JP2012502895A - 1,6:2,3−ジアンヒドロ−β−D−マンノピラノースの短い合成経路 - Google Patents
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Abstract
本発明は、1,6:2,3−ジアンヒドロ−β−D−マンノピラノースの調製方法に関し、水酸化アンモニウムおよび無機塩基から選択される塩基の存在下、Rが活性化剤である化合物Bの環化工程を含むことを特徴とする。
Description
本発明は、太線がピラノース環上方に位置する結合を表す以下の式に対応する:
化合物(I)、およびより一般的には1,6:(2,3および3,4)−ジアンヒドロ−β−D−ヘキソピラノースのファミリーの化合物は、Czechの化学者Miloslav Cernyに本質的に記載されている。化合物1(1,6:3,4−ジアンヒドロ−2−O−トシル−β−D−ガラクトピラノース)からのCernyエポキシド(I)に至る3つのアクセス経路が、文献に見出されている:
ジトシル化誘導体3(1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−トシル−β−D−グルコピラノース)が選択的に得られる(80%)。残りの20%は、本質的にトリトシル化誘導体で構成される。化合物2の化合物1への転化に関する全体収率は、55%である。
レボグルコサン2に至る多くのアクセス経路が存在する;工業的に最も使用されているものは、1960年代から記載されているデンプンおよびセルロースの熱分解に加えて、以下に表されるD−グルコースの塩基性または酸性媒体中での環化である:
塩基性媒体中での環化(M.A.Zottola et al.,J.Org.Chem.,1989,vol.54,pp.6123−6125;M.Akagi et al.,Chem.Pharm.Bull.,1962,vol.10,pp.905−909)は、低収率(15%)に反映されている。さらに、単離を可能にするために粗レボグルコサン2をアセチル化する必要がある。酸性媒体中での環化経路に関して(M.V.Rao et al.,Carbohydrate Research,1987,vol.162,141−144;R.L.Wistler et al.,Methods Carbohydr.Chem.,1972,vol.6,pp.411−412;E.Zara−Kaczian et al.,1982,vol.111,No.3,pp.271−283;E.Zara−Kaczian et al.,Acta Chemica Acad.Scient.Hung.,1978,vol.96,No.3,pp.311−313)、良好な収率(70%)が記載されているが、これはさらに2つの段階を含む。
化合物1からのCernyエポキシド(I)に至る3つのアクセス経路は、次の通りである。
Cernyエポキシド(I)に到達するために必要な段階数に加えて、こうした順序は、とりわけ、第1の段階中に3,4−アンヒドロ官能基を選択的に加水分解するという問題を含む。モノトシル化誘導体8の4位におけるヒドロキシルは、続いて、ナトリウムエトキシド(EtONa)の存在下での環化の間にエポキシドが移動するのを防止するために、トリチル基(Tr)によって保護される。
M.Cerny et al.(Synthesis,1972,698−699)によれば、Cernyエポキシド(I)は、アンバーライトIRA400/OH−樹脂の存在下、誘導体8から得ることができる。しかし、樹脂と長期間接触すると、エポキシドは3,4位に移動し、誘導体11(1,6:3,4−ジアンヒドロ−β−D−アルトロピラノース)を形成する結果になる。従って化合物(I)を選択的に得る際の問題が残っている。出発化合物8自体もまた、上述したように、選択的に得るのが困難である。
この変形により、エポキシドの移動なしで、ジアンヒドロ誘導体13を得るための環化が可能になる(T.Trnka et al.,Collect.Czech.Chem.Commun.,1971,vol.36,pp.2216−2225;M.Cerny et al,Collect.Czech.Chem.Commun.,1968,vol.33,pp.1143−1156)。それでもなお、D−グルコースからCernyエポキシド(I)を得るために多数の段階を含む。
結論として、Cernyエポキシド(I)の調製に関して上述された3つのアクセス経路は、D−グルコースから出発してそれぞれ10、8および9の段階を有し(レボグルコサン2を得るために酸性媒体中での環化を用いる、これが良好な収率をもたらすと記載された経路である。)、全体収率に関しては、経路1、2および3についてそれぞれ0.5%、10%および13%を有する。
