JP2013221069A - 天然ゴム、天然ゴムを含むゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

天然ゴム、天然ゴムを含むゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】加工性を維持し、耐亀裂進展性に優れた天然ゴム、そのゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供すること。
【解決手段】本発明の天然ゴムは、天然ゴムラテックス又は天然ゴムを処理して得られ、下記測定方法によって測定される分子量が500万以上の高分子量成分を、10質量%以上20質量%未満含み、且つ分子量500万における分子成分の分岐インデックスgが0.840であることを特徴とし、その天然ゴムはゴム組成物及びタイヤとして用いられる。
(ゴム溶液を遠心加速度1万G〜100万Gにて遠心分離して、その溶液中の可溶成分を、角度光散乱検出器及びフィールドフローフラクショネーション装置によって測定するゴム分子量の測定方法。)
【選択図】図1

Description

本発明は、天然ゴム、天然ゴムを含むゴム組成物及びタイヤに関するものであり、特に、加工性を十分に維持しながら優れた耐亀裂進展性を有する天然ゴム、その天然ゴムを含むゴム組成物及びタイヤに関するものである。
一般に、天然ゴムの物性等の低下を抑制して、耐破壊特性等の向上を目的として、天然ゴムラテックスをゲル化又は高分子化させることが行われている。天然ゴムはそのラテックスをギ酸凝固・洗浄・130℃で2時間乾燥して得ている。従来の天然ゴムのゲル化処理等は、ギ酸凝固・洗浄後、温度80℃で24時間以上、熱風乾燥処理しており、またギ酸凝固・洗浄・130℃で2時間乾燥後の天然ゴムを温度60℃程度で1週間以上、熟成してゲル化を促進して耐破壊特性を有した天然ゴムを得ている。
また、従来のゲル化又は高分子化した天然ゴムの分子量の測定方法としては、ゴムをテトラヒドロフラン(THF)等の有機溶媒に溶解後、THFに不溶なゴム分などの夾雑物をフィルターでろ過し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、基準物質からの相対分子量分布を測定する方法が実施されている。しかしながら、このような測定方法では、天然ゴムやジエン系合成ゴムの超高分子等がフィルター等にトラップされ、その測定ができないという問題が見られる。
近年、天然ゴムやジエン系合成ゴムの構造分析に、フィールドフローフラクショネーション(以下、「FFF」とも称する)装置、ないし、FFFおよび多角度光散乱(以下、「MALS」とも称する)検出器を用いることにより、天然ゴム及びジエン系合成ゴムの高次構造の絶対分子量の測定・分析方法が提案されている(非特許文献1〜3を参照)。
本出願人等はこれらの測定方法の改良を試みており、新たな測定手法によって、天然ゴムやジエン系ゴムの高次構造の分析、所謂、絶対的な超高分子量の測定・分析を可能にした。このような測定方法によって測定される天然ゴムに関して、その正確な高分子化及び分岐構造を知るに従って、従来の高次構造の天然ゴムに課題があり、更なる天然ゴムの加工性及び物性特性の改良が見えて来た。
また、天然ゴムの加工性を向上させる手法として、酵素処理などの脱タンパク質処理、又はケン化処理等のタンパク質分解処理(脱タンパク質処理を含む)等が提案されている。
例えば、天然ゴムラテックスにタンパク分解酵素を用いて脱タンパク処理して、総窒素含有量を調整した天然ゴムが提案されている(特許文献1を参照)。このような天然ゴムはムーニー粘度(ML1+4)及び応力緩和時間(T80)の特性が優れ、加工性が高まることが知られている。また、天然ゴムラテックスをケン化反応してタンパク分解天然ゴムラテックスを得るケン化反応工程と、そのラテックスを凝固・脱水・洗浄・乾燥の操作で固形のタンパク分解天然ゴムとする仕上げ工程より成る製造法によって製造することが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。ケン化反応工程は、アニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の存在下で、水酸化アルカリで天然ゴムラテックスの粒子表面に存在するタンパク質を分解することで行われる。このような天然ゴムは、優れた加工性や生産性を有するとともに、優れた機械的強度、低発熱性、耐磨耗性を示す高機能の天然ゴムを提供するとしている。
特許第3732496号公報 特許第4691389号公報
"Journal of Natural Rubber Research",1997年,Vol.12(3),p.154−165 "Macromolecules",1995年,28,p.6354−6356 "Bull.Korean Chem.Soc.",2000年,Vol.21,No.1,p.69−74
しかしながら、上述したように、従来の高次構造を有した天然ゴムの高分子量成分では、その粘度が高く、緩和時間が長いため、加工性の面からはデメリットがあり、加工性と耐破壊性、耐亀裂進展性を両立させることが課題となっている。
従って、本発明は、特有の高次構造を持ち、耐亀裂進展性等の高いゴム物性を有する一方、加工性を維持した天然ゴム、そのゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供することにある。
