は、本技術の一実施形態における他の二次電池の分解斜視構成を表しており、図4は、図3に示した巻回電極体30のIV−IV線に沿った断面を拡大して示している。以下では、既に説明した円筒型の二次電池の構成要素を随時引用する。
図3は、本技術の一実施形態における他の二次電池の分解斜視構成を表しており、図4は、図3に示した巻回電極体30のIV−IV線に沿った断面を拡大して示している。以下では、既に説明した円筒型の二次電池の構成要素を随時引用する。
[二次電池の全体構成]
ここで説明する二次電池は、フィルム状の外装部材40の内部に巻回電極体30が収納されたものであり、いわゆるラミネートフィルム型である。この巻回電極体30では、セパレータ35および電解質層36を介して正極33と負極34とが積層および巻回されている。正極33には正極リード31が取り付けられていると共に、負極34には負極リード32が取り付けられている。この巻回電極体30の最外周部は、保護テープ37により保護されている。
ここで説明する二次電池は、フィルム状の外装部材40の内部に巻回電極体30が収納されたものであり、いわゆるラミネートフィルム型である。この巻回電極体30では、セパレータ35および電解質層36を介して正極33と負極34とが積層および巻回されている。正極33には正極リード31が取り付けられていると共に、負極34には負極リード32が取り付けられている。この巻回電極体30の最外周部は、保護テープ37により保護されている。
正極リード31および負極リード32は、例えば、外装部材40の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極リード31は、例えば、Alなどの導電性材料により形成されていると共に、負極リード32は、例えば、Cu、Niまたはステンレスなどの導電性材料により形成されている。これらの材料は、例えば、薄板状または網目状になっている。
外装部材40は、例えば、融着層、金属層および表面保護層がこの順に積層されたラミネートフィルムである。このラミネートフィルムでは、例えば、融着層が巻回電極体30と対向するように、2枚のフィルムの融着層における外周縁部同士が融着、または接着剤などにより貼り合わされている。融着層は、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのフィルムである。金属層は、例えば、Al箔などである。表面保護層は、例えば、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレートなどのフィルムである。
中でも、外装部材40としては、ポリエチレンフィルム、アルミニウム箔およびナイロンフィルムがこの順に積層されたアルミラミネートフィルムが好ましい。ただし、外装部材40は、他の積層構造を有するラミネートフィルムでもよいし、ポリプロピレンなどの高分子フィルム、または金属フィルムでもよい。
外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するために密着フィルム41が挿入されている。この密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料により形成されている。このような材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂である。
正極33は、例えば、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bが設けられたものである。負極34は、例えば、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bが設けられたものである。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34Aおよび負極活物質層34Bの構成は、それぞれ正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bの構成と同様である。また、セパレータ35の構成は、セパレータ23の構成と同様である。
電解質層36は、高分子化合物により電解液が保持されたものであり、必要に応じて添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。この電解質層36は、いわゆるゲル状の電解質である。高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に、電解液の漏液が防止されるからである。
高分子化合物は、例えば、以下の高分子材料などのいずれか1種類または2種類以上である。ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサンまたはポリフッ化ビニルである。ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンまたはポリカーボネートである。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体である。中でも、ポリフッ化ビニリデン、またはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体が好ましく、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。電気化学的に安定だからである。
電解液の組成は、円筒型の場合と同様であり、含アミノ芳香族化合物を含んでいる。ただし、ゲル状の電解質である電解質層36において、電解液の非水溶媒とは、液状の溶媒だけでなく、電解質塩を解離させることが可能なイオン伝導性を有する材料まで含む広い概念である。よって、イオン伝導性を有する高分子化合物を用いる場合には、その高分子化合物も溶媒に含まれる。
