JP2013504143A - 空気極および金属空気電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、初期容量および容量保持率を高い値で両立できる空気極を提供することを主目的とする。
本発明においては、金属空気電池に用いられる空気極であって、導電性材料、粒子状触媒およびファイバー状触媒を含有する空気極層と、上記空気極層の集電を行う空気極集電体とを有し、上記粒子状触媒および上記ファイバー状触媒の合計重量に対する上記ファイバー状触媒の割合が、10重量%以下であることを特徴とする空気極を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、初期容量および容量保持率を高い値で両立できる空気極に関する。
金属空気電池は、空気(酸素)を正極活物質として用いた電池であり、エネルギー密度が高い、小型化および軽量化が容易である等の利点を有する。そのため、現在、広く使用されているリチウムイオン電池を超える高容量電池として、注目を集めている。
このような金属空気電池は、例えば、導電性材料(例えばカーボンブラック)、触媒(例えば二酸化マンガン)および結着材(例えばポリフッ化ビニリデン)を有する空気極層と、その空気極層の集電を行う空気極集電体と、負極活物質(例えば金属Li)を含有する負極層と、その負極層の集電を行う負極集電体と、電解質(例えば非水電解液)と、を有する。
従来から、種々の触媒を用いた金属空気電池が知られている。例えば、非特許文献1には、触媒としてEMD(電解二酸化マンガン、γ−MnO)を用いた非水電解液型リチウム空気電池が開示されている。さらに、この電池では、初期容量として1000mAh/g−Cが得られること、50サイクルの充放電が可能であること、初期容量に対する10サイクル後の容量保持率(R10/1)が約80%であることが開示されている。また、非特許文献2には、触媒としてナノワイヤ状のα−MnOを用いた非水電解液型リチウム空気電池が開示されている。さらに、この電池では、初期容量として3000mAh/g−Cが得られることが開示されている。しかしながら、ナノワイヤ状のα−MnOを用いた電池は、充放電を繰り返した際に大きな容量劣化を起こし、初期容量に対する10サイクル後の容量保持率(R10/1)が約50%と低かった。
Takeshi Ogasawara et al., "Rechargeable Li2O2 Electrode for Lithium Batteries", J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 1390-1393 Aurelie Debart et al., "α-MnO2 Nanowires: A Catalyst for the O2 Electrode in Rechargeable Lithium Batteries", Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 4521-4524
初期容量と容量保持率とはトレードオフの関係にあるため、両者を高い値で両立できることは困難である。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、初期容量および容量保持率を高い値で両立できる空気極を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においては、金属空気電池に用いられる空気極であって、導電性材料、粒子状触媒およびファイバー状触媒を含有する空気極層と、上記空気極層の集電を行う空気極集電体とを有し、上記粒子状触媒および上記ファイバー状触媒の合計重量に対する上記ファイバー状触媒の割合が、10重量%以下であることを特徴とする空気極を提供する。
本発明によれば、ファイバー状触媒の割合を上記範囲とすることで、初期容量および容量保持率を高い値で両立できる。これにより、高エネルギー密度で長期間使用可能な空気極を得ることができる。
上記発明においては、上記粒子状触媒および上記ファイバー状触媒の合計重量に対する上記ファイバー状触媒の割合が、2重量%〜9重量%の範囲内であることが好ましい。初期容量および容量保持率をより高い値で両立できるからである。
上記発明においては、上記粒子状触媒がγ−MnOであり、上記ファイバー状触媒がα−MnOであることが好ましい。触媒機能が優れているからである。特に、α−MnOは形状選択性が高く、ファイバーを得やすいという利点を有する。
また、本発明においては、上述した空気極と、負極活物質を含有する負極層、および上記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、上記空気極層および上記負極層の間で、金属イオンの伝導を行う電解質と、を有することを特徴とする金属空気電池を提供する。
本発明によれば、上述した空気極を用いることで、高エネルギー密度で長期間使用可能な金属空気電池を得ることができる。
本発明の空気極の一例を示す概略断面図である。 本発明の空気極を説明する説明図である。 本発明の金属空気電池の一例を示す概略断面図である。 α−MnOの重量割合と、初期容量との関係を示すグラフである。 α−MnOの重量割合と、容量保持率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の空気極および金属空気電池について、詳細に説明する。