さらに、V.Bailliez et al.が、Synthesis,2003,No.7,1015−1017において、1,6:3,4−ジアンヒドロ−β−D−アルトロピラノースに至るアクセス経路を記載しており、これは、副生成物として微量の1,6:2,3−ジアンヒドロ−β−D−マンノピラノースの形成を伴う。これらの著者によれば、Cernyエポキシドは、1位と6位との間で予め環化されている前駆体から形成でき、または他には4位でアセチル化されたCernyエポキシドのN−1前駆体は、アルミナ、マイクロ波の下での照射およびペル−O−アセチル化に供される1,3,4−トリ−O−アセチル−2,6−ジ−O−トシルグルコースからの幾つかの段階において、5%のレベルで得ることができる。
M.Cerny et al.,Collect.Czech.Chem.Commun.,1961,vol.26,pp.2542−2550
M.A.Zottola et al.,J.Org.Chem.,1989,vol.54,pp.6123−6125
M.Akagi et al.,Chem.Pharm.Bull.,1962,vol.10,pp.905−909
M.V.Rao et al.,Carbohydrate Research,1987,vol.162,141−144
R.L.Wistler et al.,Methods Carbohydr.Chem.,1972,vol.6,pp.411−412
E.Zara−Kaczian et al.,1982,vol.111,No.3,pp.271−283
E.Zara−Kaczian et al.,Acta Chemica Acad.Scient.Hung.,1978,vol.96,No.3,pp.311−313
M.Cerny et al.,Synthesis,1972,698−699
T.Trnka et al.,Collect.Czech.Chem.Commun.,1971,vol.36,pp.2216−2225
M.Cerny et al,Collect.Czech.Chem.Commun.,1968,vol.33,pp.1143−1156
V.Bailliez et al.,Synthesis,2003,No.7,1015−1017
労力および出発材料のコストの観点から、産業規模で化合物(I)を得るために、短く、従ってより利益の高い合成を想定する必要がある。本発明者らは、上述の要件を満たすD−グルコースから出発して2段階で化合物(I)に至るアクセス経路を見出した。
本発明に従う方法は、スキーム1において以下に表される段階を含む。
従って、本発明の主題は、塩基の存在下、Rが活性化剤を表す化合物Bの環化段階を含むことを特徴とする、化合物(I)の調製方法である。
「活性化剤」は、脱離基−ORの離脱が可能であり、化合物Bの1位と6位との間の環化反応を促進する試剤、例えばトシル、メシル、ベンゼンスルホニルまたはベンゼンスルホニル誘導体ハライド、例えばp−ハロベンゼンスルホニルハライドを意味すると理解される。従って化合物Bは、Rがトシル、メシル、ベンゼンスルホニルまたはp−ハロベンゼンスルホニル基を表すような化合物である。
塩化トシル(TsCl)の場合、−OTs基は、優れた脱離基である。従ってピリジンのような溶媒中、活性化剤として塩化トシルを使用するのが有利である。
上記で定義された環化段階中に使用される塩基は、水酸化アンモニウムおよび無機塩基から選択される。使用できる無機塩基は、無機強塩基(例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)または無機弱塩基、特に固体タイプの塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウム)であることができる。
「水酸化アンモニウム」は、式N+(R1)(R2)(R3)(R4)OH−の化合物を意味すると理解され、式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なっていてもよく、アルキル基を表し、前記アルキル基は1から4個の炭素原子を含む飽和の、直鎖または分枝鎖脂肪族基である。化合物Bの環化反応の間に使用される水酸化アンモニウムは、例えば水酸化テトラブチルアンモニウムからなることができる。
化合物Bの環化段階は、使用される塩基の特性に応じて、この分野の当業者の知識に応じて選択される適切な溶媒中で行われる。反応は、例えば、イソプロパノール、ジクロロメタンまたはアセトニトリル、またはこれらの溶媒の二成分混合物中で行うことができる。
例えば、使用される塩基が水酸化テトラブチルアンモニウムである場合、溶媒として、例えば約5体積%のジクロロメタンを含むイソプロパノール/ジクロロメタン混合物を使用する。この場合、環化反応は、低温、特に0℃以下の温度において、ジクロロメタンの存在下で行われるのが有利であり、低温で化合物Bを溶解できる。例えば、−10℃から0℃の温度、例えば約−5℃にて環化反応を行うことができる。
