JP2013195902A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表示品質の高い液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 第1電極を備え、配向処理された第1基板と、第1基板と対向配置され、第2電極を備え、配向処理された第2基板と、第1、第2基板間に配置され、カイラル剤、及び重合体を含み、ツイスト配向する液晶層とを有し、重合体は、液晶層の質量に対し、5wt%以下の範囲で添加された重合可能材料から合成され、液晶層には、第1電極と第2電極とに電圧を印加することで、液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、第1基板、第2基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されており、第1基板ならびに第2基板に対する配向処理、及び、液晶層へのカイラル剤の添加は、液晶層に付加する電界の方向により、液晶層の液晶分子が、リバースツイスト配列状態と、スプレイツイスト配列状態との間で相互に遷移するように行われている液晶表示素子を提供する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液晶表示素子、殊に液晶層に光学活性物質(カイラル剤)を含む液晶表示素子に関する。
一組の配向膜の配向処理方向とプレティルト角の組み合わせで定まる液晶分子の捩れ方向(第1旋回方向)と、カイラル剤によって誘起される液晶分子の捩れ方向(第2旋回方向)とが逆方向となるように作製された液晶層を有し、たとえば液晶層に物理的作用を与えることにより、液晶分子が各方向へ捩れる状態(第1旋回方向につきリバースツイスト配列状態、第2旋回方向につきスプレイツイスト配列状態)が可換的に実現可能な液晶表示素子を、リバースツイステッドネマチック(reverse twisted nematic;RTN)型液晶表示素子と呼ぶ。第1旋回方向は、液晶層にカイラル剤を添加しなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向である。
たとえば特許文献1にリバースツイステッドネマチック型液晶表示素子の記載がある。特許文献1記載のリバースツイステッドネマチック型液晶表示素子においては、液晶分子が第1旋回方向に捩れる配列状態が不安定である。高電圧の印加によって第1旋回方向に捩れる配列状態を得ることは可能であるが、時間の経過とともに液晶分子は第2旋回方向に捩れる配列状態に転移する。
液晶分子を第2旋回方向に旋回させるカイラル剤を添加しながらも、基板の配向方向の組み合わせにより、液晶分子を第1旋回方向に配列させることで、液晶層内の歪を増大させ、駆動電圧の大幅な低減を可能にしたリバースツイステッドネマチック型液晶素子の発明が特許文献2に記載されている。しかしながら、特許文献2記載の発明においては、第2旋回方向に捩れる配列状態から、第1旋回方向に捩れる配列状態に転移させる電圧の印加を停止して数秒後には、もとの配列状態(第2旋回方向に捩れる配列状態)に再転移するため、第2旋回方向に捩れる配列状態で液晶素子を駆動する場合には、高い駆動電圧が必要となるという問題がある。
また、リバースツイステッドネマチック型液晶表示素子においては、一般的に、液晶分子が第1旋回方向に捩れる配列状態(リバースツイスト配列状態)と第2旋回方向に捩れる配列状態(スプレイツイスト配列状態)とで外観上の表示状態に大きな違いがなく、双安定性を与えても高いコントラスト比(透過率の差)が得られにくいという問題がある。
上下基板間でラビング方向のなす角度が90°より大きく120°未満になるように配向処理を行い、かつ液晶層に、ラビング方向のなす角度と同じ方向になるように捩れる性質をもつカイラル剤を添加したことを特徴とするリバースツイステッドネマチック型液晶表示素子の発明が特許文献3に開示されている。特許文献3記載のリバースツイステッドネマチック型液晶表示素子は、通常のツイステッドネマチック型液晶表示素子と比較したとき、どの温度においてもシャープネスが優れている。また良好なシャープネスに起因し、特に単純マトリクス駆動液晶表示素子において、高デューティ駆動が可能であったり、同じデューティで駆動する場合のコントラストが高いといった特徴をもつ。更に、低温でのレスポンスが通常のツイステッドネマチック型液晶表示素子よりも速い、高温環境下でもオフ電圧時透過率が下がらず、明るい表示を実現できる等、単純マトリクス駆動液晶表示素子、及び、TFT(thin film transistor)を用いた液晶表示素子双方の長所を有する。
特許文献3記載の液晶表示素子は、リバースツイスト配列状態が非常に安定で、かつ、その状態での電気光学特性が通常のツイステッドネマチック型液晶表示素子より優れている。しかしながら、リバースツイスト配列状態とスプレイツイスト配列状態の双安定性を積極的に利用する発明ではない。
リバースツイスト配列状態とスプレイツイスト配列状態の双安定表示が可能で、メモリ性が高く、コントラスト比も比較的高い、電気的スイッチング可能なリバースツイステッドネマチック型液晶表示素子の発明が特許文献4に開示されている。これは本願発明者らが行った発明である。
特許文献4記載の液晶表示素子は、比較例を用いて後述するが、たとえば室温におけるメモリ性は高いものの、室温とは異なる温度では、リバースツイスト配列状態による表示を保持することができない場合が生じ、特に60℃以上の高温状態では保持することが困難である。したがって、用途によっては、たとえば車載用、航空機用、屋外用の液晶表示素子として用いる場合は、表示のメモリ性が不十分となる場合がある。
特許2510150号公報 特開2007−293278号公報 特開2010−186045号公報 特開2011−203547号公報
