JP2012255246A - 湿潤により凹凸が発現する織編物およびその製造方法および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤時に織編物表面に凹凸が可逆的に発現し、一方乾燥時に凹凸が減少する織編物およびその製造方法および繊維製品を提供する。
【解決手段】湿潤時に捲縮率が低下する捲縮繊維Aと、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維Bとを含む織編物であって、該織編物の乾燥時における厚さ(TD)および湿潤時における厚さ(TW)から下記式により算出した凹凸変化率が5%以上であることを特徴とする湿潤により凹凸が発現する織編物。
凹凸変化率(%)=((TW−TD)/TD)×100
【選択図】図3

Description

本発明は、湿潤時に捲縮率が低下する捲縮繊維と、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維とを含む織編物であって、湿潤時に織編物表面に凹凸が発現し、一方乾燥時には凹凸が減少することにより、発汗時の肌と衣服とのベトツキを低減することができる織編物およびその製造方法および繊維製品に関するものである。
従来、合成繊維や天然繊維などからなる織編物を、スポーツウエアーやインナーウエアーなどとして使用すると、肌からの発汗によりムレやベトツキが発生するという問題があった。
特に発汗初期の蒸気状の汗に対しては、衣服を構成する素材として吸湿性の高い繊維を用いる方法や衣服を構成する織編物の構造をあらくし、通気性を高める方法などが通常よく使われている。
一方、発汗中期〜後期の液状の汗に対しては、多層構造織編物において外層と内層(肌側)に密度差を設け、肌側で吸収した汗を素早く外側に移行させる方法(例えば、特許文献1参照)や、衣服を構成する織編物の肌側表面に凹凸を設け、肌と衣服との接触面積を少なくしてベトツキを低減する方法など(例えば、特許文献2、特許文献3参照)が提案されている。しかしながら、前者については、発汗が衣服の飽和吸水量を超えると肌側面にも汗が残り、その結果、衣服が肌にべとつくという問題があった。また、後者については、発汗量が増すと凹凸量が不十分なため衣服が肌にべとつく、これを回避するために凹凸量を大きくすると織編物の含気率が増し保温性が高くなりかえって発汗を助長する、凹凸の凸部が肌とこすれチクチクし不快である、凸部が肌に引っかかり易くピリングになりやすいなどの問題があった。
このような理由から、湿潤により織編物表面に凹凸が可逆的に発現することにより、ベトツキを低減することができる織編物の提案が望まれている。
なお、本発明者らは、先に特願2003−404302号において、吸水自己伸張糸を用いて湿潤により凹凸が発現する織編物を提案している。
特開平9−316757号公報 特開平10−131000号公報 特開平9−324313号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、湿潤時に捲縮率が低下する捲縮繊維と、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維とを含む織編物であって、湿潤により織編物表面に凹凸が可逆的に発現し、ベトツキを低減することができる織編物およびその製造方法および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、湿潤時に捲縮率が低下する捲縮繊維と、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維とを用いて、特定の糸配列で織編物を織編成することにより、所望の織編物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「湿潤時に捲縮率が低下する捲縮繊維Aと、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維Bとを含む織編物であって、該織編物の乾燥時における厚さ(TD)および湿潤時における厚さ(TW)から下記式により算出した凹凸変化率が5%以上であり、かつ前記捲縮繊維Aが、固有粘度が0.30〜0.39のポリエステル成分と固有粘度が1.0〜1.4のポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維であり、かつ織編物に吸水加工が施されてなることを特徴とする湿潤により凹凸が発現する織編物。」が提供される。
凹凸変化率(%)=((TW−TD)/TD)×100
ただし、乾燥時における厚さとは、織編物を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態での織編物の厚さであり、一方、湿潤時における厚さとは、織編物に水を1cc滴下した後、1分経過後の当該滴下個所の最大厚さである。
ここで、ポリエステル成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が2.0〜4.5モル%共重合された変性ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。かかる捲縮繊維Aは、無撚糸、または300T/m以下の撚りが施された甘撚り糸であることが好ましい。一方の繊維Bはポリエステル繊維であることが好ましい。
