JP2012500227A - キャノーラ油糧種子(「ブレンダーテイン(blendertein)」)からのキャノーラタンパク質単離物の調製 - Google Patents

キャノーラ油糧種子(「ブレンダーテイン(blendertein)」)からのキャノーラタンパク質単離物の調製 Download PDF

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Abstract

油糧種子を粉砕し、粉砕したキャノーラ油糧種子を抽出することによって、キャノーラタンパク質単離物をキャノーラ油糧種子から回収する。粉砕した油糧種子から共抽出した脂肪をキャノーラタンパク質水溶液から除去し、次いで、キャノーラタンパク質水溶液をミセル経路によって処理してキャノーラタンパク質単離物を得る。

Description

関連出願の参照
本出願は、2008年8月18日出願の米国特許仮出願第61/136,192号からの米国特許法(35USC)第119(e)条の下での優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、キャノーラタンパク質単離物の調製に関する。
発明の背景
キャノーラ油糧種子の処理では、種子を粉砕して、種子のキャノーラ油成分の大半を除去する。残留する粉砕種子を、通常はヘキサンを使用して溶媒抽出し、油の残りを回収する。次いで、溶媒を再利用のために回収して、キャノーラ油糧種子粗粉を製造する。
少なくとも100wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有するキャノーラ油糧種子タンパク質単離物は、本譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれた、同時係属の2002年5月3日出願の米国特許出願第10/137,391号(米国特許出願公開第2003−0125526A1号およびWO02/089597)および2004年6月9日出願の米国特許出願第10/476,230号(米国特許出願公開第2004−0254353A1号)に記載の方法によって油糧種子粗粉から形成することができる。この手順は、塩水溶液を用いてキャノーラ油糧種子粗粉を抽出するステップと、得られたタンパク質水溶液を残留油糧種子粗粉から分離するステップと、選択的膜技術を用いてイオン強度を実質的に一定に維持しながら、水溶液のタンパク質濃度を少なくとも約200g/Lに増加させるステップと、得られた濃縮タンパク質溶液を冷水中に希釈し、タンパク質のミセルの形成をもたらすステップと、タンパク質のミセルを沈降させて非晶質、粘着性で、ゼラチン状のグルテン様タンパク質ミセル塊(protein micellar mass)(PMM)を形成するステップと、タンパク質ミセル塊を、少なくとも約100wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有する上澄み液から回収するステップとを含む多数のステップのプロセスを含む。本明細書で用いる場合、タンパク質含量は、乾燥重量基準で測定される。回収したPMMは乾燥することができる。
本方法の一実施形態では、PMM沈降ステップからの上澄み液を処理して、キャノーラタンパク質単離物を上澄み液から回収する。この手順は、最初に限外濾過膜を使用して上澄み液を濃縮し、濃縮物を乾燥させることによって行うことができる。得られるキャノーラタンパク質単離物は、少なくとも約90wt%、好ましくは少なくとも約100wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有する。
米国特許出願第10/137,391号に記載の手順は、基本的に回分式手順である。本譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれた、同時係属の2002年11月19日出願の米国特許出願第10/298,678号(WO03/043439)では、キャノーラタンパク質単離物を作るための連続プロセスが記載されている。それによると、キャノーラ油糧種子粗粉を塩水溶液と連続的に混合し、その混合物をパイプを通して輸送し、同時にキャノーラ油糧種子粗粉からタンパク質を抽出してタンパク質水溶液を形成し、そのタンパク質水溶液を選択的膜操作によって連続的に輸送して、イオン強度を実質的に一定に維持しながらタンパク質水溶液のタンパク質含量を少なくとも約50g/Lに増加させ、得られた濃縮タンパク質溶液を冷水と連続的に混合してタンパク質のミセルの形成をもたらし、そのタンパク質のミセルを連続的に沈降させ、同時に所望の量のPMMが沈降容器に蓄積するまで上澄み液を連続的にあふれさせる。PMMを沈降容器から回収し、乾燥させることができる。PMMは、少なくとも約90wt%(N×6.25)、好ましくは少なくとも約100wt%のタンパク質含量を有する。上記のように、あふれた上澄み液を処理してそこからキャノーラタンパク質単離物を回収することができる。
出願人らは、油糧種子を磨砕し、次いで処理してタンパク質を回収する、油糧種子から種々のタンパク質を回収するために使用される手順を認識している。代表的な例は、米国特許第2,762,820号および第4,151,310号である。キャノーラは、このような従来技術の手順で処理される油糧種子の中にはない。
キャノーラは、ナタネ(rapeseed)またはアブラナ(oil seed rape)としても知られている。
米国特許出願公開第2003−0125526号 米国特許出願公開第2004−0254353号 WO03/043439 米国特許第2762820号 米国特許第4151310号
本発明の方法では、キャノーラ油糧種子に対して一般的に行う最初の油除去ステップを省略する。本発明の一態様によると、