本発明の目的は、表示品質の高い液晶表示素子を提供することである。
本発明の一観点によると、第1の電極を備え、配向処理された第1の基板と、前記第1の基板と平行に対向配置され、第2の電極を備え、配向処理された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、カイラル剤、及び重合体を含み、ツイスト配向する液晶層とを有し、前記液晶層が前記カイラル剤を含まなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向を第1旋回方向とするとき、前記カイラル剤は前記液晶層の液晶分子に、前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向への旋回性を与え、前記重合体は、前記液晶層の質量に対し、5wt%以下の範囲で添加された重合可能材料から合成され、前記液晶層には、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することで、前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、前記第1の基板、前記第2の基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されており、前記第1の基板ならびに前記第2の基板に対する配向処理、及び、前記液晶層へのカイラル剤の添加は、前記液晶層に付加する電界の方向により、前記液晶層の液晶分子が、リバースツイスト配列状態と、スプレイツイスト配列状態との間で相互に遷移するように行われている液晶表示素子が提供される。
本発明によれば、表示品質の高い液晶表示素子を提供することができる。
図1は、液晶層がリバースツイスト配列状態であるときの表示の保持性を、複数の温度について調べた結果を示す表である。 図2は、カイラル剤のピッチ長の温度依存性を示すグラフである。 図3は、リバースツイスト配列状態による表示保持(メモリ性)の温度依存性を、更に詳しく調査した結果を示す表である。 図4は、実施例による液晶表示素子を示す概略的な断面図である。 図5は、ITO膜のエッチングに使用するフォトマスクを示す概略的な平面図である。 図6A〜図6Dは、紫外線硬化性材料を2wt%添加した液晶表示素子のメモリ安定性について実験した結果を示す写真である。 図7は、図6Cに外観写真を示した液晶表示素子(90℃で30分の熱処理を施した後の液晶表示素子)を示す顕微鏡写真である。 図8A〜図8Dは、異なる添加量(1wt%、2wt%、5wt%)で紫外線硬化性材料を添加した液晶表示素子のメモリ安定性について実験した結果を示す写真である。
以下、リバースツイステッドネマチック型液晶表示素子の比較例及び実施例について説明する。
本願発明者らは、まず、比較例によるリバースツイステッドネマチック型液晶表示素子を複数作製して、その表示特性を調べた。
透明電極、たとえばITO(indium tin oxide)電極が形成された透明基板を2枚準備する。ここでは平行平板タイプの電極をもつテストセルを用い、2枚の透明基板を洗浄、乾燥した。
透明基板上に、ITO電極を覆うように配向膜材料を塗布する。配向膜材料の塗布は、スピンコートを用いて行った。フレキソ印刷やインクジェット印刷を用いて行ってもよい。本例においては、通常は垂直配向膜の形成に使用される、垂直配向膜材料としては低めの側鎖密度を有するポリイミド配向膜材料の側鎖密度をコントロールし、配向膜材料として用いた。側鎖密度のコントロールは、適度なプレティルト角の付与を可能とするためである。配向膜材料は、配向膜の厚さが500Å〜800Åとなるように塗布した。
配向膜材料を塗布した透明基板の仮焼成、及び本焼成を実施する。本焼成は160℃〜260℃の間の異なる焼成温度で行った。こうしてITO電極を覆う配向膜が形成された。
次に、ラビング処理(配向処理)を行う。ラビング処理は、たとえば布を巻いた円筒状のロールを高速に回転させ配向膜上を擦る工程であり、これにより基板に接する液晶分子を一方向に並べる(配向する)ことができる。ラビング処理は、押し込み量を0.4mm、0.8mm、1.2mmとする3条件で行った。またラビング処理は、液晶表示素子のツイスト角が70°または90°となるように実施した。
続いて、液晶セルの厚さ(基板間距離)を一定に保つため、一方の透明基板面上にギャップコントロール材をたとえば乾式散布法にて散布した。ギャップコントロール材には粒径4μmのプラスチックボールを使用し、液晶セルの厚さが4μmとなるようにした。
他方の透明基板面上にはシール材を印刷し、メインシールパターンを形成した。たとえば粒径4μmのグラスファイバーを含んだ熱硬化性のシール材を、スクリーン印刷法で印刷する。ディスペンサを用いてシール材を塗布することもできる。また、熱硬化性ではなく、光硬化性のシール材や、光・熱併用硬化型のシール材を使ってもよい。
透明基板を重ね合わせた。2枚の透明基板を所定の位置で重ね合わせてセル化し、プレスした状態で熱処理を施しシール材を硬化させた。たとえばホットプレス法を用い、シール材の熱硬化を行う。こうして空セルが作製される。
たとえば真空注入法で空セルにネマチック液晶を注入する。液晶中にはカイラル剤を添加した。カイラル剤には(株)メルク製のCB15またはR−811を使用した。カイラル剤は、カイラルピッチp、液晶層の厚さ(セル厚)dとしたとき、d/pがたとえば0.33〜0.53となるように、複数の添加量条件で添加した。
液晶注入口を、たとえば紫外線硬化タイプのエンドシール材で封止し、液晶分子の配向を整えるため、液晶の相転移温度以上にセルを加熱した。なお、リバースツイステッドネマチック型液晶表示素子においては、たとえば液晶材料の注入後、または液晶の相転移温度以上に加熱すると、カイラル剤による捩れ力が発生する方向に捩れるスプレイツイスト配列状態となる。