本発明の織編物の実施態様としては、(1)前記捲縮繊維Aのみで構成される部分(Y部)と、前記繊維Bのみで構成される部分(Z部)とを有し、前記Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている織編物、(2)前記繊維Bのみで構成される部分(Z部)と、前記捲縮繊維Aと前記繊維Bとで構成される部分(X部)とを有し、前記Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている織編物、(3)前記捲縮繊維Aと前記繊維Bとで構成される部分(X部)と、前記捲縮繊維Aのみで構成される部分(Y部)とを有し、該織編物において前記X部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている織編物、(4)前記捲縮繊維Aと前記繊維Bとで構成される部分(X部)と、前記捲縮繊維Aのみで構成される部分(Y部)と、前記繊維Bのみで構成される部分(Z部)とを有し、前記Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている織編物、(5)織編物が2層以上からなる多層織編物であり、前記捲縮繊維Aと繊維Bとで構成される層と、前記繊維Bのみで構成される層を有し、かつ前者の層と後者の層とが部分的に結接している織編物、(6)織編物が2層以上からなる多層織編物であり、前記捲縮繊維Aと繊維Bとで構成される層と、前記捲縮繊維Aのみで構成される層を有し、かつ前者の層と後者の層とが部分的に結接している織編物、(7)織編物が2層以上からなる多層織編物であり、前記捲縮繊維Aのみで構成される層と、前記繊維Bのみで構成される層を有し、かつ前者の層と後者の層とが部分的に結接している織編物、などが例示される。
本発明の織編物は、「固有粘度が0.30〜0.39のポリエステルと、固有粘度が1.0〜1.4のポリアミドとを用いてサイドバイサイド型に溶融紡糸して得られた複合繊維と、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維Bとを用いて織編物を織編成した後、該織編物に熱処理を施すことにより前記複合繊維の潜在捲縮を発現させ、次いで、織編物に吸水加工を施すことを特徴とする、請求項1に記載の湿潤により凹凸が発現する織編物の製造方法。」により得ることができる。
その際、織編成に用いる複合繊維が、沸水処理後において、下記(1)〜(3)の要件を同時に満足することが好ましい。
(1)乾燥時における複合繊維の捲縮率DCが1.5〜13%の範囲内である。
(2)湿潤時における複合繊維の捲縮率HCが0.5〜7.0%の範囲内である。
(3)前記捲縮率DCと捲縮率HCとの差(DC−HC)が0.5%以上である。
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、湿潤時とは、試料を温度20℃の水中に2時間浸漬した直後の状態である。
本発明の織編物は、アウター用衣料、スポーツ用衣料、インナー用衣料などの繊維製品に好適に使用することができる。
本発明によれば、湿潤時に捲縮率が低下する捲縮繊維と、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維とを含む織編物であって、湿潤により織編物表面に凹凸が可逆的に発現し、ベトツキを低減することができる織編物およびその製造方法および繊維製品が得られる。
本発明で用いられる複合繊維の単糸横断面形状を例示した模式図である。 本発明に係る織編物の編組織図の一例である。 本発明に係る織編物の断面の一例を示した模式図であり、(1)乾燥時(2)湿潤時である。 本発明に係る織編物の一例を示した模式図である。 本発明に係る織編物の断面の一例を示した模式図であり、(1)乾燥時(2)湿潤時である。 本発明に係る織編物の一例を示した模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の織編物は、湿潤時に捲縮率が低下する捲縮繊維A(以下、単に「捲縮繊維A」ということもある。)と、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維B(以下、単に「繊維B」ということもある。)とで構成される必要があり、織編物が発汗や降雨により湿潤されると、織編物に含まれる捲縮繊維Aだけが捲縮量が低下することにより伸長する。その結果、湿潤時に織編物表面に凹凸が可逆的に発現する。
その際、該織編物の乾燥時における厚さ(TD)および湿潤時における厚さ(TW)から下記式により凹凸変化率を算出したとき、該凹凸変化率が5%以上(好ましくは10〜100%)であることが肝要である。かかる凹凸変化率の差が5%未満であると、湿潤時にベトツキを十分に低減することができず好ましくない。
凹凸変化率(%)=((TW−TD)/TD)×100
ただし、乾燥時における厚さとは、織編物を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態での厚さであり、一方、湿潤時における厚さとは、織編物にスポイトで水を1cc滴下し1分経過後の、当該滴下個所の最大厚さであり、これらの厚さは、例えば超高精密レーザー変位計(キーエンス社製、モデルLC−2400)を用いて測定することができる。
前記の捲縮繊維Aは、乾燥時における捲縮率DCと湿潤時における捲縮率HCとの差(DC−HC)が0.5%以上であることが肝要であり、かかる捲縮繊維としては、ポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維であって、潜在捲縮性能が発現してなる捲縮構造を有する捲縮繊維であることが好ましい。
