JP2014007718A - ヘッドホン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】音を外部に放出するための放音口(2a)を有するヘッドホンであって、放音口(2a)に向かって音を放出する第1のスピーカユニット(7)と、放音口(2a)に向かって音を放出するチューブ(11)を有する第2のスピーカユニット(9)と、を備える。チューブ(11)はその両端部(11a,11e)を連通するチューブ孔(11h)を有し、第2のスピーカユニット(9)から放出された音がチューブ孔(11h)の一方端(11a)から進入して他方端(11e)から放音口(2a)に向かって放出されるよう配置されている。
【選択図】図2
Description
この構造においては、スピーカユニットの振動板にかかる背圧がダクトの仕様(ダクト径や長さ)等により決まるため、音質調整のためにダクトの形状を変えると振動板の振動に影響が及んで正面側に放出される音声の音質も変化する。
そのため、低音域の増強は比較的容易である反面、ヘッドホンとしての再生音の音質を定める作業には長い時間を要する。
すなわち、設計工程において、商品の音質を調整して決定する音質調整作業に長時間を要するため、この音質調整作業が短時間で済むヘッドホンが望まれていた。
1) 音を外部に放出するための放音口(2a)を有するヘッドホンであって、
前記放音口(2a)に向かって音を放出する第1のスピーカユニット(7)と、
前記放音口(2a)に向かって音を放出するチューブ(11)を有する第2のスピーカユニット(9)と、を備え、
前記チューブ(11)はその両端部(11a,11e)を連通するチューブ孔(11h)を有し、前記第2のスピーカユニット(9)から放出された音が前記チューブ孔(11h)の一方端(11a)から進入して他方端(11e)から前記放音口(2a)に向かって放出されるよう配置されていることを特徴とするヘッドホン(HP1)である。
2) 前記チューブ(11)は前記第2のスピーカユニット(9)から放出された音に対してローパスフィルタとして作用することを特徴とする1)記載のヘッドホン(HP1)である。
3) 前記第2のスピーカユニット(9)は、前記チューブ孔(11h)の前記一方端(11a)が挿通されたフロントキャビティ(V1)を有することを特徴とする1)または2)に記載のヘッドホン(HP1)である。
4) 前記チューブ(11)は、少なくとも一部が弧状又は螺旋状に形成されていることを特徴とする1)〜3)のいずれか一つに記載のヘッドホン(HP1)である。
5) 前記第1のスピーカユニット(7)と前記チューブ(11)とを支持するホルダ(6)を備えていることを特徴とする1)〜4)のいずれか一つに記載のヘッドホン(HP1)である。
6) 前記第1のスピーカユニット(7)を複数備えることを特徴とする1)〜5)のいずれか一つに記載のヘッドホン(HP1)である。
図1は、実施例1のヘッドホンHP1の外観を示す斜視図であり、図2は、ヘッドホンHP1の斜視的分解図である。以下の説明における上下左右前後の各方向は、図1に示される方向で規定する。
ヘッドホンHP1は、インナーイヤータイプとして分類されるヘッドホンの内の、外耳道内に挿入するイヤーピースを装着可能とした所謂耳栓型のヘッドホンである。
外観上、ヘッドホンHP1は、本体部1と、本体部1から突出した筒状の音筒部2及びコードブッシュ3と、コードブッシュ3の先端から外部に引き出されたコード4と、が視認される。
音筒部2には着脱自在にイヤーピース5が装着されている。イヤーピース5は、柔軟性を有する低剛性材料(ゴムやエラストマなど)で形成されており、ヘッドホンHP1の使用時には音筒部2と共に外耳道内に挿入され、柔軟に変形して外耳道の内面にほぼ密着するようになっている。
後述するスピーカユニット7〜9から出力された音声は、音筒部2の放音口2aを介して外耳道内に供給される。すなわち、音筒部2は放音部として機能する。
コードブッシュ3は、ゴムやエラストマなどの低剛性材で形成されている。具体的材料例はシリコーンゴムである。
音筒部2はFカバー1cに一体的に形成されている。また、Lカバー1aにはリング状のオーナメント1dが取り付けられている。
Lカバー1a,Rカバー1b,及びFカバー1cは、例えば熱可塑性樹脂で形成されている。使用される熱可塑性樹脂の例として、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネート)がある。
