JP2013200433A - サドル - Google Patents

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美保 大久保
Yasuo Okumiya
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Abstract

【課題】胴振動の混入を抑えながら、圧電センサへ弦振動を伝達することが可能なサドルを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、上面側に複数の弦当接位置を有するサドル本体を備えるサドルであって、このサドル本体が複数の弦当接位置間毎に凹部を有することを特徴とする。前記サドル本体が複数の弦当接位置の両側にさらに一対の凹部を有することが好ましく、前記サドル本体が下面側における前記凹部と対向する位置に一又は複数の凹部をさらに有することが好ましく、前記凹部が、弦当接方向と垂直な方向に貫通していることが好ましく、前記サドル本体内又は下面側に配設されるセンサをさらに備え、このセンサが、前記複数の弦当接位置の下方に対偶配設される複数の圧電素子を有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、サドルに関する。
アコースティックギター等の弦楽器の演奏音を増幅して電気的に出力する場合、弦楽器の振動を検出し、電気信号として出力するピックアップが用いられ、このピックアップからの電気信号をアンプで増幅することで演奏音が電気的に出力される。
前記ピックアップとしては、弦楽器の本体に装着され、圧電素子を備えるものが普及している。この圧電素子は、圧電体(圧電膜)が2枚の電極で挟まれた構造を有し、振動による圧力を受けると圧電体が変形して電極間に電圧を発生させるよう構成されている。
このようなピックアップを用いて弦楽器の原音により近い高質な音を電気的に出力するためには、できるだけノイズ(胴の振動等)を含まない弦振動を検出することが好ましい。かかる観点から、ピックアップに弦の振動を伝達しやすくすべく、サドル(弦の支持体)にピックアップを組み込んだピックアップ機能付サドルが考案されており、さらに弦振動の検出を向上させるために、サドルに各弦に対応するガイド溝を形成したピックアップ機能付サドル(特開昭59−191099号公報参照)が開発されている。
しかし、前記従来のサドルは、ピックアップが胴体の一部(ブリッジ)に接触しているので、胴体の振動が不可避的に弦の振動と同時に検出される構造を有している。そのため、弦振動に胴振動が混入した信号が出力されてしまい、ノイズの少ない弦振動を電気信号として出力することが十分に達成できていない。
特開昭59−191099号公報
本発明は、前述のような事情に基づいてなされたものであり、胴振動の混入を抑えながら圧電センサへ弦振動を伝達することが可能なサドルを提供することを目的とする。
前記課題を解決するためになされた発明は、
上面側に複数の弦当接位置を有するサドル本体を備えるサドルであって、
このサドル本体が複数の弦当接位置間毎に凹部を有することを特徴とする。
当該サドルにおいては、サドル本体の弦当接位置間毎に凹部を有することによって、各弦の振動が凹部間の壁部で反射、遮断されてそれぞれの下方に集中伝達されるため、弦振動の圧電素子への伝達性を向上させることができる。これにより、当該サドルは圧電素子を有するセンサをサドル本体の内部又は下面側に配設した場合、弦振動の伝達強度が胴振動の伝達強度に対して相対的に大きくなるため、胴振動の混入を抑えながら弦振動を圧電素子に伝達することができる。また、凹部間(弦当接位置の下側部分)では、凹部間以外の領域(弦当接位置間部分)に比べ剛性(弦当接方向の曲げ応力に対する変形のしにくさ)が大きくなり、弦当接位置の下側部分に配置されたセンサが胴振動によって変形することを防ぐことができる。これにより、弦当接位置の下側部分においては胴振動による撓みが発生しにくくなって、胴振動の伝達率が低くなる。