ここで、ポリエステル成分としては、他方のポリアミド成分との接着性の点で、スルホン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属、ホスホニウム塩を有し、かつエステル形成能を有する官能基を1個以上もつ化合物が共重合された、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンタレフタレート等の変性ポリエステルが好ましく例示される。なかでも、汎用性およびポリマーコストの点で、前記化合物が共重合された、変性ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。その際、共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびそのエステル誘導体、5−ホスホニウムイソフタル酸およびそのエステル誘導体、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどがあげられる。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好ましい。共重合量としては、2.0〜4.5モル%の範囲が好ましい。該共重合量が2.0モル%よりも小さいと、優れた捲縮性能が得られるものの、ポリアミド成分とポリエステル成分との接合界面にて剥離が生じるおそれがある。逆に、該共重合量が4.5モル%よりも大きいと、延伸熱処理の際、ポリエステル成分の結晶化が進みにくくなるため、延伸熱処理温度を上げる必要があり、その結果、糸切れが多発するおそれがある。
一方のポリアミド成分としては、主鎖中にアミド結合を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−46、ナイロン−12などがあげられる。なかでも、汎用性、ポリマーコスト、製糸安定性の点で、ナイロン−6およびナイロン−66が好適である。
なお、前記ポリエステル成分およびポリアミド成分には、公知の添加剤、例えば、顔料、顔料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤等が含まれていてもよい。
前記のサイドバイサイド型に接合された複合繊維は、任意の断面形状および複合形態をとることができる。図1は、本発明で使用することのできるサイドバイサイド型に接合された複合繊維の拡大横断面図を例示したものである。通常は(イ)、(ロ)のような横断面を有する複合繊維が用いられるが、(ハ)のような偏心芯鞘型であってもよい。さらには、三角形や四角形、その断面内に中空部を有するものであってもよい。なかでも、図1の(イ)のような丸型が好ましい。両成分の複合比は任意に選定することができるが、通常、ポリエステル成分とポリアミド成分の重量比で30:70〜70:30(より好ましくは40:60〜60:40)の範囲内であることが好ましい。
前記捲縮繊維Aの単糸繊度、単糸数(フィラメント数)としては特に限定されないが、単糸繊度1〜10dtex(より好ましくは2〜5dtex)、単糸数10〜200本(より好ましくは20〜100本)の範囲内であることが好ましい。
このように異種ポリマーがサイドバイサイド型に接合された複合繊維は、通常、潜在捲縮性能を有しており、後記のように、染色加工等で熱処理を受けると潜在捲縮性能が発現する。捲縮構造としては、ポリアミド成分が捲縮の内側に位置し、ポリエステル成分が捲縮の外側に位置していることが好ましい。かかる捲縮構造を有する複合繊維は、後記の製造方法により容易に得ることができる。捲縮繊維Aがこのような捲縮構造を有していると、湿潤時に、内側のポリアミド成分が膨潤、伸張し、外側のポリエステル成分はほとんど長さ変化を起こさないため、捲縮率が低下する(捲縮繊維Aの見かけの長さが長くなる。)。一方、乾燥時には、内側のポリアミド成分が収縮し、外側のポリエステル成分はほとんど長さ変化を起こさないため、捲縮率が増大する(捲縮繊維Aの見かけの長さが短くなる。)。
前記の捲縮繊維Aは、湿潤時に、容易に捲縮率が低下する上で、無撚糸、または300T/m以下の撚りが施された甘撚り糸であることが好ましい。特に、無撚糸であることが好ましい。強撚糸のように、強い撚りが付与されていると、湿潤時に捲縮率が低下しにくく好ましくない。なお、交絡数が20〜60ケ/m程度となるようにインターレース空気加工および/または通常の仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
一方、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維Bとしては、非捲縮繊維または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維であれば、特に限定されない。ここで、「湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない」とは、乾燥時における捲縮率DCと湿潤時における捲縮率HCとの差(DC−HC)が0.5%未満のものをいう。
かかる繊維Bとしては、ポリエチレンタレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル、パラ型もしくはメタ型アラミド、およびそれらの変性合成繊維、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、ポリウレタン系弾性糸、ポリエーテルエステル系弾性糸など衣料に適した繊維であれば自由に選択できる。なかでも、湿潤時の寸法安定性や、前記捲縮繊維Aとの相性(混繊性、交編・交織性、染色性)の点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンタレフタレートや、これらに前記共重合成分が共重合された変性ポリエステルからなるポリエステル繊維が好適である。また、かかる繊維Bの単糸繊度、単糸数(フィラメント数)としては特に限定されないが、織編物の吸水性を高め、湿潤時に凹凸を性能よく発現させる上で、単糸繊度0.1〜5dtex(より好ましくは0.5〜2dtex)、単糸数20〜200本(より好ましくは30〜100本)の範囲内であることが好ましい。なお、交絡数が20〜60ケ/m程度となるようにインターレース空気加工および/または通常の仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
