JP2013146902A - プラスチックフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有する二軸配向プラスチックフィルムであって、引張荷重5gf/2mm幅および昇温速度10℃/分の条件下で50℃から100℃まで昇温したときの熱膨張率が80ppm/℃以下であり、180℃での熱収縮率の絶対値が3.0%以下であるプラスチックフィルム。シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有する前駆体フィルムを製造した後、該前駆体フィルムに対して少なくとも熱処理工程を含む同時二軸延伸工程を実施するプラスチックフィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
引張荷重5gf/2mm幅および昇温速度10℃/分の条件下で50℃から100℃まで昇温したときの熱膨張率が80ppm/℃以下であり、
180℃での熱収縮率の絶対値が3.0%以下であるプラスチックフィルムに関する。
耐熱変形性とは、フィルムを加熱しても、フィルムの溶融変形が十分に防止されるフィルム特性を意味するものとする。
本発明のプラスチックフィルムに含有されるシンジオタクチックポリスチレン系樹脂(以下、単に「SPS系樹脂」という)は、いわゆるシンジオタクチック構造を有するスチレン系ポリマーである。シンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち、炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基または置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を意味するものである。
ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)等が挙げられる。
ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)等が挙げられる。
ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)等が挙げられる。
SPS系樹脂は例えば、出光興産(株)社製「ザレック」(142ZE、300ZC、130ZC、90ZC)等として入手できる。
プラスチックフィルムは上記したポリマー以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、無機フィラー、着色剤、結晶核剤、難燃剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明のプラスチックフィルムは以下の方法により製造できる。
例えば、前記SPSならびに所望により含有される他のポリマーおよび添加剤を所定の割合で混合し、溶融・混練して前駆体フィルムを製造した後、得られた前駆体フィルムに対して少なくとも熱処理工程を含む二軸延伸工程を実施する。
延伸速度とは、{(延伸後寸法/延伸前寸法)−1}×100(%)/延伸時間で算出される値である。
本発明のプラスチックフィルムの厚みは特に制限されるものではなく、例えば、10〜150μmであり、好ましくは12〜125μmである。
本発明のプラスチックフィルムはその製造過程において、特に前記した熱処理工程を含む二軸延伸工程の前後で、フィルムのガラス転移温度が50℃以上上昇し、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上上昇している。
なお、本発明のプラスチックフィルムのガラス転移温度は、250℃程度までであるが、特にそれに限定されない。また、ガラス転移温度の上昇温度幅は120℃程度までであるが、特にそれに限定されるものではない。
本明細書中、プラスチックフィルムのガラス転移温度はJIS C6481:1996「5.17.1 TMA法」に基づいて測定された値を用いている。
耐熱フィルムとは、例えば80℃以上、特に150℃以上の高温条件下で使用されるために、当該高温条件下であっても、耐熱寸法安定性および耐熱変形性等の耐熱性が要求されるフィルムである。耐熱フィルムとして、例えば、積層用耐熱フィルム、離型用耐熱フィルム、貼着用耐熱フィルム等が挙げられる。
積層用耐熱フィルムは、例えば、電子機器等のフレキシブルプリント基板、フレキシブル太陽電池、太陽電池用バックシートを製造する際に使用される基材フィルム等として有用である。
プレス時の金型温度、圧力および処理時間はプラスチック成形の分野で公知の条件が使用可能である。例えば、プレス時の金型温度は通常、80〜200℃である。プレス圧は通常、1〜150kg/cm2である。プレス時間は通常、0.5〜60分間である。
具体的には、例えば本発明のプラスチックフィルムを耐熱用粘着テープの基材フィルムとして使用する場合、本発明のプラスチックフィルムは寸法変動、強度低下および変形が十分に防止されるので、貼り合わせ品の反りや、粘着テープの剥離を十分に防止できる。
表1および表2に記載の成分を押出機により樹脂温度280℃でTダイより溶融押し出した後、冷却し、前駆体フィルムを得た。前駆体フィルムを、表1および表2に記載の条件で延伸および熱処理を行った。熱処理は所定の温度および弛緩倍率にて弛緩式熱処理を行った。
同時二軸延伸は、MD方向およびTD方向について同時に延伸した。
逐次二軸延伸は、MD方向で延伸した後、TD方向で延伸した。
一軸延伸は、MD方向のみについて延伸した。
比較例1では、延伸処理も熱処理も行わなかった。
比較例2では、延伸処理は行わず、熱処理のみを行った。
熱機械測定装置(Q400EM;TA INSTRUMENTS社)を用い、試験片(フィルム;2mm×25mm)を、該試験片の長手方向が鉛直方向になるように吊り下げ、該試験片の下端に5gf/2mm幅の引張荷重を印加した。その後、雰囲気温度を昇温速度10℃/分で昇温し、50℃から100℃までの寸法変化を1℃あたりの変化量に換算し、熱膨張率R1を測定した。熱膨張率は引張方向がMD方向およびTD方向の場合について測定した。熱膨張率R1について正の値は膨張したことを意味する。
◎;R1≦60ppm/℃(最良);
○;60ppm/℃<R1≦70ppm/℃(良);
△;70ppm/℃<R1≦80ppm/℃(実用上問題なし);
×;80ppm/℃<R1(実用上問題あり)。