スピーカユニット7,8がそれぞれユニットホルダ6の収容孔6a,6bに収容された状態で、各振動板(図示せず)の駆動軸線CL7,CL8は互いに平行になっている。
スピーカユニット7,8には、コード4の一端側が電気的に接続され、コード4の他端側に接続された図示しない再生装置からの音声信号を音声に変換して出力する。図2では、コード4の両端側の描画を省略してある。
スピーカユニット9は、正面となる放音面9aが左方側(図1における紙面手前側)を向く姿勢で、Rカバー1bとユニットカバー10との間に挟まれるように収容されている。なお、ユニットカバー10とスピーカユニット9とは密閉状態となっており、振動板方向から出た音は背面空間すなわち1b側に回りこまないようになっている。
各スピーカユニット7〜9とコード4との電気的接続については後述する。
ユニットカバー10は、上面部10eを有し、下面側の開放部を大径部10d、上面部10eから立設するリング状の部分を小径部10b、小径部10bの底面からリング状の部分の段部10aを有する段付き鍋状部材である。ユニットカバー10は、例えばABS,PCなどの熱可塑性樹脂材、真鍮,アルミニウムなどの金属材で形成される。
放音面9aとユニットカバー10とは、両者間に空間としてフロントキャビティV1を形成している。フロントキャビティV1に面する小径部10bの内面側の面部10b1には、一箇所、開口部10cが形成されている。
フロントキャビティV1は、この開口部10cを除きほぼ密閉状態となっている。
スピーカユニット9の背面9b側は、Rカバー1bで覆われると共に背面9bとRカバー1bとにより、両者間に空間としてバックキャビティV2が形成されている。バックキャビティV2は、実質的に密閉状態とされている。
図5は、本体部1のRカバー1bを不図示とし、ユニットカバー10の内面が露出した状態にして概ね前後上下で規定される平面で切断した断面図である。
図3〜図5に示されるように、開口部10cには、外側からチューブ11の一方の端部11a側が挿入されている。
チューブ11は、両端部を連通するチューブ孔11hを有しており、チューブ孔11hの一方端がフロントキャビティV1と接続され、チューブ孔11hの内部の空間とフロントキャビティV1とが連通するように配設されている。
図6は、チューブ11の三面図であり、図6(a)は上面図、図6(b)は右側面図、図6(c)は正面図である。
図7は、チューブ11とユニットカバー10及びユニットホルダ6との関係を説明するために、Lカバー1a,Rカバー1b,コードブッシュ3,及びコード4を不図示とした図である。
図6に示されるように、チューブ11は、フロントキャビティV1に挿入される端部11a側において概ね直線状に形成された直状部11bと、他方の端部11e側において概ね直線状に形成された直状部11dと、直状部11bと直状部11dとの間において所定の内径Daで形成された円弧部11cと、を有している。
この形状は、チューブ11が金属などの高剛性材で形成された場合は、自然状態で維持されるので、ヘッドホンHP1の組み立て作業時にはその状態で本体部1内に組み付ける。
また、軟質ポリエチレンなどの低剛性材で形成された場合は、自然状態では維持され難いので、組み立て作業時において、治具や自動機械によってこの形状にフォーミングしてユニットカバー10内に組み付ける。
これにより、図3,図4,及び図7で示されるように、円弧部11cは、ユニットカバー10の小径部10bの外側においてユニットカバー10の最大外形(大径部10dの外形)から径方向外側にはみ出すことなく、段部10aの段差に丁度収まるように配設されている。
また、チューブ11は、その円弧部11cが、スピーカユニット9の駆動軸線CL9のまわりに弧を描くように配設されている。すなわち、円弧部11cの円弧内に駆動軸線CL9が位置するように形成されている。例えば、駆動軸線CL9を中心とする円弧である。これにより、チューブ11の円弧部11cの占有空間において駆動軸線CL9に沿う方向の寸法が小さくなるので、本体部1を極めてコンパクトなデザインで形成することができる。
すなわち、円弧部11cは、チューブ孔11hの全長(経路)を、コンパクトなLカバー1a,Rカバー1bで形成された占有空間内で、より長く得るための経路延長部として機能している。
一方、チューブ11の直状部11dの先端側は、ユニットホルダ6に設けられた貫通孔6cに挿入され、チューブ孔11hの他方端がユニットホルダ6の前方空間に開口している。
すなわち、チューブ孔11hは、ユニットホルダ6の前方空間VF(図5参照)とフロントキャビティV1との間を所定の長さで連通する通気路となっている。