その後、スクライバ装置で透明基板につけた傷に沿ってブレイキングし、個別のセルに小割した。
小割されたセルに対し、面取りと洗浄を実施した。
最後に、2枚の透明基板の液晶層と反対側の面に、偏光板を貼付した。2枚の偏光板はクロスニコルに、かつ透過軸の方向とラビング方向とが平行となるように配置した。直交するように配置することもできる。両透明基板のITO電極間には電源を接続した。
こうして比較例による液晶表示素子が作製された。比較例による液晶表示素子は、液晶層の液晶分子が、初期状態においてスプレイツイスト配列状態を示し、縦電界(液晶層の厚さ方向の電界)の印加により、スプレイツイスト配列状態をリバースツイスト配列状態に遷移させることができ、横電界(液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界、基板面内方向の電界)の印加により、リバースツイスト配列状態をスプレイツイスト配列状態に遷移させることのできる、リバースツイステッドネマチック型の液晶表示素子である。
本願発明者らは、比較例によるリバースツイステッドネマチック型液晶表示素子の表示に関し、種々の調査を行った。
まず、表示の目視観察を実施した。比較例による液晶表示素子は、正面から観察した場合であっても、高いコントラスト比で表示が行われていた。また、室温で3ヶ月間放置した後においても、その表示が保持されていた。
次に、液晶層がリバースツイスト配列状態であるときの表示の保持性を、複数の温度について調べた。
図1は、調査結果を示す表である。図1には、添加したカイラル剤の種類とその添加量(カイラルピッチ)ごとに1つの液晶表示素子(比較例)を、−40℃、40℃、50℃の各温度で24時間放置した後に、リバースツイスト配列状態による表示が保持されているか否かを観察して判断した結果を示した。丸印は良好に保持されていた(液晶層内でほぼリバースツイスト配列状態が維持されていた)ことを示し、バツ印は保持されなかった(ほぼスプレイツイスト配列状態に遷移した)ことを示し、三角印はその中間状態(一部はリバースツイスト配列状態が維持され、一部はスプレイツイスト配列状態に遷移した状態)を示す。
カイラル剤としてCB15を使用し、カイラルピッチが8.0μmとなるように添加量を調整した場合は、−40℃、40℃、50℃のいずれの温度においても、リバースツイスト配列状態による表示が良好に保持されていることがわかる。このように比較例においても、カイラル剤の材料や添加量を選択することで、広い温度範囲で高いメモリ性を有する液晶表示素子とすることが可能である。しかしながら、R−811を、カイラルピッチが8.0μm、8.5μm、9.0μmとなるように添加した液晶表示素子、及び、CB15を、カイラルピッチが9.0μmとなるように添加した液晶表示素子においては、リバースツイスト配列状態による表示が安定的に保持される温度範囲は広いとはいえないことがわかる。これはカイラル剤のピッチ長が温度によって変化することに起因すると考えられる。
図2は、カイラル剤のピッチ長の温度依存性を示すグラフである。グラフの横軸は、温度を単位「℃」で示し、縦軸はピッチ長を単位「μm」で示す。折れ線aは、CB15についてのピッチ長の温度依存性を示し、折れ線bは、R−811についてのそれを示す。温度に対するピッチ変化量はカイラル材料により異なるが、材料を選択しても少なからず変化することがわかる。
本願発明者らは、リバースツイスト配列状態による表示保持(メモリ性)の温度依存性を、更に詳しく調査した。
図3は、調査結果を示す表である。図3には、添加したカイラル剤の種類とその添加量(カイラルピッチp)ごとに4つの液晶表示素子(比較例)を、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃の各温度で30分熱処理した後に、リバースツイスト配列状態による表示が保持されているか否かを観察して判断した結果を示した。表中の数字は、表示が良好に保持されていた液晶表示素子の数を表す。たとえば「3/4」という表記は、4つの液晶表示素子のうち3つが良好に表示を保持していたことを示す。バツ印は良好に表示を保持していた液晶表示素子がなかったことを意味する。
熱処理温度が50℃以下であれば、比較的多くの液晶表示素子でリバースツイスト配列状態による表示が保たれているが、60℃以上になるとメモリ性が消失し、スプレイツイスト配列状態に遷移していることがわかる。
このように、比較例によるリバースツイステッドネマチック型の液晶表示素子は、たとえば室温におけるメモリ性は高いものの、室温とは異なる温度では、リバースツイスト配列状態による表示を保持することができない場合が生じ、特に60℃以上の高温状態では保持することが困難である。
図4は、実施例による液晶表示素子を示す概略的な断面図である。
まず実施例による液晶表示素子の製造方法を説明する。
透明導電膜、たとえばITO膜が形成された透明基板、たとえばガラス基板を2枚(上側透明基板11a、下側透明基板11b)準備した。
上側透明基板11a上のITO膜をフォトリソ工程を用いてパターニングし、上側透明基板11a上に上側ベタ電極12aを形成する。パターニングは、取り出し電極部分(端子部分)と表示の画素に当たる部分にITO膜が残るように行った。ITO膜のエッチングは、第二塩化鉄を用いたウェットエッチングで実施した。なお、レーザビームを照射し、ITO膜を除去することでパターニングを行ってもよい。
下側透明基板11b上のITO膜をフォトリソ工程を用いてパターニングし、下側透明基板11b上に下側ベタ電極12bを形成する。形成方法は、上側透明基板11a上の上側ベタ電極12aの形成方法と同様である。