まず、長さ150mmの2本の直線をそれぞれ、MD方向およびTD方向に対して平行に、かつ互いに中点で交わるように、試験片(フィルム;200mm×200mm)上に描いた。この試験片を、標準状態(温度23℃×湿度50%)に2時間放置し、その後試験前の直線の長さを測定した。続いて180℃の雰囲気に設定された熱風循環式オーブン内で一角を支持した宙吊り状態にて30分間放置した後、取り出して、標準状態に2時間放置冷却した。その後各方向の直線の長さを測定し、試験前の長さからの変化量を求め、当該試験前の長さに対する変化量の割合として熱収縮率R2を求めた。熱収縮率R2について正の値は収縮したことを意味する。
◎;R2の絶対値≦2.0%(最良);
○;2.0%<R2の絶対値≦2.5%(良);
△;2.5%<R2の絶対値≦3.0%(実用上問題なし);
×;3.0%<R2の絶対値(実用上問題あり)。
エポキシ樹脂フレークを熱プレス成形するに際し、得られたフィルムを工程フィルムとして用いた。
詳しくは、図1に示すように、エポキシ樹脂フレーク1を上下金型2,3により熱プレス成形するに際し、フレーク1と金型2,3との間にフィルム4を介在させた。フィルム4は金型より外側で把持し固定した。金型2,3の成形面にはそれぞれ凹部と凸部が形成されており、当該凹部と凸部とがプレス時において嵌合するようになっていた。プレス時において、金型2,3の接近はスペーサー5により制限された。プレス条件は以下の通りであった。金型2,3の温度;150℃、プレス圧;100kg/cm2、プレスクリアランス2mm、プレス時間;10分間、凹部の深さ(凸部の高さ);1mm。
プレス成形後、成形体を取り出し、放置冷却した後、フィルム4を成形体から剥離した。成形体の表面に転写された転写面を目視により観察し、転写性について評価した。
◎;転写面には金型の凹凸形状および平面形状がそのまま良好に転写されていた;
△;転写面に転写された凹凸形状および/または平面形状が完全ではないものの、実用上問題のない範囲内であった;
×;転写面に転写された凹凸形状および/または平面形状は十分でなく、シワの転写も見られ、実用上問題があった。
JIS K7127に従って引張伸び率を測定した。引張伸び率が10%未満では、離型用フィルムの評価時において破断が発生した。
◎:20%≦引張伸び率(最良);
○:15%≦引張伸び率<20%(良);
△:10%≦引張伸び率<15%(実用上問題なし);および
×:引張伸び率<10%。
JIS C6481:1996「5.17.1 TMA法」に従ってガラス転移温度を測定した。詳しくは、熱機械測定装置(Q400EM;TA INSTRUMENTS社)により、試験片(フィルム;2mm×25mm)を、引張荷重5gf/2mm幅および昇温速度10℃/分の条件下で昇温し、Tgを測定した。Tgは引張方向がMD方向およびTD方向の場合について測定し、それらの平均値で示した。Tgの測定は、最終的に得られたフィルムおよび延伸直前のフィルムについて行い、上昇幅(℃)を求めた。
・最終的に得られたフィルムのTg
◎:170℃≦Tg(最良);
○:160≦Tg<170℃(良);
△:150≦Tg<160℃(実用上問題なし);および
×:Tg<150℃。
・上昇幅
◎:70℃≦上昇幅(最良);
○:60≦上昇幅<70℃(良);
△:50≦上昇幅<60℃(実用上問題なし);および
×:上昇幅<50℃。
150℃の雰囲気に設定された熱風循環式オーブン内にフィルム(100mm×100mm)を10分間放置し、そのとき、フィルムに起こる変形を目視で判断した。
◎:変形は全く認められなかった;
△:変形がわずかに認められたものの実用上問題なかった;および
×:変形が明らかに認められた。
Claims (10)
- シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有する二軸配向プラスチックフィルムであって、
引張荷重5gf/2mm幅および昇温速度10℃/分の条件下で50℃から100℃まで昇温したときの熱膨張率が80ppm/℃以下であり、
180℃での熱収縮率の絶対値が3.0%以下であるプラスチックフィルム。 - 熱膨張率が70ppm/℃以下であり、
熱収縮率の絶対値が2.5%以下である請求項1に記載のプラスチックフィルム。 - 熱膨張率のMD方向とTD方向との差の絶対値が50ppm/℃以下であり、
熱収縮率のMD方向とTD方向との差の絶対値が2.0%以下である請求項1または2に記載のプラスチックフィルム。 - 二軸配向プラスチックフィルムが、前記シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有するフィルムを、同時二軸延伸処理の後、熱処理を行う工程に供してなる請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックフィルム。
- 10%以上の引張伸び率を有する請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチックフィルム。
- 150℃以上のガラス転移温度を有する請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチックフィルム。
- 耐熱フィルムとして使用される請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチックフィルム。
- シンジオタクチックポリスチレン系樹脂がシンジオタクチックポリスチレンである請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチックフィルム。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のプラスチックフィルムの製造方法であって、
シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有する前駆体フィルムを製造した後、該前駆体フィルムに対して少なくとも熱処理工程を含む同時二軸延伸工程を実施するプラスチックフィルムの製造方法。 - 前記同時二軸延伸工程の前後でフィルムのガラス転移温度を50℃以上、上昇させる請求項9に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
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