JP2013209645A - 放熱性塗料組成物、放熱性塗膜および被塗装物品 - Google Patents

放熱性塗料組成物、放熱性塗膜および被塗装物品 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化ケイ素や窒化アルミニウムのような熱伝導に優れる放熱フィラーを用なくとも、それらを用いた場合と比較して、放熱性、密着性および機械的強度に優れた塗膜を各種基材の表面に形成し得る、新規な塗料組成物を提供すること。
【解決手段】アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類およびスチレン類を反応させてなるアクリル樹脂(a−1)、エポキシ樹脂(a−2)およびアミノ樹脂(a−3)からなるバインダー樹脂組成物(A)10〜70体積%と、熱伝導度が100W/mK未満の放熱性フィラー(B)90〜30体積%と、必要に応じて着色顔料(C)0〜20体積%とを有機溶剤(D)に配合してなる、液状またはペースト状の放熱性塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種電気・電子機器における発熱する部位に放熱性に優れた塗膜を形成し得る放熱性塗料組成物、当該組成物からなる放熱性塗膜、および当該塗膜を有する被塗装物品に関する。
電気・電子機器では従来から熱対策が非常に重要視されている。例えば家電製品の高性能化や携帯機器の小型化・高密度実装化、マイクロプロセッサの高速化に伴い、電子デバイス部品1つあたりの消費電力は著しく増大しており、それに応じて発熱量が大きく増した結果、デバイスの劣化、ひいては製品の性能劣化が生じやすくなっている。
さらに、近年、省エネルギーや代替自然エネルギーの観点より、LED電球や太陽電池の市場が拡大する傾向にあるが、これらデバイスは高輝度化ないし高集光化を図るべくエネルギーが集約化されており、使用の際非常に高温になる。そこで、こうした電気・電子機器においては通常、部品モジュールや完成品レベルでそれぞれ放熱対策がなされている。
ここに放熱対策とは、電気・電子機器の内部にある熱源(高温領域)から、外界の低温領域へ熱エネルギーを輸送して放出するために、熱伝導、対流および熱放射の各伝熱手段を組み合わせた最適手段を設計することをいう。従来は簡便で放熱効率が高い対流に頼った放熱対策が一般的であり、例えば半導体装置に使用される各種モジュールにおいては、半導体素子(LSI、パワーIC等)の上面に放熱フィンを設置し、半導体素子より発せられる熱を、放熱フィンの対流作用により外部環境に放出する試みがなされている(特許文献1、2を参照)。
また、LED電球の場合には、熱源である発光ダイオードから生じた熱エネルギーを、アルミや銅などで構成された高熱伝導性の放熱板へと伝導させ、その表面より自然対流や冷却ファンを使った強制対流によって外界に放出する手段が一般に採用されている(特許文献3を参照)。
そうした物理構造にもとづく放熱手段においては、表面積をできるだけ大きくし、外部環境の雰囲気(空気)ができるだけ頻繁に入れ替わるようにすることが、放熱効率を高める点で重要になる。また、放熱板としてアルミや銅等といった熱伝導率が非常に高い材料を用い、内部熱源から前記物理的放熱手段の最表面(放熱表面)へとできるだけ多くの熱をなるべく早く輸送することも肝要である。
しかし、モジュールやセット機器が小型化すると、内部に放熱フィンや冷却ファン等を設置するスペースを確保し難くなるとともに、それらの軽量化、意匠性、経済性、携帯性等の観点より、アルミや銅等の重量がある金属の利用も制限される。さらに、一般的な電気・電子機器において放熱対策が必要な温度はせいぜい200℃程度よりも低く、比較的低温であるため、対流による放熱効果にも限界がある。そのため斯界では、対流、熱伝導および放射を組み合わせた最適な放熱設計の必要性が高まっており、その有効策として、セット機器の筐体や部品表面に放熱性塗料組成物を適用するケースが増えている。
放熱性塗料組成物とは一般的に、各種基材に対する密着性を担うバインダー樹脂に放熱性フィラー(無機粒子)を配合したものをいうが、塗膜の放熱効果を高めるためには内部熱源、基材、そして塗膜表面への熱エネルギーの輸送効率を大きくする必要があるため、放熱性フィラーとしては、熱伝導性に優れる各種セラミック粒子が適すると考えられる。この点、例えば、前記特許文献1の放熱材にも使用されている窒化アルミニウム(熱伝導率が100W/mK以上)は、特許文献4で指摘されているように、アルミナ(酸化アルミニウム)やシリカ等に比べて熱伝導率が一桁ないし二桁以上も高いため、放熱性塗膜の充填材として使用した場合にも塗膜の放熱性の寄与に貢献すると考えられる。
特開平6−209057号公報 特開平6−132433号公報 特開2004−55229号公報 特開平2−133450号公報