前記サドル本体が複数の弦当接位置の両側にさらに一対の凹部を有するとよい。このように弦当接位置の両側にも凹部を設けることによって、両端の弦の振動がサドルの側面側に逃げるのを防いで、両端の弦の弦振動をサドルの下方向にさらに伝達させやすくすることができる。この結果、当該サドルは、サドル本体の内部又は下面側に配設される圧電素子に対して、胴振動の検出をさらに効果的に抑制することができる。
前記サドル本体が下面側における前記凹部と対向する位置に一又は複数の凹部をさらに有するとよい。このようにサドル本体の下面側にも凹部を設けることによって、サドル本体内部で上下の凹部に挟まれた部分、つまり弦当接位置間部分の剛性が、凹部に挟まれない部分、つまり弦当接位置の下側部分の剛性よりもさらに低くなる。そのため、当該サドルは、サドル本体の内部に配設される圧電素子に対して、胴振動の検出をさらに効果的に抑制することができる。
前記凹部が、弦当接方向と垂直な方向(弦と平行な方向)に貫通しているとよい。このように凹部が弦と平行な方向にサドルを貫通した溝形状であることによって、前述の弦振動の下方への伝達性をさらに向上させることができる。また、下面側にも凹部を有する場合には、弦当接位置間部分に対する弦当接位置の下側部分の剛性をさらに相対的に高めることができる。そのため、当該サドルは、サドル本体内部に配設される圧電素子の胴振動の検出抑制作用を向上させることができる。
前記サドル本体内又は下面側に配設されるセンサをさらに備え、このセンサが、前記複数の弦当接位置の下方に対偶配設される複数の圧電素子を有するとよい。このように各弦の下側に対偶配設される圧電素子を有するセンサを備えることによって、前述の凹部による弦振動の下方への規制作用により、当該サドルは胴振動の混入率が低い弦振動を主要因とする電気信号を選択的に出力することができる。
なお、「上面」、「下面」及び「下方」に係る上下関係は、弦楽器の胴部の外方向を上、その反対方向を下とする。
以上説明したように、本発明のサドルは、胴振動の混入を抑えながら圧電センサへ弦振動を伝達することが可能である。そのため、弦楽器の演奏音を高質に再現可能な電気信号を出力することができ、アコースティックギター等に好適に用いることができる。
本発明の第一実施形態に係るサドルの弦と垂直方向の模式的断面図 本発明の第二実施形態に係るサドルの弦と垂直方向の模式的断面図 本発明の第三実施形態に係るサドルの弦と垂直方向の模式的断面図 本発明の第四実施形態に係るサドルの弦と垂直方向の模式的断面図
以下、本発明のサドルの実施の形態を適宜図面を参照しつつ詳説する。
<第一実施形態>
図1のサドル1は、一般的には駒を介して弦楽器の胴部の表面側に突設され、複数の弦を支持するものである。当該サドル1は、細長い板状体であり、その長手方向を胴部の表面と略平行に、広い面積を有する板面を胴部の表面と略垂直に配設される。当該サドル1は、サドル本体2と、このサドル本体2内に配設されるセンサ3とを備える。以下、このサドル1の構造を具体的に説明する。
サドル本体2は、上面に弦Xが当接する複数の弦当接位置を有する。サドル本体2は、略直方体形状のサドル上部2aと、このサドル上部2aの下面に位置する略直方体形状のサドル下部2bとからなる。このサドル上部2aは、弦当接位置の各間と、弦当接位置の両外側とに形成された凹部4aを有している。また、サドル本体2は、内部(サドル上部2aとサドル下部2bとの間)にセンサ3が収納される内部空間部5aを有し、さらにセンサ3に接続されるリード線(図示せず)を内部空間部5aからサドル下部2bの下側に挿通させるリード線挿通孔5bを有する。
サドル上部2aのサイズとしては、当該サドル1が装着される弦楽器の弦を支持できるものであれば特に限定されず、例えば6弦を有するアコースティックギターに装着する場合、長さ(弦の並び方向)が70mm以上90mm以下、幅(弦と平行方向)が2mm以上4mm以下、高さ(弦の当接方向)が3mm以上6mm以下とすることができる。また、サドル下部2bのサイズとしては、長さ及び幅はサドル上部2aと同様とすることができ、高さは3mm以上6mm以下とすることができる。
サドル上部2a及びサドル下部2bの材質としては、サドルの材質として公知のものを用いることができ、例えば、象牙、牛骨、合成樹脂等を用いることができるが、剛性及びコストの観点から、ユリア樹脂が特に好ましい。なお、サドル上部2aとサドル下部2bとで異なる材質を用いることも可能である。