なお、ゲル状の電解質層36に代えて、電解液をそのまま用いてもよい。この場合には、電解液がセパレータ35に含浸される。
[二次電池の動作]
この二次電池では、充電時において、例えば、正極33から放出されたリチウムイオンが電解質層36を介して負極34に吸蔵される。この場合には、円筒型の場合と同様に、高い電池容量を得るために充電時の電圧を4.25V以上、好ましくは4.25V〜6.00Vとすることが好ましい。一方、放電時において、例えば、負極34から放出されたリチウムイオンが電解質層36を介して正極53に吸蔵される。
この二次電池では、充電時において、例えば、正極33から放出されたリチウムイオンが電解質層36を介して負極34に吸蔵される。この場合には、円筒型の場合と同様に、高い電池容量を得るために充電時の電圧を4.25V以上、好ましくは4.25V〜6.00Vとすることが好ましい。一方、放電時において、例えば、負極34から放出されたリチウムイオンが電解質層36を介して正極53に吸蔵される。
[二次電池の製造方法]
このゲル状の電解質層36を備えた二次電池は、例えば、以下の3種類の手順により製造される。
このゲル状の電解質層36を備えた二次電池は、例えば、以下の3種類の手順により製造される。
第1手順では、正極21および負極22と同様の作製手順により、正極33および負極34を作製する。この場合には、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bを形成して正極33を作製すると共に、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bを形成して負極34を作製する。続いて、電解液と、高分子化合物と、有機溶剤などとを含む前駆溶液を調製したのち、その前駆溶液を正極33および負極34に塗布してゲル状の電解質層36を形成する。続いて、溶接法などを用いて、正極集電体33Aに正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34Aに負極リード32を取り付ける。続いて、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層してから巻回させて巻回電極体30を作製したのち、その最外周部に保護テープ37を貼り付ける。続いて、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込んだのち、熱融着法などを用いて外装部材40の外周縁部同士を接着させて巻回電極体30を封入する。この場合には、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間に密着フィルム41を挿入する。
第2手順では、正極33に正極リード31を取り付けると共に、負極34に負極リード52を取り付ける。続いて、セパレータ35を介して正極33および負極34を積層してから巻回させて巻回電極体30の前駆体である巻回体を作製したのち、その最外周部に保護テープ37を貼り付ける。続いて、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回体を挟み込んだのち、熱融着法などを用いて一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を接着させて、袋状の外装部材40の内部に巻回体を収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製して袋状の外装部材40の内部に注入したのち、熱融着法などを用いて外装部材40を密封する。続いて、モノマーを熱重合させる。これにより、高分子化合物が形成されるため、ゲル状の電解質層36が形成される。
第3手順では、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ35を用いることを除き、上記した第2手順と同様に、巻回体を作製して袋状の外装部材40の内部に収納する。このセパレータ35に塗布する高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体(単独重合体、共重合体または多元共重合体など)が挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体、またはフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体などである。なお、フッ化ビニリデンを成分とする重合体と一緒に、他の1種または2種以上の高分子化合物を用いてもよい。続いて、電解液を調製して外装部材40の内部に注入したのち、熱融着法などで外装部材40の開口部を密封する。続いて、外装部材40に加重をかけながら加熱して、高分子化合物を介してセパレータ35を正極33および負極34に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸するため、その高分子化合物がゲル化して電解質層36が形成される。
この第3手順では、第1手順よりも二次電池の膨れが抑制される。また、第3手順では、第2手順よりも高分子化合物の原料であるモノマーまたは溶媒などが電解質層36中にほとんど残らないため、高分子化合物の形成工程が良好に制御される。このため、正極33、負極34およびセパレータ35と電解質層36との間において十分な密着性が得られる。
[二次電池の作用および効果]
このラミネートフィルム型の二次電池によれば、電解液が上記した円筒型の二次電池と同様の組成を有しているので、同様の理由により、高温特性を向上させることができる。特にラミネートフィルム型では、電解液の分解反応に起因して発生するガスの影響を受けて電池膨れが生じやすいため、その電池膨れを抑制できる。これ以外の作用および効果は、円筒型と同様である。