本発明者等は、天然ゴムの高分構造を特定なものに限定すると、天然ゴムの加工性を維持しながらも、耐亀裂進展性に優れる天然ゴム及びそのゴム組成物が得られることを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
即ち、本発明の天然ゴムは、天然ゴムラテックスを処理して得られ、下記測定方法によって測定される分子量が500万以上の高分子量成分を、10質量%以上20質量%未満含み、且つ分子量500万の成分の分岐インデックス(g)が0.840以上である天然ゴムである。
(ゴム溶液を遠心加速度1万G〜100万Gにて遠心分離して、その溶液中の可溶成分を、多角度光散乱検出器及びフィールドフローフラクショネーション装置によって測定するゴム分子量の測定方法。)
ゴム分子量の測定方法は、ゴム溶液を遠心加速度1万G〜100万Gにて遠心分離して、その溶液中の可溶成分を、多角度光散乱検出器及びフィールドフローフラクショネーション装置を使用して測定する。かかるゴム分子量の測定方法は、従来のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、基準物質からの相対分子量分布を測定する方法と異なり、絶対分子量を測定するものである。また、ゴム分子の分岐特性も測定できるものである。
本発明において、天然ゴムの分子量が500万以上の高分子量成分を10質量%以上含むことにより、耐亀裂進展性は向上する。一方、高分子量成分が増加することは加工性に対して悪影響を及ぼすが、通常の天然ゴムと比較し、上記測定方法により、分子量500万の成分における分岐インデックス(g)が0.840以上である天然ゴムは、加工性を悪化させることなく、その影響が少ない。特に、測定される分子量500万の成分における分岐インデックス(g)が大きいほど効果が高く、1に近いほど加工性がある高分子構造となる。
尚、天然ゴムの高分子量成分は増加するほど耐亀裂進展性は向上するが、20質量%を超えるような天然ゴムは加工性に著しい悪化をもたらし、加工性を十分に維持できないので好ましくない。
また、本発明の天然ゴムにあっては、天然ゴムラテックスに脱タンパク質処理を行い、凝固させ、さらに酸化防止剤を添加したのちに乾燥処理をして得られる上記構造の天然ゴムであることが好ましい。
脱タンパク質処理としては、上述したように酵素処理などの手法等によることができ、特に、プロテアーゼ、ペプチターゼ等の酵素を使用した酵素処理が好ましい。また、酸化防止剤としては、ゴム又は食品等に使用される酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の天然ゴムはまた、天然ゴムラテックスにヒドラジド化合物を添加し、凝固させ、さらに酸化防止剤を添加したのちに乾燥処理をして得られる上記構造の天然ゴムであることが好ましい。
本発明の天然ゴムは更に、天然ゴムラテックスを酸凝固剤で酸凝固して、酸凝固剤を添加後8時間以内に脱水処理し、水分量を40質量%以下にして、少なくとも72時間以上ゲル化又は高分子化して得られた上記構造の天然ゴムであることが好ましい。
本発明はまた、上記記載の天然ゴムを含むゴム組成物である。
本発明は更に、そのゴム組成物を用いたタイヤである。
本発明に係る天然ゴムは、分子量が500万以上の高分子量成分を10質量%以上20質量%未満含み、かつ分子量500万の成分における分岐インデックス(g)が0.840以上である天然ゴムを用いることによって、優れた加工性、耐亀裂進展性の両立させることができる。このため、天然ゴムは高い物性特性を示し、それを用いたゴム組成物及びタイヤも物性特性を高めることができる。
FFFにより分離された各分子量成分をMALS検出器を用いて測定することで求められる、デバイ(Debye)プロットを示す説明図である。
本発明に係る天然ゴムは、下記測定方法によって測定される分子量が500万以上の高分子量成分を、10質量%以上20質量%未満含み、且つ分子量500万の成分の分岐インデックス(g)が0.840以上である天然ゴムである。
天然ゴムがこのような高分子量成分の組成を有することにより、加工性を十分に維持し、耐亀裂進展性に優れる。
ゴムの高分子構造の測定方法は、分析対象となる天然ゴムを有機溶媒に溶解(溶解工程)、ゴムの溶液を遠心加速度1万G〜100万Gにて遠心分離することにより、溶液中の可溶成分と不溶成分とを分離(分離工程)、分離工程の可溶成分の分析を、分子量別分離機であるFFF装置と、分子量及び分岐検出器であるMALS検出器またはLALLS(Low angle laser light scattering)、RALLS(Right angle laser light scattering)などの単又は多角度の光散乱検出器と粘度検出器とを接続した装置により測定(測定工程)とからなる。
天然ゴムの溶解に用いる有機溶媒は、溶解可能なものであれば、いかなるものを用いてもよい。具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、トルエンおよびシクロヘキサンのうちから選択される少なくとも1種を、単独で、または混合して使用することができる。本発明にあっては、溶解性が良好なTHFを用いる。
有機溶媒中への天然ゴムの添加量(溶解量)は、天然ゴムの多様性を考慮して、溶液中の天然ゴムの濃度として、0.001〜1質量%の範囲で使用する。
溶解工程においては、有機溶媒中に天然ゴムを投入した後、12時間以上放置して、天然ゴムを完全に溶解させる。