ところで、塗膜表面から単位面積および単位時間当たりに放出される熱量は塗膜の厚みに大きく依存するため、膜厚が小さければ小さいほど熱エネルギーの輸送効率も高くなる。この点、放熱塗料による塗膜の厚みはせいぜい数十μm程度であり、アルミ放熱フィン等の放熱部材の厚み(ミリオーダー)と比較すると二桁近くも薄い。よって、この考え方からいうと、窒化アルミニウムのように熱伝導率が高いフィラーを使用しなくとも、組み合わせるバインダー樹脂組成物次第では放熱性に優れる塗膜が得られる可能性がある。
なお、放熱性フィラーはその熱伝導率だけでなく化学的特性も考慮する必要があり、例えば前記した窒化アルミニウムは、特許文献4で同時に指摘されているように、大気中の水分と反応しやすく塗料中のバインダー樹脂組成物を経時劣化させる懸念があるため、この観点より放熱性塗膜には適さないともいえる。
一方、バインダー樹脂組成物については、塗膜の放熱性を良好にするだけでなく、基材との密着性や機械的な強度を確保できるようなものを選択する必要がある。
以上より、本発明は、窒化アルミニウムのように熱伝導の高いフィラーを用なくとも、放熱性、密着性および機械的強度に優れた塗膜を各種基材の表面に形成し得る、新規な塗料組成物を提供することを主たる課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、熱伝導性が相対的に小さい放熱フィラーを配合するバインダー樹脂として所定の樹脂を組み合わせた組成物を採用することによって、前記課題を解決できる塗料組成物が得られることを見出した。
即ち本発明は、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類およびスチレン類を反応させてなるアクリル樹脂(a−1)、エポキシ樹脂(a−2)およびアミノ樹脂(a−3)からなるバインダー樹脂組成物(A)10〜70体積%と、熱伝導度が100W/mK未満の放熱性フィラー(B)90〜30体積%と、必要に応じて着色顔料(C)0〜20体積%とを有機溶剤(D)に配合してなる、液状またはペースト状の放熱性塗料組成物;当該放熱性塗料組成物からなる放熱性塗膜;当該放熱性塗膜を有する被塗装物品、に関する。
本発明の放熱性塗料組成物によれば、放熱効率に優れるだけでなく、機械的強度や密着性も良好な塗膜を各種物品の表面に形成できる。また、本塗料組成物は塗膜の放熱効率が良好であるため、密閉ハウジングのように空気の流れが制限された空間で使用される機器・部品や、放熱板ないし放熱フィンの構造を造り込めないような小型のモジュール部品に特に好適である他、太陽電池、有機EL照明機器、駆動機器等、放熱対策が必要製品に使用することができる。
塗膜の放熱性評価装置の模式図である。
本発明の放熱性塗料組成物は、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類およびスチレン類よりえられるアクリル樹脂(a−1)(以下、(a−1)成分という)、エポキシ樹脂(a−2)(以下、(a−2)成分という)およびアミノ樹脂(a−3)(以下、(a−3)成分という)からなるバインダー樹脂(A)(以下、(A)成分という)、熱伝導度が100W/mK未満の放熱性フィラー(B)(以下、(B)成分という)、ならびに必要に応じて着色顔料(C)(以下、(C)成分という)を、有機溶剤(D)(以下、(D)成分という)に配合してなる、液状またはペースト状の組成物である。すなわち、当該放熱性塗料組成物は、粉体塗料(JIS-K5000:2000)のように有機溶剤を含まない、あるいは実質的に含まない組成物とは塗料の種類が異なる。
(A)成分をなす(a−1)成分は、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類およびスチレン類から得られるアクリル樹脂であれば、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。該(メタ)アクリル酸アルキルエステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸N−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸N−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデセニル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、塗膜の密着性や強度の観点より、アルキル基の炭素数が好ましくは1〜12程度、いっそう好ましくは1〜5のものがよい。また、前記スチレン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、クロルビニルトルエン等が挙げられ、入手が容易であり、かつ塗膜の密着性および強度にも寄与する点より、スチレンが好ましい。なお、(a−1)成分を構成する単量体としては、他にも必要に応じて、各種公知のαオレフィン類、ニトリル類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類等を併用できる。
アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン類およびその他の単量体の使用量は特に限定されないが、通常、全単量体を100モル%とした場合において、順に40〜60モル%程度、60〜40モル%程度、および0〜10モル%程度であり、好ましくは45〜55モル%、54.9〜45モル%、および0.1〜5モル%である。
