JP2012255509A - 回転ダンパー - Google Patents
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Abstract
【課題】トルクのばらつきを抑制できる回転ダンパーを得る。
【解決手段】回転ダンパー10は、底部12Aを備えたハウジング12内にローター14が回転可能に収納されており、ハウジング12とローター14との間にはカムリング16が回転可能に設けられている。また、ローター14のカムリング16との摺動面14Aには傾斜面30が形成され、カムリング16のローター14との摺動面16Bには傾斜面40が形成されている。ローター14とハウジング12とが相対回転するとローター14の傾斜面30と、カムリング16の傾斜面40とが摺動して、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向へ押圧する。この結果、粘性流体が塗布されたハウジング12の摺動面12Cとカムリング16の摺動面16Bとのクリアランスの変化がなくなり、トルクのばらつきが抑制されるようになっている。
【選択図】図1
【解決手段】回転ダンパー10は、底部12Aを備えたハウジング12内にローター14が回転可能に収納されており、ハウジング12とローター14との間にはカムリング16が回転可能に設けられている。また、ローター14のカムリング16との摺動面14Aには傾斜面30が形成され、カムリング16のローター14との摺動面16Bには傾斜面40が形成されている。ローター14とハウジング12とが相対回転するとローター14の傾斜面30と、カムリング16の傾斜面40とが摺動して、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向へ押圧する。この結果、粘性流体が塗布されたハウジング12の摺動面12Cとカムリング16の摺動面16Bとのクリアランスの変化がなくなり、トルクのばらつきが抑制されるようになっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、粘性流体の粘性抵抗で回転を制動する回転ダンパーに関するものである。
従来、回転ダンパーとしては、例えば、特許文献1がある。この従来技術では、粘性流体が回転体と固定体とで形成される間隙に充填されている。
しかしながら、特許文献1では、回転体の外周に周回させて設けられた環状突条が、固定体の内周上部に周回させて設けられた環状段部に回動可能に係合している。このため、回転軸方向に沿った回転体と固定体との相対移動量(ガタ)が大きくなる恐れがある。従って、回転軸方向に沿った回転体と固定体との相対移動量によって生じる、回転体の摺動面と固定体の摺動面とのクリアランスの変化をなくし、トルクのばらつきを抑制する必要がある。
本発明は上記事実を考慮し、トルクのばらつきを抑制できる回転ダンパーを得ることを課題とする。
請求項1に記載の本発明の回転ダンパーは、底部を有する円筒状とされた第1部材と、前記第1部材に回転可能に収納された第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に回転可能に設けられ、前記第1部材の摺動面と摺動する摺動面に粘性流体が塗布された摺動部材と、前記第2部材と前記摺動部材との各摺動面の一方に形成された当接部と、前記第2部材と前記摺動部材との各摺動面の他方に形成され、前記第1部材と前記第2部材との相対回転により前記第2部材と前記摺動部材とが相対回転することによって前記当接部と摺動して前記摺動部材を前記第1部材の摺動面側へ押圧する傾斜面と、を有する。
請求項1に記載の本発明の回転ダンパーでは、底部を有する円筒状とされた第1部材に第2部材が回転可能に収納され、第1部材と第2部材との間には摺動部材が回転可能に設けられており、第1部材の摺動面と摺動する摺動部材の摺動面には粘性流体が塗布されている。また、第2部材と摺動部材との各摺動面の一方には当接部が、他方には傾斜面が形成されており、第1部材と第2部材とが相対回転することにより、第2部材と摺動部材とが相対回転すると、傾斜面と当接部とが摺動し、摺動部材を第1部材の摺動面側へ押圧する。このため、第1部材と第2部材とが相対回転する際に、摺動部材が第1部材の摺動面側へ押圧され移動することで、摺動部材の摺動面と第1部材の摺動面とのクリアランスの変化がなくなり一定に保たれる。この結果、回転ダンパーのトルクのばらつきが抑制される。
請求項2に記載の本発明の回転ダンパーは、底部を有する円筒状とされた第1部材と、前記第1部材に回転可能に収納された第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に回転可能に設けられ、前記第2部材の摺動面と摺動する摺動面に粘性流体が塗布された摺動部材と、前記第1部材と前記摺動部材との各摺動面の一方に形成された当接部と、前記第1部材と前記摺動部材との各摺動面の他方に形成され、前記第1部材と前記第2部材との相対回転により前記第1部材と前記摺動部材とが相対回転することによって前記当接部と摺動して前記摺動部材を前記第2部材の摺動面側へ押圧する傾斜面と、を有する。
請求項2に記載の本発明の回転ダンパーでは、底部を有する円筒状とされた第1部材に第2部材が回転可能に収納され、第1部材と第2部材との間には摺動部材が回転可能に設けられており、第2部材の摺動面と摺動する摺動部材の摺動面には粘性流体が塗布されている。また、第1部材と摺動部材との各摺動面の一方には当接部が、他方には傾斜面が形成されており、第1部材と第2部材とが相対回転することにより、第1部材と摺動部材とが相対回転すると、傾斜面と当接部とが摺動し、摺動部材を第2部材の摺動面側へ押圧する。このため、第1部材と第2部材とが相対回転する際に、摺動部材が第2部材の摺動面側へ押圧され移動することで、摺動部材の摺動面と第2部材の摺動面とのクリアランスの変化がなくなり一定に保たれる。この結果、回転ダンパーのトルクのばらつきが抑制される。
請求項3記載の本発明は請求項1または請求項2に記載の回転ダンパーにおいて、前記傾斜面は、前記第2部材または前記第1部材と前記摺動部材との一方向の相対回転により前記摺動部材を前記第1部材または前記第2部材の摺動面側へ押圧し、前記第2部材または前記第1部材と前記摺動部材との他方向の相対回転によっても前記摺動部材を前記第1部材または前記第2部材の摺動面側へ押圧する一対の傾斜面である。
請求項3記載の本発明の回転ダンパーでは、一対の傾斜面によって、第1部材と第2部材との一方向及び他方向の相対回転に対して、摺動部材の摺動面と第1部材または第2部材の摺動面とのクリアランスの変化がなくなり、一定に保たれる。この結果、一方向及び他方向の双方の回転において回転ダンパーのトルクのばらつきが抑制される。
請求項4記載の本発明は請求項1または請求項2に記載の回転ダンパーにおいて、前記傾斜面は、前記第2部材または前記第1部材と前記摺動部材との一方向の相対回転により前記摺動部材を前記第1部材または前記第2部材の摺動面側へ押圧する第1傾斜面であって、該第1傾斜面に加えて、前記第2部材または前記第1部材と前記摺動部材との他方向の相対回転により前記当接部に形成した傾斜面と摺動して前記摺動部材を前記第1部材または前記第2部材の摺動面の反対側へ引き戻す第2傾斜面を有する。