A.空気極
まず、本発明の空気極について説明する。本発明の空気極は、金属空気電池に用いられる空気極であって、導電性材料、粒子状触媒およびファイバー状触媒を含有する空気極層と、上記空気極層の集電を行う空気極集電体とを有し、上記粒子状触媒および上記ファイバー状触媒の合計重量に対する上記ファイバー状触媒の割合が、10重量%以下であることを特徴とするものである。
図1は、本発明の空気極の一例を示す概略断面図である。図1に示される空気極10は、導電性材料、粒子状触媒およびファイバー状触媒を含有する空気極層1と、空気極層1の集電を行う空気極集電体2とを有するものである。さらに、本発明においては、空気極層1に含まれるファイバー状触媒の含有量が、特定の範囲内にあることを大きな特徴とする。
図2は、本発明の空気極を説明する説明図である。図2(a)に示すように、初期容量と容量保持率とはトレードオフの関係にあるため、一般的に、初期容量の大きいファイバー状触媒Aは容量保持率が低く、容量保持率の高い粒子状触媒Bは初期容量が小さい関係にある。そのため、ファイバー状触媒Aと粒子状触媒Bとを混合すると、容量保持率の低いファイバー状触媒Aの割合が増加するにつれて、全体としての容量保持率は低下することが予想される(図2(b))。しかしながら、本発明においては、上記予想に反し、特異的に容量保持率の増加が確認された。その理由は定かではないが、ファイバー状触媒が、粒子状触媒の間を橋渡しするように配置されることにより、触媒の利用効率が向上するためであると推定される。一方、ファイバー状触媒Aと粒子状触媒Bとを混合すると、初期容量の大きいファイバー状触媒Aの割合が増加するにつれて、全体としての初期容量が増加することが予想される(図2(c))。本発明においても同様に、初期容量の増加が確認された。
このように、本発明によれば、ファイバー状触媒の割合を上記範囲とすることで、初期容量および容量保持率を高い値で両立できる。これにより、高エネルギー密度で長期間使用可能な空気極を得ることができる。特に、本発明は、上記トレードオフの関係に反して、特異的に容量保持率および初期容量を高い値で両立することができることを見出したものであるといえる。
以下、本発明の空気極について、構成ごとに説明する。
1.空気極層
本発明に用いられる空気極層について説明する。本発明に用いられる空気極層は、導電性材料、粒子状触媒およびファイバー状触媒を少なくとも含有するものである。さらに、必要に応じて、結着材を含有していても良い。
(1)触媒
本発明に用いられる空気極層は、粒子状触媒およびファイバー状触媒の両方を含有する。ここで、まず粒子状触媒について説明する。粒子状触媒の材料としては、例えば、MnO、CeO、TiO、Co、Fe等の無機セラミックス材料;コバルトフタロシアニン、鉄ポルフィリン等の有機錯体;およびこれらの複合材料を挙げることができる。なお、本発明における粒子状触媒は、凝集体も含む。本発明においては、粒子状触媒の材料が、無機セラミックス材料であることが好ましく、MnOであることがより好ましい。触媒機能に優れているからである。さらに、MnOの結晶構造としては、α型、β型、γ型、δ型、λ型およびR型(ラムスデライト型)を挙げることができる。中でも、本発明においては、粒子状触媒が、α−MnOまたはγ−MnOであることが好ましい。
本発明における粒子状触媒は、ミクロンオーダーであることが好ましい。良好な容量保持率を得ることができるからである。粒子状触媒の形状としては、例えば球状および楕円球状等を挙げることができ、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて確認することができる。また、粒子状触媒の平均粒径は、例えば0.5μm〜50μmの範囲内、中でも1μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。なお、平均粒径は、レーザー回折式の粒度分布計により算出することができる。また、粒子状触媒の比表面積は、例えば0.5m/g〜50m/gの範囲内、中でも1m/g〜30m/gの範囲内であることが好ましい。なお、比表面積は、BET法により算出することができる。
次に、本発明に用いられるファイバー状触媒について説明する。ファイバー状触媒の材料としては、例えば、MnO、TiO等の無機セラミックス材料;コバルトフタロシアニン、鉄ポリフィリン等の有機錯体;およびこれらの複合材料を挙げることができる。なお、本発明におけるファイバー状触媒は、チューブ状化合物も含む。本発明においては、ファイバー状触媒の材料が、無機セラミックス材料であることが好ましく、MnOであることがより好ましい。触媒機能に優れているからである。さらに、MnOの結晶構造としては、上述したように、α型、β型、γ型、δ型、λ型およびR型を挙げることができる。中でも、本発明においては、ファイバー状触媒が、α−MnOであることが好ましい。α−MnOは形状選択性が高く、ファイバーを得やすいからである。
また、本発明において、粒子状触媒およびファイバー状触媒は、同一の化学組成を有するものであっても良く、異なる化学組成を有するものであっても良い。前者の場合、2つの触媒が同一の化学組成を有することから、触媒反応の制御が容易になると考えられる。前者の一例としては、粒子状触媒およびファイバー状触媒がMnOである場合を挙げることができる。一方、後者の場合、容量保持率が高い粒子状触媒と、初期容量が大きいファイバー状触媒とを組合せることで、より高性能な空気極を得ることができる。後者の一例としては、粒子状触媒がCeOであり、ファイバー状触媒がα−MnOである場合を挙げることができる。