このラミネートフィルム型の二次電池によれば、電解液が上記した円筒型の二次電池と同様の組成を有しているので、同様の理由により、高温特性を向上させることができる。特にラミネートフィルム型では、電解液の分解反応に起因して発生するガスの影響を受けて電池膨れが生じやすいため、その電池膨れを抑制できる。これ以外の作用および効果は、円筒型と同様である。
<2.二次電池の用途>
次に、上記した二次電池の適用例について説明する。
次に、上記した二次電池の適用例について説明する。
この二次電池の用途は、それを駆動用の電源または電力蓄積用の電力貯蔵源などとして用いることが可能な機械、機器、器具、装置またはシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。二次電池が電源として用いられる場合、それは主電源(優先的に使用される電源)でもよいし、補助電源(主電源に代えて、または主電源から切り換えて使用される電源)でもよい。後者の場合、主電源は二次電池に限られない。
二次電池の用途としては、例えば、以下の用途などが挙げられる。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノートパソコン、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビまたは携帯用情報端末(PDA:personal digital assistant)などの電子機器である。なお、電子機器には、電気シェーバなどの生活用電気器具、バックアップ電源またはメモリーカードなどの記憶用装置、ペースメーカーまたは補聴器などの医療用電子機器も含まれる。電動ドリルまたは電動のこぎりなどの電動工具である。電気自動車などの電動車両(ハイブリッド自動車を含む)である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。
中でも、二次電池は、電子機器、電動工具、電動車両または電力貯蔵システムなどに適用されることが有効である。二次電池について優れた特性が要求されるため、本技術の二次電池を用いることにより、有効に特性向上を図ることができるからである。なお、電子機器は、二次電池を作動用の電源として各種機能(音楽再生など)を実行するものである。電動工具は、二次電池を駆動用の電源として可動部(例えばドリルなど)を可動させるものである。電動車両は、二次電池を駆動用電源として走行するものであり、上記したように、二次電池以外の駆動源も併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。電力貯蔵システムは、二次電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。例えば、家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に電力が蓄積されており、その二次電池に貯蔵された電力が必要に応じて消費されることにより、家庭用電気製品などの各種機器が使用可能になる。
本技術の具体的な実施例について、詳細に説明する。
(実験例1−1〜1−37)
以下の手順により、図1および図2に示した円筒型のリチウムイオン二次電池を作製した。
以下の手順により、図1および図2に示した円筒型のリチウムイオン二次電池を作製した。
正極21を作製する場合には、正極活物質(LiCoO2 )94質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン:PVDF)3質量部と、正極導電剤(ケッチェンブラック)3質量部とを混合して、正極合剤とした。続いて、正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて、ペースト状の正極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて正極集電体21A(帯状のAl箔:厚さ=20μm)の両面に正極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて、正極活物質層21Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層21Bを圧縮成型した。
負極22を作製する場合には、負極活物質(人造黒鉛)90質量部と、負極結着剤(PVDF)10質量部とを混合して、負極合剤とした。続いて、負極合剤をNMPに分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体22A(帯状の電解Cu箔:厚さ=15μm)の両面に負極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて、負極活物質層22Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層22Bを圧縮成型した。この負極22を作製する場合には、充電途中で負極22にLi金属が析出しないように負極活物質の充填量を調整した。
電解液を調製する場合には、混合溶媒に必要に応じて含アミノ芳香族化合物を混合したのち、電解質塩(LiPF6 )を溶解させた。なお、含アミノ芳香族化合物の種類は、表1および表2に示した通りであり、必要に応じて、下記の式(19−1)〜式(19−3)で表される他の種類の芳香族化合物を用いた。式(19−1)〜式(19−3)に示した芳香族化合物は、置換基を有していない含アミノ芳香族化合物や、第一級アミノ基(−NH2 )または第二級アミノ基(−NHR)を有する芳香族化合物である。表1および表2に示した炭素数は、2つの第三級アミノ基間の炭素数(最小値)である。混合溶媒の組成は、炭酸エチレン(EC):炭酸プロピレン(PC):炭酸ジメチル(DMC):炭酸エチルメチル(EMC):4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)=20:5:60:5:10とした。電解液中における含アミノ芳香族化合物の含有量は1重量%、電解液中における電解質塩の濃度は1.2mol/kgとした。