請求項4記載の本発明の回転ダンパーでは、第2部材または第1部材と摺動部材との一方向の相対回転では、第1傾斜面と当接部との摺動によって、摺動部材を第1部材または第2部材の摺動面側へ押圧する。一方、第2部材または第1部材と摺動部材との他方向の相対回転では、第2傾斜面が傾斜面と摺動して、摺動部材を第1部材または第2部材の摺動面と反対側へ引き戻す。このため、第1部材と第2部材との相対回転の一方向の回転トルクに対して他方向の回転トルクが低減され、ワンウエイの回転ダンパーとなる。
請求項5記載の本発明は請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の回転ダンパーにおいて、前記第1部材または前記第2部材の摺動面と前記摺動部材の摺動面との少なくとも一方に前記粘性流体を充填する凹部を形成した。
請求項5記載の本発明の回転ダンパーでは、第1部材または第2部材の摺動面と摺動部材の摺動面との少なくとも一方に形成した凹部に粘性流体を充填する。このため、凹部に充填された粘性流体を、摺動部材の摺動面と第1部材または第2部材の摺動面とに供給することができる。この結果、回転ダンパーの耐久性が向上する。
請求項6記載の本発明は請求項5に記載の回転ダンパーにおいて、前記凹部が前記第1部材または前記第2部材と前記摺動部材との相対回転方向に沿って所定の間隔で複数配列されている。
請求項6記載の本発明の回転ダンパーでは、粘性流体を充填するための凹部が、第1部材または第2部材と摺動部材との相対回転方向に沿って所定の間隔で複数配列されている。この結果、第1部材または第2部材の摺動面と摺動部材の摺動面との全域において、凹部に充填された粘性流体を供給することができる。この結果、回転ダンパーの耐久性が更に向上する。
請求項7記載の本発明は請求項1〜6の何れか1項に記載のダンパーにおいて、前記第1部材または前記第2部材の摺動面と前記摺動部材の摺動面とが、前記相対回転の回転軸に対して傾斜している。
回転ダンパーでは、摺動面に塗布された粘性流体の粘度(μ)が高く、摺動部材と第1部材または第2部材とが高速で相対回転した場合に、粘性流体の抵抗によって摺動部材が第1部材または第2部材から弾かれようとする。即ち、相対回転の回転軸に沿って、第1部材または第2部材から離間する方向へ摺動部材を移動させる反発力が発生する。このため、当接部と摺動する傾斜面の傾斜角度を小さくして、摺動部材を第1部材または第2部材の摺動面側へ移動し易くすることが考えられるが、当接部と摺動する傾斜面の傾斜角度を小さくした場合には、回転ダンパーが効く直前の空走角が増加する。このため、当接部と摺動する傾斜面の傾斜角度を小さくせずに、前記反発力に抗して摺動部材を相対回転の回転軸に沿って、第1部材または第2部材の摺動面側へ移動させる(押し戻す)押圧力を発生させる必要がある。
これに対して、請求項7記載の本発明の回転ダンパーでは、粘性流体が塗布された第1部材または第2部材の摺動面と摺動部材の摺動面とが、相対回転の回転軸に対して傾斜している。このため、粘性流体が塗布された摺動面が、相対回転の回転軸に対して垂直となっている場合に、傾斜面と当接部との摺動によって発生する押圧力f(=μN:Nは傾斜面と当接部との摺動によって発生する押力)に比べて、本発明の押圧力Fが大きくなる(F>f)。
即ち、第1部材または第2部材の摺動面と摺動部材の摺動面とが、相対回転の回転軸への垂線に対して角度β(0°<β<90°)傾斜している場合には、摺動部材を相対回転の回転軸に沿って、第1部材または第2部材の摺動面側へ移動させる押圧力Fは、前記押圧力fのcosβ分の1(F=μN/cosβ)となる。従って、Nを一定にしても、角度βを大きくすることで押圧力Fを大きくすることができる。この結果、摺動部材を第1部材または第2部材の摺動面側へ移動させる押圧力Fを大きくすることができるので、粘性流体の粘度が高くなっても、摺動部材が第1部材または第2部材から弾かれるのを防止できる。よって、当接部と摺動する傾斜面の傾斜角度を小さくする必要がないので、傾斜角度を小さくした場合に生じる、回転ダンパーが効く直前の空走角の増加を防止できる。
請求項8記載の本発明は請求項1〜7の何れか1項に記載のダンパーにおいて、前記第1部材または前記第2部材の一方に形成された軸部が、前記第1部材または前記第2部材の他方に形成された円孔に挿入されることで、前記第1部材と前記第2部材とが組み付けられている。
請求項8記載の本発明の回転ダンパーでは、第1部材または第2部材の一方に形成された軸部を、第1部材または第2部材の他方に形成された円孔に挿入することで、第1部材と第2部材とを組み付けることができる。このため、回転ダンパーの組付作業性が向上する。
請求項9記載の本発明は請求項1〜8の何れか1項に記載のダンパーにおいて、前記第1部材の外周部と前記第2部材の外周部とに歯車が形成されている。
請求項9記載の本発明の回転ダンパーでは、第1部材の外周部に形成された歯車と第2部材の外周部に形成された歯車との一方の歯車に入力された回転力を制動して、他方の歯車の回転力として出力できる。このため、回転ダンパーを複数の歯車が連結された回転力伝達部に組み込むことができる。
請求項1に記載の本発明の回転ダンパーは、上記構成としたので、トルクのばらつきを抑制できる。
請求項2に記載の本発明の回転ダンパーは、上記構成としたので、トルクのばらつきを抑制できる。
請求項3に記載の本発明の回転ダンパーは、上記構成としたので、一方向及び他方向の双方の回転において回転ダンパーのトルクのばらつきを抑制できる。
請求項4に記載の本発明の回転ダンパーは、上記構成としたので、ワンウエイの回転ダンパーにすることができる。
請求項5に記載の本発明の回転ダンパーは、上記構成としたので、耐久性を向上できる。
請求項6に記載の本発明の回転ダンパーは、上記構成としたので、耐久性を更に向上できる。
請求項7に記載の本発明の回転ダンパーは、上記構成としたので、粘性流体の粘度が高くなっても、摺動部材が第1部材または第2部材から弾かれるのを防止できる。
請求項8に記載の本発明の回転ダンパーは、上記構成としたので、組付作業性を向上できる。
請求項9に記載の本発明の回転ダンパーは、上記構成としたので、複数の歯車が連結された回転力伝達部に組み込むことができる。
(第1実施形態)
次に、本発明の回転ダンパーの第1実施形態を図1〜図7に従って説明する。
なお、図中、同一又は対応する機能を有する部材(構成要素)には同じ符号を付して適宜説明を省略する。また、図1及び図2における粘性流体の表示は部材の形状を解り易くするため省略してある。
次に、本発明の回転ダンパーの第1実施形態を図1〜図7に従って説明する。
なお、図中、同一又は対応する機能を有する部材(構成要素)には同じ符号を付して適宜説明を省略する。また、図1及び図2における粘性流体の表示は部材の形状を解り易くするため省略してある。