遠心分離は一般的な分離技術であるが、本発明においては、遠心加速度1万G〜100万Gでの、いわゆる超遠心分離の手法を用いる。天然ゴムの溶液中の超高分子量成分を含む可溶成分のみを取り出すことができる。従来は分析できなかった、超高分子量成分を含む状態での天然ゴムの分析を行うことが可能となったものである。
上記分離工程においては、ゴムの溶液を遠心加速度1万G〜100万Gの一定の幅を持たせた範囲で、10分〜300分間の遠心を行う。これにより、溶液中の可溶成分と不溶成分とを分離することができる。遠心加速度が1万G未満であると、分離が不十分となる。100万Gを超える遠心加速度に対しては、容器の耐久性に問題が生じる。
遠心分離は、遠心部位を真空状態とし、超高速で試料容器の回転が可能な超遠心分離器によって行うことができる。
可溶成分の分析は、分子量別分離機であるFFF装置と、分子量及び分岐検出器であるMALS検出器またはLALLS(Low angle laser light scattering)、RALLS(Right angle laser light scattering)などの単又は多角度の光散乱検出器と粘度検出器とを接続した装置により行うことができる。
FFFは、溶液中の成分を拡散速度の差により分子量分別することが可能な技術であり、従来のGPCにおけるような、分析対象の溶液に対する前処理としてのフィルターろ過を必要としない。FFFにおいて、溶液中の成分は、拡散速度の大きい低分子量の分子から順次溶出する。
したがって、従来のGPCに代えてFFF装置を用いることで、フィルターろ過を行わずに、従来は除外されていた超高分子量成分を含む範囲で、可溶成分を分析することが可能となった。FFF装置としては、特には、非対称流FFF装置を用いることが良い。
可溶成分の分子量分布は、FFFにより分離された各分子成分をMALS検出器によって測定することで、デバイ(Debye)プロットにより得られる。
従来、GPCとMALSを組み合わせたGPC−MALSという手法を用いれば原理的には求められるはずであるが、天然ゴムの場合、長鎖分岐を多く含むので、GPCでは分子量分別する機能がうまく働かず、異常溶出現象のために低分子量のリニア高分子と高分子量の分岐高分子が同時の保持時間で溶出し、広い分子量範囲にわたって分岐インデックスを測定できない。そのため天然ゴム及び分岐を多く含むゴムでは、分岐インデックスは、GPC‐MALSによる分析では得られない構造因子である。
具体的な測定手法としては、例えば、有機溶媒中に天然ゴム及び/またはジエン系合成ゴムを投入した後、12時間以上放置して、天然ゴム及び/またはジエン系合成ゴムを完全に溶解させる。この際、天然ゴム及び/またはジエン系合成ゴムの劣化を抑制するために、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)などの酸化防止剤等を添加することが好ましい。
また、上記分離工程においては上述したように、溶解された天然ゴム及び/またはジエン系合成ゴムの溶液を、遠心加速度1万G〜100万G、好適には3万〜50万G、より好適には10万〜20万Gにて、例えば、10分〜300分で、遠心分離する。これにより、溶液中の可溶成分と不溶成分とを分離する。遠心加速度が1万G未満であると、分離が不十分となる。一方、100万Gを超える遠心加速度に対しては、容器の耐久性が不十分であると考えられるため、100万Gを超える遠心加速度を用いることは、現実的ではない。本発明において、上記遠心分離の容器としては、THFに耐溶剤性のある金属容器が好ましく、さらに、ステンレス製の容器を用いることが、耐久性という意味で好ましい。ここで、本発明において、上記遠心分離は、遠心部位を真空状態とし、超高速で試料容器の回転が可能な超遠心分離器によって行うことが好ましい。
上記溶解工程および分離工程により分離された天然ゴム及び/またはジエン系合成ゴムの溶液のうち、上澄み液を採取することで、超高分子量成分を含む可溶成分が得られる。本発明において、この可溶成分の分析は、分子量別分離機であるFFF装置と、分子量及び分岐検出器であるMALS検出器またはLALLS、RALLSの単角度の光散乱検出器と、粘度検出器とを接続した装置により行う。
ここで、可溶成分の分子量分布は、FFFにより分離された各分子量成分をMALS検出器を用いて測定することで、デバイ(Debye)プロットにより得られる(図1参照)。図中、Mは分子量、Kは光学パラメータ、cは濃度、R(θ)は過剰散乱のレイリー比、rは回転半径を示す。この際、通常は、示差屈折率(RI)検出器を用いて、可溶成分の濃度を測定する。また、このプロセスにより、質量平均分子量と分子量分布が算出可能である。さらに、デバイプロットの傾きより回転半径(r)が得られ、各分子量成分の分岐インデックスgを算出することができる。分岐インデックスとは、
下記式(a)、
g=<Rgbranch/<RgLinear・・・・・・・・・・(a)
で示される分岐の程度を示すパラメータであり、試料の分子構造がリニアな高分子であれば分岐インデックスは1であり、分岐の程度が大きくなるに従って1より小さくなる。
ここで、<Rgbranchは試料の回転半径の2乗平均であり、
<RgLinearはリニアな標準参照物質の回転半径の2乗平均である。さらに、分岐点数/分子=Bとすると、分岐点が3官能の場合の分岐インデックス(g)は、以下のようになり、
g=[(1+B/7)1/2+4B/9π]−1/2 ・・・・・・・・・・(b)
分岐点が4官能の場合の分岐インデックスgは、以下のようになる。
g=[(1+B/6)1/2+4B/3π]−1/2