(a−1)成分の製造法は特に限定されず、各種公知の重合反応を採用できる。例えば、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン類およびその他の単量体を、前記使用量において、各種公知のラジカル重合開始剤の存在下、通常20〜120℃程度において2〜10時間程度反応させればよい。また、反応の際には後述の有機溶剤のうち適当なものを反応溶媒として使用できる。なお、ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。なお、(a−1)成分は市販品を使用してもよく、例えば、三菱レイヨン製のアルマテックス785−5(商品名)等が挙げられる。
(a−2)成分としては、放熱性塗料組成物に利用可能なエポキシ樹脂であれば各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、各種ビスフェノール類をグリシジル化してなるビスフェノール型エポキシ樹脂や当該ビスフェノール型エポキシ樹脂の水添物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂にハロエポキシドを反応させて得られるノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールA等を例示できる。これらの中でも塗膜の強度や密着性等の点よりビスフェノール型エポキシ樹脂が、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。なお、(a−2)成分は市販品を使用してもよく、例えば、三井化学(株)製のjER828(商品名)等が挙げられる。
(A)成分をなす(a−3)成分としては、放熱性塗料組成物に利用可能なアミノ樹脂であれば各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、メラミン(樹脂)、尿素(樹脂)、ベンゾグアナミン(樹脂)、アセトグアナミン(樹脂)、スピログアナミン(樹脂)、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られる公知の部分もしくは完全メチロール化アミノ樹脂が挙げられる。これらの中でもこれらの中でも塗膜の強度や密着性等の点よりメラミン(樹脂)が、好ましくはアルキル化メラミン(樹脂)が、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキル基で置換されたメラミン(樹脂)がよい。なお、(a−3)成分は市販品を使用してもよく、例えば、三井化学(株)製のユーバン20SE60(商品名)等が挙げられる。
(A)成分は、前記(a−1)成分、(a−2)成分および(a−3)成分を各種公知の方法で混合することにより得られる。また、各成分の使用重量比は特に限定されないが、通常は(a−1)成分を100重量%(固形分換算)とした場合において、(a−2)成分および(a−3)成分いずれも順に1〜40重量%程度、好ましくは2〜30重量%程度である。
なお、(A)成分の熱伝導率は特に限定されないが、通常は1W/mK以下、具体的には0.1〜0.5W/mK程度である。
(B)成分は、熱伝導度が100W/mK未満の放熱性フィラーであれば各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、酸化ケイ素微粒子、フッ化カルシウム微粒子、窒化ホウ素微粒子、石英微粒子、カオリン微粒子、水酸化アルミニウム微粒子、ベントナイト微粒子、タルク微粒子、サリサイト微粒子、フォルステライト微粒子、マイカ微粒子、コージェライト微粒子、窒化ホウ素微粒子等が挙げられる。本発明においては、(A)成分をバインダー樹脂として選択したことにより、窒化アルミニウムや炭化ケイ素等よりも熱伝導性において劣る(B)成分を用いても放熱性に優れた塗膜が得られるようになる。この点より、(B)成分の熱伝導率は80W/mK以下、具体的には0.1〜65W/mK程度、より具体的には0.1〜40W/mK程度、さらに具体的には0.1〜15W/mK程度、いっそう具体的には0.1〜10W/mK程度であればよい。
(B)成分としては、特に塗膜の放熱性の観点より、前記したマイカ微粒子、フォルステライト微粒子、酸化ケイ素微粒子、フッ化金属結晶微粒子および窒化ホウ素微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、マイカ微粒子および/またはフォルステライト微粒子は、本発明の塗料組成物を適用する発熱性物品の到達温度が比較的低い温度域(具体的には、40℃以上70℃未満)に留まる場合に、好ましく採用できる。そのような発熱性物品としては、一般照明器具、一般家電製品、MEMS(Micro Electro Mechanical System)等が挙げられる。酸化ケイ素微粒子とフォルステライト微粒子を併用する場合は、体積%比が順に9.5:0.5〜2:8程度となるようにするのがよい。