本発明におけるファイバー状触媒は、ナノオーダーであることが好ましい。良好な初期容量を得ることができるからである。ファイバー状触媒の形状は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて確認することができる。また、ファイバー状触媒の平均長さは、例えば100nm〜10000nmの範囲内、中でも500nm〜5000nmの範囲内であることが好ましい。ファイバー状触媒の平均径は、例えば10nm〜100nmの範囲内、中でも20nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。また、ファイバー状触媒のアスペクト比(長さ/径)は、例えば1〜1000の範囲内、中でも10〜250の範囲内であることが好ましい。さらに、ファイバー状触媒の比表面積は、通常、上述した粒子状触媒の表面積より大きいものであり、例えば5m/g〜100m/gの範囲内、中でも10m/g〜50m/gの範囲内であることが好ましい。なお、比表面積は、BET法により算出することができる。
本発明においては、粒子状触媒およびファイバー状触媒の合計重量に対するファイバー状触媒の割合が、通常、10重量%以下であり、9重量%以下が好ましく、7重量%以下がより好ましい。一方、上記ファイバー状触媒の割合は、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上がさらに好ましい。また、本発明においては、上記ファイバー状触媒の割合が、粒子状触媒を単独で用いた場合の容量保持率よりも高い容量保持率を示すことができる割合であることが好ましい。初期容量および容量保持率をより高い値で両立できるからである。また、空気極層におけるファイバー状触媒および粒子状触媒の混合物(混合触媒)の割合は、例えば1重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましい。混合触媒の含有量が少なすぎると、充分な触媒機能を発揮できない可能性があり、混合触媒の含有量が多すぎると、相対的に導電性材料の含有量が減り、反応場が減少し、電池容量の低下が生じる可能性があるからである。
(2)導電性材料
空気極層に用いられる導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばカーボン材料等を挙げることができる。さらに、このカーボン材料は、多孔質構造を有するものであっても良く、多孔質構造を有しないものであっても良いが、本発明においては、多孔質構造を有するものであることが好ましい。比表面積が大きく、多くの反応場を提供することができるからである。多孔質構造を有するカーボン材料としては、具体的にはメソポーラスカーボン等を挙げることができる。一方、多孔質構造を有しないカーボン材料としては、具体的にはグラファイト、アセチレンブラック、カーボンナノチューブおよびカーボンファイバー等を挙げることができる。空気極層における導電性材料の含有量は、その密度や体積に応じて、適宜選択することが好ましい。具体的には、導電性材料の含有量が、10重量%〜99重量%の範囲内であることが好ましい。導電性材料の含有量が少なすぎると、反応場が減少し、電池容量の低下が生じる可能性があり、導電性材料の含有量が多すぎると、相対的に触媒や結着材の含有量が減り、所望の空気極層が得られない可能性があるからである。
(3)結着材
本発明に用いられる空気極層は、導電性材料および触媒を固定化する結着材を含有していても良い。結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着材等を挙げることができる。また、SBR等のゴムを結着材として用いても良い。空気極層における結着材の含有量としては、例えば40重量%以下、中でも1重量%〜10重量%の範囲内であることが好ましい。結着材の量が多すぎると、電池容量の低下が生じる可能性があり、結着材の量が少なすぎると、導電性材料および触媒を充分に固定化できない可能性があるからである。
(4)空気極層
本発明に用いられる空気極層は、上述した導電性材料、粒子状触媒、ファイバー状触媒、結着材を含有するものである。空気極層の厚さは、金属空気電池の用途等により異なるものであるが、例えば2μm〜500μmの範囲内、中でも5μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
2.空気極集電体
次に、本発明に用いられる空気極集電体について説明する。本発明に用いられる空気極集電体は、空気極層の集電を行うものである。空気極集電体の材料としては、例えば金属材料およびカーボン材料を挙げることができ、中でもカーボン材料が好ましい。耐腐食性に優れているからである。このようなカーボン材料としては、例えばカーボンファイバー(炭素繊維)であることが好ましい。電子が繊維を通じて伝導することができ、電子伝導性が高いからである。カーボンファイバーを用いた空気極集電体としては、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパーおよびカーボンフェルト等を挙げることができる。一方、金属材料としては、例えばステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄およびチタン等を挙げることができる。金属材料を用いた空気極集電体としては、金属メッシュ等を挙げることができる。