また、FFFにより分離された各分子量成分について、RALLS装置やLALLS装置など単角度の光散乱装置と粘度検出器との両方を用いて測定することによっても、分子量分布および質量平均分子量を得ることが可能である。
この場合、粘度検出器により固有粘度が得られるので、下記の式によって固有粘度から分岐インデックス(g)が得られる。
=[η]branch/[η]Linear
ここで、[η]branchは試料の固有粘度であり、[η]Linearはリニアな標準参照物質の固有粘度であり、
bは星型(b=0.5)、ランダム(b=1.5)などの分岐構造によって決定されるパラメータである。この分岐インデックスの具体的な計算方法としては、(I)実際のリニアな標準参照物質のデータを用いる方法、(II)試料のコンフォーメーションプロット(回転半径と分子量とのLog−Logプロット)を描き、試料そのものの低分子側はリニアと仮定し、外挿してリニアな高分子の直線に相当する傾きとY切片を求める方法、または(III)低分子側だけリニアな標準参照物質のデータを用い高分子側に外挿する(I)と(II)とを組み合わせた方法などがある。
一方、GPCとMALSを組み合わせたGPC−MALSという手法を用いれば原理的には求められるはずであるが、天然ゴムの場合、長鎖分岐を多く含むので、GPCでは分子量分別する機能がうまく働かず、異常溶出現象のために低分子量のリニア高分子と高分子量の分岐高分子が同時の保持時間で溶出し、広い分子量範囲にわたって分岐インデックスを測定できない。そのため天然ゴム及び分岐を多くゴムでは、分岐インデックスは、GPC‐MALSによる分析では得られない構造因子である。
本発明に係る天然ゴムは、ゲル化又は高分子化され、上記分岐インデックス(g)は、0.840〜1の範囲が好ましい。
上記溶解工程および分離工程により分離された天然ゴム及び/またはジエン系合成ゴム等の溶液のうち、架橋したゲルに対応する沈殿した不溶成分を乾燥、秤量することで、天然ゴム及び/またはジエン系合成ゴムのゲル分率を評価する。
以上の測定方法によれば、従来は分析できなかった超高分子量成分を含む範囲で天然ゴム及び/またはジエン系合成ゴムの分子量分布や分岐、ゲル分率等の構造因子を評価できる。
天然ゴムの製造としては、天然ゴム各種等級品の国際品質包装標準(通称グリーンブック)における格付けによるリブド・スモークド・シート(RSS)では、タッピング後、採取した天然ゴムラテックスを酸等によりゴム成分を凝固(USS)せしめて、固形ゴムをロールにより水溶性の非ゴム成分から分離し、この固形ゴムを約60℃で5〜7日間の乾燥(スモーキング)を行なう。また、技術的格付けゴム(TSR)では、タッピング後、天然ゴムラテックスのゴム成分を自然凝固(カップランプ)せしめて、固形ゴムを粉砕し、水洗し、脱水後、この固形ゴムを110℃〜140℃で数時間の熱風乾燥を行なう。
本発明の天然ゴムは、タッピング後の天然ゴムラテックスを直ぐに自然凝固させて得られることが好ましく、以下のゲル化又は高分子化処理によって得られる天然ゴムが好ましい。
本発明にあっては、天然ゴムラテックスを酸凝固して、酸の添加後8時間以内に脱水処理して、水分量を40質量%以下にして、少なくとも72時間以上ゲル化又は高分子化して得られた天然ゴムであることが好ましい。
凝固酸は、有機酸又は無機酸でもよく、例えば、ギ酸や硫酸等を代表として挙げることができ、処理ラテックスにpH5.0以下になるように酸を加え、特に、pHが3.0〜4.8の範囲であることが好ましい。
天然ゴムラテックスは、凝固酸を添加後、8時間以内、特に、6時間以内に脱水処理して、水分量を40質量%以下、好ましくは、30〜5質量%の範囲にして、少なくとも3日(72時間)以上、室温で直射日光を避けて保管(又は養生)する。
本発明にあっては、天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化による脱タンパク質処理、架橋剤(ヒドラジン化合物等)の添加処理、又は酵素による脱タンパク質処理をしたものであり、このような天然ゴムラテックスを凝固させて、更に酸化防止剤を添加した後に、乾燥処理して得られる天然ゴムが好ましい。
本発明にあって、架橋剤は、天然ゴムラテックスに直接加えて反応させて、天然ゴムラテックスの高分子化を行っても良く、また、天然ゴムラテックスを凝固・洗浄・乾燥して得られた天然ゴムに加えて、機械的せん断力を付与し、つまり素練りすることによって、高分子量化を行っても良い。
例えば、機械的せん断力を十分に付与可能な装置内に、天然ゴム原材料と、架橋化合物を入れ、機械的せん断力を付与することにより、天然ゴム分子を架橋(カップリング)し高分子量化することができる。これにより、工程を一段削減することができると共に、機械的せん断力の付与(素練り)による分子量の過剰な低減を抑制することができる。
前記機械的せん断力とは、固形天然ゴム原材料が各種混練装置においてせん断変形を受ける際、固形天然ゴム原材料にかかる力を意味する。
前記機械的せん断力の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、せん断速度が10〜10000 1/secの範囲でせん断力を加えることが好ましく、せん断速度が50〜3000 1/secの範囲でせん断力を加えることがより好ましい。
前記せん断速度が、10 1/sec未満であると、機械的せん断力が不足し十分に架橋反応が進まないことがあり、10000 1/secを超えると、天然ゴム分子の分子量低下が進み発熱性が悪化することがある。一方、前記せん断速度が、前記より好ましい範囲内であると、架橋反応の進行と分子量低下のバランスから発熱性の点で有利である。