また、酸化ケイ素微粒子および/またはフッ化金属結晶微粒子は、本発明の塗料組成物を適用する発熱性物品の到達温度が比較的中程度の温度域(具体的には、70℃以上100℃未満)に達するとき、好ましく採用できる。そのような発熱性物品としては、例えば、LEDを用いた照明器具、ディスプレイ、集光型太陽電池等が挙げられる。なお、前記酸化ケイ素微粒子は、高純度珪砂を原料としてケイ酸ソーダと硫酸を混合させて、ケイ酸ゾルを生成させ、これらのケイ酸ゾルを重合させて凝集体を形成しゲル化させる方法等により製造されるものであり(特開平9−71723等参照)、多孔性ないし非多孔性の粒子である。市販品としては、例えば富士シリシア(株)製のサイシリア730、サイシリア740、サイシリア770、サイシリア530、サイシリア540、サイシリア550(いずれも商標)等が挙げられる。また、前記フッ化金属結晶微粒子としては、例えば、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム等が挙げられる。酸化ケイ素微粒子とフッ化金属結晶微粒子を併用する場合は、体積%比が順に9.5:0.5〜2:8程度となるようにするのがよい。
また、酸化ケイ素微粒子および/または窒化ホウ素微粒子は、本発明の塗料組成物を適用する発熱性物品の到達温度が比較的高い温度域(具体的には、100℃以上200℃未満)に達するとき、好ましく採用できる。そのような発熱性物品としては、例えば、パワー半導体やその周辺部品を複合化したモジュール部品が挙げられる。酸化ケイ素微粒子と窒化ホウ素微粒子を併用する場合は、体積%比が順に9.5:0.5〜2:8程度となるようにするのがよい。
(B)成分の形状は特に限定されないが、塗膜の機械的強度及び意匠性(平滑性)と、塗膜の適度な凹凸に基づく放熱効率とを考慮して、通常、平均一次粒子径が0.1〜50μm程度、より好ましくは1〜50μmである。また、メディアン径D50は特に限定されないが、通常、50μm以下、好ましくは40μm以下であるのがよい。
(C)成分としては、各種公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、および酸化鉄等が挙げられる。なお、(C)成分の熱伝導率は特に限定されないが、通常は1〜30W/mK程度である。
また、(C)成分の経常は特に限定されないが、塗膜の機械的強度及び意匠性(平滑性)と、塗膜の適度な凹凸に基づく放熱効率とを考慮して、通常、平均一次粒子径が前記(B)成分の平均一次粒子径の0.01〜10%である。また、かつメディアン径D50は特に限定されないが、通常、1μm以下であるのが好ましい。
本発明の塗料組成物は、前記(A)成分、(B)成分を(D)成分に配合してなるクリア塗料(JIS-K5000:2000)としても用いることができるが、意匠性等を考慮して、必要に応じて(C)成分を併用してなる着色塗料としても用いることができる。
本発明の塗料組成物における(A)成分〜(C)成分の使用量は特に限定されないが、塗膜の放熱性や硬度、基材との密着性等を考慮すると、(A)成分〜(C)成分を100体積%とした場合において、順に10〜70体積%程度、90〜30体積%程度および0〜20体積%程度、好ましくは10〜50体積%程度、90〜50体積%程度および0〜15体積%程度であり、いっそう好ましくは10〜40体積%、80〜50体積%および5〜15体積%である。
(D)成分としては、例えばキシレンやエチルベンゼン、トルエン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素;イソパラフィン等の脂肪族炭化水素、メタノールやエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のモノアルコール;エチレングリコール等の多価アルコール;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアセテート系溶剤;メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;ナフサなどが挙げられる。これらの中でも、硬化や塗布時の作業性や塗膜として用いる場合の成膜性、硬化物として用いる場合の所期の硬度を損なわないようなものとして、特に沸点が100〜200℃程度のものが好ましい。また、有機溶剤としては、芳香族炭化水素を含むものを使用するのが好ましい。また、(D)成分の使用量は、本発明の塗料組成物の不揮発分が40〜70重量%程度となる範囲である。
なお、本発明の塗料組成物には適宜、有機ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の増粘剤や、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩等の各種分散剤、その他艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、たれ防止剤、表面調整剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、ワックス等の添加剤を配合してもよい。