キャノーラ油糧種子を磨砕するステップと、
磨砕キャノーラ油糧種子を水性抽出媒体により抽出して、磨砕キャノーラ油糧種子中のキャノーラタンパク質を可溶化し、キャノーラタンパク質水溶液を形成するステップと、
キャノーラタンパク質水溶液を残留磨砕キャノーラ油糧種子から分離するステップと、
キャノーラタンパク質水溶液を脱脂するステップと、
脱脂キャノーラタンパク質水溶液を清澄化するステップと、
イオン強度を実質的に一定に維持しながら、清澄化したキャノーラタンパク質水溶液を濃縮して、濃縮キャノーラタンパク質溶液を形成するステップと、
任意選択で、濃縮キャノーラタンパク質溶液を透析濾過するステップと、
任意選択で、場合により透析濾過した濃縮キャノーラタンパク質溶液を低温殺菌するステップと、
濃縮キャノーラタンパク質溶液を冷水中に希釈して、キャノーラタンパク質のミセルを形成させるステップと、
キャノーラタンパク質ミセルを、タンパク質ミセル塊として回収するステップと、
タンパク質ミセル塊を乾燥させて、少なくとも約90wt%(N×6.25)d.b.、好ましくは少なくとも約100wt%d.b.のタンパク質含量を有するキャノーラタンパク質単離物を形成するステップと、
任意選択で、タンパク質ミセル塊の回収から得た上澄み液を処理して、少なくとも約90wt%(N×6.25)d.b.、好ましくは少なくとも約100wt%d.b.のタンパク質含量を有するさらなるキャノーラタンパク質単離物を形成するステップと
を含む、キャノーラ油糧種子からキャノーラタンパク質単離物を調製する方法が提供される。
キャノーラ油糧種子からキャノーラタンパク質単離物を回収するために本発明で使用する手順は、出発物質が、種子から油を回収するという主要目的のためのキャノーラ油糧種子の処理から得られる残留粗粉である、上記方法によりキャノーラタンパク質単離物を回収する方法よりも、単離物の色に関してより高品質、すなわちより着色の少ない生成物が本発明では得られる点で優れている。
本発明の方法により製造するキャノーラタンパク質単離物は、加工食品および飲料のタンパク質強化、油の乳化、焼き物における素地形成剤(body formers)、ならびに気体を捕捉する製品中の発泡剤などの、タンパク質単離物の従来の用途に使用することができる。さらに、キャノーラタンパク質単離物は、肉類似物(meat analogs)において有用なタンパク質繊維を形成することができ、卵白をつなぎとして使用する場合に、食品中の卵白代用品または増量剤(extender)として使用することができる。キャノーラタンパク質単離物は、栄養補助剤として使用することができる。キャノーラタンパク質単離物の他の用途は、ペットフード、動物飼料、工業および化粧用途、ならびにパーソナルケア製品にある。
発明の概略説明
本発明では、無処理の(inact)キャノーラ油糧種子を磨砕して、キャノーラ油糧種子の磨砕塊(ground mass)を提供する。キャノーラ油糧種子の磨砕塊からキャノーラタンパク質単離物を提供する方法の最初のステップは、磨砕キャノーラ油糧種子からタンパク質性物質(proteinaceous material)を可溶化することを含む。あるいは、種子を高せん断ポンプなどの任意選択の好都合な装置を使用して湿式磨砕して、同時に種子を磨砕しタンパク質を可溶化することができる。キャノーラ種子から回収したタンパク質性物質(proteinaceous material)は、キャノーラ種子中に天然に存在するタンパク質であってよく、またはそのタンパク質性物質(proteinaceous material)は、遺伝子操作によって改変されているが、天然のタンパク質の特徴的な疎水性および極性の特性を有しているタンパク質であってよい。
塩の存在が、粉砕キャノーラ油糧種子からの可溶性タンパク質の除去を増大させるので、タンパク質可溶化は食品グレードの塩溶液を使用することによって最も効率的に行われる。キャノーラタンパク質単離物を食品以外へ使用するつもりである場合、非食品グレードの化学製品を使用することができる。塩化カリウムなどの他の塩を使用することができるが、塩は通常塩化ナトリウムである。塩溶液は、かなりの量のタンパク質の可溶化が行われるのを可能にするため、少なくとも約0.05、好ましくは少なくとも約0.10のイオン強度を有する。塩溶液のイオン強度が増加するにつれて、キャノーラ油糧種子中のタンパク質の可溶化の程度は、最大値に達するまで最初は増加する。その後のイオン強度の増加は、可溶化される全体のタンパク質を増加させない。最大のタンパク質可溶化をもたらす食品グレードの塩溶液のイオン強度は、当該塩に応じて変わる。
イオン強度の増加に伴ってタンパク質の沈殿に要する希釈度がより大きくなることを考慮して、約0.8未満のイオン強度値、より好ましくは約0.1〜約0.15の値を用いることが通常好ましい。
回分プロセスでは、タンパク質の塩可溶化を、約5℃〜約75℃の温度で、通常約10〜約60分である可溶化時間を短縮するために、好ましくは攪拌を伴って行う。全体として高い製品収率を得るために、キャノーラ油糧種子粗粉から実質的に可能な限り多くのタンパク質を抽出するように可溶化を行うことが好ましい。
この温度より低いと可溶化が実際的でないくらい遅くなるので、約5℃の下限温度を選択し、一方で存在するタンパク質のいくらかの変性温度のため約75℃の好ましい上限温度を選択する。