前記機械的せん断力を付与する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バンバリー型混合機に代表される密閉型二軸混合機、2軸押出混練装置、ドライプリブレーカー、などが挙げられる。
架橋剤は、ゴム分子に対して重合反応性官能基及び/または付加反応性官能基を有する化合物であり、天然ゴム成分100質量部に対して0.01〜3質量部の割合で加えることが好ましい。
架橋剤の添加量が3質量部を超えると、天然ゴムの加工性に悪影響を与える。このような観点から、その割合は3質量部以下、好ましくは、2.5質量部以下、更に、好ましくは2.2質量部以下である。また、架橋剤の添加量が0.01質量部未満では、ゴム中の高分子化を十分に行うことができない。
重合反応官能基及び/又は付加反応性官能基を有する架橋剤は、ゴム同士の二次又は三次構造架橋させるものである限り、本発明において制限されない。従って、ゴム分子と反応する2以上の官能基を有するものであるが、本発明にあっては、特にジビニル系化合物、ジヒドラジド系化合物、ジチオール系化合物が好ましい。
ジビニル系化合物は、ビニル基を2個有する化合物であり、通常、天然ゴム分子中の二重結合と反応する。
ジビニル系化合物等の重合反応官能基を有する架橋化合物は、架橋化合物同士の結合、その他のドラフト化等の問題が重合開始剤の量によって生じるため、ゴムの超高分子化を増大させるおそれがある。このため、使用される重合開始剤は、天然ゴム成分100質量部に対して1.00質量部以下が好ましい。特に、0.5〜0.05質量部の範囲が好ましい。
重合開始剤の添加量が1.00質量部を超えると、加工性に悪影響を与える。また、重合開始剤の添加量が0.05未満では、ゴム中の高分子化を十分に行うことができない。
ジビニル系化合物は、ビニル基、又はビニル基を含むもの(以下、Vnとする。)が2個有した、一般式が(Vn)Rで表わされるもの、また特に、無機酸、2以上の二塩基酸を有する化合物、2以上の水酸基を有する化合物、又は2以上の二塩基塩(アミノ基又はアミド基)を有する化合物に2以上のビニル基、又はビニル基を含むものがエステル結合したもの、例えば、一般式が、Vn−(O=)S(=O)−Vn、一般式:Vn−O−(O=)C−R−C(=O)−O−Vn、一般式:Vn(O=)C−O−R−O−C(=O)Vn、及び一般式:Vn(O=)C−NH−R−NH−C(=O)Vn等で表わすことができる。
Vnはビニル基、又はビニル基を含むものであり互いに異なっても良く、Rは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、ナフタレン基、及びこれ等の基が幾つか組み合わさった炭素鎖であり、炭素数の総数が1〜20の炭素鎖であり、また汎用、且つ実用的に製造・使用されているものであれば、その炭素鎖中に酸素、窒素、硫黄、ハロゲン元素、及び/又はこれ等の元素を含む置換基を有した炭素鎖であってもよい。
直接、ビニル基が置換結合したジビニル系化合物としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等がある。
また、ビニル基又はビニル化合物がエステル結合したものには、ジビニルスルホン、シュウ酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、エイコサン二酸ジビニル、ドデカン酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、N、N’−メチレンビスアクリルアミド、N、N’−エチレンビスアクリルアミド等を挙げることができる。
また、付加反応性官能基を有する架橋剤には、ジアミノ系化合物、ジヒドロキシル系化合物、ジヒドラジド系化合物、及びジチオール系化合物等を挙げることができ、ゴム分子中の二重結合、カルボニル基等と求核又は求電子付加反応する。反応性等の観点からジヒドラジド系化合物、及びジチオール系化合物が好ましい。
ジヒドラジド系化合物としては、一般式:HNNHC(=O)−R−C(=O)−NHNHで表わされ、Rは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、ナフタレン基、及びこれ等の基が幾つか組み合わさった炭素鎖であり、炭素数が1〜20の炭素鎖であり、また汎用、且つ実用的に製造・使用されているものであれば、炭素鎖中に酸素、窒素、硫黄、ハロゲン元素、及び/又はこれ等の元素を含む置換基を有した炭素鎖であってもよい。
具体的なジヒドラジド化合物としては、例えば、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、コハク酸ジビドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド等がある。
ジチオール系化合物としては、チオール基又はチオール基を含むもの(以下、SHとする。)が2個有した、一般式がR(SH)で表わされ、2個のチオール基を有し、ゴムへの分散性の高い化合物である。
SHはチオール基、又はチオール基を含むものであり互いに異なっても良く、Rは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、ナフタレン基、及びこれ等の基が幾つか組み合わさった炭素鎖であり、炭素数の総数が1〜20の炭素鎖であり、また汎用、且つ実用的に製造・使用されているものであれば、その炭素鎖中に酸素、窒素、硫黄、ハロゲン元素、及び/又はこれ等の元素を含む置換基を有した炭素鎖であってもよい。