二次電池を組み立てる場合には、正極集電体21AにAl製の正極リード25を溶接すると共に、負極集電体22AにNi製の負極リード26を溶接した。続いて、セパレータ23を介して正極21と負極22とを積層および巻回したのち、粘着テープで巻き終わり部分を固定して、ジェリーロール型の巻回電極体20(外径=17.5mm)を作製した。このセパレータ23としては、ポリエチレン(PE)の単層多孔質膜(厚さ=16μm)を用いた。続いて、巻回電極体20の巻回中心にセンターピン24を挿入した。続いて、一対の絶縁板12,13で挟みながら、Ni鍍金されたFe製の電池缶11の内部に巻回電極体20を収納した。この場合には、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接した。続いて、減圧方式で電池缶11の内部に電解液を注入してセパレータ23に含浸させた。最後に、ガスケット17を介して電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をかしめた。これにより、円筒型の二次電池(直径=18mm×高さ=65mm)が完成した。
二次電池の高温特性として、高温環境中におけるサイクル特性を調べたところ、表1および表2に示した結果が得られた。
サイクル特性を調べる場合には、高温環境中(50℃)で二次電池を1サイクル充放電させて放電容量を測定したのち、同環境中で二次電池を200サイクル充放電させて放電容量を測定した。この結果から、容量維持率(%)=(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100を算出した。充電時には、1mA/cm2 の電流密度で電圧が4.2Vに達するまで定電流充電したのち、さらに4.2Vの電圧で5時間定電圧充電した。放電時には、1mA/cm2 の電流密度で電圧が3.0Vに達するまで定電流放電した。
電解液が含アミノ芳香族化合物を含んでいる場合には、その含アミノ芳香族化合物を含んでいない場合および他の種類の芳香族化合物を含んでいる場合と比較して、容量維持率が著しく高くなった。特に、含アミノ芳香族化合物を用いた場合には、炭素数が2〜4であると、より高い効果が得られた。
(実験例2−1〜2−8)
含アミノ芳香族化合物の含有量を変更したことを除き、実験例1−16と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表3に示した結果が得られた。
含アミノ芳香族化合物の含有量を変更したことを除き、実験例1−16と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表3に示した結果が得られた。
含アミノ芳香族化合物の含有量を変更しても、表1および表2と同様の結果が得られた。特に、含有量が0.001重量%〜10重量%、さらに0.01重量%〜5重量%であると、より高い容量維持率が得られた。
(実験例3−1〜3−14)
電解液の組成を変更したことを除き、実験例1−16,1−34と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表4に示した結果が得られた。ハロゲン化環状炭酸エステルとしては、FECと共に、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DFEC)を用いた
電解液の組成を変更したことを除き、実験例1−16,1−34と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表4に示した結果が得られた。ハロゲン化環状炭酸エステルとしては、FECと共に、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DFEC)を用いた
電解液の組成を変更しても、表1および表2と同様の結果が得られた。特に、ハロゲン化環状炭酸エステル(FECまたはDFEC)を用いると、容量維持率がより高くなった。
(実験例4−1〜4−8)
セパレータ23の構成を変更したことを除き、実験例1−16,1−34と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表5に示した結果が得られた。セパレータ23の形成材料としては、PEと共に、PVDFおよびポリプロピレン(PP)を用いた。積層型では各材質のフィルムを貼り合わせて多層とし、混合型では各階層において各成分がリッチとなるように組成分布を制御した。
セパレータ23の構成を変更したことを除き、実験例1−16,1−34と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表5に示した結果が得られた。セパレータ23の形成材料としては、PEと共に、PVDFおよびポリプロピレン(PP)を用いた。積層型では各材質のフィルムを貼り合わせて多層とし、混合型では各階層において各成分がリッチとなるように組成分布を制御した。
セパレータ23の構成を変更しても、表1および表2と同様の結果が得られた。特に、セパレータ23の構成を積層型および混合型にすると、容量維持率がより高くなった。
(実験例5−1〜5−14)