本発明における空気極集電体の構造は、所望の電子伝導性を確保できれば特に限定されるものではなく、ガス拡散性を有する多孔質構造であっても良く、ガス拡散性を有しない緻密構造であっても良い。中でも、本発明においては、空気極集電体が、ガス拡散性を有する多孔質構造を有していることが好ましい。酸素の拡散を速やかに行うことができるからである。多孔質構造の気孔率としては、特に限定されるものではないが、例えば20%〜99%の範囲内であることが好ましい。また、空気極集電体の厚さは、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも20μm〜400μmの範囲内であることが好ましい。
3.空気極
本発明の空気極は、金属空気電池に用いられるものである。好ましい金属空気電池の種類については、後述する「B.金属空気電池」で詳細に説明する。特に、本発明の空気極は、非水電解液を用いた金属空気電池に用いられることが好ましい。触媒機能を充分に発揮することができるからである。また、本発明の空気極の形成方法は、上述した空気極を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。空気極の形成方法の一例としては、まず、導電性材料、触媒、結着材および溶媒を含有する空気極層形成用の組成物を作製し、次に、この組成物を、空気極集電体上に塗布して、乾燥する方法等を挙げることができる。上記溶媒としては、例えばアセトン、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)等を挙げることができる。また、上記溶媒の沸点は200℃以下であることが好ましい。乾燥が容易になるからである。
B.金属空気電池
次に、本発明の金属空気電池について説明する。本発明の金属空気電池は、上述した空気極と、負極活物質を含有する負極層、および上記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、上記空気極層および上記負極層の間で、金属イオンの伝導を行う電解質と、を有することを特徴とするものである。
図3は、本発明の金属空気電池の一例を示す概略断面図である。図3に示される金属空気電池20は、負極ケース11aと、負極ケース11aの内側底面に形成された負極集電体12と、負極集電体12に接続された負極リード12aと、負極集電体12上に形成され、負極活物質を含有する負極層13と、空気極層14と、空気極層14の集電を行う空気極集電体15と、空気極集電体15に接続された空気極リード15aと、負極層13および空気極層14の間に配置されたセパレータ16と、非水電解液17と、微多孔膜18を有する空気極ケース11bと、負極ケース11aおよび空気極ケース11bの間に形成されたパッキン19と、を有するものである。本発明においては、空気極層14および空気極集電体15からなる空気極に、上述した空気極を用いたことを大きな特徴とする。
このように、本発明によれば、上述した空気極を用いることで、高エネルギー密度で長期間使用可能な金属空気電池を得ることができる。
以下、本発明の金属空気電池について、構成ごとに説明する。
1.空気極
本発明に用いられる空気極については、上記「A.空気極」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
2.負極
次に、本発明に用いられる負極について説明する。本発明に用いられる負極は、負極活物質を含有する負極層と、上記負極層の集電を行う負極集電体と、を有するものである。
本発明に用いられる負極層は、少なくとも負極活物質を含有するものである。負極活物質は、通常、伝導する金属イオンとなる金属元素を有する。上記金属元素としては、例えば、Li、NaおよびK等のアルカリ金属元素;MgおよびCa等のアルカリ土類金属元素;Al、Zn等の両性金属元素;Fe等の遷移金属元素を挙げることができる。中でも、本発明においては、上記金属元素が、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素であることが好ましく、アルカリ金属元素であることがより好ましく、Liであることが特に好ましい。エネルギー密度の高い電池を得ることができるからである。また、上記負極活物質としては、具体的には、金属単体、合金、金属酸化物、金属窒化物等を挙げることができる。
リチウム元素を有する合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、リチウム元素を有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。
また、本発明における負極層は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、導電性材料および結着材の少なくとも一方を含有するものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極層とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質および結着材を有する負極層とすることができる。なお、導電性材料および結着材については、上記「A.空気極」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、負極層の厚さは、目的とする金属空気電池の構成に応じて適宜選択することが好ましい。