凹部4aは、弦当接位置の間にサドル上部2aの上面から下方に向かって溝状に形成されており、サドル上部2aを弦と平行な方向に(正面から背面に)貫通している。凹部4aの側面(上下方向の壁面)は、弦及びセンサ3と略垂直となるように形成され、底面(下面)は、センサ3と略平行となるように形成されている。当該サドル1は、凹部4aによってセンサ3へ弦の振動を効率よく伝達することができる。
凹部4aのサイズとしては、弦を支持する面積及び強度が維持できれば特に限定されず、例えば幅(弦の並び方向)が0.5mm以上5mm以下、深さが3mm以上5mm以下、凹部4a同士の幅方向の間隔が10mm以上12mm以下とすることができる。
また、サドル上部2aの弦当接面から内部空間部5aまでの距離としては、例えば3mm以上6mm以下とすることができ、内部空間部5aのサイズとしては、例えば長さが65mm以上85mm以下、幅が2mm以上4mm以下、高さが0.5mm以上3mm以下とすることができる。さらに、リード線挿通孔5bの径としては2mm以上5mm以下とすることができる。
センサ3は、基板3aと、複数の圧電素子3bとを有する平板状のセンサ体である。複数の圧電素子3bは、基板3aの上面で、サドル本体2の複数の弦当接位置と対偶する位置、つまり、各弦の略真下に対偶配設されている。また、センサ3は、リード線が接続される電極端子(図示せず)を有する。弦Xの振動は、サドル上部2aを介してセンサ3が有する各圧電素子3bに圧力として伝わり、電気信号に変換されてリード線から外部へと出力される。
前記基板3aのサイズとしては特に限定されず、例えば厚みが50μm以上3mm以下、幅が0.5mm以上3mm以下、長さが30mm以上70mm以下とすることができる。ただし、基板3aの凹部4aと対偶する部分(弦当接位置間部分)が撓みやすいように、厚みは50μm以上0.5mm以下とすることが好ましい。基板3aの厚みを前記範囲とすることによって、凹部4aと対偶する部分が胴振動によって撓みやすくなるため、凹部4aと対偶しない部分(弦当接位置の下側部分)に胴振動による撓みが発生することを抑制することができる。
基板3aの材質としては、特に限定されず、例えば合成樹脂、ゴム、金属、金属化合物、セラミックス等を用いることができる。基板3aの材質の具体例としては、ケイ素、サファイア、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、炭化ケイ素、ガラス、窒化珪素、ステンレス、炭化チタン、窒化チタン等を挙げることができ、これらの中でもジルコニアが特に好ましい。
前記圧電素子3bの構造は特に限定されず、例えば、圧電膜を上電極及び下電極で挟んだ構造を用いることができる。このような圧電素子3bのサイズとしては、弦の振動を十分な大きさの電圧に変換できれば特に限定されず、例えば厚みが10μm以上100μm以下、基材3aの幅方向の長さが0.5mm以上2mm以下、基材3aの長手方向の長さが0.5mm以上10mm以下とすることができる。
圧電素子3bに用いる圧電膜の材質としては、圧電効果により電圧を生じさせるものであれば特に限定されず、例えば各種の酸化物や窒化物、高分子等を挙げることができる。圧電膜の材質の具体例としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、四ホウ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、ランガサイト系結晶などの単結晶、酸化亜鉛や窒化アルミニウムなどの配向結晶、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることができ、これらの中でも高い圧電性を有するジルコン酸チタン酸鉛が特に好ましい。
圧電素子3bに用いる電極の材質としては、電気伝導性を有すれば特に限定されず、例えば白金、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、銅、パラジウム、クロム、あるいはこれらの合金等を挙げることができる。これらの中でも電気伝導率や化学的な安定性の観点から白金または金が好ましく、金がより好ましい。