連続プロセスでは、キャノーラ油糧種子からのタンパク質の抽出を、キャノーラ油糧種子からのタンパク質の連続的抽出を行うのに調和した任意選択の方法で行う。一実施形態では、粉砕キャノーラ油糧種子を食品グレードの塩溶液と連続的に混合し、その混合物を、ある長さを有するパイプまたは導管を通して、本明細書に記載のパラメータによる所望の抽出を行うのに十分な滞留時間をもたらす流速で輸送する。このような連続的手順では、塩可溶化ステップは、好ましくはキャノーラ油糧種子粗粉から実質的に可能な限り多くのタンパク質を抽出するように可溶化を行うために、迅速に、約10分までの時間で行う。連続的手順での可溶化は、約10℃と約75℃の間、好ましくは約15℃と約35℃の間の温度で行う。
食品グレードの塩水溶液は、一般的に約5〜約6.8、好ましくは約5.3〜約6.2のpHを有し、この塩溶液のpHは、抽出ステップで使用するために、必要に応じて、任意選択の好都合な酸、通常は塩酸、またはアルカリ、通常は水酸化ナトリウムを使用することによって、約5〜約6.8の範囲内の任意選択の所望の値に調整することができる。
可溶化ステップ中の食品グレードの塩溶液中の磨砕キャノーラ油糧種子の濃度は、広範囲で変えられる。典型的な濃度値は、約5〜約25%w/vである。
塩水溶液によるタンパク質抽出ステップは、キャノーラ種子中に存在する脂肪を可溶化する追加的な効果を有し、それによって脂肪が水相中に存在するという結果になる。
抽出ステップから得られたタンパク質溶液は、一般的に約3〜約40g/L、好ましくは約10〜約30g/Lのタンパク質濃度を有する。
塩水溶液は、酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意選択の好都合な酸化防止剤とすることができる。使用する酸化防止剤の量は、溶液の約0.01〜約1wt%で変えることができ、好ましくは約0.05wt%である。酸化防止剤は、タンパク質溶液中のフェノール類の酸化を抑制するのに役立つ。
次いで、抽出ステップから得られた水相を、デカンター型遠心分離機の使用に続いて、ディスク型遠心分離によって残留する種子材料を除去することによるなどの任意選択の好都合な方法で、残留するキャノーラ種子材料から分離することができる。分離した残留種子材料は処分するためまたはさらに処理するために乾燥することができる。
キャノーラタンパク質水溶液中に存在する脂肪は、本譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第5,844,086号および第6,005,076号に記載の手順によって除去することができる。
上記特許に記載のように、キャノーラタンパク質水溶液を約3°〜約7℃の温度に冷却して、デカント(decanting)などの任意選択の好都合な手順によって、脂肪を水相から分離させて除去することができる。あるいは、脂肪を、クリーム分離機を使用して遠心分離によってより高温で除去することができる。いったん脂肪を除去したら、キャノーラタンパク質水溶液を、濾過によってさらに清澄化することができる。キャノーラタンパク質水溶液から回収したキャノーラ油を処理して、キャノーラ油を商業的用途で使用することができる。
あるいは、キャノーラタンパク質水溶液を、三相デカンター(three phase decanter)を使用するなどの任意選択の好都合な手順によって、油相および残留キャノーラ種子物質から同時に分離することができる。次いで、キャノーラタンパク質水溶液を濾過してさらに清澄化することができる。
キャノーラタンパク質の最終単離物の色は、分離したタンパク質水溶液と、粉末活性炭または他の色素吸着剤を混合し、引き続いて濾過により好都合に吸着剤を除去してタンパク質溶液を得ることによって、明色およびより弱い黄色の観点から、改善することができる。色素の除去に透析濾過を使用することもできる。
このような色素除去ステップは、任意選択の適当な色素吸着剤を使用して、一般的に分離したタンパク質水溶液の周囲温度で、任意選択の好都合な条件下で行うことができる。粉末活性炭は、約0.025%〜約5%w/v、好ましくは約0.05%〜約2%w/vの量を使用する。
水のみの使用では、塩水溶液よりも磨砕キャノーラ油糧種子からのタンパク質の抽出が少ない傾向があるが、塩水溶液による磨砕キャノーラ油糧種子の抽出の代替法として水のみを使用して抽出を行うことができる。このような代替法を使用する場合、以下で説明する濃縮ステップ中にタンパク質を溶液中に維持するために、残留磨砕油糧種子からの分離後に、上記の濃度で塩をタンパク質溶液に添加することができる。第1脂肪除去ステップを行う場合、塩は一般的にこのような操作の完了後に添加する。
別の代替手順は、一般的に約9.9までの、約6.8を超える比較的高いpH値で、食品グレードの塩溶液により磨砕キャノーラ油糧種子を抽出するというものである。食品グレードの塩溶液のpHは、水酸化ナトリウム水溶液などの任意選択の好都合な食品グレードのアルカリを使用することによって、所望のアルカリ性値のpHに調整することができる。あるいは、磨砕油糧種子は、一般的に約pH3までの、約pH5未満の比較的低いpHで、塩溶液により抽出することができる。このような代替法を使用する場合、磨砕油糧種子の抽出ステップから得られた水相は、上で述べた任意選択の好都合な方法で、残留するキャノーラ種子材料から分離する。分離した残留キャノーラ油糧種子材料は処分するため、またはさらに処理するために乾燥することができる。
次いで、高pHまたは低pH抽出ステップから得られたタンパク質水溶液を、以下に述べるさらなる処理の前に、上記のように、約5〜約6.8、好ましくは約5.3〜約6.2の範囲にpH調整する。このようなpH調整は、必要に応じて、任意選択の好都合な塩酸などの酸または水酸化ナトリウムなどのアルカリを使用して行うことができる。
キャノーラタンパク質水溶液を濃縮してそのタンパク質濃度を増加させると同時に、そのイオン強度を実質的に一定に維持する。このような濃縮は、一般的に約50〜約250g/L、好ましくは約200g/Lのタンパク質濃度を有する濃縮タンパク質溶液を得るように行う。