本発明の織編物には、前記の湿潤時に捲縮率が低下する捲縮繊維Aと、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維Bとが含まれる。
織編物の構造としては、その織編組織、層数は特に限定されるものではない。例えば、平織、綾織、サテンなどの織組織や、天竺、スムース、フライス、鹿の子、そえ糸編、デンビー、ハーフなどの編組織が好適に例示されるが、これらに限定されるものではない。層数も単層でもよいし、2層以上の多層であってもよい。
ここで、湿潤により織編物に凹凸が発現する理由は、織編物が、湿潤により寸法変化(拡張)する部分と湿潤しても寸法変化しないか寸法変化量が小さい部分とからなり、前者が湿潤により寸法変化するのに対し、後者が寸法変化しないか寸法変化量が小さく、湿潤時に前者が凸部として凹凸が発現するためであり、湿潤により凹凸を効果的に発現させるためには、前記捲縮繊維Aと繊維Bとを適切に配置させることが重要である。
本発明の織編物中に含まれる前記捲縮繊維Aと繊維Bの配置の好ましい実施態様について下記に説明する。
まず実施態様(1)において、前記捲縮繊維Aのみで構成される部分(Y部)と、前記繊維Bのみで構成される部分(Z部)とを有し、前記Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている。
かかる構造では、Y部がZ部に比べ湿潤時に寸法変化しやすく、かつ織編物中においてZ部が経方向および/または緯方向に連続的につながっているため織編物全体の寸法変化が抑えられ、その結果、Y部が凸部となって凹凸が発現する。
その際、Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながるパターンとしては、特に限定されないが、例えば、ボーダーパターン、ストライプパターン、格子パターン、図6に模式的に示すダイヤ柄パターン、市松格子柄パターンなどが例示される。
前記Z部とY部との面積比は特に限定されないが、織編物の寸法安定性の点で(Z部:Y部)で10:90〜90:10(より好ましくは、20:80〜80:20)の範囲内であることが好ましい。
前記Y部同士は織編物中において、Z部により断絶している。その際、Y部1ヶ所の面積は特に限定されないが、0.01〜4.0cm(より好ましくは、0.1〜1.0cm)の範囲内であることが、発汗時に衣服と肌とのベトツキを防ぐ上で好ましい。一方Z部の線巾としては、0.5〜100mmの範囲内であることが好ましい。
次に実施態様(2)において、前記繊維Bのみで構成される部分(Z部)と、前記捲縮繊維Aと前記繊維Bとで構成される部分(X部)とを有し、前記Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている。
かかる構造では、X部がZ部に比べ湿潤時に寸法変化しやすく、かつ織編物中においてZ部が経方向および/または緯方向に連続的につながっているため織編物全体の寸法変化が抑えられ、その結果、X部が凸部となって凹凸が発現する。その際、Z部がつながるパターンや、両者の面積比は実施態様(1)と同程度でよい。
次に実施態様(3)において、前記捲縮繊維Aと前記繊維Bとで構成される部分(X部)と、前記捲縮繊維Aのみで構成される部分(Y部)とを有し、該織編物において前記X部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている。
かかる構造では、Y部がX部に比べ湿潤時に寸法変化しやすく、かつ織編物中においてX部が経方向および/または緯方向に連続的につながっているため織編物全体の寸法変化が抑えられ、その結果、Y部が凸部となって凹凸が発現する。その際、X部がつながるパターンや、両者の面積比は実施態様(1)と同程度でよい。
次に実施態様(4)において、前記織編物が、前記捲縮繊維Aと前記繊維Bとで構成される部分(X部)と、前記捲縮繊維Aのみで構成される部分(Y部)と、前記繊維Bのみで構成される部分(Z部)とを有し、前記Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている。
かかる構造では、Z部が他の部(X部またはY部)に比べ湿潤時に寸法変化し難く、かつ織編物中においてZ部が経方向および/または緯方向に連続的につながっているため織編物全体の寸法変化が抑えられ、その結果、他の部(X部またはY部)が凸部となって凹凸が発現する。その際、Z部がつながるパターンや、Z部と他の部との面積比は実施態様(1)と同程度でよい。
次に実施態様(5)において、織編物が2層以上からなる多層織編物であり、前記捲縮繊維Aと繊維Bとで構成される層(X層)と、前記繊維Bのみで構成される層(Z層)を有し、かつ前者の層と後者の層とが部分的に結接している。
かかる構造では、X層はてZ層に比べ湿潤による寸法変化が大きく、X層の中でZ層と結接されていない部分が凸部となり凹凸が発現する。
次に実施態様(6)において、前記織編物が2層以上からなる多層織編物であり、前記捲縮繊維Aと繊維Bとで構成される層(X層)と、前記捲縮繊維Aのみで構成される層(Y層)を有し、かつX層とY層とが部分的に結接している。