本発明に用いられる負極集電体は、負極層の集電を行うものである。負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、銅、ステンレス、ニッケル、カーボン等を挙げることができる。上記負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。本発明においては、後述する電池ケースが負極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
本発明における負極の形成方法は、上述した負極を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。負極の形成方法の一例としては、箔状の負極活物質を、負極集電体上に配置して、加圧する方法を挙げることができる。また、負極の形成方法の他の例としては、負極活物質および結着材を含有する負極層形成用の組成物を作製し、次に、この組成物を、負極集電体上に塗布して、乾燥する方法等を挙げることができる。
3.電解質
次に、本発明に用いられる電解質について説明する。本発明に用いられる電解質は、上記空気極層および上記負極層の間で金属イオンの伝導を行うものである。金属イオンの種類は、上述した負極活物質の種類によって異なるものである。また、電解質の形態は、金属イオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、電解液(含水電解液または非水電解液)、ゲル電解質(含水ゲル電解質または非水ゲル電解質)、ポリマー電解質および無機固体電解質等を挙げることができる。中でも、本発明においては、水を含まない電解質を用いることが好ましい。具体的には電解質が、非水電解液、非水ゲル電解質、ポリマー電解質または無機固体電解質であることが好ましい。
本発明に用いられる非水電解液の種類は、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、リチウム空気電池の非水電解液は、通常、リチウム塩および有機溶媒を含有する。上記リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOおよびLiAsF等の無機リチウム塩;およびLiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を挙げることができる。上記有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびこれらの混合物等を挙げることができる。また、上記有機溶媒は、酸素溶解性が高い溶媒であることが好ましい。溶存した酸素を効率良く反応に用いることができるからである。非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5mol/L〜3mol/Lの範囲内である。なお、本発明においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。
また、本発明の金属空気電池は、空気極層および負極層の間に、非水電解液を保持するセパレータを有することが好ましい。より安全性の高い電池を得ることができるからである。上記セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜;および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる非水ゲル電解質は、通常、非水電解液にポリマーを添加してゲル化したものである。例えば、リチウム空気電池の非水ゲル電解質は、上述した非水電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加し、ゲル化することにより、得ることができる。本発明においては、LiTFSI(LiN(CFSO)−PEO系の非水ゲル電解質が好ましい。
また、本発明に用いられるポリマー電解質は、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することが好ましい。また、本発明に用いられる無機固体電解質としては、例えばLi−La−Ti−O系の無機固体電解質等を挙げることができる。本発明においては、無機固体電解質を加圧して固体電解質層に成形し、空気極層および負極層の間に配置することができる。
4.電池ケース
次に、本発明に用いられる電池ケースについて説明する。本発明に用いられる電池ケースの形状としては、上述した空気極、負極、電解質を収納することができれば特に限定されるものではないが、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。また、電池ケースは、大気開放型の電池ケースであっても良く、密閉型の電池ケースであっても良い。大気開放型の電池ケースは、上述した図3に示すように、大気と接触可能な電池ケースである。一方、電池ケースが密閉型電池ケースである場合は、密閉型電池ケースに、気体(空気)の供給管および排出管を設けることが好ましい。この場合、供給・排出する気体は、酸素濃度が高いことが好ましく、純酸素であることがより好ましい。また、放電時には酸素濃度を高くし、充電時には酸素濃度を低くすることが好ましい。