図1及び図2に示すように、本実施形態の回転ダンパー10は、第1部材としてのハウジング12と、第2部材としてのローター14と、摺動部材としてのカムリング16とを備えている。
図7に示すように、ハウジング12は底部12Aを有する円筒状とされており、底部12Aの中央には円筒状の軸部12Bが立設されている。この軸部12Bの先端外周部には、凹部20が周方向に沿ってリング状に形成されている。また、ハウジング12の底部12Aの内周面はカムリング16との摺動面12Cとなっており、リング状となっている摺動面12Cの径方向中央には、摺動面12Cの周方向に沿って1本の凸部18が形成されている。さらに、ハウジング12の外周部には、歯車22が形成されている。
図2に示すように、ローター14は円盤状とされており、中央部に円孔24が形成されている。ローター14の円孔24には、ハウジング12の軸部12Bが挿入されており、ローター14はハウジング12の軸部12Bに回転可能に軸支されている。また、ローター14の外周部には、歯車26が形成されている。
なお、ハウジング12へローター14を回転可能に収納する構成は、ローター14の円孔24に、ハウジング12の軸部12Bを挿入する上記構成には限定されない。
図3に示すように、ローター14の円孔24の内周部におけるハウジング12の底部12Aと反対側の端部には、凸部27が周方向に沿ってリング状に形成されている。この凸部27がハウジング12の凹部20に係合することで、ローター14がハウジング12に保持されている。即ち、ローター14がハウジング12に対して軸方向へ僅かに移動しても、抜け落ちないようになっている。
図2に示すように、カムリング16はリング状(環状)とされており、ハウジング12とローター14との間に回転可能に設けられている。より具体的に説明すると、ローター14におけるカムリング16との摺動面14Aの中央部には、筒状の凸部14Bが形成されており、この凸部14Bがカムリング16の内周部に挿入されている。また、円孔24に連通している凸部14Bの内周部にハウジング12の軸部12Bが挿入されている。
ローター14の摺動面14Aの外周側縁部には、傾斜面30、32を有する凸部34が形成されている。また、傾斜面30、32は摺動面14Aの周方向に沿って180度離間した位置に2箇所形成されている。なお、傾斜面30、32は2箇所に限定されない。
図4に示すように、傾斜面30、32を有する凸部34は、ローター14の周方向の沿った長さL1が先端部34Aから根元部34Bに向かって広がった台形状となっている。このため、一方の傾斜面30の傾斜方向と、他方の傾斜面32の傾斜方向とが逆方向となっている。なお、本実施形態では、傾斜面30の傾斜角度θ1(0°<θ1<90°)の絶対値と傾斜面32の傾斜角度θ2(0°<θ2<90°)の絶対値とを同じにしたが、傾斜面30の傾斜角度θ1の絶対値と傾斜面32の傾斜角度θ2の絶対値とが異なる構成としてもよい。
図5に示すように、カムリング16におけるローター14との摺動面16Aには、当接部としての傾斜面40、42を有する凹部44が形成されている。凹部44は摺動面16Aの周方向に沿って180度離間した位置に2箇所形成されている。なお、凹部44は凸部34と同数となればよく、2箇所に限定されない。
また、傾斜面30と傾斜面40とが同一方向に傾斜し、傾斜面32と傾斜面42とが同一方向に傾斜しており、組み付け状態にある回転ダンパー10においては、ローター14の凸部34がカムリング16の凹部44に挿入され、互いに係合している。
図2に示すように、カムリング16におけるハウジング12との摺動面16Bの径方向中央には、摺動面16Bの周方向に沿って1本の凹部48が、摺動面16Bの周方向に沿って形成されている。また、図3に示すように、組み付け状態にある回転ダンパー10においては、カムリング16の凹部48とハウジング12の凸部18とが係合している。
図6に示すように、カムリング16の摺動面16Bには、開口部が円形とされた凹部50が形成されている。凹部50は摺動面16Bの周方向である、ハウジング12とカムリング16との相対回転方向に沿って所定の間隔で複数配列されている。なお、凹部50の開口部の形状は円形に限定されず、矩形や、摺動面16Bの周方向に沿った長孔等の他の形状としてもよい。また、凹部50の数や間隔も限定されない。
図3に示すように、カムリング16におけるハウジング12との摺動面16Bにはグリス等の粘性流体54が塗布されている。また、凹部50は半球状となっており、凹部50の内部には粘性流体54が充填されている。なお、凹部50は半球状に限定されず円柱状等の他の形状であってもよい。
従って、ローター14が一方向(図1、2、4の矢印A方向)へ回転すると、ローター14の傾斜面30が、カムリング16の傾斜面40と当接し、傾斜面30と傾斜面40とが摺動するようになっている。このため、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図3の矢印B方向)へ押圧するようになっている。また、ローター14が他方向(図1、2、4の矢印C方向)へ回転すると、ローター14の傾斜面32が、カムリング16の傾斜面42と当接し、傾斜面32と傾斜面42とが摺動するようになっている。このため、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図3の矢印B方向)へ押圧するようになっている。
なお、ローター14の凸部27とハウジング12の凹部20とが係合している。このため、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図3の矢印B方向)へ押圧しても、ローター14とハウジング12とが外れることはない。この結果、ローター14がハウジング12に対して一方向(矢印A方向)または他方向(矢印C方向)へ相対回転する際に、ハウジング12の摺動面12Cとカムリング16の摺動面16Bとのクリアランスの変化がなくなり、一定(略0)に保たれるようになっている。
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の回転ダンパー10では、底部12Aを有する円筒状とされたハウジング12にローター14が回転可能に収納されており、ハウジング12とローター14との間にはカムリング16が回転可能に設けられている。また、ローター14のカムリング16との摺動面14Aには傾斜面30、32が形成されており、カムリング16のローター14との摺動面16Aには当接部としての傾斜面40、42が形成されている。このため、ローター14が一方向(図1、2、4の矢印A方向)へ回転すると、ローター14の傾斜面30とカムリング16の傾斜面40とが摺動して、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図3の矢印B方向)へ押圧する。