下側ベタ電極12bの形成後、下側ベタ電極12b上を含む下側透明基板11b上に絶縁膜13を形成する。絶縁膜13は、たとえば下側ベタ電極12bの取り出し電極部分には形成しない。絶縁膜13は、下側ベタ電極12bの取り出し電極部分にレジストを形成し、絶縁膜13成膜後にリフトオフでレジストを除去する方法、メタルマスクで取り出し電極部分を覆った状態でスパッタ等により形成する方法により形成可能である。絶縁膜13は、有機絶縁膜やSiO、SiN等の無機絶縁膜とすることができる。それらの組み合わせで形成してもよい。実施例においては、アクリル系有機絶縁膜とSiOの積層膜を絶縁膜13として用いた。
実施例においては、まず下側ベタ電極12bの取り出し電極部分に耐熱性フィルム(ポリイミドテープ)を貼り、その状態で有機絶縁膜をスピンコートした。2000rpmで30秒間スピンさせる条件で、膜厚1μmの有機絶縁膜を得た。
次に、有機絶縁膜が形成された下側透明基板11bを、クリーンオーブンにて220℃で1時間焼成し、その後耐熱性フィルムを貼ったままで下側透明基板11bを80℃に加熱し、SiO膜をスパッタ法(交流放電)により厚さ1000Åに成膜した。SiO膜は、真空蒸着法、イオンビーム法、CVD法等を用いて成膜することもできる。
ここで耐熱性フィルムを剥がすと、耐熱性フィルムの貼付箇所につき、有機絶縁膜及びSiO膜を除去することができた。続いて、SiO膜の絶縁性と透明性とを向上させるために、下側透明基板11bをクリーンオーブンにて220℃で1時間焼成した。
SiO膜の形成は必須ではないが、SiO膜を成膜することで絶縁膜13の絶縁性を向上させることができる。また、絶縁膜13上に形成する第1、第2櫛歯電極12c、12dの密着性及びパターニング性を向上させることが可能である。
有機絶縁膜を形成せず、絶縁膜13をSiO膜のみで構成してもよい。SiO膜は多孔質になりやすいため、この場合には、SiO膜の厚さを4000Å〜8000Åとすることが望ましい。SiO膜とSiN膜との積層からなる無機絶縁膜13とすることもできる。
絶縁膜13上にITO膜を形成した。ITO膜は、下側透明基板11bを100℃に加熱し、スパッタ法(交流放電)により基板全面に成膜した。膜厚は約1200Åとした。このITO膜をフォトリソ工程でパターニングし、第1櫛歯電極12c、第2櫛歯電極12d、及び電極12c、12dの取り出し電極を形成した。
図5は、ITO膜のエッチングに使用するフォトマスクを示す概略的な平面図である。フォトマスクは、第1櫛歯電極12c対応部分、第2櫛歯電極12d対応部分、第1櫛歯電極12cの取り出し電極対応部分、及び、第2櫛歯電極12dの取り出し電極対応部分を含む。エッチング時、各対応部分で覆われたITO膜で、電極が形成される。なお、本願発明者らは、櫛状電極の櫛歯部分の電極幅を20μm、30μm、2つの櫛状電極の櫛歯部分を交互に配置したときの電極間隔を20μm、30μm、50μm、100μm、200μmとする複数の電極パターンで、第1櫛歯電極12c及び第2櫛歯電極12dを作製した。
以上のような工程を経て、上側ベタ電極12aの形成された上側透明基板11a、及び、下側ベタ電極12b及びその上方に絶縁膜13を介して第1、第2櫛歯電極12c、12dが形成された下側透明基板11bを準備した。そしてこの2枚の電極付透明基板11a、11bを洗浄、乾燥した。
電極付透明基板上11a、11bに、電極12a、12c、12dを覆うように配向膜材料を塗布する。配向膜材料の塗布は、スピンコートを用いて行った。フレキソ印刷やインクジェット印刷を用いて行ってもよい。実施例においては、通常は垂直配向膜の形成に使用される、垂直配向膜材料としては低めの側鎖密度を有するポリイミド配向膜材料の側鎖密度をコントロールし、配向膜材料として用いた。側鎖密度のコントロールは、適度なプレティルト角の付与を可能とするためである。配向膜材料は、配向膜の厚さが500Å〜800Åとなるように塗布した。
配向膜材料を塗布した基板11a、11bの仮焼成、及び本焼成を実施する。本焼成は160℃〜260℃の間の異なる焼成温度で行った。こうして上側ベタ電極12aを覆う上側配向膜14a、及び第1、第2櫛歯電極12c、12dを覆う下側配向膜14bが形成された。
次に、ラビング処理(配向処理)を行う。ラビング処理は、押し込み量を0.4mm、0.8mm、1.2mmとする3条件で行った。またラビング処理は、液晶表示素子のツイスト角が70°または90°となるように実施した。
こうして上側基板10a、及び下側基板10bが作製された。上側基板10aは、上側透明基板11a、上側透明基板11a上に形成された上側ベタ電極12a、及び上側ベタ電極12aを覆うように形成された上側配向膜14aを備える。下側基板10bは、下側透明基板11b、下側透明基板11b上に形成された下側ベタ電極12b、下側ベタ電極12b上に形成された絶縁膜13、絶縁膜13上に櫛歯部分がインターデジタルに配置された第1、第2櫛歯電極12c、12d、及び第1、第2櫛歯電極12c、12dを覆うように形成された下側配向膜14bを備える。
続いて、液晶セルの厚さを一定に保つため、基板10a、10bの一方の面上にギャップコントロール材をたとえば乾式散布法にて散布した。ギャップコントロール材には粒径4μmのプラスチックボールを使用し、液晶セルの厚さが4μmとなるようにした。
基板10a、10bの他方の面上にはシール材を印刷し、メインシールパターンを形成した。たとえば粒径4μmのグラスファイバーを含んだ熱硬化性のシール材を、スクリーン印刷法で印刷する。ディスペンサを用いてシール材を塗布することもできる。また、熱硬化性ではなく、光硬化性のシール材や、光・熱併用硬化型のシール材を使ってもよい。
基板10a、10bを重ね合わせた。基板10a、10bを所定の位置で重ね合わせてセル化し、プレスした状態で熱処理を施しシール材を硬化させた。たとえばホットプレス法を用い、シール材の熱硬化を行う。こうして空セルが作製される。