5.金属空気電池
本発明の金属空気電池の種類としては、伝導する金属イオンの種類によって異なるものであるが、中でもリチウム空気電池、ナトリウム空気電池およびカリウム空気電池であることが好ましく、特にリチウム空気電池が好ましい。本発明の金属空気電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良い。また、本発明の金属空気電池の用途としては、例えば車両搭載用途、定置型電源用途、家庭用電源用途等を挙げることができる。本発明の金属空気電池を製造する方法は、特に限定されるものではなく、一般的な金属空気電池の製造方法と同様である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
本実施例においては、リチウム空気二次電池の評価用セルを作製した。なお、セルの組立はアルゴンボックス内で行った。また、北斗電工製の電気化学セルの電池ケースを用いた。
まず、電池ケースに、金属Li(本城金属社製、φ18mm、厚さ0.25mm)を配置した。次に、金属Liの上にポリエチレン製のセパレータ(φ18mm、厚さ25μm)を配置した。次に、セパレータの上から、プロピレンカーボネート(PC、キシダ化学製)中にLiClO(キシダ化学製)を濃度1Mで溶解させた非水電解液を4.8mL注液した。
次に、粒子状触媒(三井金属鉱業社製、電解二酸化マンガン、γ−MnO、平均粒径15μm、比表面積20.6m/g)と、ファイバー状触媒(溶液法により合成、α−MnO、平均径30nm、平均長さ300nm、比表面積22m/g)とを用意した。次に、これらを重量比で、粒子状触媒:ファイバー状触媒=99:1となるように混合し、混合触媒を得た。次に、カーボンブラック25重量部と、混合触媒42重量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)33重量部と、アセトン溶媒とを有する組成物を、カーボンペーパー(空気極集電体、東レ社製TGP−H−090、φ18mm、厚さ0.28mm)上に、ドクターブレードにて塗布し、空気極層(φ18mm、目付重量5mg)を形成した。次に、得られた空気極の空気極層を、セパレータと対向させるように配置して封止し、評価用セルを得た。
[実施例2〜5]
混合触媒におけるファイバー状触媒の割合を、3重量%、5重量%、7重量%、10重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして評価用セルを得た。
[比較例1]
混合触媒におけるファイバー状触媒の割合を0重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして評価用セルを得た。
[評価]
実施例1〜5および比較例1で得られた評価用セルを用いて、充放電評価を行った。まず、評価用セルを、酸素で満たしたデシケータ(酸素濃度99.99体積%、内部圧力1atm、デシケータ容積1L)に配置した。その後、2.0V−4.3Vのカット電圧、0.02mA/cmの電流密度の条件で、5サイクルのならし運転(調整運転)を行った。その後、同条件で、5サイクルの定電流充放電を行った。その結果を表1、図4、図5に示す。なお、表1における「g−C」は、カーボンブラック重量を示す。
Figure 2013504143
表1、図4、図5に示すように、実施例5では、容量保持率の低いα−MnOを10重量%添加したにも関わらず、全体としての容量保持率が比較例1よりも優れていた。また、実施例1では、比較例1に比べて、容量保持率は同程度であってが、初期容量が大幅に増加した。さらに、実施例2〜4では、比較例1に比べて、初期容量および容量保持率の両方が優れていることが確認された。
1 … 空気極層
2 … 空気極集電体
10 … 空気極

Claims (4)

  1. 金属空気電池に用いられる空気極であって、
    導電性材料、粒子状触媒およびファイバー状触媒を含有する空気極層と、前記空気極層の集電を行う空気極集電体とを有し、
    前記粒子状触媒および前記ファイバー状触媒の合計重量に対する前記ファイバー状触媒の割合が、10重量%以下であることを特徴とする空気極。
  2. 前記粒子状触媒および前記ファイバー状触媒の合計重量に対する前記ファイバー状触媒の割合が、2重量%〜9重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の空気極。
  3. 前記粒子状触媒がγ−MnOであり、前記ファイバー状触媒がα−MnOであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気極。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の空気極と、
    負極活物質を含有する負極層、および前記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、
    前記空気極層および前記負極層の間で、金属イオンの伝導を行う電解質と、
    を有することを特徴とする金属空気電池。
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