圧電素子3bの基板3aへの積層方法としては、特に限定されず、例えばスクリーン印刷法、スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ法、ディップ法等を用いることができる。
センサ3の電極端子へのリード線の接続方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、半田付け、圧着金具による接続、導電性接着剤による接着、ワイヤボンディング等を挙げることができる。
センサ3のサドル本体2への固定方法は特に限定されるものではなく、サドル上部2a又はサドル下部2bに接着剤等によって接着してもよく、サドル上部2aとサドル下部2bとで挟持するのみでもよい。ただし、弦の振動をより確実に伝達できるように、サドル上部2aに各圧電素子3bの表面を接着させることが好ましい。
なお、サドル上部2aとサドル下部2bとは、例えばピン止め、ネジ止め、接着剤による接合等の手段で固定される。
当該サドル1は、圧電素子3bを有するセンサ3がサドル上部2aとサドル下部2bとの間に配設されているため、胴の振動が伝達されにくい。また、サドル上部2aの各弦当接位置の間に溝状の凹部4aが形成されているため、各弦の振動が圧電素子3bに伝達されやすい。これにより、弦振動の伝達強度を胴振動の伝達強度に対して相対的に大きくすることができる。その結果、当該サドル1は、胴振動の混入を効果的に抑えて、弦振動を主要因とする電気信号を選択的に出力することができる。
さらに、当該サドル1においては、複数の圧電素子3bがサドル本体2の複数の弦当接位置の下方に対偶配設されており、各圧電素子3bと各弦とを連絡する柱状体が複数の凹部4aによって形成されている。基板3aにおいて、この柱状体が積層されている部分(弦当接位置の下側部分)は、この柱状体が積層されていない部分(弦当接位置間部分)に対して高い剛性を有する。そのため、胴振動による撓みは、弦当接位置間部分に生じやすく、弦当接位置の下側部分には生じにくい。つまり、サドル本体2は圧電素子3bに胴振動による圧力が加わりにくい構造を有する。これにより、当該サドル1は、圧電素子3bに対する高い胴振動伝達防止効果を有する。
なお、当該サドル1においては、前述の凹部4aの作用によって、各弦の振動がそれぞれの真下に対偶配設された圧電素子3bのみに伝達されやすい。そのため、各圧電素子3bにそれぞれリード線を接続することで、各弦の振動を分離出力することも可能である。
<第二実施形態>
図2のサドル11は、前記図1のサドル1と同様であり、サドル本体12と、このサドル本体12内に配設されるセンサ3とを備える。このセンサ3と、サドル本体12内の内部空間部5a及びリード線挿通孔5bとは、前記サドル1と同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。
サドル本体12は、前記図1のサドル本体2と同様の形状であり、略四角柱状のサドル上部12aと、サドル下部12bとからなる。サドル上部12aは、弦当接位置の各間と、弦当接位置の両外側とに形成された凹部4aを有しており、サドル下部12bは、サドル上部12aの凹部4aと対向する位置に上に凹となるよう形成された凹部4bを有している。
サドル上部12a及びサドル上部12aの有する凹部4aと、サドル下部12bのサイズ及び材質とは、図1のサドル1のものと同様であるので、詳細な説明を省略する。
サドル下部12bの有する凹部4bは、サドル上部12aの有する凹部4aと対向する位置に、サドル下部12bの下面から上方に向かって溝状に形成されており、サドル下部12bを弦と平行な方向に(正面から背面に)貫通している。この凹部4bの側面(上下方向の壁面)は、弦及びセンサ3と略垂直となるように形成され、天面(上面)は、センサ3と略平行となるように形成されている。
サドル下部12bに形成される凹部4bのサイズとしては、サドル上部12aに形成される凹部4aと同程度とすることができ、例えば幅(弦の並び方向)が0.5mm以上5mm以下、深さが3mm以上5mm以下、凹部4b同士の幅方向の間隔が10mm以上12mm以下とすることができる。