充電終止電圧を変更したことを除き、実験例1−16,1−34と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表6に示した結果が得られた。
充電終止電圧を変更したことを除き、実験例1−16,1−34と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表6に示した結果が得られた。
充電終止電圧を変更しても、表1および表2と同様の結果が得られた。特に、電解液が含アミノ芳香族化合物を含んでいると、充電終止電圧を高くしても高い容量維持率が得られた。
(実験例6−1〜6−6)
負極活物質の種類および負極活物質層22Bの形成方法を変更したことを除き、実験例1−16,1−34と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表7に示した結果が得られた。
負極活物質の種類および負極活物質層22Bの形成方法を変更したことを除き、実験例1−16,1−34と同様の手順により二次電池を作製して高温特性を調べたところ、表7に示した結果が得られた。
負極活物質としてSiを用いる場合には、電子ビーム蒸着法を用いて負極集電体22A(電解Cu箔:厚さ=15μm)の両面にSiを堆積させて負極活物質層22Bを形成した。この場合には、堆積工程を10回を繰り返して、負極活物質層22Bの片面側厚さを6μmとした。
また、塗布法を用いて負極活物質層22Bを形成した。この場合には、負極活物質(メジアン径=1μmのSi)90質量部と、負極結着剤(PVDF)10質量部とを混合して負極合剤としたことを除き、黒鉛を用いた場合と同様の手順を経た。
負極活物質としてSnCoC含有材料(SnCoC)を用いる場合には、塗布法を用いて負極活物質層22Bを形成した。この場合には、Co粉末とSn粉末とを合金化してCoSn合金粉末としたのち、C粉末を加えて乾式混合した。続いて、伊藤製作所製の遊星ボールミルの反応容器中に混合物10gを直径9mmの鋼玉約400gと一緒にセットした。続いて、反応容器中をAr雰囲気に置換したのち、毎分250回転の回転速度による10分間の運転と10分間の休止とを運転時間の合計が20時間になるまで繰り返した。続いて、反応容器を室温まで冷却して反応物(SnCoC)を取り出したのち、280メッシュのふるいを通して粗粉を取り除いた。
得られたSnCoCの組成を分析したところ、Snの含有量は49.5質量%、Coの含有量は29.7質量%、Cの含有量は19.8質量%、SnおよびCoの割合(Co/(Sn+Co))は37.5質量%であった。この際、SnおよびCoの含有量については誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分析で測定し、Cの含有量については炭素・硫黄分析装置で測定した。また、X線回折法によりSnCoC含有材料を分析したところ、2θ=20°〜50°の範囲に半値幅を有する回折ピークが観察された。さらに、XPSによりSnCoCを分析したところ、図5に示したように、ピークP1が得られた。このピークP1を解析すると、表面汚染炭素のピークP2と、それよりも低エネルギー側(284.5eVよりも低い領域)にSnCoC中におけるC1sのピークP3とが得られた。この結果から、SnCoC中のCは他の元素と結合していることが確認された。
SnCoCを得たのち、負極活物質(SnCoC)80質量部と、負極結着剤(PVDF)8質量部と、負極導電剤(黒鉛およびアセチレンブラック)12質量部(黒鉛=11質量部およびアセチレンブラック=1質量部)とを混合して、負極合剤とした。続いて、NMPに負極合剤を分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーとした。最後に、コーティング装置を用いて負極集電体22A(電解Cu箔:厚さ=15μm)の両面に負極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて負極活物質層22Bを形成したのち、ロールプレス機を用いて負極活物質層22Bを圧縮成型した。
負極活物質として金属系材料(SiおよびSnCoC)を用いても、炭素材料を用いた場合(表1および表2)と同様の結果が得られた。
表1〜表7の結果から、電解液が上記した含アミノ芳香族化合物を含んでいると、高温特性が向上した。
以上、実施形態および実施例を挙げて本技術を説明したが、本技術は、実施形態および実施例で説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、本技術の正極活物質は、負極の容量がリチウムイオンの吸蔵放出による容量とLi金属の析出溶解に伴う容量とを含み、それらの容量の和により表されるリチウムイオン二次電池についても、同様に適用可能である。この場合には、負極材料の充電可能な容量が正極の放電容量よりも小さくなるように設定される。
また、実施形態および実施例では、電池構造が円筒型またはラミネートフィルム型である場合、あるいは電池素子が巻回構造を有する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。本技術のリチウムイオン二次電池は、コイン型、角型またはボタン型などの他の電池構造を有する場合、あるいは電池素子が積層構造などの他の構造を有する場合についても、同様に適用可能である。
11…電池缶、20,30…巻回電極体、21,33…正極、21A,33A…正極集電体、21B,33B…正極活物質層、22,34…負極、22A,34A…負極集電体、22B,34B…負極活物質層、23,35…セパレータ、36…電解質層、40…外装部材。
Claims (18)
- 正極および負極と共に電解液を備え、その電解液は下記の(1)〜(5)で表される第1〜第5含アミノ芳香族化合物のうちの少なくとも1種を含有する、二次電池。