濃縮ステップは、異なる膜材料および構造を考慮して、約3000〜約100000ダルトン、好ましくは約5000〜約10000ダルトンなどの適当な分画分子量(molecular weight cut−off)を有し、連続操作の場合には、タンパク質水溶液が膜を通過する際に所望の濃縮度が可能になるような寸法にする、中空繊維膜またはスパイラル膜(spiral−wound membranes)などの膜を使用した、限外濾過または透析濾過などの任意選択の好都合な選択的膜技術を使用するなど、回分操作または連続操作に調和した任意選択の好都合な方法で行うことができる。
周知のように、限外濾過および同様の選択的膜技術は、低分子量の種が膜を通過するのを許すと同時に、高分子量の種が膜を通過するのを阻止する。低分子量の種には、食品グレードの塩のイオン種だけでなく、炭水化物、色素および抗栄養因子(anti−nutritional factors)などの供給源材料から抽出された低分子量物質、ならびに任意選択の低分子量形タンパク質も含まれる。膜の分画分子量(molecular weight cut−off)は、通常、異なる膜材料および構造を考慮して、かなりの割合のタンパク質を溶液中に確実に保持すると同時に、汚染物質が通過するのを許すよう選択する。
次いで、濃縮タンパク質溶液を、抽出溶液と同じモル濃度(molarity)およびpHの塩水溶液を使用して、透析濾過ステップに供することができる。このような透析濾過は、約2〜約20倍容(volumes)の透析濾過溶液、好ましくは約5〜約10倍容(volumes)の透析濾過溶液を使用して行うことができる。透析濾過操作では、膜を通して透過液(permeate)を通過させることにより、キャノーラタンパク質水溶液からさらなる量の汚染物質を除去する。透析濾過操作は、さらなる有意の量の汚染物質および目に見える色が透過液(permeate)中に存在しなくなるまで行うことができる。このような透析濾過は、濃縮ステップ用のものと同じ膜を使用して行うことができる。しかしながら、所望であれば、透析濾過ステップは、異なる膜材料および構造を考慮して、約3000〜約100000ダルトン、好ましくは約5000〜約10000ダルトンの範囲の分画分子量(molecular weight cut−off)を有する膜などの、異なる分画分子量(molecular weight cut−off)を有する分離膜を使用して行うことができる。
透析濾過ステップの少なくとも一部の間で、酸化防止剤を透析濾過媒体中に存在させることができる。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意選択の好都合な酸化防止剤であってよい。透析濾過媒体中で使用する酸化防止剤の量は、使用する物質に依存し、約0.01〜約1wt%で変えることができ、好ましくは約0.05wt%である。酸化防止剤は、キャノーラタンパク質単離物の濃縮溶液中に存在するフェノール類の酸化を抑制するのに役立つ。
濃縮ステップおよび透析濾過ステップは、任意選択の好都合な温度、一般的には約20°〜約60℃、好ましくは約20〜約30℃で、所望の程度の濃縮を行うための時間、行うことができる。使用する温度および他の条件は、ある程度、濃縮を行うために使用する膜装置および溶液の所望のタンパク質濃度に依存する。
濃縮され、場合により透析濾過されたタンパク質溶液は、必要に応じて、米国特許第5,844,086号および第6,005,076号に記載のようにさらなる脱脂操作に供することができる。
濃縮され、場合により透析濾過されたタンパク質溶液は、上記色除去操作の代替として、ある色除去操作に供することができる。本明細書では、粒状活性炭(GAC)と同様に粉末活性炭も使用することができる。色吸着剤として使用することができる他の物質は、ポリビニルピロリドンである。
色吸着剤処理ステップは、任意選択の好都合な条件下、一般的にはキャノーラタンパク質溶液の周囲温度で行うことができる。粉末活性炭は、約0.025%〜約5%w/v、好ましくは約0.05%〜約2%w/vの量を使用することができる。ポリビニルピロリドンを色吸着剤として使用する場合、約0.5%〜約5%w/v、好ましくは約2%〜約3%w/vの量を使用することができる。色吸着剤は、濾過などの任意選択の好都合な手段によって、キャノーラタンパク質溶液から除去することができる。
任意選択の色除去ステップから得られた、濃縮され、場合により透析濾過されたキャノーラタンパク質溶液は、微生物量(microbial load)を減らすために、低温殺菌に供することができる。このような低温殺菌は、任意選択の所望の低温殺菌条件下で行うことができる。一般に、濃縮され、場合により透析濾過されたキャノーラタンパク質溶液を、約55℃〜約70℃、好ましくは約60℃〜約65℃の温度で、約10〜約15分間、好ましくは約10分間加熱する。次いで、低温殺菌した濃縮キャノーラタンパク質溶液を、以下に説明するさらなる処理のために、好ましくは約25°〜約40℃の温度に冷却することができる。
濃縮ステップおよび任意選択の透析濾過ステップで使用する温度、ならびに低温殺菌ステップを行うかどうかに応じて、濃縮タンパク質溶液を、少なくとも約20°で約60℃まで、好ましくは約25°〜約40℃の温度に加温し、濃縮タンパク質溶液の粘度を減少させ、引き続く希釈ステップおよびミセル形成の実行を容易にすることができる。濃縮タンパク質溶液は、それを超えると冷水による希釈時にミセル形成が起こらない温度を超えて加熱すべきではない。