環化反応中に使用される塩基が炭酸セシウムである場合、約40℃の温度にて溶媒としてアセトニトリルを使用するのが有利である。
当業者に既知のように、環化段階中の反応媒体の温度は、反応動力学が最適となるように、使用される溶媒/塩基のペアに従って調節される。
化合物(I)は、本発明の方法によれば、中間体Bから選択率65から85%で得られる。単離された生成物に関して計算されたこの段階の化学収率は、少なくとも60%である。
本発明の別の主題は、上記で定義されたように、化合物Bを得ることができる化合物A(D−グルコース)の活性化段階、および次いで塩基の存在下での化合物Bの環化の段階を含むことを特徴とする化合物(I)の調製方法である。
化合物Aの活性化段階は、上記で定義された活性化剤を用いて行うことができる。この段階は、ピリジンのような溶媒中、トシル、メシル、ベンゼンスルホニルまたはベンゼンスルホニル誘導体ハライド、例えばp−ハロベンゼンスルホニルハライドを用いて行うのが有利である。
本発明は次の実施例を用いて例示され、この実施例では、本発明により次のスキーム2に従って化合物(I)の調製方法を詳細に記載する。
1)化合物B’(2,6−ジ−O−トシル−グルコピラノース)の調製
D−グルコース100g(0.55mol)およびピリジン500gを、撹拌システムを備えた2リットル反応器に充填する。反応媒体を−10℃に冷却する。別の1リットル反応器において、塩化トシル溶液を調製する:塩化トシル212g(1.12mol)およびピリジン667gを導入し、完全に溶解するまで20℃にて撹拌を行う。1リットル反応器の内容物を、−10℃の温度に維持しながら、2リットル反応器に徐々に(4から5時間で)移す。ピリジン39gを用いてリンスを行い、反応媒体を−11℃にて17時間撹拌し続ける。
D−グルコース100g(0.55mol)およびピリジン500gを、撹拌システムを備えた2リットル反応器に充填する。反応媒体を−10℃に冷却する。別の1リットル反応器において、塩化トシル溶液を調製する:塩化トシル212g(1.12mol)およびピリジン667gを導入し、完全に溶解するまで20℃にて撹拌を行う。1リットル反応器の内容物を、−10℃の温度に維持しながら、2リットル反応器に徐々に(4から5時間で)移す。ピリジン39gを用いてリンスを行い、反応媒体を−11℃にて17時間撹拌し続ける。
脱塩水を用いる蒸留により溶媒の交換を行う。反応媒体中のピリジンは、≦20%でなければならない;そうでない場合、蒸留が水400mlを用いて再び行われる。
反応媒体を20℃に冷却し、脱塩水400mlを導入する。モノトシル化化合物を除去するために、ジクロロメタン400ml、塩酸48gおよび水33mlを導入する。混合物を30分間放置し、1以下でなければならないpHを測定する;そうでない場合、pH≦1になるまで塩酸をさらに滴加する。次いで、pHが約5から5.5になるまで、洗浄操作を塩化ナトリウム溶液を用いて行う(水400ml+塩化ナトリウム40g)。
最後に、ジクロロメタン相をロータリーエバポレーターにて濃縮する。濃縮物をジクロロメタン150mlにとり、再び濃縮する。この操作を3回行った後、化合物B’をベージュ(クリーム)色の発泡体の形態で得る。
予測される生成物重量=271g
得られた生成物重量=184g
有機純度=81.6%、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって測定される。
化学収率=55%
得られた生成物重量=184g
有機純度=81.6%、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって測定される。
化学収率=55%
2)化合物(I)の調製
2.1:水酸化テトラブチルアンモニウムを用いて行われる環化
先行する段階の結果として得られた化合物B’10g、イソプロパノール100mlおよびジクロロメタン5mlを1リットル反応器に充填する。反応媒体を400回転/分で撹拌しながら−5℃の温度に冷却する。水中の40%水酸化テトラブチルアンモニウム26.6gを徐々に加える(約30分間かけて)。混合物を30分間撹拌し続け、反応は、pHが約6から7になるまで12%塩酸を用いて反応媒体を中和することによって停止させる。ロータリーエバポレーターにおいて溶媒を酢酸エチル6mlと交換する(イソプロパノールを酢酸エチルで交換)。ガスクロマトグラフィーにおけるピーク面積に従って測定される場合、この段階で見積もられた化学収率は約60%であり、化合物(I)の有機純度は68%である。
2.1:水酸化テトラブチルアンモニウムを用いて行われる環化