チオール系化合物の具体的なものとしては、2,3−ジチオール−1−プロパノール、エチレンビス(チオールアセタート)、meso−2,3−ジチオールコハク酸、ビス(2−チオールエチル)エーテル等がある。
天然ゴムラテックスの脱タンパク質処理は、酵素を用いた分解処理方法、界面活性剤を用い繰り返し洗浄する方法、酵素と界面活性剤とを併用する方法、ナトリウムメトキシドを用いたエステル交換処理方法、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等を用いたケン化法などがある。
本発明における天然ゴムのタンパク質分解(脱タンパク質を含む)における上記ケン化処理としては、アニオン界面活性剤等の存在化で、水酸化アルカリによって天然ゴムラテックスの粒子表面に存在するタンパク質を分解することが好ましい。
水酸化アルカリとしては、アルカリにナトリウム、カリウムが汎用され、水酸化アルカリの使用量はラテックス中の固形ゴム分100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。水酸化アルカリの使用量があまりにも高いとゴム粒子に存在する他の分子鎖をも分解して悪影響を与えるおそれがある。水酸化アルカリは予め10〜30%(w/v)の水溶液に調製して使用するのが好ましい。
アイオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等が汎用品として挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレンC12〜C18アルキルエーテル硫酸塩が好ましく、また塩としてはNa塩、K塩、Ca塩の如き金属塩、アンモニウム塩およびアミン塩が好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸塩が好ましく、就中ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩が特に好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の使用量は、天然ゴムラテックス中の固形ゴム分100質量部に対し、0.01〜0.5質量部が好ましい。
ケン化処理にあっては、反応温度、反応時間および水酸化アルカリの使用量を調節するのが好ましい。一般に反応温度が高いほど、反応時間が長くなるほどそして水酸化アルカリの使用量が多くなるほどタンパク質の分解度は向上する。ケン化反応の反応温度は25〜70℃が好ましく、反応時間は1〜72時間が好ましい。
本発明における天然ゴムの脱タンパク質における酵素処理にあっては、酵素は、プロテアーゼの他、ペプチターゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ等を単独又は組み合わせて用いることができる。これらの酵素の酵素活性は0.1〜50APU/gの範囲が適当である。
タンパク分解酵素の添加量は、天然ゴムラテックス中の固形成分100質量部に対して0.005〜0.5質量部、好ましくは0.01〜0.2質量部の範囲で用いるのが適当である。タンパク分解酵素の添加量が上記範囲を下回ると、タンパク質の分解反応が不十分になるおそれがあるために好ましくない。一方、タンパク分解酵素が上記範囲を超えて添加されると脱タンパク化が進みすぎ目的の加工性と物性のバランスがとれなくなってしまう。
本発明において、タンパク分解処理を行なう際には、タンパク分解酵素と共に界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤等を添加することができる。
本発明においては、上記の脱タンパク質、或いはタンパク質分解により、ラテックス固形分中の前記総窒素含有量が0.12〜0.30質量%になるように調整することが好ましい。
この窒素は、主にポリペプチド結合の窒素に由来するものである。ポリペプチド結合の定量は赤外分光分析によりタンパク質のポリペプチド結合による3280cm-1の吸光度を測定することにより行なうことができる。ここで、総窒素含有量0.12質量%はポリペプチド結合をほぼ80%分解することを意味している。また、総窒素含有量0.30質量%はポリペプチド結合をほぼ20%分解することを意味している。
本発明において、総窒素含有量が0.12質量%未満であれば、機械的特性(特に引張り特性)や低発熱性の改良効果は得られず、また、耐老化特性が悪化するおそれがある。
総窒素含有量が0.12質量%以上の特定の範囲の場合に限り、ゴム組成物の引張り特性や低発熱性の改良効果が得られる。これは、ペプチド結合の分解により、ゴム粘度が適度に低下して、微粒化カーボンブラックなどのゴムへの分散性が向上し、充填剤とゴムとの相互作用が増大するためと考えられる。一方、0.30質量%を超えると加工性が劣る。このような観点から総窒素含有量は0.12〜0.30質量%、特に0.18〜0.25質量%が好ましい。また、ポリペプチド分解率としては20〜80%、特に30〜70%が好ましい。
本発明において、酸化防止剤は凝固後に加えることが好ましい。
酸化防止剤は、凝固前であればそのまま直接添加することもできるが、酸化防止剤を分散媒、溶媒などに溶解して配合することが好ましい。