この場合、チューブ11が低剛性材で形成されている場合には、チューブ11の姿勢が安定して良好に保持される。
また、チューブ11が高剛性材で形成される場合には、チューブ11自身の振動が良好に抑制されるので、ヘッドホンHP1の再生音に影響を与える不要な内部振動の発生が防止される。
また、チューブ11が高剛性材で形成される場合には、チューブ11は、ユニットカバー10に対し、チューブ11が連結されている開口部10c以外では接触しないように配設されるとよい。
この場合、図3における部位PTに例示されるように、チューブ11とユニットカバー10の段部10aとの間に間隙が形成される。
この間隙を形成することにより、チューブ11が振動しても、ユニットカバー10とは、開口部10c以外での接触(衝突)が起こりにくくなるので、チューブ11とユニットカバー10とによって叩き音が生じることをより確実に防止することができる。
図8に示されるように、上下方向において、スピーカユニット9の駆動軸線CL9は、スピーカユニット7の駆動軸線CL7と、スピーカユニット8の駆動軸線CL8と、の間に位置している。
また、上述のように、駆動軸線CL9は、互いに平行な駆動軸線CL7と駆動軸線CL8とに対して非平行とされており(交差するようになっており)、この例では直交するように設定されている。
また、左右方向において、スピーカユニット9の設置位置は、その放音面9aが駆動軸線CL7及び駆動軸線CL8を含む平面として規定される仮想平面SF上にあるか、又はその近傍に位置するように設定されている。
図9は、この仮想平面SFの延在方向の後方側から見た断面図であって、スピーカユニット9に交わる位置で切断した模式図である。この図の例では、スピーカユニット9は、放音面9aが仮想平面SFに対して左方側直近に位置するように配置されている。
また、図9に示されるように、フロントキャビティV1とバックキャビティV2とが、仮想平面SFを挟んで一方側と他方側とに形成されているとよりよい。
従って、ヘッドホンHP1の本体部1の形状を、突出した部分が少なく全体としてコンパクトにバランスよく形成することができる。
図10は、本体部1のFカバー1cを不図示としてユニットホルダ6を露出させた状態を前方側から見た図である。
この例では、コードブッシュ3を、その中心線が仮想平面SF上に位置するように配置している。
また、仮想平面SFに対する左側の最大突出部位までの距離(左側突出量)WLと、右側の最大突出部位までの距離(右側突出量)WRと、が大きく異なることなく外形ラインが設定されている。また、その外形ラインにおいても、局部的に突出する部分がなく、デザイン上、本体部1は極めてコンパクトになっている。
すなわち、レイアウト上は、前面部6dに三つのスピーカユニットが設けられているのと等価である。
図11で明らかなように、スピーカユニット7,8からは音筒部2に向けてそれぞれ音声AD7,AD8(白抜き矢印参照)が出力されると共に、チューブ孔11hからは音筒部2に向けスピーカユニット9から出力された音声AD9(黒矢印参照)が出力される。
各音声AD7〜AD9は、すべて同一面である前面部6dから同じ方向(前方)に出力され、ヘッドホンHP1の使用時において音筒部2の先端から使用者の外耳道内に放出される。
このように、ヘッドホンHP1は、音声AD7,AD8の出力方向と、音声AD7,AD8に付加する音声AD9の出力方向と、が放音部である音筒部2に向かう同じ方向(互いに平行な方向)になっていることが好ましい。これにより、音声AD9を音声AD7,AD8とは異なる方向(交差する方向)から付加させた場合に生じることが懸念される不要な波形干渉等が発生することはなく、使用者に対してより良好な出力音声を提供することができる。
ここで、スピーカユニット9からの音声AD9は、チューブ孔11hを経由して前面部6dから放出される音声であるから、チューブ孔11hの仕様を、音声AD9が所望の周波数特性を有するように設定(チューニング)して音声AD7,AD8に付加することができる。
例えば、チューブ孔11hをより小径とし、チューブ11の全長をより長くすることで、音声AD9の周波数特性において、音圧レベルが高い音域を低音側に移行させると共に、その音圧レベルをより高くすることができる。
すなわち、3xDc≦L・・・(式1)、かつ、22xp≦Dc・・・(式2)
である。
音声AD9の付加例を図12を参照して説明する。
この図13の特性を得たヘッドホンHP1は、Dc=7.8mm,p=0.35mm,L=30mm とされたものである。