また、ローター14が他方向(図1、2、4の矢印C方向)へ回転すると、ローター14の傾斜面32とカムリング16の傾斜面42とが摺動して、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図3の矢印B方向)へ押圧する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の回転ダンパー10では、底部12Aを有する円筒状とされたハウジング12にローター14が回転可能に収納されており、ハウジング12とローター14との間にはカムリング16が回転可能に設けられている。また、ローター14のカムリング16との摺動面14Aには傾斜面30、32が形成されており、カムリング16のローター14との摺動面16Aには当接部としての傾斜面40、42が形成されている。このため、ローター14が一方向(図1、2、4の矢印A方向)へ回転すると、ローター14の傾斜面30とカムリング16の傾斜面40とが摺動して、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図3の矢印B方向)へ押圧する。また、ローター14が他方向(図1、2、4の矢印C方向)へ回転すると、ローター14の傾斜面32とカムリング16の傾斜面42とが摺動して、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図3の矢印B方向)へ押圧する。
この結果、ローター14がハウジング12に対して一方向(矢印A方向)または他方向(矢印C方向)へ相対回転する際に、ハウジング12の摺動面12Cとカムリング16の摺動面16Bとのクリアランスの変化がなくなり、一定(略0)に保たれる。このため、本実施形態の回転ダンパー10では、トルクのばらつきを抑制できる。
即ち、本実施形態の回転ダンパー10では、一方向及び他方向の双方向において,回転ダンパー10におけるトルクのばらつきを抑制できる。
また、本実施形態の回転ダンパー10では、カムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図3の矢印B方向)へ押圧する際に、スプリング等の弾性体を使用しない。このため、弾性体の荷重のばらつきや経時変化(へたり)によって発生する回転ダンパーのトルクのばらつきを抑制できる。
また、本実施形態の回転ダンパー10では、カムリング16の摺動面16Bに形成した凹部50に粘性流体54を充填する。このため、凹部50に充填された粘性流体54を、カムリング16の摺動面16Bとローター14の摺動面14Aとに供給することができる。この結果、回転ダンパー10の耐久性を向上できる。
また、本実施形態の回転ダンパー10では、粘性流体54を充填するための凹部50が、カムリング16の摺動面16Bに沿って所定の間隔で複数配列されている。このため、ハウジング12の摺動面12Cとカムリング16の摺動面16Bとの全域において、凹部50に充填された粘性流体54を供給することができる。この結果、回転ダンパー10の耐久性を更に向上できる。
また、本実施形態の回転ダンパー10では、カムリング16の摺動面16Bに粘性流体54を塗布すればよい。このため、カムリング16とハウジング12との摺動部に粘性流体を注入し充填する構成の回転ダンパーに比べて、本実施形態の回転ダンパー10では、粘性流体の漏れが発生し難いと共に、粘性流体の使用量を大幅に少なくでき、大幅なコスト低減が可能になる。
また、本実施形態の回転ダンパー10では、カムリング16の摺動面16Bにおける粘性流体54を塗布する面を、摺動面16Bにおける凹部48の外周側のみ、摺動面16Bにおける凹部48の内周側のみ、摺動面16Bにおける凹部48の外周側と内周側との双方、に選択することができる。このため、1つの粘度の粘性流体54で、3種(複数)のトルクバリエーションの回転ダンパー10を設定できる。
また、本実施形態の回転ダンパー10では、ハウジング12に形成された軸部12Bをローター14に形成された円孔24に挿入することで、ローター14の凸部27とハウジング12の凹部20とが係合し、ローター14がハウジング12に組み付けられる。このため、特殊な装置を使用せず、回転ダンパー10を容易に組み付けることができる。このため、回転ダンパー10の組付作業性が向上する。
また、本実施形態の回転ダンパー10では、組み付け時に、圧縮や圧入をしている箇所がない。このため、回転ダンパー10におけるクリープや磨耗の発生も抑制される。
また、本実施形態の回転ダンパー10では、ハウジング12の外周部に形成された歯車22とローター14の外周部に形成された歯車26との一方に入力された回転力を制動して、他方の回転力として出力できる。このため、回転ダンパー10を複数の歯車が連結された回転力伝達部に組み込むことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の回転ダンパーの第2実施形態を図8〜図11に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。また、図8及び図9における粘性流体の表示は部材の形状を解り易くするため省略してある。
次に、本発明の回転ダンパーの第2実施形態を図8〜図11に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。また、図8及び図9における粘性流体の表示は部材の形状を解り易くするため省略してある。
図8及び図9に示すように、本実施形態の回転ダンパー10では、ローター14のカムリング16との摺動面14Aにおける外周縁部に、傾斜面としての第1傾斜面60を有する凸部64が形成されている。また、凸部64には第2傾斜面62が形成されており、凸部64は摺動面14Aの周方向に沿って180度離間した位置に2箇所形成されている。なお、凸部64は2箇所に限定されない。
図10に示すように、ローター14の凸部64は、周方向の沿った長さL1が先端部64Aから根元部64Bに向かって一定となった平行四辺形状となっており、第1傾斜面60の傾斜角度α1(0°<α1<90°)と、第2傾斜面62の傾斜角度α2(0°<α2<90°)とが等しくなっている。なお、第1傾斜面60と第2傾斜面62とが同方向に傾斜していれば、第1傾斜面60の傾斜角度α1と第2傾斜面62の傾斜角度α2とが異なる構成としてもよい。
図11に示すように、カムリング16におけるローター14との摺動面16Aには、当接部としての傾斜面70と、傾斜面72を有する凹部74が形成されている。凹部74は摺動面16Aの周方向に沿って180度離間した位置に2箇所形成されている。なお、凹部44は凸部34と同数となればよく、2箇所に限定されない。
また、傾斜面60と傾斜面70とが同一方向に傾斜し、傾斜面62と傾斜面72とが同一方向に傾斜しており、組み付け状態にある回転ダンパー10においては、ローター14の凸部64がカムリング16の凹部74に挿入され、互いに係合している。従って、ローター14が一方向(図8〜10の矢印A方向)へ回転すると、ローター14の第1傾斜面60とカムリング16の傾斜面70とが摺動するようになっている。このため、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図8の矢印B方向)へ押圧するようになっている。また、ローター14が他方向(図8〜10の矢印C方向)へ回転すると、ローター14の第2傾斜面62とカムリング16の傾斜面72とが摺動するようになっている。このため、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの反対側(図8の矢印D方向)へ引き戻すようになっている。