たとえば真空注入法で空セルにネマチック液晶材料を注入する。液晶材料中にはカイラル剤を添加した。カイラル剤には(株)メルク製のCB15またはR−811を使用した。カイラル剤は、カイラルピッチp、液晶層の厚さ(セル厚)dとしたとき、d/pがたとえば0.33〜0.53となるように、複数の添加量条件で添加した。
更に液晶材料中に、たとえば光や熱により重合可能な材料、一例としてUVキュアラブル液晶(液晶性を有する紫外線硬化性材料)、実施例においては(株)大日本インキ製のUCL−001を添加した。材料はこれに限られない。後述するメモリ安定性の観点からは、紫外線硬化性の材料であることが望ましい。液晶性を有しない材料でも後述する効果と同様の効果を奏することができるが、配向性を考慮すると液晶性を有する紫外線硬化性材料を用いることが好ましい。
本願発明者らは、紫外線硬化性を有するモノマー材料の添加量を、液晶層15に注入する材料(液晶材料、カイラル剤、及び紫外線硬化性を有するモノマー材料)の合計質量に対して、1wt%、2wt%、5wt%となる3条件として複数の液晶表示素子を作製した。
液晶注入口を、たとえば紫外線硬化タイプのエンドシール材で封止し、液晶分子の配向を整えるため、液晶の相転移温度以上にセルを加熱した。
その後、スクライバ装置で透明基板11a、11bにつけた傷に沿ってブレイキングし、個別のセルに小割した。
小割されたセルに対し、面取りと洗浄を実施した。
最後に、2枚の透明基板11a、11bの液晶層15と反対側の面に、偏光板16a、16bを貼付した。2枚の偏光板16a、16bはクロスニコルに、かつ透過軸の方向とラビング方向とが平行となるように配置した。直交するように配置することもできる。電極12a、12b、12c、12d間には電源20を接続した。
なお、カイラル剤及びUVキュアラブル液晶を含む液晶材料の注入後に、紫外線を照射し、UVキュアラブル液晶の重合反応を生じさせ、液晶層15内に重合体(ポリマー)を合成した(重合処理)。実験のため、紫外線照射は、液晶層15の液晶分子がリバースツイスト配列状態であるとき、及び、スプレイツイスト配列状態であるときの双方について実施した。紫外線は、照射量18mW/cm、積算露光量が1J/cmとなる条件で照射したが、紫外線照射条件はこれに限られない。
こうして実施例による液晶表示素子が作製された。
実施例による液晶表示素子は、相互に平行に対向配置された上側基板10a、下側基板10b、及び両基板10a、10b間に挟持されたツイストネマチック液晶層15を含んで構成される。
上側基板10aは、上側透明基板11a、上側透明基板11a上に形成された上側ベタ電極12a、及び上側ベタ電極12a上に形成された上側配向膜14aを含む。下側基板10bは、下側透明基板11b、下側透明基板11b上に形成された下側ベタ電極12b、下側ベタ電極12b上に形成された絶縁膜13、絶縁膜13上に形成された第1、第2櫛歯電極12c、12d、及び、第1、第2櫛歯電極12c、12dを覆うように絶縁膜13上に形成された下側配向膜14bを含む。
上側、下側透明基板11a、11bは、たとえばガラスで形成される。上側、下側ベタ電極12a、12b、及び第1、第2櫛歯電極12c、12dは、たとえばITO等の透明導電材料で形成される。第1、第2櫛歯電極12c、12dは、それぞれ複数の櫛歯部分を備える櫛状電極である。第1、第2櫛歯電極12c、12dの櫛歯部分は、図4の左右方向に沿って互い違いに配置されている。
液晶層15は、上側基板10aの上側配向膜14aと、下側基板10bの下側配向膜14bとの間に配置される。
上側及び下側配向膜14a、14bには、ラビングにより配向処理が施されている。上側配向膜14aと下側配向膜14bの配向処理方向は、上側及び下側基板10a、10bの法線方向から見たとき、たとえば相互に直交している。上側配向膜14aのラビング方向を第1の方向、下側配向膜14bのラビング方向を第2の方向とすると、第2の方向は上側基板10aの法線方向から見て、第1の方向を基準に、右回り方向に90°をなす方向である。上側及び下側基板10a、10bの配向処理方向とプレティルト角の組み合わせで規定される液晶層15の液晶分子の配列状態は、第1旋回方向に捩れるリバースツイスト配列状態である。液晶層15の液晶分子の配列状態がリバースツイスト配列状態であるとき、液晶層15の厚さ方向の中央に位置する液晶分子の配向方向は、図4の紙面垂直方向と平行な方向となる。
液晶層15を形成する液晶材料にはカイラル剤が添加されている。カイラル剤の影響力のもとで生じる液晶分子の配列状態は、第1旋回方向とは逆の第2旋回方向に捩れるスプレイツイスト配列である。
また、液晶層15には、重合可能な材料、実施例においては、UVキュアラブル液晶に紫外線が照射されることで合成された重合体(ポリマー)が含まれている。重合可能な材料は、液晶層15の質量(液晶材料、カイラル剤、及び重合可能な材料の合計質量)に対し、5%以下の範囲で添加される。
電源20が、上側、下側ベタ電極12a、12b、及び第1、第2櫛歯電極12c、12dに、電気的に接続されている。電源20によって、電極12a〜12dに電圧を印加することが可能である。液晶表示素子完成状態(初期状態)における液晶層の液晶分子の配列状態は、スプレイツイスト配列状態である。たとえば両ベタ電極12a、12b間に、閾値電圧以上の交流電圧を印加することで、液晶層15に縦電界を発生させ、液晶分子の配列状態を、スプレイツイスト配列状態からリバースツイスト配列状態に遷移させることができる。また、たとえば下側ベタ電極12b及び第1、第2櫛歯電極12c、12dに閾値電圧以上の交流電圧を印加することで、液晶層15に横電界(図4においては左右方向に沿う電界)を発生させ、液晶分子の配列状態を、リバースツイスト配列状態からスプレイツイスト配列状態に遷移させることができる。なお、電極12b、12c、12dへの電圧の印加により、液晶層に横電界を生じさせて、液晶表示素子を駆動する駆動モードをFFSモード(fringe field switching mode)と呼ぶ。