本発明の放熱性塗膜は、本発明の放熱性塗料組成物を各種基材に塗工し、120〜200℃で焼付処理することにより得られる。塗工手段は特に限定されないが、生産性や経済性、微小基材への塗布性、意匠的なパターン形成性の観点より、特に、スプレー、ディップ、バーコート、スクリーン・ステンシル・パッド・スタンプ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー等が好ましい。また、塗膜最表面における放熱効果を高めたり意匠性を与えたりするために、塗膜表面に溝パターンやドットパターンを形成してもよい。
また、当該塗膜中の(A)成分、(B)成分および必要に応じて用いる(C)成分の体積%は、本発明の放熱性塗料組成物について規定したそれと等しくなる。なぜならば、また、本発明の放熱性塗料組成物を発熱性物品に塗工し、硬化塗膜を形成させる際には、有機溶剤をほぼ蒸発させることになるためである。
本発明の被塗装物品は、放熱性塗膜を有するものであり、本発明の放熱性塗料組成物を塗工する物品としては、各種金属(鉄、アルミ、銅およびそれらの合金等)や耐熱性の素材、その他が挙げられる。
以下、実施例を通じ本発明について具体的に説明するが、それらにより本発明の範囲が限定されないことはもとよりである。
調製例1
(a−1)成分として市販のアクリル樹脂(メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/スチレンの三元共重合体(三井化学(株)製))、(a−2)成分として市販のビスフェノールA型樹脂(三井化学(株)製)、および(a−3)成分として市販のブチル化メラミン樹脂(三井化学(株)製)を、重量比が7.4:1:1となるように混合し、キシレンで希釈することによって、不揮発分47重量%のバインダー樹脂溶液を得た。次いで当該バインダー樹脂溶液と、(B)成分として多孔質シリカ粉末(商品名「サイシリア470」、富士シリシア化学(株)製、平均一次粒子径14.1μm、熱伝導率1.0W/mK)とを、体積%比が順に44.6%および55.4%となるよう容器に仕込み、目視確認可能な凝集物を解砕しながら撹拌混合した後、キシレンを加えて低粘度のスラリーを調製し、次いでホモジェナイザーを用いて均一混合することにより、不揮発分47重量%の放熱性塗料組成物を得た。
調製例2〜9、比較調製例1〜4
(A)成分の体積%比と、(B)成分の種類及び体積%比と、(B)成分以外の放熱フィラーの種類及び体積%比とを表1で示すように変更した他は調製例1と同様にして放熱性塗料組成物(いずれも不揮発分47重量%)を得た。なお、比較調製例4は、前記バインダー樹脂溶液をそのまま用いたものである。
マイカ・・・市販のマイカ微粒子(商品名「PDM−8DF」、トピー工業(株)製、平均一次粒子径12.0μm)
フォルステライト・・・市販のフォルステライト微粒子(商品名「FF−200・M40」、丸ス釉薬合資会社製、平均一次粒子径2.5μm)
SiO2・・・市販の多孔質シリカ微粒子(商品名「サイシリア470」、富士シリシア化学(株)製、平均一次粒子径14.1μm)
CaF2・・・市販のフッ化カルシウム粉末(商品名「FLUORITE POWDER CALCIUM FLUORIDE」、China Tuhsu Flavours & Fragrances Import & Export Co. Lt製、平均一次粒子径38.0μm)
BN・・・市販の窒化ホウ素微粒子(商品名「BORONID S3」、ESK Ceramics社製、平均一次粒子径10.0μm)
TiO2・・市販のチタニア粉末(商品名「TI TONE R−32」、堺化学工業(株)製;平均一次粒子径0.1μm、熱伝導率25W/mK)
AlN・・・市販の高純度窒化アルミ粉末(商品名「Hグレード」、(株)トクヤマ製、平均一次粒子径平均粒径1.1μm)
SiC・・・市販の炭化ケイ素粉末(商品名「シナノランダムGP−3000」、信濃電気製錬(株)製;平均一次粒子径2.0μm)
中・・・70℃以上100℃未満の中温域での使用を意図した設計であることを意味する。
低・・・40℃以上70℃未満の低温域での使用を意図した設計であることを意味する。
高・・・100℃以上200℃未満の高温域での使用を意図した設計であることを意味する。
<中温域の使用を意図した放熱性塗膜の形成、性能評価>
調製例1の放熱性塗料組成物をアルミニウム板(2mm厚×50mm幅×100mm長さ:JIS H4000仕様、品名A1050P)上にアプリケーター(50〜100μmギャップ)を用いて目標膜厚が40〜50μmとなるよう塗布した。次いで約5分間室内で放置した後、乾燥器中にて160℃×30分間、焼付け処理をした。調製例2〜5ならびに比較調製例1および2の放熱性塗料組成物についても同様にし、焼付処理板を得た。
調製例6〜9の放熱性塗料組成物については、他のアプリケーター(75〜100μmギャップ)を用い、目標膜厚が70〜90μmとなるよう前記アルミニウム板に塗布した以外は同様にして焼付処理板を得た。比較調製例3の放熱性塗料組成物についても同様にし、焼付処理板を得た。