(1)第1含アミノ芳香族化合物は、2つの環を有するナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合された2つの第三級アミノ基(−NR2 :RはH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)と、そのナフタレン骨格に結合された1つ以上の置換基(H、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)とを含む。
(2)第2含アミノ芳香族化合物は、前記ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合されると共にNに結合されたR同士が互いに結合されることで環を形成する2つの前記第三級アミノ基とを含む。
(3)第3含アミノ芳香族化合物は、前記ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位以外の位置に結合された2つの前記第三級アミノ基とを含む。
(4)第4含アミノ芳香族化合物は、前記ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格に結合された3つ以上の前記第三級アミノ基とを含む。
(5)第5含アミノ芳香族化合物は、2つ以上の環を有する芳香族骨格(ナフタレンを除く)と、その2つ以上の環のうちの少なくとも2つの環に対して環ごとに1つ以上結合された前記第三級アミノ基とを含む。 - 前記第5含アミノ芳香族化合物における前記芳香族骨格は、ビフェニル、フェナントレン、フルオレンまたはヘテロフルオレンである、請求項1記載の二次電池。
- 前記第1〜第5含アミノ芳香族化合物において、1つの前記第三級アミノ基が結合された環中の炭素原子から、他の第三級アミノ基が結合された他の環中の炭素原子まで、その炭素原子の数を最小となるように数えた値は、2以上4以下である、請求項1記載の二次電池。
- 前記第1〜第5含アミノ芳香族化合物は下記の式(1)〜式(4)で表される化合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項1記載の二次電池。
(R1〜R6はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R1〜R6のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。a1、b1、c1およびd1は整数であり、a1≧1、b1≧1、c1≧0およびd1≧0を満たす。ただし、2つの第三級アミノ基がナフタレン骨格の1,8位に結合されている場合はc1+d1≧1であり、それ以外の場合はc1+d1≧0である。)
(R7〜R12はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R7〜R12のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。e1、f1、g1およびh1は整数であり、e1≧1、f1≧1、g1≧0およびh1≧0を満たす。)
(R13〜R19はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R13〜R19のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。i1、j1、k1、m1およびn1は整数であり、i1≧1、j1≧1、k1≧0、m1≧0およびn1≧0を満たす。)
(R20〜R26はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R20〜R26のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。XはC、O、S、SeまたはTeである。o1、p1、q1、r1およびs1は整数であり、o1≧1、p1≧1、q1≧0、r1≧0およびs1≧0を満たす。) - 前記式(1)〜式(4)に示した化合物は式(5)〜式(12)で表される化合物である、請求項4記載の二次電池。
(R27〜R32はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R27〜R32のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。c2およびd2は整数であり、c2≧0およびd2≧0を満たす。ただし、c2+d2≧1である。)
(R33〜R42はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R33〜R42のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。c3およびd3は整数であり、c3≧0およびd3≧0を満たす。)
(R43〜R48はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R43〜R48のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。g2およびh2は整数であり、g2≧0およびh2≧0を満たす。)
(R49〜R58はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R49〜R58のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。g3およびh3は整数であり、g3≧0およびh3≧0を満たす。)