また、第1、第2櫛歯電極12c、12dに閾値電圧以上の交流電圧を印加することで、液晶層15に横電界を発生させ、液晶分子の配列状態を、リバースツイスト配列状態からスプレイツイスト配列状態に遷移させることも可能である。第1、第2櫛歯電極12c、12dへの電圧の印加により液晶層に横電界を生じさせて、液晶表示素子を駆動する駆動モードをIPSモード(in-plane switching mode)と呼ぶ。
なお、リバースツイスト配列状態の液晶層に縦電界を付加した場合は、リバースツイスト配列状態が維持され、スプレイツイスト配列状態の液晶層に横電界を付加した場合は、スプレイツイスト配列状態が維持される。
実施例による液晶表示素子においては、上側基板10a、下側基板10bの液晶層15と反対側の面に、それぞれ上側偏光板16a、下側偏光板16bが配置されている。両偏光板16a、16bは、クロスニコルに、かつ、光透過軸が、上側及び下側基板10a、10bのラビング方向と平行になるように配置される。
実施例による液晶表示素子は、リバースツイスト配列状態とスプレイツイスト配列状態とが、たとえば液晶層に付加する電界の方向により可換的に実現されるリバースツイステッドネマチック型液晶表示素子である。
本願発明者らは、実施例によるリバースツイステッドネマチック型液晶表示素子の表示に関し、種々の調査を行った。
図6A〜図6Dは、紫外線硬化性材料を2wt%添加した液晶表示素子のメモリ安定性について実験した結果を示す写真である。
図6Aは、1J/cmの紫外線を照射して重合反応を生じさせ、液晶層15内に重合体(ポリマー)を合成した後の液晶表示素子を示す外観写真である。左の写真は、スプレイツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子の外観を示し、右の写真は、リバースツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子の外観を示す。この点は、図6A〜図6Dのすべてに共通する。
実施例による液晶表示素子は、スプレイツイスト配列状態時に白表示が行われ、リバースツイスト配列状態時に黒表示が行われる。紫外線照射時にスプレイツイスト配列状態であった液晶表示素子は、紫外線照射後もスプレイツイスト配列状態が維持され、紫外線照射時にリバースツイスト配列状態であった液晶表示素子は、紫外線照射後もリバースツイスト配列状態が維持されている。
図6Bは、上側ベタ電極12aと下側ベタ電極12bに閾値電圧以上の電圧を印加し、液晶層15に縦電界を付加した後の液晶表示素子を示す外観写真である。
左の写真に示す液晶表示素子は、スプレイツイスト配列状態からリバースツイスト配列状態に遷移していることがわかる。右の写真に示す液晶表示素子は、リバースツイスト配列状態が維持されている。
図6Cは、これらの液晶表示素子に90℃で30分の熱処理を施した後の外観写真である。90℃という高温での熱処理後も、安定にリバースツイスト配列状態が保持されていることがわかる。
図6Dは、更に、下側ベタ電極12b及び第1、第2櫛歯電極12c、12dに閾値電圧以上の電圧を印加し、液晶層15に横電界を付加した後の液晶表示素子を示す外観写真である。
左の写真(スプレイツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子)においても、右の写真(リバースツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子)においても、横電界の付加により、スプレイツイスト配列状態に遷移していることがわかる。
図6A〜図6Dに示す結果から、実施例による液晶表示素子は、電界の付加による表示のスイッチング性(リバースツイスト配列状態とスプレイツイスト配列状態との間のスイッチング性)と、高いメモリ性(熱的な安定性)とをともに備える液晶表示素子であることがわかる。
図7は、図6Cに外観写真を示した液晶表示素子(90℃で30分の熱処理を施した後の液晶表示素子)を示す顕微鏡写真である。左はリバースツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子の顕微鏡写真を示し、右はスプレイツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子の顕微鏡写真を示す。左右とも、表示領域の角を撮影した写真を上に示し、表示領域の縁を撮影した写真を下に示す。顕微鏡観察によれば、表示領域(リバースツイスト配列状態)と非表示領域(スプレイツイスト配列状態)との境界で、数十μmのがたつきはあるものの、表示領域では安定してリバースツイスト配列状態が保持されていることがわかる。また、リバースツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子(左の写真)と、スプレイツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子(右の写真)との間に有意差は認められず、どちらもリバースツイスト配列状態が安定的に保持されていることがわかる。
次に、本願発明者らは、紫外線硬化性材料の添加濃度とメモリ性の関係について実験を行った。