当該サドル11は、サドル上部12aの各弦当接位置の間に溝状の凹部4aが形成されていることに加え、この凹部4aと対向する溝状の凹部4bがサドル下部12bにも形成されている。サドル本体12内の圧電素子3bが積層されていない部分(弦当接位置間部分)は、上下両側に凹部を有するため、圧電素子3bが積層されている部分(弦当接位置の下側部分)に対して厚みが図1のサドル1よりもさらに小さくなり、剛性が一層低くなる。この結果、弦当接位置の下側部分には、図1のサドル1よりも胴振動による撓みがさらに生じにくい。そのため、当該サドル11は、さらに高い圧電素子3bに対する胴振動伝達防止効果を発揮する。
<第三実施形態>
図3のサドル21は、前記図1のサドル1と同様であり、サドル本体22と、このサドル本体22内に配設されるセンサ3とを備える。このセンサ3と、サドル本体22の弦当接位置の各間及び弦当接位置の両外側に形成された凹部4a、4bとは、前記図1のサドル1又は前記図2のサドル11と同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。
サドル本体22は、上面に弦Xが当接する弦当接位置と、内部空間部25aとを有する。サドル本体22は、弦当接位置の各間と、弦当接位置の両外側とに形成された凹部4aを上面に有しており、さらに、上面側の凹部4aと対向する位置に形成された凹部4bを有している。なお、前記内部空間部25aにはセンサ3が収納され、合成樹脂が充填される。また、サドル本体22は、センサ3に接続されるリード線(図示せず)を内部空間部25aからサドル下側に挿通させるリード線挿通孔25bを有する。
サドル本体22のサイズとしては、当該サドル21が装着される弦楽器の弦を支持できるものであれば特に限定されず、例えば6弦を有するアコースティックギターに装着する場合、長さが70mm以上90mm以下、幅が2mm以上4mm以下、高さが5mm以上15mm以下とすることができる。
また、サドル本体22の弦当接面から内部空間部25aまでの距離及び内部空間部25aのサイズは、図1のサドル1と同様とすることができる。
サドル本体22の材質としては、サドルの材質として公知のものを用いることができ、例えば、象牙、牛骨、合成樹脂等を用いることができるが、剛性及びコストの観点から、ユリア樹脂が特に好ましい。
センサ3は、内部空間部25a内に配設されており、各圧電素子3bは、内部空間部25aの上面に接合されている。
内部空間部25aには合成樹脂が充填され、センサ3が固定されている。内部空間部25aに充填する合成樹脂としては特に限定されないが、基板3aを撓みやすくするために、例えば、ユリア系樹脂やエラストマー等を用いることが好ましい。
当該サドル21は、図2のサドル11と同様の構造的特徴を有するため、圧電素子3bに各弦の振動が伝達されやすくなると同時に、胴振動による撓みが圧電素子3bが積層されていない部分(弦当接位置間部分)に生じやすく、圧電素子3bが積層されている部分(弦当接位置の下側部分)には生じにくいため、圧電素子3bに胴振動による圧力が加わりにくい。この結果、弦振動の伝達強度を胴振動の伝達強度に対して相対的に大きくすることができる。そのため、当該サドル21は、胴振動の混入を抑えて、弦振動を主要因とする電気信号を選択的に出力することができる。
<第四実施形態>
図4のサドル31は、前記図1のサドル1と同様であり、サドル本体32と、このサドル本体32内に配設されるセンサ3とを備える。このセンサ3と、サドル本体32内の内部空間部5a及びリード線挿通孔5bとは、前記サドル1と同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。
サドル本体32は、前記図1のサドル本体2と同様の形状であり、略四角柱状のサドル上部32aと、サドル下部32bとからなる。サドル上部32aは、弦当接位置の各間と、弦当接位置の両外側とに形成された凹部34aを有している。
サドル上部32a及びサドル下部32bは、図1のサドル1のものと同様であるので、詳細な説明を省略する。
凹部34aは、弦当接位置の間にサドル上部32aの上面から下方に向かって溝状に形成されており、サドル上部32aを弦と平行な方向に(正面から背面に)貫通している。凹部34aの側面(上下方向の壁面)は、弦及びセンサ3と略垂直となるように形成され、凹部34aの底面(下面)は、下に凸となる円弧状(U字型状)の断面を有するように形成されている。