比較調製例4に係る、無機粒子を含まない塗料組成物については、他のアプリケーター(150〜200μmギャップ)を用い、目標膜厚が30〜50μmとなるよう前記アルミニウム板に塗布した以外は同様にして焼付処理板を得た。
また、前記アルミニウム板それ自体をブランク試験(参照例)用に供した。
<塗膜の放熱性能評価>
実施例1
図1で示すように、断熱材で形成された測定ボックスの上端開口部に、調製例1に係る焼付処理板を、測定ボックス内に予め設置した熱源(シャント抵抗器、PCN社製、型番PBH1ΩD、定格電力10W、サイズ約2cm長×約1.5cm幅×約0.2cm厚)の表面に面接触するようにセットした。次いで、当該焼付処理板の放熱性塗膜面と熱源下面に熱電対を垂直方向において同位置となるよう接触させた後、一定の電流(2.75A)を印加し、上面の測定ポイント(温度T1)と下面の測定ポイント(温度T2)の温度の時間変化をデータロガー温度計により記録した。表2には定常状態のT1とT2の値を示す。
実施例2〜9、比較例1〜4、参照例1
調製例2〜9,比較調製例1〜3および比較調製例6に係る焼付処理板、ならびにブランク板についても同様にT1とT2を測定した。
なお、実施例1に係る焼付処理板、比較調製例2に係る焼付処理版および参照例1で用いたブランク板についてはさらに、印加電流を2.00Aとした以外は実施例1と同様にして、T1とT2を測定した。
[塗膜の放熱作用の評価]
実施例1に係る焼付処理板の放熱性塗膜面の実測温度と、比較例6の焼付処理板の放熱性塗膜(バインダー樹脂のみ)の表面実測温度との差(Δ1 ℃)、ならびに、実施例1に係る焼付処理板の放熱性塗膜面の実測温度と、参照例1のブランク板の表面実測温度との差(Δ2 ℃)を表2に示す。当該実測温度が小さいほど、すなわち温度差Δ1およびΔ2の数値が大きいほど塗膜の放熱作用が高いことを意味している。また、実施例2〜9、比較例1〜3および比較例6に係る焼付処理板についても同様にして放熱性塗膜実測温度、Δ1およびΔ2を表2に示す。
[塗膜の放熱作用による熱源(シャント抵抗)の昇温抑制効果]
実施例1に係る焼付処理板に接触させたシャント抵抗(熱源)の下面温度と、比較例4の焼付処理板に接触させたシャント抵抗の下面温度との実測温度差(Δ3 ℃)、ならびに、実施例1に係る焼付処理板に接触させたシャント抵抗(熱源)の下面温度と、参照例1のブランク板の接触させたシャント抵抗の下面温度との実測温度差(Δ4 ℃)を表2に示す。当該実測温度が小さいほど、すなわち温度差Δ3およびΔ4の数値が大きいほど、塗膜の放熱作用によりシャント抵抗自体の温度上昇が抑えられていることを意味する。また、実施例2〜9、比較例1〜3および比較例6に係る焼付処理板についても同様にして放熱性塗膜実測温度、Δ3およびΔ4を表2に示す。
<密着力の評価:碁盤目試験>
実施例1に係る焼付処理板について、塗膜の密着力をJIS D0202で定める碁盤目試験に準拠して評価した。具体的には、塗膜表面にカッターナイフで100個の碁盤目を作成し、市販の粘着テープを圧着させた後1〜2分放置し、垂直方向に剥離したときの塗膜の残存程度を以下の基準で目視評価した。実施例2〜9および比較例1〜3に係る焼付処理板についても同様にして評価した。結果を表2に示す。
1:密着性良好(残存率95以上100%以下)
2:密着性やや良好(残存率65%以上95%未満)
3:密着性不良(残存率65%未満〜全剥離)
<密着力の評価:スクラッチ試験>
実施例1に係る焼付処理板について、塗膜の力学的強度をスクラッチ試験により評価した。具体的には、ダイヤモンド圧子(先端径R0.2mm)を塗膜面に接触させ、荷重を0Nから20Nまで増加させながら当該処理板を水平方向に40mm移動させた(速度1.4mm/s)。そして、塗膜が剥離した位置を顕微鏡とアコースティックエミッションセンサーにて検出し、以下の基準で密着性を評価した。結果を表2に示す。
1:密着性良好(塗膜剥離位置におけるダイヤモンド圧子の荷重が20N以上)
2:密着性不良(塗膜剥離位置におけるダイヤモンド圧子の荷重が20N未満)
表2より、本発明の放熱性塗料組成物を用いた塗膜(実施例1〜9)は、熱源温度が高い場合(印加電流2.75A)であっても、高熱伝導性フィラーとして周知の窒化アルミニウム微粒子を用いた塗膜(比較例1)や炭化ケイ素微粒子を用いた塗膜(比較例2)、(B)成分が過剰に使用されている塗膜(比較例3)、および(B)成分を使用していない塗膜(比較例6)と比較して、15〜65%程度放熱性能の向上が得られることがわかる。特に比較例1と2の結果より、本発明は所定のバインダー樹脂組成物を採用したことによって、窒化アルミニウム微粒子や炭化ケイ素微粒子のような高熱伝導性のフィラーを用いなくとも、放熱性、密着性および機械的特性に優れる塗膜が得られることが判明した。
また、熱源温度が低い場合(印加電流2.00A)においても、本発明の放熱性塗料組成物を用いた塗膜(実施例1)は、(B)成分以外の無機粒子を含む塗料組成物を用いた塗膜(比較例2)と比較して、やはり少なくとも35%程度の放熱性能の向上が得られる。