上述の酸化防止剤が水溶性の場合は、水溶液にして用いても良いが、非水溶性の酸化防止剤は、エマルジョン懸濁液、または、可溶性のエチルアルコール等に溶解し、それをカルボン酸塩ないしアルキルアリールスルホン酸塩の界面活性剤入りの水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等)で希釈して懸濁液として添加してもよいものである。
酸化防止剤水溶液の濃度は、0.005〜5質量%であることが好ましい。
本発明の酸化防止剤としては、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄などが挙げられる。また、工業的には、4,6−ビス(n−アルキルチオメチル)−o−クレゾール類等が挙げられ、例えば、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名IRGANOX1520L、チバ・スペシャルティケミカルズ社製)、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール(商品名IRGANOX1726、チバ・スペシャルティケミカルズ社製)等が挙げられる。
これらの酸化防止剤の添加量は、凝固前のゴムラテックスにおける乾燥ゴム分100質量部に対して、0.0001〜1.0質量部、好ましくは、0.001〜0.1質量部、更に好ましくは、0.01〜0.05質量部とすること望ましい。
この添加量が0.0001質量部未満では、添加量が少ないため、ゴム分子量の安定性を維持することができず、また、1.0質量部を越えると、添加量が多くなり、酸化防止剤がゴム中に残るため、そのものが悪影響を及ぼすことがあり、好ましくない。
本発明のゴム組成物は、上記の天然ゴムを含むゴム成分を配合してなる。本発明のゴム組成物におけるゴム成分には、上記天然ゴムを含む他に、一般的な天然ゴム、各種の合成ゴムを含めることができる。好ましくは、ポリマー相溶性(均一分散)の点からジエン系合成ゴムを用いることが好ましい。用いることができるジエン系合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも一種が挙げられ、特に、耐熱性の点から、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種が望ましい。本発明のゴム組成物において、上記で得られた天然ゴムの含有量は、全ゴム成分全量に対して、5質量%以上、好ましくは、50質量%以上とすることが望ましい。この天然ゴムの含有量が5質量%未満であると、上記天然ゴムの効果が十分に生じない。
本発明のゴム組成物には、カーボンブラックやシリカなどの充填剤、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
本発明のゴム組成物は、上記天然ゴムに、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
このように構成される本発明のゴム組成物では、品質が安定となり、耐破壊特性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物が得られる。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とし、ここで、タイヤ部材としては、空気入りタイヤのタイヤトレッドや、サイドウォールが好ましい。上記ゴム組成物を、例えば、タイヤトレッドに用いたタイヤは、粘度、分子量が最適の範囲に向上させた天然ゴムをゴム成分として用いることができるので、タイヤレッドの耐久性などを長期に維持することができる。なお、本発明のタイヤは、上述のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。
[実施例]
以下に、実施例、比較例により、本発明を更に具体的かつ詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
先ず、実施例1−8及び比較例1−6の天然ゴムの製造の製造を行った。
2200mLのバンバリーミキサーを用いて、実施例1〜8では、下記製造例1〜8により得られた試作天然ゴムa〜h、比較例1〜6では、下記に示す天然ゴム1〜6を使用して、下記表1に示す配合処方で混練り混合して、未加硫のゴム組成物を調製した。
このゴム組成物の加工性を下記に示す方法で評価した。また、このゴム組成物を145℃、33分間の条件で加硫し、耐亀裂進展性を以下に示す方法で評価した。
これらの結果を下記表2に示す。
Figure 2013221069
Figure 2013221069
表2の結果より、実施例1−8のゴム組成物は、耐亀裂進展性が向上しており、また、ムーニー粘度の結果より、加工性が比較例1の分岐インデックスの小さいものに比べて加工性が高く維持されることが見られた。また、天然ゴムの高分子量成分が好適な範囲であっても、その分岐インデックスの小さい天然ゴムにあっては、比較例5に見られるように、耐亀裂進展性の向上は見られず、加工性も悪くなることが見られた。更に、比較例6に見られるように、天然ゴムの高分子量成分が好適な範囲を上回る場合には極めて加工性が悪くなることが見られた。
[評価方法]
(1)天然ゴムの高分子量成分及び分子量500万での分岐インデックスgの測定
天然ゴムのサンプルをTHF中に、溶液中の天然ゴムの濃度が0.4質量%となるよう添加した。24時間放置した後、この溶液を、ステンレス製の遠沈管を用い遠心加速度約15万Gにて1時間超遠心分離して、溶液中の可溶成分と不溶成分とを分離した。
