JP2013144373A - 樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤を使用して、樹脂成形品を製造する際に、分解温度の低い硬化剤を使用した場合でも、ポットライフの短縮、ゲル化を防止でき、比較的短時間で簡便に形成可能な製造方法を提供する。
【解決手段】液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤のうち少なくとも一方の成分を成分毎に、樹脂成形品の成形温度で溶融する樹脂フィルム状物で包んだ状態にして金型内に供給し、加熱により硬化させて樹脂成形品を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂成形品の製造方法に関する。
液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤を金型内に供給し、加熱により硬化させて樹脂成形品を形成するにあたり、熱硬化性樹脂に予め硬化剤を配合し、その配合物を金型内に供給することが行われている(例えば、特許文献1の段落0004参照)。このような方法において樹脂成形品を比較的短時間で形成したい場合には、分解温度の低い硬化剤を選択して熱硬化性樹脂に配合し、熱硬化性樹脂をより速く硬化させることが考えられる。しかしながら、分解温度の低い硬化剤を熱硬化性樹脂に予め配合しておくとポットライフが短くなり、特に夏場の暑い時期には金型内への供給前に硬化反応が進行してゲル化してしまうという問題がある。
そこで、上記特許文献1では、硬化剤をマイクロカプセル化することによって、金型内への供給前に熱硬化性樹脂の硬化反応が進行することを抑制している。
特開平8−337633号公報
上記したようなマイクロカプセル型硬化剤は、硬化剤、及びマイクロカプセルの壁材となる樹脂を有機溶媒に溶解する工程、その溶液を水中で乳化分散させる工程、有機溶媒を除去する工程等を順次経て製造される。このように複数の工程を経て製造されるため手間がかかり、また専用の設備が必要になることから、コスト高の問題がある。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、樹脂成形品を比較的短時間で簡便に形成可能な樹脂成形品の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の樹脂成形品の製造方法は、液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤を金型内に供給し、加熱により硬化させて樹脂成形品を形成する樹脂成形品の製造方法において、前記熱硬化性樹脂及び前記硬化剤のうち少なくとも一方の成分を成分毎に、前記樹脂成形品の成形温度で溶融する樹脂フィルム状物で包んだ状態にして前記金型内に供給することを特徴とする。
この樹脂成形品の製造方法においては、前記樹脂フィルム状物を袋状の形態にして、前記熱硬化性樹脂及び前記硬化剤のうち少なくとも一方の成分を成分毎に包むことが好ましい。
本発明によれば、樹脂成形品を比較的短時間で簡便に形成することができる。
以下、本発明に係る樹脂成形品の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法においては、液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤を成形材料として金型内に供給し、加熱により硬化させて樹脂成形品を形成する。ここで、「液状」とは、流動性を有し、硬化反応が進行していない状態を意味し、固体状とは区別される。
成形材料として使用することができる液状の熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
不飽和ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸等の不飽和二塩基酸及び無水フタル酸等の飽和二塩基酸と、エチレングリコール等の多価アルコールとを縮合反応させて合成され、分子内に不飽和結合とエステル結合を有するものである。
エポキシ樹脂は、一分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、具体例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビニルエステル樹脂は、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、例えば、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸と、必要に応じて多塩基酸とを付加反応させることにより得られる。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル系重合体と、カルボキシル基を有するビニル単量体とで構成される(メタ)アクリルシラップ等が挙げられる。
成形材料として使用することができる液状の硬化剤としては、上記した不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂等については、過酸化ベンゾイルやメチルエチルケトンパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。エポキシ樹脂については、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、無水メチルナジック酸無水物等の酸無水物、m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンアダクト、変性芳香族アミンやそのアダクト等の芳香蔟アミン等が硬化剤として用いることができる。
本実施形態において何よりも特徴的なのは、成形材料を金型内に供給するにあたり、液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤のうち少なくとも一方の成分を成分毎に樹脂フィルム状物で包んだ状態にして金型内に供給することである。例えば、液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤のうち一方の成分を樹脂フィルム状物で包んだ状態にして金型内に供給し、他方の成分を樹脂フィルム状物で包まずに金型内に供給する。又は、液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤をそれぞれ個別に樹脂フィルム状物で包んだ状態にして金型内に供給する。つまり、液状の熱硬化性樹脂と液状の硬化剤とを樹脂フィルム状物を介して非接触状態にして金型内に供給する。