かかる構造では、Y層はX層に比べて湿潤による寸法変化が大きく、Y層の中でX層と結接されていない部分が凸部となり凹凸が発現する。
次に実施態様(7)において、前記織編物が2層以上からなる多層織編物であり、前記捲縮繊維Aのみで構成される層(Y層)と、前記繊維Bのみ(Z層)で構成される層を有し、Y層とZ層とが部分的に結接している。
かかる構造において、Y層はZ層に比べて湿潤による寸法変化が大きくなり、Y層のなかでZ層と結接されていない部分が凸部となり凹凸が発現する。
本発明の織編物は、例えば下記の製造方法によって容易に得ることができる。
まず、固有粘度が0.30〜0.39(オルソクロロフェノールを溶媒として35℃で測定)のポリエステルと、固有粘度が1.0〜1.4(m−クレゾールを溶媒として30℃で測定)のポリアミドとを用いてサイドバイサイド型に溶融複合紡糸する。その際、ポリエステル成分の固有粘度が0.39以下であることが特に重要である。ポリエステル成分の固有粘度が0.39よりも大きいと、ポリエステル成分の粘度が増大するため、複合繊維の物性がポリエステル単独糸に近くなり、本発明が目的とする織編物が得られず好ましくない。逆に、ポリエステル成分の固有粘度が0.30よりも小さいと、溶融粘度が小さくなりすぎて製糸性が低下するとともに毛羽発生が多くなり、品質および生産性が低下するおそれがある。
溶融紡糸の際に用いる紡糸口金としては、特開2000−144518号公報の図1のような、高粘度側と低粘度側の吐出孔を分離し、かつ高粘度側吐出線速度を小さくした(吐出断面積を大きくした)紡糸口金が好適である。そして、高粘度側吐出孔に溶融ポリエステルを通過させ、低粘度側吐出孔に溶融ポリアミドを通過させ冷却固化させることが好ましい。その際、ポリエステル成分とポリアミド成分との重量比は、前述のとおり、30:70〜70:30(より好ましくは40:60〜60:40)の範囲内であることが好ましい。
また、溶融複合紡糸した後、一旦巻き取った後に延伸する別延方式を採用してもよいし、一旦巻き取らずに延伸熱処理を行う直延方式を採用してもよい。その際、紡糸・延伸条件としては、通常の条件でよい。例えば、直延方式の場合、1000〜3500m/分程度で紡糸した後、連続して100〜150℃の温度で延伸し巻き取る。延伸倍率は最終時に得られる複合繊維の切断伸度が10〜60%(好ましくは20〜45%)、切断強度が3.0〜4.7cN/dtex程度となるよう、適宜選定すればよい。
ここで、前記の複合繊維が、下記の要件(1)〜(3)を同時に満足することが好ましい。
(1)乾燥時における複合繊維の捲縮率DCが1.5〜13%(好ましくは2〜6%)の範囲内である。
(2)湿潤時における複合繊維の捲縮率HCが、0.5〜7.0%(好ましくは1〜3%)の範囲内である。
(3)前記捲縮率DCと捲縮率HCとの差(DC−HC)が0.5%以上(好ましくは1〜5%)である。
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、湿潤時とは、試料を温度20℃の水中に2時間浸漬した直後の状態であり、乾燥時における捲縮率DCおよび湿潤時における捲縮率HCは、下記の方法で測定した値を用いることとする。
まず、枠周:1.125mの巻き返し枠を用いて、荷重:49/50mN×9×トータルテックス(0.1gf×トータルデニール)をかけて一定の速度で巻き返し、巻き数:10回の小綛をつくり、該小綛をねじり2重の輪状にしたものに49/2500mN×20×9×トータルテックス(2mg×20×トータルデニール)の初荷重をかけたまま沸水中に入れて30分間処理し、該沸水処理の後100℃の乾燥機にて30分間乾燥し、その後さらに初荷重をかけたまま160℃の乾熱中に入れ5分間処理した。該乾熱処理の後に初荷重を除き、温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間以上放置した後、前記の初荷重および98/50mN×20×9×トータルテックス(0.2gf×20×トータルデニール)の重荷重を負荷し、綛長:L0を測定し、直ちに重荷重のみを取り除き、除重1分後の綛長:L1を測定した。さらにこの綛を初荷重をかけたまま温度20℃の水中に2時間浸漬した後取り出し、ろ紙(大きさ30cm×30cm)にて0.69mN/cm(70mgf/cm)の圧力を5秒間かけて軽く水を拭き取った後、初荷重および重荷重を負荷し綛長:L0’を測定し、直ちに重荷重のみを取り除き、除重1分後の綛長:L1’を測定する。以上の測定数値から下記の計算式にて、乾燥時の捲縮率DC(%)、湿潤時の捲縮率HC(%)、乾燥時と湿潤時の捲縮率差(DC−HC)(%)を算出した。なお、n数は5で平均値を求めた。
乾燥時の捲縮率DC(%)=((L0−L1)/L0)×100
湿潤時の捲縮率HC(%)=(L0’−L1’)/L0’)×100
ここで、乾燥時における複合繊維の捲縮率DCが1.5%よりも小さいと、湿潤時の捲縮変化量が小さくなるため、凹凸が発現しないおそれがある。逆に、乾燥時における複合繊維の捲縮率DCが13%よりも大きい場合は、捲縮が強すぎて湿潤時に捲縮が変化しにくく、やはり凹凸が発現しないおそれがある。また、乾燥時における複合繊維の捲縮率HCとの差(DC−HC)が0.5%より小さい場合も、湿潤時に凹凸が発現しないおそれがある。
次いで、前記複合繊維と、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維Bとを同時に用いて織編物を織編成した後、染色加工を施し、染色加工の際の熱により前記複合繊維の潜在捲縮を発現させる(捲縮繊維とする)。