先行する段階の結果として得られた化合物B’10g、イソプロパノール100mlおよびジクロロメタン5mlを1リットル反応器に充填する。反応媒体を400回転/分で撹拌しながら−5℃の温度に冷却する。水中の40%水酸化テトラブチルアンモニウム26.6gを徐々に加える(約30分間かけて)。混合物を30分間撹拌し続け、反応は、pHが約6から7になるまで12%塩酸を用いて反応媒体を中和することによって停止させる。ロータリーエバポレーターにおいて溶媒を酢酸エチル6mlと交換する(イソプロパノールを酢酸エチルで交換)。ガスクロマトグラフィーにおけるピーク面積に従って測定される場合、この段階で見積もられた化学収率は約60%であり、化合物(I)の有機純度は68%である。
化合物(I)のプロトンおよび炭素−13NMRスペクトルはBruker300MHzデバイスにて記録される。化学シフトは、テトラメチルシランに関して、プロトンスペクトルでは0.01ppmおよび炭素−13スペクトルでは0.1ppmで表される。カップリング定数は、Hz単位で0.5Hzまで絶対値で与えられる。
1H NMR(CDCl3):2.67(d,1H OH,J4,OH 5.5Hz),3.12(d,1H,H3,J2,3 3.4Hz),3.42(dd,1H,H2,J2,3=J2,1=3.0Hz),3.69から3.77(m,2H,H6,H6’),3.89(d,1H,H4,J4,OH 5.5Hz),4.40(dm,1H,H1,J1,2 3.0Hz)。
13C NMR:49.3:C3;54.3:C2;65.6:C6,6’;67.1:C4;97.7:C1;74.2:C5。
2.2炭酸セシウムを用いて行われる環化
代替形式において、実施例2.1に示されるような手順を行うが、化合物B’の環化反応のための塩基としては炭酸セシウムを用いる。アセトニトリル10.5ml中、約40℃の温度にて、化合物B’の量に関して炭酸セシウム2当量、即ち化合物B’1gあたり1.133gの炭酸セシウムを使用する。ガスクロマトグラフィーのピーク面積に従って測定される場合、この段階で見積もられた化学収率は約80%であり、こうして得られた化合物(I)の有機純度は87%である。
代替形式において、実施例2.1に示されるような手順を行うが、化合物B’の環化反応のための塩基としては炭酸セシウムを用いる。アセトニトリル10.5ml中、約40℃の温度にて、化合物B’の量に関して炭酸セシウム2当量、即ち化合物B’1gあたり1.133gの炭酸セシウムを使用する。ガスクロマトグラフィーのピーク面積に従って測定される場合、この段階で見積もられた化学収率は約80%であり、こうして得られた化合物(I)の有機純度は87%である。
Claims (12)
- 塩基が、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウムから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 塩基が水酸化テトラブチルアンモニウムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 塩基が炭酸セシウムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 環化段階がイソプロパノール、ジクロロメタンまたはアセトニトリル中、あるいはこれらの溶媒の2成分混合物中で行われることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 環化段階がイソプロパノール/ジクロロメタン混合物中で行われることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 環化段階が−10℃から0℃の温度で行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
- 環化段階がアセトニトリル中で行われることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
- 環化段階が約40℃の温度で行われることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- 化合物Bが、Rがトシル、メシル、ベンゼンスルホニルまたはp−ハロベンゼンスルホニル基を表すような化合物であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 化合物Aの活性化段階が、トシル、メシル、ベンゼンスルホニルまたはp−ハロベンゼンスルホニルハライドを用いて行われることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
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