なお、ローター14の凸部27とハウジング12の凹部20とが係合している。このため、ローター14とハウジング12とが外れることはなく、ローター14がハウジング12に対して矢印A方向へ相対回転する際には、ハウジング12の摺動面12Cとカムリング16の摺動面16Bとのクリアランスの変化がなくなり、トルクのばらつきを抑制できるようになっている。一方、ローター14がハウジング12に対して矢印C方向へ相対回転する際には、ハウジング12の摺動面12Cとカムリング16の摺動面16Bとのクリアランスが大きくなり、回転ダンパー10の矢印C方向の回転トルクが矢印A方向の回転トルクに比べて低くなるようになっている。
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の回転ダンパー10では、底部12Aを有する円筒状とされたハウジング12にローター14が回転可能に収納されており、ハウジング12とローター14との間にはカムリング16が回転可能に設けられている。また、ローター14のカムリング16との摺動面14Aには、互いに平行な第1傾斜面60と第2傾斜面62が形成されており、カムリング16のローター14との摺動面16Aには当接部としての傾斜面70と、傾斜面72が形成されている。このため、ローター14が一方向(図8〜10の矢印A方向)へ回転すると、ローター14の第1傾斜面60とカムリング16の傾斜面70とが摺動して、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図8の矢印B方向)へ押圧する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の回転ダンパー10では、底部12Aを有する円筒状とされたハウジング12にローター14が回転可能に収納されており、ハウジング12とローター14との間にはカムリング16が回転可能に設けられている。また、ローター14のカムリング16との摺動面14Aには、互いに平行な第1傾斜面60と第2傾斜面62が形成されており、カムリング16のローター14との摺動面16Aには当接部としての傾斜面70と、傾斜面72が形成されている。このため、ローター14が一方向(図8〜10の矢印A方向)へ回転すると、ローター14の第1傾斜面60とカムリング16の傾斜面70とが摺動して、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの方向(図8の矢印B方向)へ押圧する。
この結果、ローター14がハウジング12に対して矢印A方向へ相対回転する際に、ハウジング12の摺動面12Cとカムリング16の摺動面16Bとのクリアランスの変化がなくなり、一定(略0)に保たれる。このため、本実施形態の回転ダンパー10では、トルクのばらつきを抑制できる。
一方、ローター14が他方向(図8〜10の矢印C方向)へ回転すると、ローター14の第2傾斜面62とカムリング16の傾斜面72とが摺動して、ローター14がカムリング16をハウジング12の摺動面12Cの反対側(図8の矢印D方向)へ引き戻す。このため、ローター14がハウジング12に対して矢印C方向へ相対回転する際には、カムリング16が矢印D方向へ移動し、ハウジング12の摺動面12Cとカムリング16の摺動面16Bとのクリアランスが大きくなる。
この結果、本実施形態の回転ダンパー10では、ローター14とハウジング12との相対回転の一方向(図8〜10の矢印A方向)の回転トルクに対して他方向(図8〜10の矢印C方向)の回転トルクが低減される。このため、本実施形態ではワンウエイの回転ダンパー10を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の回転ダンパーの第3実施形態を図12〜図15に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。また、図12、図14及び図15における粘性流体の表示は部材の形状を解り易くするため省略してある。
次に、本発明の回転ダンパーの第3実施形態を図12〜図15に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。また、図12、図14及び図15における粘性流体の表示は部材の形状を解り易くするため省略してある。
図12に示すように、本実施形態の回転ダンパー110は、第1部材としてのハウジング112と、第2部材としてのローター114と、摺動部材としてのカムリング116とを備えている。
図14に示すように、ハウジング112は底部112Aを有する円筒状とされており、底部112Aにおけるローター114との摺動面112Bの中央には円筒部112Cが立設されている。また、ハウジング112の外周部には、歯車122が形成されている。
ローター114は円筒状とされており、軸方向中央部の内周部に隔壁114Aが形成されている。また、隔壁114Aの中央には円筒状の軸部114Bがハウジング112側に向かって立設されている。ローター114の軸部114Bは、ハウジング112の円孔としての円筒部112Cに挿入されており、ローター114はハウジング112の円筒部112Cに回転可能に軸支されている。
なお、ハウジング112へローター114を回転可能に収納する構成は、ハウジング112の円筒部112Cにローター114の軸部114Bを挿入する上記構成には限定されない。
図13に示すように、ローター114における隔壁114Aのカムリング116側の面は、カムリング116との摺動面114Cとなっている。また、摺動面114Cは回転ダンパー110の回転軸110Aへの垂線Hに対して角度β(0°<β<90°)傾斜している。
図14に示すように、カムリング116はリング状(環状)とされており、ハウジング112とローター114との間に回転可能に設けられている。より具体的に説明すると、カムリング116の中央部には、円筒部116Aがハウジング112側へ突出形成されており、この円筒部116Aにローター114の軸部114Bが挿入されている。また、ローター114の軸部114Bの外周側において、カムリング116の円筒部116Aの先端とハウジング112の円筒部112Cの先端とが当接している。
ハウジング112のカムリング116との摺動面112Bには、傾斜面130、132を有する凸部134が形成されている。また、傾斜面130、132は摺動面112Bの周方向に沿って120度離間した位置に3箇所形成されている。なお、傾斜面130、132は3箇所に限定されない。
傾斜面130、132を有する凸部134は、ローター114の周方向の沿った長さが先端部134Aから根元部134Bに向かって広がった台形状となっている。このため、一方の傾斜面130の傾斜方向と、他方の傾斜面132の傾斜方向とが逆方向となっている。なお、本実施形態では、傾斜面130の傾斜角度の絶対値と傾斜面132の傾斜角度の絶対値とを同じにしたが、傾斜面130の傾斜角度の絶対値と傾斜面132の傾斜角度の絶対値とが異なる構成としてもよい。