次いで、濃縮ステップ、ならびに任意選択の透析濾過ステップ、任意選択の色除去ステップ、任意選択の脱脂ステップおよび任意選択の低温殺菌ステップから得られた濃縮タンパク質溶液を、その濃縮タンパク質溶液を所望の希釈度を得るのに必要な容積を有する水体に添加することによって希釈してミセル形成を行う。ミセル経路によって得ようとするキャノーラタンパク質の割合および上澄み液からの割合に応じて、濃縮タンパク質溶液の希釈度を変えることができる。一般に、より低い希釈レベルでは、より高い割合のキャノーラタンパク質が水相中に残留する。
ミセル経路によって最も高い割合のタンパク質を得ることが望まれる場合、濃縮タンパク質溶液を約5倍(fold)〜約25倍(fold)、好ましくは約10倍(fold)〜約20倍(fold)で希釈する。
濃縮タンパク質溶液を供給する水体は、約15℃未満、一般的に約3℃〜約15℃、好ましくは約10℃未満の温度を有するが、その理由は、使用する希釈倍率(dilution factors)でこれらのより冷たい温度で改善された収率のタンパク質ミセル塊形状のタンパク質単離物が得られるからである。
濃縮タンパク質溶液の希釈および結果として起こるイオン強度の減少は、ミセル形状の分散したタンパク質液滴の形状をした高会合タンパク質分子の雲様塊を形成させる。タンパク質ミセルは沈降させることにより、凝集、合体して濃密な、非晶質で粘着性のグルテン様タンパク質ミセル塊を形成する。沈降は、遠心分離などによって促進することができる。このように誘導された沈降により、タンパク質ミセル塊の液体含量が減少し、それにより、水分含量は一般的に全ミセル塊の約70重量%〜約95重量%から、一般的に約50重量%〜約80重量%の値に減少する。このようにしてミセル塊の水分含量が減少すると、ミセル塊の吸蔵塩含量が減少し、結果として乾燥単離物の塩含量も減少する。
回分操作では、濃縮タンパク質溶液のバッチを、上記のように所望の容積を有する冷水の静止体(static body)に添加する。濃縮タンパク質溶液の希釈および結果として生じるイオン強度の減少は、ミセル形状の離散したタンパク質小滴の形態を取る高度に会合したタンパク質分子の雲様塊の形成を引き起こす。回分式手順では、タンパク質のミセルは、冷水体中に沈降させることにより、凝集、合体して濃密な、非晶質で粘着性のグルテン様タンパク質ミセル塊(PMM)を形成する。沈降は、遠心分離などによって促進することができる。このように誘導された沈降により、タンパク質ミセル塊の液体含量が減少し、それにより、水分含量は一般的に全ミセル塊の約70重量%〜約95重量%から、一般的に約50重量%〜約80重量%の値に減少する。このようにしてミセル塊の水分含量が減少すると、ミセル塊の吸蔵塩含量が減少し、結果として乾燥単離物の塩含量も減少する。
あるいは、濃縮タンパク質溶液をT字型パイプの一方の入口に連続的に通すと同時に、希釈水をT字型パイプの他方の入口に供給して、パイプ中で混合させることによって、希釈操作を連続的に行うことができる。希釈水は、濃縮タンパク質溶液の所望の希釈度を達成するのに十分な速度で、T字型パイプ中に供給する。
濃縮タンパク質溶液および希釈水のパイプ中での混合により、タンパク質のミセルの形成が開始され、混合物はT字型パイプの出口から沈降容器中へ連続的に供給され、満杯になったときに、この沈降容器から上澄み液をあふれさせる。混合物は、好ましくは、液体内の乱流を最小化するように、沈降容器中の液体中に供給する。
連続手順では、タンパク質のミセルは、沈降容器中に沈降させることにより、凝集、合体して濃密な、非晶質で粘着性のグルテン様タンパク質ミセル塊(PMM)を形成し、所望の量のPMMが沈降容器の底に蓄積するまでこの手順を続け、その後すぐに(whereupon)蓄積したPMMを沈降容器から取り出す。沈殿による沈降の代わりに、遠心分離によってPMMを連続的に分離することができる。
少なくとも約200g/Lの好ましいタンパク質含量へのタンパク質溶液の濃縮に関するプロセスのパラメータの組み合わせ、および約10〜約20の希釈倍率(dilution factor)の使用により、上記米国特許で論じた既知の従来技術のタンパク質単離物形成手順のいずれを使用して達成されるよりも、元の粗粉抽出物からのタンパク質ミセル塊形状のタンパク質回収に関して、より高い収率、多くの場合、顕著に高い収率が得られ、しかもタンパク質含量に関してずっと高い純度の単離物が得られる。
回分プロセスと比較して、キャノーラタンパク質単離物の回収のために連続プロセスを利用することにより、同じレベルのタンパク質抽出に関して、最初のタンパク質抽出ステップの時間が著しく短縮され、かつ抽出ステップにおいて、著しく高い温度を使用することができる。さらに、連続操作では、回分手順よりも汚染の機会が少なく、より高い製品品質が得られ、より小型の装置でプロセスを行うことができる。
「タンパク質ミセル塊」またはPMMと名づけられた、非晶質の、凝集した、粘着性で、ゼラチン状のグルテン様タンパク質塊の形状をした沈降単離物は、沈降した塊からの残留水相のデカンテーション(decantation)または遠心分離などによって、残留水相または上澄み液から分離する。PMMは、湿った形態で使用することも、または噴霧乾燥、凍結乾燥または真空ドラム乾燥などの任意選択の好都合な技術により乾燥させて乾燥形態にすることもできる。乾燥PMMは、少なくとも約90wt%タンパク質、好ましくは少なくとも約100wt%(N×6.25として計算)d.b.の高いタンパク質含量を有し、実質的に変性していない(示差走査熱量測定により測定)。乾燥PMMは残留脂肪含量が低く、それは約1wt%未満になり得る。
PMM形成および沈降ステップからの上澄み液は、希釈ステップでは沈殿しない、かなりの量のキャノーラタンパク質を含む。