また、参照例1のブランク板に関し、印加電流2.75Aのときの表面実測温度(105.2℃)と印加電流2.00Aのときの参照例2のブランク板のそれ(72.5℃)とを加味すると、本発明の塗料組成物が放熱性に優れた塗膜を与えていることが一層明らかになる。
なお、72.5〜105.2℃の温度範囲は、例えばLED電球のような照明器具の使用時の温度に該当するため、本発明の塗料組成物をLED電球の筺体外面に塗工した場合、その放熱効果によって、おそらく10000〜30000hrの寿命改善、そして10%以上の輝度向上効果が期待できる(シャープ技報,99(2009.9)、17p−19p、および松下電工技報,99(2008.9), 22p−26p参照)。
<低温域での使用を意図した放熱性塗膜の作製>
実施例10
調製例10の放熱性塗料組成物をアルミニウム板(2mm厚×50mm幅×100mm長さ:JIS H4000仕様、品名A1050P)上にアプリケーター(50〜100μmギャップ)を用いて膜厚が40〜50μmとなるよう塗布した。次いで約5分間室内で放置した後、乾燥器中にて160℃×30分間、焼付け処理をした。調製例11および12についても同様にし、焼付処理板を得た。
比較例5
前記比較調製例2の放熱性塗料組成物(炭化ケイ素微粒子含有)について、実施例10と同様の方法に従い、焼付処理板を得た。
比較例6
前記比較調製例5の放熱性塗料組成物(マイカ微粒子を相対的に多く含有)について、実施例10と同様の方法に従い、焼付処理板を得た。
比較例7
前記比較調製例4に係る放熱性塗料組成物(無機微粒子含有せず)について、実施例10と同様の方法に従い、焼付処理板を得た。
また、前記アルミニウム板それ自体をブランク試験(参照例2)に供した。
<塗膜の放熱性能評価>
実施例10
前記した、中温域の使用を意図した放熱性塗膜の性能評価の項目に準じ、実施例10に係る処理板の放熱性塗膜面と熱源下面とに熱電対を、それらが垂直方向において同位置となるよう接触させた後、一定の電流(1.90A)を印加し、上面の測定ポイント(温度T1)と下面の測定ポイント(温度T2)の温度の時間変化をデータロガー温度計により記録した。結果を表3に示した。
実施例11〜12、比較例5〜7、参照例2
実施例11〜12および比較例5〜7のそれぞれに係る試験板、ならびに参照例2に係るブランク板についても同様にして、印加電流が1.90AのときのT1とT2を測定した。結果を表3に示した。
なお、実施例10に係る焼付処理板、比較例5に係る焼付処理版および参照例2に係るブランク板についてはさらに、印加電流を1.50Aとした以外は実施例10と同様にして、T1およびT2を測定した。結果を表3に示した。
[塗膜の放熱作用の評価]
中温度域向けの放熱塗膜の評価方法に準じ、高温度域向けの放熱塗膜についてもΔ1およびΔ2を評価し、値を表3に示した。
[塗膜の放熱作用による熱源(シャント抵抗)の昇温抑制効果]
中温度域向けの放熱塗膜の評価方法に準じ、高温度域向けの放熱塗膜についてもΔ3およびΔ4を評価し、値を表3に示した。
<密着力の評価:碁盤目試験およびスクラッチ試験>
中温度域向けの放熱塗膜の評価方法に準じ、碁盤目試験およびスクラッチ試験を実施し、結果を表3に示した。
表3より、低温域向けの放熱性塗料組成物を用いた塗膜(実施例10〜12)は、熱源温度が高い場合(印加電流1.90A)であっても、(B)成分以外の無機粒子を含む塗料組成物を用いた塗膜(比較例5)や、無機粒子を含まない塗膜(比較例7)と比較して、少なくとも16%程度以上は放熱性能において向上していることがわかる。
また、熱源温度が低い場合(印加電流1.50A)においても、本発明の放熱性塗料組成物を用いた塗膜(実施例10)は、(B)成分以外の無機粒子を含む塗料組成物を用いた塗膜(比較例5)と比較して、少なくとも18%程度以上は放熱性能において向上していることがわかる。
また、参照例2に係る、印加電流が1.90Aのときのブランク板の表面実測温度(66.2℃)と、印加電流が1.50Aのときのそれ(47.4℃)とを 加味すると、本発明の塗料組成物は、少なくとも被塗装物品の温度が47.4℃〜66.2℃の低い温度域である場合においても、放熱性に優れた塗膜を与えていることが判る。
<高温域での使用を意図した放熱性塗膜の作製>
実施例13
調製例10の放熱性塗料組成物をアルミニウム板(2mm厚×50mm幅×100mm長さ:JIS H4000仕様、品名A1050P)上にアプリケーター(50〜100μmギャップ)を用いて膜厚が40〜50μmとなるよう塗布した。次いで約5分間室内で放置した後、乾燥器中にて160℃×30分間、焼付け処理をした。調製例14および15についても同様にし、焼付処理板を得た。
比較例8
前記比較調製例2の放熱性塗料組成物(炭化ケイ素微粒子含有)について、実施例13と同様の方法に従い、焼付処理板を得た。
比較例9
前記比較調製例5の放熱性塗料組成物(窒化ホウ素微粒子を相対的に多く含有)について、実施例13と同様の方法に従い、焼付処理板を得た。
比較例10