特性A(一点鎖線)が、スピーカユニット7,8を駆動させずにスピーカユニット9のみを駆動させてチューブ孔11hから出力された音声AD9の周波数特性であり、特性B(破線)が、スピーカユニット9を駆動させずにスピーカユニット7,8のみを駆動させて得られた音声AD7と音声AD8とに係る周波数特性である。
また、特性C(実線)は、すべてのスピーカユニット7〜9を駆動させて得られた音声の特性であり、音声AD7及び音声AD8に音声AD9が付加されたものである。この特性Cの音声を使用者は聴取する。
特性Aに示されるように、音声AD9は、中高音域(概ね100Hzを越える範囲)の音圧レベルが高くないため、音声AD9が音声AD7及び音声AD8の特性Bに影響を与えることが少ない。
従って、この中高音域において、特性Cは特性Bと同じになる。
一方、音声AD9は、低音域(概ね100Hz以下の範囲)の音圧レベルが特に高くなっているので、音声AD9は、音声AD7及び音声AD8の特性Bに影響を及ぼす。
従って、この低音域において、特性Cは特性Bよりも音圧レベルが高くなっている。
従って、スピーカユニット9及びチューブ11により、音声AD9が所望の特性(例えば上述のような低音域のみが増強された特性A)となるよう予め設定(チューニング)しておくことで、使用者が聴取するヘッドホンHP1の出力音声を、容易に所望の特性とすることができる。
このため、設計工程における音質調整作業が短時間になり、商品開発サイクルが短縮されて早期に市場要望に応えることができ、設計コストの低減ができる。
本来、スピーカユニット7,8のみの駆動で、少なくとも中音域及び高音域の音質調整が良好に図られている調整済みのものにおいて、さらにインナーイヤータイプのヘッドホンの改善点である低音補強を、所望の特性で短時間で実現することが求められているので、調整済みの中高音域に影響を及ぼすことなく、低音域のみを増強できることが期待される。従って、ヘッドホンHP1においては、(式1)及び(式2)を満足するように各寸法が設定されていることがより望ましい。
上述のヘッドホンHP1は、特性付加用のスピーカユニット9を、基本となる特性(特性A)を司るスピーカユニット7,8に対して駆動軸線が交差するように(非平行に)配設したものであった。
これに対し、実施例2のヘッドホンHP2は、各スピーカユニットの駆動軸線が平行となるように配設したものである。
ヘッドホンHP2は、インナーイヤータイプの内の、外耳道内に挿入するイヤーピースを装着可能とした所謂耳栓型のヘッドホンである。
外観上、ヘッドホンHP2は、本体部21と、本体部21から突出した筒状の音筒部22及びコードブッシュ23と、コードブッシュ23の先端から外部に引き出されたコード24と、が視認される。
音筒部22には、着脱自在にイヤーピース25が装着されている。イヤーピース25は、柔軟性を有する材料(ゴムやエラストマなど)で形成されており、ヘッドホンHP2の使用時には音筒部22と共に外耳道内に挿入され、柔軟に変形して外耳道の内面にほぼ密着するようになっている。
後述するスピーカユニット27〜29から出力された音声は、音筒部22の放音口22aを介して外耳道内に供給される。すなわち、音筒部22は放音部として機能する。
音筒部22は、前カバー21aに一体的に形成されている。コードブッシュ23は、リングカバー21cと一体的に形成されている。
前カバー21a,中間カバー21b,及びバックカバー21dは、例えば熱可塑性樹脂で形成されている。熱可塑性樹脂の例として、ABSやPCがある。
コードブッシュ23が一体化されたリングカバー21cは、例えばエラストマー材で形成される。
スピーカユニット27,28がそれぞれユニットホルダ26の収容孔26a,26bに収容された状態で、各振動板(図示せず)の駆動軸線CL27,CL28は互いに平行になっている。
スピーカユニット27,28には、コード24の一端側が電気的に接続され、コード24の他端側に接続された図示しない再生装置からの音声信号を音声に変換して出力する。図15では、コード24の両端側の描画を省略してある。
また、境壁21b1の後方側には、スピーカユニット29の放音面29aが隙間無く収容される凹部である収容部21b2と、凹部21b3と、が形成されている。凹部21b3は、スピーカユニット29のバックキャビティV4(後述)の前方側の部分となる。
スピーカユニット29は、この収容部21b2に収容されている。すわわち、スピーカユニット29は、音筒部22に対してスピーカユニット27,28よりも離れた位置に配置されている。