凹部34aのサイズとしては、弦を支持する面積及び強度が維持できれば特に限定されず、例えば幅(弦の並び方向)が0.5mm以上5mm以下、深さが3mm以上5mm以下、凹部34a同士の幅方向の間隔が10mm以上12mm以下とすることができる。
当該サドル31は、図1のサドル1と同様に、サドル上部32aの各弦当接位置の間に溝状の凹部34aが形成されているため、圧電素子3bへの弦振動の伝達性を高めることができる。これに加えて、当該サドル31は、この凹部34a底面部の断面がU字型状であるため、サドル本体32の強度を高く保つことができる。また、このU字型状によって、センサ3において上面側に凹部34aが形成されていない部分(弦当接位置の下側部分)の剛性が、上面側に凹部34aが形成されている部分(弦当接位置間部分)に比べてさらに高くなるため、当該サドル31は、圧電素子3bへの胴振動の伝達をより効果的に防止することができる。
<その他の実施形態>
本発明のサドルは前記実施形態に限定されるものではない。例えば、サドル本体が有する凹部の形状は、溝状に限られず、弦と平行な方向に(正面から背面に)貫通していない穴状であってもよい。
また、サドル本体の複数の弦当接位置の両側(外側)の凹部は省略することも可能である。この凹部を省略した場合、弦振動の伝達効率を向上させる代わりに、サドルの加工性、強度等を向上させることができる。
さらに、前記各実施形態では各凹部の底面(又は天面)がセンサと平行な平面である形状、又は断面がU字型状である形状を用いたが、本発明における各凹部の断面形状はこれに限定されるものではない。各凹部の断面形状は、例えば、サドル本体内側に向かって幅が減少する楔型(三角形状)等とすることもできる。また、各凹部のサイズ(幅、深さ等)は、全て同一とする必要はなく、弦の太さにあわせて適宜調節することができる。
また、前記各実施形態では基材の上面に圧電素子を積層したが、本発明に用いることができるセンサの構造はこれに限定されず、基材の下面に圧電素子を積層してもよい。弦振動の伝達効率の点から、圧電素子は基材の上面に積層することが望ましいが、サドルの生産性に優れる場合等には、製造工程にあわせて圧電素子を下面に積層することも可能である。
さらに、サドル本体内に配設されるセンサとしては、基板の上に単一の帯状の圧電素子を積層したセンサ体を用いてもよい。また、基板を有さず、圧電膜フィルムの両面に電極をスクリーン印刷等で印刷したセンサ体を用いることも可能である。
以上説明したように、本発明のサドルは、胴振動の混入を抑えながら圧電センサへ弦振動を伝達することが可能である。そのため、弦楽器の演奏音を高質に再現可能な電気信号を出力することができ、アコースティックギター等の弦楽器に好適に用いることが可能である。
1、11、21、31 サドル
2、12、22、32 サドル本体
2a、12a、32a サドル上部
2b、12b、32b サドル下部
3 センサ
3a 基板
3b 圧電素子
4a、4b、34a 凹部
5a、25a 内部空間部
5b、25b リード線挿通孔
X 弦

Claims (5)

  1. 上面側に複数の弦当接位置を有するサドル本体を備えるサドルであって、
    このサドル本体が複数の弦当接位置間毎に凹部を有することを特徴とするサドル。
  2. 前記サドル本体が複数の弦当接位置の両側にさらに一対の凹部を有する請求項1に記載のサドル。
  3. 前記サドル本体が下面側における前記凹部と対向する位置に一又は複数の凹部をさらに有する請求項1又は請求項2に記載のサドル。
  4. 前記凹部が、弦当接方向と垂直な方向に貫通している請求項1、請求項2又は請求項3に記載のサドル。
  5. 前記サドル本体内又は下面側に配設されるセンサをさらに備え、
    このセンサが、前記複数の弦当接位置の下方に対偶配設される複数の圧電素子を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のサドル。
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