図15に示すように、カムリング116におけるハウジング112との摺動面116Bには、当接部としての傾斜面140、142を有する凹部144が形成されている。凹部144は摺動面116Bの周方向に沿って120度離間した位置に3箇所形成されている。なお、凹部144は凸部134と同数となればよく、3箇所に限定されない。
また、傾斜面130と傾斜面140とが同一方向に傾斜し、傾斜面132と傾斜面142とが同一方向に傾斜しており、組み付け状態にある回転ダンパー110においては、ハウジング112の凸部134がカムリング116の凹部144に挿入され、互いに係合するようになっている。
図13に示すように、ローター114の摺動面114Cと摺動するカムリング116の摺動面116Cも、回転ダンパー110の回転軸110Aへの垂線Hに対して角度β傾斜している。
図14に示すように、カムリング116のローター114との摺動面116Cには、開口部が矩形とされた凹部150が形成されている。凹部150は摺動面116Cの周方向である、ローター114とカムリング116との相対回転方向に沿って所定の間隔で複数配列されていると共に、摺動面116Cの傾斜方向に沿っても所定の間隔で複数配列されている。なお、凹部150の開口部の形状は矩形に限定されず、円形や、摺動面116Cの周方向に沿った長孔等の他の形状としてもよい。また、凹部150の数や間隔も限定されない。
図13に示すように、カムリング116におけるローター114との摺動面116Cにはグリス等の粘性流体54が塗布されている。また、凹部150は矩形箱状となっており、凹部150の内部には粘性流体54が充填されている。なお、凹部150は矩形箱状に限定されず他の形状であってもよい。
従って、ハウジング112が一方向(図14の矢印A方向)へ回転すると、ハウジング112の傾斜面130が、カムリング116の傾斜面140と当接し、傾斜面130と傾斜面140とが摺動するようになっている。このため、ハウジング112がカムリング116をローター114の摺動面114Cの方向(図14の矢印B方向)へ押圧するようになっている。また、ハウジング112が他方向(図14の矢印C方向)へ回転すると、ハウジング112の傾斜面132が、カムリング16の傾斜面142と当接し、傾斜面132と傾斜面142とが摺動するようになっている。このため、ハウジング112がカムリング116をローター114の摺動面114Cの方向(図14の矢印B方向)へ押圧するようになっている。
この結果、ローター114とハウジング112とが一方向(矢印A方向)または他方向(矢印C方向)へ相対回転する際に、ローター114の摺動面114Cとカムリング116の摺動面116Cとのクリアランスの変化がなくなり、一定(略0)に保たれるようになっている。
また、回転ダンパー110では、ローター114とカムリング116との摺動面に塗布された粘性流体54の粘度(μ)が高く、ローター114とカムリング116とが高速で相対回転した場合に、粘性流体54の抵抗によってカムリング116がローター114から弾かれようとする。即ち、カムリング116を回転ダンパー110の回転軸110A(相対回転の回転軸)に沿って、ローター114の摺動面114Cから離間する方向へ移動させる反発力が発生する。このため、傾斜面130、132の傾斜角度を小さくして、カムリング116をローター114側へ移動し易くことが考えられるが、傾斜面130、132の傾斜角度を小さくした場合には、回転ダンパー110が効く直前の空走角が増加する。このため、傾斜面130、132の傾斜角度を小さくせずに、前記反発力に抗してカムリング116を回転ダンパー110の回転軸110Aに沿って、ローター114の摺動面114C方向へ移動させる(押し戻す)押圧力を、ハウジング112の傾斜面130、132と、カムリング16の傾斜面140、142との摺動によって発生させる必要がある。
これに対して、本実施形態の回転ダンパー110では、粘性流体54が塗布されたローター114の摺動面114Cとカムリング116の摺動面116Cとが、回転ダンパー110の回転軸110Aに対して傾斜しており、ローター114の摺動面114Cの内周側にカムリング116の摺動面116Cが配置されている。このため、粘性流体が塗布された摺動面が、回転ダンパー110の回転軸110Aの回転軸に対して垂直となっている場合(例えば、第1実施形態のような構成)の、ハウジング112の傾斜面130、132と、カムリング16の傾斜面140、142との摺動によって発生する押圧力f(=μN:Nはハウジング112の傾斜面130、132と、カムリング16の傾斜面140、142との摺動によって発生する押力)に比べて、本実施形態の押圧力(図13の矢印F)が大きくなる(F>f)ようになっている。
即ち、ローター114の摺動面114Cとカムリング116の摺動面116Cとが、回転ダンパー110の回転軸110Aへの垂線Hに対して角度β傾斜している本実施形態では、カムリング116を回転ダンパー110の回転軸110Aに沿って、ローター114側へ移動させる押圧力Fは、前記押圧力fのcosβ分の1(F=μN/cosβ)となるようになっている。
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の回転ダンパー110では、底部112Aを有する円筒状とされたハウジング112にローター114が回転可能に収納されており、ハウジング112とローター114との間にはカムリング116が回転可能に設けられている。また、ハウジング112のカムリング116との摺動面112Bには傾斜面130、132が形成されており、ハウジング112の摺動面112Bと摺動するカムリング116の摺動面116Bには当接部としての傾斜面140、142が形成されている。このため、ハウジング112が一方向(図12の矢印A方向)へ回転すると、ハウジング112の傾斜面130とカムリング116の傾斜面140とが摺動して、ハウジング112がカムリング116をローター114の摺動面114Cの方向(図13の矢印B方向)へ押圧する。また、ハウジング112が他方向(図12の矢印C方向)へ回転すると、ハウジング112の傾斜面132とカムリング116の傾斜面142とが摺動して、ハウジング112がカムリング116をローター114の摺動面114Cの方向(図13の矢印B方向)へ押圧する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の回転ダンパー110では、底部112Aを有する円筒状とされたハウジング112にローター114が回転可能に収納されており、ハウジング112とローター114との間にはカムリング116が回転可能に設けられている。また、ハウジング112のカムリング116との摺動面112Bには傾斜面130、132が形成されており、ハウジング112の摺動面112Bと摺動するカムリング116の摺動面116Bには当接部としての傾斜面140、142が形成されている。このため、ハウジング112が一方向(図12の矢印A方向)へ回転すると、ハウジング112の傾斜面130とカムリング116の傾斜面140とが摺動して、ハウジング112がカムリング116をローター114の摺動面114Cの方向(図13の矢印B方向)へ押圧する。また、ハウジング112が他方向(図12の矢印C方向)へ回転すると、ハウジング112の傾斜面132とカムリング116の傾斜面142とが摺動して、ハウジング112がカムリング116をローター114の摺動面114Cの方向(図13の矢印B方向)へ押圧する。