境壁21b1における収容部21b2の底部となる部分には、貫通孔21b4が形成されており、チューブ31の他方の端部31bが挿通される。
中間カバー21bの後方側は、リングカバー21cを介してバックカバー21dで塞がれる。従って、スピーカユニット29の背面29b,リングカバー21c,バックカバー21d,及び凹部21b3によりスピーカユニット29のバックキャビティV4が形成される。バックキャビティV4は、実質的に密閉状態とされている。
また、端部31aと端部31bとを連通し、両端部31a,31bで開口するチューブ孔31hを有している。
螺旋部31eの外形は、ユニットホルダ26の外形よりも内側に位置するように曲率及び配置位置が決められている。螺旋部31eは駆動軸線CL29を内側とする螺旋状に形成されている。例えば、駆動軸線CL29がその螺旋の中心とされる。
螺旋部31eは、チューブ孔31hの全長(経路)をコンパクトな占有空間内でより長く得るための経路延長部として機能している。
ユニットホルダ26の前面部26dには、スピーカユニット27と、スピーカユニット28と、チューブ孔31hと、が開口している。
すなわち、レイアウト上は、前面部26dに三つのスピーカユニットが設けられているのと等価である。
ヘッドホンHP2は、音声AD27,AD28の出力方向と、音声AD27,AD28に付加する音声AD29の出力方向と、が放音部である音筒部22に向かう同じ方向(互いに平行な方向)になっていることが好ましい。これにより、音声AD29を音声AD27,AD28とは異なる方向(交差する方向)から付加させた場合に生じることが懸念される不要な波形干渉等が発生することはなく、使用者に対してより良好な出力音声を提供することができる。
すなわち、螺旋部31eを設けることにより、本体部21内の空間を有効に利用してチューブ孔31hの全長をより長く確保することができている。また、チューブ31は、その螺旋部31eが、スピーカユニット29の駆動軸線CL29のまわりに螺旋を描くように配設されている。例えば駆動軸線CL29を中心とする螺旋である。これにより、チューブ31の配設空間における駆動軸線CL29に沿う方向の寸法が小さくなるので、本体部21を極めてコンパクトなデザインで形成することができる。螺旋状は渦巻き状などを含む。
この構成における音響的効果は、ヘッドホンHP1の場合と同様である。図11には、ヘッドホンHP2に対応する符号が括弧付きで示されている。
従って、スピーカユニット29及びチューブ31により、所望の特性(例えば低音域のみが増強された特性)の音声AD29を予め設定しておくことで、ヘッドホンHP2の出力音声を、容易に所望の特性とすることができる。
このため、設計工程における音質調整作業が短時間になり、商品開発サイクルが短縮されて早期に市場要望に応えることができ、設計コストの低減ができる。
また、実施例2におけるチューブ31は、ユニットホルダ26の貫通孔26cと中間カバー21bの貫通孔21b4とにおいて両端支持されており、チューブ11と同様に中間部11Mに含まれる例えば螺旋部31eが、中間カバー21bで係合支持されていてもよいものである。
また、スピーカユニット9は、所謂インナーイヤータイプのヘッドホンとしては比較的大口径の振動板を搭載し、大音量の音声出力が可能である。
チューブ11は、スピーカユニット9から大音量で音声出力がされた際には、チューブ孔11h内を大振幅の空気振動が伝達されることもあって少なからず振動が誘起される。また、チューブ11は、チューブ孔11hの内径や長さに応じた共振によっても振動が誘起され得る。そして、それらの振動の振幅は、チューブ11の中間部11Mの特に中央付近において特に大きくなる。この中央付近とは、中間部11Mの延在長さの半分(センター)となる位置付近を意味する。
そのため、チューブ11は、中間部11MがLカバー1aで係合支持されていても、誘起された振動の振幅が大きい場合にはその支持が緩み、チューブ11によってLカバー1aが僅かでも叩かれるようになる虞がある。
この場合の叩きにより発生する叩き音は、音質が中高音域の硬い音となって耳障りな騒音として聴取され易い。
また、中高音域の硬い叩き音は、僅かな音量の場合でもヘッドホンHP1の再生音に影響を与え、使用者の感覚として「濁り」や「雑味」と表現される音質低下を招く。
また、中間部11MとLカバー1aとの係合は、一度緩むと元へはもどらないことから、この叩き現象は、使用時間が長くなるほど発生する可能性が高くなる。
そのため、叩き音の発生がより効果的に抑制され、その抑制が長期的維持される構造にすることは好ましく、以下に説明する変形例がその構造に該当する。