(R59〜R65はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R59〜R65のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。k2、m2およびn2は整数であり、k2≧0、m2≧0およびn2≧0を満たす。)
(R66〜R75はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R66〜R75のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。k3およびm3は整数であり、k3≧0およびm3≧0を満たす。)
(R76〜R89はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R76〜R89のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。k4およびm4は整数であり、k4≧0およびm4≧0を満たす。)
(R90〜R96はH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。ただし、R90〜R96のうちの任意の2つは環を形成していてもよい。YはC、O、S、SeまたはTeである。q2、r2およびs2は整数であり、q2≧0、r2≧0およびs2≧0を満たす。) - 前記電解液中における前記第1〜第5含アミノ芳香族化合物の含有量は0.001重量%以上10重量%以下である、請求項1記載の二次電池。
- 前記電解液中における前記第1〜第5含アミノ芳香族化合物の含有量は0.01重量%以上5重量%以下である、請求項6記載の二次電池。
- 前記電解液は非水溶媒を含有し、前記非水溶媒はハロゲン化環状炭酸エステルとして4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも一方を含有する、請求項1記載の二次電池。
- 前記非水溶媒中における前記ハロゲン化環状炭酸エステルの含有量は0.01重量%以上30重量%以下である、請求項8記載の二次電池。
- 前記正極および前記負極は、高分子化合物を含むセパレータを介して積層され、
前記セパレータは、厚さ方向において前記高分子化合物が2種類以上積層された多層構造、または厚さ方向において前記高分子化合物の組成が2種類以上に異なる単層構造を有する、請求項1記載の二次電池。 - 前記高分子化合物はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、アラミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよびポリアクリロニトリルのうちの少なくとも1種を含む、請求項10記載の二次電池。
- 完全充電状態における開回路電圧は4.25V以上6.00V以下である、請求項1記載の二次電池。
- リチウムイオン二次電池である、請求項1記載の二次電池。
- 下記の(1)〜(5)で表される第1〜第5含アミノ芳香族化合物のうちの少なくとも1種を含有する、二次電池用電解液。
(1)第1含アミノ芳香族化合物は、2つの環を有するナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合された2つの第三級アミノ基(−NR2 :RはH、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)と、そのナフタレン骨格に結合された1つ以上の置換基(H、C、N、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される2種類以上の元素により構成される基である。)とを含む。
(2)第2含アミノ芳香族化合物は、前記ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位に結合されると共にNに結合されたR同士が互いに結合されることで環を形成する2つの前記第三級アミノ基とを含む。
(3)第3含アミノ芳香族化合物は、前記ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格のうちの1,8位以外の位置に結合された2つの前記第三級アミノ基とを含む。
(4)第4含アミノ芳香族化合物は、前記ナフタレン骨格と、そのナフタレン骨格に結合された3つ以上の前記第三級アミノ基とを含む。
(5)第5含アミノ芳香族化合物は、2つ以上の環を有する芳香族骨格(ナフタレンを除く)と、その2つ以上の環のうちの少なくとも2つの環に対して環ごとに1つ以上結合された前記第三級アミノ基とを含む。 - 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の二次電池を用いた電子機器。
- 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の二次電池を用いた電動工具。
- 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の二次電池を用いた電動車両。
- 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の二次電池を用いた電力貯蔵システム。
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|---|---|---|---|---|
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-
2011
- 2011-06-06 JP JP2011126200A patent/JP2012252940A/ja not_active Withdrawn
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