この結果、ハウジング12がローター14に対して一方向(矢印A方向)または他方向(矢印C方向)へ相対回転する際に、ローター114の摺動面114Cとカムリング116の摺動面116Cとのクリアランスの変化がなくなり、一定(略0)に保たれる。このため、本実施形態の回転ダンパー110では、トルクのばらつきを抑制できる。
また、本実施形態の回転ダンパー110では、ローター114の摺動面114Cとカムリング116の摺動面116Cとが、回転ダンパー110の回転軸110Aに対して傾斜しており、ローター114の摺動面114Cの内周側にカムリング116の摺動面116Cが配置されている。このため、粘性流体が塗布された摺動面が、回転ダンパー110の回転軸110Aの回転軸に対して垂直となっている場合(例えば、第1実施形態のような構成)の、ハウジング112の傾斜面130、132と、カムリング16の傾斜面140、142との摺動によって発生する押圧力f(=μN:Nはハウジング112の傾斜面130、132と、カムリング16の傾斜面140、142との摺動によって発生する押力)に比べて、本実施形態の押圧力(図13の矢印F)が大きくなる(F>f)。
即ち、ローター114の摺動面114Cとカムリング116の摺動面116Cとが、回転ダンパー110の回転軸110Aへの垂線Hに対して角度β傾斜している本実施形態では、カムリング116を回転ダンパー110の回転軸110Aに沿って、ローター114側へ移動させる押圧力Fは、前記押圧力fのcosβ分の1(F=μN/cosβ)となる。このため、βを大きくすれば、Nを一定にしてもFの値を大きくすることができる。
よって、本実施形態の回転ダンパー110では、粘性流体54の粘度が高くなっても、カムリング116がローター114から弾かれるのを防止できる。このため、ハウジング112の凸部134の傾斜面130、132の傾斜角度を小さくする必要がないので、ハウジング112の凸部134の傾斜面130、132の傾斜角度を小さくした場合に生じる、回転ダンパー110が効く直前の空走角の増加を防止できる。
さらに、本実施形態の回転ダンパー110では、ローター114の摺動面114Cとカムリング116の摺動面116Cとが、回転ダンパー110の回転軸110Aに対して傾斜しているため、摺動面の面積が増え、トルクの発生効率が向上する。この結果、回転ダンパー110の小型高トルク化が可能になる。また、温度特性が良い粘度(μ)の高い粘性流体54の使用が可能になる。
(その他の実施形態)
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記第1実施形態では、ローター14に傾斜面30、32を形成し、カムリング16に当接部としての傾斜面40、42を形成した構成として説明したが、上記第1実施形態は、カムリング16に傾斜面40、42を形成し、ローター14に当接部としての傾斜面30、32を形成した構成でもある。さらに、当接部は傾斜面でなく、垂直面等でもよい。
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記第1実施形態では、ローター14に傾斜面30、32を形成し、カムリング16に当接部としての傾斜面40、42を形成した構成として説明したが、上記第1実施形態は、カムリング16に傾斜面40、42を形成し、ローター14に当接部としての傾斜面30、32を形成した構成でもある。さらに、当接部は傾斜面でなく、垂直面等でもよい。
また、上記第2実施形態では、ローター14に第1傾斜面60と第2傾斜面32を形成し、カムリング16に当接部としての傾斜面70と、傾斜面72を形成した構成として説明したが、上記第2実施形態は、カムリング16に第1傾斜面70と第2傾斜面72を形成し、ローター14に当接部としての傾斜面60と、傾斜面62を形成した構成でもある。
また、上記第3実施形態では、ハウジング112に傾斜面130、132を形成し、カムリング116に当接部としての傾斜面140、142を形成した構成として説明したが、上記第3実施形態は、カムリング116に傾斜面140、142を形成し、ハウジング112に当接部としての傾斜面130、132を形成した構成でもある。さらに、当接部は傾斜面でなく、垂直面等でもよい。
また、上記第1、第2実施形態では、ハウジング12の外周部に歯車22を形成し、ローター14の外周部に歯車26を形成したが、歯車に代えてハウジング12の外周部またはローター14の外周部をローラ形状等としてもよい。
また、上記第1、第2実施形態では、カムリング16の摺動面16Bに凹部50を形成したが、カムリング16の摺動面16Bに凹部50を形成しない構成としてもよい。さらに、上記第1、第2実施形態では、カムリング16の摺動面16Bのみに凹部50を形成したが、これに代えて、ハウジング12の摺動面12Cのみに凹部50を形成してもよい。また、カムリング16の摺動面16Bとハウジング12の摺動面12Cとの双方に凹部50を形成してもよい。
また、上記第3実施形態では、カムリング116の摺動面116Cに凹部150を形成したが、カムリング116の摺動面116Cに凹部150を形成しない構成としてもよい。さらに、上記第3実施形態では、カムリング116の摺動面116Cのみに凹部150を形成したが、これに代えて、ローター114の摺動面114Cのみに凹部150を形成してもよい。また、カムリング116の摺動面116Cとローター114の摺動面114Cとの双方に凹部150を形成してもよい。
10 回転ダンパー
12 ハウジング(第1部材)
12A ハウジングの底部
12B ハウジングの軸部
12C ハウジングの摺動面
14 ローター(第2部材)
14A ローターの摺動面
16 カムリング(摺動部材)
16A カムリングの摺動面
16B カムリングの摺動面
22 歯車
24 ローターの円孔
26 歯車
30 傾斜面
32 傾斜面
40 傾斜面(当接部)
42 傾斜面(当接部)
50 凹部
54 粘性流体
60 第1傾斜面
62 第2傾斜面
70 傾斜面(当接部)
72 傾斜面
110 回転ダンパー
112 ハウジング(第1部材)
112A ハウジングの底部
112B ハウジングの摺動面
112C ハウジングの円筒部
114 ローター(第2部材)
114A ローターの隔壁
114B ローターの軸部
114C ローターの摺動面
116 カムリング(摺動部材)
116A カムリングの円筒部
116B カムリングの摺動面
116C カムリングの摺動面
130 傾斜面
132 傾斜面
140 傾斜面(当接部)
142 傾斜面(当接部)
150 凹部