図17は、ヘッドホンHP71の縦断面図であり、Fカバー1cとスピーカユニット7,8とユニットホルダ6とコード4とは省略されている。
図18は、ヘッドホンHP71の、Fカバー1cとスピーカユニット7,8とユニットホルダ6とコード4とを外した状態での前面図である。
図19は、コードブッシュ73を示す斜視図である。
コードブッシュ73は、柔軟な低剛性材料で形成されている。例えばゴム、エラストマであり、具体例はシリコーンゴムである。
連結壁部73kcにより、環状の基部73kの内側は、二つの貫通空間SP1,SP2に仕切られる。二つの貫通空間SP1,SP2は、三つのスピーカユニット7〜9とコード4との間に繋がれるリード線の通り道を区分けし、リード線の引き回しでの収まりを良好にするために利用される。
チューブ11が円管の場合、凹部73bは、横断面形状が略円弧状とされ、チューブ11の外周面と接触する範囲は、中心角が例えば約90°以上の円弧状に形成される。中心角の具体例は180°である。
ここで、コードブッシュ73は柔軟な低剛性材料で形成されているので、凹部73bを、その横断面形状の曲率とチューブ11の外周面の曲率とが概ね合致するよう形成することで、チューブ11を凹部73bに良好に密着させることができる。
また、チューブ11をコードブッシュ73の凹部73bに対し付勢するように配設すれば、両部材間の接触又は密着は、押圧を伴ってより確実なものとなる。この場合、外部からの衝撃や誘起された振動で、接触又は密着の度合いが変化することはほとんどない。
図20に示されるように、チューブ11の中間部1Mに接触する接触部材は、例えば上述のコードブッシュ73であり、また、それ以外では、例えばLカバー1aの内面に貼付や接着で取り付けた柔軟な低剛性材料からなるクッション部材74である。
図21(b)は、コードブッシュ73の壁部73kRに接着剤等で固着されたクッション部材74を説明するための図であり、図21(a)に対応した部分的斜視図である。また、図22は、クッション部材74が固着されたコードブッシュ73の全体斜視図である。
クッション部材74は、凹部73bに相当する凹部74bを有している。
クッション部材74を設ける構造の場合、コードブッシュ73とクッション部材74との柔軟度合いを異なるものとすることができる。
例えば、コードブッシュ73の材料として、低剛性材料の中でも比較的剛性の高い材料の指定がある場合に、チューブ11が接触する部分のみをより柔軟な材料で形成した接触部材にする、などでの最適化が可能となる。
また、接触位置は、最大振幅を生じ易い、中間部11Mの少なくとも中央付近を含むようにすると、良好に振動を抑制できるので好ましい。
また、チューブ11は、低剛性部材により概ね全周が接触しつつ覆われるようになっていてもよい。この場合、接触する低剛性部材には、チューブ11が概ね全周にわたり接触して挿通されるチューブ挿通孔を形成しておく。チューブ挿通孔は、チューブ11の断面形状に概ね対応した断面形状を有して形成される。
チューブ挿通孔は周壁により閉じた状態の孔でなくてもよく、周壁の一部に、外部とチューブ挿通孔とを繋ぐ径方向の切れ込みが設けられていてもよい。
また、仮にチューブ11の振動が大振幅の場合であっても、生じる叩き音の音量は小さいものとなり、かつ、可聴帯域における低音域の柔らかい音となるので、耳障りな騒音としては聴取され難い。
また、再生音に混入する低音域の柔らかい音は、聴感上、再生音への影響が少ないので、再生音の音質低下が抑制される。
また、チューブ11を、その中間部11Mが凹部73bを付勢するように配設することで、係合が緩み難くなり、長期の使用においても叩き現象の発生が起こり難くなる。
また、チューブ11の中間部11Mと接触する接触部材を、別部材ではなくコードブッシュ73とすれば、部品数及び組み立て工数が少なくなる。
実施例1のヘッドホンHP1では、特性付加用(低音増強用)のスピーカユニット9以外の、再生音の基本特性を司るスピーカユニットは、スピーカユニット7,8の二つに限るものではなく、一つ又は三つ以上としてもよい。また、基本特性を司るスピーカユニットが複数の場合、それぞれが異なる仕様のスピーカユニットであってもよい。実施例2のヘッドホンHP2についても同様である。
例えば、図23に模式的に示される種々の変形例の態様としても同様の効果を得ることができる。
チューブ54は、実施例2と同様に駆動軸線CL53まわりに螺旋状に形成してスピーカユニット51,52とスピーカユニット53との間に収容し、スピーカユニット51,52と共に前面部55aに開口させている。これにより全体形状をコンパクトにできる。