ここで、織編物を織編成する際、織編組織は特に限定されず、前述のものを適宜選定することができる。
前記染色加工の温度としては100〜140℃(より好ましくは110〜135℃)、時間としてはトップ温度のキープ時間が5〜40分の範囲内であることが好ましい。かかる条件で、織編物に染色加工を施すことにより、前記複合繊維は、ポリエステル成分とポリアミド成分との熱収縮差により捲縮を発現する。その際、ポリエステル成分とポリアミド成分として、前述のポリマーを選定することにより、ポリアミド成分が捲縮の内側に位置する捲縮構造となる。
染色加工が施された織編物には、通常、乾熱ファイナルセットが施される。その際、乾熱ファイナルセットの温度としては120〜200℃(より好ましくは140〜180℃)、時間としては1〜3分の範囲内であることが好ましい。かかる、乾熱ファイナルセットの温度が120℃よりも低いと、染色加工時に発生したシワが残り易く、また、仕上がり製品の寸法安定性が悪くなるおそれがある。逆に、該乾熱ファイナルセットの温度が200℃よりも高いと、染色加工の際に発現した複合繊維の捲縮が低下したり、繊維が硬化し生地の風合いが硬くなるおそれがある。
かくして得られた織編物において、織編物が発汗や降雨により湿潤されると、捲縮繊維Aは自身の捲縮量が低下することにより伸長する。一方、繊維Bは湿潤されても伸長しないため、織編物の寸法が固定される。その結果、湿潤により捲縮繊維Aが含まれる部分が凸部となり凹凸が発現する。かかる凹凸の発現により、湿潤時のベトツキを低減することができる。かかるベトツキ低減の目安として、ベトツキ力が980mN(100grf)以下であることが好ましい。ここで、ベトツキ力とは、特開平9−195172号公報の図1に示されているように、直径8cmの金属ローラーに、長さ15cm、巾6cmの布帛をのせ、一端をストレス・ストレイン・ゲージに取り付け、布帛のもう一端に重さ98mN(10grf)のクリップを取り付ける。次いで金属ローラーを7cm/secの表面速度で回転させながら注射器で金属ローラーと布帛との間に0.5cmを注入し、このとき布帛にかかる張力をストレス・ストレイン・ゲージで測定し、その最大値をベトツキ力とする。
なお、本発明の織編物には、常法の吸水加工、撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
<ポリエステルの固有粘度>オルソクロロフェノールを溶媒として使用し温度35℃で測定した。
<ポリアミドの固有粘度>m−クレゾールを溶媒として使用し温度30℃で測定した。
<破断強度、破断伸度>繊維試料を、雰囲気温度25℃、湿度60%RHの恒温恒湿に保たれた部屋に一昼夜放置した後、サンプル長さ100mmで(株)島津製作所製引張試験機テンシロンにセットし、200mm/minの速度で伸張し、破断時の強度(cN/dtex)、伸度(%)を測定した。なお、n数5でその平均値を求めた。
<沸水収縮率>JIS L 1013−1998、7.15で規定される方法により、沸水収縮率(%)を測定した。なお、n数3でその平均値を求めた。
<複合繊維の捲縮率>枠周:1.125mの巻き返し枠を用いて、荷重:49/50mN×9×トータルテックス(0.1gf×トータルデニール)をかけて一定の速度で巻き返し、巻き数:10回の小綛をつくり、該小綛をねじり2重の輪状にしたものに49/2500mN×20×9×トータルテックス(2mg×20×トータルデニール)の初荷重をかけたまま沸水中に入れて30分間処理し、該沸水処理の後100℃の乾燥機にて30分間乾燥し、その後さらに初荷重をかけたまま160℃の乾熱中に入れ5分間処理した。該乾熱処理の後に初荷重を除き、温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間以上放置した後、前記の初荷重および98/50mN×20×9×トータルテックス(0.2gf×20×トータルデニール)の重荷重を負荷し、綛長:L0を測定し、直ちに重荷重のみを取り除き、除重1分後の綛長:L1を測定した。さらにこの綛を初荷重をかけたまま温度20℃の水中に2時間浸漬した後取り出し、ろ紙にて軽く水を拭き取った後、初荷重および重荷重を負荷し綛長:L0’を測定し、直ちに重荷重のみを取り除き、除重1分後の綛長:L1’を測定する。以上の測定数値から下記の計算式にて、乾燥時の捲縮率DC(%)、湿潤時の捲縮率HC(%)、乾燥時と湿潤時の捲縮率差(DC−HC)(%)を算出した。なお、n数は5で平均値を求めた。
乾燥時の捲縮率DC(%)=((L0−L1)/L0)×100
湿潤時の捲縮率HC(%)=(L0’−L1’)/L0’)×100
<ベトツキ力>特開平9−195172号公報の図1に示されているように、直径8cmの金属ローラーに、長さ15cm、巾6cmの布帛をのせ、一端をストレス・ストレイン・ゲージに取り付け、布帛のもう一端に重さ98mN(10grf)のクリップを取り付ける。次いで金属ローラーを7cm/secの表面速度で回転させながら注射器で金属ローラーと布帛との間に0.5cmを注入し、このとき布帛にかかる張力をストレス・ストレイン・ゲージで測定し、その最大値をベトツキ力とした。なお、n数は5としその平均値を求めた。
<凹凸変化率>織編物を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後、該織編物から、30cm×30cmの小片を裁断する(n数=5)。そして、温度20℃、湿度65%RH環境下で、超高精密レーザー変位計(キーエンス社製、モデルLC−2400)を用いて、織編物の乾燥時における厚さ(TD)を測定した。次いで、該小片にスポイトで水を1cc滴下した後、1分経過後の当該滴下個所の最大厚さを、超高精密レーザー変位計(キーエンス社製、モデルLC−2400)を用いて測定し、湿潤時における厚さ(TW)とした。そして、下記式から凹凸変化率を算出した。なお、n数は5としその平均値を求めた。