希釈ステップからの上澄み液は、PMMの除去の後で濃縮して、そのタンパク質濃度を増加させることができる。このような濃縮は、供給源材料から抽出された塩、炭水化物、色素および他の低分子量物質を含む低分子量種が膜を通過するのを可能にすると同時に、かなりの割合のキャノーラタンパク質を溶液中に保持する適当な分画分子量(molecular weight cut−off)を有する膜を使用する、限外濾過などの任意選択の好都合な選択的膜技術を使用して行う。異なる膜材料および構造を考慮して、約3000〜約100000ダルトン、好ましくは約5000〜約10000ダルトンの分画分子量(molecular weight cut−off)を有する限外濾過膜を使用することができる。このような上澄み液の濃縮は、乾燥してタンパク質を回収するのに必要な液体の容積も減少させ、したがって乾燥に必要なエネルギーも減少させる。上澄み液は、一般的に、乾燥の前に、約100〜約400g/L、好ましくは約200〜約300g/Lのタンパク質含有量まで濃縮する。
濃縮上澄み液を、噴霧乾燥、凍結乾燥または真空ドラム乾燥などの任意選択の好都合な技術により乾燥させて乾燥形態にして、さらなるキャノーラタンパク質単離物を提供することができる。このようなさらなるキャノーラタンパク質単離物は、通常約90wt%を超えるタンパク質(ケルダールN×6.25として計算)の高いタンパク質含量を有し、実質的に変性していない(示差走査熱量測定により測定)。所望であれば、湿ったPMMを、任意選択の好都合な技術によって混合したタンパク質の流れを乾燥させるより前に濃縮上澄み液と混ぜ合わせて、混合したキャノーラタンパク質単離物を提供することができる。混合したキャノーラタンパク質単離物は、約90wt%を超える(ケルダールN×6.25として計算)高いタンパク質含量を有し、実質的に変性していない(示差走査熱量測定により測定)。
あるいは、PMMの分離からの上澄み液を代替手順によって処理して、そこからさらなるキャノーラタンパク質単離物を回収することができる。例えば、本譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれた、同時係属の2008年6月20日出願の米国特許出願第12/213,500号に記載のように、最初に部分濃縮または濃縮されうる上澄み液を加熱処理して、加熱処理した溶液からキャノーラタンパク質単離物を回収するより前に、そこから7Sタンパク質を沈殿させることができる。同時係属の米国特許出願第12/213,500号にも記載のように、得られた溶液からキャノーラタンパク質単離物を回収するより前に、上澄み液を等電沈殿に供して7Sタンパク質を沈殿させることができる。
本譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれた、2008年8月18日出願の米国仮特許出願第61/136,193号( 出願の米国特許出願第 号、WO )に記載の別の代替では、最初に部分濃縮または濃縮されうる上澄み液を、キャノーラタンパク質単離物を回収するより前に、カルシウム塩、好ましくは塩化カルシウムによる処理に供する。
さらに、本譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれた、2008年8月19日出願の米国仮特許出願第61/136,208号( 出願の米国特許出願第 号、WO )に記載のように、PMMを処理して可溶性キャノーラタンパク質単離物を提供することができる。
別の代替手順では、濃縮上澄み液の一部のみをPMMの少なくとも一部と混合して、得られた混合物を乾燥させることができる。濃縮上澄み液の残りは、PMMの残りのいずれかとして乾燥することができる。さらに、乾燥PMMおよび乾燥上澄み液は、任意選択の所望の相対比で乾燥混合することもできる。
このように操作することによって、いくつかのキャノーラタンパク質単離物は、乾燥PMM、乾燥上澄み液、ならびに一般的には重量比で約5:95〜約95:5の種々の重量比のPMMおよび上澄み液の乾燥混合物の形状で回収することができ、異なる機能的特性および栄養的特性を達成するのに望ましい。

例1:
この例は、本発明の一実施形態による新規なキャノーラタンパク質単離物の製造を説明する。
キャノーラ種子「a」kgを、磨砕機に通して、種子を十分に磨砕した。磨砕した種子「b」kgを周囲温度で「d」M NaCl溶液「c」Lに添加し、30分間攪拌してタンパク質水溶液を得た。残留するキャノーラ種子物質を除去し、得られたタンパク質溶液を遠心分離により部分的に清澄化して、「f」重量%のタンパク質含量を有する部分的に清澄化されたタンパク質溶液「e」Lを製造した。部分的に清澄化されたタンパク質溶液を、クリーム分離機により脱脂し、次いで濾過してさらに清澄化して、「h」重量%のタンパク質含量を有する容積「g」Lの溶液を得た。
タンパク質抽出溶液の一定分量「i」Lを、「k」ダルトンの分画分子量(molecular weight cutoff)を有するポリエーテルスルホン(PES)膜で濃縮して容積を「j」Lに減少させ、次いで、同じ膜で「l」容積の「m」M NaCl溶液により透析濾過した。次いで、透析濾過した保持液(retenate)を60℃で1分間低温殺菌した。得られた「n」kgの低温殺菌した濃縮タンパク質溶液は、「o」重量%のタンパク質含量を有していた。
「p」℃の濃縮された溶液を、「r」℃の温度の冷逆浸透(RO)精製水中に入れて「q」に希釈した。直ちに白色の雲状物が形成し、これを沈降させた。上部の希釈水を除去し、沈殿した、粘性の、粘着性塊(PMM)を、濾過したタンパク質溶液の「s」wt%の収率で遠心分離によって回収した。乾燥PMM由来のタンパク質は、「t」%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが分かった。この生成物に「u」C300という名称(designation)を与えた。
2つの実験についてのパラメータ「a」〜「u」を以下の表Iに示す。