図8A〜図8Dは、異なる添加量(1wt%、2wt%、5wt%)で紫外線硬化性材料を添加した液晶表示素子のメモリ安定性について実験した結果を示す写真である。図6A〜図6Dに示した写真と同様に、図8A〜図8Dについても、左列の写真は、スプレイツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子の外観を示し、右列の写真は、リバースツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子の外観を示す。また、図8A〜図8Dに共通して、上段は紫外線硬化性材料の添加量を1wt%として作製した液晶表示素子の外観写真、中段は紫外線硬化性材料の添加量を2wt%として作製した液晶表示素子の外観写真、そして下段は紫外線硬化性材料の添加量を5wt%として作製した液晶表示素子の外観写真を示す。なお、添加量を1wt%、5wt%として作製した液晶表示素子にはセル厚ムラがあった。
図8Aは、1J/cmの紫外線を照射して重合反応を生じさせ、液晶層15内に重合体(ポリマー)を合成した後の液晶表示素子を示す外観写真である。
添加量が1wt%、2wt%、5wt%のいずれの場合も、紫外線照射時にスプレイツイスト配列状態であった液晶表示素子は、紫外線照射後もスプレイツイスト配列状態が維持され、紫外線照射時にリバースツイスト配列状態であった液晶表示素子は、紫外線照射後もリバースツイスト配列状態が維持されているといえる。
図8Bは、上側ベタ電極12aと下側ベタ電極12bに閾値電圧以上の電圧を印加し、液晶層15に縦電界を付加した後の液晶表示素子を示す外観写真である。
左列の写真に示す液晶表示素子は、スプレイツイスト配列状態からリバースツイスト配列状態に遷移していることがわかる。右列の写真に示す液晶表示素子は、リバースツイスト配列状態が維持されている。
図8Cは、これらの液晶表示素子に90℃で30分の熱処理を施した後の外観写真である。90℃という高温での熱処理後も、紫外線硬化性材料の添加量(1wt%、2wt%、5wt%)にかかわらず、安定にリバースツイスト配列状態が保持されていることがわかる。
図8Dは、更に、下側ベタ電極12b及び第1、第2櫛歯電極12c、12dに閾値電圧以上の電圧を印加し、液晶層15に横電界を付加した後の液晶表示素子を示す外観写真である。
左列の写真(スプレイツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子)においては、紫外線硬化性材料の添加量が、1wt%、2wt%、5wt%のいずれの場合においても、横電界の付加により、スプレイツイスト配列状態に遷移している。
右列の写真(リバースツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子)を参照すると、紫外線硬化性材料の添加量が、1wt%、2wt%の液晶表示素子においては、横電界の付加により、スプレイツイスト配列状態に遷移しているが、5wt%の液晶表示素子においては、横電界を付加しても、リバースツイスト配列状態のままである(スプレイツイスト配列状態に遷移しない)ことがわかる。
図8A〜図8Dに示す結果から、液晶層に重合可能な材料を添加し、これを重合させて、液晶層内に重合体(ポリマー)を合成した実施例による液晶表示素子は、電界の付加による表示のスイッチング性(リバースツイスト配列状態とスプレイツイスト配列状態との間のスイッチング性)と、高いメモリ性(熱的な安定性)とをともに備える液晶表示素子であるということができる。ただし、添加量が5wt%の場合、リバースツイスト配列状態時に紫外線を照射した液晶表示素子については、熱処理後の横電界付加で、リバースツイスト配列状態からスプレイツイスト配列状態に遷移させることができなかったことから、重合可能な材料の添加量は5wt%以下とすることが好ましいであろう。
なお、実施例による液晶表示素子は、比較例による液晶表示素子と同様に、正面から観察した場合であっても、高いコントラスト比で表示が行われていた。
実施例による液晶表示素子は、表示のメモリ性(熱的な安定性)が高く、温度によらず半永久的に表示を保持することが可能であり、たとえば90℃程度の高温環境下においても、それぞれの配列状態(リバースツイスト配列状態、または、スプレイツイスト配列状態)での表示を安定して保持することができる。このため、車載用、航空機用、屋外用等、高い信頼性を要求される液晶表示素子にも利用可能である。また、高コントラスト比での表示と両立させることができる。このように実施例による液晶表示素子は、高い表示品質を有する液晶表示素子である。
また、実施例による液晶表示素子は、たとえば図4及び図5を参照して説明した製造方法で、安価に製造することができる。製造方法は、配向膜材料、ラビング条件(押し込み量の制御)、配向膜の焼成条件、液晶材料に重合可能な材料を添加し、たとえば紫外線を照射して液晶層内に重合体(ポリマー)を形成する点等を除き、一般的なツイステッドネマチック型液晶表示素子の製造方法とほぼ等しいため、一般的なツイステッドネマチック型液晶表示素子と比較してコストアップの要因は少ない。なお、紫外線の照射は、液晶表示素子に電圧を印加した状態で行う必要はない。2つの安定な配列状態(リバースツイスト配列状態またはスプレイツイスト配列状態)のいずれかの状態で紫外線を照射すればよい。
実施例による液晶表示素子は、表示の書き換え時以外は電力を消費しない、超低消費電力駆動が可能である。特に反射型ディスプレイに適用した場合、メリットは大きい。
駆動方法として、たとえば線順次書き換え法(線順次駆動法)等の、メモリ性を利用した駆動方法を適用することができる。したがって、高価なTFT等を用いることなく、単純マトリクス表示により、大容量のドットマトリクス表示を行うことができる。すなわち、低コストで大容量の表示を行うことが可能である。