凹凸変化率(%)=((TW−TD)/TD)×100
[実施例1]
固有粘度[η]が1.3のナイロン6と、固有粘度[η]が0.39で2.6モル%の5−ナトリウムスルフォイソフタル酸を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレートとをそれぞれ270℃、290℃にて溶融し、特開2000−144518号公報の図1と同様の複合紡糸口金を用い、それぞれ12.7g/分の吐出量にて押し出し、図1(イ)の単糸横断面形状を有するサイドバイサイド型複合繊維を形成させ、冷却固化、油剤を付与した後、糸条を速度1000m/分、温度60℃の予熱ローラーにて予熱し、ついで、該予熱ローラーと、速度3050m/分、温度150℃に加熱された加熱ローラー間で延伸熱処理を行い、巻取り、84dtex/24filの複合繊維を得た。該複合繊維において、破断強度3.4cN/dtex、破断伸度40%であった。また、該複合繊維に沸水処理を施して捲縮率を測定したところ、乾燥時の捲縮率DCが3.3%、湿潤時の捲縮率HCが1.6%、乾燥時の捲縮率DCと湿潤時の捲縮率HCとの差(DC−HC)が1.7%であった。
次いで、前記の複合繊維(沸水処理されておらず、捲縮は発現していない。無撚糸)を用いて、28ゲージのダブル丸編機を使用して、前記の複合繊維と、沸水収縮率が8%の通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸条(繊維B)84dtex/72filとを図2に示す編組織で編物を編成した。
そして、温度130℃、キープ時間15分で染色加工し、複合繊維の潜在捲縮性能を顕在化させ、捲縮繊維Aとした。その際、吸水加工剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)を染液に対して2ml/lの割合にて、染色加工時に同浴処理を行うことにより、編物に吸水加工剤を付与した。次いで、該丸編物に、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。
該編物において、厚み方向の断面は図3に示すように、一層(Z層)は繊維Bだけで構成され、他の層(Y層)は捲縮繊維Aだけで構成され、Z層とY層とは部分的に結接されていた。
Y層側からみた編地表面は、図4に示すようにY層とZ層とが格子状に結接されており、湿潤時は、この格子以外の結接されていない四角部が凸部となり凹凸が発現した。
かかる編物において、乾燥時と湿潤時の凹凸変化率が15%、ベトツキ力が784mN(80gf)と、湿潤時のベトツキが少なく満足なものであった。
[実施例2]
28ゲージのトリコット編機を使用して、バック筬に実施例1で用いたものと同じ複合繊維をフルセットし、ミドル筬に実施例1で用いたものと同じポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸条(繊維B)を2in10outでセットし、フロント筬に実施例1で用いたものと同じポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸条(繊維B)を10out2inにてセットし、バック10−12、ミドル10−12−23−34−45−43−32−21、フロント45−43−32−21−10−12−23−34の編組織、機上コース数60コース/2.54cmの編条件にてトリコット編物を編成した。次いで、この編地を実施例1と同様に染色仕上げした。
該編物において、厚み方向の断面は、図5に示すように、捲縮繊維Aのみから構成される部分(Y部)と、捲縮繊維Aと繊維Bとで構成される部分(X部)から構成されていた。
編物表面は、図6に示すように、Y部はダイヤ柄状に編物全体に連続的につながっており、湿潤時は、このダイヤ柄の中部分(Y部)が凸部になり凹凸が発現した。
かかる編物において、乾燥時と湿潤時の凹凸変化率が25%、ベトツキ力が686mN(70gf)と、湿潤時のべとつきが少なく満足なものであった。
[比較例1]
実施例1において、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸条(繊維B)のかわりに実施例1で用いたものと同じ複合繊維を用いること以外は実施例1と同様に、編物を編成し染色仕上げした。
得られた編物において、乾燥時と湿潤時の凹凸変化率が2%、ベトツキ力が1470mN(150gf)と、湿潤時のべとつきが大きく不満足なものであった。
本発明によれば、湿潤時に織編物表面に凹凸が可逆的に発現し、一方乾燥時に凹凸が減少する織編物、およびかかる織編物を用いたアウターウエアー、インナーウエアー、スポーツウエアーなどの繊維製品が得られ、これらを着用すると発汗時の肌と衣服とのベトツキを低減することができる。
P:ポリエステル成分
N:ポリアミド成分
1:Z層
2:結接部
3:Y層
4:Z層と結接している部分
5:Z層と結接していない部分
6:Y部
7:X部
8:Y部
9:X部

Claims (14)

  1. 湿潤時に捲縮率が低下する捲縮繊維Aと、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維Bとを含む織編物であって、該織編物の乾燥時における厚さ(TD)および湿潤時における厚さ(TW)から下記式により算出した凹凸変化率が5%以上であり、かつ前記捲縮繊維Aが、固有粘度が0.30〜0.39のポリエステル成分と固有粘度が1.0〜1.4のポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維であり、かつ織編物に吸水加工が施されてなることを特徴とする湿潤により凹凸が発現する織編物。