樹脂フィルム状物は、フィルム状の熱可塑性樹脂で形成されており、樹脂成形品の成形温度で溶融する融点を有する。樹脂成形品の成形温度は、樹脂成形品の形成にあたり熱硬化性樹脂を硬化させる温度であり、使用する硬化剤の分解温度等によって適宜設定される。樹脂フィルム状物は、その溶融前は金型内において液状の熱硬化性樹脂と液状の硬化剤とを非接触状態とし、溶融後は液状の熱硬化性樹脂と液状の硬化剤とを接触させて熱硬化性樹脂を硬化反応可能な状態とする。このため、樹脂フィルム状物は液状の成分を封入できる程度の強度を有していればよく、例えば、厚み5μm以上の樹脂フィルム状物を採用することができる。厚みの上限値は溶融性等を考慮すると300μm程度とすることができる。
樹脂フィルム状物の大きさは液状の成分を封入できれば特に制限されるものではない。いずれか一方の液状の成分の全量を一枚の樹脂フィルム状物で包んでもよいし、小分けして複数枚の樹脂フィルム状物で包んでもよい。
このような樹脂フィルム状物の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。なかでもエチレン−酢酸ビニル共重合体は柔軟性を備え、また安価であることから好適であるが、これに限定されず、得られる樹脂成形品の耐熱性等の各種物性に影響の小さい材質を選択すればよい。
樹脂フィルム状物は、袋状の形態にして使用することが望ましい。袋状の形態の樹脂フィルム状物は、液状の成分を封入しやすく、また金型内への設置も容易であり、作業性をより向上させることができる。
成形材料を金型に供給する際の液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤の供給順序は特に問わない。例えば、液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤のうち一方の成分のみを樹脂フィルム状物で包む場合、樹脂フィルム状物で包んでいない他方の成分を金型内に供給する前もしくは供給した後に、樹脂フィルム状物で包んだ一方の成分を金型内に設置することができる。樹脂フィルム状物で包んだ一方の成分と、樹脂フィルム状物で包んでいない他方の成分とを同時に金型内に設置することもできる。作業性の点から、まず、樹脂フィルム状物で包んだ一方の成分を金型内に設置し、次いで、樹脂フィルム状物で包んでいない他方の成分を金型内に供給することが望ましい。特に使用量の少ない成分を樹脂フィルム状物で包んで金型内に設置し、樹脂フィルム状物が溶融してから他方の成分を供給すると、この供給力によって両方の成分が混合されるため、両方の成分の分散性が良好になり好ましい。なお、液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤をそれぞれ個別に樹脂フィルム状物で包んだ場合も金型内への供給順序は特に問わない。
成形材料には、本発明の目的が損なわれない範囲で必要に応じて、硬化促進剤、充填剤、カップリング剤、顔料、難燃剤等の添加剤を任意成分として適宜配合することができる。このような任意成分は、金型内に供給する前に、液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤のうちいずれか一方の成分に配合しておくことができる。
成形材料を金型内に供給した後、成形温度まで加熱された金型の熱によって樹脂フィルム状物が溶融する。この樹脂フィルム状物の溶融によって内包物が放出して液状の熱硬化性樹脂と液状の硬化剤とが金型内で接触、混合し、硬化反応が開始して所望の樹脂成形品を得る。
このように本実施形態に係る方法は、液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤のうち少なくとも一方の成分を成分毎に樹脂フィルム状物で包んだ状態にして金型内に供給するため、成形材料を金型内に供給するにあたり、熱硬化性樹脂に予め硬化剤を配合する必要はない。つまり、成形材料を金型内に供給するまで、液状の熱硬化性樹脂と液状の硬化剤とを混合状態とすることなく、それぞれ個別に金型内に供給することができる。これによって、金型内への供給前に熱硬化性樹脂の硬化反応が進行することを抑制でき、熱硬化性樹脂のゲル化を抑えることができる。
また、本実施形態に係る方法は液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤のうち少なくとも一方の成分を成分毎に樹脂フィルム状物で包むという簡便な方法であるので、従来公知のマイクロカプセル化の手法と比べて低コストである。
さらにまた、本方法によれば、熱硬化性樹脂の速硬化に用いる分解温度の低い硬化剤を使用することができる。分解温度の低い硬化剤は、熱硬化性樹脂に予め配合すると熱硬化性樹脂がゲル化しやすくなるなど取扱いが難しいことからこれまで十分に利用されていなかったが、本方法ではゲル化を抑えることができるため取り扱いが簡単となり使用可能な硬化剤の範囲が広がる。例えば、硬化剤である日本油脂(株)製のパーオクタO(10時間半減期温度65℃)やパーブチルPV(10時間半減期温度55℃)は、日本油脂(株)製のパーヘキサHC(10時間半減期温度87℃)と比べて分解温度が低く熱硬化性樹脂に予め配合すると熱硬化性樹脂がゲル化しやすくなるため、その取扱いにはパーヘキサHCよりも制約があった。本実施形態に係る方法では、パーオクタOやパーブチルPV等の分解温度の低い硬化剤でも簡単に取り扱うことができる。
このように本実施形態に係る方法は、簡便な方法で分解温度の低い硬化剤を使用して熱硬化性樹脂をより速く硬化させることができるため、樹脂成形品を比較的短時間で簡便に形成することができる。

Claims (2)

  1. 液状の熱硬化性樹脂及び液状の硬化剤を金型内に供給し、加熱により硬化させて樹脂成形品を形成する樹脂成形品の製造方法において、前記熱硬化性樹脂及び前記硬化剤のうち少なくとも一方の成分を成分毎に、前記樹脂成形品の成形温度で溶融する樹脂フィルム状物で包んだ状態にして前記金型内に供給することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記樹脂フィルム状物を袋状の形態にして、前記熱硬化性樹脂及び前記硬化剤のうち少なくとも一方の成分を成分毎に包むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
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