12 ハウジング(第1部材)
12A ハウジングの底部
12B ハウジングの軸部
12C ハウジングの摺動面
14 ローター(第2部材)
14A ローターの摺動面
16 カムリング(摺動部材)
16A カムリングの摺動面
16B カムリングの摺動面
22 歯車
24 ローターの円孔
26 歯車
30 傾斜面
32 傾斜面
40 傾斜面(当接部)
42 傾斜面(当接部)
50 凹部
54 粘性流体
60 第1傾斜面
62 第2傾斜面
70 傾斜面(当接部)
72 傾斜面
110 回転ダンパー
112 ハウジング(第1部材)
112A ハウジングの底部
112B ハウジングの摺動面
112C ハウジングの円筒部
114 ローター(第2部材)
114A ローターの隔壁
114B ローターの軸部
114C ローターの摺動面
116 カムリング(摺動部材)
116A カムリングの円筒部
116B カムリングの摺動面
116C カムリングの摺動面
130 傾斜面
132 傾斜面
140 傾斜面(当接部)
142 傾斜面(当接部)
150 凹部
Claims (9)
- 底部を有する円筒状とされた第1部材と、
前記第1部材に回転可能に収納された第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に回転可能に設けられ、前記第1部材の摺動面と摺動する摺動面に粘性流体が塗布された摺動部材と、
前記第2部材と前記摺動部材との各摺動面の一方に形成された当接部と、
前記第2部材と前記摺動部材との各摺動面の他方に形成され、前記第1部材と前記第2部材との相対回転により前記第2部材と前記摺動部材とが相対回転することによって前記当接部と摺動して前記摺動部材を前記第1部材の摺動面側へ押圧する傾斜面と、
を有する回転ダンパー。 - 底部を有する円筒状とされた第1部材と、
前記第1部材に回転可能に収納された第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に回転可能に設けられ、前記第2部材の摺動面と摺動する摺動面に粘性流体が塗布された摺動部材と、
前記第1部材と前記摺動部材との各摺動面の一方に形成された当接部と、
前記第1部材と前記摺動部材との各摺動面の他方に形成され、前記第1部材と前記第2部材との相対回転により前記第1部材と前記摺動部材とが相対回転することによって前記当接部と摺動して前記摺動部材を前記第2部材の摺動面側へ押圧する傾斜面と、
を有する回転ダンパー。 - 前記傾斜面は、前記第2部材または前記第1部材と前記摺動部材との一方向の相対回転により前記摺動部材を前記第1部材または前記第2部材の摺動面側へ押圧し、前記第2部材または前記第1部材と前記摺動部材との他方向の相対回転によっても前記摺動部材を前記第1部材または前記第2部材の摺動面側へ押圧する一対の傾斜面である請求項1または請求項2に記載の回転ダンパー。
- 前記傾斜面は、前記第2部材または前記第1部材と前記摺動部材との一方向の相対回転により前記摺動部材を前記第1部材または前記第2部材の摺動面側へ押圧する第1傾斜面であって、該第1傾斜面に加えて、前記第2部材または前記第1部材と前記摺動部材との他方向の相対回転により前記当接部に形成した傾斜面と摺動して前記摺動部材を前記第1部材または前記第2部材の摺動面の反対側へ引き戻す第2傾斜面を有する請求項1または請求項2に記載の回転ダンパー。
- 前記第1部材または前記第2部材の摺動面と前記摺動部材の摺動面との少なくとも一方に前記粘性流体を充填する凹部を形成した請求項1〜4の何れか1項に記載の回転ダンパー。
- 前記凹部が前記第1部材または前記第2部材と前記摺動部材との相対回転方向に沿って所定の間隔で複数配列されている請求項5に記載の回転ダンパー。
- 前記第1部材または前記第2部材の摺動面と前記摺動部材の摺動面とが、前記相対回転の回転軸に対して傾斜している請求項1〜6の何れか1項に記載の回転ダンパー。
- 前記第1部材または前記第2部材の一方に形成された軸部が、前記第1部材または前記第2部材の他方に形成された円孔に挿入されることで、前記第1部材と前記第2部材とが組み付けられている請求項1〜7の何れか1項に記載の回転ダンパー。
- 前記第1部材の外周部と前記第2部材の外周部とに歯車が形成されている請求項1〜8の何れか1項に記載の回転ダンパー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011129781A JP2012255509A (ja) | 2011-06-10 | 2011-06-10 | 回転ダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011129781A JP2012255509A (ja) | 2011-06-10 | 2011-06-10 | 回転ダンパー |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2012255509A true JP2012255509A (ja) | 2012-12-27 |
Family
ID=47527249
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2011129781A Pending JP2012255509A (ja) | 2011-06-10 | 2011-06-10 | 回転ダンパー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2012255509A (ja) |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006112115A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Atom Livin Tech Co Ltd | ソフトクローザ及びそれを用いた扉体 |
| JP2008144779A (ja) * | 2006-12-06 | 2008-06-26 | Fuji Latex Kk | 回転ダンパ−装置 |
| JP2010533092A (ja) * | 2007-07-10 | 2010-10-21 | ブローズ ファールツォイクタイレ ゲーエムベーハー ウント シーオー. カーゲー, コブルク | 変位可能な自動車構成品を固定するための自動車用ロック装置 |
-
2011
- 2011-06-10 JP JP2011129781A patent/JP2012255509A/ja active Pending
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2010533092A (ja) * | 2007-07-10 | 2010-10-21 | ブローズ ファールツォイクタイレ ゲーエムベーハー ウント シーオー. カーゲー, コブルク | 変位可能な自動車構成品を固定するための自動車用ロック装置 |
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