前記比較調製例4に係る放熱性塗料組成物(無機微粒子含有せず)について、実施例13と同様の方法に従い、焼付処理板を得た。
また、前記アルミニウム板それ自体をブランク試験(参照例3)に供した。
<塗膜の放熱性能評価>
実施例13
前記した、中温域の使用を意図した放熱性塗膜の性能評価の項目に準じ、実施例13に係る処理板の放熱性塗膜面と熱源下面とに熱電対を、それらが垂直方向において同位置となるよう接触させた後、一定の電流(4.80A)を印加し、上面の測定ポイント(温度T1)と下面の測定ポイント(温度T2)の温度の時間変化をデータロガー温度計により記録した。結果を表4に示した。
実施例14〜15
実施例11〜12のそれぞれに係る試験板についても同様にして、印加電流が4.80AのときのT1とT2を測定し、結果を表4に示した。
比較例8
比較例8に係る試験板については、印加電流が5.20AのときのT1とT2を測定し、結果を表4に示した。
比較例9
比較例9係る試験板については、印加電流が4.80AのときのT1とT2を測定し、結果を表4に示した。
比較例10
比較例9係る試験板については、印加電流が5.20AのときのT1とT2を測定し、結果を表4に示した。
参照例3
参照例3に係るブランク板については、印加電流が5.60AのときのT1とT2を測定し、結果を表4に示した。
なお、実施例13に係る焼付処理板および比較例8に係る焼付処理版についてはさらに、印加電流を3.20AにしたときのT1およびT2を測定した。また、参照例3に係るブランク板については、印加電流が3.50AのときのT1およびT2を更に測定し、結果を表4に示した。
[塗膜の放熱作用の評価]
中温度域向けの放熱塗膜の評価方法に準じ、高温度域向けの放熱塗膜についてもΔ1およびΔ2を評価し、値を表4に示した。
[塗膜の放熱作用による熱源(シャント抵抗)の昇温抑制効果]
中温度域向けの放熱塗膜の評価方法に準じ、高温度域向けの放熱塗膜についてもΔ3およびΔ4を評価し、値を表4に示した。
<密着力の評価:碁盤目試験およびスクラッチ試験>
中温度域向けの放熱塗膜の評価方法に準じ、碁盤目試験およびスクラッチ試験を実施し、結果を表4に示した。
表4より、本発明の放熱性塗料組成物を用いた塗膜(実施例13〜15)は、熱源温度が高い場合であっても、(B)成分以外の無機粒子を含む塗料組成物を用いた塗膜(比較例8)や、無機粒子を含まない塗膜(比較例10)と比較して、少なくとも20%程度以上は放熱性能が向上していることがわかる。
また、高温域において相対的に熱源温度が低い場合においても、本発明の放熱性塗料組成物を用いた塗膜(実施例13)は、(B)成分以外の無機粒子を含む塗料組成物を用いた塗膜(比較例8)と比較して、やはり少なくとも30%程度以上は放熱性能が向上していることがわかる。
また、参照例3に係る、印加電流が5.60Aのときのブランク板の表面実測温度(203.7℃)と、印加電流が3.50Aのときのブランク板のそれ(121.4℃)とを加味すると、本発明の塗料組成物は、少なくとも被塗装物品の温度が121.4℃〜203.7℃の高い温度域である場合においても、放熱性に優れた塗膜を与えていることが判る。


Claims (10)

  1. アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類およびスチレン類を反応させてなるアクリル樹脂(a−1)、エポキシ樹脂(a−2)およびアミノ樹脂(a−3)からなるバインダー樹脂組成物(A)10〜70体積%と、熱伝導度が100W/mK未満の放熱性フィラー(B)90〜30体積%と、必要に応じて着色顔料(C)0〜20体積%とを有機溶剤(D)に配合してなる、液状またはペースト状の放熱性塗料組成物。
  2. (B)成分が、マイカ微粒子、フォルステライト微粒子、酸化ケイ素微粒子、フッ化金属結晶微粒子および窒化ホウ素微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1の放熱性塗料組成物。
  3. (a−2)成分がビスフェノール型エポキシ樹脂である請求項1または2の放熱性塗料組成物。
  4. (a−3)成分がメラミン樹脂である請求項1〜3のいずれかの放熱性塗料組成物。
  5. (B)成分の平均一次粒子径が0.1〜50μmである、請求項1〜4のいずれかの放熱性塗料組成物。
  6. (C)成分が酸化チタン、カーボンブラック、および酸化鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかの放熱性塗料組成物。
  7. (C)成分の平均一次粒子径が(B)成分の平均一次粒子径の0.01〜10%である、請求項1〜6のいずれかの放熱性塗料組成物。
  8. (D)成分が芳香族炭化水素系溶剤を含む、請求項1〜7のいずれかの放熱性塗料組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかの放熱性塗料組成物からなる放熱性塗膜。
  10. 請求項9の放熱性塗膜を有する被塗装物品。
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