更に、透過型ディスプレイ、透反ディスプレイ、反射型ディスプレイのいずれの場合にも好適なディスプレイを実現することができる。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば、実施例においては、偏光板をクロスニコルに配置しノーマリホワイト表示の液晶表示素子としたが、偏光板を平行ニコルに配置しノーマリブラック表示の液晶表示素子としてもよい。ただノーマリホワイトとした方が高コントラスト比での表示を実現しやすいであろう。ノーマリホワイト表示の場合、良好な黒表示を得るためには、上側及び下側偏光板16a、16bの透過軸方向のなす角度は、90°付近であることが望ましい。なお、実施例においてはツイスト角をたとえば90°としたが、その他の角度とすることもできる。
また、実施例においては、配向処理をラビングで行ったが、たとえば光配向法、斜方蒸着法等、他の配向処理方法を用いて配向処理を行うことができる。
更に、実施例においては下側基板10bにのみ、横電界を生じさせる電極を形成したが、下側基板10bだけでなく、上側基板10aにも形成することができる。横電界を生じさせる電極は、上側基板10a、下側基板10bのうちの少なくとも一方に形成すればよい。
また、実施例においては、液晶層15の質量に対し、1wt%、2wt%、5wt%となる条件で、重合可能な材料を添加した。1wt%以上5wt%以下の範囲に限らず、重合可能な材料の添加量が0.5wt%以上5wt%以下の範囲であっても、同様の効果を得ることができるであろう。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
液晶表示素子全般、たとえば単純マトリクス駆動を行う液晶表示素子全般に利用することができる。また、低消費電力、広い視角特性、低価格等が求められる液晶表示素子に利用可能である。
メモリ性を有する点からは、たとえば省電力で頻繁な書き換えを必要としない情報機器(パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)の表示面等、反射型、透過型、投射型のディスプレイに好ましく適用可能である。また、磁気記録ないし電気記録されたカードの情報表示面、児童用玩具、電子ペーパー等に利用することができる。
更に、災害発生時の停電に際しても表示を保つためのディスプレイに利用可能である。
また、熱的に高い表示安定性を備えるため、たとえば高温環境下で使用される液晶表示素子に好適に利用可能である。
10a 上側基板
10b 下側基板
11a 上側透明基板
11b 下側透明基板
12a 上側ベタ電極
12b 下側ベタ電極
12c 第1櫛歯電極
12d 第2櫛歯電極
13 絶縁膜
14a 上側配向膜
14b 下側配向膜
15 液晶層
16a 上側偏光板
16b 下側偏光板
20 電源

Claims (5)

  1. 第1の電極を備え、配向処理された第1の基板と、
    前記第1の基板と平行に対向配置され、第2の電極を備え、配向処理された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、カイラル剤、及び重合体を含み、ツイスト配向する液晶層と
    を有し、
    前記液晶層が前記カイラル剤を含まなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向を第1旋回方向とするとき、前記カイラル剤は前記液晶層の液晶分子に、前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向への旋回性を与え、
    前記重合体は、前記液晶層の質量に対し、5wt%以下の範囲で添加された重合可能材料から合成され、
    前記液晶層には、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することで、前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、
    前記第1の基板、前記第2の基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されており、
    前記第1の基板ならびに前記第2の基板に対する配向処理、及び、前記液晶層へのカイラル剤の添加は、前記液晶層に付加する電界の方向により、前記液晶層の液晶分子が、リバースツイスト配列状態と、スプレイツイスト配列状態との間で相互に遷移するように行われている液晶表示素子。
  2. 前記重合体は、前記液晶層の質量に対し、0.5wt%以上5wt%以下の範囲で添加された重合可能材料から合成されている請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記重合体は、前記液晶層の質量に対し、1wt%以上5wt%以下の範囲で添加された重合可能材料から合成されている請求項2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記重合体は、前記液晶層の液晶分子がリバースツイスト配列状態またはスプレイツイスト配列状態にあるときに重合処理がなされて合成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  5. 前記第2の基板は、
    透明基板と、
    前記透明基板上に形成された前記第2の電極と、
    前記第2の電極上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成された、第1及び第2の櫛歯電極であって、櫛歯部分が交互に配置されている第1及び第2の櫛歯電極と、
    前記第1及び第2の櫛歯電極を覆うように前記絶縁膜上に形成された配向膜と
    を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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