    凹凸変化率(%)=((TW−TD)/TD)×100
    ただし、乾燥時における厚さとは、織編物を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態での織編物の厚さであり、一方、湿潤時における厚さとは、織編物に水を1cc滴下した後、1分経過後の当該滴下個所の最大厚さである。
  2. ポリエステル成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が2.0〜4.5モル%共重合された変性ポリエチレンテレフタレートからなる、請求項1に記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  3. 前記の捲縮繊維Aが、無撚糸または300T/m以下の撚りが施された甘撚り糸である、請求項1または請求項2に記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  4. 繊維Bがポリエステル繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  5. 前記捲縮繊維Aのみで構成される部分(Y部)と、前記繊維Bのみで構成される部分(Z部)とを有し、前記Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている、請求項1〜4のいずれかに記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  6. 前記繊維Bのみで構成される部分(Z部)と、前記捲縮繊維Aと前記繊維Bとで構成される部分(X部)とを有し、前記Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている、請求項1〜4のいずれかに記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  7. 前記織編物が、前記捲縮繊維Aと前記繊維Bとで構成される部分(X部)と、前記捲縮繊維Aのみで構成される部分(Y部)とを有し、該織編物において前記X部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている、請求項1〜4のいずれかに記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  8. 前記織編物が、前記捲縮繊維Aと前記繊維Bとで構成される部分(X部)と、前記捲縮繊維Aのみで構成される部分(Y部)と、前記繊維Bのみで構成される部分(Z部)とを有し、前記Z部が経方向および/または緯方向に連続的につながっている、請求項1〜4のいずれかに記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  9. 前記織編物が2層以上からなる多層織編物であり、前記捲縮繊維Aと繊維Bとで構成される層と、前記繊維Bのみで構成される層を有し、かつ前者の層と後者の層とが部分的に結接している請求項1〜4のいずれかに記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  10. 前記織編物が2層以上からなる多層織編物であり、前記捲縮繊維Aと繊維Bとで構成される層と、前記捲縮繊維Aのみで構成される層を有し、かつ前者の層と後者の層とが部分的に結接している、請求項1〜4のいずれかに記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  11. 前記織編物が2層以上からなる多層織編物であり、前記捲縮繊維Aのみで構成される層と、前記繊維Bのみで構成される層を有し、かつ前者の層と後者の層とが部分的に結接している、請求項1〜4のいずれかに記載の湿潤により凹凸が発現する織編物。
  12. 固有粘度が0.30〜0.39のポリエステルと、固有粘度が1.0〜1.4のポリアミドとを用いてサイドバイサイド型に溶融紡糸して得られた複合繊維と、非捲縮または湿潤時に捲縮率が実質的に変化しない捲縮を有する繊維Bとを用いて織編物を織編成した後、該織編物に熱処理を施すことにより前記複合繊維の潜在捲縮を発現させ、次いで、織編物に吸水加工を施すことを特徴とする、請求項1に記載の湿潤により凹凸が発現する織編物の製造方法。
  13. 織編成に用いる複合繊維が、沸水処理後において、下記(1)〜(3)の要件を同時に満足する、請求項12に記載の湿潤により凹凸が発現する織編物の製造方法。
    (1)乾燥時における複合繊維の捲縮率DCが1.5〜13%の範囲内である。
    (2)湿潤時における複合繊維の捲縮率HCが0.5〜7.0%の範囲内である。
    (3)前記捲縮率DCと捲縮率HCとの差(DC−HC)が0.5%以上である。
    ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、湿潤時とは、試料を温度20℃の水中に2時間浸漬した直後の状態である。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載の織編物を用いてなる、アウター用衣料、スポーツ用衣料、およびインナー用衣料からなる群より選択される繊維製品。
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