Figure 2012500227
上澄み液「v」Lを、80℃に10分間加熱し、次いで遠心分離して沈殿したタンパク質を除去した。次いで、遠心分離し加熱処理した上澄み液を、「y」ダルトンの分画分子量(molecular weight cut−off)を有するポリエーテルスルホン(PES)膜を使用して限外濾過によって容積を「w」Lから「x」Lに減少させ、次いで、濃縮液を、同じ膜で「z」倍容(volumes)のpH3のRO水により透析濾過した。透析濾過した濃縮液は、「aa」重量%のタンパク質を含有していた。上澄み液から回収した追加のタンパク質と合わせて、濾過したタンパク質溶液の全体のタンパク質回収率は、「ab」wt%であった。濃縮液を噴霧乾燥して、最終生成物を形成した。この最終生成物に「u」200HSという名称(desgnation)を与え、この最終生成物は「ac」%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有していた。 2つの実験についてのパラメータ「u」〜「ac」を以下の表IIに示す。
Figure 2012500227
例2:
この例は、本発明の一実施形態による新規なキャノーラタンパク質単離物の製造を説明する。
ミロシナーゼ(myrosinase)不活性化キャノーラ種子「a」kgを磨砕機に通して、種子を十分に磨砕した。磨砕した種子「b」kgを周囲温度で「d」M NaCl溶液「c」Lに添加し、30分間攪拌してタンパク質水溶液を得た。残留するキャノーラ種子物質を除去し、得られたタンパク質溶液を遠心分離により部分的に清澄化して、「e」重量%のタンパク質含量を有する部分的に清澄化されたタンパク質溶液を製造した。部分的に清澄化されたタンパク質溶液を、クリーム分離機により脱脂し、次いで濾過してさらに清澄化して、「g」重量%のタンパク質含量を有する容積「f」Lの溶液を得た。
一定分量「h」Lのタンパク質抽出物溶液を、「j」ダルトンの分画分子量(molecular weight cutoff)を有するポリビニリデンフルオライド(PVDF)膜で濃縮して「i」kgに減少させた。次いで、保持液(retenate)を約62℃で10分間低温殺菌した。得られた低温殺菌した濃縮タンパク質溶液「k」kgは、「l」重量%のタンパク質含量を有していた。
「m」℃の濃縮された溶液を、「o」℃の温度の冷RO水中に入れて「n」に希釈した。直ちに白色の雲状物が形成し、これを沈降させた。上部の希釈水を除去し、沈殿した、粘性の、粘着性塊(PMM)を、遠心分離により、濾過したタンパク質溶液の「p」wt%の収率で回収した。乾燥PMM由来のタンパク質は、「q」%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが分かった。この生成物に「r」C300という名称(designation)を与えた。
パラメータ「a」〜「r」を以下の表IIIに示す。
Figure 2012500227
上澄み液「s」Lを、約87℃に5分間加熱し、次いで遠心分離して沈殿したタンパク質を除去した。次いで、遠心分離し加熱処理した上澄み液を、「v」ダルトンの分画分子量(molecular weight cut−off)を有するポリエーテルスルホン(PES)膜を使用して限外濾過によって「t」Lから「u」kgに減少させた。保持液(retenate)は、「w」重量%のタンパク質を含有していた。上澄み液から回収した追加のタンパク質と合わせて、濾過したタンパク質溶液の全体のタンパク質回収率は、「x」wt%であった。保持液(retenate)を噴霧乾燥して、最終生成物を形成した。この最終生成物は「y」%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有しており、この最終生成物に「r」C200HSという名称(designation)を与えた。
パラメータ「r」〜「y」を以下の表IVに示す。
Figure 2012500227
例3:
この例は、例2で使用したミロシナーゼ(myrosinase)不活性化キャノーラ種子から調製した粗粉を使用したキャノーラタンパク質単離物の製造を説明する。
ミロシナーゼ(myrosinase)不活性化キャノーラ粗粉「a」kgを周囲温度で「c」M NaCl溶液「b」Lに添加し、30分間攪拌してタンパク質水溶液を得た。残留するキャノーラ粗粉を除去し、得られたタンパク質溶液を遠心分離により部分的に清澄化して、「e」重量%のタンパク質含量を有する部分的に清澄化されたタンパク質溶液「d」Lを製造した。次いで、この溶液を濾過してさらに清澄化して、「g」重量%のタンパク質含量を有する容積「f」Lの溶液を得た。
一定分量「h」Lのタンパク質抽出物溶液を、「j」ダルトンの分画分子量(molecular weight cutoff)を有するPVDF(ポリビニリデンジフルオライド)膜で濃縮して「i」kgに減少させた。次いで、保持液(retenate)を約63℃で10分間低温殺菌した。得られた低温殺菌した濃縮タンパク質溶液「k」kgは、「l」重量%のタンパク質含量を有していた。
「m」℃の濃縮された溶液を、「o」℃の温度の冷RO水中に入れて「n」に希釈した。直ちに白色の雲状物が形成し、これを沈降させた。上部の希釈水を除去し、沈殿した、粘性の、粘着性塊(PMM)を、遠心分離により、濾過したタンパク質溶液の「p」wt%の収率で回収した。乾燥PMM由来のタンパク質は、「q」%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが分かった。この生成物に「r」C300という名称(designation)を与えた。
3つの実験についてのパラメータ「a」〜「r」を以下の表Vに示す。
Figure 2012500227