分離された溶液中の可溶成分に対応する上澄み液を採取して、THFにより2倍に希釈し、FFF−MALSにより測定・分析した。FFF装置としてはPostnova社製のAF2000、MALS検出器としてはWyatt社のDawn Heleos II、RI検出器としては、Postnova社製のPN3140型をそれぞれ用いた。この際、装置の配管の連結方法はFFF装置−MALS検出器−RI検出器の順番で連結した。
(2)ゴム組成物の物性評価:配合後のムーニー粘度の測定方法〕
JIS K 6300−1:2001に準拠し、130℃におけるムーニー粘度を測定した。比較例1のゴム組成物をインデックス100として、他の事例を指数表示した。値が高いほど、ゴム組成物の加工性が悪くなる。
(3)加硫ゴムの耐亀裂進展性評価方法
室温下で破断時の弾性率をJIS 6301に準拠して測定した。数値が大きい程、耐破壊特性が良好なことを示し、比較例1のゴム組成物をインデックス100として、他の事例を指数表示した。
<ゴムの製造例>
製造例1,2:水136gに、アニオン系界面活性剤[花王(株)製「デモール」、界面活性剤濃度は2.5重量%]24.7 ml、プロテアーゼ(ノボザイムズ製「アルカラーゼ 2.5L、タイプDX」)の0.06gを加えて混合し、溶液を調製した。
次に、固形分20重量% の天然ゴムラテックス1000gをウォーターバス中にて40℃の恒温とし、攪拌しながら、上記溶液を滴下し、5時間同温度で攪拌を続け、天然ゴムラテックス(A)を得た。
得られた天然ゴムラテックス(A)にギ酸を添加して凝固し、得られたゴム分を、BHT懸濁液(水に対してBHT5重量%、界面活性剤:花王製(エマルゲン109) 0.1重量%)に1時間浸漬し、130℃2時間で熱風乾燥して天然ゴムaを得た。
また、製造例1で、反応時間を10時間とし、その他の工程は同様にして天然ゴムbを得た。
製造例3:製造例1で乾燥条件を80℃24時間に変えた以外同様とし、天然ゴムcを得た。
製造例4:製造例1でプロテアーゼの代わりにペプチターゼ(萬邦通商製「デビトラーゼ」)を用い、その他の工程は同様にして天然ゴムdを得た。
製造例5:固形分20重量% の天然ゴムラテックス1000gにプロピオン酸ヒドラジド(50%水溶液)を0.4g添加し、撹拌したのちギ酸を添加して凝固し、得られたゴム分を、BHT懸濁液(水に対してBHT5重量%、界面活性剤:花王製(エマルゲン109) 0.1重量%)に1時間浸漬し、130℃ 2時間で熱風乾燥して天然ゴムeを得た。
製造例6:製造例5で乾燥条件を80℃24時間とした以外同様にして、天然ゴムfを得た。
製造例7,8:製造例1でプロテアーゼの代わりに水酸化ナトリウムを用い天然ゴムラテックス(B)を得た。その後、その他の工程は同様にして天然ゴムgを得た。
また、乾燥条件を80℃24時間として天然ゴムhを得た。
比較例1:固形分20重量% の天然ゴムラテックスにギ酸を加えて凝固し、130℃2時間で熱風乾燥して比較天然ゴム1を得た。
比較例2:製造例1で得られた天然ゴムラテックス(A)にギ酸を添加して凝固し、130℃2時間で熱風乾燥して比較天然ゴム2を得た。
比較例3:固形分20重量%の天然ゴムラテックス1000gにプロピオン酸ヒドラジド(50%水溶液)を0.4g添加し、撹拌したのちギ酸を添加して凝固し、130℃2時間で熱風乾燥して比較天然ゴム3を得た。
比較例4:製造例7で、得られた天然ゴムラテックス(B)にギ酸を添加して凝固し、130℃2時間で熱風乾燥して比較天然ゴム4を得た。
比較例5:固形分20重量% の天然ゴムラテックスにギ酸を加えて凝固し、得られたゴム分を、BHT懸濁液(水に対してBHT5重量%、界面活性剤:花王製(エマルゲン109)0.1重量%)に1時間浸漬し、130℃2時間で熱風乾燥して比較天然ゴム5を得た。
比較例6:製造例5で、乾燥条件を50℃120時間として比較天然ゴム6を得た。
本発明に係る天然ゴムは、加工性、耐亀裂進展性に優れ、産業上利用可能性の高いものである。

Claims (6)

  1. 天然ゴムラテックス又は天然ゴムを処理して得られ、下記測定方法によって測定される分子量が500万以上の高分子量成分を、10質量%以上20質量%未満含み、且つ分子量500万における分子成分の分岐インデックス(g)が0.840以上である天然ゴム。
    (ゴム溶液を遠心加速度1万G〜100万Gにて遠心分離して、その溶液中の可溶成分を、角度光散乱検出器及びフィールドフローフラクショネーション装置によって測定するゴム分子量の測定方法。)
  2. 天然ゴムラテックスに脱タンパク質処理を行い、凝固させ、さらに酸化防止剤を添加したのちに乾燥処理をして得られる請求項1記載の天然ゴム。
  3. 天然ゴムラテックスにヒドラジド化合物を添加し、凝固させ、さらに酸化防止剤を添加したのちに乾燥処理をして得られる請求項1記載の天然ゴム。
  4. 天然ゴムラテックスを酸凝固剤で酸凝固して、酸凝固剤を添加後8時間以内に脱水処理し、水分量を40質量%以下にして、少なくとも72時間以上ゲル化又は高分子化して得られた請求項1又は2記載の天然ゴム。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の天然ゴムを含むゴム組成物。
  6. 請求項5に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
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