チューブ54は、本体部55に一部を埋め込み這わせるように設けることで、例えばその半径分の突出で済む。チューブ54の外径は本体部55の大きさからすれば充分小さいので、コンパクト化が可能であることには変わりない。
また、図23(b)と(c)はチューブ54を本体部55に這わせるように設置したが、もちろんチューブ54は本体部55の内部に設置されてもよい。
従って、チューブ11,54の材質は、作業性と音響特性とを比較し、その優先度に応じて適宜選択するのが好ましい。
増強すべき低音域は、例えば100Hz以下の領域であり、特性Aは、低音域以外の領域における音圧レベルが特性Bと比べて充分に小さいため、スピーカユニット7及びスピーカユニット8から出力される音声の位相と、チューブ孔11hから出力されるスピーカユニット9からの音声の位相とが、厳密に制御されている必要はない。例えば、互いに完全に相殺する位相差(180°)以外のずれは許容されるものである。
1a Lカバー
1a1 溝部
1b Rカバー、 1c Fカバー、 1d オーナメント
2, 22 音筒部(放音部)
2a,22a 放音口
3,23,73 コードブッシュ
4,24 コード
5,25 イヤーピース
6,26 ユニットホルダ
6a,6b,26a,26b 収容孔、 6c,26c 貫通孔
6d,26d,55a 前面部
7〜9,27〜29,51〜53 スピーカユニット
9a,29a 放音面、 9b,29b 背面、 9s 振動板
10 ユニットカバー
10a 段部
10b 小径部
10b1 面部
10c 開口部、 10d 大径部、 10e 上面部
11,31,54 チューブ(経路延長部)
11a,11e,31a,31b 端部
11b,11d,31c,31d 直状部, 11M,31M 中間部
11c 円弧部、 11h,31h チューブ孔
21a 前カバー
21b 中間カバー
21b1 境壁、 21b2 収容部、 21b3 凹部、 21b4 貫通孔
21c リングカバー、 21d バックカバー、 31e 螺旋部
73a コード導出部
73b 凹部
73b1 縁部
73h 貫通孔
73k 基部
73kb 弧状部
73kc 連結壁部、 73kc1 切れ込み
73kL,73kR 壁部
74 クッション部材
74b 凹部
AD7〜AD9 音声
BD 封止材
CL7〜CL9,CL27〜CL29 駆動軸線
Da 内径、 Db 外径、 Dc (可動部の)外径
HP1〜HP4,HP71 ヘッドホン
L チューブ孔長さ、 p (チューブ孔の)内径
PT 部位、 SF 仮想平面
V1 フロントキャビティ(空間)、 V2,V4 バックキャビティ(空間)
V3 空間、 VF 前方空間
WL 距離(左側突出量)、 WR 距離(右側突出量)
Claims (6)
- 音を外部に放出するための放音口を有するヘッドホンであって、
前記放音口に向かって音を放出する第1のスピーカユニットと、
前記放音口に向かって音を放出するチューブを有する第2のスピーカユニットと、を備え、
前記チューブはその両端部を連通するチューブ孔を有し、前記第2のスピーカユニットから放出された音が前記チューブ孔の一方端から進入して他方端から前記放音口に向かって放出されるよう配置されていることを特徴とするヘッドホン。 - 前記チューブは前記第2のスピーカユニットから放出された音に対してローパスフィルタとして作用することを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。
- 前記第2のスピーカユニットは、前記チューブ孔の前記一方端が挿通されたフロントキャビティを有することを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドホン。
- 前記チューブは、少なくとも一部が弧状又は螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘッドホン。
- 前記第1のスピーカユニットと前記チューブとを支持するホルダを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のヘッドホン。
- 前記第1のスピーカユニットを複数備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドホン。
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