上澄み液「s」Lを、約85℃に8分間加熱し、次いで遠心分離して沈殿したタンパク質を除去した。次いで、遠心分離し加熱処理した上澄み液「t」Lを、「v」ダルトンの分画分子量(molecular weight cut−off)を有するポリエーテルスルホン(PES)膜を使用して限外濾過によって「u」kgに減少させた。保持液(retenate)は、「w」重量%のタンパク質を含有していた。上澄み液から回収した追加のタンパク質と合わせて、濾過したタンパク質溶液の全体のタンパク質回収率は、「x」wt%であった。保持液(retenate)を噴霧乾燥して、最終生成物を形成した。この最終生成物は「y」%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有しており、この最終生成物に「r」C200HSという名称(designation)を与えた。
2つの実験についてのパラメータ「r」〜「y」を以下の表VIに示す。
Figure 2012500227
上記例で製造した乾燥生成物の色を、反射率モードで操作したHunterLab ColorQuest XE装置を使用して分析した。結果を以下の表VIIに示す。
Figure 2012500227
磨砕した種子から調製したキャノーラタンパク質単離物は、同じ種子から調製したキャノーラ粗粉から製造した相当する生成物よりも明るい(より高いL*値)ことが分かった。種子から調製したC200HSは、粗粉から調製した生成物よりも少し緑色であり、他方でC300生成物は、出発物質にもかかわらず、非常に似たa*値を有していた。磨砕した種子から調製したC200HSは、粗粉から調製したC200HSよりも黄色でないが、この傾向はC300生成物に関しては逆であった。「L*」値は白さの指標であるので、より高いL*値を有する試料は、一般的により許容されると考えられる。最大値の100は白い試料を示し、一方で最小値の0は黒い試料を示すだろう。
開示の概要
本開示を要約すると、本発明は、最初に種子から油を除去しない、キャノーラ油糧種子からのキャノーラタンパク質単離物の製造に関する。本発明の範囲内で、改変が可能である。

Claims (12)

  1. キャノーラ油糧種子を磨砕するステップと、
    前記磨砕キャノーラ油糧種子を水性抽出媒体により抽出して、前記磨砕キャノーラ油糧種子中のキャノーラタンパク質および脂肪を可溶化し、キャノーラタンパク質水溶液を形成するステップと、
    前記キャノーラタンパク質水溶液を残留磨砕キャノーラ油糧種子から分離するステップと、
    前記キャノーラタンパク質水溶液を脱脂するステップと、
    前記脱脂キャノーラタンパク質水溶液を清澄化するステップと、
    イオン強度を実質的に一定に維持しながら、前記清澄化したキャノーラタンパク質水溶液を濃縮して、濃縮キャノーラタンパク質溶液を形成するステップと、
    前記濃縮タンパク質溶液を、冷水中に希釈して、キャノーラタンパク質のミセルを形成するステップと、
    前記キャノーラタンパク質ミセルを、タンパク質ミセル塊として回収するステップと、
    前記タンパク質ミセル塊を乾燥させて、少なくとも約90wt%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有するキャノーラタンパク質単離物を形成するステップと
    を含む、キャノーラタンパク質単離物を調製する方法。
  2. 前記水性抽出媒体が、約3〜約40g/Lの濃度を有するキャノーラタンパク質溶液を形成するために、約5〜約6.8のpHを有し、少なくとも約0.05Mのイオン強度を有する塩水溶液である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水性抽出媒体中に酸化防止剤が存在する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記キャノーラタンパク質溶液を約3°〜約7℃の温度に冷却し、前記キャノーラタンパク質溶液から分離する脂肪を除去することによって、前記脱脂ステップを行う、請求項1に記載の方法。
  5. 前記脱脂ステップの後で、前記分離したキャノーラタンパク質水溶液を、色除去ステップに供する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記キャノーラタンパク質水溶液を、約50〜約250g/Lのタンパク質濃度に濃縮する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記濃縮キャノーラタンパク質溶液を、透析濾過ステップに供し、濃縮し透析濾過したキャノーラタンパク質溶液を提供する、請求項6に記載の方法。
  8. 透析濾過操作の少なくとも一部の間に、酸化防止剤が存在する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記濃縮し透析濾過したキャノーラタンパク質溶液を、色除去操作に供する、請求項7に記載の方法。
  10. 前記濃縮し透析濾過したキャノーラタンパク質溶液を、低温殺菌ステップに供する、請求項7に記載の方法。
  11. 前記濃縮タンパク質溶液を約15℃未満の温度で約5倍〜約25倍に希釈することによって、前記希釈ステップを行う、請求項1に記載の方法。
  12. 前記タンパク質ミセル塊の回収から得た前記上澄み液を処理して、少なくとも約90wt%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有するキャノーラタンパク質単離物をさらに形成する、請求項1に記載の方法。
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